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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179376
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】跳上防止部材
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20241219BHJP
   A47B 57/56 20060101ALI20241219BHJP
   A47B 57/48 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47B57/56 A
A47B57/48 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098178
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000209223
【氏名又は名称】棚橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 浩司
(72)【発明者】
【氏名】川合 省司
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA14
3B118BA08
3B118BB04
3B118BB13
3B118BB15
3B118CA10
3B118CA12
(57)【要約】
【課題】支柱に取り付けられた陳列部材の跳ね上がりを防止する跳上防止部材を提供する。
【解決手段】
支柱800に取り付けられた陳列部材700の跳ね上がりを防止する跳上防止部材100であって、支柱800の取付穴810に係合する第一係合部110及び第二係合部120と、陳列部材700の一部に当接可能な押付部160と、を備え、第一係合部110と第二係合部120は、連結部150によって連結され、連結部150は、第一係合部110と第二係合部120とが近接するように弾性変形可能に構成されている、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に取り付けられた陳列部材の跳ね上がりを防止する跳上防止部材であって、
前記支柱の取付穴に係合する第一係合部及び第二係合部と、
前記陳列部材の一部に当接可能な押付部と、を備え、
前記第一係合部と前記第二係合部は、連結部によって連結され、
前記連結部は、前記第一係合部と前記第二係合部とが近接するように弾性変形可能に構成されている、ことを特徴とする跳上防止部材。
【請求項2】
前記支柱の外面に当接可能な当接部を備えることを特徴とする請求項1に記載の跳上防止部材。
【請求項3】
前記押付部は、上下方向の全長を延長するために、補助押付部を取り付け可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の跳上防止部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、店舗等で商品を陳列するための陳列部材が、上方に跳ね上げられることを防止する跳上防止部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示すような商品を陳列するための陳列部材は、支柱に取り付けられて利用されている。ただ、陳列部材の下側から不用意に力が加わると、陳列部材が跳ね上がってしまう虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2021-094057号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本願発明は上記問題に鑑み、支柱に取り付けられた陳列部材の跳ね上がりを防止する跳上防止部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の跳上防止部材は、支柱に取り付けられた陳列部材の跳ね上がりを防止する跳上防止部材であって、前記支柱の取付穴に係合する第一係合部及び第二係合部と、前記陳列部材の一部に当接可能な押付部と、を備え、前記第一係合部と前記第二係合部は、連結部によって連結され、前記連結部は、前記第一係合部と前記第二係合部とが近接するように弾性変形可能に構成されている、ことを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、跳上防止部材の押付部が陳列部材の一部に当接して押さえ付けるので、陳列部材が跳ね上がるのを効果的に防止できる。
【0007】
本願発明の跳上防止部材は、前記支柱の外面に当接可能な当接部を備えることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、跳上防止部材の当接部が支柱の外面に当接可能に構成されているので、支柱に取り付けられた跳上防止部材の姿勢がズレにくく、ガタつきを防止できる。その結果、跳上防止部材の押付部が陳列部材の一部を安定して押さえ付けることができ、陳列部材の跳ね上がりを更に効果的に防止できる。
【0009】
本願発明の跳上防止部材は、前記押付部は、上下方向の全長を延長するために、補助押付部を取り付け可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、陳列部材の高さや形状等が異なっても、補助押付部によって全長を延長できるので、押付部が陳列部材を確実に押さえつけることができる。
【発明の効果】
【0011】
上記に記したように、本願発明の跳上防止部材は、支柱に取り付けられた陳列部材の跳ね上がりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は、本願発明の実施形態1に係る跳上防止部材の表側の斜視図、(b)は、跳上防止部材の裏側の斜視図である。
図2】(a)は、跳上防止部材の平面図、(b)は、跳上防止部材の側面図である。
図3】支柱及び陳列部材の全体斜視図である。
図4】(a)から(c)は、図3のA―A断面図である。
図5】跳上防止部材が支柱に取り付けられた状態の拡大斜視図である。
図6】本願発明の実施形態2にかかる跳上防止部材を示したもので、(a)は、補助押付部を取り付ける前の跳上防止部材の全体斜視図、(b)は、補助押付部を取り付けた後の跳上防止部材の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
100 跳上防止部材
110 第一係合部
120 第二係合部
150 連結部
700 陳列部材
800 支柱
810 取付穴
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本願発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、本明細書における上下方向とは、図3に示すように、垂直方向に設置された支柱800に沿った上下方向を意味する。
【0015】
<実施形態1>
まず、図1及び図2に、本願発明の実施形態1に係る跳上防止部材100を示す。図1(a)は、跳上防止部材100の表側の斜視図、図1(b)は、跳上防止部材100の裏側の斜視図、図2(a)は、跳上防止部材100の平面図、図2(b)は、跳上防止部材100の側面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、跳上防止部材100は合成樹脂やその他の素材から構成されており、側面視で全体が略C字状に形成されている。そして、後述する支柱800の取付穴に係合する第一係合部110と第二係合部120を備えている。第二係合部120は、跳上防止部材100の下部130の末端131に設けられている。また、第一係合部110は、跳上防止部材100の上部140の末端141に設けられている。下部130と上部140は、弾性変形可能な連結部150によって連結されている。そして、連結部150が弾性変形することで、後述するように、下部130と上部140は、互いに近接及び離隔できる。なお、連結部150は、合成樹脂から構成されているが、これに限定されず、連結部150が弾性変形できるのであれば、金属やその他の任意の素材で構成してもよい。また、跳上防止部材100は、連結部150を含めた全体を合成樹脂等で一体成形されているが、これに限定されず、連結部150を含めた各部材を個別に製造しておき、各部材を連結して、跳上防止部材100全体を組み立ててもよい。
【0017】
また、第一係合部110は、後述する支柱800の取付穴に係止する係止爪111を備えている。第一係合部110の先端は、係止爪111へ向けて傾斜する傾斜部112となっている。同様に、第二係合部120は、後述する支柱800の取付穴に係止する係止爪121を備えている。第二係合部120の先端は、係止爪121へ向けて傾斜する傾斜部122となっている。
【0018】
また、下部130の先端132には、陳列部材の一部に当接可能な押付部160を備える。押付部160は板状に形成され、下端側が平坦面161となっている。また、下部130には、板状の当接部170を備える。当接部170は、後述する支柱800の外面に当接可能に構成されており、支柱800の外面に当接する側に平坦面171を備える。
【0019】
次に、図3に、本願発明の跳上防止部材100を取り付ける対象である支柱800及び陳列部材700を示す。なお、図3は、支柱800及び陳列部材700の全体斜視図である。
【0020】
図3に示すように、店内の床面等に2本の支柱800が垂直に設置されている。この支柱800は中空状になっており、上下方向に複数の取付穴810が設けられている。そして、任意の位置の取付穴810に、ブラケット710の係止爪711を係止させて、ブラケット710を支柱800に取り付ける。また、両側のブラケット710に、平板状の棚板720を載せて取り付ければ、陳列部材700の設置が完了する。なお、陳列部材700は、ブラケット710と棚板720を備えた構成となっているが、これに限定されず、支柱800に取り付けて利用するものであれば、任意の構成であってもよい。
【0021】
次に、図4及び図5に、本願発明の跳上防止部材100を支柱800に取り付ける様子を示す。なお、図4(a)から(c)は、図3のA―A断面図、図5は、跳上防止部材100が支柱800に取り付けられた状態の拡大斜視図である。
【0022】
まず、図4(a)に示すように、跳上防止部材100を支柱800に取り付ける際は、陳列部材700の上方に位置する取付穴810に向けて跳上防止部材100を近づけ、跳上防止部材100の上部140の第一係合部110を取付穴810に挿入する。そして、図4(b)に示すように、跳上防止部材100の上部140の第一係合部110を取付穴810に先に挿入した状態で、第一係合部110と第二係合部120とが近接するように、連結部150を弾性変形させる。具体的には、上部140の第一係合部110を取付穴810の縁部に引っ掛けたまま、図4(b)に示すように、跳上防止部材100の下部130を上方へ押せば(矢印参照)、連結部150が湾曲するように内側に弾性変形し、第二係合部120が第一係合部110へ近接するのである。
【0023】
そして、図4(c)に示すように、第二係合部120も取付穴810内に挿入されると、内側に弾性変形していた連結部150が、外側へ拡径するように元の形状に復帰する。すると、第一係合部110と第二係合部120が元の位置に戻るように、互いに離隔する。そして、第一係合部110の係止爪111と第二係合部120の係止爪121とが、取付穴810の裏面側の縁部に係合し、図4(c)及び図5に示すように、跳上防止部材100は支柱800にしっかりと取り付けられた状態となる。なお、第一係合部110の先端は傾斜部112となっているので、第一係合部110を取付穴810内に挿入して係止させやすい。同様に、第二係合部120の先端は傾斜部122となっているので、第二係合部120を取付穴810内に挿入して係止させやすい。
【0024】
そして、図4(c)及び図5に示すように、跳上防止部材100の押付部160は、陳列部材700の一部(例えば、棚板720)に相対するように配置されている。陳列部材700が下側から不用意に上方への外力を受けると、陳列部材700は上方へ跳ね上がる虞があるが、跳上防止部材100の押付部160が陳列部材700の一部(例えば、棚板720)に当接して押さえ付けるので、陳列部材700が跳ね上がるのを効果的に防止できる。また、押付部160の平坦面161が陳列部材700の一部にしっかりと面接触して押さえつけるので、陳列部材700の跳ね上がりを更に効果的に防止できる。
【0025】
また、跳上防止部材100の当接部170が支柱800の外面に当接可能に構成されているので、支柱800に取り付けられた跳上防止部材100の姿勢がズレにくく、ガタつきを防止できる。その結果、跳上防止部材100の押付部160が陳列部材700の一部を安定して押さえ付けることができ、陳列部材700の跳ね上がりを更に効果的に防止できる。なお、当接部170は平坦な板状になっているので、人の指先で操作しやすく、跳上防止部材100を支柱800に取り付けやすい。
【0026】
さらに、陳列部材700が跳ね上がる方向に外力が加わると、陳列部材700に当接した押付部160にも上方への応力が加わる。ただ、押付部160に連続している連結部150が弾性変形して、その応力を吸収できるので、跳上防止部材100全体が変形して取付穴810から外れてしまうことを効果的に防止している。特に、連結部150は、第一係合部110と第二係合部120の2つの係合箇所と、押付部160との間に配置されているので、押付部160から受ける外力を連結部150で吸収して、係合箇所に応力が伝わることを防止していることから、第一係合部110と第二係合部120とが取付穴810から外れてしまうことを効果的に防止している。
【0027】
なお、陳列部材700の高さや形状等は、陳列部材700の種類や製造業者等によって異なっている。そのため、跳上防止部材100の押付部160の上下方向の全長(高さ)は、陳列部材700の種類や形状等に合わせて、陳列部材700の一部に当接できるように、長くするまたは短くするなど、任意に設計変更できる。
【0028】
<実施形態2>
では次に、図6を参照して、本願発明の実施形態2にかかる跳上防止部材100Aについて説明する。なお、図6(a)は、補助押付部180Aを取り付ける前の跳上防止部材100Aの全体斜視図、図6(b)は、補助押付部180Aを取り付けた後の跳上防止部材100Aの全体斜視図である。また、本願発明の実施形態2に係る跳上防止部材100Aの構成は、補助押付部180Aを備えた点と、押付部160Aが補助押付部180Aを取り付け可能に構成された点で異なるが、その他の点については、実施形態1にかかる跳上防止部材100の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
【0029】
図6(a)に示すように、跳上防止部材100Aの押付部160Aの側面には、取付溝165Aが設けられている。また、補助押付部180Aは、略直方体形状をしており、上端側は押付部160Aを挿入可能な挿入口181Aとなっている。そして、挿入口181Aの両側の側面には、内側へ突出した取付突起182Aが設けられている。そのため、補助押付部180Aを押付部160Aに挿入するように下側から取り付ければ、図6(b)に示すように、押付部160Aが挿入口181Aに挿入されると共に、取付突起182Aが取付溝165Aに嵌まるので、補助押付部180Aは押付部160Aにしっかりと取り付けられた状態となる。
【0030】
そして、補助押付部180Aを押付部160Aに取り付けたことで、押付部160A全体の高さ、つまり、上下方向の全長を延長することができる。すると、陳列部材の高さや形状等が異なることで、押付部160Aと陳列部材との間の隙間が大きくなって、押付部160Aが陳列部材に当接しにくい場合であっても、補助押付部180Aによって全長を延長できるので、押付部160Aが補助押付部180Aを介して陳列部材を確実に押さえつけることができる。なお、補助押付部180Aの下端は平坦面185Aとなっており、陳列部材の一部にしっかりと面接触して押さえつけるので、陳列部材の跳ね上がりを更に効果的に防止できる。また、補助押付部180Aは、取付突起182Aと取付溝165Aによって押付部160Aに着脱可能に取り付ける構成であるが、これに限定されず、補助押付部180Aを押付部160Aに取り付けることが出来るのであれば、補助押付部180Aと押付部160Aをビス等の連結部材で固定する構成や、両者を接着剤等で固定する構成など、任意の構成を採用することが出来る。
【0031】
なお、本願発明の跳上防止部材は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6