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  • 特開-ケーブル誤接続検出システム 図1
  • 特開-ケーブル誤接続検出システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179386
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ケーブル誤接続検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/55 20200101AFI20241219BHJP
【FI】
G01R31/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098199
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】上野 哲也
【テーマコード(参考)】
2G014
【Fターム(参考)】
2G014AA07
2G014AB33
(57)【要約】
【課題】 比較的小さいスペースでケーブルの誤接続を検出するケーブル誤接続検出システムを得る。
【解決手段】 複数の無線タグ31-1~31-3が、端子台1の複数の端子にそれぞれ接続される複数のケーブル32-1~32-3にそれぞれ取り付けられており、複数の無線タグリーダー13-1~13-3は、端子台1において複数の端子12-1~12-3にそれぞれ対応して配置され、それぞれ対応する端子12-1~12-3に接続されたケーブル32-1~32-3の無線タグ31-1~31-3の識別情報を読み取る。そして、結線状態判定部は、複数の無線タグリーダー13-1~13-3により読み取られた識別情報を取得し、取得した識別情報と無線タグリーダー13-1~13-3との組み合わせに基づいてケーブル32-1~32-3の誤接続の有無を判定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子を備えた端子台と、
前記端子台の前記複数の端子にそれぞれ接続される複数のケーブルにそれぞれ取り付けられた複数の無線タグと、
前記端子台において前記複数の端子にそれぞれ対応して配置され、それぞれ対応する端子に接続された前記ケーブルの前記無線タグの識別情報を読み取る複数の無線タグリーダーと、
前記複数の無線タグリーダーにより読み取られた前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報と前記無線タグリーダーとの組み合わせに基づいて前記ケーブルの誤接続の有無を判定する結線状態判定部と、
を備えることを特徴とするケーブル誤接続検出システム。
【請求項2】
主電源装置と、補助電源装置とをさらに備え、
前記ケーブルは、前記端子台を介して前記主電源装置に電力供給するための電源ケーブルであり、
前記補助電源装置は、前記主電源装置への電力供給が行われていないときに、前記結線状態判定部に電力供給し、
前記補助電源装置は、1次電池または2次電池を内蔵し、前記1次電池または前記2次電池の出力電力を前記結線状態判定部に供給し、
前記結線状態判定部は、前記補助電源装置から供給された電力で動作して前記ケーブルの誤接続の有無を判定すること、
を特徴とする請求項1記載のケーブル誤接続検出システム。
【請求項3】
前記端子台は、前記複数の無線タグリーダーのうちの各無線タグリーダーと、前記複数の端子のうちの当該無線タグリーダーに対応する前記端子以外の端子との間に、当該無線タグリーダーと前記無線タグとの間の無線通信を遮蔽する遮蔽部を備えることを特徴とする請求項1記載のケーブル誤接続検出システム。
【請求項4】
表示装置をさらに備え、
前記結線状態判定部は、前記ケーブルの誤接続の有無の判定結果を前記表示装置で表示すること、
を特徴とする請求項1記載のケーブル誤接続検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル誤接続検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
あるワイヤーハーネス検査方法では、ワイヤーハーネスにRFIDタグが設けられており、ワイヤーハーネスが載置ユニットに接続された状態で、移動ユニットによってRFIDリーダーを移動させつつRFIDリーダーでRFIDタグの識別情報を読み取り、RFIDリーダーの位置とRFIDリーダーで読み取られた識別情報との組み合わせに基づいて、ワイヤーハーネスの誤接続が検出可能となっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-145783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の検査方法では、移動ユニットによってRFIDリーダーを移動させているため、移動ユニットおよびその移動範囲のスペースが必要となり、大きなスペースが必要になってしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、比較的小さいスペースでケーブルの誤接続を検出するケーブル誤接続検出システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケーブル誤接続検出システムは、複数の端子を備えた端子台と、前記端子台の前記複数の端子にそれぞれ接続される複数のケーブルにそれぞれ取り付けられた複数の無線タグと、前記端子台において前記複数の端子にそれぞれ対応して配置され、それぞれ対応する端子に接続された前記ケーブルの前記無線タグの識別情報を読み取る複数の無線タグリーダーと、前記複数の無線タグリーダーにより読み取られた前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報と前記無線タグリーダーとの組み合わせに基づいて前記ケーブルの誤接続の有無を判定する結線状態判定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、比較的小さいスペースでケーブルの誤接続を検出するケーブル誤接続検出システムが得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るケーブル誤接続検出システムにおける端子台とケーブルの一例を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係るケーブル誤接続検出システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
この実施の形態では、当該ケーブル誤接続検出システムは、比較的大きな供給電力が要求される産業機器(産業用印刷装置など)の電源ケーブルの誤接続を検出する。このような電源ケーブルは、産業機器の主電源装置に接続されている内部電源ケーブルが接続されている端子台に接続される。産業機器に要求される電源が単相2線式の場合には、電源ケーブルは2本であり、産業機器に要求される電源が単相3線式または三相3線式の場合には、電源ケーブルは3本となる。この実施の形態では、電源ケーブルは、3本である。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係るケーブル誤接続検出システムにおける端子台とケーブルの一例を示す図である。図2は、本発明の実施の形態に係るケーブル誤接続検出システムの構成を示すブロック図である。
【0013】
このケーブル誤接続検出システムは、端子台1を備えており、端子台1は、複数の端子11-1~11-3,12-1~12-3と、複数の無線タグリーダー13-1~13-3とを備える。複数の端子11-1~11-3には、内部電源ケーブル21-1~21-3の一端がそれぞれ接続され、内部電源ケーブル21-1~21-3の他端は、主電源装置41に接続される。主電源装置41は、上述の産業機器の内部装置への給電を行う。
【0014】
また、無線タグリーダー13-1~13-3は、端子台1において複数の端子12-1~12-3にそれぞれ対応して配置され、それぞれ対応する端子12-1~12-3に接続されたケーブルの無線タグの識別情報を読み取る。
【0015】
このケーブル誤接続検出システムは、さらに、複数の無線タグ31-1~31-3を備える。無線タグ31-1~31-3は、RFIDタグなどであり、端子台1の複数の端子12-1~12-3にそれぞれ接続される複数のケーブル32-1~32-3にそれぞれ取り付けられ、固有の識別情報をそれぞれ記憶している。例えば、無線タグ31-1~31-3は、ケーブル32-1~32-3の端子片33に固定されていてもよい。
【0016】
このケーブル誤接続検出システムは、さらに、結線状態判定部42を備える。結線状態判定部42は、複数の無線タグリーダー13-1~13-3により読み取られた識別情報を取得し、取得した識別情報と無線タグリーダー13-1~13-3との組み合わせに基づいてケーブル32-1~32-3の誤接続の有無を判定する。結線状態判定部42は、専用の電子回路でもよいし、マイクロプロセッサーなどでもよい。
【0017】
また、このケーブル誤接続検出システムは、主電源装置41とは別に補助電源装置43を備えている。上述のように、ケーブル32-1~32-3は、端子台1を介して主電源装置41に電力供給するための電源ケーブルであり、補助電源装置43は、主電源装置41への電力供給が行われていないときに、結線状態判定部42に電力供給する。補助電源装置43は、1次電池または2次電池を内蔵し、1次電池または2次電池の出力電力を結線状態判定部42に供給し、結線状態判定部42は、補助電源装置43から供給された電力で動作してケーブル32-1~32-3の誤接続の有無を判定する。
【0018】
つまり、ケーブル32-1~32-3の一端が商用電源などに接続されていない状態で、ケーブル32-1~32-3の他端が端子台1の端子12-1~12-3に接続され、その状態では主電源装置41への電力供給がないため、結線状態判定部42は、補助電源装置43から供給された電力で動作してケーブル32-1~32-3の誤接続の有無を判定する。その後、ケーブル32-1~32-3の誤接続がないことが確認された後に、ケーブル32-1~32-3の一端が商用電源などに接続され、主電源装置41への電力供給が開始される。
【0019】
また、この実施の形態では、端子台1は、各無線タグリーダー13-1~13-3と、端子12-1~12-3のうち、当該無線タグリーダーに対応する端子以外の端子との間に遮蔽部を備える。遮蔽部は、当該無線タグリーダーと無線タグとの間の無線通信を遮蔽する。例えば、遮蔽部は、端子12-1~12-3の端子間に設けられている絶縁壁15に塗布された導電塗料や、絶縁壁15内に設けられた導電板などである。
【0020】
また、この実施の形態では、このケーブル誤接続検出システムは、さらに、表示装置としてのインジケーター14-1~14-3、表示装置としての操作パネル44、および通信装置45を備える。結線状態判定部42は、ケーブル32-1~32-3の誤接続の有無の判定結果をその表示装置(インジケーター14-1~14-3や操作パネル44)で表示したり、通信装置45で所定の宛先に送信する。なお、その表示装置や通信装置45への給電は補助電源装置43で行われる。なお、このケーブル誤接続検出システムは、上述の産業機器に内蔵され、その産業機器の操作パネルや通信装置を操作パネル44や通信装置45として使用してもよい。
【0021】
次に、上記システムの動作について説明する。
【0022】
まず、ケーブル32-1~32-3の一端が商用電源などに接続されていない状態で、作業者は、ケーブル32-1~32-3の他端を端子台1の端子12-1~12-3に接続する。
【0023】
結線状態判定部42は、無線タグリーダー13-1~13-3で、端子台1の端子12-1~12-3に接続されているケーブル32-1~32-3の無線タグ31-1~31-3から識別情報を読み取る。
【0024】
そして、結線状態判定部42は、読み取られた識別情報と無線タグリーダー13-1~13-3との組み合わせが、予め設定されている正しい組み合わせであるか否かを判定する。結線状態判定部42は、読み取られた識別情報と無線タグリーダー13-1~13-3との組み合わせが、予め設定されている正しい組み合わせではない場合には、誤接続があると判定し、読み取られた識別情報と無線タグリーダー13-1~13-3との組み合わせが、予め設定されている正しい組み合わせである場合には、誤接続がないと判定する。
【0025】
判定後、結線状態判定部42は、その判定結果をインジケーター14-1~14-3や操作パネル44に表示したり、通信装置45で送信したりする。
【0026】
作業者は、その判定結果を確認し、誤接続がなければ、例えばブレーカーや制御リレーをオンさせてケーブル32-1~32-3の一端を商用電源などに接続する。一方、作業者は、誤接続があれば、端子台1へのケーブル32-1~32-3の他端の接続を変更して誤接続を解消し、その後、誤接続がないことを確認してからケーブル32-1~32-3の一端を商用電源などに接続する。
【0027】
以上のように、上記実施の形態によれば、複数の無線タグ31-1~31-3が、端子台1の複数の端子にそれぞれ接続される複数のケーブル32-1~32-3にそれぞれ取り付けられており、複数の無線タグリーダー13-1~13-3は、端子台1において複数の端子12-1~12-3にそれぞれ対応して配置され、それぞれ対応する端子12-1~12-3に接続されたケーブル32-1~32-3の無線タグ31-1~31-3の識別情報を読み取る。そして、結線状態判定部42は、複数の無線タグリーダー13-1~13-3により読み取られた識別情報を取得し、取得した識別情報と無線タグリーダー13-1~13-3との組み合わせに基づいてケーブル32-1~32-3の誤接続の有無を判定する。
【0028】
これにより、無線タグリーダー13-1~13-3が、接続されるケーブル32-1~32-3に対応して個別的に端子台1に内蔵されているため、比較的小さいスペースでケーブルの誤接続を検出することができる。
【0029】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、例えば、電子機器の電源ケーブルの誤接続の検出に適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 端子台
12-1~12-3 端子
13-1~13-3 無線タグリーダー
14-1~14-3 インジケーター(表示装置の一例)
31-1~31-3 無線タグ
32-1~32-3 ケーブル
42 結線状態判定部
43 補助電源装置
44 操作パネル(表示装置の一例)
図1
図2