(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179389
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】撮影システム、撮影装置、撮影方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20241219BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20241219BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241219BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241219BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20241219BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20241219BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20241219BHJP
G03B 7/091 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
H04N5/222
H04N23/56
H04N23/60 100
H04N23/60 300
G03B15/00 Q
G03B15/02 G
G03B15/03 W
G03B15/05
G03B7/091
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098202
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】三好 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴也
(72)【発明者】
【氏名】堀内 智博
【テーマコード(参考)】
2H002
2H053
5C122
【Fターム(参考)】
2H002DB25
2H002FB21
2H002GA16
2H002GA75
2H053AA01
2H053BA32
2H053BA51
2H053BA72
2H053CA15
5C122DA35
5C122EA42
5C122EA48
5C122GG01
5C122GG08
5C122GG19
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】被写体を撮影する際のユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を少なくとも含む撮影システムであって、撮影システムは、前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定部と、前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を少なくとも含む撮影システムであって、
前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定部と、
前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定部と、
を備える撮影システム。
【請求項2】
前記被写体の素材を表す素材情報を取得する素材情報取得部と、
前記設定を用いて撮影された撮影画像を出力する出力部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記被写体を撮影した第1の撮影画像から前記被写体の素材を推定する素材推定部と、
前記設定を用いて撮影された第2の撮影画像を出力する出力部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記被写体が設置される台座と、前記複数の照明と、前記撮像装置とは、撮影ボックス内に配置され、
前記特定部は、前記台座の角度を前記被写体の素材に応じてさらに特定する、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記それぞれの照明輝度と、前記撮影パラメータとの少なくともいずれかに対するユーザによる調整操作を受け付ける操作受付部、
をさらに備える
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記特定部は、前記被写体の素材に応じた撮影効果演出パターンをさらに特定し、
前記設定部は、前記撮影効果演出パターンに応じた前記撮影パラメータ、前記それぞれの照明輝度を設定する、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記設定を用いて撮影された撮影画像を送信する送信部、
をさらに備える、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項8】
被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を備える撮影装置であって、
前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定部と、
前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定部と、
を備える撮影装置。
【請求項9】
被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を備える撮影装置のコンピュータが実行する撮影方法であって、
前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定過程と、
前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定過程と、
を有する撮影方法。
【請求項10】
被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を備える撮影装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータに、
前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定ステップと、
前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、撮影装置、撮影方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を撮影する際に撮影を補助する技術がある。
例えば、特許文献1には、デジタルカメラであって、主要被写体を含む画像を取得する画像取得部と、デジタルカメラによる撮影を補助する撮影補助部と、を備え、撮影補助部は、デジタルカメラの位置と、デジタルカメラの方向と、現在時刻とに基づいて、主要被写体の実照明条件を特定する実照明条件特定部と、画像を解析することにより前記画像に含まれる主要被写体の種類を特定する主要被写体特定部と、要被写体特定部により特定された主要被写体の種類に基づいて、主要被写体の撮影に適した推奨照明条件を決定する推奨照明条件決定部と、奨照明条件が実照明条件とは異なる照明条件を含む場合、デジタルカメラのユーザに実照明条件とは異なる推奨照明条件を通知する通知部と、を有する、デジタルカメラについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、被写体を撮影する際に、被写体の種類を特定して推奨される照明条件を通知することはできても、素材に適した設定を用いた撮影を行うことができなかった。このように被写体を撮影する際のユーザの利便性が十分でないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、被写体を撮影する際のユーザの利便性を向上させることができる撮影システム、撮影装置、撮影方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を少なくとも含む撮影システムであって、前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定部と、前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定部と、を備える撮影システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を備える撮影装置であって、前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定部と、前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定部と、を備える撮影装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を備える撮影装置のコンピュータが実行する撮影方法であって、前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定過程と、前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定過程と、を有する撮影方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、被写体の撮影に用いる複数の照明と、前記被写体の撮影に用いる撮像装置と、を備える撮影装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータに、前記複数の照明のそれぞれの照明輝度と、前記撮像装置の撮影パラメータとを前記被写体の素材に応じて特定する特定ステップと、前記撮影パラメータを前記撮像装置に設定し、前記それぞれの照明輝度を前記複数の照明のそれぞれに設定する設定ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明の一態様によれば被写体を撮影する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る撮影システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本実施形態に係る撮影装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る撮影装置の記憶部が記憶する設定情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る撮影装置の記憶部が記憶する設定情報の他の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る撮影装置の記憶部が記憶する設定情報の他の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る撮影装置の記憶部が記憶する設定情報の他の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る撮影システムにおける撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る撮影装置が出力する出力表示の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る撮影装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】本実施形態に係る撮影システムにおける撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第3の実施形態に係る撮影装置の記憶部が記憶する設定情報の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る撮影システムにおける撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る撮影装置が出力する出力表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮影システムSYSの構成の一例を示すシステム構成図である。
撮影システムSYSは、被写体を撮影するシステムである。具体的には、被写体の撮影に用いる複数の照明と、被写体の撮影に用いる撮像装置と、を少なくとも含む撮影システムであって、撮影システムは、複数の照明のそれぞれの照明輝度と、撮像装置の撮影パラメータとを被写体の素材に応じて特定し、撮影パラメータを撮像装置に設定し、それぞれの照明輝度を複数の照明のそれぞれに設定するシステムである。
【0013】
より具体的には、本発明の撮影システムSYSは、撮影装置100と、ユーザ端末装置200と、撮影ボックスBと、を含んで構成される。
撮影装置100と、ユーザ端末装置200とは、相互に通信可能にネットワークを介して接続される。また、撮影装置100と、撮影ボックスB内の各機器は、有線または無線により通信可能に接続される。
【0014】
ユーザ端末装置200は、被写体の素材を表す選択情報の入力をユーザから受け付ける。ユーザ端末装置200は、受け付けた選択情報を撮影装置100に出力する。ユーザ端末装置200は、選択情報によって示される素材に応じた設定情報を用いて撮影された被写体の撮影画像を含む出力情報を、撮影装置100から取得する。
【0015】
ここで、撮影画像は、静止画像、動画像のいずれであってもよい、一例として静止画像の場合について説明する。
【0016】
ここで、被写体の素材は、例えば、大理石、フィルム印刷物、紙印刷物、木材、ガラス、陶磁器、絵画、宝飾品、金属、部屋、壁紙などの、被写体となる対象物の素材である。なお、被写体の素材は、主素材、副素材などのように複数種類の素材の組み合わせであってもよい。
【0017】
また、設定情報は、被写体の撮影に用いる複数の照明のそれぞれの照明輝度のパラメータ、被写体の撮影に用いる撮像装置のシャッタースピード、F値、ISO感度、焦点距離などの撮影パラメータ、被写体の撮影の際に、被写体を設置する撮影台の角度のパラメータなどが、被写体の素材ごとに対応付けられた情報である。
【0018】
また、複数の照明は、一または複数のLED照明、一または複数のストロボ照明などの照明である。なお、照明のそれぞれには、拡散光を生成するための拡散板が投光面前面に配置されていてもよい。
【0019】
撮影装置100は、被写体の素材に応じて撮影パラメータ、照明輝度などの設定情報を特定する。撮影装置100は、特定した設定情報を複数の照明のそれぞれや撮像装置などに設定する。撮影装置100は、設定情報を用いて撮像装置に被写体を撮影させ、撮影画像を取得する。撮影装置100は、撮影画像を含む出力情報を生成し、ユーザ端末装置200に出力する。
【0020】
撮影ボックスBは、被写体の撮影に用いられる撮影ボックスである。撮影ボックスBは、遮光性が高い密閉構造であることが好ましいがこの限りではない。
撮影ボックスBの内部には、被写体Hと、撮像装置Cと、複数の照明Lと、台座Dと、が配置される。
【0021】
被写体Hは、撮像装置Cにより撮影される対象物である。
撮像装置Cは、被写体を撮影する撮像装置である。撮像装置Cは、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラなどである。撮像装置Cは、被写体を撮影した撮影画像を撮影装置100に出力する。ここで、撮像装置Cは、撮影装置100により撮影パラメータが設定され、また、撮影装置100により被写体の撮影が制御される。
【0022】
複数の照明Lは、被写体に投光可能に配置される照明装置である。例えば、複数の照明Lは、照明L1、照明L2、照明L3、照明L4などである。複数の照明Lのそれぞれは、照明強度を少なくとも調整可能である。複数の照明Lのそれぞれは、撮影装置100によって照明強度が制御される。なお、複数の照明Lは、投光角度が調整可能であってもよいし、被写体に対して投光可能に縦および横方向に複数配置され、それらのいずれを用いるかが調整可能であってもよいし、照明強度、投光角度、いずれの照明を用いるかなどの組み合わせた調整が可能であってもよい。
【0023】
台座Dは、被写体が設置される支持台である。台座Dは、撮影台D1と、支持脚D2と、から構成される。撮影台D1は、支持脚D2によって支持される。撮影台D1は、水平面に対する角度、および垂直面に対する角度が調整可能である。撮影台D1の角度は、撮影装置100によって制御される。なお、撮影台D1は、垂直軸方向に回転可能であってもよいし、固定式であってもよい。
【0024】
次いで、撮影装置100の構成について説明する。
【0025】
図2は、本実施形態に係る撮影装置100の構成の一例を示すブロック図である。
撮影装置100は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。
通信部11は、ユーザ端末装置200と、ネットワークを介して通信する機能有する。また、通信部11は、有線または無線接続された撮影ボックスB内の各機器と通信する機能を有する。
【0026】
記憶部12は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部12は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0027】
記憶部12は、各種データを記憶する。例えば、記憶部12は、設定情報121を記憶する。
設定情報121は、被写体の素材ごとに、被写体の撮影に用いる複数の照明Lのそれぞれの照明輝度のパラメータと、被写体の撮影に用いる撮像装置Cのシャッタースピード、F値、ISO感度、焦点距離などの撮影パラメータと、被写体の撮影の際に、被写体を設置する台座Dの角度のパラメータなどと、が対応付けられた情報である。
【0028】
入力部13は、撮影装置100に接続されるマウス、キーボードなどの入力装置である。入力部13は、外部から入力される操作入力を受け付ける。入力部13は、操作入力に応じた操作信号を制御部15に出力する。
【0029】
出力部14は、表示装置などの出力装置である。出力部14は、制御部15から出力される提示情報および出力情報を出力装置、あるいはユーザ端末装置200などの他の装置に出力する。
【0030】
制御部15は、撮影装置100の各部を制御する機能を有する。
制御部15は、提示部151と、素材情報取得部152と、設定変更部153と、撮像制御部154と、画像取得部155と、出力情報生成部156と、操作受付部157と、を含んで構成される。
【0031】
提示部151は、提示情報を生成する。提示部151は、例えば、被写体の台座への設置を促すユーザへのメッセージである提示情報を生成する。また、提示部151は、被写体が台座に設置されたことに基づいて、初期設定の設定情報を記憶部12から取得する。提示部151は、取得した初期設定の設定情報を設定変更部153に出力する。
提示部151は、被写体の素材が、複数候補のうちのいずれであるかを選択可能にユーザに提示する選択情報を生成する。提示部151は、画像取得部155から入力される撮影画像と、選択情報とを含む提示情報を、出力部14に出力する。
【0032】
素材情報取得部152は、提示情報としてユーザに提示した被写体の素材候補の中から、ユーザによって選択された素材を表す素材情報を取得する。素材情報取得部152は、素材情報または指示信号に基づいて、素材情報が示す素材に対応する設定情報を、記憶部12から取得する。素材情報取得部152は、取得した素材に対応する設定情報を、設定変更部153に出力する。
【0033】
設定変更部153は、初期設定の設定情報が入力されると、当該初期設定を複数の照明装置のそれぞれ、撮像装置、台座のそれぞれに設定する。設定変更部153は、設定が完了したことを示す完了信号を撮像制御部154に出力する。また、設定変更部153は、素材に対応する設定情報が入力されると、当該素材に対応する設定情報を、複数の照明装置のそれぞれ、撮像装置、台座のそれぞれに設定する。設定変更部153は、設定が完了したことを示す完了信号を撮像制御部154に出力する。
【0034】
撮像制御部154は、完了信号が入力されると、撮像装置、複数の照明のそれぞれ、台座をそれぞれ制御し、被写体を撮影させる。
【0035】
画像取得部155は、撮像装置Cによって撮影された被写体の撮影画像を取得する。画像取得部155は、被写体の撮影画像が初期設定の設定情報によって撮影された撮影画像(第1の撮影画像とも称する)である場合、撮影画像を提示部151に出力する。また、画像取得部155は、素材に対応する設定情報によって撮影された撮影画像(第2の撮影画像とも称する)である場合、被写体の撮影画像を、出力情報生成部156に出力する。
【0036】
出力情報生成部156は、撮影画像(第2の撮影画像)が入力されると、撮影画像を含む出力情報を生成する。出力情報生成部156は、例えば、提示情報における撮影画像(第1の撮影画像)を、入力された撮影画像(第2の撮影画像)に変更することで出力情報を生成する。
【0037】
なお、出力情報には、設定情報のパラメータをユーザが調整可能に選択させる操作子、再撮影を指示可能な操作子、撮影の完了を指示可能な操作子が含まれていてもよい。また、出力情報生成部156は、撮影画像を含む出力情報を生成する場合に、出力先の媒体の特性に応じた色変換処理を行っても良い。この場合、例えば、出力先の媒体の色特性をICC Profileなどのフォーマットにより保持していれば、撮影画像の色空間を出力先の媒体の色空間に変換することで、色変換処理を行えばよい。このようにすることで、ユーザは撮影対象の色を出力媒体に合わせて正確に確認することができる。
【0038】
操作受付部157は、出力情報に対するユーザ操作を受け付ける。操作受付部157は、設定情報のパラメータをユーザが調整可能に選択させる操作子が操作されたことに基づいて、操作に応じた設定情報のパラメータを設定変更部153に出力し、当該設定情報のパラメータを撮像装置、複数の照明のそれぞれ、台座のいずれか一つまたは複数に設定させる。また、操作受付部157は、再撮影を指示可能な操作子が操作されたことに基づいて、素材情報取得部152に指示信号を出力する。また、操作受付部157は、撮影の完了を指示可能な操作子が操作されたことに基づいて、撮影処理を終了させる。
【0039】
次いで、撮影装置100の記憶部12が記憶する設定情報について説明する。
【0040】
図3は、本実施形態に係る撮影装置100の記憶部12が記憶する設定情報121の一例を示す図である。
設定情報は、素材ごとに、照明条件IDと、撮影設定IDと、撮影台設定IDとが対応付けられた情報である。素材は、被写体などの対象物の素材を表す。照明条件IDは、照明強度のパラメータを識別する識別情報である。撮影設定IDは、撮影パラメータを識別する識別情報である。撮影台設定IDは、台座の角度パラメータを識別する識別情報である。
【0041】
例えば、2行目に図示する例では、「素材」が「大理石」であり、「照明条件ID」が「1」であり、「撮影設定ID」が「1」であり、「撮影台設定ID」が「1」である。
また、例えば、3行目に図示する例では、「素材」「フィルム印刷物」であり、「照明条件ID」が「2」であり、「撮影設定ID」が「2」であり、「撮影台設定ID」が「2」である。
このように、設定情報は、素材ごとに対応付けられたパラメータセットである。
なお、設定情報には、照明、台座、撮像装置の各パラメータの他に、被写体の撮影に用いる各機材に応じた各パラメータが含まれていてもよい。
【0042】
図4は、本実施形態に係る撮影装置100の記憶部12が記憶する設定情報の他の一例を示す図である。具体的には、
図4は、設定情報に含まれる照明強度のパラメータの一例を示す図である。
照明強度のパラメータは、照明条件IDごとに、複数の照明のそれぞれと、複数の照明のそれぞれに対する各照明強度とが対応付けられた情報である。当該照明条件IDは、例えば、
図3に図示した設定情報に含まれる照明条件IDと対応する。
図示するように、照明強度のパラメータは、照明条件IDに応じて、複数の照明のそれぞれに対する各照明強度が設定可能なパラメータである。なお、図示する例における照明強度「L1」は、例えば、
図1における照明L1に設定される照明強度を表す。
【0043】
図5は、本実施形態に係る撮影装置100の記憶部12が記憶する設定情報の一例を示す図である。具体的には、
図5は、設定情報に含まれる撮像装置の撮影パラメータの一例である。
撮影パラメータは、撮影設定IDごとに、シャッタースピードと、F値と、ISO感度と、焦点距離と、の各設定値が対応づけられた情報である。当該撮影設定IDは、
図3に図示した設定情報に含まれる撮影設定IDと対応する。
【0044】
図6は、本実施形態に係る撮影装置100の記憶部12が記憶する設定情報の一例を示す図である。具体的には、
図6は、設定情報に含まれる台座の角度パラメータの一例である。
角度パラメータは、撮影台設定IDごとに、角度(垂直)と、角度(水平)と、の各設定値が対応づけられた情報である。当該撮影台設定IDは、
図3に図示した設定情報に含まれる撮影台設定IDと対応する。
【0045】
図3、
図4、
図5、
図6に図示するように、設定情報は、被写体となる対象物の素材に応じて、当該素材と対応する照明強度、撮影パラメータ、角度パラメータなどが特定される。
【0046】
次いで、本実施形態に係る撮影システムSYSにおける撮影処理について説明する。
【0047】
図7は、本実施形態に係る撮影システムSYSにおける撮影処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、撮影装置100は、ユーザに対して、台座への被写体の設置を促すメッセージである提示情報を生成して出力する。その後、撮影装置100は、被写体が台座に設置されたことに基づいて、被写体の素材を選択させるための選択情報を生成して提示する。その後、撮影装置100は、ステップS102の処理を実行する。
【0048】
ステップS102において、撮影装置100は、被写体が台座に設置されたことに基づいて、初期設定の設定情報を記憶部12から取得し、当該設定情報を各撮影機器に設定する。その後、撮影装置100は、ステップS103の処理を実行する。
【0049】
ステップS103において、撮影装置100は、初期設定の設定情報を用いて設定された台座、照明、撮像装置を用いて被写体を撮影した第1の撮影画像を取得する。当該第1の撮影画像は、プレビュー画像とも称する。その後、撮影装置100はステップS104の処理を実行する。
【0050】
ステップS104において、撮影装置100は、第1の撮影画像と選択情報を含む提示情報を、出力表示としてユーザに提示する。その後、ステップS105の処理を実行する。
【0051】
ステップS105において、撮影装置100は、出力表示に対するユーザの操作を受け付け、完了操作がなされたか否かを判定する。完了操作がユーザになされた場合(ステップS105 YES)、すなわち、第1の撮影画像の品質が十分であるとユーザが判断した場合、撮影装置100は、
図7に係る撮影処理を終了する。一方、完了操作がユーザによりなされなかった場合(ステップS105 NO)、すなわち、第1の撮影画像の品質が十分でないとユーザが判断した場合、撮影装置100は、ステップS106の処理を実行する。
【0052】
ステップS106において、撮影装置100は、提示情報に対するユーザ操作に応じて素材情報を取得する。その後、撮影装置100は、ステップS107の処理を実行する。
【0053】
ステップS107において、撮影装置100は、素材情報に応じた設定情報を記憶部12から取得し、当該設定情報に応じた各パラメータを、それぞれの撮影機器に対して設定する。その後、撮影装置100は、ステップS103の処理を実行する。
【0054】
次いで、出力表示の一例について説明する。
【0055】
図8は、本実施形態に係る撮影装置100が出力する出力表示の一例を示す図である。
図示する例は、第1の撮影画像と、選択情報とを含む提示情報を出力表示した場合の一例である。
図示する例において、撮影画像は、第1の撮影画像が表示される領域である。当該領域には、撮像装置によって撮影された第1の画像が表示される。
また、図示する例において、「素材を選択:」は、選択情報が、例えばプルダウン形式で選択可能に表示される領域である。当該領域には、被写体の素材をユーザが選択することで、選択に応じた素材情報が撮影装置100に出力される。
また、図示する例において、「照明変更」は、ユーザによる設定情報を調整するための領域である。当該領域には、例えば照明変更を指示する操作子が表示され、ユーザが当該操作子を操作することにより、例えば、照明強度を増減させる操作をユーザに行わせる。
また、図示する例において、「撮影」「完了」は、操作子を表示する領域である。当該操作子は、選択された被写体の素材に応じた設定情報を用いて撮影される第2の撮影画像の撮影を指示する操作子及び、被写体の撮影の完了を指示する操作子である。いずれかの操作子をユーザが操作することにより、撮影画像を再撮影するか、撮影を終了するかをユーザが選択可能である。
【0056】
このように、本実施形態に係る撮影システムSYSは、被写体の撮影に用いる複数の照明Lと、被写体の撮影に用いる撮像装置Cと、を少なくとも含む撮影システムSYSであって、複数の照明Lのそれぞれの照明輝度と、撮像装置Cの撮影パラメータとを被写体の素材に応じて特定する特定部(素材情報取得部152)と、撮影パラメータを撮像装置Cに設定し、それぞれの照明輝度を複数の照明Lのそれぞれ(L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7など)に設定する設定部(設定変更部153)と、を備える。
【0057】
このようにすることで、撮影システムSYSは、被写体を撮影する際のユーザの利便性を向上させることができる。より具体的には、撮影システムSYSは、素材情報に応じて、被写体の素材に応じた撮影を行うための設定情報が設定された撮影画像を取得することができる。このため、例えば、撮影を遠隔地で行えたり、撮影者によらず素材に応じた一定の品質の撮影画像を取得したりすることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
【0059】
次いで、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態における選択情報に応じた素材情報を取得する代わりに、撮影装置100が被写体の素材を推定することにより素材情報を取得する場合の一例について説明する。
なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。それ以外の部分については、第1の実施形態の記載を援用し、その説明を省略する。
【0060】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る撮影装置100の構成の一例を示すブロック図である。
撮影装置100は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。制御部15は、提示部151と、設定変更部153と、撮像制御部154と、画像取得部155と、出力情報生成部156と、操作受付部157と、素材推定部158と、を含んで構成される。
【0061】
素材推定部158は、初期設定の設定情報に基づいて撮影された被写体の第1の撮影画像に対して、例えば、AI、機械学習による学習モデルを用いて第1の撮影画像における対象物の素材を推定する。素材推定部158は、推定した素材に対応する設定情報を、記憶部12から取得する。素材推定部158は、推定した素材に対応する設定情報を、設定変更部153に出力する。
【0062】
なお、学習モデルは、被写体の素材と、当該被写体の撮影画像との対応関係を学習することによって生成された学習モデルであればよい。例えば、当該学習モデルに、被写体の撮影画像を入力することで、被写体の素材が素材情報として出力される。AIは、例えば、撮影画像の類似度、撮影画像における被写体の光沢感、反射、凹凸感などによって被写体の素材が何であるかを推定するものであればよい。
【0063】
次いで、本実施形態に係る撮影システムSYSにおける撮影処理について説明する。
【0064】
図10は、本実施形態に係る撮影システムSYSにおける撮影処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、撮影装置100は、ユーザに対して、台座への被写体の設置を促すメッセージである提示情報を生成して出力する。その後、撮影装置100は、ステップS202の処理を実行する。
【0065】
ステップS202において、撮影装置100は、被写体が台座に設置されたことに基づいて、初期設定の設定情報を記憶部12から取得し、当該設定情報を各撮影機器に設定する。その後、撮影装置100は、ステップS203の処理を実行する。
【0066】
ステップS203において、撮影装置100は、初期設定の設定情報を用いて設定された台座、照明、撮像装置を用いて被写体を撮影した第1の撮影画像を取得する。当該第1の撮影画像は、プレビュー画像とも称する。その後、撮影装置100はステップS204の処理を実行する。
【0067】
ステップS204において、撮影装置100は、第1の撮影画像に対して、AI、学習モデルなどを用いて、第1の撮影画像における被写体の素材が何であるかを推定する。その後、ステップS205の処理を実行する。
【0068】
ステップS105において、撮影装置100は、推定した素材情報に応じた設定情報を記憶部12から取得し、当該設定情報に応じた各パラメータを、それぞれの撮影機器に対して設定する。撮影装置100は、素材情報に応じた設定情報を用いて撮影された被写体の第2の撮影画像を生成する。その後、撮影装置100は、ステップS206の処理を実行する。
【0069】
ステップS206において、撮影装置100は、第2の撮影画像と、ユーザによる素材の調整が可能な選択情報を含む提示情報を、出力表示としてユーザに提示する。その後、
図10に係る撮影処理を終了する。
【0070】
このように、本実施形態に係る撮影システムSYSは、被写体の撮影に用いる複数の照明Lと、被写体の撮影に用いる撮像装置Cと、を少なくとも含む撮影システムSYSであって、複数の照明Lのそれぞれの照明輝度と、撮像装置Cの撮影パラメータとを被写体の素材に応じて特定する特定部(素材情報取得部152)と、撮影パラメータを撮像装置Cに設定し、それぞれの照明輝度を複数の照明Lのそれぞれ(L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7など)に設定する設定部(設定変更部153)と、を備える。
【0071】
このようにすることで、撮影システムSYSは、被写体を撮影する際のユーザの利便性を向上させることができる。より具体的には、撮影システムSYSは、素材情報に応じて、被写体の素材に応じた撮影を行うための設定情報が設定された撮影画像を取得することができる。このため、例えば、撮影を遠隔地で行えたり、撮影者によらず素材に応じた一定の品質の撮影画像を取得したりすることができる。
【0072】
また、撮影システムSYSは、被写体を撮影した第1の撮影画像から被写体の素材を推定する素材推定部158と、設定を用いて撮影された第2の撮影画像を出力する出力部14と、をさらに備える。
【0073】
このようにすることで、被写体を台座に設定することで、推定された素材に適した設定で撮影された被写体の撮影画像を取得することができる。
【0074】
(第3の実施形態)
【0075】
次いで、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態において素材に応じた演出パターンが選択される場合の一例について説明する。
なお、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。それ以外の部分については、第1の実施形態の記載を援用し、その説明を省略する。また、本実施形態では、第1の実施形態において演出パターンを用いる場合について説明するが、第2の実施形態において演出パターンを用いてもよい。
【0076】
撮影装置100は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。記憶部12は、設定情報を記憶する。設定情報は、素材ごとに、演出設定と、照明条件IDと、撮影設定IDと、撮影台設定IDなどが対応付けられた情報である。演出設定は、素材ごとに複数の演出パターンの設定情報である。演出パターンは、例えば、凹凸感、フラット感、透明感、立体感、光沢あり、光沢なし、などの、素材の特徴を強調するための設定である。
図11を参照して説明する。
【0077】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る撮影装置の記憶部が記憶する設定情報の一例を示す図である。
設定情報は、素材ごとに、演出設定と、照明条件IDと、撮影設定IDと、撮影台設定IDとが対応付けられた情報である。
【0078】
例えば、2行目に図示する例では、「素材」が「絵画」であり、「演出設定」が「凹凸感」であり、「照明条件ID」が「1」であり、「撮影設定ID」が「1」であり、「撮影台設定ID」が「1」である。
また、例えば、3行目に図示する例では、「素材」「絵画」であり、「撮影設定」が「フラット感」であり、「照明条件ID」が「2」であり、「撮影設定ID」が「2」であり、「撮影台設定ID」が「2」である。
【0079】
このように、1つの素材に対して、複数の演出パターンが設けられ、それぞれの演出パターンに応じた照明条件、撮影設定、撮影台設定が用意される。このようにすることで、より被写体の素材感を強調した撮影画像を生成することができる。
【0080】
次いで、本実施形態に係る撮影システムSYSにおける撮影処理について説明する。
【0081】
図12は、本実施形態に係る撮影システムSYSにおける撮影処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301において、撮影装置100は、ユーザに対して、台座への被写体の設置を促すメッセージである提示情報を生成して出力する。その後、撮影装置100は、被写体が台座に設置されたことに基づいて、被写体の素材を選択させるための選択情報を生成して提示する。その後、撮影装置100は、ステップS302の処理を実行する。
【0082】
ステップS302において、撮影装置100は、被写体が台座に設置されたことに基づいて、初期設定の設定情報を記憶部12から取得し、当該設定情報を各撮影機器に設定する。その後、撮影装置100は、ステップS303の処理を実行する。
【0083】
ステップS303において、撮影装置100は、初期設定の設定情報を用いて設定された台座、照明、撮像装置を用いて被写体を撮影した第1の撮影画像を取得する。当該第1の撮影画像は、プレビュー画像とも称する。その後、撮影装置100はステップS304の処理を実行する。
【0084】
ステップS304において、撮影装置100は、第1の撮影画像と選択情報を含む提示情報を、出力表示としてユーザに提示する。その後、ステップS305の処理を実行する。
【0085】
ステップS305において、撮影装置100は、出力表示に対するユーザの操作を受け付け、完了操作がなされたか否かを判定する。完了操作がユーザになされた場合(ステップS305 YES)、すなわち、第1の撮影画像の品質が十分であるとユーザが判断した場合、撮影装置100は、
図12に係る撮影処理を終了する。一方、完了操作がユーザによりなされなかった場合(ステップS305 NO)、すなわち、第1の撮影画像の品質が十分でないとユーザが判断した場合、撮影装置100は、ステップS306の処理を実行する。
【0086】
ステップS306において、撮影装置100は、提示情報に対するユーザ操作に応じて素材情報を取得する。その後、撮影装置100は、ステップS307の処理を実行する。
【0087】
ステップS307において、撮影装置100は、素材情報及び演出パターンのユーザの選択結果に応じた設定情報を記憶部12から取得し、当該設定情報に応じた各パラメータを、それぞれの撮影機器に対して設定する。その後、撮影装置100は、ステップS303の処理を実行する。
【0088】
次いで、出力表示の一例について説明する。
【0089】
図13は、本実施形態に係る撮影装置100が出力する出力表示の一例を示す図である。
図示する例は、第1の撮影画像と、選択情報とを含む提示情報を出力表示した場合の一例である。
図示する例において、「撮影画像」は、第1の撮影画像や第2の撮影画像などの撮影画像が表示される領域である。当該領域には、撮像装置によって撮影された第1の画像が表示される。
また、図示する例において、「素材を選択:」は、選択情報が、例えばプルダウン形式で選択可能に表示される領域である。当該領域には、被写体の素材をユーザが選択することで、選択に応じた素材情報が撮影装置100に出力される。
また、図示する例において、「演出を選択:」は、素材に応じた演出パターン(演出設定)が、例えばプルダウン形式で選択可能に表示される領域である。当該領域には、被写体の素材に応じた演出パターンをユーザが選択することで、選択に応じた演出パターンが撮影装置100に出力される。
また、図示する例において、「照明変更」は、ユーザによる設定情報を調整するための領域である。当該領域には、例えば照明変更を指示する操作子が表示され、ユーザが当該操作子を操作することにより、例えば、照明強度を増減させる操作をユーザに行わせる。
また、図示する例において、「撮影」「完了」は、操作子を表示する領域である。当該操作子は、選択された被写体の素材に応じた設定情報を用いて撮影される第2の撮影画像の撮影を指示する操作子及び、被写体の撮影の完了を指示する操作子である。いずれかの操作子をユーザが操作することにより、撮影画像を再撮影するか、撮影を終了するかをユーザが選択可能である。
【0090】
このように、本実施形態に係る撮影システムSYSは、被写体の撮影に用いる複数の照明Lと、被写体の撮影に用いる撮像装置Cと、を少なくとも含む撮影システムSYSであって、複数の照明Lのそれぞれの照明輝度と、撮像装置Cの撮影パラメータとを被写体の素材に応じて特定する特定部(素材情報取得部152)と、撮影パラメータを撮像装置Cに設定し、それぞれの照明輝度を複数の照明Lのそれぞれ(L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7など)に設定する設定部(設定変更部153)と、を備える。
【0091】
このようにすることで、撮影システムSYSは、被写体を撮影する際のユーザの利便性を向上させることができる。より具体的には、撮影システムSYSは、素材情報に応じて、被写体の素材に応じた撮影を行うための設定情報が設定された撮影画像を取得することができる。このため、例えば、撮影を遠隔地で行えたり、撮影者によらず素材に応じた一定の品質の撮影画像を取得したりすることができる。
【0092】
また、上記撮影システムSYSにおいて、特定部(素材情報取得部152)は、被写体の素材に応じた撮影効果演出パターンをさらに特定し、設定部(設定変更部153)は、撮影効果演出パターンに応じた撮影パラメータ、それぞれの照明輝度を設定する。
【0093】
このようにすることで、素材感をより強調するための設定情報を用いて被写体の撮影画像を生成することができる。
【0094】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0095】
例えば、上述した実施形態では、撮影装置100によって構成される一例について説明したが、撮影装置100の一部を実現可能な他の装置との複数の装置によって本発明の一態様を実現してもよい。
【0096】
なお、本発明の一態様における撮影装置100で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。ここでいう、コンピュータは、量子コンピュータも含まれる。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPU等によって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0097】
なお、上述した各実施形態や変形例における撮影装置100の一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0098】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、撮影装置100に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0099】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0100】
また、上述した各実施形態や変形例における撮影装置100の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例における撮影装置100の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0101】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0102】
11 通信部
12 記憶部
13 入力部
14 出力部
15 制御部
100 撮影装置
121 設定情報
151 提示部
152 素材情報取得部
153 設定変更部
154 撮像制御部
155 画像取得部
156 出力情報生成部
157 操作受付部
158 素材推定部
200 ユーザ端末装置
B 撮影ボックス
C 撮像装置
D 台座
D1 撮影台
D2 支持脚
H 被写体
L 照明
L1 照明
L2 照明
L3 照明
L4 照明
SYS 撮影システム