(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179408
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098240
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA26
2C333CA50
2C333CA76
2C333CA77
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】タイマ演出(期間演出)の実行中に変動開始時予告(第1示唆演出)が実行され、タイマ演出で表示される時間経過後にリーチ成立時予告(第2示唆演出)が実行される場合、変動開始時予告及びリーチ成立時予告のうち一方により示唆される期待度の方が他方により示唆される期待度よりも高くなることがあるように構成する。また、大当り変動の場合(特別遊技状態に制御される場合)と外れ変動の場合(特別遊技状態に制御されない場合)とで、複数の表示態様のうち特定の表示態様でタイマ演出(期間演出)が実行される割合が異なるように構成する。タイマ演出、タイマ演出中に実行される変動開始時予告及びタイマ演出後に実行されるリーチ成立時予告のそれぞれに遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【選択図】
図65
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2示唆演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記第1示唆演出実行手段は、前記期間演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、前記第1示唆演出を異なる割合で実行可能であり、
前記第2示唆演出実行手段は、前記期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出を実行可能であり、
前記期間演出の実行中に前記第1示唆演出が実行され該期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出が実行される場合、前記第1示唆演出及び前記第2示唆演出のうち一方の示唆演出により示唆される期待度の方が他方の示唆演出により示唆される期待度よりも高くなることがあるように構成されており、
前記期間演出実行手段は、複数の表示態様のうち何れかの表示態様で前記期間演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機(弾球遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技機)等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、識別情報(例えば特別図柄)の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する演出などの様々な演出が、識別情報の変動表示中に実行されるものがある(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
識別情報の変動表示中に実行される演出は、遊技興趣を向上させるうえで重要な役割を果たすものであるところ、遊技興趣を向上させるには未だ改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
【0007】
手段1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2示唆演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記第1示唆演出実行手段は、前記期間演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、前記第1示唆演出を異なる割合で実行可能であり、
前記第2示唆演出実行手段は、前記期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出を実行可能であり、
前記期間演出の実行中に前記第1示唆演出が実行され該期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出が実行される場合、前記第1示唆演出及び前記第2示唆演出のうち一方の示唆演出により示唆される期待度の方が他方の示唆演出により示唆される期待度よりも高くなることがあるように構成されており、
前記期間演出実行手段は、複数の表示態様のうち何れかの表示態様で前記期間演出を実行可能である
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
以上の本発明によれば、遊技興趣を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】大当り種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図9A】非時短状態用の変動パターンテーブルである。
【
図9B】時短状態用の変動パターンテーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図11】メイン割り込み処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図37】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図38】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図39】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図40】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図42】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図43】保留アイコン予告処理のフローチャートである。
【
図45】変動開始時予告処理のフローチャートである。
【
図46】リーチ成立時予告処理のフローチャートである。
【
図47】SP発展時予告処理のフローチャートである。
【
図50】(1)はタイマ演出実行判定テーブルAであり、(2)はタイマ演出実行判定テーブルBであり、(3)はタイマ演出実行判定テーブルCであり、(4)はタイマ演出実行パターン決定テーブルであり、(5)はタイマ演出表示パターン決定テーブルである。
【
図53】(1)はリーチ成立時予告決定テーブルAであり、(2)はリーチ成立時予告決定テーブルBであり、(3)はリーチ成立時予告決定テーブルCである。
【
図54】(1)はSP発展時予告決定テーブルAであり、(2)はSP発展時予告決定テーブルBであり、(3)はSP発展時予告決定テーブルCである。
【
図55】保留アイコンの表示態様の一例を示す図である。
【
図56】SPリーチ演出が実行されるときの演出表示の流れを示す説明図である。
【
図57】タイマ保留の消化による変動演出の開始に伴ってタイマ演出が実行開始される場合の演出表示の流れを示す説明図である。
【
図58】タイマ保留の消化による変動演出でタイマ演出が第1停止図柄の停止に伴って実行開始される場合の演出表示の流れを示す説明図である。
【
図59】タイマ保留の消化による変動演出でタイマ演出がリーチ成立に伴って実行開始される場合の演出表示の流れを示す説明図である
【
図60】ステップアップ予告の一例を示す図であり、(1)はステップ1の演出画像(段階画像)の表示例を示す図であり、(2)はステップ2の演出画像(段階画像)(段階画像)の表示例を示す図であり、(3)はステップ3の演出画像(段階画像)の表示例を示す図である。
【
図62】ボタン予告の一例を示す図であり、(1)は操作指示画像が表示されて演出ボタンが操作された場合の表示例を示す図であり、(2)は演出ボタンの操作に基づき表示される演出画像(示唆画像)の種類を示す図である。
【
図63】リーチ成立時予告の一例を示す図であり、(1)は第1キャラクタ予告の表示例を示す図であり、(2)は第2キャラクタ予告の表示例を示す図であり、(3)は群予告の表示例を示す図である。
【
図64】タイトル予告が実行される場合の演出表示の流れを示す説明図である。
【
図65】変動開始からリーチ成立にかけてタイマ演出、変動開始時予告及びリーチ成立時予告が実行される場合の演出表示の流れを示す説明図である。
【
図66】(A)は可動演出部材の非作動状態(待機状態)を示す図であり、(B)は可動演出部材の作動状態を示す図である。
【
図67】演出保留情報記憶領域の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、遊技盤(遊技領域)に向けて遊技球を発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に本発明を適用した例を説明する。
【0011】
なお、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の表面側(手前側)であって、遊技時に遊技者が位置する側のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、
図1や
図3における上側、下側、左側、右側を指す。
【実施例0012】
本実施例のパチンコ遊技機1は、始動口への遊技球の入球(「始動入球」ともいう。)に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該変動表示の結果として特別図柄が大当りに対応する図柄組み合わせ(大当り図柄)で表示(停止表示)されると、遊技者に所定の遊技価値(例えば賞球)を付与する大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「デジパチタイプ」のパチンコ遊技機である。なお、特別図柄を変動表示させる遊技のことを「図柄変動遊技」又は「変動遊技」ともいう。
【0013】
[パチンコ遊技機1の基本構成]
図1~
図3に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技盤2は遊技機枠50に対して着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態を示す。
【0014】
遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等が取り付けられる本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されている。前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0015】
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留可能であり貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留可能な余剰球受皿(下皿)62が設けられている。
【0016】
前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bや、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音を出力(出音)することが可能なスピーカ67等も設けられている。第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方を指して「演出ボタン63」ともいう。
【0017】
パチンコ遊技機1は、スピーカ67として、前面枠51の左上部に設けられる左上スピーカ67Lと、前面枠51の右上部に設けられる右上スピーカ67Rとを備えている。左右一対のスピーカ67L,67Rによりステレオ音を出力することが可能となっている。なお、ステレオ音だけでなくモノラル音を出力することも勿論可能である。
【0018】
演出ボタン63は、遊技者が入力を行う際に用いる入力手段として機能するものであり、遊技者が操作可能な操作手段としても機能するものである。遊技者等は、遊技の状況や実行される遊技演出の種類等に応じて、使用(操作)する演出ボタン(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)を使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。本実施例では、前面枠51のうち上皿61の上面(天面)に第1演出ボタン63a(「第1入力手段」又は「第1操作手段」ともいう。)が設けられており、下皿62の左側前面に第2演出ボタン63b(「第2入力手段」又は「第2操作手段」ともいう。)が設けられている。
【0019】
第1演出ボタン63aは、所定の作動態様で作動可能な可動式の操作手段として構成されている。本実施例では、その作動態様を振動としている。第1演出ボタン63aの振動は、例えば、第1演出ボタン63aを、偏心モータ(振動モータ)を含む演出ボタンユニット(演出ボタン装置)として構成し、偏心モータを駆動させることにより実現することができる。このように作動(振動)可能に構成される第1演出ボタン63aは、パチンコ遊技機1の前面側(前面構成部材)に作動可能に設けられた演出用の可動部(「演出可動部」ともいう。)として機能する。
【0020】
なお、第1演出ボタン63aの作動態様は振動に限られず、例えば、上方への突出や回転等としてもよく、振動、突出、回転等の複数種の作動態様の中から演出パターンに基づいて選択された作動態様で作動可能となるようにしてもよい。また、第2演出ボタン63bも所定の作動態様で作動可能に構成してもよい。
【0021】
また、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、レバータイプの入力手段(操作手段)であってもよいし、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う接触式の入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部(例えば、手のひら)が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
【0022】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技盤2(遊技領域3)は、前面枠51に設けられる窓部(視認窓)を介してパチンコ遊技機1の手前側(遊技者側)から視認可能とされる(
図1を参照)。
【0023】
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(
図5を参照)も設けられている。
【0024】
遊技盤2の中央付近(遊技領域内)には、種々の画像(表示物)を表示可能な表示画面7a(表示部)を有する画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7は液晶表示器(液晶ディスプレイ)を備えてなるもので、その表示画面7a(表示部)が遊技盤2(遊技領域3)の略中央に設けられた開口を介して前方から視認可能となるように、遊技盤2の裏面側に設けられる。
【0025】
画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられている。演出図柄8は、左演出図柄8L、中演出図柄8C及び右演出図柄8Rの3つの図柄により構成され、後述の特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行い、特別図柄の停止表示に同期して停止表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄8L,8C,8Rの何れか又は全部を指して単に「演出図柄8」ともいう。
【0026】
演出図柄表示領域7bは、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
【0027】
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、当該演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
【0028】
本実施例では、演出図柄8を構成する「1」~「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
【0029】
演出図柄表示領域7bに表示(停止表示)される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
【0030】
ここで、特別図柄のことを「特図」又は「特別識別情報」ともいい、演出図柄のことを「演出識別情報」ともいい、特別図柄及び演出図柄の何れか一方又は両方を指して「図柄」又は「識別情報」ともいい、第1特別図柄のことを「特
図1」、「第1特図」、「第1特別識別情報」又は「第1識別情報」ともいい、第2特別図柄のことを「特
図2」、「第2特図」、「第2特別識別情報」又は「第2識別情報」ともいい、普通図柄のことを「普図」又は「普通識別情報」ともいう。
【0031】
また、第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する後述の第2特別図柄表示器41b及び特別図柄の表示に係る制御を行う後述の主制御部80(遊技制御用マイコン81)の少なくとも一つを指して「特別識別情報表示手段」ともいい、演出図柄8を表示する画像表示装置7(表示画面7a)、演出図柄8の表示に係る制御を行う後述のサブ制御部90(演出制御用マイコン91)及び画像制御部100(画像制御用マイコン101)の少なくとも一つを指して「演出識別情報表示手段」ともいう。さらに、画像表示装置7、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bの少なくとも一つを指して「識別情報表示手段」又は「図柄表示手段」ともいい、単に「表示手段」ともいう。
【0032】
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合、「222」や「777」などの三桁同一の図柄配列(所謂「ゾロ目」)で演出図柄8を停止表示することができ、特別図柄当否判定の結果が外れの場合、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が他の図柄と異なる図柄配列(所謂「バラケ目」)で演出図柄8を停止表示することができる。三桁同一の図柄配列(ゾロ目)のことを「当り図柄配列」ともいい、少なくとも1つの図柄が他の図柄と異なる図柄配列(バラケ目)のことを「外れ図柄配列」ともいう。当り図柄配列及び外れ図柄配列には、それぞれ複数種の図柄配列(停止表示態様)が存在する。また、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合、その大当りの種類によってゾロ目又はゾロ目以外の停止表示態様で演出図柄8を停止表示することもできる。
【0033】
遊技者は、画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出図柄8を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)に表示される演出図柄8を見て把握する。こうした演出図柄8を用いた遊技演出は、特別図柄当否判定の結果を遊技者に報知する演出(「報知演出」ともいう。)であるといえる。演出図柄8を用いた遊技演出(報知演出)のことを「演出図柄遊技演出」ともいい、演出図柄8を変動表示させて停止表示(確定表示)させる演出(つまり、演出図柄遊技演出)のことを「変動演出」ともいう。
【0034】
ここで、特別図柄当否判定の結果のうち「大当り」のことを「特定結果」又は「第1結果」ともいい、「外れ」のことを「非特定結果」又は「第2結果」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する特別図柄の表示態様(停止表示態様)のことや、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する演出図柄8の表示態様(停止表示態様)のことを「特定態様」、「特定表示結果」又は「第1表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する特別図柄の表示態様(停止表示態様)のことや、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する演出図柄8の表示態様(停止表示態様)のことを「非特定態様」、「非特定表示結果」又は「第2表示結果」ともいう。さらに、特別図柄当否判定の結果が大当りであることに基づいて実行される特別図柄及び/又は演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」又は「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れであることに基づいて実行される特別図柄及び/又は演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」又は「非特定変動」ともいう。
【0035】
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄8を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出、報知演出、変動演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などの各種演出表示が表示される。演出図柄遊技演出(変動演出)や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像等、演出図柄以外の種々の画像も表示される。
【0036】
またデモ演出では、不図示の演出設定画面が表示可能となっている。演出設定画面は、例えば、スピーカ67から出力される音の音量(ボリューム)や、表示画面7aの明るさ(輝度)、盤面ランプ5や枠ランプ66、可動体ランプ15等の電飾部材の明るさ(光量)、背景表示、予告演出の実行条件等、当該遊技機の演出に関する設定を遊技者が行うための画面である。遊技者は、デモ演出が実行される客待ち中(待機中)に演出ボタンや他の操作手段(例えば、操作レバー、十字キー、回転つまみ等)を操作して表示画面7aに演出設定画面を表示させ、演出設定画面の内容にしたがって演出ボタン等を操作することで、演出に関する様々な設定を任意に行うこと(所謂「カスタマイズ」)が可能となる。なお、変動遊技中や特別遊技中(つまり、遊技中)にも演出のカスタマイズを可能としてもよい。この場合、現在進行中の遊技(演出)の妨げにならないよう演出設定画面を表示画面7aの一部に表示することで、遊技中のカスタマイズが可能となる。
【0037】
表示画面7aには、演出図柄8とは別に、特別図柄当否判定の結果を示す(報知する)判定図柄8sが表示される判定図柄表示領域7cが設けられている(
図3を参照)。本実施例では、演出図柄表示領域7bの右上方(表示画面7aの右上部)に判定図柄表示領域7cが設けられている(
図3を参照)。判定図柄表示領域7cの大きさは、演出図柄表示領域7bよりも小さく、これに伴って、判定図柄8sの大きさも演出図柄8よりも小さくなっている。判定図柄8sのことを「小図柄」又は「小識別情報」ともいう。
【0038】
判定図柄8sは、演出図柄8と同様に、左判定図柄8sL、中判定図柄8sC及び右判定図柄8sRの3つの図柄により構成され、後述の特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行い、特別図柄の停止表示に同期して停止表示を行う。判定図柄8sの変動表示の態様としては、例えば上下又は左右方向にスクロール表示する態様や、上下又は左右方向に回転表示する態様等がある。左判定図柄8sL、中判定図柄8sC及び右判定図柄8sRの何れか又は全部を指して単に「判定図柄8s」ともいう。
【0039】
判定図柄表示領域7cにおいても、左、中、右の判定図柄8sの組み合わせ(停止表示態様)によって、特別図柄当否判定の結果が表示される。つまり、特別図柄当否判定の結果に基づいて判定図柄8sが変動表示されて停止表示される。本実施例では、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄8の停止表示態様(図柄配列、確定停止図柄)と同じ停止表示態様(図柄配列)で判定図柄8sが表示されるようになっている。但し、演出図柄8のような停止順は定められておらず、3つの判定図柄8sL,8sC,8sRは、特別図柄の変動表示の開始に伴って一斉に変動表示を開始し、特別図柄の停止表示に伴って一斉に停止表示するように構成されている。
【0040】
なお、演出図柄8と判定図柄8sとで停止表示態様を異ならせてもよい。また、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合の停止表示態様(当り図柄配列)を演出図柄8と判定図柄8sとで同じとし、外れの場合の停止表示態様(外れ図柄配列)を演出図柄8と判定図柄8sとで異ならせてもよい。外れの場合の停止表示態様(外れ図柄配列)を演出図柄8と判定図柄8sとで異ならせる場合、判定図柄8sの外れ図柄配列は1種類のみ(例えば「246」等)とすることができる。遊技者は主に演出図柄8を見て当否判定の結果(当り外れ)を把握することから、判定図柄8sの外れ図柄配列を演出図柄8と同様に複数種類設ける必要性は低いからである。また、遊技進行過程で行われる特別図柄当否判定の結果(変動遊技の結果)は、大当り確率を鑑みると外れになることが殆どであり、判定図柄8sの外れ図柄配列を1種類とすることで、図柄表示制御の効率化や簡素化等を図ることが可能となる。
【0041】
判定図柄8sを表示する(判定図柄表示領域7cを設ける)のは、例えば、変動演出の実行中において、後述の予告演出やスーパーリーチ演出など遊技者の大当りに対する期待感を煽る演出画像が表示画面7aの略全体に表示される際、その演出画像により演出図柄8が隠されたり、演出図柄8が非表示となったり(消去されたり)する等、演出図柄8が視認できない状態になることがあるからである。つまり、演出図柄8が視認できない(表示されない)状態になったとしても、特別図柄が変動表示中であることや停止表示(確定停止)したことを、判定図柄8sを通じて把握することが可能となっている。このため、変動遊技(識別情報の変動表示)が実行可能とされる遊技状態(「変動遊技状態」ともいう。)において判定図柄8は常に表示される。
【0042】
なお、本実施例の判定図柄8sは、演出図柄8のように色による区別はなく、数字(図柄種)に関係なく同じ色で表示されるものとしている。本実施例では、判定図柄8sの色(表示色)を白と黒の中間色である「灰色(グレー)」の一色としている。判定図柄8sを比較的目立たない灰色(中間色)とするのは、判定図柄8sは、特別図柄当否判定の結果を把握するために遊技者が主として見る図柄(すなわち、特別図柄当否判定の結果を遊技者に報知する図柄)として機能するものではなく、主に特別図柄の変動状況を示す図柄として機能するものであり、演出図柄8のように目立たせる必要はないからである。また、判定図柄8sの色(表示色)を一色とすることで、図柄表示制御の効率化や簡素化等を図ることが可能となるからである。但し、判定図柄8sについても演出図柄8と同様に色の情報を含ませてもよく、演出図柄8と同様の色分けとしたり異なる色分けとしたりすることができる。
【0043】
表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。本実施例では、演出図柄表示領域7bの下方(表示画面7aの下部)に第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dが設けられている(
図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0044】
ここで、第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aのことを「第1保留アイコン」又は「第1記憶表示」ともいい、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bのことを「第2保留アイコン」又は「第2記憶表示」ともいい、第1演出保留9a及び第2演出保留9bの何れか一方又は両方を指して「保留アイコン」又は「記憶表示」ともいう。また。第1演出保留表示領域9cのことを「第1保留アイコン表示部」、「第1記憶表示部」又は「第1記憶表示手段」ともいい、第2演出保留表示領域9dのことを「第2保留アイコン表示部」、「第2記憶表示部」又は「第2記憶表示手段」ともいい、第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dの何れか一方又は両方を指して「保留アイコン表示部」、「記憶表示部」又は「記憶表示手段」ともいう。
【0045】
また
図3に示すように、表示画面7aには、現在変動表示している特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9a又は第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(
図3を参照)。本実施例では、第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dの左側に変動保留表示領域9eが設けられている。
【0046】
第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aは、当該表示領域9cの左端から右端に向かって順に特
図1保留球数「1」、「2」、「3」、「4」に対応するものとなっており、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bは、当該表示領域9dの左端から右端に向かって順に特
図2保留球数「1」、「2」、「3」、「4」に対応するものとなっている。このため、特
図1保留球数「1」に対応する第1特別図柄の変動表示の開始(第1特図保留の消化)に伴って、当該保留に対応する第1演出保留9a(第1演出保留表示領域9cの左端に表示される第1演出保留9a)が第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eへ移動する(移動表示される)。また、特
図2保留球数「1」に対応する第2特別図柄の変動表示の開始(第2特図保留の消化)に伴って、当該保留に対応する第2演出保留9b(第2演出保留表示領域9dの左端に表示される第2演出保留9b)が第2演出保留表示領域9dから変動保留表示領域9eへ移動する(移動表示される)。保留球数のことを単に「保留数」ともいう。なお、特図保留球数が「0」の状態で始動口(第1始動口20又は第2始動口21)に遊技球が入球して特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示(変動遊技)の開始契機となる始動入球に伴って変動保留表示領域9eに演出保留(第1演出保留9a又は第2演出保留9b)が表示される。
【0047】
ここで、変動保留表示領域9eも「保留アイコン表示部」、「記憶表示部」又は「記憶表示手段」ということができ、変動保留表示領域9eに表示される演出保留も「保留アイコン」又は「記憶表示」ということができる。また、変動保留表示領域9eに表示される演出保留のことを「変動記憶表示」、「変動保留アイコン」又は「アクティブ保留アイコン」ともいい、演出保留表示領域9c、9dに表示される演出保留(保留アイコン)及び変動保留表示領域9eに表示される演出保留(アクティブ保留アイコン)のことを総じて「記憶表示」又は「保留アイコン」ともいう。また、演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9d及び変動保留表示領域9eの何れか一方又は両方を指して「演出保留表示領域」、「演出保留表示部」又は「演出保留表示手段」ともいう。
【0048】
以上のように、種々の演出表示や演出画像(これらを「表示物」ともいう。)を表示可能な表示画面7a(画像表示装置7)のことを「演出表示部」又は「演出表示手段」ともいい、単に「表示部」ともいう。また、演出図柄8を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出、報知演出、変動演出)や大当り遊技演出、デモ演出、後述の予告演出など、表示画面7aに表示されることにより行われる演出(表示画面上で行われる演出)のことを「表示演出」ともいう。
【0049】
遊技盤2(遊技領域3)の中央付近であって画像表示装置7(表示手段)の前方には、表示画面7aを取り囲むようにしてセンター装飾体10(所謂「センター役物」)が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能とされる。
【0050】
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球よりも高い可能性で後述の第1始動口20に入球可能とされる。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が設けられている。
【0051】
センター装飾体10の上部であって装飾部材13の左方には、所定の作動態様で作動可能な可動演出部材14(「可動体」ともいう。)が設けられている。本実施例の可動演出部材14(可動体)は、
図3に示すように外周が鋸歯状の円形の可動体とされており、遊技者から常時視認可能となるように設けられている。可動演出部材14は、普段(非作動時)は、センター装飾体10の上部左側(左上)の待機位置(初期位置)にあり、画像表示装置7の表示画面7aに被らないようになっている(
図66(A)を参照)。
【0052】
可動演出部材14を待機位置から作動位置へ移動させる条件(「作動条件」ともいう。)が成立すると、可動演出部材14が作動を開始して、待機位置から所定の作動位置に向かって移動する。具体的には、可動演出部材14が待機位置から右斜め下方に向かって移動し、表示画面7aの略中央部分を覆う位置(作動位置)で停止するものとなっている(
図66(B)を参照)。可動演出部材14が作動位置にあるとき、可動演出部材14は表示画面7aの手前側に位置して、表示画面7aの一部(本実施例では、演出図柄表示領域7bの一部)を覆う状態となる。この状態から、可動演出部材14を作動位置から待機位置へ移動させる条件(「復帰条件」ともいう。)が成立すると、可動演出部材14が作動を開始して、作動位置から待機位置に向かって移動する。具体的には、可動演出部材14が作動位置から左斜め上方に向かって移動し、表示画面7aの左上方の待機位置で停止するものとなっている(
図66(A)を参照)。このように可動演出部材14は、待機位置と作動位置との間で移動(作動)することが可能(変位可能)となっている。
【0053】
可動演出部材14(可動体)には複数のLEDからなる可動体ランプ15(「可動体電飾」ともいう。)が設けられており、可動演出と一緒に又は別々に可動体ランプ15が発光可能となっている。すなわち、本実施例の可動演出部材14は、可動体ランプ15を含んで構成される。また、可動演出部材14は、作動位置に移動した状態(表示画面7aの手前側)で、表示画面7aに垂直な軸(図示せず)を回転軸として回転可能となっている(
図66(B)を参照)。
【0054】
本実施例では、可動演出部材14を作動させる演出(「可動演出」ともいう。)を、演出図柄8の変動表示中の予告演出として行ったりリーチ演出の一部として行ったりすることが可能となっている。このような可動演出の実行により、遊技者の大当りに対する期待感を高める(煽る)ことが可能となる。なお、可動演出の終了条件が成立すると、可動演出部材14は元の待機位置へ移動(復帰)する。
【0055】
ここで、可動演出部材14は所謂「ギミック」に相当するものであり、可動演出部材14を作動させる演出(可動演出)は「ギミック演出」に相当するものである。可動演出部材14(可動体)のことを「可動部」又は「可動演出手段」ともいう。すなわち、可動演出部材14は演出用の可動部(演出可動部)として機能する。
【0056】
本実施例では、センター装飾体10の上部に一の可動演出部材14を設けているが、可動演出部材を設ける位置や可動演出部材の個数はこれに限定されるものではない。例えば、センター装飾体10の中央開口(表示画面7a)の左右の何れか一方又は両方に可動演出部材を設けたり、センター装飾体10の中央開口(表示画面7a)の下方(ステージ部11側)に可動演出部材を設けたりしてもよい。また、前面枠51に可動演出部材を設けてもよい。この場合、遊技盤側の可動演出部材を作動させる可動演出(「盤側可動演出」又は「第1可動演出」ともいう。)が実行されるパターンと、枠側の可動演出部材を作動させる可動演出(「枠側可動演出」又は「第2可動演出」ともいう。)が実行されるパターンとを設けることができる。遊技盤側の可動演出部材のことを「盤側可動演出部材」や「盤側可動体」ともいい、枠側の可動演出部材のことを「枠側可動演出部材」や「枠側可動体」ともいう。このように、可動演出のバリエーションを増やすことで遊技興趣を高めることが可能となる。また可動演出部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が振動等する場合、演出ボタン63を作動させる演出(ギミック演出)のことも「可動演出」ということができ、演出ボタン63のことも「可動部」又は「可動演出手段」ということができる。
【0057】
また、種々の音(効果音)をスピーカ67から発生(出力)させる演出のことを音演出ともいい、スピーカ67のことを「音演出手段」ともいう。また、遊盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13、可動体ランプ15等を発光させる演出のことを「発光演出」又は「光演出」ともいい、遊盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13、可動体ランプ15等のことを「発光部」又は「発光演出手段」ともいう。盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60がLED等の電飾部材を内蔵しており、当該電飾部材が点灯・点滅等する場合、演出ボタン63や発射ハンドル60を発光させる演出のことを「発光演出」ということができ、演出ボタン63や発射ハンドル60に内蔵された電飾部材のことを「発光部」又は「発光演出手段」ということができる。「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」及び「発光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
【0058】
遊技領域3における画像表示装置7の下方(ステージ部11の下方)には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化しない非可変式の第1始動口20(「非可変始動口」又は「固定始動口」ともいう。)を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行され、当該当否判定の結果に基づいて第1特別図柄の変動表示及び停止表示が実行される。
【0059】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2始動口21(「可変始動口」ともいう。)を備える可変入賞装置22が設けられている。可変入賞装置22(第2始動口21)は、普通電動役物として設けられるものである。
【0060】
第2始動口21への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行され、当該当否判定の結果に基づいて第2特別図柄の変動表示及びが実行示される。
【0061】
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)と、当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)とに変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0062】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「特別入球口」又は「可変入球口」ともいう。)を備える大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31(大入賞口30)は、特別電動役物として設けられるものである。
【0063】
大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(
図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0064】
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。
【0065】
遊技領域3のうち下側領域には、には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口に対して予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。例えば、第1始動口20の賞球数は「3」、第2始動口21の賞球数は「1」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」とされる。
【0066】
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と右側の右遊技領域3B(第2領域)とに分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」ともいい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」ともいう。
【0067】
複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。なお、始動口、大入賞口、一般入賞口及ゲートの数は本実施例に限定されるものではなく、例えば、始動口を3個としたり、大入賞口を2個としたり、一般入賞口を4個としたり、ゲートを2個としたりする等、それぞれの設置個数は任意である。
【0068】
図3及び
図4に示すように、遊技領域3の外側(遊技領域外)であって遊技盤2の右下部には主表示器40が設けられている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向(左打ちすべき状態か右打ちすべき状態か)を示す発射方向表示器47と、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、が含まれている(
図4を参照)。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部80によって表示制御される。
【0069】
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがあり、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器」又は「特別図柄表示部」ということがあり、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器」又は「特図保留表示部」ということがある。
【0070】
特別図柄表示部では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。つまり、第1特別図柄の変動表示は第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われ、第2特別図柄の変動表示は第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。停止表示される特別図柄(停止図柄)は、複数種の停止図柄の中から特別図柄当否判定の結果に応じて選択される一つの停止図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンで大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が実行可能とされる大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行する。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0071】
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。
【0072】
特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。なお、停止表示された特別図柄が外れ図柄(非特定態様)の場合の停止表示時間(外れ停止表示時間)と、停止表示された特別図柄が大当り図柄(特定態様)の場合の停止表示時間(大当り停止表示時間)とを異ならせてもよく、この場合、大当り停止表示時間を外れ停止表示時間よりも長くしたり、外れ停止表示時間を大当り停止表示時間よりも長くしたりすることができる。また、後述の低ベース状態や高ベース状態等の遊技状態により停止表示時間を異ならせてもよい。外れ停止表示時間のことを「非特定停止表示時間」ともいい、大当り停止表示時間のことを「特定停止表示時間」ともいう。
【0073】
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「10R第4大当り」、「10R第5大当り」、「5R第6大当り」及び「5R第7大当り」の7種類の大当りが設けられており(
図6、
図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら7種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を表示することが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が10R第1大当りの場合は「ij」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第1大当り図柄)、10R第2大当りの場合は「in」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第2大当り図柄)、10R第3大当りの場合は「im」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(10R第3大当り図柄)等、第1特別図柄表示器41aを構成する複数のLEDの点灯と消灯の組み合わせにより、各種大当り図柄(特定態様、特定表示結果)を表示する。また、第1特別図柄当否判定の結果が外れの場合は「p」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
【0074】
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「10R第8大当り」及び「10R第9大当り」の2種類の大当りが設けられており(
図6、
図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が10R第8大当りの場合は「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第8大当り図柄)、10R第9大当りの場合は「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(10R第9大当り図柄)等、第2特別図柄表示器41bを構成する複数のLEDの点灯と消灯の組み合わせにより、各種大当り図柄(特定態様、特定表示結果)を表示する。また、外れの場合は「h」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
【0075】
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)はこれらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0076】
特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示の態様は、例えば、時計回り方向や反時計回り方向など、予め定められた順序で光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。また、第1特別図柄表示器41aに停止表示された第1特別図柄は、前述の停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。同様に、第2特別図柄表示器41bに停止表示された第2特別図柄は、前述の停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されない場合には、停止表示時間が経過しても停止表示態様は維持される。
【0077】
パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され(取得手段)、取得された各種情報が特図保留(「保留情報」ともいう。)として、主制御部80のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に記憶可能となっている(保留記憶手段)。具体的には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留(「第1保留情報」ともいう。)として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留(「第2保留情報」ともいう。)として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0078】
ここで、「特図保留記憶部」のことを「取得情報記憶手段」又は「保留記憶手段」ともいい、第1特図保留記憶部のことを「第1取得情報記憶手段」又は「第1保留記憶手段」ともいい、第2特図保留記憶部のことを「第2取得情報記憶手段」又は「第2保留記憶手段」ともいう。また、第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部の何れか一方又は両方を指して「特図保留記憶部」、「取得情報記憶手段」又は「保留記憶手段」ともいい、単に「記憶手段」ともいう。
【0079】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示の開始(実行)に伴って消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数(本実施例では「4」)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0080】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
【0081】
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0082】
なお、前述の第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dと同様に、第1特図保留表示器43aのことを「第1記憶表示部」又は「第1記憶表示手段」ということができ、第2特図保留表示器43bのことを「第2記憶表示部」又は「第2記憶表示手段」ということができ、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bの何れか一方又は両方を指して「記憶表示部」又は「記憶表示手段」ということができる。
【0083】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンで第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0084】
図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示することが可能となっている。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄(非特定普通図柄)を表示する。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行される。その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。また、普通図柄表示器42に停止表示された普通図柄は、停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されない場合には、停止表示時間が経過しても停止表示態様は維持される。
【0085】
パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、取得された各種情報が普図保留(保留情報)として、主制御部80のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に記憶可能となっている。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
【0086】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0087】
図4に示すように、ラウンド表示器45は、5R用ランプ及び10R用ランプの2個のLEDで構成されている。ラウンド表示器45では、例えば5R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5▲10R△」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。また、10R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5△10R▲」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。
【0088】
[パチンコ遊技機1の電気的構成]
次に
図2及び
図5に基づいて、パチンコ遊技機1の電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技の進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板(「主制御部」又は「遊技制御部」ともいう。)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板(「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう。)90、画像表示装置7の表示制御を行う画像制御基板(「画像制御部」ともいう。)100、スピーカ67による効果音の出力制御を行う音声制御基板106、盤面ランプ5や枠ランプ66等の駆動制御を行うランプ制御基板107、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板(「払出制御部」ともいう。)110等を備えている。
【0089】
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側(裏面側)には、その略中央部に主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、主制御基板ケースの上方に、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、画像制御基板等収納ケース上に副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側に、払出制御基板110を収納した払出制御基板ケースが設けられ、払出制御基板ケースの右側に、電源基板109を収納した電源基板ケースが設けられている。電源基板109は、パチンコ遊技機1が備える各種基板や基板に接続される各種電気部品等に対して駆動(作動)に必要な電力を供給する(電力供給手段)。
【0090】
図5に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう。)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
【0091】
遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のROMには、遊技進行に係る各種の判定や決定(選択)に用いるテーブルや、特別図柄や普通図柄の変動パターン、第2始動口21や大入賞口30の開放パターンなど、遊技の進行を制御するのに必要な各種のデータが記憶されている。なお、変動パターンは、変動表示の開始から終了までに要する時間(変動時間)や、変動時間に合わせて実行する演出(変動演出)の内容等を規定するものである。
【0092】
遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)や普図保留記憶部等が設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0093】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。
【0094】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。これらの遊技球を検知可能なセンサのことを「球検知センサ」又は「遊技球検知手段」ともいう。
【0095】
ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
【0096】
中継基板88を介して主制御基板80に接続されるセンサ類として、球検知センサの他に、電波出力機器から出力される電波を検知可能な電波センサ71と、磁石から発せられる磁気を検知可能な磁気センサ72とを備えている。
【0097】
電波センサ71は、例えば、遊技盤2の前面側において電波出力機器から電波が出力された場合に、その電波を検知するものである。この電波センサ71は、主に、球検知センサを電波(不正電波)により誤検知させる不正行為(所謂「電波ゴト」)を検知するために設けられるもので、電波ゴト対策の対象となる入球口(球検知センサ)の個数や位置、電波の検知範囲(検知性能)等に応じて1又は複数設けられる。具体的には、例えば、特別図柄当否判定の実行契機となる第1始動口20(第1始動口センサ20a)や第2始動口21(第2始動口センサ21a)を対象として電波センサ71を設けることができる。
【0098】
主制御基板80に入力される電波センサ71の検知信号(「電波検知信号」又は「電波センサ信号」ともいう。)は、例えば、電波センサ71が電波(不正電波)を検知していない場合にOFF(非検知状態)となり、電波センサ71が電波(不正電波)を検知した場合にON(検知状態)となる。
【0099】
磁気センサ72は、例えば、前面枠51の窓部(視認窓)の表面に磁石を近づけた場合に、その磁石の磁気を検知するものである。この磁気センサ72は、主に、磁石を使って遊技球を始動口や一般入賞口、特定領域(V領域)等へ強制的に誘導する不正行為(所謂「磁石ゴト」)を検知するために設けられるもので、磁石ゴト対策の対象となる入球口(球検知センサ)の個数や位置、磁気の検知範囲(検知性能)等に応じて1又は複数設けられる。具体的には、例えば、特別図柄当否判定の実行契機となる第1始動口20や賞球払出の契機となる一般入賞口27を対象として磁気センサ72を設けることができる。
【0100】
主制御基板80に入力される磁気センサ72の検知信号(「磁気検知信号」又は「磁気センサ信号」ともいう。)は、例えば、磁気センサ72が磁気を検知していない場合にOFF(非検知状態)となり、磁気センサ72が磁気を検知した場合にON(検知状態)となる。
【0101】
電波ゴトや磁石ゴトといった不正行為を検知可能な電波センサ71や磁気センサ72のことを「不正検知センサ」又は「不正検知手段」ともいう。なお、不正検知センサ(不正検知手段)として、遊技機に与えられる振動を検知可能な振動センサを設けることも可能である。振動センサは、主に、遊技上の特典を付与する契機となる特定領域(V領域)や、遊技上の特典付与に係る抽選が実行される契機となる抽選領域(例えば始動口)の近傍を遊技球が流下する際に、遊技機を叩いて遊技盤(遊技領域)に振動(衝撃)を加えて、遊技球をそれらの領域へ向かわせる不正行為(所謂「どつき」)を検知するために設けられるものである。遊技上の特典としては、大当り遊技状態や確変遊技状態等の遊技者にとって有利な遊技状態への移行を例示できる。
【0102】
また主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0103】
主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板(「発射制御部」ともいう。)111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1を参照)が含まれる。
【0104】
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう。)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
【0105】
払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、その操作者(遊技者)による発射ハンドル60への接触をタッチスイッチ114が検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さ(発射強度)で遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御される。本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数が1分間で約100個となっている。
【0106】
払出制御基板110には、前面枠51が開放されていることを検知可能な枠開放検知スイッチ70が接続されている。枠開放検知スイッチ70のことを「開放検知手段」ともいう。枠開放検知スイッチ70は、例えば、前面枠51又は本体枠52に設けられるもので、前面枠51が閉じた状態(閉状態)から開いた状態(開状態)に変化したり開状態から閉状態に変化したりした場合に、その状態変化に応じてオンオフが切り替わるように構成される。つまり、枠開放検知スイッチ70は、前面枠51の開閉を検知する開閉検知スイッチでもある。開閉検知スイッチのことを「開閉検知手段」ともいう。前面枠51は、例えば、遊技盤2のメンテナンス作業や遊技領域3内の球詰まり(所謂「ブドウ」)の解消作業などを行う際に、遊技ホールの店員等の操作(外部からの操作)により開閉される。
【0107】
払出制御基板110に入力される枠開放検知スイッチ70の検知信号(「枠開放検知信号」ともいう。)は、例えば、前面枠51が閉状態にある場合にOFFとなり(非検知状態)、前面枠51が開状態にある場合にONとなる(検知状態)。すなわち、枠開放検知スイッチ70が前面枠51の開放(前面枠51の閉状態から開状態への変化)を検知すると、枠開放検知スイッチ70の検知信号はONとなる。また、枠開放検知スイッチ70が前面枠51の閉鎖(前面枠51の開状態から閉状態への変化)を検知すると、枠開放検知スイッチ70の検知信号はOFFとなる。
【0108】
払出制御基板110に入力される枠開放検知信号は、主制御基板80に入力される。つまり、枠開放検知スイッチ70の検知信号は、払出制御基板110を介して主制御基板80に入力される。遊技制御用マイコン81は、入力される枠開放検知信号の状態に基づいて、前面枠51の状態(開閉)を検知することが可能となっている。また、遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に入力される前述の電波検知信号や磁気検知信号の状態に基づいて、電波ゴトや磁石ゴトの不正行為を検知することが可能となっている。
【0109】
前面枠51が開放したり不正行為が発生したりすると、遊技を正常に行うことは困難(不可能)となり、パチンコ遊技機1の状態は遊技に適さない状態となる。このような遊技に適さない状態(本実施例では、前面枠51が開放した状態や不正行為が発生した状態)が発生したことを、枠開放検知信号や電波検知信号、磁気検知信号の状態に基づいて検知することが可能である。
【0110】
主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての不図示の単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0111】
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう。)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って行われる演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
【0112】
演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。なお、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。副制御基板90(演出制御用マイコン91)のROMには、遊技演出に係る各種の判定や決定(選択)に用いるテーブルや、変動演出や予告演出等の演出パターンなど、演出を制御するのに必要な各種のデータが記憶されている。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0113】
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107等が接続されている。副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、遊技の状況に応じて画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107と協働して、表示演出や音演出、ランプ演出(発光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる。この副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、遊技の状況に応じて種々の演出を実行させることが可能な演出実行手段(「演出制御手段」ともいう。)として機能する。なお、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107のうち少なくとも一つを、副制御基板90とともに演出実行手段(演出制御手段)として機能するものと捉えることもできる。
【0114】
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう。)101のCPUに画像表示装置7の表示制御を行わせる。
【0115】
画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の各種画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて又は加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0116】
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から種々の音を出力する。スピーカ67から出力される音は、楽曲(BGM)、音声、電子音等により構成することができ、当該音のデータ(音データ)は副制御基板90のROMに格納されている。本実施例では、パチンコ遊技機1が出力可能な音(スピーカ67から出力可能な音)として、演出音(効果音)、報知音及び確認音が設けられている。
【0117】
演出音は、例えば、演出図柄8の変動表示(変動演出)に伴って出力される通常変動BGM(通常変動音)、リーチ演出に伴って出力されるリーチBGM(リーチ演出音)、演出図柄8の停止表示(仮停止及び/又は確定停止)に伴って出力される図柄停止音、予告演出に伴って出力される予告音、始動口や一般入賞口、大入賞口等の特定の入賞口への遊技球の入球に伴って出力される入賞音、大当り遊技演出に伴って出力される大当りBGM(大当り演出音)等である。
【0118】
報知音は、例えば、枠開放検知スイッチ70が前面枠51の開放を検知したこと(つまり、前面枠51が開放中であること)を報知する枠開放音、電波センサ71が電波を検知したことを報知する電波検知音、磁気センサ72が磁気を検知したことを報知する磁気検知音、遊技者に左打ちを行うよう指示する左打ち指示音、下皿62が満杯であることを報知する下皿満杯音等である。
【0119】
確認音は、例えば、所定の音量調整操作により音量の設定(調整)が行われた場合の当該設定(調整)後の音量(音量設定内容)を遊技者に示す(報知する)音量確認音や、所定の光量調整操作に基づいて光量の設定(調整)が行われた場合の当該設定(調整)後の光量(光量設定内容)を遊技者に示す(報知する)光量確認音等である。
【0120】
なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
【0121】
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5、可動体ランプ15等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータであり、「ランプデータ」ともいう。)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5、可動体ランプ15等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0122】
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動演出部材14(可動体)を作動させる。可動演出部材14の作動は、不図示のモータ等の電気的駆動源(「駆動手段」ともいう。)により行われる。演出制御用マイコン91は、可動演出部材14を所定の作動態様で作動させるためのデータ(「駆動データ」ともいう。)を、副制御基板90のROMに予め格納(記憶)されている複数の作動パターンデータの中から決定(選択)し、その決定した作動パターンデータに基づいて可動演出部材14の作動(可動演出)を制御する。可動演出部材14及びこれを作動させる駆動手段を含んで可動演出装置が構成される。
【0123】
なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動演出部材14の作動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや作動パターンに関するデータを格納してもよい。
【0124】
副制御基板90には、可動演出部材14の位置を検知可能な位置検知センサ17が接続されている。本実施例では、位置検知センサ17として、可動演出部材14が待機位置(初期位置)にある場合に検知状態(例えば「ON」)となり、待機位置にない場合に非検知状態(例えば「OFF」)となる待機位置検知センサ17a(「第1位置検知センサ」又は「第1位置検知手段」ともいう。)と、可動演出部材14が作動位置にある場合に検知状態(例えば「ON」)となり、作動位置にない場合に非検知状態(例えば「OFF」)となる作動位置検知センサ17b(「第2位置検知センサ」又は「第2位置検知手段」ともいう。)と、が設けられている。位置検知センサ17(待機位置検知センサ17a、作動位置検知センサ17b)は、例えば、発光部と受光部とを備えたフォトインタラプタにより構成される。
【0125】
待機位置検知センサ17aの検知の状態を示す信号(「待機位置検知信号」ともいう。)、及び作動位置検知センサ17bの検知の状態を示す信号(「作動位置検知信号」ともいう。)は、それぞれ副制御基板90に入力される。演出制御用マイコン91は、その入力された信号に基づいて、可動演出部材14が待機位置にあるのか作動位置にあるのか、すなわち、可動演出部材14の位置(状態)を判別したり、可動演出部材14の異常を検知したりすることが可能に構成されている。
【0126】
例えば、パチンコ遊技機1の稼働中(電源ON時)において、可動演出部材14が作動する前の非作動時(可動演出の非実行時)や作動開始時(可動演出の開始時)等に待機位置検知信号がOFF(待機位置検知センサ17aが非検知状態)になっていたり、可動演出部材14を待機位置から作動位置へ移動させる条件(可動演出部材14の作動条件)が成立してから所定時間(例えば、可動演出部材14が待機位置から作動位置へ移動するのに要する時間)が経過したにもかかわらず作動位置信号がON(作動位置検知センサ17bが検知状態)にならなかったり待機位置検知信号がON(待機位置検知センサ17aが検知状態)のままであったり、可動演出部材14を作動位置から待機位置へ移動させる条件(可動演出部材14の復帰条件)が成立してから所定時間(例えば、可動演出部材14が作動位置から待機位置へ移動するのに要する時間)が経過したにもかかわらず待機位置検知信号がON(待機位置検知センサ17aが検知状態)にならなかったり作動位置検知信号がON(作動位置検知センサ17bが検知状態)のままであったりする等、可動演出部材14の作動状況と位置検知信号(位置検知センサ17の検知状態)とが整合しない場合に、可動演出部材14の異常(可動部の異常)が発生したと判断することができる。
【0127】
位置検知センサ17(待機位置検知センサ17a及び作動位置検知センサ17bの何れか一方又は両方)のことを「位置検知手段」ともいい、可動演出部材14の異常を検知可能な演出制御用マイコン91のことを「異常検知手段」ともいい、待機位置検知信号及び作動位置検知信号の何れか一方又は両方を指して「位置検知信号」ともいう。
【0128】
副制御基板90には、第1演出ボタン63aや第2演出ボタン63b(
図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号が副制御基板90に入力される。第1演出ボタン検知スイッチ63cのことを「第1操作検知手段」ともいい、第2演出ボタン検知スイッチ63dのことを「第2操作検知手段」ともいう。また、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dの何れか一方又は両方を指して「演出ボタン検知スイッチ」又は「操作検知手段」ともいう。
【0129】
[当りの概要]
次に、パチンコ遊技機1の当りの概要について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。前述したように、「大当り」のときには特別図柄表示部に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部に「外れ図柄」が停止表示される。つまり、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)に応じて特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)又は外れ図柄(非特定態様)で表示される。
【0130】
特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄(大当り図柄)の種類(大当り種別)に応じた開放パターンで大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技のことを「大当り遊技」ともいい、特別遊技が実行可能とされる遊技状態のことを「特別遊技状態」ともいい、大当り遊技が実行可能とされる遊技状態のことを「大当り遊技状態」ともいう。
【0131】
本実施例のパチンコ遊技機1には複数の大当りが設けられている。具体的には、
図6に示すように、大当りとして「10R(ラウンド)第1大当り」、「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「10R第4大当り」、「10R第5大当り」、「5R第6大当り」、「5R第7大当り」、「10R第8大当り」及び「10R第9大当り」の計9種類が設けられている。これらの大当りのうち、「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「10R第4大当り」、「10R第5大当り」、「5R第6大当り」及び「5R第7大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「10R第8大当り」及び「10R第9大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。なお、本明細書ではラウンドを「R」と表記することがある。
【0132】
10R第1大当り、10R第8大当り及び10R第9大当りは、何れもラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が1R~10Rの各ラウンドにつき「25秒」の大当りである。開放時間「25秒」の開放のことを「ロング開放」ともいう。
【0133】
5R第6大当り及び5R第7大当りは、何れもラウンド数が「5」、大入賞口30の開放回数が1R~5Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が1R~5Rの各ラウンドにつき「25秒」の大当りである。
【0134】
10R第2大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が1R~10Rの各ラウンドにつき「25秒」の大当りである。
【0135】
10R第3大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が、1R~7Rの各ラウンドにつき「25秒」、8R~10Rの各ラウンドにつき「0.1秒」の大当りである。開放時間「0.1秒」の開放のことを「ショート開放」ともいう。10R第3大当りに係る大当り遊技(「10R第3大当り遊技」ともいう。)のうち、8R~10Rは大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「0.1秒」という極短時間であり、大入賞口30に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。このため、10R第3大当り遊技では、1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」とされる1R~7Rにおいて大入賞口30への遊技球の入球可能性が高くなり、遊技球を容易に大入賞口30に入球させることが可能となる。したがって、10R第3大当りは実質的に「7R大当り」であり、10R第3大当り遊技は実質的に「7R大当り遊技」である。
【0136】
10R第4大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が、1R~5Rの各ラウンドにつき「25秒」、6R~10Rの各ラウンドにつき「0.1秒」の大当りである。10R第4大当りに係る大当り遊技(「10R第4大当り遊技」ともいう。)のうち、6R~10Rは大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「0.1秒」という極短時間であり、大入賞口30に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。このため、10R第4大当り遊技では、1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」とされる1R~5Rにおいて大入賞口30への遊技球の入球可能性が高くなり、遊技球を容易に大入賞口30に入球させることが可能となる。したがって、10R第4大当りは実質的に「5R大当り」であり、10R第4大当り遊技は実質的に「5R大当り遊技」である。
【0137】
10R第5大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が、1R~3Rの各ラウンドにつき「25秒」、4R~10Rの各ラウンドにつき「0.1秒」の大当りである。10R第5大当りに係る大当り遊技(「10R第5大当り遊技」ともいう。)のうち、4R~10Rは、大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「0.1秒」という極短時間であり、大入賞口30に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。このため、10R第4大当り遊技では、1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」とされる1R~3Rにおいて大入賞口30への遊技球の入球可能性が高くなり、遊技球を容易に大入賞口30に入球させることが可能となる。したがって、10R第5大当りは実質的に「3R大当り」であり、10R第5大当り遊技は実質的に「3R大当り遊技」である。
【0138】
これら9種類の大当りのうち、10R第1大当り、5R第6大当り、5R第7大当り、10R第8大当り及び10R第9大当りは、各ラウンドの間(ラウンド間)に一定のインターバル時間(例えば、約0.5秒~1秒)が設定され、1ラウンドから最終ラウンドまでの各ラウンドが同じ(一定の)インターバル時間を挟んで消化される。このようにラウンドが消化される10R第1大当り、5R第6大当り、5R第7大当り、10R第8大当り及び10R第9大当りは、一般的な大当りであるといえる。
【0139】
これに対し、10R第2大当り及び10R第3大当り(実質7R大当り)は、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンドが終了したときのラウンド間と、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、8R、9R)が終了したときのラウンド間とで、インターバル時間を異ならせており、前者の方が後者よりもインターバル時間が長くなっている。例えば、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンドが終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約3秒~5秒」とされ、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、8R、9R)が終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約0.5秒~1秒」とされる。
【0140】
10R第4大当り(実質5R大当り)は、3ラウンド及び5ラウンドが終了したときのラウンド間と、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、7R、8R、9R)が終了したときのラウンド間とで、インターバル時間を異ならせており、前者の方が後者よりもインターバル時間が長くなっている。例えば、3ラウンド及び5ラウンドが終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約3秒~5秒」とされ、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、8R、9R)が終了したときのラウンド間のインターバル時間(「第2インターバル時間」ともいう。)は「約0.5秒~1秒」とされる。
【0141】
10R第5大当り(実質3R大当り)は、3ラウンドが終了したときのラウンド間と、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、5R、6R、7R、8R、9R)が終了したときのラウンド間とで、インターバル時間を異ならせており、前者の方が後者よりもインターバル時間が長くなっている。例えば、3ラウンドが終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約3秒~5秒」とされ、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、5R、6R、7R、8R、9R)が終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約0.5秒~1秒」とされる。
【0142】
10R第2~第5大当りにおいて、相対的に長いインターバル時間(例えば、約3秒~5秒)のことを「第1インターバル時間」ともいい、相対的に短いインターバル時間(例えば、約0.5秒~1秒)のことを「第2インターバル時間」ともいう。
【0143】
第1インターバル時間が設定されるラウンド間(「インターバル期間」ともいう。)では、次のラウンドも大入賞口30がロング開放されるか否か、すなわち、ロング開放のラウンドが実行(継続)されるか否かを示唆する演出が、画像表示装置7(表示画面7a)等を用いて実行される。第1インターバル時間が設定されるラウンド間のことを「ラウンド分岐タイミング」ともいい、ラウンド分岐タイミングにおいて実行される演出のことを「ラウンド分岐演出」ともいう。
【0144】
例えば、10R第5大当り遊技の3ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降、ロング開放のラウンドが実行(継続)されない旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド終了演出や大当り終了演出)が実行され、10R第2~第4大当り遊技の3ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降もロング開放のラウンドが実行(継続)される旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド継続演出)が実行される。
【0145】
また、10R第4大当り遊技の5ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降、ロング開放のラウンドが実行(継続)されない旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド終了演出や大当り終了演出)が実行され、10R第2・第3大当り遊技の5ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降もロング開放のラウンドが実行(継続)される旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド継続演出)が実行される。
【0146】
また、10R第3大当り遊技の7ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降、ロング開放のラウンドが実行(継続)されない旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド終了演出や大当り終了演出)が実行され、10R第2大当り遊技の7ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降もロング開放のラウンドが実行(継続)される旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド継続演出)が実行される。
【0147】
このように10R第2~第5大当りは、ロング開放のラウンドが継続するか否かの分岐点(ラウンド分岐タイミング)となるラウンド間において、それ以外のラウンド間に比して長時間のインターバル時間(第1インターバル時間)が設定され、当該インターバル時間を利用してラウンド分岐演出が実行されるものとなっている。このように、ラウンド分岐タイミングにおいてラウンド分岐演出が実行される10R第2~第5大当りに係る大当り遊技は所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、10R第1大当り等の一般的な大当りとは遊技性が異なる特殊な大当りである。以下、ランクアップボーナスのことを「RUB」と表記することがある。
【0148】
ここで、ラウンドのことを「ラウンド遊技」ともいい、ラウンド遊技のことを「大入賞口開閉遊技」、「可変入球遊技」又は「特別入球遊技」ともいう。また、5R第6大当り及び5R第7大当りのことを総じて「5R大当り」ともいい、10R第1~第5大当り及び10R第8・第9大当りのことを総じて「10R大当り」ともいう。さらに、10R第2~第5大当りのことを「特殊大当り」ともいい、10R第2~第5大当り(特殊大当り)以外の大当り(10R第1・第8・第9大当り、5R第6・第7大当り)のことを「一般大当り」ともいい、一般大当りに係る大当り遊技(5R大当り遊技又は10R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、特殊大当りに係る大当り遊技(ランクアップボーナス(RUB))のことを「第2特別遊技」ともいう。また、大当り遊技のラウンド数に着目すると、5R大当り遊技のことを「第1特別遊技」ということもでき、10R大当り遊技のことを「第2特別遊技」ということもできる。
【0149】
なお、本実施例では、ラウンド数の違いによる大当り種別を、5R大当り及び10R大当りの2種類としているが、例えば、3R大当りと6R大当りと10R大当りの3種類としたり、7R大当りの1種類としたりする等、種々の大当り種別を設けることが可能である。また本実施例では、大当り遊技の最大ラウンド数を10R(10R大当り)としているが、最大ラウンド数はこれに限られず、例えば、10Rよりも多いラウンド(例えば15R)を最大ラウンド数としたり、10Rよりも少ないラウンド(例えば9R)を最大ラウンド数としたりすることも可能である。
【0150】
本実施例のパチンコ遊技機1は、発生(当選)した大当りの種類(大当り種別)に応じて、大当り遊技終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させるように構成される。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りが前述の10R第1~第5大当り、5R第6大当り及び10R第8大当りの何れかである場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される(
図6を参照)。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りが前述の5R第7大当り及び10R第9大当りの何れかである場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される(
図6を参照)。このことから、10R第1~第5大当り、5R第6大当り及び10R第8大当りは「確変大当り」として捉えることができ、5R第7大当り及び10R第9大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」又は「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
【0151】
ここで、大当り遊技の実行契機となる特別図柄の大当り図柄(特定態様、特定表示結果)に関し、大当り種別によって大当り図柄を区別することができる。例えば、非確変大当りと確変大当りとで区別する場合、非確変大当りに係る大当り図柄のことを「第1特定態様」又は「第1特定表示結果」ということができ、確変大当りに係る大当り図柄のことを「第2特定態様」又は「第2特定表示結果」ということができる。また、一般大当りと特殊大当りとで区別する場合、一般大当りに係る大当り図柄のことを「第1特定態様」又は「第1特定表示結果」ということができ、特殊大当りに係る大当り図柄のことを「第2特定態様」又は「第2特定表示結果」ということができる。
【0152】
図6及び
図8(B)に示すように、第1特別図柄(特
図1)の当否判定で大当りとなった場合の各大当りの振分確率は、10R第1大当りが5%、10R第2大当りが5%、10R第3大当りが7%、10R第4大当りが10%、10R第5大当りが13%、5R第6大当りが15%、5R第7大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定で大当りとなった場合の各大当りの振分確率は、10R第8大当りが55%、10R第9大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特
図2当否判定)で大当りとなった場合には、10R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特
図1当否判定)で大当りとなった場合に比べ、10R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特
図1当否判定)で大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特
図2当否判定)で大当りとなる方が、獲得可能な賞球量(賞球数)の観点で遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように構成されている。このため遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
【0153】
大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定情報」ともいう。)」に基づいて行われ、当否判定の結果が大当りである場合の大当り種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「大当り種別決定情報」ともいう。)」に基づいて行われる。本実施例では、
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数は、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)である。なお、前述したように、大当り種別は大当り図柄の種類に対応している(
図6を参照)。このことから、大当り種別決定用乱数のことを「図柄決定用乱数」又は「図柄決定情報」ともいう。なお、本明細書で例示する各種乱数の値(乱数範囲)は一例であり、制御仕様に応じて任意に設定することができる。
【0154】
第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他、
図7(A)に示すように「変動パターン決定用乱数(「変動パターン決定情報」ともいう。)」がある。変動パターン決定用乱数は、変動時間を含む変動パターンを決定するための乱数であり、本実施例では「0~198」までの範囲で値をとる。
【0155】
また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数(取得情報)には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、本実施例では「0~240」までの範囲で値をとる。
【0156】
[遊技状態]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能並びに普通電動役物の開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」又は「確変状態」ともいい、作動していない状態を「低確率状態」、「通常状態」又は「非確変状態」ともいう。
【0157】
高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態(低確率状態)よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が通常状態よりも多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(
図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
【0158】
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」又は「短縮変動状態」ともいい、作動していない状態を「非時短状態」又は「通常変動状態」ともいう。時短状態では、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの時間、「特図変動時間」ともいう。)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなる。すなわち、時短状態においては、特別図柄の変動時間の短い変動パターン(「短縮変動パターン」ともいう。)が非時短状態よりも選択されやすくなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9A、
図9Bを参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
【0159】
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定の当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)を参照)。
【0160】
時短状態では、普通図柄の変動時間(普通図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの時間、「普図変動時間」ともいう。)が非時短状態よりも短くなる。本実施例において、非時短状態の普図変動時間は30秒であり、時短状態の普図変動時間は1秒である(
図8(D)を参照)。また時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技(普図当り遊技)における第2始動口21の開放時間が非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
【0161】
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21への遊技球の入球頻度が高くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」又は「高頻度状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0162】
なお、高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なるものであればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能のことを「高ベース発生機能」ともいう。
【0163】
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、10R第1~5大当り、5R第6大当り及び10R第8大当りの何れかが発生した場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとっては所謂「確変状態」となる。
【0164】
また、5R第7大当り及び10R第9大当りの何れかが発生した場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)となるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を「低確高ベース状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0165】
本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄(識別情報)の変動表示が実行可能とされる遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
【0166】
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより遊技球を右遊技領域3Bへ進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべき遊技状態であることが報知される(右打ち指示報知)。
【0167】
これに対し、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべき遊技状態であることが報知される(左打ち指示報知)。
【0168】
発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDを有しており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すことが可能とされている。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0169】
以上のように本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準にすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。変動遊技状態のうち、低確低ベース状態のことを「第1遊技状態」ともいい、低確高ベース状態及び高確高ベース状態の何れか一方又は両方のことを「第2遊技状態」ともいう。また、大当りの当選確率に着目して、低確率状態(低確低ベース状態や低確高ベース状態)のことを「第1遊技状態」ということもでき、高確率状態(高確低ベース状態や高確高ベース状態)のことを「第2遊技状態」ということもできる。
【0170】
大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行可能となる遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口30への遊技球の入球により多量の賞球を獲得できることから、大当り遊技が行われる遊技状態は、大当り遊技が行われていない遊技状態(変動遊技状態)に比べ遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。このため、大当り遊技が行われていない遊技状態と比較した場合、大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて行われる大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
【0171】
また、低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる遊技状態であることから、低ベース状態を「左打ち遊技状態」として捉えることができる。一方、低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態および大入賞口への遊技球の入球を狙う大当り遊技が行われる状態は、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる遊技状態であることから、高ベース状態や大当り遊技状態を「右打ち遊技状態」として捉えることができる。そして、前述のように高ベース状態(右打ち遊技状態)では、低ベース状態(左打ち遊技状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、左打ち遊技状態を「通常遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。また、左打ち遊技状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態である右打ち遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。この場合、左打ち遊技状態(低ベース状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、右打ち遊技状態のことを「第2遊技状態」ともいう。
【0172】
また、高確低ベース状態は、低確低ベース状態と比較した場合、ともに低ベース状態である点では一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態である高確低ベース状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。この場合、低確低ベース状態のことを「第1遊技状態」ともいい、高確低ベース状態のことを「第2遊技状態」ともいう。
【0173】
以上の各種遊技状態の設定、移行等に係る制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。そして、確率変動機能の作動・非作動に係る制御を行う主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能する。また、変動時間短縮機能の作動・非作動に係る制御を行う主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態(時短状態)を設定可能な短縮変動状態設定手段(時短状態設定手段)として機能する。
【0174】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図36に基づいて遊技制御用マイコン81(遊技制御手段)の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。また、本明細書においてS101等の「S」(フローチャート中の「S」)はステップを意味する。
【0175】
遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源が投入(オン)されて本パチンコ遊技機1への電力供給が開始されると、
図10に示す主制御メイン処理のプログラムを主制御基板80のROMから読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0176】
また、パチンコ遊技機1の電源投入に際してRAMクリアスイッチ(図示せず)が押下された場合、すなわち、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入がなされた場合、主制御基板80のRAM(「所定記憶領域」ともいう。)の初期化を行い、副制御基板90に向けてRAMクリアコマンドを送信する。RAMの初期化のことを「RAMクリア」ともいう。電源投入用のスイッチ(電源スイッチ)は電源基板109(
図2を参照)に設けられ、RAMクリアスイッチは電源スイッチの近傍に設けられる。このような主制御基板80のRAMの初期化(RAMクリア)は「所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理」の一態様に相当し、主制御基板80のRAMの初期化(初期化処理)を実行する遊技制御用マイコン81は「初期化処理実行手段」の一態様に相当する。
【0177】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタの値(乱数値)は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0178】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がなされてから開始される。
【0179】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。コマンドは、例えば2バイトの情報からなり、この場合、上位1バイトはコマンドの種類に関する情報とされ、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報とされる。主制御基板80から出力可能なコマンドに含まれる情報としては、例えば、遊技状態に関する情報(「遊技状態情報」ともいう。)、特別図柄当否判定の結果に関する情報(「当否判定結果情報」ともいう。)、大当り種別(大当り図柄の種類)に関する情報(「大当り種別情報」又は「大当り図柄情報」ともいう。)、特図保留の記憶数(保留数)に関する情報(「記憶情報」又は「保留数情報」ともいう。)、特別図柄の変動パターンに関する情報(「変動パターン情報」ともいう。)、後述の事前判定の結果に関する情報(「事前判定結果情報」ともいう。)等がある。
【0180】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
【0181】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われる。
【0182】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行される割り込み処理(S105)の出力処理(S201)では、前回の割り込み処理(S105)でRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0183】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否かを判定する(S302)。
【0184】
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0185】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aにより遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特
図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特
図2保留球数に1を加算する(S307)。
【0186】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ(ラベル-TRND-A)の値(「特別図柄当否判定用乱数値」ともいう。)、大当り種別決定用乱数カウンタ(ラベル-TRND-AS)の値(「大当り種別決定用乱数値」ともいう。)及び変動パターン決定用乱数カウンタ(ラベル-TRND-T1)の値(「変動パターン決定用乱数値」ともいう。)を取得し(つまり、
図7(A)に示す各乱数の値を取得し)、それらの取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。つまり、特
図2保留球数が4未満のときに遊技球が第2始動口21に入球すると、特
図2関係乱数を取得する条件(取得条件)が成立し、これを契機に特
図2関係乱数の値(特別図柄当否判定用乱数値、大当り種別決定用乱数値、変動パターン決定用乱数値)が取得されて第2特図保留(保留情報)として記憶されるのである。
【0187】
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aにより遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終え、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0188】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタ(ラベル-TRND-A)の値(特別図柄当否判定用乱数値)、大当り種別決定用乱数カウンタ(ラベル-TRND-AS)の値(大当り種別決定用乱数値)及び変動パターン決定用乱数カウンタ(ラベル-TRND-T1)の値(変動パターン決定用乱数値)を取得し(つまり、
図7(A)に示す各乱数の値を取得し)、それらの取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。つまり、特
図1保留球数が4未満のときに遊技球が第1始動口20に入球すると、特
図1関係乱数を取得する条件(取得条件)が成立し、これを契機に特
図1関係乱数の値(特別図柄当否判定用乱数値、大当り種別決定用乱数値、変動パターン決定用乱数値)が取得されて第1特図保留(保留情報)として記憶されるのである。
【0189】
以上の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)及び特
図1関係乱数取得処理(S312)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、「取得手段」として機能するものである。
【0190】
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。
図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特
図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)のS307で特
図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特
図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
【0191】
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)の特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値(第2特図保留の乱数値)を判定する(S317)。
【0192】
S317では、S316で読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数値をもとに当否(大当り又は外れ)を判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、大当り種別決定用乱数値をもとに大当り種別を判定する。
【0193】
S317による当否の判定は、当該判定の対象とされる第2特図保留についての当否判定を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。すなわち、第2特図保留が消化されるときに行われる当否判定の結果(大当り又は外れ)を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)に先立って判定(先読み)するものである。
【0194】
S317による大当り種別の判定は、当該判定の対象とされる第2特図保留が大当りとなる保留(「大当り保留」ともいう。)である場合の当該保留についての大当り種別の判定を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)に先立って行う事前判定(保留先読み)に相当するものである。すなわち、第2特図保留が消化されるときに行われる当否判定の結果が大当りである場合の当該大当りの種別を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)に先立って判定(先読み)するものである。なお、S317による大当り種別の判定は、大当り図柄の判定でもある。すなわち、大当りとなる第2特図保留(大当り保留)が消化されるときに決定される大当り図柄を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)に先立って判定(先読み)するものでもある。
【0195】
またS317では、S316で読み出した取得乱数値のうち、変動パターン決定用乱数値をもとに変動パターンを判定する。S317による変動パターンの判定は、当該判定の対象とされる第2特図保留についての変動パターンの選択を、後述の特
図2変動パターン選択処理(S1203)に先立って行う事前判定(保留先読み)に相当するものである。すなわち、第2特図保留が消化されるときに選択(決定)される変動パターンを、後述の特
図2変動パターン選択処理(S1203)に先立って判定(先読み)するものである。
【0196】
当否の事前判定(S317)は、例えば、
図8(A)に示す大当り判定テーブル、すなわち、保留消化時の遊技状態が高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、S316で読み出した特別図柄当否判定用乱数値と、大当り判定テーブル内の特別図柄当否判定用乱数値(当否判定値)とを比較することにより行うことができる。この場合、S316で読み出した特別図柄当否判定用乱数値が、大当り判定テーブル内の当否判定値のうち大当りの判定値(大当り判定値)と一致すれば、当否の事前判定結果は大当りとなり、一致しなければ、当否の事前判定結果は外れとなる。
【0197】
大当り種別の事前判定(S317)は、例えば、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブル、すなわち、判定対象の特図保留が第1特図保留であれば第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル、第2特図保留であれば第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルに基づいて、S316で読み出した大当り種別決定用乱数値と、大当り種別判定テーブル内の大当り種別決定用乱数値(大当り種別判定値)とを比較することにより行うことができる。この場合、S316で読み出した大当り種別決定用乱数値は、大当り種別判定テーブル内の大当り種別判定値の何れかと一致し、当該一致した大当り種別判定値に対応する大当り種別が、大当り種別の事前判定結果となる。
【0198】
変動パターンの事前判定(S317)は、例えば、
図9A及び
図9Bに示す変動パターンテーブル、すなわち、保留消化時の遊技状態が非時短状態であれば非時短状態用の変動パターンテーブル(
図9Aを参照)、時短状態であれば時短状態用の変動パターンテーブル(
図9Bを参照)に基づいて、当否の事前判定結果(大当り又は外れ)に応じて、S316で読み出した変動パターン決定用乱数値と、変動パターンテーブル内の変動パターン決定用乱数値(変動パターン判定値)とを比較することにより行うことができる。この場合、S316で読み出した変動パターン決定用乱数値は、当否の事前判定結果(大当り又は外れ)に応じて、変動パターンテーブル内の変動パターン判定値の何れかと一致する。当該一致した変動パターン判定値に対応する変動パターンが、変動パターンの事前判定結果となる。
【0199】
次いでS318では、S317による事前判定(第2特図保留の事前判定)の結果に関する情報(事前判定結果情報)、具体的には、当否の事前判定結果を特定可能な情報(「当否事前判定結果情報」ともいう。)や、大当り種別の事前判定結果を特定可能な情報(「大当り種別事前判定結果情報」ともいう。)、変動パターンの事前判定結果を特定可能な情報(「変動パターン事前判定結果情報」ともいう。)を含むコマンドデータを、特
図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。なお、特
図2始動入球コマンドには、S316で読み出した特
図2取得乱数値の一部又は全部を示す情報を事前判定結果情報として含めてもよい。
【0200】
主制御部80から送信(出力処理(S201)により出力)された特
図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等をサブ制御部90側で特定することが可能となる。つまり、サブ制御部90は、受信した特
図2始動入球コマンドにより特定される事前判定結果情報に基づいて演出を実行することが可能となる。このことは、後述の特
図1始動入球コマンドをサブ制御部90が受信した場合についても同様である。特
図1始動入球コマンド及び特
図2始動入球コマンドの何れか一方又は両方を指して「始動入球コマンド」ともいう。始動入球コマンドにより特定される事前判定結果情報に基づく演出(「事前演出」又は「先読み演出」ともいう。)としては、例えば、大当りの可能性(特別遊技状態に制御される期待度。以下、単に「期待度」ともいう。)や変動パターン等を示唆する演出が実行可能である。
【0201】
次いでS319では、前述の特
図2に係る処理と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特
図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特
図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
【0202】
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、S321以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
【0203】
ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(第2特別図柄当否判定)が行われやすい状態となっている。また本実施例では、後述するように第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特
図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特
図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、第2特図保留の優先消化(第2特別図柄の優先変動)を利用して、任意のタイミングで第2特図保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特
図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特
図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
【0204】
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した第1特別図柄に係る取得乱数値(第1特図保留の乱数値)について事前判定を行う(S322)。
【0205】
S322による事前判定(第1特図保留の事前判定)では、S317による事前判定(第2特図保留の事前判定)と同様に、当否の事前判定、大当り種別の事前判定、変動パターンの事前判定を行う。S322による事前判定のうち、当否の事前判定及び大当り種別の事前判定は、後述の特
図1当否判定処理(S1207)に先立って行うものであり、変動パターンの事前判定は、後述の特
図1変動パターン選択処理(S1208)に先立って行うものである。
【0206】
S322による当否の事前判定、大当り種別の事前判定及び変動パターンの事前判定は、それぞれ大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)、大当り種別判定テーブル(
図8(B)を参照)及び変動パターンテーブル(
図9A、
図9Bを参照)に基づいて、前述したS317による当否の事前判定、大当り種別の事前判定及び変動パターンの事前判定と同じ要領で行うことができる。従って、S322による当否の事前判定、大当り種別の事前判定及び変動パターンの事前判定についての詳細な説明は省略する。
【0207】
そして、S322による事前判定(第1特図保留の事前判定)の結果に関する情報(事前判定結果情報)を含むコマンドデータを特
図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。特
図1始動入球コマンドについては、前述の特
図2始動入球コマンドと同様である。従って、特
図1始動入球コマンドについての詳細な説明は省略する。
【0208】
以上の始動入球時処理(S205)におけるS317及びS322の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「判定手段」として機能するものである。また、第1始動口20への入球に基づいて取得された特
図1取得乱数値(取得情報)の事前判定(S322)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第1判定手段」として機能するものであり、第2始動口21への入球に基づいて取得された特
図2取得乱数値(取得情報)の事前判定(S317)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2判定手段」として機能するものである。
【0209】
ここで、変動パターンの事前判定(S317、S322)及び後述の変動パターン選択処理(S1203、S1208)で用いる変動パターンテーブルについて、
図9A、
図9Bを参照しながら説明する。本実施例では、変動パターンテーブルとして、変動遊技(特別図柄の変動表示)が実行されるときの遊技状態が非時短状態である場合に用いる非時短状態用の変動パターンテーブル(「第1変動パターンテーブル」ともいう。)と、変動遊技が実行されるときの遊技状態が時短状態である場合に用いる時短状態用の変動パターンテーブル(「第2変動パターンテーブル」ともいう。)とを備えている。
図9Aは非時短状態用の変動パターンテーブル(第1変動パターンテーブル)の一例を示し、
図9Bは時短状態用の変動パターンテーブル(第2変動パターンテーブル)の一例を示す。なお、変動パターンテーブルのデータ構造や変動パターンテーブルで規定される変動パターンの種類(内容)、変動パターンの数等は本実施例で示すものに限定されるものではなく、パチンコ遊技機の遊技性やスペック等に応じて適宜変更可能である。
【0210】
前述したように本実施例のパチンコ遊技機1は、変動遊技(識別情報の変動表示)が実行可能とされる遊技状態として、低確低ベース状態、低確高ベース状態及び高確高ベース状態の3つの遊技状態を備えており、何れかの遊技状態に制御可能となっている。低ベース状態(低確低ベース状態)は、第1始動口20への入球を狙って左打ちにより遊技を進める状態(左打ち状態)であって、第1特別図柄を変動表示させる遊技(「第1変動遊技」ともいう。)が主となる遊技状態であり、変動時間短縮機能が作動しない非時短状態でもある。このため、
図9Aに示す非時短状態用の変動パターンテーブル(第1変動パターンテーブル)は、低ベース状態において、主に第1特別図柄の変動表示の変動パターンを決定(判定)する際に用いられる。但し、可能性は低いものの、低ベース状態において第2始動口21への遊技球の入球に起因する第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、当該第2特別図柄の変動表示に対して第1変動パターンテーブルが用いられる。
【0211】
一方、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)は、第2始動口21への入球を狙って右打ちにより遊技を進める状態(右打ち状態)であり、第2特別図柄を変動表示させる遊技(「第2変動遊技」ともいう。)が主となる。高ベース状態は、変動時間短縮機能が作動する時短状態でもあるため、
図9Bに示す時短状態用の変動パターンテーブル(第2変動パターンテーブル)は、高ベース状態において、主に第2特別図柄の変動表示の変動パターンを決定(判定)する際に用いられる。但し、可能性は低いものの、高ベース状態において第1始動口20への遊技球の入球に起因する第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、当該第1特別図柄の変動表示に対して第2変動パターンテーブルが用いられる。
【0212】
図9Aに示すように、第1変動パターンテーブルは、変動パターンP1~P10を対象とするものである。第1変動パターンテーブルでは、特別図柄の変動表示の変動パターンを決定するための判定値(「変動パターン判定値」ともいう。)として、変動パターン決定用乱数値(乱数範囲)が、変動パターンP1~P10の各々に対して設定されている。変動パターンP1~P10のうち、変動パターンP1~P3は、当否判定の結果が大当りの場合に選択可能とされる大当り変動パターンであり、変動パターンP4~P10は、当否判定の結果が外れの場合に選択可能とされる外れ変動パターンである。変動パターン判定値のことを「判定情報」ともいう。
【0213】
変動パターンP1,P2,P4,P5は変動時間が75000msの変動パターンであり、変動パターンP3,P6は変動時間が45000msの変動パターンであり、変動パターンP7は変動時間が30000msの変動パターンであり、変動パターンP8は変動時間が12000msの変動パターンであり、変動パターンP9は変動時間が4000msの変動パターンであり、変動パターンP10は変動時間が2000msの変動パターンである。これら各変動パターンの内容(各変動パターンに基づき実行される変動演出の内容)は
図9Aに示すとおりであるが、その詳細については後述する。
【0214】
変動パターンP1~P3(大当り変動パターン)の各々に対応する変動パターン判定値は、何れも、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)にかかわらず同一とされる。具体的には、変動パターンP1に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「0~74」とされ、変動パターンP2に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「75~149」とされ、変動パターンP3に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「150~198」とされる。
【0215】
変動パターンP4~P7(外れ変動パターン)の各々に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)にかかわらず同一とされる場合と、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)に応じて異なる場合とがある。
【0216】
具体的には、変動パターンP4に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「0~3」とされ、変動パターンP5に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「4~7」とされる。つまり、変動パターンP4に対応する変動パターン判定値及び変動パターンP5に対応する変動パターン判定値は、何れも、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず同一(共通)とされる。
【0217】
変動パターンP6に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合に「8~20」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「3」の場合と「4」の場合に「8~17」とされる。つまり、変動パターンP6に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず変動パターンP6に対応する値(「8~17」)と、変動表示を開始するときの特図保留球数によって変動パターンP6に対応する場合としない場合がある値(「18~20」)と、を含んで構成される。したがって、変動パターンP6に対応する変動パターン判定値は、その範囲(乱数範囲)が、変動表示を開始するときの特図保留球数に応じて異なるものとされる。
【0218】
変動パターンP7に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合に「21~38」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「3」の場合に「18~38」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「4」の場合に「18~33」とされる。つまり、変動パターンP7に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず変動パターンP7に対応する値(「21~33」)と、変動表示を開始するときの特図保留球数によって変動パターンP7に対応する場合としない場合がある値(「18~20」及び「34~38」)と、を含んで構成される。したがって、変動パターンP7に対応する変動パターン判定値は、その範囲(乱数範囲)が、変動表示を開始するときの特図保留球数に応じて異なるものとされる。
【0219】
変動パターンP8~P10(外れ変動パターン)の各々に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)に応じて設定される場合と設定されない場合とがある。
【0220】
具体的には、変動パターンP8に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合に「39~198」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「3」の場合と「4」の場合については設定されない。つまり、変動パターンP8に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合について設定されており、変動表示を開始するときの特図保留球数が「3」の場合と「4」の場合については設定されない。このため例えば、非時短状態において、第1特別図柄当否判定の結果が外れであって第1特別図柄の変動表示を開始するときの特
図1保留球数が「3」又は「4」である場合、変動パターンP8は出現しない。
【0221】
変動パターンP9に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「3」の場合に「39~198」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合と「4」の場合については設定されない。つまり、変動パターンP9に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「3」の場合について設定されており、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合と「4」の場合については設定されない。このため例えば、非時短状態において、第1特別図柄当否判定の結果が外れであって第1特別図柄の変動表示を開始するときの特
図1保留球数が「1」、「2」又は「4」である場合、変動パターンP9は出現しない。
【0222】
変動パターンP10に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「4」の場合に「34~198」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合と「3」の場合については設定されない。つまり、変動パターンP10に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「4」の場合について設定されており、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1又は2」の場合と「3」の場合については設定されない。このため例えば、非時短状態において、第1特別図柄当否判定の結果が外れであって第1特別図柄の変動表示を開始するときの特
図1保留球数が「1」、「2」又は「3」である場合、変動パターンP9は出現しない。
【0223】
このような第1変動パターンテーブルよれば、例えば、非時短状態(低確低ベース状態)において第1始動口20への遊技球の入球(「第1始動入球」ともいう。)が発生し、当該第1始動入球に係る変動パターンの事前判定(S322)を行うときの特
図1保留球数と、当該第1始動入球に係る特
図1変動パターン選択処理(S1208)を行うとき(変動表示を開始するとき)の特
図1保留球数とが異なるとしても、変動パターンP1~P3(大当り変動パターン)や、変動パターンP4,P5(外れ変動パターン)については、当該第1始動入球に係る事前判定の結果(特
図1始動入球コマンド)に基づく演出と、変動開始時に決定される変動パターンとの間で不整合が生じないようになる。
【0224】
すなわち、例えば、非時短状態(低確低ベース状態)において、変動遊技の非実行時に第1始動入球が発生すると、当該第1始動入球の発生により特
図1保留球数が「0」から「1」になり、当該第1始動入球直後の特
図1保留球数は「1」である。始動入球直後の特図保留球数のことを「始動入球時の保留数」ともいう。その後、当該第1始動入球(変動遊技非実行時の始動入球)に基づく変動表示がすぐに開始されるため、当該変動表示の開始時の特
図1保留球数は「1」である。変動表示の開始時の特図保留球数のことを「変動開始時の保留数」ともいう。この場合、始動入球時の保留数と変動開始時の保留数とは共に「1」であり、始動入球時とで変動開始時とで保留数は同じである。
【0225】
一方、例えば、非時短状態(低確低ベース状態)において第1始動入球が発生し、当該第1始動入球の発生により特
図1保留数が「1」から「2」になったとする。この場合、当該始動入球時の保留数は「2」である。当該第1始動入球に対応する第1特図保留を「対象保留」という。その後、対象保留の消化までに第1始動入球が発生することなく対象保留が消化される場合、特
図1保留球数は「2」、「1」、「0」の順で減っていく。この特
図1保留球数が「1」から「0」になるとき、すなわち、対象保留に基づく変動開始時の保留数は「1」である(当該変動表示が開始されると保留数は「0」になる)。また、対象保留の消化までに第1始動入球が発生することで、対象保留に基づく変動開始時の保留数は「1」~「4」の間で変動し得る。
【0226】
このように、始動入球時とで変動開始時とで、保留数が同じになる場合もあれば異なる場合もある。この点、第1変動パターンテーブルによれば、変動パターンP1~P3(大当り変動パターン)や、変動パターンP4,P5(外れ変動パターン)については、変動パターン判定値が、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず同一とされているので(
図9Aを参照)、第1始動入球に係る事前判定の結果(特
図1始動入球コマンド)に基づく演出と、変動開始時に決定される変動パターンとの間で、不整合が生じないようになるのである。
【0227】
以上が第1変動パターンテーブル(非時短状態用の変動パターンテーブル)についての説明であるが、第2変動パターンテーブル(時短状態用の変動パターンテーブル)についても、第1変動パターンテーブルと同様のことがいえる。すなわち、
図9Bに示すように、第2変動パターンテーブルは、変動パターンP11~P18を対象とするものである。第2変動パターンテーブルでは、変動パターン判定値として、変動パターン決定用乱数値(乱数範囲)が、変動パターンP11~P18の各々に対して設定されている。変動パターンP11~P18のうち、変動パターンP11~P13は、当否判定の結果が大当りの場合に選択可能とされる大当り変動パターンであり、変動パターンP14~P18は、当否判定の結果が外れの場合に選択可能とされる外れ変動パターンである。
【0228】
変動パターンP11,P14は変動時間が75000msの変動パターンであり、変動パターンP12,P15は変動時間が45000msの変動パターンであり、変動パターンP13,16は変動時間が30000msの変動パターンであり、変動パターンP17は変動時間が12000msの変動パターンであり、変動パターンP18は変動時間が1000msの変動パターンである。これら各変動パターンの内容(各変動パターンに基づき実行される変動演出の内容)は
図9Bに示すとおりであるが、その詳細については後述する。
【0229】
変動パターンP11~P13(大当り変動パターン)の各々に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)にかかわらず同一とされる。具体的には、変動パターンP11に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「0~69」とされ、変動パターンP12に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「70~139」とされ、変動パターンP13に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「140~198」とされる。
【0230】
変動パターンP14~P16(外れ変動パターン)の各々に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)にかかわらず同一とされる場合と、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)に応じて異なる場合とがある。
【0231】
具体的には、変動パターンP14に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず「0~1」とされる。つまり、変動パターンP14に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず同一とされる。
【0232】
変動パターンP15に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1」の場合に「2~5」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「2、3又は4」の場合に「2~3」とされる。つまり、変動パターンP15に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず変動パターンP15に対応する値(「2~3」)と、変動表示を開始するときの特図保留球数によって変動パターンP15に対応する場合としない場合がある値(「4~5」)と、を含んで構成される。したがって、変動パターンP15に対応する変動パターン判定値は、その範囲(乱数範囲)が、変動表示を開始するときの特図保留球数に応じて異なるものとされる。
【0233】
変動パターンP16に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1」の場合に「6~11」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「2、3又は4」の場合に「4~9」とされる。つまり、変動パターンP16に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず変動パターンP16に対応する値(「6~9」)と、変動表示を開始するときの特図保留球数によって変動パターンP16に対応する場合としない場合がある値(「4~5」及び「10~11」)と、を含んで構成される。したがって、変動パターンP16に対応する変動パターン判定値は、その範囲(乱数範囲)が、変動表示を開始するときの特図保留球数に応じて異なるものとされる。
【0234】
変動パターンP17,P18(外れ変動パターン)の各々に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数(1~4の何れか)に応じて設定される場合と設定されない場合とがある。
【0235】
具体的には、変動パターンP17に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1」の場合に「12~198」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「2~4」の場合については設定されない。つまり、変動パターンP17に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1」の場合について設定されており、変動表示を開始するときの特図保留球数が「2~4」の場合については設定されない。このため例えば、時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が外れであって第2特別図柄の変動表示を開始するときの特
図2保留球数が「2」、「3」又は「4」である場合、変動パターンP17は出現しない。
【0236】
変動パターンP18に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「2~4」の場合に「10~198」とされ、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1」の場合については設定されない。つまり、変動パターンP18に対応する変動パターン判定値は、変動表示を開始するときの特図保留球数が「2~4」の場合について設定されており、変動表示を開始するときの特図保留球数が「1」の場合については設定されない。このため例えば、時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が外れであって第2特別図柄の変動表示を開始するときの特
図2保留球数が「1」である場合、変動パターンP18は出現しない。
【0237】
このような第2変動パターンテーブルによれば、例えば、時短状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)において第2始動口21への遊技球の入球(「第2始動入球」ともいう。)が発生し、当該第2始動入球に係る変動パターンの事前判定(S317)を行うときの特
図2保留球数と、当該第2始動入球に係る特
図2変動パターン選択処理(S1203)を行うとき(変動表示を開始するとき)の特
図2保留球数とが異なるとしても、変動パターンP11~P13(大当り変動パターン)や、変動パターンP14(外れ変動パターン)については、当該第2始動入球に係る事前判定の結果(特
図2始動入球コマンド)に基づく演出と、変動開始時に決定される変動パターンとの間で不整合が生じないようになる。この理由については、前述の第1変動パターンテーブルの場合と同様であるため、説明を省略する。
【0238】
ここで、変動パターンテーブルにおいて、複数の変動パターンの各々に対して設定される変動パターン判定値(判定情報)のうち、変動パターンP1~P3(大当り変動パターン)、変動パターンP4,P5(外れ変動パターン)、変動パターンP11~P13(大当り変動パターン)及び変動パターンP14の各々に対して設定される判定値(変動表示を開始するときの特図保留球数にかかわらず同一とされる判定値)のことを「特定判定情報」ともいい、特定判定情報と対応付けられる変動パターンP1~P3(大当り変動パターン)や変動パターンP4,P5(外れ変動パターン)のうちの何れか又は全部のことを「特定変動パターン」ともいい、それ以外の変動パターンP6~P10及びP15~P18(特定変動パターンと異なる変動パターン)のうちの何れか又は全部のことを「非特定変動パターン」ともいう。
【0239】
第1変動パターンテーブルに基づいて変動パターンの事前判定を行う場合、判定対象の特図保留に基づく変動表示の変動パターンが、変動パターンP1~P10(複数の変動パターン)のうちの何れとなるのかを判定したり、変動パターンP1~P10(複数の変動パターン)のうち変動パターンP1,P2,P3,P4又はP5(特定変動パターン)となるか否かを判定したりすることが可能であり、それらの判定の結果に基づいて演出(事前演出)を実行することが可能となる。
【0240】
第1変動パターンテーブルに基づく変動パターンの事前判定で、判定対象の特図保留に基づく変動表示の変動パターンが特定変動パターンとなるか否かの判定は、始動入球に基づいて取得された変動パターン決定用乱数値(変動パターン決定情報)が、第1変動パターンテーブル内の変動パターン判定値(判定情報)のうち、特図保留球数にかかわらず同一とされる判定値(当否の事前判定の結果が大当りであれば「0~74」、「75~149」又は「150~198」、外れであれば「0~3」又は「4~7」)と一致するか否かを判定することにより行うことができる。
【0241】
第2変動パターンテーブルに基づいて変動パターンの事前判定を行う場合、判定対象の特図保留に基づく変動表示の変動パターンが、変動パターンP11~P18(複数の変動パターン)のうちの何れとなるのかを判定したり、変動パターンP11~P18(複数の変動パターン)のうち変動パターンP11,P12,P13又はP14(特定変動パターン)となるか否かを判定したりすることが可能であり、それらの判定の結果に基づいて演出(事前演出)を実行することが可能となる。
【0242】
第2変動パターンテーブルに基づく変動パターンの事前判定で、判定対象の特図保留に基づく変動表示の変動パターンが特定変動パターンとなるか否かの判定は、始動入球に基づいて取得された変動パターン決定用乱数値(変動パターン決定情報)が、第2変動パターンテーブル内の変動パターン判定値(判定情報)のうち、特図保留球数にかかわらず同一とされる判定値(当否の事前判定の結果が大当りであれば「0~69」、「70~139」又は「140~198」、外れであれば「0~1」)と一致するか否かを判定することにより行うことができる。
【0243】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に普図動作ステータス「1」~「4」を割り当てている。そして、普図動作ステータスが「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0244】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0245】
次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行った後、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、本処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0246】
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部の最下位の領域(即ち普図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づいて高確率普図当否判定を行い(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。
【0247】
これに対し、S602で時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づいて低確率普図当否判定を行い(S603)、S605の処理に移行する。
【0248】
S605では、普図当否判定(S603、S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、当りでない(外れである)と判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、当り(普図当り)であると判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0249】
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1減算する(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0250】
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、S802以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、普通図柄の変動時間が経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で普通図柄を停止表示させる(普通図柄の変動表示を終了する)等のその他の処理を行い(S804)、本処理を終える。
【0251】
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、本処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中であるか否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。このことに対応して、S903では、第2始動口21の時短状態中の開放パターンをセットするとともに、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0252】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。このことに対応して、S906では、第2始動口21の非時短状態中の開放パターンをセットするとともに、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、本処理を終える。
【0253】
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0254】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、本処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、本処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)、本処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0255】
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1減算し(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま本処理を終える。一方、第2始動口開放カウンタの値が「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回行われると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回行われると「0」になる。
【0256】
これに対して、S1001にて普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906でセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0257】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。
図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に特図動作ステータス「1」~「4」の何れかを割り当てている。
【0258】
特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「4」である場合には(S1101、S1103、S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0259】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値(取得乱数値、取得情報)の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)、S1212の処理を行うことなく本処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。待機画面には、前述の演出設定画面(図示せず)が含まれる。
【0260】
待機画面設定処理(S1212)では、特図保留球数(特
図1保留球数及び特
図2保留球数)が「0」であり且つ変動遊技が実行されない状態で所定時間(例えば60秒)が経過すると、表示画面7aに待機画面を表示するようになっている。待機画面が表示された状態、すなわち、特図保留球数が「0」であり且つ変動遊技が実行されない状態が所定時間(例えば60秒)継続した場合に発生(移行)するパチンコ遊技機1の状態のことを「待機状態」又は「客待ち状態」ともいう。
【0261】
S1201で特
図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値(取得乱数値、取得情報)の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値(取得乱数値、取得情報)の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0262】
このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになり易いものとなっている(
図8(B)を参照)。
【0263】
[特
図2当否判定処理]
図23に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)では、まず、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0264】
当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」である場合(S1305でYES)、S1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された大当り種別決定用乱数値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、本処理を終える。一方、当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でない(「外れ」である)場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定して(S1306)、本処理を終える。
【0265】
ここで、大当り種別を判定するにあたり、第1特別図柄に係る当否判定(「特
図1当否判定」ともいう。)の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定(「特
図2当否判定」ともいう。)の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。なお、特別図柄当否判定や大当り種別判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
【0266】
第2特別図柄に係る当否判定(S1303、S1304)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特
図2当否判定実行手段」として機能するものである。また、第2特別図柄に係る当否判定(S1303、S1304)は、パチンコ遊技機1の遊技状態を大当り遊技状態(特別遊技状態)に制御するか否かを決定する処理に相当する。したがって、第2特別図柄に係る当否判定(S1303、S1304)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特別遊技決定手段」として機能するものでもある。
【0267】
[特
図2変動パターン選択処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図24及び
図25に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。その結果、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。
【0268】
なお、非時短状態(低ベース状態)では、第1始動口20への入球を契機とする第1特別図柄の変動表示が主として行われるため、第2特別図柄の変動表示が行われることは稀である。したがって、非時短状態で第2特別図柄の変動パターンの選択(設定)に係る処理が実行されるのは稀である。例えば、遊技状態が時短状態(高ベース状態)から非時短状態(低ベース状態)に移行するときに第2特図保留が記憶されている場合、当該第2特図保留を非時短状態で消化することとなるので、この場合には、非時短状態で第2特別図柄の変動パターンの選択(設定)に係る処理が実行される。
【0269】
S1402で大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともにS308で取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、非時短状態大当り用テーブル(
図9Aに示す非時短状態用の変動パターンテーブルのうち大当りに該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。S1403では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。つまり、非時短状態で大当り変動が実行される場合、当該大当り変動の変動パターンはP1~P3の何れかに決定される。変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0270】
一方、S1402で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。本処理でいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。
【0271】
S1405で保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、第1保留数外れ用テーブル(
図9Aに示す非時短状態用の変動パターンテーブルのうち外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。S1406では、変動パターンP4~P8の何れかが選択される。つまり、非時短状態で外れ変動が実行される場合であって当該変動開始時の保留数が「1」又は「2」である場合、当該外れ変動の変動パターンはP4~P8の何れかに決定される。
【0272】
S1405で保留数が「1」又は「2」でないと判定した場合(S1405でNO)、第2特別図柄の保留数が「3」であるか否かを判定する(S1407)。そして、保留数が「3」であると判定した場合(S1407でYES)、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、第2保留数外れ用テーブル(
図9Aに示す非時短状態用の変動パターンテーブルのうち外れかつ保留球数「3」に該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。S1408では、変動パターンP4~P7,P9の何れかが選択される。つまり、非時短状態で外れ変動が実行される場合であって当該変動開始時の保留数が「3」である場合、当該外れ変動の変動パターンはP4~P7,P9の何れかに決定される。
【0273】
S1407で保留数が「3」でないと判定した場合(S1407でNO)、すなわち、保留数が「4」である場合、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、第3保留数外れ用テーブル(
図9Aに示す非時短状態用の変動パターンテーブルのうち外れかつ保留球数「4」に該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。S1409では、変動パターンP4~P7,P10の何れかが選択される。つまり、非時短状態で外れ変動が実行される場合であって当該変動開始時の保留数が「4」である場合、当該外れ変動の変動パターンはP4~P7,P10の何れかに決定される。
【0274】
ここで、第1保留数外れ用テーブルで選択可能な変動時間が最も短い変動パターン(12000ms)は、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)や第3保留数外れ用テーブルのもの(2000ms)に比して変動時間が長時間とされている。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブル及び第3保留数外れ用テーブルに比して、変動時間が相対的に長くなるように変動パターンの選択可能性(出現率)が設定されている。このため、非時短状態において外れ変動が実行される場合、変動開始時の保留数が「3」未満のときは変動時間が相対的に長くなる一方、保留数が「3」以上のときは変動時間が相対的に短くなり、保留数が「4」のときはより短くなる。これにより、変動表示(変動遊技)が途切れ難くなるようにしつつ外れ変動を効率よく消化できるようにすることが可能となる。
【0275】
次に、時短状態での特
図2変動パターンの選択(決定)に係る処理について説明する。すなわち、S1401で時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1410)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1410でYES)、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、時短状態大当り用テーブル(
図9Bに示す時短状態用の変動パターンテーブルのうち大当りに該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。S1411では、変動パターンP11~P13の何れかが選択される。つまり、時短状態で大当り変動が実行される場合、当該大当り変動の変動パターンはP11~P13の何れかに決定される。
【0276】
一方、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、保留数が「1」であるか否かを判定する(S1412)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1412で保留数が「1」であると判定した場合(S1412でYES)、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、第3保留数外れ用テーブル(
図9Bに示す時短状態用の変動パターンテーブルのうち外れかつ保留球数「1」に該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1413)。S1413では、変動パターンP14~P17の何れかが選択される。つまり、時短状態で外れ変動が実行される場合であって当該変動開始時の保留数が「1」である場合、当該外れ変動の変動パターンはP14~P17の何れかに決定される。
【0277】
S1412で保留数が「1」でないと判定した場合(S1412でNO)、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかである場合、前述のS1301で読み出した特別図柄当否判定用乱数値とともに取得(記憶)された変動パターン決定用乱数値(ラベル-TRND-T1)を読み出して、第4保留数外れ用テーブル(
図9Bに示す時短状態用の変動パターンテーブルのうち外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。S1414では、変動パターンP14~P16,P18の何れかが選択される。つまり、時短状態で外れ変動が実行される場合であって当該変動開始時の保留数が「2」~「4」の何れかである場合、当該外れ変動の変動パターンはP14~P16,P18の何れかに決定される。
【0278】
ここで、時短状態で外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態で外れの場合に選択される変動パターンと比較して、より変動時間の短い変動パターン(1000ms)が選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において、特図保留(外れ変動)の消化スピードを早めるためである。これにより、時短中の変動遊技を迅速に進行させて、効率よく大当りを狙うことが可能となる。
【0279】
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図24に示すその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
【0280】
なお、特別図柄の変動パターン(「特図変動パターン」ともいう。)の種類や数は本実施例に示すもの(
図9A、
図9Bを参照)に限定されるものではなく、本実施例に比して変動パターンを増やしたり減らしたりする等、その種類や数は任意である。
【0281】
[特
図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特
図2保留球数を1減算する(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして(S1503)、本処理を終える。
【0282】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図22に示すように特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0283】
[特
図1当否判定処理]
図27に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、
図23に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数値を読み出して処理を行う。第1特別図柄に係る当否判定(S1603、S1604)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特
図1当否判定実行手段」として機能するものである。また、第1特別図柄に係る当否判定(S1603、S1604)は、パチンコ遊技機1の遊技状態を大当り遊技状態(特別遊技状態)に制御するか否かを決定する処理に相当する。したがって、第1特別図柄に係る当否判定(S1603、S1604)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特別遊技決定手段」として機能するものでもある。
【0284】
[特
図1変動パターン選択処理]
図28及び
図29に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)では、
図24及び
図25に示した特
図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701~S1714)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
【0285】
なお、時短状態(高ベース状態)では、第2始動口21への入球を契機とする第2特別図柄の変動表示が主として行われるため、第1特別図柄の変動表示が行われることは稀である。したがって、時短状態で第1特別図柄の変動パターンの選択(設定)に係る処理が実行されるのは稀である。例えば、時短状態(高ベース状態)において第2特図保留がすべて消化された状態(特
図2保留球数=「0」)で第1特図保留が記憶されている場合、当該第1特図保留を時短状態で消化することとなるので、この場合には、時短状態で第1特別図柄の変動パターンの選択(設定)に係る処理が実行される。
【0286】
ここで、変動パターン選択処理(S1203、S1208)では、当否判定の結果(特別遊技決定手段による決定の結果)と、変動開始時の保留数(変動表示を開始するときの保留情報の記憶数)と、始動入球に基づいて取得された変動パターン決定用乱数値(取得手段により取得された変動パターン決定情報)と、変動パターンテーブルの変動パターン判定値(所定の判定情報)とに基づいて、特別図柄の変動表示の変動パターンが決定される。変動パターン選択処理(S1203、S1208)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「変動パターン決定手段」として機能するものである。
【0287】
そして、非時短状態用の変動パターンテーブルに基づく大当り変動パターンの決定に際し、始動入球に基づき取得された変動パターン決定用乱数値が「0~74」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP1に決定され、変動パターン決定用乱数値が「75~149」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP2に決定され、変動パターン決定用乱数値が「150~198」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP3に決定される(
図9Aを参照)。このため、非時短状態では、変動パターンP1~P3の何れかによる大当り変動を、変動開始時の保留数に左右されることなく出現させることが可能となる。つまり、変動パターンP1~P3については出現態様を固定化(安定化)することが可能となる。
【0288】
また、非時短状態用の変動パターンテーブルに基づく外れ変動パターンの選択(決定)に際し、始動入球に基づき取得された変動パターン決定用乱数値が「0~3」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP4に決定され、変動パターン決定用乱数値が「4~7」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP5に決定され、変動パターン決定用乱数値が「0~7」以外の値(「8~198」)である場合、特図保留球数に応じて変動パターンはP6~P10の何れかに決定される(
図9Aを参照)。このため、非時短状態では、変動パターンP4又はP5による外れ変動を、変動開始時の保留数に左右されることなく出現させることが可能となる一方、変動パターンP6~P10の何れかによる外れ変動を、変動開始時の保留数に応じて出現させることが可能となる。つまり、変動パターンP4,P5については出現態様を固定化(安定化)することが可能となり、変動パターンP6~P10については変動開始時の保留数に応じて出現態様を調整することが可能となる。
【0289】
また、時短状態用の変動パターンテーブルに基づく大当り変動パターンの決定に際し、始動入球に基づき取得された変動パターン決定用乱数値が「0~69」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP11に決定され、変動パターン決定用乱数値が「70~139」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP12に決定され、変動パターン決定用乱数値が「140~198」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP13に決定される(
図9Bを参照)。このため、時短状態では、変動パターンP11~P13の何れかによる大当り変動を、変動開始時の保留数に左右されることなく出現させることが可能となる。つまり、変動パターンP11~P13については出現態様を固定化(安定化)することが可能となる。
【0290】
また、時短状態用の変動パターンテーブルに基づく外れ変動パターンの選択(決定)に際し、始動入球に基づき取得された変動パターン決定用乱数値が「0~1」である場合、特図保留球数にかかわらず変動パターンはP14に決定され、変動パターン決定用乱数値が「0~1」以外の値(「2~198」)である場合、特図保留球数に応じて変動パターンはP15~P18の何れかに決定される(
図9Bを参照)。このため、時短状態では、変動パターンP14による外れ変動を、変動開始時の保留数に左右されることなく出現させることが可能となる一方、変動パターンP15~P18の何れかによる外れ変動を、変動開始時の保留数に応じて出現させることが可能となる。つまり、変動パターンP14については出現態様を固定化(安定化)することが可能となり、変動パターンP15~P18については変動開始時の保留数に応じて出現態様を調整することが可能となる。
【0291】
[特
図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特
図1保留球数を1減算する(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして(S1803)、本処理を終える。
【0292】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図22に示すように特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0293】
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(
図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、S1902以降の処理を行うことなく本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0294】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。S1906の処理により高確率状態(確変状態)が終了する。一方、S1903で確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、又は、S1905で確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0295】
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1909)。時短カウンタの値が「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。S1910の処理により時短状態(及び高ベース状態)が終了する。一方、S1907で時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、又は、S1909で時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
【0296】
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた表示結果で特別図柄を停止表示させる(特別図柄の変動表示を終了する)等のその他の処理を行い(S1912)、本処理を終える。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の変動表示を停止(終了)する際、特別図柄(停止図柄)の停止表示時間(停止表示期間)を設定する。そして、その設定した停止表示時間(停止表示期間)が経過すると、特別図柄確定処理(S1106)を行う。
【0297】
なお、確変カウンタの値が「0」になることに基づいて確変フラグをOFFにしたり、時短カウンタの値が「0」になることに基づいて時短フラグをOFFにしたりする処理(S1906、S1910)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
【0298】
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当り(今回の大当り)が10R大当りであるか否かを判定する(S2002)。その結果、10R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「10」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で大当りが10R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当り(今回の大当り)は5R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「5」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
【0299】
S2009では、確定した大当りの種類(大当り種別)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは大当り種別に応じて定められているので(
図6を参照)、S2009では、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターン(ロング開放、ショート開放、開放回数等)をセットする。そして、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が大当り遊技(特別遊技)で実行される。
【0300】
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、10R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、10R第2大当り~第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、5R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、5R第7大当りに対応する第4オープニングコマンド、10R第8大当りに対応する第5オープニングコマンドおよび10R第9大当りに対応する第6オープニングコマンドの計6種類が設けられている。
【0301】
S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドをセットする。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定のオープニング演出の実行処理を行う。本実施例では、10R第2大当り~第5大当りに対応するオープニングコマンドを共通のコマンド(第2オープニングコマンド)としており、10R第2大当り~第5大当りでオープニング演出を共通(同様の演出態様)としている。これは、RUBの遊技性、すなわち、ロング開放のラウンドがいつまで継続するかに遊技者を注目させる遊技性に鑑み、オープニング演出等の大当り(特殊大当り)に係る演出を通じて遊技者が大当りの種類を判別することを困難にするためである。
【0302】
次いで、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
【0303】
オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、大当り図柄で停止表示した特別図柄(演出図柄)の停止表示時間(「停止表示期間」又は「確定停止期間」ともいう。)の経過後に設定される期間であり、特別図柄(演出図柄)の変動表示が実行不能とされる期間である。オープニング期間のことを「開始期間」ともいい、オープニング期間(開始期間)において実行する演出(オープニング演出)のことを「開始演出」ともいう。本実施例では、オープニング期間は特別遊技状態に含まれるものとしている。なお、オープニング期間は、特別遊技状態に含まれないものとしてもよい。
【0304】
本実施例では、確定した大当りの種類と、その大当りが確定したとき(大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。オープニング期間の長さ(オープニング時間)は、大当り遊技が開始されることを遊技者に認識させることができる程度の長さとされるのが一般的であり、例えば、大当り停止表示時間よりも長い時間とすることができる。また、大当りが発生したときの遊技状態や大当りの種類に応じてオープニング期間の長さ(オープニング時間)を異ならせてもよい。
【0305】
以上の特別図柄待機処理(S1102)、特別図柄変動中処理(S1104)及び特別図柄確定処理(S1106)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「変動遊技実行手段」として機能するものである。
【0306】
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。なお、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、確変フラグはOFFであるため、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行する。また、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、時短フラグはOFFであるため、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0307】
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル時間が経過(インターバル期間が終了)している否かによって判定する。
【0308】
S2106でラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。S2107では、例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理によりサブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種類に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を動作(開動作)させる。
【0309】
S2106でラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
【0310】
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
【0311】
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば25秒)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
【0312】
S2113でラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理によりサブ制御部90に送信される。
【0313】
S2115では大入賞口閉鎖処理を行い、大入賞口30の開閉部材32を動作(閉動作)させて、大入賞口30を閉鎖状態とする(S2115)。また、大入賞口閉鎖処理(S2115)では、大入賞口30を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。前述のように、本実施例ではインターバル時間として第1インターバル時間(例えば、約3秒~5秒)と第2インターバル時間(例えば、約0.5秒~1秒)とが設けられているので、実行中の大当り遊技の種類及び終了したラウンド遊技のラウンド数に応じて、第1インターバル時間又は第2インターバル時間がセットされる(S2115)。
【0314】
次いでS2116では、インターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、そのまま本処理を終える。一方、インターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1減算し(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。そして、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、そのまま本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、本処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技が終了すると「0」になる。
【0315】
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当り種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間である。エンディング期間のことを「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。エンディング期間(終了期間)において実行する演出のことを「エンディング演出」又は「終了演出」ともいう。本実施例では、エンディング期間は特別遊技状態に含まれるものとしている。なお、エンディング期間は、特別遊技状態に含まれないものとしてもよい。
【0316】
主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。そして、エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
【0317】
S2105で大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(S2122)。その結果、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、そのまま本処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0318】
以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特別遊技実行手段」として機能するものである。
【0319】
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)では、まず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、10R第1大当り、5R第2大当り及び10R第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
【0320】
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定(換言すると、特別図柄の変動表示)を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」(第2遊技状態)となる。なお、本実施例のように、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定するような制御を採用してもよい。
【0321】
一方、S2201で確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、5R第3大当り及び10R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」(第1遊技状態)となる。低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
【0322】
時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。なお、時短カウンタ及び確変カウンタにセット(設定)する値は本実施例に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の遊技性や出球性能、スペック等を考慮して任意に定めることができる。また、それぞれのカウンタに異なる値をセットするようにしてもよい。
【0323】
以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
【0324】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。
図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、読み出した保留球数を示す情報(記憶情報)を含むコマンドデータを保留球数コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S2502)。保留球数コマンドは、特
図1保留球数、特
図2保留球数および普通図柄保留球数のそれぞれについて設けられるもので、特
図1保留球数コマンド、特
図2保留球数コマンド及び普通図柄保留球数コマンドがある。特
図1保留球数コマンド及び特
図2保留球数コマンドの何れか一方又は両方を指して「特図保留球数コマンド」ともいう。S2502でセットした保留球数コマンド(記憶情報)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力される(サブ制御部90へ送信される)。
【0325】
保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドを解析することで、現在の特
図1保留球数、特
図2保留球数及び普通図柄保留球数をそれぞれ特定することができる。そして、受信した特図保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断すると、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d、変動保留表示領域9e)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特
図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特
図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特
図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特
図1保留球数「1」に対応する箇所、
図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9eに移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側(保留数減少方向)に1つ移動(シフト)する。
【0326】
前述のS307又はS311により特図保留球数が加算された際の特図保留球数コマンド、すなわち始動入球の発生に伴う特図保留球数コマンドは、その特図保留球数コマンドが特
図1保留球数コマンド(S311に起因するコマンド)であれば、前述のS323でセットした特
図1始動入球コマンドとともに(同一割り込みで)、出力処理(S201)により出力(サブ制御部90へ送信)され、特
図2保留球数コマンド(S307に起因するコマンド)であれば、前述のS318でセットした特
図2始動入球コマンドとともに(同一割り込みで)、出力処理(S201)により出力(サブ制御部90へ送信)される。これによりサブ制御部90は、始動入球コマンドとともに特図保留球数コマンドを受信して、特図保留球数コマンドに含まれる特図保留球数(記憶情報)と、始動入球コマンドに含まれる事前判定の結果(事前判定結果情報)とをリンクさせてサブ制御部90側で処理することが可能である。
【0327】
なお、特図保留球数が加算されたときの当該特図保留球数を示す情報、すなわち、始動入球に伴う特図保留球数を示す情報を、始動入球コマンドに含めるようにしてもよい。この場合、始動入球に伴う特図保留球数コマンドを設けなくてもよいので、主制御部80からサブ制御部90へ送信するコマンド数の削減が可能となる。また、特図保留球数が減算されたときの当該特図保留球数を示す情報、すなわち、特別図柄の変動開始(特図保留消化)に伴う特図保留球数を示す情報を、変動開始コマンドに含めるようにしてもよい。この場合、変動開始に伴う特図保留球数コマンドを設けなくてもよいので、主制御部80からサブ制御部90へ送信するコマンド数の削減が可能となる。これらのことは普通図柄についても同様である。
【0328】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。
図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
【0329】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図37~
図43に基づいて、演出制御用マイコン91(演出制御手段)の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。
【0330】
演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源が投入されて本パチンコ遊技機1への電力供給が開始されると、
図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出して実行する。電源投入に伴い、主制御基板80から副制御基板90に対して電源投入コマンドが送信されるので、演出制御用マイコン91は、電源投入コマンドの受信に基づいて、サブ制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出す。
【0331】
図37に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0332】
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAM(所定記憶領域)の初期化を行い(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
【0333】
また、副制御基板90のRAM(所定記憶領域)を初期化は、パチンコ遊技機1の電源投入に際してRAMクリアスイッチ(図示せず)が押下された場合、すなわち、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入がなされた場合(RAMクリアコマンドを受信した場合)にも行われる。このような副制御基板90のRAMの初期化(RAMクリア)は「所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理」の一態様に相当し、副制御基板90のRAMの初期化(RAMクリア)を実行する演出制御用マイコン91は「初期化処理実行手段」の一態様に相当する。
【0334】
なお、S4001~S4003の処理は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。すなわち、前述のように、電源投入に伴って主制御基板80から副制御基板90に対して電源投入コマンドが送信される(RAMクリアスイッチが押下された場合はRAMクリアコマンドも送信される)ので、演出制御用マイコン91は、電源投入コマンド(及びRAMクリアコマンド)の受信に基づいてS4001~S4003の処理を実行する。また本実施例では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0335】
S4004では割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。
【0336】
演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0337】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動演出部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や特別遊技演出等)を実行する。
【0338】
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7(表示画面7a)による画像(表示物)の表示制御(表示演出制御)や、各種ランプの発光制御(発光演出制御)、可動演出部材14の作動制御(可動演出制御)、スピーカ67からの音出力制御(音演出制御)等を、遊技の進行に伴って行うことが可能となる。
【0339】
[受信割り込み処理]
図38に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。
【0340】
一方、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、本処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0341】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等の各種ランプ(電飾部材)を発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動演出部材14を作動させる(駆動手段を駆動する)ための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0342】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、その格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。そして、電飾部材を発光させるためのランプデータを作成したり、可動演出部材14を作動させる(駆動手段を駆動する)ための駆動データを作成したり、演出決定用乱数を更新したりする等のその他の処理を行い(S4305)、本処理を終える。
【0343】
可動演出部材14の駆動データは、後述のS4505で設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンが可動演出部材14の作動(可動演出)を含む場合の当該予告演出パターンに含まれる可動演出部材14の作動パターン(可動演出パターン)に基づいて作成される。また、電飾部材のうち可動体ランプ15のランプデータは、後述のS4505で設定される変動演出パターンや可動演出部材14の作動パターン(可動演出パターン)等に基づいて作成される。
【0344】
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定する(S4390)。始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4390でYES)、S4395~S4400の処理を行ってS4401の処理に移行する一方、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4390でNO)、S4395~S4400の処理を行うことなくS4401の処理に移行する。
【0345】
S4395の演出保留情報記憶処理は、S4390で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に基づく情報を演出保留情報として、副制御基板90のRAMに設けられた所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。演出保留情報記憶領域に記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。
【0346】
図67に示すように、演出保留情報記憶領域は、第1特別図柄に対応する第1記憶領域1~4と、第2特別図柄に対応する第2記憶領域1~4とを有しており、各記憶領域には、始動入球コマンドに基づいて特定可能な事前判定結果情報(当否事前判定結果情報、大当り種別事前判定結果情報、変動パターン事前判定結果情報)を対応付けて記憶する領域が設けられている。
【0347】
第1記憶領域1~4は、特
図1保留球数の上限数(本実施例では「4」)に応じて設けられるもので、特
図1始動入球コマンドを受信すると、第1記憶領域1から順に、受信した特
図1始動入球コマンドに基づく情報(コマンドデータ)が記憶される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始される(第1特図保留の消化)ごとに、第1記憶領域1内の情報が削除され、このとき、第1記憶領域2に情報が記憶されていれば、その情報が第1記憶領域1にシフトされ、第1記憶領域3に情報が記憶されていれば、その情報が第1記憶領域2にシフトされ、第1記憶領域4に情報が記憶されていれば、その情報が第1記憶領域3にシフトされる。
【0348】
第2記憶領域1~4は、特
図2保留球数の上限数(本実施例では「4」)に応じて設けられるもので、特
図2始動入球コマンドを受信すると、第2記憶領域1から順に、受信した特
図2始動入球コマンドに基づく情報(コマンドデータ)が記憶される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始される(第2特図保留の消化)ごとに、第2記憶領域1内の情報が削除され、このとき、第2記憶領域2に情報が記憶されていれば、その情報が第2記憶領域1にシフトされ、第2記憶領域3に情報が記憶されていれば、その情報が第2記憶領域2にシフトされ、第2記憶領域4に情報が記憶されていれば、その情報が第2記憶領域3にシフトされる。
【0349】
演出制御用マイコン91は、演出保留情報記憶処理(S4395)を行うと、当該処理による演出保留情報の記憶(記憶内容)に関し異常があるか否か(異常有無)を確認する。具体的には、受信した始動入球コマンドに基づく情報の記憶漏れ(コマンド取りこぼし)の有無や、始動入球コマンドとともに受信した特図保留球数コマンドに基づいて特定可能な特図保留球数と事前判定結果情報の記憶(記憶箇所、記憶数)との不整合の有無、特図保留球数コマンドの取りこぼしの有無等を確認する。
【0350】
例えば、受信した始動入球コマンドに基づく新たな事前判定結果情報を記憶した領域が「第1記憶領域3」であり、始動入球コマンドとともに受信した特
図1保留球数コマンドに基づき特定される特
図1保留球数が「3」であれば、当該事前判定結果情報の記憶と特
図1保留球数とが整合するので、今回の演出保留情報記憶処理(S4395)による演出保留情報の記憶は正常に行われた(異常なし)と判断することができる。
【0351】
これに対し、例えば、特
図1保留球数コマンドに基づき特定される特
図1保留球数が「3」であるのに、第1記憶領域3に事前判定結果情報が一切記憶されていない(第1記憶領域3が空である)場合や、第1記憶領域3に当否事前判定結果情報が記憶されており変動パターン事前判定結果情報が記憶されていない又は変動パターン事前判定結果情報が記憶されており当否事前判定結果情報が記憶されていない場合など、始動入球コマンドに基づく事前判定結果情報の一部又は全部が対応する記憶領域に記憶されていない場合には、始動入球コマンドの取りこぼしやコマンド化け等が考えられ、今回の演出保留情報記憶処理(S4395)による演出保留情報の記憶は正常に行われなかった(異常あり)と判断することができる。
【0352】
また例えば、受信した始動入球コマンドに基づく新たな事前判定結果情報を記憶したものの、当該記憶時の特
図1保留球数を特定することができない場合や、新たな事前判定結果情報を記憶した領域と、受信した特
図1保留球数コマンドに基づき特定される特
図1保留球数とが整合しない場合(例えば、新たな事前判定結果情報を記憶した領域が「第1記憶領域3」、特定される特
図1保留球数が「2」である場合)には、保留球数コマンドの取りこぼしやコマンド化け等が考えられ、今回の演出保留情報記憶処理(S4395)による演出保留情報の記憶は正常に行われなかった(異常あり)と判断することができる。
【0353】
また、演出保留情報記憶処理(S4395)を行った(始動入球コマンドを受信した)にもかかわらず、始動入球コマンドに基づく新たな事前判定結果情報の一部又は全部が対応する記憶領域に記憶されず、特図保留球数を特定することもできない場合には、始動入球コマンド及び保留球数コマンドの両方の取りこぼしやコマンド化け等が考えられ、今回の演出保留情報記憶処理(S4395)による演出保留情報の記憶は正常に行われなかった(異常あり)と判断することができる。
【0354】
演出保留情報記憶処理(S4395)を行い、当該処理による演出保留情報の記憶(記憶内容)に異常があることを確認した場合(S4397でYES)、すなわち、S4390で受信した始動入球コマンド(事前判定結果情報)及び当該始動入球コマンドとともに受信した特図保留球数コマンド(記憶情報)の少なくとも一方に異常がある場合、予告演出制限フラグをONにして(S4399)、S4400の処理に移行する。これに対し、演出保留情報記憶処理(S4395)による情報記憶に異常がないことを確認した場合(S4397でNO)、S4399の処理を行うことなくS4400の処理に移行する。
【0355】
ここで、予告演出制限フラグは、演出保留情報記憶領域に記憶される演出保留情報、すなわち事前判定結果情報に基づく演出(予告演出等)の実行を制限するためのフラグである。予告演出制限フラグがOFFのときには、事前判定結果情報に基づく演出の実行が許容され(事前判定結果情報に基づく演出が実行可能となり)、ONのときには、事前判定結果情報に基づく演出の実行が制限(禁止)される(事前判定結果情報に基づく演出が実行不能となる)。
【0356】
演出保留情報記憶処理(S4395)による情報記憶に異常が認められた状況下で事前判定結果情報に基づく演出が行われると、演出内容に誤り(誤情報)が生じて遊技者に誤解を与えてしまう虞がある。この点、本実施例では、演出保留情報記憶処理(S4395)による情報記憶に異常があることが認められた場合には、事前判定結果情報に基づく演出の実行が制限されるため、遊技者に誤解を与えるような演出(誤情報に基づく演出)が行われるのを防ぐことが可能となる。これにより、演出の信頼性が損なわれるのを回避して、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
【0357】
本実施例では、予告演出制限フラグがONになった後、所定の制限解除条件が成立するまでその状態(予告演出制限状態)が維持され、制限解除条件が成立すると、予告演出制限フラグがOFFとなり、事前判定結果情報に基づく演出の実行が許容される(可能となる)ようになっている。具体的には、予告演出制限フラグがONになった後、始動入球コマンドの受信に基づく演出保留情報の記憶に異常が認められない(演出保留情報の記憶が正常に行われる)状況が、始動入球コマンドを所定回数(例えば10回)受信するまで(つまり、新たな始動入球に基づく特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで)継続するか、パチンコ遊技機1の電源を再投入すると、制限解除条件が成立して予告演出制限フラグがOFFとなる。つまり、始動入球コマンドを所定回数(例えば10回)受信するまでに一度も演出保留情報の記憶に異常が認められないこと、又は、パチンコ遊技機1の電源再投入を、制限解除条件としている。なお、制限解除条件はこれに限定されず、例えば、演出保留情報の記憶に異常が認められたとき(予告演出制限フラグがONになったとき)に記憶されている特図保留がすべて消化されることや、演出保留情報の記憶に異常が認められたときに記憶されている特図保留の数(特図保留球数)+α(α=1以上)に相当する回数の特別図柄の変動表示が実行されること等を、制限解除条件としてもよい。
【0358】
演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、主制御基板80の特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報、保留情報)と矛盾しないものであり、両者の意味するところは同様である。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」又は「保留記憶手段」といえる。
【0359】
演出保留情報のことを「先読み情報」ともいい、特
図1演出保留情報のことを「第1先読み情報」ともいい、特
図2演出保留情報のことを「第2先読み情報」ともいう。また、演出保留情報記憶領域のことを「先読み情報記憶手段」ともいい、特
図1演出保留情報記憶領域のことを「第1先読み情報記憶手段」ともいい、特
図2演出保留情報記憶領域のことを「第2先読み情報記憶手段」ともいう。
【0360】
S4400の保留アイコン予告処理は、S4395で記憶した演出保留情報(事前判定結果情報)に基づく予告演出の一種である保留アイコン予告に関する処理である。保留アイコン予告とは、表示画面7aに表示される演出保留(保留アイコン)の表示態様を通常と異なる表示態様(「予告表示態様」ともいう。)で表示して当該予告表示態様により大当りの可能性(期待度)を示唆する演出のことである。保留アイコン予告のことを「保留変化予告」又は「特定演出」ともいう。保留アイコン予告は、表示画面7a上で行われる表示演出の一種である。保留アイコン予告処理(S4400)については後述する。
【0361】
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行ってS4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4402の処理を行うことなくS4403の処理に移行する。
【0362】
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S4403)。変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示(確定停止)して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、S4404の処理を行うことなくS4405の処理に移行する。
【0363】
変動演出開始処理(S4402)及び変動演出終了処理(S4404)を実行するサブ制御部90(演出制御用マイコン91)も「変動遊技実行手段」として機能するものである。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示や停止表示、後述のリーチ演出など、特別図柄が変動表示を開始してから終了(停止表示)するまでの変動遊技に合わせて行われる種々の演出を指す。表示画面7a上で行われる変動演出は表示演出の一種である。
【0364】
S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
【0365】
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種類に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種類に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出、エンディング演出等の大当り遊技に関連する演出(「大当り遊技演出」又は「大当り遊技関連演出」ともいう。)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。表示画面7a上で行われる大当り遊技演出(大当り遊技関連演出)は、表示演出の一種である。
【0366】
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う。
【0367】
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。
図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や停止表示する演出図柄、予告演出の実行有無、予告演出を実行する場合の予告演出の態様等を決定する。
【0368】
次いでS4502では、前述のS4401で受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。変動パターンを指定する情報には、変動パターンの種類(P1~P18)を示す情報(
図9A、
図9Bを参照)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれる(
図8を参照)。また変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特
図1に係るものなのか特
図2に係るものなのかを判別することが可能となる。なお、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の処理においても利用可能である。
【0369】
次いでS4503では、現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
【0370】
ここで、演出モードとは、変動遊技が実行されるとき(変動遊技状態)の演出形式(演出環境)のことであり、演出モードが異なると、表示画面7aの背景や変動演出、リーチ演出、予告演出等の各種表示演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像(演出表示)の一部又は全部が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。演出モードのことを「変動モード」ともいう。
【0371】
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A」~「D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「遊技状態非報知モード」といえる。
【0372】
図42に戻り、次いでS4504では、特別図柄当否判定の結果に基づき演出図柄等を用いて行う変動演出の実行パターン(「変動演出パターン」ともいう。)を決めるための不図示の変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。
【0373】
例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(
図9Aを参照)である場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
【0374】
変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
【0375】
次いでS4505では、S4501で取得した変動演出決定用乱数およびS4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン(特図変動パターン)に適合した変動演出パターンを決定(選択)し、これを設定する(S4505)。特図変動パターンは、特別図柄の変動時間、すなわち、変動遊技の実行時間を規定するものであるから(
図9A、
図9Bを参照)、S4505で設定される変動演出パターンに基づく変動演出の実行時間(実行期間)は、特図変動パターンに準じたものとなる。また特図変動パターンは、変動演出の内容を規定するものでもあることから(
図9A、
図9Bを参照)、S4505で設定される変動演出パターンに基づく変動演出の内容(実行態様)は、特図変動パターンに準じたものとなる。
【0376】
変動演出パターンとしては、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する・しない等の演出の詳細な実行態様が決定される。リーチ演出を実行する(含む)変動演出のことを「リーチあり変動演出」ともいい、リーチ演出を実行しない(含まない)変動演出のことを「リーチなし変動演出」ともいう。
【0377】
リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(当り図柄配列、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個(例えば左演出図柄8L及び右演出図柄8R)が当り図柄配列(特定態様)を構成する図柄(「リーチ図柄」又は「リーチ態様」ともいう。)で停止表示(仮停止)され、残り1個(例えば中演出図柄8C)が変動表示を続けている状態(「リーチ状態」ともいう。)で、その残り1個の演出図柄が当り図柄配列を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このリーチ演出によれば、大当りを狙う遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。表示画面7a上で行われるリーチ演出は、表示演出の一種である。
【0378】
変動演出パターンには、演出図柄8の変動態様の他、演出図柄8の変動表示に付随して実行される表示演出や音演出、発光演出、可動演出等の実行態様(演出パターン)も含まれ、これら演出の実行有無等についても決定される(S4505)。このため、変動演出に付随して実行される表示演出や音演出、発光演出、可動演出等を含めて変動演出ということができる。つまり、S4505では、特別図柄当否判定の結果に基づいて、演出図柄8の変動態様をはじめとする変動演出に係る種々の演出態様が決定される(演出態様決定手段)。
【0379】
またS4505では、S4501で取得した演出図柄決定用乱数および不図示の停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。停止演出図柄は、演出図柄8のリーチ図柄や当り図柄配列(当り態様)、外れ図柄配列(外れ態様)等を構成するものである。停止表示の種類には、演出図柄8を確定的に停止表示する確定停止表示(単に「確定停止」ともいう。)と、演出図柄8を確定的に停止表示する前の仮停止表示(単に「仮停止」ともいう。)とがある。
【0380】
仮停止とは、演出図柄8の変動表示(例えばスクロール表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄8が表示画面7a上の所定の停止位置に一時的に停止表示されることを意味する。仮停止した演出図柄は、僅かに動いた状態で表示したり静止した状態で表示したりすることができる。変動表示の終了前に3つの演出図柄8L,8C,8Rが第1停止図柄、第2停止図柄、第3停止図柄の順で停止表示されるときの各図柄の停止表示も仮停止に該当する。一方、確定停止とは、演出図柄8の変動表示が終了して、演出図柄8が表示画面7a上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて完全に静止した状態で表示されることを意味する。演出図柄8が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)される(導出表示される)こととなる。つまり、特別図柄の変動表示の終了(つまり、特別図柄の停止表示)に伴って、演出図柄8が確定停止される。したがって、演出図柄8の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
【0381】
S4505で決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(「確定停止図柄」ともいう。)である。例えば、変動演出の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであり、その外れがリーチあり外れである場合、「787」等のバラケ目(「リーチ外れ目」又は「リーチ図柄配列」ともいう。)とされ、リーチなし外れである場合、「635」や「655」等のバラケ目(「完全バラケ目」又は「非リーチ図柄配列」ともいう。)とされる。
【0382】
また、低確低ベース状態において特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定)の結果が大当りであり、その大当りが5R大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」以外の数字図柄のゾロ目とされ、10R第1大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」のゾロ目とされる。一方、低確高ベース状態又は高確高ベース状態において特別図柄当否判定(第2特別図柄当否判定)の結果が大当りであり、その大当りが10R第9大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」以外の数字図柄のゾロ目(当り図柄配列)とされ、10R第8大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」のゾロ目とされる。このように「777」のゾロ目は、遊技者にとって最も有利な大当りといえる10R確変大当りの確定出目である。
【0383】
また、低確低ベース状態において特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定)の結果が大当りであり、その大当りが10R第2~第5大当りの何れか(特殊大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は、バラケ目のうち特定のバラケ目とされる。この特定のバラケ目は、外れ図柄配列と同様の図柄配列によって特殊大当りの当選(発生)を報知するものであり、当り図柄配列(特別表示態様)の一種である。特定のバラケ目のことを「特殊図柄配列」ともいう。
【0384】
特定のバラケ目(特殊図柄配列)は、例えば、「123」や「567」等の順目で構成されるバラケ目や、「373」や「773」等の三桁非同一の赤図柄(3,7)で構成されるバラケ目など、何らかの法則性のある図柄配列により構成することができる。また、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つ(例えば中演出図柄8C)が普段表示されることない図柄とされる図柄配列により構成することができる。
【0385】
なお、前述した演出図柄8の停止表示態様(図柄配列)は一例であり、停止演出図柄として何を表示するかは適宜変更可能である。また、S4505で決定する仮停止図柄及び確定停止図柄は、互いに同じ停止表示態様を構成するものであっても異なる停止表示態様を構成するものであってもどちらでもよい。仮停止図柄が確定停止図柄と異なる場合、仮停止後の演出図柄の再度の変動表示(再変動表示、再変動演出)等を経て最終的に確定停止図柄が停止表示されるように構成することができる。特別図柄の1回の変動表示(変動開始から確定停止)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rを変動表示した後に一旦仮停止し、その後に変動表示を再開することで、演出図柄の変動表示(変動演出)が複数回行われるように見せる演出のことを「疑似連演出」ともいい、疑似連演出のことを単に「疑似連」ともいう。
【0386】
またS4505では、判定図柄表示領域7cにおいて停止表示する判定図柄8s(「停止判定図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。判定図柄8sの停止表示の種類は確定停止表示(確定停止)のみである。判定図柄8sは前述のように、特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行い、特別図柄の停止表示に同期して停止表示を行うものであって、主に特別図柄の変動状況を示す図柄として機能するからである。このため、S4505で設定する停止判定図柄は確定停止する図柄(確定停止図柄)である。本実施例では、判定図柄8sの確定停止図柄として、演出図柄8の確定停止図柄と同じ図柄(数字図柄)配列の確定停止図柄が設定される。なお、判定図柄8sの確定停止図柄のうち少なくとも外れ図柄配列(外れ確定停止図柄)については、演出図柄8の外れ図柄配列(外れ確定停止図柄)にかかわらず共通(1種類)の図柄配列としてもよい。
【0387】
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出等の複数の態様(変動演出パターン)が設けられている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「通常変動」ともいう。)かが決定される。以下では、ノーマルリーチを「NMリーチ」と表記することがあり、スーパーリーチを「SPリーチ」と表記することがある。
【0388】
そして、例えば、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、SPリーチ演出が実行される場合には、NMリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性(期待度)が高くなるように設定されている。すなわち、SPリーチ演出はNMリーチ演出と比較して大当りとなる可能性(期待度)の高い遊技演出であるといえる。
【0389】
本実施例では、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms(30秒)以上の変動パターン(
図9A、
図9Bを参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいてリーチ演出(リーチあり変動演出)が設定(実行)される。そのうち、変動時間が30000ms(30秒)の場合には、リーチ演出としてNMリーチ演出が設定(実行)され、変動時間が45000ms(45秒)以上の場合には、リーチ演出としてSPリーチ演出が設定(実行)される。SPリーチ演出が実行されずNMリーチ演出が実行される(SPリーチ演出を含まない)変動演出のことを「NMリーチ変動演出」ともいい、SPリーチ演出が実行される(SPリーチ演出を含む)変動演出のことを「SPリーチ変動演出」ともいい、NMリーチ変動演出及びSPリーチ変動演出のことを総じて「リーチ変動演出」ともいう。
【0390】
ここで、演出図柄8の変動表示(変動演出)は、基本的に次のようにして行われる。まず、特別図柄当否判定が実行されて特別図柄の変動表示が開始されると、これに伴って3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始する。そして、3つの演出図柄8L,8C,8Rの変動速度が高速で略一定となり)、変動開始から所定時間が経過すると、第1停止図柄(本実施例では左演出図柄8L)の変動速度が低下(減速)して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本実施例では右演出図柄8R)の変動速度が低下(減速)して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本実施例では中演出図柄8C)の変動速度が低下(減速)して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止して外れ図柄配列又は当り図柄配列で表示されることで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして通常変動やリーチ演出等が行われる。
【0391】
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄(リーチ態様)で停止(仮停止)すればリーチ成立となり、その後、リーチ演出(NMリーチ演出又はSPリーチ演出)が実行される(例えば、変動パターンP1~P7)。SPリーチ演出(例えば、変動パターンP1~P6)の場合は、NMリーチ演出を経てSPリーチ演出が実行される(NMリーチ演出からSPリーチ演出に発展する)。リーチ演出が実行される場合には、リーチ演出を経て3つの演出図柄8L,8C,8Rが外れ図柄配列又は当り図柄配列で表示される。
【0392】
一方、左右の演出図柄8L,8Rが停止(仮停止)したときにリーチ成立とならなければ(例えば、変動パターンP8)、当該変動は通常変動ということとなり、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、通常変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本実施例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は約11秒となっている。但し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合の通常変動(例えば、変動パターンP9,P10,P18)では、変動開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
【0393】
なお、S4505で設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンによって、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが同時期に一斉に停止(仮停止)したり、第1停止図柄が停止するまでの所定時間(例えば9秒)を越えても全図柄が変動し続けたりする等、演出図柄の停止表示の順序やタイミング等が前述した態様と異なる場合があるようにしてもよい。
【0394】
本実施例において、S4505で設定可能な変動演出パターンは、特図変動パターンに対応するものとなっている。例えば、実行される特図変動パターンが変動パターンP1である場合、SPリーチ演出Aを含む大当り用の変動演出パターンが設定される(
図9Aを参照)。
【0395】
本実施例では、複数のリーチ演出(リーチ演出パターン)が設けられており、リーチ演出が実行可能とされる変動時間(30000ms以上の変動パターン)に応じて何れかのリーチ演出パターンが設定される(S4505)。非時短状態で実行可能なリーチ演出としてノーマルリーチ、SPリーチA、SPリーチBが設けられており、そのうちノーマルリーチは当否判定の結果が外れの場合(変動パターンP7)に対応するものであり、SPリーチA,Bは当否判定の結果が大当りの場合(変動パターンP1,P2,P3)に対応するものと外れの場合(変動パターンP4,P5,P6)に対応するものとがある(
図9Aを参照)。一方、時短状態で実行可能なリーチ演出としてノーマルリーチ、SPリーチC、SPリーチDが設けられており、何れも当否判定の結果が大当りの場合(変動パターンP11,12,13)に対応するものと外れの場合(変動パターンP14,15,16)に対応するものとがある(
図9Bを参照)。時短状態において大当りのノーマルリーチ(ノーマルリーチ大当り)を設けているのは、外れ変動だけでなく大当り変動も効率的に消化できるようにするためである。
【0396】
SPリーチA~Dは、それぞれ、SPリーチ演出(発展演出)の内容が異なる複数の演出パターン(SPリーチ演出の実行態様)が設けられている。例えば、SPリーチAとして、SPリーチ演出で登場するキャラクタがキャラクタA1(第1キャラクタ)、SPリーチ演出のストーリー(筋書き)がストーリーA1(第1ストーリー)とされる第1SPリーチAと、SPリーチ演出で登場するキャラクタがキャラクタA2(第2キャラクタ)、SPリーチ演出のストーリー(筋書き)がストーリーA2(第2ストーリー)とされる第2SPリーチAと、SPリーチ演出で登場するキャラクタがキャラクタA3(第3キャラクタ)、SPリーチ演出のストーリー(筋書き)がストーリーA3(第3ストーリー)とされる第3SPリーチAとの3種類が設けられる。
【0397】
このため、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして変動パターンP1を指定するコマンドを受信した場合、S4505では、SPリーチAとして第1SPリーチA、第2SPリーチA及び第3SPリーチAのうちの何れかが変動演出パターン決定テーブル(図示せず)に基づいて選択されて設定される。つまり、変動パターンP1に基づく特別図柄の変動表示に伴う変動演出(リーチ変動演出)は、第1SPリーチAを経て大当りとなる態様で実行される場合と、第2SPリーチAを経て大当りとなる態様で実行される場合と、第3SPリーチAを経て大当りとなる態様で実行される場合とがある。また、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして変動パターンP4を指定するコマンドを受信した場合、S4505では、SPリーチAとして第1SPリーチA、第2SPリーチA及び第3SPリーチAのうちの何れかが変動演出パターン決定テーブル(図示せず)に基づいて選択されて設定される。つまり、変動パターンP4に基づく特別図柄の変動表示に伴う変動演出(リーチ変動演出)は、第1SPリーチAを経て外れとなる態様で実行される場合と、第2SPリーチAを経て外れとなる態様で実行される場合と、第3SPリーチAを経て外れとなる態様で実行される場合とがある。これらのことは、他のSPリーチや変動パターンについても同様である。
【0398】
このように本実施例では、変動時間が45000ms以上の特図変動パターン(所定変動パターン)に関し、一の特図変動パターンに対して実行可能なSPリーチの演出パターン(実行態様)が複数設けられる。これにより、SPリーチ演出を含む変動演出(SPリーチ変動演出)の多様化を図り、変動演出の演出効果を高めることが可能となる。
【0399】
また本実施例では、SPリーチBに関し、疑似連を経てSPリーチBが実行される場合(変動パターンP2,P5)と、疑似連なしでSPリーチBが実行される場合(変動パターンP3,P6)とがある(
図9Aを参照)。つまり、疑似連を経由するSPリーチB(「疑似連SPリーチB」ともいう。)の演出パターンと、疑似連を経由しないSPリーチB(「非疑似連SPリーチB」ともいう。)の演出パターンとが設けられている。これにより、演出展開が画一的にならないようにして、演出効果を高めることが可能となる。なお、疑似連演出とリーチ演出との組み合わせは、SPリーチB以外の演出パターンにも適用可能である。
【0400】
なお、変動演出パターン決定テーブルにより定められるSPリーチAの演出パターンの選択率を、例えば、変動パターンP1(大当り変動)であれば、第3SPリーチA、第2SPリーチA、第1SPリーチAの順で選択率が高くなり、変動パターンP4(外れ変動)であれば、第1SPリーチA、第2SPリーチA、第3SPリーチAの順で選択率が高くなるようにすることで、SPリーチAのうち第1SPリーチAが実行されたときの期待度が最も高くなり、以下、第2SPリーチA、第3SPリーチAの順で期待度が低くなるように構成することができる。こうしたSPリーチの種類や選択率に係る構成は、SPリーチB~Dについても同様である。SPリーチの種類(SPリーチ種)や演出数は本実施例で示すものに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の遊技性やスペック等に応じて適宜変更可能である。
【0401】
また本実施例では、SPリーチA~Dに関し、
図56(1)~(5)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aでSPリーチ演出(SPリーチ変動演出)が実行(表示)されるなか、当該演出の終盤に大当り又は外れの報知に進む分岐点(「当落分岐タイミング」ともいう。)が設けられており、当落分岐タイミングを経て、大当り又は外れを報知する演出(「当落報知演出」ともいう。)が実行されるものとしている。そして、当落報知演出の実行後に、演出図柄8が特定態様(例えば、ゾロ目)又は非特定態様(例えば、バラケ目)で停止表示されて、変動演出が終了する。
【0402】
当落分岐タイミングにおいて、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bが操作されたことを第1演出ボタン検知スイッチ63c又は第2演出ボタン検知スイッチ63dが検知すると、当該操作に対応する演出(操作対応演出)として当落報知演出が実行される。当落報知演出には、大当りを報知する演出(「当選報知演出」ともいう。)と、外れを報知する演出(「落選報知演出」ともいう。)とがある。
【0403】
SPリーチA~Dの何れかが実行される変動演出(SPリーチ変動演出)は、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bの操作を含む変動演出(「操作変動演出」ともいう。)でもある。
【0404】
当落分岐タイミングでは、遊技者に第1演出ボタン63aの操作(「第1所定操作」ともいう。)を行うことを指示する演出(「第1操作指示演出」ともいう。)が実行される場合(
図56(2)を参照)と、遊技者に第2演出ボタン63bの操作(「第2所定操作」ともいう。)を行うことを指示する演出(「第2操作指示演出」ともいう。)が実行される場合(
図56(3)を参照)とがある。
【0405】
本実施例では、第1演出ボタン63aを模した画像(「第1ボタン画像」ともいう。)と操作受付期間を示す画像(「ゲージ画像」ともいう。)とを含んで構成される演出画像(「第1操作指示画像」ともいう。)を表示画面7aに表示することにより、第1操作指示演出を行うものとしている(第1操作指示演出実行手段)。また、第2演出ボタン63bを模した画像(「第2ボタン画像」ともいう。)と操作受付期間を示す画像(ゲージ画像)とを含んで構成される演出画像(「第2操作指示画像」ともいう。)を表示画面7aに表示することにより、第2操作指示演出を行うものとしている(第2操作指示演出実行手段)。第1ボタン画像及び第2ボタン画像の何れか一方又は両方を指して「ボタン画像」ともいい、第1操作指示画像及び第2操作指示画像の何れか一方又は両方を指して「操作指示画像」ともいい、第1操作指示演出及び第2操作指示演出の何れか一方又は両方を指して「操作指示演出」ともいう。
【0406】
第1操作指示演出又は第2操作指示演出が実行され、操作指示演出に対応する演出ボタン(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)が所定の操作受付期間内に操作されたことを対応する演出ボタン検知スイッチ(第1演出ボタン検知スイッチ63c又は第2演出ボタン検知スイッチ63d)が検知すると、当選報知演出又は落選報知演出が実行される。本実施例では、当選報知演出として、SPリーチ演出に登場するキャラクタが所定のミッション(ゲーム、バトル等)に成功した様子をあらわした演出画像が表示画面7aに表示され(
図56(4)を参照)、落選報知演出として、SPリーチ演出に登場するキャラクタが所定のミッション(ゲーム、バトル等)に失敗した様子をあらわした演出画像が表示画面7aに表示される(
図56(5)を参照)。
【0407】
また、第1操作指示演出又は第2操作指示演出が実行され、操作指示演出に対応する演出ボタン(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)が所定の操作受付期間内に操作されることなく当該操作受付期間が経過した場合にも、当落報知演出(当選報知演出又は落選報知演出)が実行される。つまり、第1操作指示演出又は第2操作指示演出が実行され、操作指示演出に対応する演出ボタンが操作受付期間内に操作されない場合には、当落報知演出が自動的に実行される。これにより、演出ボタンや演出ボタン検知スイッチに不具合等が生じて演出ボタンが機能しないとしても当落報知演出は実行されるので、演出効果が損なわれるのを防ぐことが可能となる。
【0408】
当落分岐タイミングで遊技者に操作させる演出ボタンの種類、すなわち、当落分岐タイミングで実行する操作指示演出の種類は、S4505でSPリーチ変動演出が設定される場合に決定され、SPリーチ変動演出の演出パターンとともに設定される。具体的に、演出制御用マイコン91は、当落分岐タイミングで実行する操作指示演出の種類を、例えば、
図48に示す操作指示演出決定テーブルに基づいて決定し、これを設定する(S4505)。なお、同図に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造はこれに限定されるものではない。
【0409】
図48に示すように、本実施例の操作指示演出決定テーブルは、S4505で設定されるSPリーチ変動演出、すなわち、これから開始される今回のSPリーチ変動演出が、確変大当りに係るもの(確変大当り変動)である場合、非確変大当りに係るもの(非確変大当り変動)である場合、及び外れに係るもの(外れ変動)である場合のそれぞれについて、操作指示演出決定用乱数値を「第1操作指示演出」及び「第2操作指示演出」に割り当てて構成される。操作指示演出決定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~99」の範囲で値をとる。
【0410】
なお、
図48に示すテーブル中の割り当て乱数値の下段に記載の(30/100)等のかっこ書きは、テーブル内での選択率(選択割合、決定割合)を示す。このことは、以下で図面を参照しながら説明する各種テーブルについても同様である。
【0411】
例えば、S4501で取得された操作指示演出決定用乱数値が「50」である場合、今回のSPリーチ変動演出が確変大当り変動であれば第2操作指示演出に決定され、非確変大当り変動又は外れ変動であれば第1操作指示演出に決定される。
【0412】
操作指示演出の決定結果、すなわち、当落分岐タイミングで実行する操作指示演出の種類(第1操作指示演出又は第2操作指示演出)は、変動演出パターンに含まれるものであり、後述の変動演出開始コマンドに含められて画像制御基板100に送信される。
【0413】
そして、演出制御用マイコン91は、当落分岐タイミングで実行する操作指示演出を第1操作指示演出に決定した場合には、不図示の第1操作指示演出フラグをONにし、第2操作指示演出に決定した場合には、不図示の第2操作指示演出フラグをONにする。
【0414】
第1操作指示演出フラグは、ONの場合に、当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行される旨を示し、OFFの場合に、当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行されない旨を示す。第1操作指示演出フラグは、ONになった後、第1操作指示演出が実行されて所定の操作受付期間内に第1演出ボタン63aが操作される(第1演出ボタン検知スイッチ63cが第1演出ボタン63aの操作を検知する)か、操作されることなく操作受付期間が経過すると、OFFになる。
【0415】
第2操作指示演出フラグは、ONの場合に、当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行される旨を示し、OFFの場合に、当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行されない旨を示す。第2操作指示演出フラグは、ONになった後、第2操作指示演出が実行されて所定の操作受付期間内に第2演出ボタン63bが操作される(第2演出ボタン検知スイッチ63dが第2演出ボタン63bの操作を検知する)か、操作されることなく操作受付期間が経過すると、OFFになる。
【0416】
本実施例では、第1操作指示演出フラグがONの場合、すなわち、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングで第1操作指示演出を実行する場合(
図56(2)を参照)、当該変動演出の実行期間(変動期間)のうち、少なくともSPリーチ演出の開始から当落報知演出が終了するまでの間は、演出制御用マイコン91が第2操作指示演出の実行や第2演出ボタン63bを用いた演出(「第2操作演出」ともいう。)に関する決定を行わないようにして、第2操作指示演出が実行されないようにしている。すなわち、当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行されるSPリーチ変動演出の実行期間のうち、第1操作指示演出が実行される前の所定期間(実行前所定期間)、第1操作指示演出が実行される期間及び第1操作指示演出が実行された後の所定期間(実行後所定期間)においては、第2操作指示演出の実行が制限されるように構成される。
【0417】
また、本実施例では、第2操作指示演出フラグがONの場合、すなわち、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングで第2操作指示演出を実行する場合(
図56(3)を参照)当該変動演出の実行期間(変動期間)のうち、少なくともSPリーチ演出の開始から当落報知演出が終了するまでの間は、演出制御用マイコン91が第1操作指示演出の実行や第1演出ボタン63aを用いた演出(「第1操作演出」ともいう。)に関する決定を行わないようにして、第1操作指示演出が実行されないようにしている。すなわち、当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行されるSPリーチ変動演出の実行期間のうち、第2操作指示演出が実行される前の所定期間(実行前所定期間)、第2操作指示演出が実行される期間及び第2操作指示演出が実行された後の所定期間(実行後所定期間)においては、第1操作指示演出の実行が制限されるように構成される。
【0418】
このように、第1操作指示演出フラグがONの場合に第2操作指示演出の実行を制限したり、第2操作指示演出フラグがONの場合に第1操作指示演出の実行を制限したりすることで、一の変動演出において、第1操作指示演出が実行時期(つまり、第1演出ボタン63aの操作時期)と、第2操作指示演出の実行時期(つまり、第2演出ボタン63aの操作時期)とが近くなることを防ぎ、短期間のうちに第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bを操作するといった煩雑さを避けることが可能となる。これにより、第1演出ボタン63aの操作(第1所定操作)の効果や、第2演出ボタン63bの操作(第2所定操作)の効果が損なわれにくくなり、それぞれの操作の効果を遊技者に実感させやすくすることが可能となる。
【0419】
そして、本実施例の操作指示演出決定テーブルによれば、当落分岐タイミングで実行する操作指示演出が第1操作指示演出に決定される割合(第1操作指示演出が実行される割合)は、今回のSPリーチ変動演出が外れ変動である場合が最も高く、以下、非確変大当り変動、確変大当り変動の順で、その割合は低くなる。一方、当落分岐タイミングで実行する操作指示演出が第2操作指示演出に決定される割合(第2操作指示演出が実行される割合)は、今回のSPリーチ変動演出が確変大当り変動である場合が最も高く、以下、非確変大当り変動、外れ変動の順で、その割合は低くなる。このため、遊技者にとっては、当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行された場合には確変大当りの期待度が高くなり、当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行された場合には確変大当りの期待度が低くなる。また、当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行された場合には、非確変大当りの期待度は得られるものの、それよりも外れの可能性が高いと感じられるようになる。
【0420】
以上のようにして当落分岐タイミングでの操作指示演出を決定する本実施例のパチンコ遊技機1は、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行された後、第1演出ボタン63aの操作に基づいて当選報知演出が実行されて演出図柄8(識別情報)が特定態様で停止表示される場合よりも、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行された後、第2演出ボタン63bの操作に基づいて当選報知演出が実行されて演出図柄8(識別情報)が特定態様で停止表示される場合の方が、大当り遊技後に高確率状態(第2遊技状態)に移行する可能性(確変移行割合)が高くなるように構成される。すなわち、SPリーチ変動演出にて第1操作指示演出が実行された後、演出図柄8(識別情報)が特定態様で停止表示される場合と、SPリーチ変動演出にて第2操作指示演出が実行された後、演出図柄8(識別情報)が特定態様で停止表示される場合とで、高確率状態(第2遊技状態)に制御される割合が異なるように構成される。つまり、操作指示演出は、高確率状態に移行する可能性(「確変期待度」ともいう。)を示唆する演出として機能する。これにより、当落分岐タイミングで実行される操作指示演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0421】
なお、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行された後、演出図柄8(特別図柄)が特定態様で停止表示される場合よりも、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行された後、演出図柄8(特別図柄)が特定態様で停止表示される場合の方が、大当り遊技後に高確率状態(第2遊技状態)に移行する可能性が高くなるようにしてもよい。
【0422】
また本実施例では、当落分岐タイミングにおいて、第1演出ボタン63aを操作することを指示する第1操作指示演出が実行される場合と、第2演出ボタン63bを操作することを指示する第2操作指示演出が実行される場合とがあるものとしたが、指示する操作の内容はこれに限定されるものではなく、例えば、一の演出ボタンに対する操作の種類(操作方法)が複数ある場合、その操作の種類(操作方法)を指示するものとしてもよい。例えば、第1演出ボタン63aの操作として、第1演出ボタン63aを操作受付期間内に1回押すプッシュ操作(単押し操作)と、第1演出ボタン63aを操作受付期間の開始から終了まで押し続ける長押し操作とがある場合、プッシュ操作(第1所定操作)を行うことを指示する演出を第1操作指示演出として実行し、長押し操作(第2所定操作)を行うことを指示する演出を第2操作指示演出として実行するようにしてもよい。
【0423】
また本実施例では、当落分岐タイミングで第1操作指示演出が実行されるSPリーチ変動演出の実行期間のうち、SPリーチ演出の開始から当落報知演出が終了するまでの間、すなわち、第1操作指示演出が実行される前の所定期間、第1操作指示演出が実行される期間及び第1操作指示演出が実行された後の所定期間において、第2操作指示演出の実行が制限されるように構成したが、第2操作指示演出の実行が制限される期間はこれに限定されるものではない。例えば、第1操作指示演出が実行される前の所定期間及び第1操作指示演出が実行される期間において第2操作指示演出の実行が制限されるように構成したり、第1操作指示演出が実行される期間及び第1操作指示演出が実行された後の所定期間において第2操作指示演出の実行が制限されるように構成したりすることも可能である。つまり、第1操作指示演出が実行される前の所定期間及び第1操作指示演出が実行された後の所定期間のうち少なくとも一方、並びに、第1操作指示演出が実行される期間において、第2操作指示演出の実行が制限されるように構成すればよい。これによっても、第1演出ボタン63aの操作(第1所定操作)の効果の効果が損なわれにくくなり、第1所定操作の効果を遊技者に実感させやすくすることが可能となる。このことは、当落分岐タイミングで第2操作指示演出が実行される場合の第1操作指示演出の実行の制限についても同様である。
【0424】
ここで、操作指示演出(第1操作指示演出、第2操作指示演出)の決定や実行に係る処理を実行する演出制御用マイコン91は、「第1操作指示演出実行手段」及び「第2操作指示演出実行手段」として機能するものである。第1操作指示演出実行手段及び第2操作指示演出実行手段の何れか一方又は両方を指して「操作指示演出実行手段」ともいう。
【0425】
図42に戻り、次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。予告演出とは、現在実行中の変動表示に関する示唆や、現在記憶されている保留(後に実行される変動表示)に関する示唆を行う演出のことであり、例えば、現在実行中の変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性(特別遊技状態に制御される期待度)や、後に実行される変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性(特別遊技状態に制御される期待度)、現在実行中の変動演出や後に実行される変動演出に関しその演出内容(変動演出パターン)等を示唆する演出である。予告演出のことを「示唆演出」ともいう。
【0426】
本実施例のパチンコ遊技機1では、S4395で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(「保留先読み予告」ともいう。)や、現在(今回)の変動表示(「当該変動」ともいう。)に係る予告演出(「当該変動予告」ともいう。)など、種々の予告演出が実行可能となっており、このことに対応して複数の予告演出パターンが設けられている。予告演出は、例えば、期待度を示唆する画像(「予告画像」、「予告情報」、「示唆画像」又は「示唆情報」ともいう。)を表示画面7aに表示すること(「予告表示」又は「示唆表示」ともいう。)により行われる。また、表示演出(予告表示)の他、音演出や光演出、可動演出によっても予告演出を行うことが可能であり、これら各演出の組み合わせにより行うことも可能である。つまり、予告演出パターン(示唆演出パターン)には、表示演出や音演出、発光演出、可動演出等の実行態様が含まれる。予告演出を実行する場合、一の特図保留や一の変動表示に対し、複数種の予告演出のうち一の予告演出(一種類の予告演出)を実行することもあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を実行することもある。二以上の予告演出を実行する場合、例えば、変動表示中の同時期に二以上の予告演出を実行することもあれば、変動表示中の複数のタイミング(実行時期)で予告演出を一つずつ実行することもある。
【0427】
S4506では、各予告演出について実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の演出態様(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
【0428】
予告演出決定テーブルは複数設けられており、S4395で記憶される演出保留情報の記憶内容(事前判定結果)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示(当該変動)に係る当否判定結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示(当該変動)に係る変動パターンや停止図柄等)に応じて、S4506で使用(参照)するテーブルが決まるように構成されている。つまり、S4506では、事前判定結果(保留先読み結果)や当該変動に係る当否判定結果、変動パターン等に基づいて、予告演出パターン(演出態様)が乱数抽選により決定される(演出態様決定手段)。
【0429】
本実施例のパチンコ遊技機1は、識別情報(特別図柄及び/又は演出図柄)の変動表示(変動遊技)を開始してから終了するまでの変動期間において実行可能な予告演出(示唆演出)、すなわち、当該変動予告として、少なくとも、所定期間の経過を表示するタイマ演出と、識別情報の変動表示を開始するとき(第1所定時期)に実行可能な予告演出(「変動開始時予告」ともいう。)と、変動表示中(変動期間中)のリーチが成立したとき(第2所定時期)に実行可能な予告演出(「リーチ成立時予告」ともいう。)と、変動表示中(変動期間中)のNMリーチ演出からSPリーチ演出に発展するとき(第2所定時期)に実行可能な予告演出(「SP発展時予告」ともいう。)と、を備えている。タイマ演出のことを「期間演出」ともいい、変動開始時予告のことを「第1示唆演出」ともいい、リーチ成立時予告のことを「第2示唆演出」ともいい、SP発展時予告のことを「第2示唆演出」又は「第3示唆演出」ともいう。タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告については後述する。
【0430】
予告演出設定処理(S4506)は、演出図柄8の変動表示(変動演出)の開始を契機として当該変動表示中(当該変動演出中)を含めた所定時期に実行可能な予告演出(保留先読み予告、当該変動予告)に関する処理を行うものであり、ここでの処理に係る予告演出には、始動入球の発生に伴う保留アイコン予告(保留先読み予告の一種)は含まれないものとなっている。すなわち、始動入球の発生に伴う保留アイコン予告の設定に係る処理は、予告演出設定処理(S4506)でなく、後述の保留アイコン予告処理(S4400)で行うものとしている。
【0431】
ここで、演出保留情報(先読み情報)に基づいて実行される予告演出(保留先読み予告)のことを「先読み演出」ともいい、特
図1演出保留情報(第1先読み情報)に基づいて実行される予告演出のことを「第1先読み演出」ともいい、特
図2演出保留情報(第2先読み情報)に基づいて実行される予告演出のことを「第2先読み演出」ともいう。
【0432】
予告演出設定処理(S4506)では、保留先読み予告(先読み演出)について、実行有無の判定及び予告演出パターンの設定を、前述の予告演出制限フラグがOFFの場合に行い、予告演出制限フラグがONの場合には行わないものとしている。すなわち、前述のように演出保留情報の記憶に異常がある場合、保留先読み予告の実行が制限(禁止)される。一方、当該変動予告については、予告演出制限フラグの設定状況に関係なく、実行有無の判定及び予告演出パターンの設定を行うものとしている。このため、保留先読み予告についてはその実行が制限(禁止)されることがある一方、当該変動予告についてはその実行が制限(禁止)されることはない。これにより、保留先読み予告の実行が制限されたとしても当該変動予告は実行可能であるため、演出効果の低下を抑制することが可能である。
【0433】
次いでS4507の処理を行い、変動演出開始処理(S4402)を終える。S4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターンに基づく変動演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4507)。
【0434】
S4507でセットした変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわち、S4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわち、S4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、判定図柄表示領域7cに表示される判定図柄8sの変動表示も実行する。さらに、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターンや予告演出パターンに基づいて、音演出や光演出、可動演出(ギミック演出)等の各種演出が、対応する演出装置(スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66、可動演出部材14等)により実行される。
【0435】
[保留アイコン予告処理]
次に、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したこと(S4390でYES)に基づいて演出制御用マイコン91が実行する保留アイコン予告処理(S4400)について説明する。
【0436】
図43に示すように、保留アイコン予告処理(S4400)では、まず、予告演出制限フラグがOFFであるか否かを判定する(S4600)。前述したように予告演出制限フラグは、S4395による演出保留情報の記憶(記憶内容)に異常がある場合、S4399でONされるフラグであり、予告演出制限フラグがONの場合には、演出保留情報(始動入球コマンドにより特定される事前判定結果情報)に基づく演出の実行が制限される。保留アイコン予告は、演出保留情報(事前判定結果情報)に基づく演出(先読み演出)の一種であるので、予告演出制限フラグの設定状況を判定(確認)するのである。
【0437】
S4600で予告演出制限フラグがOFFでないと判定した場合(S4600でNO)、すなわち、予告演出制限フラグがONである場合、S4601以降の処理を行うことなく本処理を終える。これにより、予告演出制限フラグがONとなっている間は、新たに保留アイコン予告が実行(開始)されることはない(新たな保留アイコン予告の実行が制限される)。これに対し、S4600で予告演出制限フラグがOFFであると判定した場合(S4600でYES)、保留アイコン予告フラグがOFFであるか否かを判定する(S4601)。
【0438】
保留アイコン予告フラグは、保留アイコン予告を実行中であるか否かを示すフラグであり、保留アイコン予告を実行する場合に後述のS4606でONされ、保留アイコン予告の実行契機となった特図保留(「予告対象保留」ともいう。)に対応する変動表示(変動遊技)の終了に基づいてOFFされる。このため、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c又は第2演出保留表示領域9d)に予告表示態様で表示された演出保留が変動保留表示領域9eに移動した場合、当該演出保留(予告対象保留)に対応する変動表示(変動遊技)が終了するまでは、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に新たに演出保留が表示(追加表示)されたとしても、新たな演出保留が予告表示態様で表示されることはない。これにより、現在実行中の変動遊技(予告対象保留に対応する変動遊技)について大当りへの期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
【0439】
なお、保留アイコン予告の実行契機となった特図保留に対応する変動表示(変動遊技)の開始(特図保留の消化)に伴って保留アイコン予告がOFFされるようにしてもよい。この場合、変動保留表示領域9eに演出保留が予告表示態様で表示された状態で、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に新たに表示(追加表示)される演出保留が予告表示態様で表示可能となるため、現在実行中の変動遊技に加え、後続の特図保留(予告対象保留)に対応する変動遊技についても遊技者に期待感を抱かせることが可能となる。
【0440】
S4601で保留アイコン予告フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S4601でNO)、現在、保留アイコン予告を実行中であるため、S4602以降の処理を行うことなく本処理を終える。このため、本実施例では保留アイコン予告の実行中、新たに記憶(追加記憶)された特図保留(後の特図保留)を対象とする保留アイコン予告が実行されることはない。すなわち、保留アイコン予告の実行中において、新たな保留アイコン予告の実行が制限される。このため、演出保留表示領域に予告表示態様の演出保留が2以上表示されることはない。これにより、保留アイコン予告の重複を防止して、実行中の保留アイコン予告(予告対象保留)に対応する変動遊技に遊技者の興味を惹きつけて、当該変動遊技に対する期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
【0441】
なお、本実施例では、予告演出制限フラグがONである場合や保留アイコン予告フラグがONである場合には、保留アイコン予告が新たに実行(追加)されることはないものとしているが、この他にも、保留アイコン予告が新たに実行されることのないようにするための条件(保留アイコン予告制限条件)を定めてもよい。例えば、第1始動入球時の特
図1保留球数(始動入球により1加算した後の保留球数)が所定数未満(例えば「2」未満)である場合には、保留アイコン予告の実行期間や演出効果等の観点から、保留アイコン予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。
【0442】
また、保留アイコン予告フラグを設けず、保留アイコン予告の実行中に後の特図保留を対象とする保留アイコン予告が実行可能となるようにしてもよい。すなわち、演出保留表示領域に予告表示態様の演出保留が2以上表示され得る構成としてもよい。
【0443】
S4601で保留アイコン予告フラグがOFFであると判定した場合(S4601でYES)、保留アイコン予告決定テーブルをセットし(S4602)、保留アイコン予告決定用乱数による判定を行う(S4603)。
【0444】
保留アイコン予告決定テーブルは、保留アイコン予告の実行有無及び保留アイコン予告を実行する場合の予告パターン(保留アイコン予告パターン)を決定する際に参照するテーブルであり、例えば、
図49に示すように構成される。保留アイコン予告決定用乱数は、演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~199」の範囲で値をとる。
一例であり
【0445】
本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技状態が低確低ベース状態である場合、すなわち、第1特別図柄の変動表示(第1変動遊技)が主として実行される低ベース状態である場合、第1演出保留9aによる保留アイコン予告(「第1保留アイコン予告」ともいう。)を実行することが可能となっている。また、遊技状態が低確高ベース状態である場合と高確高ベース状態である場合、すなわち、第2特別図柄の変動表示(第2変動遊技)が主として実行される高ベース状態である場合、第2演出保留9bによる保留アイコン予告(「第2保留アイコン予告」ともいう。)を実行することが可能となっている。このことに対応して、S4602では、現在の遊技状態が低ベース状態である場合には第1保留アイコン予告に関する決定(判定)を行うための保留アイコン予告決定テーブルをセットし、高ベース状態である場合には第2保留アイコン予告に関する決定(判定)を行うための保留アイコン予告決定テーブルをセットする。
【0446】
図49に示す保留アイコン予告決定テーブルは、低ベース状態での第1保留アイコン予告に関する決定に用いるテーブル(第1保留アイコン予告用)の一例である。同図に示すように、本実施例の保留アイコン予告決定テーブルは、前述のS4395で新たに記憶した演出保留情報(新たに取得された特図保留に対応する演出保留情報)に基づいて特定可能な事前判定結果を「大当り」、「SPリーチ外れ」、「ノーマルリーチ外れ」及び「リーチなし外れ」に区別して、それぞれの事前判定結果について保留アイコン予告決定用乱数値を、「非実行」及び低確低ベース状態(非時短状態)で実行可能とされる保留アイコン予告の「予告パターンA~E」のそれぞれに割り当てて構成される。
【0447】
なお、
図49に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。また、同テーブル中の「非実行」は、保留アイコン予告を実行しない旨(保留アイコン予告非実行パターン)を意味し、同テーブル中の「-」は、保留アイコン予告決定用乱数値が割り当てられていないこと、すなわち、「-」に対応する予告パターンは選択されない(選択対象でない)ことを意味する。
【0448】
保留アイコン予告決定用乱数は、例えば、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留アイコン予告に係る判定を行うタイミング(S4603)で取得可能である。そして、取得された保留アイコン予告決定用乱数の判定(S4603)を、S4602でセットした保留アイコン予告決定テーブルを用いて行う。
【0449】
例えば、低確低ベース状態において、第1始動入球に基づき取得された保留アイコン予告決定用乱数値が「175」である場合、
図49に示す保留アイコン予告決定テーブルを参照し、新たに記憶された特図保留(ここでは第1特図保留)の事前判定結果が大当りであれば「予告パターンE」に決定され、事前判定結果がSPリーチ外れであれば「予告パターンC」に決定され、事前判定結果がノーマルリーチ外れであれば「予告パターンA」に決定され、事前判定結果がリーチなし外れであれば「非実行」に決定される。
【0450】
低ベース状態(非時短状態)の事前判定結果に関し、大当りは、特別図柄当否判定に係る事前判定の結果が大当りで特図変動パターンがP1、P2及びP3の何れか(変動時間が45000ms以上の変動パターン)の場合であり、SPリーチ外れは、特別図柄当否判定に係る事前判定の結果が外れで特図変動パターンがP4、P5及びP6の何れか(変動時間が45000ms以上の変動パターン)の場合であり、ノーマルリーチ外れは、特別図柄当否判定に係る事前判定の結果が外れで特図変動パターンがP7(変動時間が30000msの変動パターン)の場合であり、リーチなし外れは、特別図柄当否判定に係る事前判定の結果が外れで特図変動パターンがP8、P9及びP10の何れか(変動時間が12000ms以下の変動パターン)の場合である(
図9Aを参照)。なお、高ベース状態(時短状態)の事前判定結果(大当り、SPリーチ外れ、ノーマルリーチ外れ、リーチなし外れ)については、低ベース状態(非時短状態)と同様に考えることができるので(
図9Bを参照)、説明を省略する。
【0451】
ここで、
図49に示す保留アイコン予告決定テーブルに基づき設定可能とされる保留アイコン予告パターン及び保留アイコン予告について説明する。本実施例では、演出保留表示領域9c、9d及び変動保留表示領域9eに表示可能な保留アイコン(演出保留9a,9b)として、表示態様が異なる複数種の保留アイコンが設けられている。具体的には、
図55に示すように、保留アイコン予告が実行されていないときの表示態様(「通常表示態様」ともいう。)とされる通常保留アイコンと、保留アイコン予告が実行されるときの表示態様(「予告表示態様」ともいう。)とされる特別保留アイコンとが設けられている。通常保留アイコン及び特別保留アイコンは、それぞれ1種類又は2種類以上(複数種)設けることができる。通常保留アイコンのことを「通常保留表示」又は「通常記憶表示」ともいい、特別保留アイコンのことを「特別保留表示」又は「特別記憶表示」ともいう。
【0452】
通常保留アイコン(保留アイコンの通常表示態様)は、例えば、所定の色や形状等で構成される保留図柄(演出保留画像)とすることができ、保留数を表す文字、数字、記号等を含むものとしてもよい。
【0453】
特別保留アイコン(保留アイコンの予告表示態様)は、例えば、通常保留アイコン(通常表示態様)と比較して色、大きさ、形状(デザイン)等を異ならせたり、通常保留アイコン(通常表示態様)に対してキャラクタやアイテム、文字、記号等の特別な表示を付加したりする等して構成される保留図柄(演出保留画像)とすることができる。すなわち、特別保留アイコンは、通常保留アイコンよりも視覚的に目立つ態様とされる。
【0454】
図55に示すように、本実施例では、通常保留アイコン(通常表示態様)として、白色の丸形状の保留図柄を備えている。また、特別保留アイコン(予告表示態様)として、青色、緑色又は赤色の丸形状の保留図柄と、デジタル表示のタイマを模したタイマ形状の保留図柄とを備えている。タイマ形状の保留図柄には、表示サイズが相対的に小さいものと大きいものとがある。白色の丸形状の保留図柄(通常保留アイコン)のことを「白保留」ともいい、青色の丸形状の保留図柄(特別保留アイコンの一種)のことを「青保留」ともいい、赤色の丸形状の保留図柄(特別保留アイコンの一種)のことを「赤保留」ともいう。また、タイマ形状の保留図柄(特別保留アイコンの一種)のことを「タイマ保留」ともいい、そのうち表示サイズが相対的に小さいタイマ保留のことを「小タイマ保留」ともいい、表示サイズが相対的に大きいタイマ保留のことを「大タイマ保留」ともいう。また、保留アイコン(演出保留)による予告演出(保留アイコン予告、先読み演出)やタイマ保留を表示して行う予告演出(タイマ保留による保留アイコン予告)のことを「特定演出」ともいう。
【0455】
図49に示す保留アイコン予告テーブルにおける予告パターン(保留アイコン予告パターン)のうち、予告パターンAは保留アイコンの表示態様を青保留とするパターンであり、予告パターンBは保留アイコンの表示態様を緑保留とするパターンであり、予告パターンCは保留アイコンの表示態様を赤保留とするパターンであり、予告パターンDは保留アイコンの表示態様を小タイマ保留とするパターンであり、予告パターンEは保留アイコンの表示態様を大タイマ保留とするパターンである。
【0456】
本実施例では、保留アイコンの色変化や形状変化(本実施例ではタイマ)による特別保留アイコンの表示態様によって、予告対象保留が大当り保留である可能性、すなわち、予告対象保留の消化による変動演出で大当りとなる可能性(つまり、大当りの期待度)を示唆するように構成されている。具体的には、
図49に示す保留アイコン予告決定テーブルで定められる事前判定結果ごとの予告パターンの選択率(選択割合、決定割合)により、保留アイコンの色変化による場合、青保留(予告パターンA)、緑保留(予告パターンB)、赤保留(予告パターンC)の順で期待度が高くなるように構成され、保留アイコンの形状変化による場合、小タイマ保留、大タイマ保留の順で期待度が高くなるように構成される。
【0457】
また、タイマ保留は、予告対象保留の期待度の他、予告対象保留の消化による変動演出で後述のタイマ演出が実行される可能性があることを示唆するものでもある。すなわち、タイマ保留は、タイマ演出の実行に関する示唆を行うものとして機能する。このため、本実施例では、タイマ保留の表示態様(タイマ形状の保留図柄の表示態様)を、時間表示の部分が「??:??」とされる態様(「待機表示態様」ともいう。)としている。特図保留(保留記憶)に対応する保留アイコンとしてタイマ保留が表示される時点では、タイマ演出は実行(開始)されていないからである。
【0458】
以上のような保留アイコン予告により、保留アイコン予告が実行される場合の保留アイコンの表示態様やタイマ演出の実行有無に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0459】
図43に戻り、S4603の判定の結果、保留アイコン予告を実行しない場合(S4604でNO)、S4605以降の処理を行うことなく本処理を終え、保留アイコン予告を実行する場合(S4604でYES)、保留アイコン予告テーブルに基づき決定(選択)された保留アイコン予告パターン(予告パターンA~Eの何れか)を設定する(S4605)。
【0460】
次いでS4606では、保留アイコン予告フラグをONにする(S4606)。本実施例では、保留アイコン予告パターンの種類(予告パターンA~E)に応じて保留アイコン予告フラグが設けられている。このため、例えば、S4605で設定した(S4603の判定により決定された)保留アイコン予告パターンが予告パターンBである場合、予告パターンBに対応する保留アイコン予告フラグをONにし、予告パターンEである場合、予告パターンEに対応する保留アイコン予告フラグをONにする。
【0461】
次いでS4607では、今回の保留アイコン予告の実行対象である特図保留(予告対象保留)が記憶されたことによる1加算後の特図保留球数に相当する値を保留アイコン予告カウンタにセットする(S4607)。例えば、特
図1始動入球コマンドを受信したとき(S4390)の特
図1保留球数、すなわち、第1始動入球の発生により1加算した後の特
図1保留球数が「3」である場合、保留アイコン予告カウンタに値「3」をセットする。保留アイコン予告カウンタにセットする値は、主制御基板80から送信される特図保留球数コマンド(S2502を参照)に基づき特定することも可能である。
【0462】
S4607でセットした保留アイコン予告カウンタの値は、以後、当該カウンタをセットする契機となった特図保留と同種の特図(例えば、第1特図保留であれば第1特別図柄)の変動表示が開始されるごとに1減算される。
【0463】
次いで、S4605で設定した保留アイコン予告パターンに基づく保留アイコン予告の実行を指示する保留アイコン予告コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4608)、本処理を終える。
【0464】
S4608でセットした保留アイコン予告コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した保留アイコン予告コマンドに基づき特定される保留アイコン予告パターン、すなわちS4605で設定された保留アイコン予告パターンに対応する保留アイコン予告用の画像データ(演出保留画像データ等)を画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによる保留アイコン予告を画像表示装置7の表示画面7a上(演出保留表示領域、変動保留表示領域)で実行する。
【0465】
以上では、保留アイコン予告処理(S4400)について、主に、低ベース状態での保留アイコン予告テーブルに基づく保留アイコン予告(第1保留アイコン予告)を例に説明してきたが、高ベース状態での保留アイコン予告(第2保留アイコン予告)についても同様にして行うことができる。
【0466】
なお、低ベース状態と高ベース状態とで、保留アイコン予告テーブルの構成、すなわち、保留アイコン予告の実行割合や各予告パターンの選択率(実行割合)を同じにしてもよいし異ならせてもよい。また、低ベース状態と高ベース状態とで、保留アイコン予告パターン(保留アイコンの予告表示態様)の内容や種類、数などを同じにしてもよいし異ならせてもよい。また、保留アイコン予告パターンの種類(数)は本実施例より多くしてもよいし少なくしてもよい。また、第1演出保留9a(第1保留アイコン)と第2演出保留9b(第2保留アイコン)とで、表示態様(通常表示態様及び/又は予告表示態様)を同じにしてもよいし異ならせてもよい。
【0467】
ここで、保留アイコン予告処理(S4400)を実行する演出制御用マイコン91は「特定演出実行手段」として機能するものである。
【0468】
[当該変動予告]
前述のように、本実施例のパチンコ遊技機1は、当該変動予告(予告演出)として、タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告を実行することが可能となっている。以下では、それらの予告演出について説明する。
【0469】
タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告は、少なくとも低確低ベース状態(非時短状態)で行われる識別情報の変動表示(変動遊技)について実行可能とされる予告演出(示唆演出)である。つまり、少なくとも低確低ベース状態(非時短状態)で実行可能とされる予告演出(示唆演出)である。したがって、タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告に関する以下の説明では、低確低ベース状態(非時短状態)において第1特別図柄の変動表示が実行される(第1特図保留が消化される)場合を前提とする。
【0470】
一の変動表示(変動期間)にて当該変動予告が実行される場合、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告のうち、何れか1つが実行されることもあれば、2以上が実行されることもあり、全部が実行されることもある。つまり、当該変動予告が実行される場合、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告のうち少なくとも1つが、一の変動表示(変動期間)にて実行可能とされる。
【0471】
また、詳細には後述するが、タイマ演出は、リーチ成立やSPリーチ演出発展に至るまでの時間(残り時間)を表示するものであることから、一の変動表示(変動期間)にてタイマ演出が実行される場合には、当該変動表示(当該変動期間)にてリーチ成立時予告が実行されたりSP発展時予告が実行されたりする。一の変動表示(変動期間)にてタイマ演出及びリーチ成立時予告が実行される場合、タイマ演出は、リーチ成立時予告が実行されるまでの時間(残り時間)を表示する演出としても機能する。この場合、タイマ演出で表示される時間(残り時間)の経過後にリーチ成立時予告が実行されることになる。また、一の変動表示(変動期間)にてタイマ演出及びSP発展時予告が実行される場合、タイマ演出は、SP発展時予告が実行されるまでの時間(残り時間)を表示する演出としても機能する。この場合、タイマ演出で表示される時間(残り時間)の経過後にSP発展時予告が実行されることになる。
【0472】
[タイマ演出]
本実施例のパチンコ遊技機1は、変動期間中の予め定められた複数の実行時期のうち何れかの実行時期に、タイマ演出(期間演出)を実行することが可能となっている。
【0473】
タイマ演出の実行パターンには、演出図柄8(及び特別図柄)の変動表示の開始に伴ってタイマ表示(所定期間の経過表示)を開始する実行パターンAと、演出図柄8の変動開始後、第1停止図柄の停止(仮停止)に伴ってタイマ表示(所定期間の経過表示)を開始する実行パターンBと、演出図柄8の変動開始後、リーチ成立に伴ってタイマ表示(所定期間の経過表示)を開始する実行パターンCとがある(
図50(4)を参照)。
【0474】
実行パターンAは、変動期間のうち変動開始時にタイマ演出(タイマ表示)を実行開始するもので、リーチが成立するまでの残り時間(本実施例では10秒)をカウントダウン形式で表示(カウントダウン表示)するものである(
図57(2)を参照)。すなわち、実行パターンAによるタイマ演出の実行時期(実行期間)は、変動期間のうち変動開始からリーチ成立までの約10秒間である。
【0475】
実行パターンBは、変動期間のうち第1停止図柄の停止時にタイマ演出(タイマ表示)を実行開始するもので、SPリーチに発展するまでの残り時間(本実施例では21秒)をカウントダウン形式で表示(カウントダウン表示)するものである(
図58(2)を参照)。すなわち、実行パターンBによるタイマ演出の実行時期(実行期間)は、変動期間のうち第1停止図柄の停止からSPリーチ発展までの約21秒間である。
【0476】
実行パターンCは、変動期間のうちリーチ成立時にタイマ演出(タイマ表示)を実行開始するもので、SPリーチに発展するまでの残り時間(本実施例では20秒)をカウントダウン形式で表示(カウントダウン表示)するものである(
図59(2)を参照)。すなわち、実行パターンCによるタイマ演出の実行時期(実行期間)は、変動期間のうちリーチ成立からSPリーチ発展までの約20秒間である。
【0477】
実行パターンAのタイマ演出は、リーチが成立するまでの残り時間を表示するものであるため、特図変動パターンP1~P7(
図9Aを参照)に基づく変動表示(リーチ変動演出)で実行され得る。
【0478】
実行パターンB及びCのタイマ演出は、いずれもSPリーチに発展するまでの残り時間を表示するものであるため、特図変動パターンP1~P6(
図9Aを参照)に基づく変動表示(SPリーチ変動演出)で実行され得る。なお、実行パターンBのタイマ演出の方が実行パターンCのタイマ演出よりも実行開始(タイマ作動開始)のタイミングが早いため、タイマ演出で表示するSPリーチ発展までの残り時間は互いに異なるものとされる。
【0479】
本実施例では、以上の実行パターンA~Cの何れかに基づいてタイマ演出が実行可能とされる。すなわち、変動開始から約10秒間(実行パターンA)、第1停止図柄の停止から約21秒間(実行パターンB)、リーチ成立から約20秒間(実行パターンC)のうち、何れかの期間に亘ってタイマ演出が実行可能とされる。そして、タイマ演出の実行パターン、すなわち、タイマ演出が実行される場合のタイマ演出の実行開始タイミングにより期待度を示唆することが可能となっている。
【0480】
また、タイマ演出の表示パターンには、タイマ表示の色(表示色)が青色とされる表示パターンAと、タイマ表示の色(表示色)が緑色とされる表示パターンBと、タイマ表示の色(表示色)が赤色とされる表示パターンCとがあり(
図50(5)を参照)、表示パターン(表示色)により期待度を示唆することが可能となっている。
【0481】
前述のように、タイマ演出は当該変動予告(予告演出)として実行可能な演出であることから、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4402)のなかの予告演出設定処理(S4506)において、タイマ演出の実行有無や、タイマ演出を実行する場合の実行パターン及び表示パターンを決定するための処理を行う。具体的には、
図44に示すタイマ演出処理(S5000)を行う。
【0482】
図44に示すように、タイマ演出処理(S5000)では、まず、保留アイコン予告フラグがOFFであるか否か、すなわち、保留アイコン予告が実行中であるか否かを判定する(S5001)。保留アイコン予告フラグは、前述のS4606(
図43を参照)でONされるフラグである。その結果、保留アイコン予告フラグがOFFである(保留アイコン予告が実行されていない)と判定した場合(S5001でYES)、
図50(1)に示すタイマ演出実行判定テーブルAをセットする(S5002)。本実施例では、保留アイコン予告が実行されていない場合、タイマ演出が実行可能とされる。これにより、保留アイコン予告が実行されないことによる遊技興趣の低下の抑制を図ることが可能となる。
【0483】
これに対し、保留アイコン予告フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S5001でYES)、すなわち、保留アイコン予告が実行中である場合、保留アイコン予告カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(S5003)。保留アイコン予告カウンタは、前述のS4607(
図43を参照)でセットされるカウンタであり、S5003の判定処理時にそのカウント値が「1」である場合には、これから開始する今回の変動演出(変動表示)が、保留アイコン予告の実行契機となった第1特図保留(予告対象保留)に対応するものであるということになる。つまり、保留アイコン予告の対象保留(予告対象保留)を消化するタイミングが到来したということになる。
【0484】
保留アイコン予告カウンタの値が「1」でないと判定した場合(S5003でNO)、現在実行中の保留アイコン予告がタイマ保留によるものであるか否かを判定する(S5004)。S5004の判定は、例えば、保留アイコン予告の予告パターンA~E(
図49を参照)に応じて設けられる保留アイコン予告フラグの設定状況や、現在表示中の保留アイコンの表示状態(表示制御内容)を参照して行うことができる。
【0485】
S5004で、現在実行中の保留アイコン予告がタイマ保留によるものであると判定した場合(S5004でYES)、S5005以降の処理を行うことなく、本処理を終える。この場合、特
図1保留球数「2」~「4」の何れかに対応する第1特図保留について、タイマ保留による保留アイコン予告が実行されている(特別保留アイコンが表示されている)ことになる。本実施例では、そのような状況下でタイマ演出を実行しないようにしている。これは、例えば、特
図1保留球数「2」~「4」の何れかの第1特図保留について、特別保留アイコンとしてタイマ保留が表示されている場合において、そのタイマ保留(予告対象保留)が消化される前にタイマ演出が実行される(発生する)と、タイマ保留の意味合い(予告効果)が薄れてしまうからである。すなわち、タイマ保留は、当該タイマ保留による保留アイコン予告の実行契機(タイマ保留の表示契機)となった特図保留(予告対象保留)の消化による変動演出でタイマ演出が実行される可能性があることを示唆する機能を有しているところ、タイマ保留より前の特図保留の消化による変動演出でタイマ演出が実行されると、演出上の齟齬が生じるからである。
【0486】
これに対し、現在実行中の保留アイコン予告がタイマ保留によるものでないと判定した場合(S5004でNO)、
図50(1)に示すタイマ演出実行判定テーブルAをセットする(S5002)。本実施例では、保留アイコン予告が実行されていない場合のほか、保留アイコンの色変化による保留アイコン予告の実行中や、保留アイコンの色変化による保留アイコン予告の対象保留(「色変化予告対象保留」ともいう。)の消化による変動演出においても、タイマ演出が実行可能とされる。これにより、保留アイコンの色変化による保留アイコン予告の演出効果と相俟って遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0487】
一方、S5003で保留アイコン予告カウンタの値が「1」であると判定した場合(S5003でYES)、すなわち、これから開始される今回の変動演出が、保留アイコン予告の対象保留(予告対象保留)に対応する場合、換言すると、これから消化する第1特図保留が保留アイコン予告の対象保留である場合、その保留アイコン予告が小タイマ保留によるものであるか否かを判定し(S5005)、小タイマ保留によるものでないと判定した場合(S5005でNO)、その保留アイコン予告が大タイマ保留によるものであるか否かを判定する(S5007)。S5005及びS5007の判定も、S5004の判定と同様に、例えば、保留アイコン予告の予告パターンA~E(
図49を参照)に応じて設けられる保留アイコン予告フラグの設定状況や、現在表示中の保留アイコンの表示状態(表示制御内容)を参照して行うことができる。
【0488】
S5005で小タイマ保留によるものであると判定した場合(S5005でYES)、
図50(2)に示すタイマ演出実行判定テーブルBをセットし(S5006)、S5007で大タイマ保留によるものであると判定した場合(S5007でYES)、
図50(3)に示すタイマ演出実行判定テーブルCをセットする(S5008)。
【0489】
これに対し、S5005で小タイマ保留によるものでないと判定し(S5005でNO)、S5007で大タイマ保留によるものでないと判定した場合(S5007でNO)、
図50(1)に示すタイマ演出実行判定テーブルAをセットする(S5002)。
【0490】
次いでS5009では、S5002、S5006又はS5008でセットタイマ演出実行判定テーブル(タイマ演出実行判定テーブルA~Cの何れか)及びタイマ演出実行判定用乱数に基づいて、タイマ演出を実行するか否かを判定する(S5009)。
【0491】
ここで、本実施例のタイマ演出実行判定テーブルA~Cについて、
図50(1)~(3)を参照しながら説明する。なお、同図に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。
【0492】
タイマ演出実行判定テーブルA~Cは、いずれも、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターン(P1~P10、
図9Aを参照)について、タイマ演出実行判定用乱数値を「非実行」及び「実行」に割り当てて構成される。但し、タイマ演出実行判定テーブルC(
図50(3)を参照)は、特図変動パターンP1~P10のうちP5~P10を含まないものとなっている。これは、大タイマ保留による保留アイコン予告は、事前判定結果が「大当り」又は「SPリーチ外れ」の特図保留、すなわち、変動時間が45000ms以上(変動パターンP1~P6)となる特図保留について実行され得るものだからである(
図9A、
図49を参照)。
【0493】
タイマ演出実行判定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~99」の範囲で値をとる。
【0494】
なお、
図50(1)~(3)に示すテーブル中、「非実行」はタイマ演出を実行しない旨を意味し、「実行」はタイマ演出を実行する旨を意味する。また、同テーブル中の「-」は、タイマ演出実行判定用乱数値が割り当てられていないことを意味する。
【0495】
本実施例のタイマ演出実行判定テーブルによれば、「実行」に決定される割合(タイマ演出の実行割合)は、タイマ演出実行判定テーブルA及びBについては、これから開始される今回の変動演出に係る特図変動パターン、すなわち、前述のS4401で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)で特定される特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合が最も高く、以下、P4~P6(SPリーチ外れ変動)、P7(NMリーチ外れ変動)の順で低くなり、P8~P10(リーチ無し外れ変動)の場合は選択されない(タイマ演出が実行されない)ものとなる。また、タイマ演出実行判定テーブルCについては、特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合の方が、P4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合に比べ、「実行」に決定される割合(タイマ演出の実行割合)が高くなる。
【0496】
一方、「非実行」に決定される割合(タイマ演出の非実行割合)は、タイマ演出実行判定テーブルA及びBについては、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP8~P10(リーチ無し外れ変動)の場合が最も高く(本実施例では100%)、以下、P7(NMリーチ外れ変動)、P4~P6(SPリーチ外れ変動)、P1~P3(大当り変動)の順で、その割合は低くなる。また、タイマ演出実行判定テーブルCについては、特図変動パターンがP4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合の方が、P1~P3(大当り変動)の場合に比べ、「非実行」に決定される割合(タイマ演出の非実行割合)が高くなる。
【0497】
このため、変動演出でタイマ演出が実行された場合には、実行されない場合に比べ、当該変動演出でSPリーチ演出が実行される可能性(SP期待度)や大当りとなる可能性(大当り期待度)が高くなるように構成される。
【0498】
また、タイマ演出実行判定テーブルA~Cのなかで、「実行」に決定される割合(タイマ演出の実行割合)は、タイマ演出実行判定テーブルCが最も高く、以下、タイマ演出実行判定テーブルB、タイマ演出実行判定テーブルAの順で、その割合が低くなる。
【0499】
このため、保留アイコン予告が実行されていない状況で開始される変動演出や、タイマ保留以外(予告パターンA~C)の保留アイコン予告(本実施例では色変化)の対象保留が消化されることで開始される変動演出では、小タイマ保留(予告パターンD)による保留アイコン予告の対象保留(「小タイマ予告対象保留」ともいう。)が消化されることで開始される変動演出や、大タイマ保留(予告パターンE)による保留アイコン予告の対象保留(「大タイマ予告対象保留」ともいう。)が消化されることで開始される変動演出に比べ、タイマ演出が実行されにくくなる(タイマ演出の実行割合が低くなる)。換言すると、小タイマ予告対象保留が消化されることで開始される変動演出や、大タイマ予告対象保留が消化されることで開始される変動演出では、保留アイコン予告が実行されていない状況で開始される変動演出や、タイマ保留以外(予告パターンA~C)の保留アイコン予告の対象保留(色変化予告対象保留)が消化されることで開始される変動演出に比べ、タイマ演出が実行されやすくなる(タイマ演出の実行割合が高くなる)。
【0500】
そして、大タイマ予告対象保留が消化されることで開始される変動演出では、小タイマ予告対象保留が消化されることで開始される変動演出に比べ、タイマ演出が実行されやすくなる(タイマ演出の実行割合が高くなる)。つまり、タイマ保留の表示態様によって、タイマ演出の実行割合が異なるように構成される。
【0501】
このように、タイマ保留の表示状況(タイマ保留による保留アイコン予告の実行状況)に応じて、タイマ演出実行判定で使用するテーブルを異ならせることで、タイマ保留の表示態様に応じてタイマ演出の実行割合を異ならせることが可能となる。これにより、タイマ保留の表示態様(タイマ保留による保留アイコン予告の実行態様)や、タイマ保留が表示された後のタイマ演出の実行有無に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0502】
また、タイマ保留による保留アイコン予告の対象保留(「タイマ予告対象保留」ともいう。)が消化される場合であっても、タイマ演出実行判定テーブルB及びCではタイマ演出実行判定用乱数が「非実行」にも割り当てられているため、タイマ予告対象保留が消化されることで実行される変動演出においてタイマ演出が実行されないこともある。この場合、タイマ保留による保留アイコン予告はガセの予告ということになる。つまり、タイマ演出が実行されない場合にもタイマ保留による保留アイコン予告が実行可能とされる。これにより、タイマ保留による保留アイコン予告の実行が過度に制限されないようにして、演出効果の低下を抑制することが可能となる。
【0503】
なお、タイマ予告対象保留が消化されることで開始される変動演出では、保留アイコン予告が実行されていない状況で開始される変動演出や、色変化予告対象保留が消化されることで開始される変動演出に比べ、タイマ演出が実行されにくくなるようにしてもよい(タイマ演出の実行割合が低くなるようにしてもよい)。この場合、タイマ保留による保留アイコン予告が実行されなくても(タイマ保留が表示されなくても)、タイマ演出が実行されることはあるという印象を遊技者に与えることが可能となる。すなわち、タイマ保留が表示されなくてもタイマ演出の実行に期待を持たせることが可能となる。
【0504】
図44に戻り、タイマ演出実行判定(S5009)の結果、タイマ演出を実行しない場合には(S5010でNO)、S5011以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、タイマ演出を実行する場合には(S5010でYES)、
図50(4)に示すタイマ演出実行パターン決定テーブルをセットする(S5011)。
【0505】
次いでS5012では、S5011でセットしたタイマ演出実行パターン決定テーブル及びタイマ演出実行パターン決定用乱数に基づいて、今回の変動演出で実行するタイマ演出の実行パターンを決定し、これを設定する(S5012)。タイマ演出の実行パターンは、前述のように実行パターンA~Cの3種類が存在するため、S5012では、実行パターンA~Cの何れかを設定する。
【0506】
前述のように、実行パターンAは、変動期間のうち変動開始時にタイマ演出を実行開始するパターンであり、実行パターンBは、変動期間のうち第1停止図柄停止時にタイマ演出を実行開始するパターンであり、実行パターンCは、変動期間のうちリーチ成立時にタイマ演出を実行開始するものである。したがって、S5012の処理は、今回の変動演出で実行するタイマ演出の実行開始タイミング(実行時期)を決定して、これを設定する処理でもある。
【0507】
ここで、本実施例のタイマ演出実行パターン決定テーブルについて、
図50(4)を参照しながら説明する。なお、同図に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。
【0508】
図50(4)に示すように、本実施例のタイマ演出実行パターン決定テーブルは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンP1~P7(リーチ以上)について、タイマ演出実行パターン決定用乱数値を、「実行パターンA」、「実行パターンB」及び「実行パターンC」に割り当てて構成される。但し、特図変動パターンP7については、「実行パターンA」のみにタイマ演出実行パターン決定用乱数値を割り当てている。前述のように、実行パターンB及びCは何れも、SPリーチに発展するまでの残り時間を表示するものであるから、SPリーチ演出が実行されない特図変動パターンP7(NMリーチ外れ変動)に実行パターンB及びCは適応しないからである。
【0509】
タイマ演出実行パターン決定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~99」の範囲で値をとる。なお、
図50(4)に示すテーブル中の「-」は、タイマ演出実行パターン決定用乱数値が割り当てられていないこと、すなわち、「-」に対応する実行パターンは選択されない(選択対象でない)ことを意味する。
【0510】
本実施例のタイマ演出実行パターン決定テーブルは、特図変動パターンP8~P10を対象外としている。前述のタイマ演出実行判定テーブルA~Cにより、特図変動パターンP8~P10についてはタイマ演出が実行されないからである(
図50(1)~(3)を参照)。
【0511】
本実施例のタイマ演出実行パターン決定テーブルによれば、実行パターンAに決定される割合(実行パターンAによるタイマ演出の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターン(前述のS4401で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドで特定される特図変動パターン)がP7(NMリーチ外れ変動)の場合が最も高く、以下、P4~P6(SPリーチ外れ変動)、P1~P3(大当り変動)の順で、その割合は低くなる。また、実行パターンBに決定される割合(実行パターンBによるタイマ演出の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合とP4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合とで同じである。また、実行パターンCに決定される割合(実行パターンCによるタイマ演出の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合の方が、P4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合よりも高くなる。
【0512】
そして、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合、実行パターンCに決定される割合が最も高く、以下、実行パターンB、実行パターンAの順で決定される割合が低くなり、P4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合、実行パターンAに決定される割合が最も高く、以下、実行パターンB、実行パターンCの順で決定される割合が低くなり、P7(NMリーチ外れ変動)の場合、必ず(100%の割合で)実行パターンAに決定される(実行パターンB,Cに決定されることはない)。
【0513】
このため、実行パターンAによるタイマ演出、実行パターンBによるタイマ演出、実行パターンCによるタイマ演出の順、すなわち、変動期間のうち変動開始時に開始されるタイマ演出、第1停止図柄停止時に開始されるタイマ演出、リーチ成立時に開始されるタイマ演出の順で、大当りの期待度が高くなるように構成される。つまり、実行パターンAのタイマ演出は低期待度態様の予告演出(低期待度予告)であり、実行パターンBのタイマ演出は中期待度態様の予告演出(中期待度予告)であり、実行パターンCのタイマ演出は高期待度態様の予告演出(高期待度予告)である。
【0514】
また、変動期間において定められるタイマ演出が実行され得る複数のタイミング(本実施例では、変動開始時、第1停止図柄停止時、リーチ成立時)のうち特定のタイミング、例えば、変動開始時(実行パターンA)に着目すると、大当り変動の場合(特別遊技状態に制御される場合)と外れ変動の場合(特別遊技状態に制御されない場合)とで、変動開始時にタイマ演出が実行される割合(実行割合)が異なるように構成され、リーチ成立時(実行パターンC)に着目すると、大当り変動の場合(特別遊技状態に制御される場合)と外れ変動の場合(特別遊技状態に制御されない場合)とで、リーチ成立時にタイマ演出が実行される割合(実行割合)が異なるように構成される(
図50(4)を参照)。
【0515】
これにより、タイマ演出の実行(開始)タイミングに遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0516】
図44に戻り、S5012にてタイマ演出の実行パターンを設定したら、次いで、
図50(5)に示すタイマ演出表示パターン決定テーブルをセットし(S5013)、当該セットしたタイマ演出表示パターン決定テーブル及びタイマ演出表示パターン決定用乱数に基づいて、今回の変動演出で実行するタイマ演出の表示パターンを決定し、これを設定して(S5014)、本処理を終える。タイマ演出の表示パターンは、前述のように表示パターンA~Cの3種類が存在するため、S5014では、表示パターンA~Cの何れかを設定する。
【0517】
ここで、本実施例のタイマ演出表示パターン決定テーブルについて、
図50(5)を参照しながら説明する。なお、同図に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。
【0518】
図50(5)に示すように、本実施例のタイマ演出表示パターン決定テーブルは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンP1~P7について、タイマ演出表示パターン決定用乱数値を、「表示パターンA」、「表示パターンB」及び「表示パターンC」に割り当てて構成される。但し、特図変動パターンP7については、「表示パターンA」及び「表示パターンB」にタイマ演出表示パターン決定用乱数値を割り当てており、「表示パターンC」には割り当てていない。
【0519】
タイマ演出表示パターン決定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~99」の範囲で値をとる。なお、
図50(5)に示すテーブル中の「-」は、タイマ演出表示パターン決定用乱数値が割り当てられていないこと、すなわち、「-」に対応する表示パターンは選択されない(選択対象でない)ことを意味する。
【0520】
本実施例のタイマ演出表示パターン決定テーブルは、特図変動パターンP8~P10を対象外としている。前述のタイマ演出実行判定テーブルA~Cにより、特図変動パターンP8~P10についてはタイマ演出が実行されないからである(
図50(1)~(3)を参照)。
【0521】
本実施例のタイマ演出表示パターン決定テーブルによれば、表示パターンAに決定される割合(表示パターンAによるタイマ演出の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターン(前述のS4401で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドで特定される特図変動パターン)がP7(NMリーチ外れ変動)の場合が最も高く、以下、P4~P6(SPリーチ外れ変動)、P1~P3(大当り変動)の順で、その割合は低くなる。また、表示パターンBに決定される割合(表示パターンBによるタイマ演出の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合とP4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合とで同じであり、これらの場合よりもP7(NMリーチ外れ変動)の場合の方が低くなる。また、表示パターンCに決定される割合(表示パターンCによるタイマ演出の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合の方が、P4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合よりも高くなる。
【0522】
そして、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合、表示パターンCに決定される割合が最も高く、以下、表示パターンB、表示パターンAの順で決定される割合が低くなり、P4~P6(SPリーチ外れ変動)の場合、表示パターンAに決定される割合が最も高く、以下、表示パターンB、表示パターンCの順で決定される割合が低くなり、P7(NMリーチ外れ変動)の場合、実行パターンAに決定される割合の方が実行パターンBに決定される割合よりも高く、表示パターンCに決定されることはない。
【0523】
このため、表示パターンAによるタイマ演出、表示パターンBによるタイマ演出、表示パターンCによるタイマ演出の順、すなわち、青色のタイマ表示によるタイマ演出、緑色タイマ表示によるタイマ演出、赤色のタイマ表示によるタイマ演出の順で、大当りの期待度が高くなるように構成される。つまり、表示パターンAのタイマ演出(青色のタイマ表示)は低期待度態様の予告演出(低期待度予告)であり、表示パターンBのタイマ演出(緑色のタイマ表示)は中期待度態様の予告演出(中期待度予告)であり、表示パターンCのタイマ演出(赤色のタイマ表示)は高期待度態様の予告演出(高期待度予告)である。
【0524】
また、タイマ演出の複数の表示態様(本実施例では、青色のタイマ表示、緑色のタイマ表示、赤色のタイマ表示)のうち特定の表示態様、例えば、青色のタイマ表示(表示パターンA)に着目すると、大当り変動の場合(特別遊技状態に制御される場合)と外れ変動の場合(特別遊技状態に制御されない場合)とで、青色のタイマ表示によるタイマ演出が実行される割合が異なるように構成され、赤色のタイマ表示(表示パターンC)に着目すると、大当り変動の場合(特別遊技状態に制御される場合)と外れ変動の場合(特別遊技状態に制御されない場合)とで、赤色のタイマ表示(特定の表示態様)によるタイマ演出が実行される割合が異なるように構成される(
図50(5)を参照)。
【0525】
これにより、タイマ演出の表示態様(本実施例ではタイマ表示の色)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0526】
以上のS5011~S5014の処理によりタイマ演出の実行パターン及び表示パターンを設定することで、今回の変動演出で実行するタイマ演出の演出パターンが設定される。こうして設定されたタイマ演出の演出パターンは、前述のS4507でセットされる変動演出開始コマンドに含められ、当該変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した変動演出開始コマンドに基づき特定されるタイマ演出の演出パターン(実行パターン+表示パターン)に対応するタイマ演出用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによるタイマ演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0527】
例えば、タイマ保留による保留アイコン予告が実行されており、当該タイマ保留(予告対象保留)の消化による変動演出で実行パターンAによるタイマ演出が実行される場合、
図57(1)及び(2)に示すように、前回の変動演出(変動停止)に続く当該変動演出の開始(変動開始)に伴ってタイマ演出が開始される。具体的には、演出保留表示領域9cにタイマ保留が表示されている状態で変動演出が終了(変動停止)し(
図57(1)を参照)、次の変動演出が開始(タイマ保留が消化)されると、当該変動演出の開始前まで演出保留表示領域9cに表示されていたタイマ保留が、当該変動演出の開始(変動開始)に伴って変動保留アイコンとして変動保留表示領域9eに表示され(
図57(2)を参照)、タイマ演出が開始される。
【0528】
また、タイマ保留による保留アイコン予告が実行されており、当該タイマ保留(予告対象保留)の消化による変動演出で実行パターンBによるタイマ演出が実行される場合、
図58(1)及び(2)に示すように、当該変動演出の開始後、第1停止図柄の停止に伴ってタイマ演出が開始される。具体的には、タイマ保留の消化による変動演出の開始後、第1停止図柄が停止するまで、変動保留アイコンとしてのタイマ保留は待機表示態様(本実施例では「??:??」)で表示され(
図58(1)を参照)、第1停止図柄の停止に伴って、タイマ演出が開始される(
図58(2)を参照)。
【0529】
また、タイマ保留による保留アイコン予告が実行されており、当該タイマ保留(予告対象保留)の消化による変動演出で実行パターンCによるタイマ演出が実行される場合、
図59(1)及び(2)に示すように、当該変動演出の開始後、リーチ成立(リーチ図柄の停止)に伴ってタイマ演出が開始される。具体的には、タイマ保留の消化による変動演出の開始後、リーチが成立(第2停止図柄がリーチ図柄で停止)するまで、変動保留アイコンとしてのタイマ保留は待機表示態様(本実施例では「??:??」)で表示され(
図59(1)を参照)、リーチ成立に伴って、タイマ演出が開始される(
図59(2)を参照)。
【0530】
本実施例では、保留アイコンの表示態様をタイマ保留とする保留アイコン予告(予告パターンD,E)が実行可能であることから(
図49、
図55を参照)、タイマ保留による保留アイコン予告との連携を考慮して、変動保留表示領域9eに表示される変動保留アイコンの表示態様をタイマ形状(タイマ表示態様、タイマ演出画像)にしてタイマ演出を実行するようにしている(
図57(2)、
図58(2)、
図59(2)を参照)。具体的には、タイマ保留(予告対象保留)に対応する変動演出が開始され(タイマ保留が消化され)、当該変動演出の開始に伴ってタイマ演出が実行開始される場合、変動保留表示領域9eに表示されるタイマ演出画像を直ちにタイマ表示のカウントダウン表示が行われる態様(「作動表示態様」ともいう。)で表示する(
図57(1)、(2)を参照)。一方、当該変動演出の開始に伴ってタイマ演出が実行開始されない場合には、タイマ演出が実行開始されるまで、変動保留表示領域9eに表示されるタイマ演出画像を待機表示態様で表示し(
図58(1)、
図59(1)を参照)、タイマ演出が実行開始されるのに合わせて、変動保留表示領域9eに表示されるタイマ演出画像を作動表示態様で表示する(
図57(2)、
図58(2)、
図59(2)を参照)。これにより、タイマ保留による保留アイコン予告とタイマ演出とに関連性を持たせて演出効果を高めることが可能となる。
【0531】
なお、変動保留アイコンを用いずにタイマ演出を実行することも可能であり、例えば、表示画面7aのうち演出図柄表示領域7bや演出保留表示領域9c~9eを避けた位置にタイマ演出画像を表示してタイマ演出を実行するようにしてもよい。こうすれば、保留アイコン予告とタイマ演出とを区別して、それぞれの演出(予告演出)に遊技者を注目させることが可能となる。
【0532】
また、タイマ保留による保留アイコン予告が行われていない状況下で開始される変動演出(タイマ保留非表示時の変動演出)でタイマ演出を実行する場合と、タイマ保留(予告対象保留)の消化による変動演出でタイマ演出を実行する場合とで、タイマ演出の実行態様(タイマ演出態様)を異ならせてもよい。例えば、タイマ保留非表示時の状態から変動演出でタイマ演出を実行する場合には、表示画面7aのうち演出保留表示領域以外の領域にタイマ演出画像を表示する態様(第1タイマ演出態様)でタイマ演出を実行し(図示せず)、タイマ保留の消化による変動演出でタイマ演出を実行する場合には、
図57(2)等に示すように変動保留アイコンをタイマ形状(タイマ演出画像)として表示する態様(第2タイマ演出態様)でタイマ演出を実行するようにしてもよい。これにより、タイマ演出のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0533】
ここで、タイマ演出処理(S5000)を実行する演出制御用マイコン91は「期間演出実行手段」として機能するものである。
【0534】
[変動開始時予告]
本実施例のパチンコ遊技機1は、変動開始時予告として、ステップアップ予告(以下「SU予告」と表記することがある。)、セリフ予告、ボタン予告及び特別音予告の計4種類の予告を実行することが可能となっている。
【0535】
変動開始時予告は、変動演出(変動表示)の開始後、第1停止図柄(例えば左演出図柄8L)が停止(仮停止)するまで(本実施例では9秒)の間に行われる予告演出である。すなわち、変動開始時予告の実行期間は、変動開始から最大9秒が経過するまでの間である。SU予告、セリフ予告、ボタン予告及び特別音予告の実行期間(実行時間)は、それぞれ変動開始時予告の実行期間(本実施例では最大9秒)に収まるように設定すればよく、各予告で同じとしても異ならせてもよい。
【0536】
SU予告は、1段階目(の演出から複数段階目の演出までの複数の演出を段階的に行う予告演出であり、段階(ステップ)が進む(増える)につれて大当りの期待度が高くなる旨を示唆するものである。
【0537】
図60(1)~(3)に示すように、本実施例では、画像表示装置7の表示画面7aに、1段階目(ステップ1)から3段階目(ステップ3)までの各段階に対応する演出画像(段階画像)901~903を1段階目から順に表示することによりSU予告を行うものとしている。また、1段階目(ステップ1)、2段階目(ステップ2)、3階目(ステップ3)の順で、各段階の演出画像(段階画像)の表示サイズが大きくなる(変化する)ものとしており、各段階の演出画像(段階画像)の表示内容も異なる(変化する)ものとしている。
【0538】
SU予告には、1段階目(
図60(1)を参照)で終了するSU予告Aと、2段階目(
図60(2)を参照)で終了するSU予告Bと、3段階目(
図60(3)を参照)で終了するSU予告Cとがあり、SU予告A、SU予告B、SU予告Cの順で示唆する期待度が高くなる。すなわち、SU予告Aは低期待度態様の予告演出(低期待度予告)であり、SU予告Bは中期待度態様の予告演出(中期待度予告)であり、SU予告Cは高期待度態様の予告演出(高期待度予告)である。
【0539】
セリフ予告は、
図61に示すように、キャラクタが発するセリフを字幕形式であらわす演出画像(字幕表示)904を表示画面7aに表示して行う予告演出であり、演出画像904に含まれる字幕表示の色により期待度を示唆するものである。
【0540】
セリフ予告には、字幕表示の色が白色(白色字幕)とされるセリフ予告Aと、字幕表示の色が青色(青色字幕)とされるセリフ予告Bと、字幕表示の色が赤色(赤色字幕)とされるセリフ予告Cとがあり、セリフ予告A、セリフ予告B、セリフ予告Cの順で期待度が高くなるように構成される。すなわち、セリフ予告Aは低期待度態様の予告演出(低期待度予告)であり、セリフ予告Bは中期待度態様の予告演出(中期待度予告)であり、セリフ予告Cは高期待度態様の予告演出(高期待度予告)である。
【0541】
ボタン予告は、演出ボタンを用いて行う予告演出であり、演出ボタンの操作に基づいて実行される操作対応演出の内容(演出態様)により期待度を示唆するものである。本実施例では、第1演出ボタン63aを用いてボタン予告を行うものとしている。なお、第2演出ボタン63bを用いてボタン予告を行うようにしてもよい。
【0542】
具体的には、
図62(1)に示すように、第1演出ボタン63aを模した画像(ボタン画像)と操作受付期間を示す画像(ゲージ画像)とを含んで構成される演出画像(操作指示画像)905を表示画面7aに表示し、当該演出画像905に含まれるゲージ画像が示す操作受付期間内(例えば3秒以内)に第1演出ボタン63aが操作される(第1演出ボタン検知スイッチ63cが第1演出ボタン63aの操作を検知する)ことに基づいて、期待度を示唆する演出画像(示唆画像)を表示画面7aに表示するものとしている。
【0543】
図62(2)に示すように、ボタン予告には、第1演出ボタン63aの操作に基づいて「ファイト!」の文字をあらわす演出画像906(第1示唆画像)を表示するボタン予告Aと、第1演出ボタン63aの操作に基づいて「チャンス!」の文字をあらわす演出画像907(第2示唆画像)を表示するボタン予告Bと、第1演出ボタン63aの操作に基づいて「熱!!」の文字をあらわす演出画像908(第3示唆画像)を表示するボタン予告Cとがあり、ボタン予告A、ボタン予告B、ボタン予告Cの順で期待度が高くなる。すなわち、ボタン予告Aは低期待度態様の予告演出(低期待度予告)であり、ボタン予告Bは中期待度態様の予告演出(中期待度予告)であり、ボタン予告Cは高期待度態様の予告演出(高期待度予告)である。
図62(1)は、第1演出ボタン63aの操作に基づいて演出画像907(第2示唆画像)が表示された様子(中期待度予告)を示している。
【0544】
特別音予告は、スピーカ67から所定の効果音を出力して行う予告演出(音演出による予告演出)であり、当該効果音により大当り確定を示唆するものである。具体的には、例えば「キュインキュインキュイン」や「ピコンピコンピコン」といった効果音を出力するものである。特別音予告は、今回の変動演出(当該変動)が大当り変動である場合に限り出力され得るものであり、外れ変動では出力されない。したがって、特別音予告は、期待度100%の予告演出(「大当り確定予告」ともいう。)、すなわち、大当り遊技状態(特別遊技状態)に制御されること(大当り確定)を示唆する演出(「特別示唆演出」ともいう。)である。なお、大当り確定を示唆する予告演出(大当り確定予告)は特別音を出力するものに限られず、例えば、大当り確定を示唆する特別な演出画像(プレミア演出画像)を表示するもの(表示演出)としてもよい。
【0545】
前述のように、変動開始時予告は当該変動予告として実行可能な演出であることから、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4402)のなかの予告演出設定処理(S4506)において、変動開始時予告の実行有無や変動開始時予告を実行する場合の予告パターン(すなわち、変動開始時予告の予告パターン)を決定するための処理を行う。具体的には、
図45に示す変動開始時予告処理(S5100)を行う。変動開始時予告処理(S5100)は、前述のタイマ演出処理(S5000)に次いで行われる処理である。
【0546】
図45に示すように、変動開始時予告処理(S5100)では、まず、今回の変動演出について、タイマ演出の実行パターンとして実行パターンAが設定されたか否かを判定する(S5101)。タイマ演出を実行する場合、前述のS5012でタイマ演出の実行パターンが設定され、S5101では、前述のS5012で実行パターンAが設定されたか否かを判定する。この判定は、例えば、S5012によるタイマ演出実行パターンの設定内容を記憶するRAMの所定領域(設定内容記憶領域)を参照することにより行うことができる。
【0547】
タイマ演出の実行パターンとして実行パターンAが設定されたと判定した場合(S5101でYES)、すなわち、今回の変動演出でタイマ演出が変動開始から実行(開始)される場合、換言すると、変動開始から約10秒間に亘ってタイマ演出が実行される場合、
図51に示す変動開始時予告決定テーブルAをセットする(S5102)。一方、S5101で実行パターンAが設定されていないと判定した場合(S5101でNO)、すなわち、今回の変動演出でタイマ演出が変動開始時以外のタイミングで実行開始される場合又はタイマ演出が実行されない場合、
図52に示す変動開始時予告決定テーブルBをセットする(S5103)。
【0548】
なお、タイマ演出が変動開始時以外のタイミングで実行開始される場合の実行開始タイミングは、第1停止図柄の停止時又はリーチ成立時である。この場合のタイマ演出、すなわち、実行パターンB又はCによるタイマ演出は、実行パターンAによるタイマ演出(約10秒間:第1の所定期間)よりも長い期間(約21秒間又は約20秒間:第2の所定期間)に亘って実行されるものである。
【0549】
次いでS5104では、S5102又はS5103でセットした変動開始時予告決定テーブルに基づいて、変動開始時予告決定用乱数による判定を行う(S5104)。変動開始時予告決定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~199」の範囲で値をとる。
【0550】
変動開始時予告決定テーブルAは、タイマ演出が変動開始時に実行開始される場合に用いるテーブルであり、変動開始時予告決定テーブルBは、タイマ演出が変動開始時に実行開始されず、第1停止図柄の停止時又はリーチ成立時に実行開始される場合に用いるテーブルである。つまり、変動開始時予告決定テーブルBは、少なくともタイマ演出が変動開始時に実行開始されない場合に用いるテーブルである。なお
図51及び
図52に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。
【0551】
図51に示すように、本実施例の変動開始時予告決定テーブルAは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンであって、タイマ演出が実行され得る特図変動パターンP1~P7(
図9A、
図50を参照)について、変動開始時予告決定用乱数値を、「非実行」、「SU予告A~C」、「ボタン予告A~C」、「セリフ予告A~C」及び「特別音予告」のそれぞれに割り当てて構成される。
【0552】
図52に示すように、本実施例の変動開始時予告決定テーブルBは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンであって、タイマ演出が実行され得る特図変動パターンP1~P7及びタイマ演出が実行されない特図変動パターンP8~P10(
図9A、
図50を参照)について、変動開始時予告決定用乱数値を、「非実行」、「SU予告A~C」、「ボタン予告A~C」、「セリフ予告A~C」及び「特別音予告」のそれぞれに割り当てて構成される。
【0553】
なお、
図51及び
図52に示すテーブル中、「非実行」は変動開始時予告を実行しない旨(変動開始時予告非実行パターン)を意味し、同テーブル中の「-」は、変動開始時予告決定用乱数値が割り当てられていないこと、すなわち、「-」に対応する予告パターンは選択されない(選択対象でない)ことを意味する。
【0554】
本実施例の変動開始時予告決定テーブルAによれば、変動開始時予告の予告パターン(「変動開始時予告パターン」ともいう。)が「非実行」(変動開始時予告非実行パターン)に決定される割合は、今回の変動演出に係る特図変動パターン(前述のS4401で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドで特定される特図変動パターン)がP7(NMリーチ外れ変動)の場合が最も高く、以下、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P1~P3(大当り変動)の順で、その割合は低くなり、P1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合とP3(変動時間45000msの大当り変動)の場合とでその割合は同じである。
【0555】
また、変動開始時予告が実行される場合(「非実行」に決定されない場合)、変動開始時予告パターンの決定割合は以下のようになる。
【0556】
「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」に決定される割合(SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告Aの実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP7(NMリーチ外れ変動)の場合が最も高く、以下、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P3(変動時間45000msの大当り変動)、P1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の順で、その割合は低くなる。
【0557】
「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」に決定される割合(SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告Bの実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合とP3(変動時間45000msの大当り変動)の場合とで同じで最も高く、以下、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)、P7(NMリーチ外れ変動)の順で、その割合は低くなる。
【0558】
「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」に決定される割合(SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告Cの実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合が最も高く、以下、P3(変動時間45000msの大当り変動)、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)の順で、その割合は低くなり、P7(NMリーチ外れ変動)の場合は「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」に決定されない(決定割合0%)。
【0559】
「特別音予告」に決定されるのは、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3(大当り変動)の場合のみであり、P1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合とP3(変動時間45000msの大当り変動)とで、その決定割合(実行割合)は同じである。
【0560】
そして、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1,P2の場合、「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」に決定される割合が最も高く、以下、「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」、「特別音予告」、「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」の順で決定される割合が低くなり、P3の場合、「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」に決定される割合が最も高く、以下、「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」、「特別音予告」及び「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」の順で決定される割合が低くなる(「特別音予告」に決定される割合と「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」に決定される割合とは同じ)。
【0561】
また、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP4~P6の場合、「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」に決定される割合が最も高く、以下、「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」、「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」の順で決定される割合が低くなり、「特別音予告」に決定されることはない。
【0562】
また、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP7の場合、「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」に決定される割合の方が、「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」に決定される割合よりも高く、「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」に決定されたり「特別音予告」に決定されたりすることはない。
【0563】
一方、本実施例の変動開始時予告決定テーブルB(
図52を参照)によれば、変動開始時予告パターンが「非実行」(変動開始時予告非実行パターン)に決定される割合は、いずれの変動パターンの場合についても、変動開始時予告決定テーブルA(
図51を参照)よりも高くなっている。つまり、今回の変動演出において、少なくとも変動開始時にタイマ演出が実行開始されない場合、変動開始時予告が実行される割合は、変動開始時にタイマ演出が実行される場合に比べ低くなる。
【0564】
そして、変動開始時予告決定テーブルBにおいて、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP9,P10(リーチ無し短縮外れ変動)である場合、変動開始時予告の予告パターンは必ず「非実行」(変動開始時予告非実行パターン)に決定され、短縮外れ変動では当該変動予告が実行されることはない。また、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP8(リーチ無し外れ変動)である場合、変動開始時予告パターンは必ず「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」に決定される。
【0565】
また、変動開始時予告決定テーブルBにおいて、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P7(リーチ以上)である場合、「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」、「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」、「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」及び「特別音予告」のそれぞれの決定割合は、変動開始時予告決定テーブルAと比べて一部異なる(同じ場合と異なる場合とがある)ものの、それぞれの決定割合の高低関係は変動開始時予告決定テーブルAと同じである。
【0566】
以上のような変動開始時予告決定テーブルA,Bによれば、「SU予告A、セリフ予告A又はボタン予告A」、「SU予告B、セリフ予告B又はボタン予告B」、「SU予告C、セリフ予告C又はボタン予告C」、「特別音予告」の順で、大当りの期待度が高くなるように構成される。つまり、「SU予告A、セリフ予告A及びボタン予告A」は期待度が相対的に低い低期待度予告となり、「SU予告B、セリフ予告B及びボタン予告B」は期待度が中間の中期待度予告となり、「SU予告C、セリフ予告C及びボタン予告C」は期待度が相対的に高い高期待度予告となり、「特別音予告」は期待度100%の大当り確定予告となる。なお、期待度100%を高期待度に含める場合、特別音予告(大当り確定予告)は高期待度予告の一種といえる。
【0567】
そして、今回の変動演出(変動期間)において、実行パターンAによるタイマ演出が実行される(変動開始時にタイマ演出が実行開始される)場合と、実行パターンAによるタイマ演出が実行されない(変動開始時にタイマ演出が実行開始されない)場合とで、変動開始時予告の実行割合が異なるように構成される(
図51、
図52を参照)。すなわち、変動開始から第1停止図柄が停止するまでの期間(「変動序盤期間」ともいう。)において、タイマ演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、変動開始時予告を異なる割合で実行することが可能とされる。具体的には、変動開始時にタイマ演出が実行開始される場合の方が、変動開始時にタイマ演出が実行開始されない場合に比べ、変動開始時予告の実行割合が高くなるように構成される。すなわち、変動序盤期間においてタイマ演出が実行中である場合の方が、変動序盤期間においてタイマ演出が実行中でない場合に比べ、変動開始時予告を高い割合で実行することが可能とされる。
【0568】
これにより、変動開始時予告の実行有無や、変動開始時予告が実行される場合の当該予告の態様(示唆の内容)、変動開始時予告とタイマ演出との重複の有無等、変動演出(変動表示)が開始されるときの予告演出の状況に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。また、変動序盤期間に実行されるタイマ演出(低期待態様のタイマ演出)については変動開始時予告が重複して(同時期に)実行されやすくなるので、変動序盤期間の演出効果を高めることが可能となる。
【0569】
なお、変動開始時にタイマ演出が実行開始される場合の方が、変動開始時にタイマ演出が実行開始されない場合に比べ、変動開始時予告の実行割合が低くなるように構成してもよい。この場合、変動序盤期間に行われるタイマ演出に遊技者の興味を惹きやすくすることが可能となる。
【0570】
また、タイマ演出の実行期間に着目すると、今回の変動演出(変動期間)において、変動開始から約10秒間(第1の所定期間)に亘ってタイマ演出が実行される場合(実行パターンA)と、第1停止図柄の停止(仮停止)から約21秒間(第2の所定期間)又はリーチ成立から約20秒間(第2の所定期間)に亘ってタイマ演出が実行される場合(実行パターンB又はC)とで、変動開始時予告の実行割合が異なるように構成される。具体的には、タイマ演出の実行期間が相対的に短い実行期間(第1の所定期間)である場合(実行パターンAによるタイマ演出が実行される場合)の方が、タイマ演出の実行期間が相対的に長い実行期間(第2の所定期間)である場合(実行パターンB又はCによるタイマ演出が実行される場合)に比べ、変動開始時予告の実行割合が高くなるように構成される。これにより、実行期間が相対的に短いタイマ演出(低期待度態様のタイマ演出)については変動開始時予告が重複して(同時期に)実行されやすくなるので、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0571】
なお、タイマ演出の実行期間が相対的に短い実行期間(第1の所定期間)である場合の方が、タイマ演出の実行期間が相対的に長い実行期間(第2の所定期間)である場合に比べ、変動開始時予告の実行割合が低くなるように構成してもよい。この場合、実行期間が相対的に短いタイマ演出に遊技者の興味を惹きやすくすることが可能となる。
【0572】
図45に戻り、S5104の判定の結果、変動開始時予告を実行しない場合(S5105でNO)、S5106の処理を行うことなく本処理を終え、変動開始時予告を実行する場合(S5105でYES)、変動開始時予告決定テーブルA又はBに基づき決定(選択)された変動開始時予告パターンを設定して(S5106)、本処理を終える。
【0573】
S5106で設定された変動開始時予告パターンは、前述のS4507でセットされる変動演出開始コマンドに含められ、当該変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した変動演出開始コマンドに基づき特定される変動開始時予告パターンに対応する変動開始時予告用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによる変動開始時予告(
図60~
図62に示す予告表示の何れか)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0574】
[リーチ成立時予告]
本実施例のパチンコ遊技機1は、リーチ成立時予告として、第1キャラクタ予告、第2キャラクタ予告及び群予告の計3種類の予告を実行することが可能となっている。
【0575】
リーチ成立時予告は、変動演出(変動表示)の開始後、第1停止図柄(例えば左演出図柄8L)及び第2停止図柄(例えば右演出図柄8R)がリーチ図柄(例えば、左右同じ数字の図柄)で停止(仮停止)したタイミング、すなわち、リーチが成立したタイミングで(リーチ成立時に)行われる予告演出である。
【0576】
第1キャラクタ予告は、
図63(1)に示すように、所定のキャラクタ(例えば、キャラクタA)をあらわす演出画像(キャラクタ画像)909をリーチ成立に伴って表示画面7aに表示する予告演出である。
【0577】
第2キャラクタ予告は、
図63(2)に示すように、所定のキャラクタ(例えば、キャラクタB)をあらわす演出画像(キャラクタ画像)910をリーチ成立に伴って表示画面7aに表示する予告演出である。
【0578】
群予告は、
図63(3)に示すように、所定のキャラクタの群をあらわす演出画像(群画像)911をリーチ成立に伴って表示画面7aに表示する予告演出である。本実施例では、表示画面7aの右端から左端に向かって演出画像(群画像)911が演出図柄8の背後を移動していく(移動表示する)態様で群予告を行うものとしている。
【0579】
本実施例では、リーチ成立時予告のうち、第1キャラクタ予告が低期待度予告、第2キャラクタ予告が中期待度予告、群予告が高期待度予告となるように構成される。
【0580】
前述のように、リーチ成立時予告は当該変動予告(予告演出)として実行可能な演出であることから、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4402)のなかの予告演出設定処理(S4506)において、リーチ成立時予告の実行有無やリーチ成立時予告を実行する場合の予告パターン(すなわち、リーチ成立時予告の予告パターン)を決定するための処理を行う。具体的には、
図46に示すリーチ成立時予告処理(S5200)を行う。リーチ成立時予告処理(S5200)は、前述の変動開始時予告処理(S5100)に次いで行われる処理である。
【0581】
図46に示すように、リーチ成立時予告処理(S5200)では、まず、今回の変動演出について変動開始時予告パターンが設定されたか否か、すなわち、変動開始時予告を実行するか否かを判定する(S5201)。この判定は、例えば、前述のS5106による変動開始時予告パターンの設定内容を記憶するRAMの所定領域(設定内容記憶領域)を参照することにより行うことができる。
【0582】
S5201で変動開始時予告パターンが設定されていない(変動開始時予告を実行しない)と判定した場合(S5201でNO)、
図53(1)に示すリーチ成立時予告決定テーブルAをセットする(S5202)。
【0583】
これに対し、変動開始時予告パターンが設定された(変動開始時予告を実行する)と判定した場合(S5201でYES)、その変動開始時予告パターンが高期待度予告又は大当り確定予告であるか否かを判定する(S5203)。ここでの高期待度予告は、SU予告C、セリフ予告C及びボタン予告Cの何れかである(
図51、
図52を参照)。
【0584】
S5203の判定の結果、設定された変動開始時予告パターンが高期待度予告でも大当り確定予告でもないと判定した場合(S5203でNO)、すなわち、低期待度予告又は中期待度予告である場合、
図53(2)に示すリーチ成立時予告決定テーブルBをセットし(S5204)、高期待度予告又は大当り確定予告であると判定した場合(S5203でYES)、
図53(3)に示すリーチ成立時予告決定テーブルCをセットする(S5205)。
【0585】
次いでS5206では、S5202、S5204又はS5205でセットしたリーチ成立時予告決定テーブルに基づいて、リーチ成立時予告決定用乱数による判定を行う(S5206)。リーチ成立時予告決定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~99」の範囲で値をとる。
【0586】
リーチ成立時予告決定テーブルAは、変動開始時予告が実行されない場合に用いるテーブルであり、リーチ成立時予告決定テーブルBは、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合に用いるテーブルであり、リーチ成立時予告決定テーブルCは、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合に用いるテーブルである。なお
図53(1)~(3)に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。
【0587】
図53(1)及び(2)に示すように、本実施例のリーチ成立時予告決定テーブルA及びBは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンであって、リーチ演出(NMリーチ演出又はSPリーチ演出)が実行される特図変動パターンP1~P7(
図9Aを参照)について、リーチ成立時予告決定用乱数値を、「非実行」、「第1キャラクタ予告」、「第2キャラクタ予告」及び「群予告」のそれぞれに割り当てて構成される。
【0588】
図53(3)に示すように、本実施例のリーチ成立時予告決定テーブルCは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンであって、SPリーチ演出が実行される特図変動パターンP1~P6(
図9Aを参照)について、リーチ成立時予告決定用乱数値を、「非実行」、「第1キャラクタ予告」、「第2キャラクタ予告」及び「群予告」のそれぞれに割り当てて構成される。
【0589】
なお、
図53(1)~(3)に示すテーブル中、「非実行」はリーチ成立時予告を実行しない旨(リーチ成立時予告非実行パターン)を意味し、同テーブル中の「-」は、リーチ成立時予告決定用乱数値が割り当てられていないこと、すなわち、「-」に対応する予告パターンは選択されない(選択対象でない)ことを意味する。
【0590】
本実施例のリーチ成立時予告決定テーブルAによれば、リーチ成立時予告の予告パターン(「リーチ成立時予告パターン」ともいう。)が「非実行」(リーチ成立時予告非実行パターン)に決定される割合は、今回の変動演出に係る特図変動パターン(前述のS4401で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドで特定される特図変動パターン)がP7(NMリーチ外れ変動)の場合が最も高く、以下、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P1~P3(大当り変動)の順で、その割合は低くなり、P1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合とP3(変動時間45000msの大当り変動)の場合とでその割合は同じである。
【0591】
また、リーチ成立時予告が実行される場合(「非実行」に決定されない場合)、リーチ成立時予告パターンの決定割合は以下のようになる。
【0592】
「第1キャラクタ予告」に決定される割合(第1キャラクタ予告の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP7(NMリーチ外れ変動)の場合が最も高く、以下、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P3(変動時間45000msの大当り変動)、P1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の順で、その割合は低くなる。
【0593】
「第2キャラクタ予告」に決定される割合(第2キャラクタ予告の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合とP3(変動時間45000msの大当り変動)の場合とで同じで最も高く、以下、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)、P7(NMリーチ外れ変動)の順で、その割合は低くなる。
【0594】
「群予告」に決定される割合(群予告の実行割合)は、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1,P2(変動時間75000msの大当り変動)の場合が最も高く、以下、P3(変動時間45000msの大当り変動)、P4,P5(変動時間75000msのSPリーチ外れ変動)、P6(変動時間45000msのSPリーチ外れ変動)の順で、その割合は低くなり、P7(NMリーチ外れ変動)の場合は「群予告」に決定されない(決定割合0%)。
【0595】
そして、今回の変動演出に係る特図変動パターンがP1~P3の場合、「群予告」に決定される割合が最も高く、以下、「第2キャラクタ予告」、「第1キャラクタ予告」の順で決定される割合が低くなり、P4~P6の場合、「第1キャラクタ予告」に決定される割合が最も高く、以下、「第2キャラクタ予告」、「群予告」の順で決定される割合が低くなり、P7の場合、「第1キャラクタ予告」に決定される割合の方が「第2キャラクタ予告」に決定される割合よりも高く、「群予告」に決定されることはない。
【0596】
一方、本実施例のリーチ成立時予告決定テーブルB(
図53(2)を参照)によれば、リーチ成立時予告パターンが「非実行」(リーチ成立時予告非実行パターン)に決定される割合は、いずれの変動パターンの場合についても、変動開始時予告決定テーブルA(
図53(1)を参照)に比べ高くなっている。つまり、今回の変動演出において、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合、その後にリーチ成立時予告が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合に比べて低くなる。
【0597】
そして、リーチ成立時予告決定テーブルBにおいて、リーチ成立時予告が実行される場合(「非実行」に決定されない場合)の「第1キャラクタ予告」及び「第2キャラクタ予告」の決定割合は、リーチ成立時予告決定テーブルAよりも低くなっており、「群予告」の決定割合は、リーチ成立時予告決定テーブルAにおける「群予告」の決定割合と同じであり、各予告の決定割合の高低関係はリーチ成立時予告決定テーブルAと同じである。
【0598】
また、本実施例のリーチ成立時予告決定テーブルC(
図53(3)を参照)によれば、リーチ成立時予告パターンが「非実行」(リーチ成立時予告非実行パターン)に決定される割合は、変動開始時予告決定テーブルA(
図53(1)を参照)と比較すると、特図変動パターンP1~P6の何れについても、変動開始時予告決定テーブルAよりも高くなっており、変動開始時予告決定テーブルB(
図53(2)を参照)と比較すると、特図変動パターンP1~P3についてはリーチ成立時予告決定テーブルBと同じであり、特図変動パターンP4~P6については変動開始時予告決定テーブルBよりも高くなっている。
【0599】
つまり、今回の変動演出において、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合(SPリーチ確定の場合)、その後にリーチ成立時予告が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合に比べ低くなり(
図53(1)、(3)を参照)、今回の変動演出がSPリーチ外れ変動の変動演出(SPリーチ外れ変動演出)である場合、当該変動演出でリーチ成立時予告が実行される割合は、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合に比べ低くなる(
図53(2)、(3)を参照)。
【0600】
そして、リーチ成立時予告決定テーブルCにおいて、リーチ成立時予告が実行される場合(「非実行」に決定されない場合)について、「第1キャラクタ予告」の決定割合は、特図変動パターンP1~P6の何れについても、リーチ成立時予告決定テーブルBと比べて低くなっている。一方、「第2キャラクタ予告」の決定割合は、特図変動パターンP1~P6の何れについても、リーチ成立時予告決定テーブルBよりも高く、リーチ成立時予告決定テーブルAと同じであり、「群予告」の決定割合は、特図変動パターンP1~P3(大当り変動)についてリーチ成立時予告決定テーブルA,Bよりも高くなっており、特図変動パターンP4~P6(SPリーチ外れ変動)についてリーチ成立時予告決定テーブルA,Bと同じである。
【0601】
つまり、今回の変動演出において、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合、その後にリーチ成立時予告として第1キャラクタ予告が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合及び変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合の何れよりも低くなる。
【0602】
また、今回の変動演出において、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合、その後にリーチ成立時予告として第2キャラクタ予告が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合(
図53(1)を参照)と同じであり、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合(
図53(2)を参照)に比べ高くなる。
【0603】
また、今回の変動演出において、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合、その後にリーチ成立時予告として群予告が実行される割合は、当該変動演出が大当り変動の変動演出(「大当り変動演出」ともいう。)であれば、変動開始時予告が実行されない場合(
図53(1)を参照)及び変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合(
図53(2)を参照)の何れよりも高くなる。
【0604】
以上のようなリーチ成立時予告決定テーブルA~Cによれば、「第1キャラクタ予告」、「第2キャラクタ予告」、「群予告」の順で、大当りの期待度が高くなるように構成される。つまり、「第1キャラクタ予告」は期待度が相対的に低い低期待度予告となり、「第2キャラクタ予告」は期待度が中間の中期待度予告となり、「群予告」は期待度が相対的に高い高期待度予告となる。
【0605】
そして、変動演出(変動表示)の開始時において、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合、その後のリーチ成立時において、リーチ成立時予告として低期待度予告が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合と、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合との何れと比較しても低くなるように構成される。すなわち、変動演出の開始時(変動期間のうち第1所定時期)において、中期待度(所定期待度)よりも高い期待度(高期待度)の変動開始時予告(第1示唆演出)が実行される場合、当該変動演出のリーチ成立時(変動期間のうち第2所定時期)において、中期待度(所定期待度)よりも低い期待度(低期待度)のリーチ成立時予告(第2示唆演出)の実行が抑制されるように構成される。
【0606】
これにより、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時に高期待度予告が実行される場合、当該高期待度予告によって高められる遊技者の大当りに対する期待感が、その後のリーチ成立時予告によって損なわれることが多発しないようにして、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
【0607】
なお、リーチ成立時予告決定テーブルCにおいて、第1キャラクタ予告(低期待度予告)の決定割合を0%にして、変動開始時に高期待度予告が実行された場合、リーチ成立時予告として低期待度予告が実行されないようにしてもよい。すなわち、リーチ成立時における低期待度予告の実行割合を0%にすることにより、低期待度のリーチ成立時予告(第2示唆演出)の実行が抑制されるようにしてもよい。これによっても、変動開始時の高期待度予告によって高められる遊技者の期待感が損なわれないようにして、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
【0608】
また、変動演出の開始時において、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合、その後のリーチ成立時において、リーチ成立時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合よりも低くなるように構成される。すなわち、変動演出の開始時(変動期間のうち第1所定時期)において、中期待度(所定期待度)又は中期待度(所定期待度)よりも低い期待度の変動開始時予告(第1示唆演出)が実行される場合、当該変動演出のリーチ成立時(変動期間のうち第2所定時期)において、変動開始時予告と同様の期待度の示唆を行う予告演出の実行が抑制されるように構成される。
【0609】
これにより、一の変動演出(変動期間)において、低期待度又は中期待度の変動開始時予告が実行される場合、これと同じような示唆の内容(期待度)となるリーチ成立時予告が実行されにくくなるので、期待度が然程高くない予告の繰り返しによる落胆感やうんざり感等を遊技者に与えにくくすることが可能となる。
【0610】
また、変動演出の開始時において、変動開始時予告として高期待度予告が実行される場合、当該変動演出が大当り変動演出であれば、その後のリーチ成立時において、リーチ成立時予告として高期待度予告(群予告)が実行される割合が、変動開始時予告が実行されない場合と、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合との何れと比較しても高くなるように構成される。すなわち、大当り変動演出の開始時(変動期間のうち第1所定時期)において、中期待度(所定期待度)よりも高い期待度(高期待度)の変動開始時予告(第1示唆演出)が実行される場合、当該変動演出のリーチ成立時(変動期間のうち第2所定時期)において、中期待度(所定期待度)よりも高い期待度(高期待度)のリーチ成立時予告(第2示唆演出)の実行が促進されるように構成される。
【0611】
これにより、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時に高期待度予告が実行される場合、当該高期待度予告によって高められる遊技者の大当りに対する期待感を、その後のリーチ成立時予告(高期待度予告)でも高められるようにして、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0612】
また、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時予告が実行されない場合の方が、変動開始時予告が実行される場合に比べ、リーチ成立時予告が実行される割合が高くなる(リーチ成立時予告が実行されやすくなる)ように構成される(
図53(1)~(3)を参照)。これにより、遊技者にとっては、変動開始時予告が実行されないとしても、リーチ成立(リーチ発生)に対する関心を持つことができるようになる。
【0613】
図46に戻り、S5206の判定の結果、リーチ成立時予告を実行しない場合(S5207でNO)、S5208の処理を行うことなく本処理を終え、リーチ成立時予告を実行する場合(S5207でYES)、リーチ成立時予告決定テーブルA~Cの何れかに基づき決定(選択)されたリーチ成立時予告パターンを設定して(S5208)、本処理を終える。
【0614】
S5208で設定されたリーチ成立時予告パターンは、前述のS4507でセットされる変動演出開始コマンドに含められ、当該変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した変動演出開始コマンドに基づき特定されるリーチ成立時予告パターンに対応するリーチ成立時予告用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによるリーチ成立時予告(
図63(1)~(3)に示す予告表示の何れか)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0615】
[SP発展時予告]
本実施例のパチンコ遊技機1は、SP発展時予告として、タイトル予告(白)、タイトル予告(赤)及びタイトル予告(金)の計3種類の予告を実行することが可能となっている。
【0616】
SP発展時予告は、変動演出(変動表示)の開始後、リーチ成立を経て行われるリーチ演出がNMリーチ演出からSPリーチ演出に発展(移行)するタイミング(SP発展時に)行われる予告演出である。
【0617】
前述のように本実施例のパチンコ遊技機1は、ストーリー(演出態様)が異なる複数種のSPリーチ演出(例えば、ストーリーA1のSPリーチ演出、ストーリーA2のSPリーチ演出など)を備えている。本実施例では、そのストーリーが異なる複数種のSPリーチ演出のそれぞれについて、ストーリーに応じたタイトル(題名)が付されている。
【0618】
タイトル予告は、
図64(1)~(3)に示すように、変動演出の進行過程において、リーチ成立後、SPリーチに発展(移行)するタイミングにおいて、これから実行(開始)されるSPリーチ演出のタイトルをあらわす演出画像(タイトル表示)912を表示画面7aに表示して行う予告演出であり(
図64(2)を参照)、演出画像912に含まれるタイトル表示(文字)の色により期待度を示唆するものである。
【0619】
タイトル予告には、タイトル表示が白色とされるタイトル予告Aと、タイトル表示が赤色とされるタイトル予告Bと、タイトル表示が金色とされるタイトル予告Cとがあり、タイトル予告A、タイトル予告B、タイトル予告Cの順で期待度が高くなる。すなわち、タイトル予告Aは低期待度態様の予告演出(低期待度予告)であり、タイトル予告Bは中期待度態様の予告演出(中期待度予告)でありタイトル予告Cは高期待度態様の予告演出(高期待度予告)である。
【0620】
前述のように、SP発展時予告は当該変動予告(予告演出)として実行可能な演出であることから、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4402)のなかの予告演出設定処理(S4506)において、SP発展時予告の実行有無やSP発展時予告を実行する場合の予告パターン(すなわち、SP発展時予告の予告パターン)を決定するための処理を行う。具体的には、
図47に示すSP発展時予告処理(S5300)を行う。SP発展時予告処理(S5300)は、前述のリーチ成立時予告処理(S5200)に次いで行われる処理である。
【0621】
図47に示すように、SP発展時予告処理(S5300)は、前述のリーチ成立時予告処理(S5200)と処理内容が基本的に同様である。すなわち、SP発展時予告処理(S5300)においても、初めに、今回の変動演出について変動開始時予告パターンが前述のS5106で設定されたか否か(変動開始時予告を実行するか否か)を判定する(S5301)。
【0622】
その結果、変動開始時予告パターンが設定されていない(変動開始時予告を実行しない)と判定した場合(S5301でNO)、
図54(1)に示すSP発展時予告決定テーブルAをセットし(S5302)、変動開始時予告パターンが設定された(変動開始時予告を実行する)と判定した場合(S5301でYES)であって、その変動開始時予告パターンが高期待度予告でも大当り確定予告でもない(低期待度予告又は中期待度予告である)と判定した場合(S5303でNO)、
図54(2)に示すSP発展時予告決定テーブルBをセットし(S5304)、高期待度予告又は大当り確定予告であると判定した場合(S5303でYES)、
図54(3)に示すSP発展時予告決定テーブルCをセットする(S5305)。
【0623】
次いでS5306では、S5302、S5304又はS5305でセットしたSP発展時予告決定テーブルに基づいて、SP発展時予告決定用乱数による判定を行う(S5306)。SP発展時予告決定用乱数は、前述のS4501で取得される演出決定用乱数の一種であり、例えば「0~99」の範囲で値をとる。
【0624】
SP発展時予告決定テーブルAは、変動開始時予告が実行されない場合に用いるテーブルであり、SP発展時予告決定テーブルBは、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合に用いるテーブルであり、SP発展時予告決定テーブルCは、変動開始時予告として高期待度予告又は大当り確定予告が実行される場合に用いるテーブルである。なお
図54(1)~(3)に示すテーブルはあくまでも一例であり、テーブル構造は本実施例に限定されるものではない。
【0625】
図54(1)~(3)に示すように、本実施例のSP発展時予告決定テーブルA~Cは、低確低ベース状態(非時短状態)で特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を実行(開始)する場合に選択され得る特図変動パターンであって、SPリーチ演出が実行される特図変動パターンP1~P6(
図9Aを参照)について、SP発展時予告決定用乱数値を、「非実行」、「タイトル予告A」、「タイトル予告B」及び「タイトル予告C」のそれぞれに割り当てて構成される。
【0626】
なお、
図54(1)~(3)に示すテーブル中、「非実行」はSP発展時予告を実行しない旨(SP発展時予告非実行パターン)を意味し、同テーブル中の「-」は、SP発展時予告決定用乱数値が割り当てられていないこと、すなわち、「-」に対応する予告パターンは選択されない(選択対象でない)ことを意味する。
【0627】
図54(1)~(3)に示すSP発展時予告決定テーブルA~Cにおいて、特図変動パターンP1~P6について、「非実行」、「タイトル予告A」(低期待度予告)、「タイトル予告B」(中期待度予告)及び「タイトル予告C」(高期待度予告)の各予告パターンに対する割り当て乱数値の個数(各予告パターンの決定割合)は、
図53(1)~(3)に示すリーチ成立時予告決定テーブルA~Cにおいて、特図変動パターンP1~P6について、「非実行」、「第1キャラクタ予告」(低期待度予告)、「第2キャラクタ予告」(中期待度予告)及び「群予告」(高期待度予告)の各予告パターンに対する割り当て乱数値の個数(各予告パターンの決定割合)と同じである。
【0628】
このため、SP発展時予告決定テーブルA~Cによる各予告パターンの決定については、リーチ成立時予告決定テーブルA~C(リーチ成立時予告決定テーブルA,Bは特図変動パターンP7を除いた部分)による各予告パターンの決定と同様のことがいえる。そして、前述したリーチ成立時予告と同様の作用効果がSP発展時予告についても得られることとなる。
【0629】
すなわち、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時に高期待度予告が実行される場合、当該高期待度予告によって高められる遊技者の大当りに対する期待感が、その後のSP発展時予告によって損なわれることが多発しないようにして、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
【0630】
また、変動演出の開始時において、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合、その後のSP発展時において、SP発展時予告として低期待度予告(タイトル予告A)又は中期待度予告(タイトル予告B)が実行される割合は、変動開始時予告が実行されない場合よりも低くなるように構成される。すなわち、変動演出の開始時(変動期間のうち第1所定時期)において、中期待度(所定期待度)又は中期待度(所定期待度)よりも低い期待度の変動開始時予告(第1示唆演出)が実行される場合、当該変動演出のSP発展時(変動期間のうち第2所定時期)において、変動開始時予告と同様の期待度の示唆を行う予告演出の実行が抑制されるように構成される。
【0631】
これにより、一の変動演出(変動期間)において、低期待度又は中期待度の変動開始時予告が実行される場合、これと同じような示唆の内容(期待度)となるSP発展時予告が実行されにくくなるので、期待度が然程高くない予告の繰り返しによる落胆感やうんざり感等を遊技者に抱かせにくくすることが可能となる。
【0632】
また、変動演出の開始時において、変動開始時予告として高期待度予告が実行される場合、当該変動演出が大当り変動演出であれば、その後のSP発展時において、SP発展時予告として高期待度予告(タイトル予告C)が実行される割合が、変動開始時予告が実行されない場合と、変動開始時予告として低期待度予告又は中期待度予告が実行される場合との何れと比較しても高くなるように構成される。すなわち、大当り変動演出の開始時(変動期間のうち第1所定時期)において、中期待度(所定期待度)よりも高い期待度(高期待度)の変動開始時予告(第1示唆演出)が実行される場合、当該変動演出のSP発展時(変動期間のうち第2所定時期)において、中期待度(所定期待度)よりも高い期待度(高期待度)のSP発展時予告(第2示唆演出)の実行が促進されるように構成される。
【0633】
これにより、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時に高期待度予告が実行される場合、当該高期待度予告によって高められる遊技者の大当りに対する期待感を、その後のSP発展時予告(高期待度予告)でも高められるようにして、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0634】
また、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時予告が実行されない場合の方が、変動開始時予告が実行される場合に比べ、SP発展時予告が実行される割合が高くなる(SP発展時予告が実行されやすくなる)ように構成される(
図54(1)~(3)を参照)。これにより、遊技者にとっては、変動開始時予告が実行されないとしても、SPリーチ発展に対する関心を持つことができるようになる。
【0635】
図47に戻り、S5306の判定の結果、SP発展時予告を実行しない場合(S5307でNO)、S5308の処理を行うことなく本処理を終え、SP発展時予告を実行する場合(S5307でYES)、SP発展時予告決定テーブルA~Cの何れかに基づき決定(選択)されたSP発展時予告パターンを設定して(S5308)、本処理を終える。
【0636】
S5308で設定されたSP発展時予告パターンは、前述のS4507でセットされる変動演出開始コマンドに含められ、当該変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した変動演出開始コマンドに基づき特定されるSP発展時予告パターンに対応するSP発展時予告用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによるSP発展時予告(
図64(2)に示す予告表示)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0637】
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1によれば、変動演出が開始される際、タイマ演出処理(S5000)のS5012でタイマ演出実行パターンAが設定され(
図44、
図50(4)を参照)、変動開始時予告処理(S5100)のS5106で変動開始時予告パターンとしてSU予告、セリフ予告、ボタン予告又は特別音予告の予告パターン(
図45、
図51を参照)が設定され、リーチ成立時予告処理(S5200)のS5208でリーチ成立時予告パターンとして第1キャラクタ予告、第2キャラクタ予告又は群予告の予告パターン(
図46、
図53(2),(3)を参照)が設定されることがある。
【0638】
この場合、
図65に示すように、変動演出の開始に伴ってタイマ演出が開始され、当該タイマ演出はリーチ成立までの残り時間を示すものとして約10秒間実行される。そのタイマ演出の実行期間中に、変動開始時予告としてSU予告、セリフ予告、ボタン予告又は特別音予告(特別音予告は大当り変動の場合に限る)が実行され(
図65(1)を参照)、タイマ演出の実行期間(タイマ演出で表示される残り時間)が経過すると(タイマ表示が00:00になると)、第1キャラクタ予告、第2キャラクタ予告又は群予告が実行される(
図65(2)を参照)。
【0639】
このような演出展開の場合、タイマ演出の実行期間中に実行される変動開始時予告と、タイマ演出の実行期間経過後(タイマ演出で表示される時間経過後)に実行されるリーチ成立時予告とで、示唆する期待度が同じになること(例えば、両方が低期待度予告など)もあれば、変動開始時予告の方がリーチ成立時予告よりも示唆する期待度が高くなったり、リーチ成立時予告の方が変動開始時予告よりも示唆する期待度が高くなったりすること(例えば、一方が中期待度予告、他方が高期待度予告など)もある(
図51、
図53(2),(3)を参照)。また、タイマ演出が実行される場合、タイマ演出処理(S5000)のS5014でタイマ演出の表示パターンが設定され(
図44、
図50(5)を参照)、その表示パターン(本実施例ではタイマ表示の色)によっても期待度が示唆される。このため、タイマ演出、タイマ演出中に実行される変動開始時予告及びタイマ演出後に実行されるリーチ成立時予告のそれぞれによって、遊技者の大当りに対する期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、タイマ演出、タイマ演出中に実行される変動開始時予告及びタイマ演出後に実行されるリーチ成立時予告のそれぞれに遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0640】
また、変動時間75000msの特図変動パターン(P1、P2、P4又はP5)に基づいて変動演出(SPリーチ変動演出)が実行される場合、当該変動演出において、タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告、SP発展時予告及び操作指示演出(第1操作指示演出又は第2操作指示演出)が実行されることがある。そして、タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告及びSP発展時予告等の当該変動予告によって大当りの期待度が示唆され、操作指示演出(第1操作指示演出又は第2操作指示演出)によって大当りした場合の確変期待度が示唆される。このため、それらの各演出の実行状況によって、遊技者の大当りや確変(高確率状態)に対する期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、タイマ演出、変動開始時予告、リーチ成立時予告、SP発展時予告及び操作指示演出のそれぞれに遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0641】
ここで、前述の変動開始予告処理(S5100)、リーチ成立時予告処理(S5200)及びSP発展時予告処理(S5300)を実行する演出制御用マイコン91は、「示唆演出実行手段」、「第1示唆演出実行手段」、「第2示唆演出実行手段」及び「特別示唆演出実行手段」として機能するものである。
【0642】
以上、本発明の一実施の形態として実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば以下に示す構成を採用することが可能である。なお、前述の実施例及び以下に示す構成(変更例)は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0643】
前述の実施例では、変動開始時予告として第1演出ボタン63aを用いて行うボタン予告を設けていたが、リーチ成立時予告やSP発展時予告として第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bを用いて行うボタン予告を設けてもよい。
【0644】
前述の実施例では、ボタン予告として、第1演出ボタン63aの操作に基づいて「ファイト!」の文字をあらわす演出画像906を表示する低期待度態様のボタン予告Aと、第1演出ボタン63aの操作に基づいて「チャンス!」の文字をあらわす演出画像907を表示する中期待度態様のボタン予告Bと、第1演出ボタン63aの操作に基づいて「熱!!」の文字をあらわす演出画像908を表示する高期待度態様のボタン予告Cとを設けていた(
図51、
図52、
図62等を参照)。これに対し、第1演出ボタン63aの操作に基づいて、例えば、大当り確定を示唆する「V」の文字をあらわす演出画像(「大当り確定示唆画像」又は「特別示唆画像」ともいう。)を表示する大当り確定態様のボタン予告(特別示唆演出)を設けてもよい。
【0645】
前述の実施例では、変動開始時予告として、大当り遊技状態(特別遊技状態)に制御されることを示唆する大当り確定予告(特別示唆演出)を設けていたが、リーチ成立時予告やSP発展時予告(第2示唆演出)として大当り確定予告(特別示唆演出)を設けてもよい。
【0646】
ここで、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時予告として大当り確定予告を実行しない(第1所定時期に特別示唆演出を実行しない)場合には、リーチ成立時予告として大当り確定予告を実行する(第2所定時期に特別示唆演出を実行する)ことがあり、変動開始時予告として大当り確定予告を実行する(第1所定時期に特別示唆演出を実行する)場合には、リーチ成立時予告として大当り確定予告を実行しない(第2所定時期に特別示唆演出を実行しない)ように構成することができる。すなわち、変動開始時予告処理(S5100)のS5106で大当り確定の予告パターンを設定しない場合には、リーチ成立時予告処理(S5200)のS5208で大当り確定の予告パターンを設定することがあり、S5106で大当り確定の予告パターンを設定する場合には、S5208で大当り確定の予告パターンを設定しないように構成することができる。
【0647】
このような構成によれば、リーチ成立時予告として大当り確定予告が実行される場合、リーチ成立時より前の変動開始時予告では大当り確定予告が実行されないので、リーチ成立時予告としての大当り確定予告の効果を損なわずに、リーチ成立時に大当り確定予告が実行されたときの高揚感を遊技者に与えることが可能となる。
【0648】
また、このような構成において、変動開始時予告として前述の大当り確定態様のボタン予告(特別示唆演出)を備える場合には、リーチ成立時予告として大当り確定予告(特別示唆演出)が実行される場合、変動開始時予告として大当り確定態様のボタン予告が実行されないようになる。すなわち、変動開始時予告としてボタン予告が実行され、リーチ成立時予告として大当り確定予告が実行される場合、変動開始時予告としてのボタン予告は、大当り確定態様以外のボタン予告(例えば、前述のボタン予告A~Cの何れか)が実行されることになる。そして、変動開始時予告として前述のボタン予告A~Cの何れかが実行される場合、当該ボタン予告に係る演出ボタンの操作に応じて期待度を示唆する演出画像(示唆画像)が表示されるとき、すなわち、演出ボタンが操作されたときに対応する操作対応時期では、大当り確定示唆画像は表示されず(つまり、大当り確定予告は実行されず)、当該ボタン予告の実行時期(演出ボタンが操作されたときに対応する操作対応時期)より後のリーチ成立時に、大当り確定予告が実行されることになる。
【0649】
このように、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時のボタン予告で演出ボタンの操作に応じて大当り確定示唆画像が表示されなくても(大当り確定予告が実行されなくても)、その後のリーチ成立時に大当り確定予告が実行され得るように構成することで、演出ボタンの操作タイミング(操作対応時期)より遅れて大当り確定予告が実行されたときの高揚感を遊技者に与えることが可能となる。
【0650】
なお、ここでは、リーチ成立時予告として大当り確定予告を実行可能とする構成について説明したが、SP発展時予告として大当り確定予告を実行可能とする構成についても同様である。すなわち、一の変動演出(変動期間)において、変動開始時予告として(第1所定時期に)大当り確定予告を実行しない場合には、SP発展時予告として(第2所定時期に)大当り確定予告を実行することがあり、変動開始時予告として(第1所定時期に)大当り確定予告を実行する場合には、SP発展時予告として(第2所定時期に)大当り確定予告を実行しないように構成することができる。これによっても、前述したリーチ成立時予告として大当り確定予告が実行される場合と同様の効果を奏する。
【0651】
また前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部80やサブ制御部90のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部80やサブ制御部90のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
【0652】
また前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
【0653】
また前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定するタイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定するタイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行されるタイプのパチンコ遊技機(所謂「1種2種混合機」)にも本発明を適用することが可能である。さらに、遊技機内部で遊技球を循環させるタイプのパチンコ遊技機(所謂「封入式遊技機」)にも本発明を適用することが可能である。
【0654】
また前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
【0655】
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
【0656】
(参考発明1)
従来、識別情報(例えば特別図柄)の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する演出などの様々な演出が、識別情報の変動表示中に実行されるものがある(例えば、特開2020-000417号公報を参照)。
【0657】
識別情報の変動表示中に実行される演出は、遊技興趣を向上させるうえで重要な役割を果たすものであるところ、遊技興趣を向上させるには未だ改善の余地がある。
【0658】
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【0659】
前述の課題を解決するために、本参考発明1は以下の手段を採用した。
【0660】
参考発明1-1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示を開始してから終了するまでの変動期間において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記期待度に応じて態様が異なる複数の第1示唆演出のうち何れかを、前記変動期間のうち第1所定時期に実行可能であり、前記期待度に応じて態様が異なる複数の第2示唆演出のうち何れかを、前記変動期間のうち前記第1所定時期より後の第2所定時期に実行可能であり、
前記第1所定時期において、前記期待度が所定期待度よりも高い期待度に対応する第1示唆演出が実行される場合、前記第2所定時期において、前記期待度が所定期待度よりも低い期待度に対応する第2示唆演出の実行が抑制されるように構成されており、
前記期間演出実行手段は、前記変動期間において、複数の実行時期のうち何れかの実行時期に前記期間演出を実行可能であり、
前記特別遊技状態に制御される場合とされない場合とで、前記複数の実行時期のうち特定の実行時期に前記期間演出が実行される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0661】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示を開始してから終了するまでの変動期間において、特別遊技状態に制御される期待度(以下、単に「期待度」ともいう。)を示唆する第1示唆演出及び第2示唆演出並びに所定期間の経過を表示する期間演出が、それぞれのタイミングで実行可能とされる。第1示唆演出が実行されるタイミング(第1所定時期)は、第2示唆演出が実行されるタイミング(第2所定時期)よりも先であり、所定期待度よりも高い期待度に対応する第1示唆演出(高期待度態様の第1示唆演出)が実行される場合には、当該第1示唆演出の後に、所定期待度よりも低い期待度に対応する第2示唆演出(低期待度態様の第2示唆演出)が実行されにくくなる(低期待度態様の第2示唆演出の実行が抑制される)。また、期間演出が実行可能とされるタイミング(実行時期)は複数あり、当該複数のタイミング(実行時期)のうち特定のタイミング(特定の実行時期)に期間演出が実行される割合が、特別遊技状態に制御される場合とされない場合とで異なるように構成される。このため、示唆演出の態様や期間演出の実行タイミングによって、特別遊技状態に対する遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、示唆演出及び期間演出の各演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0662】
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記期間演出の実行前に、複数の態様のうち何れかの態様で特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記期間演出実行手段は、前記特定演出の実行後に前記期間演出を実行可能であり、
実行される前記特定演出の態様に応じて前記期間演出が実行される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0663】
このような遊技機によれば、特定演出が実行されると、その後に期間演出が実行されることがあり、期間演出が実行される割合は、先に実行される特定演出の態様に応じて異なるものとされる。このため、特定演出は、期間演出の実行に関する示唆を行うものとして機能するようになる。これにより、特定演出の態様や期間演出の実行有無に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0664】
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-2の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記期間演出が実行されない場合にも前記特定演出を実行可能である
ことを要旨とする。
【0665】
このような遊技機によれば、期間演出が実行されない場合にも特定演出が実行可能とされる。このため、特定演出の実行が過度に制限されるのを防ぐことが可能となる。これにより、演出効果の低下を抑制することが可能となる。
【0666】
参考発明1-4の遊技機は、前述した参考発明1-1又は1-2の遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記第2示唆演出として、前記特別遊技状態に制御されることを示唆する特別示唆演出を実行可能であり、
前記操作手段が操作されたときに対応する操作対応時期では前記特別示唆演出が実行されず、前記操作対応時期より後の時期に前記特別示唆演出が実行され得るように構成されている
ことを要旨とする。
また、参考発明1-5の遊技機は、前述した参考発明1-3の遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記第2示唆演出として、前記特別遊技状態に制御されることを示唆する特別示唆演出を実行可能であり、
前記操作手段が操作されたときに対応する操作対応時期では前記特別示唆演出が実行されず、前記操作対応時期より後の時期に前記特別示唆演出が実行され得るように構成されている
ことを要旨とする。
【0667】
このような遊技機によれば、変動期間において第1示唆演出より後に実行される第2示唆演出として、特別遊技状態に制御されることを示唆する特別示唆演出が実行可能とされる。特別示唆演出は、操作手段が操作されたときに対応する操作対応時期では実行されず、操作対応時期より後の時期に実行されることがある。このため、操作手段の操作に対応して特別示唆演出が実行されなくても、その後の特別示唆演出の実行(つまり、特別遊技状態)に対する遊技者の期待感を煽ることが可能となる。これにより、操作手段の操作タイミング(操作対応時期)より遅れて特別示唆演出が実行されたときの高揚感を遊技者に与えることが可能となる。
【0668】
以上の本参考発明1によれば、遊技興趣を向上させることが可能である。
【0669】
(参考発明2)
従来、識別情報(例えば特別図柄)の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する演出などの様々な演出が、識別情報の変動表示中に実行されるものがある(例えば、特開2020-000417号公報を参照)。
【0670】
識別情報の変動表示中に実行される演出は、遊技興趣を向上させるうえで重要な役割を果たすものであるところ、遊技興趣を向上させるには未だ改善の余地がある。
【0671】
参考発明2は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【0672】
前述の課題を解決するために、本参考発明2は以下の構成を採用した。
【0673】
参考発明2-1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2示唆演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記第1示唆演出実行手段は、前記期間演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、前記第1示唆演出を異なる割合で実行可能であり、
前記第2示唆演出実行手段は、前記期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出を実行可能であり、
前記期間演出の実行中に前記第1示唆演出が実行され該期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出が実行される場合、前記第1示唆演出及び前記第2示唆演出のうち一方の示唆演出により示唆される期待度の方が他方の示唆演出により示唆される期待度よりも高くなることがあるように構成されており、
前記期間演出実行手段は、複数の表示態様のうち何れかの表示態様で前記期間演出を実行可能であり、
前記特別遊技状態に制御される場合とされない場合とで、前記複数の表示態様のうち特定の表示態様で前記期間演出が実行される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0674】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示において、特別遊技状態に制御される期待度(以下、単に「期待度」ともいう。)を示唆する第1示唆演出が、所定期間の経過を表示する期間演出が実行中であるか否かによって異なる割合で実行可能とされる。また、識別情報の変動表示において、第1示唆演出とは別に、期待度を示唆する第2示唆演出が、期間演出で表示される所定期間の経過後に実行可能とされる。そして、期間演出の実行中に第1示唆演出が実行され、その期間演出で表示される所定期間の経過後に第2示唆演出が実行される場合、すなわち、第1示唆演出と第2示唆演出の両方が期間演出を絡めて実行される場合、第1示唆演出が第2示唆演出に比して期待度の高い示唆演出となったり、第2示唆演出が第1示唆演出に比して期待度の高い示唆演出となったりすることがある。また、期間演出の表示態様は複数あり、当該複数の表示態様のうち特定の表示態様で期間演出が実行される割合が、特別遊技状態に制御される場合とされない場合とで異なるように構成される。このため、期間演出、第1示唆演出及び第2示唆演出の各演出の実行状況によって、特別遊技状態に対する遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、期間演出、第1示唆演出及び第2示唆演出の各演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0675】
参考発明2-2の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2示唆演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を該所定期間に亘って実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記第1示唆演出実行手段は、前記期間演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、前記第1示唆演出を異なる割合で実行可能であり、
前記第2示唆演出実行手段は、前記期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出を実行可能であり、
前記期間演出実行手段は、複数の所定期間のうち何れかの所定期間に亘って前記期間演出を実行可能であり、
前記複数の所定期間のうち第1の所定期間に亘って前記期間演出が実行される場合と、前記第1の所定期間よりも長い第2の所定期間に亘って前記期間演出が実行される場合とで、前記第1示唆演出の実行割合が異なるように構成されており、
前記期間演出実行手段は、複数の表示態様のうち何れかの表示態様で前記期間演出を実行可能であり、
前記特別遊技状態に制御される場合とされない場合とで、前記複数の表示態様のうち所定の表示態様で前記期間演出が実行される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0676】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示において、期待度を示唆する第1示唆演出が、所定期間の経過を表示する期間演出が実行中であるか否かによって異なる割合で実行可能とされる。また、識別情報の変動表示において、第1示唆演出とは別に、期待度を示唆する第2示唆演出が、期間演出で表示される所定期間の経過後に実行可能とされる。そして、期間演出が第1の所定期間に亘って実行される場合と、第1の所定期間よりも長い第2の所定期間に亘って実行される場合とで、第1示唆演出の実行割合が異なるように構成される。また、期間演出の表示態様は複数あり、当該複数の表示態様のうち特定の表示態様で期間演出が実行される割合が、特別遊技状態に制御される場合とされない場合とで異なるように構成される。このため、期間演出、第1示唆演出及び第2示唆演出の各演出の実行状況によって、特別遊技状態に対する遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、期間演出、第1示唆演出及び第2示唆演出の各演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0677】
参考発明2-3の遊技機は、前述した参考発明2-1又は2-2の遊技機において、
前記期間演出の実行前に、複数の態様のうち何れかの態様で特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記期間演出実行手段は、前記特定演出の実行後に前記期間演出を実行可能であり、
実行される前記特定演出の態様に応じて前記期間演出が実行される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0678】
このような遊技機によれば、特定演出の実行後に期間演出が実行可能とされ、期間演出が実行される割合は、先に実行される特定演出の態様に応じて異なるものとされる。このため、特定演出は、期間演出の実行に関する示唆を行うものとして機能するようになる。これにより、特定演出の態様や期間演出の実行有無に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0679】
参考発明2-4の遊技機は、前述した参考発明2-3の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記期間演出が実行されない場合にも前記特定演出を実行可能である
ことを要旨とする。
【0680】
このような遊技機によれば、期間演出が実行されない場合にも特定演出が実行可能とされる。このため、特定演出の実行が過度に制限されるのを防ぐことが可能となる。これにより、演出効果の低下を抑制することが可能となる
【0681】
以上の本参考発明2によれば、技興趣を向上させることが可能である。
【0682】
(参考発明3)
従来、識別情報(例えば特別図柄)の変動表示を行い、識別情報が特定態様(例えば大当り態様)で表示された場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する演出などの様々な演出が、識別情報の変動表示中に実行されるものがある(例えば、特開2020-000417号公報を参照)。
【0683】
識別情報の変動表示中に実行される演出は、遊技興趣を向上させるうえで重要な役割を果たすものであるところ、遊技興趣を向上させるには未だ改善の余地がある。
【0684】
参考発明3は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【0685】
前述の課題を解決するために、本参考発明3は以下の構成を採用した。
【0686】
参考発明3-1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、前記識別情報が特定態様で表示された場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示が実行可能とされる遊技状態を、少なくとも第1遊技状態又は前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、遊技者に第1所定操作を行うことを指示する第1操作指示演出を実行可能な第1操作指示演出実行手段と、
前記変動表示において、遊技者に第2所定操作を行うことを指示する第2操作指示演出を実行可能な第2操作指示演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記第1示唆演出実行手段は、前記期間演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、前記第1示唆演出を異なる割合で実行可能であり、
前記第2示唆演出実行手段は、前記期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出を実行可能であり、
前記期間演出の実行中に前記第1示唆演出が実行され該期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出が実行される場合、前記第1示唆演出及び前記第2示唆演出のうち一方の示唆演出により示唆される期待度の方が他方の示唆演出により示唆される期待度よりも高くなることがあるように構成されており、
前記変動表示にて前記第1操作指示演出が実行された後に前記識別情報が前記特定態様で表示される場合と、前記変動表示にて前記第2操作指示演出が実行された後に前記識別情報が前記特定態様で表示される場合とで、前記第2遊技状態に制御される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0687】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示において、特別遊技状態に制御される期待度(以下、単に「期待度」ともいう。)を示唆する第1示唆演出が、所定期間の経過を表示する期間演出が実行中であるか否かによって異なる割合で実行可能とされる。また、識別情報の変動表示において、第1示唆演出とは別に、期待度を示唆する第2示唆演出が、期間演出で表示される所定期間の経過後に実行可能とされる。さらに、識別情報の変動表示において、遊技者に第1所定操作を行うことを指示する第1操作指示演出と、遊技者に第2所定操作を行うことを指示する第2操作指示演出とが実行可能とされる。そして、期間演出の実行中に第1示唆演出が実行され、その期間演出で表示される所定期間の経過後に第2示唆演出が実行される場合、すなわち、第1示唆演出と第2示唆演出の両方が期間演出を絡めて実行される場合、第1示唆演出が第2示唆演出に比して期待度の高い示唆演出となったり、第2示唆演出が第1示唆演出に比して期待度の高い示唆演出となったりすることがある。また、識別情報の変動表示が実行可能とされる遊技状態が、少なくとも、第1遊技状態に制御される場合と、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に制御される場合とがあるなか、識別情報の変動表示にて、第1操作指示演出が実行された後に識別情報が特定態様で表示される場合と、第2操作指示演出が実行された後に識別情報が特定態様で表示される場合とで、第2遊技状態に制御される割合が異なるように構成される。このため、期間演出、第1示唆演出、第2示唆演出及び操作指示演出の各演出の実行状況によって、特別遊技状態や第2遊技状態に対する遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、期間演出、第1示唆演出、第2示唆演出及び操作指示演出の各演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0688】
参考発明3-2の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、前記識別情報が特定態様で表示された場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記変動表示が実行可能とされる遊技状態を、少なくとも第1遊技状態又は前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2示唆演出実行手段と、
前記変動表示において、遊技者に第1所定操作を行うことを指示する第1操作指示演出を実行可能な第1操作指示演出実行手段と、
前記変動表示において、遊技者に第2所定操作を行うことを指示する第2操作指示演出を実行可能な第2操作指示演出実行手段と、
所定期間の経過を表示する期間演出を該所定期間に亘って実行可能な期間演出実行手段と、を備え、
前記第1示唆演出実行手段は、前記期間演出が実行中である場合と実行中でない場合とで、前記第1示唆演出を異なる割合で実行可能であり、
前記第2示唆演出実行手段は、前記期間演出で表示される所定期間の経過後に前記第2示唆演出を実行可能であり、
前記期間演出実行手段は、複数の所定期間のうち何れかの所定期間に亘って前記期間演出を実行可能であり、
前記複数の所定期間のうち第1の所定期間に亘って前記期間演出が実行される場合と、前記第1の所定期間よりも長い第2の所定期間に亘って前記期間演出が実行される場合とで、前記第1示唆演出の実行割合が異なるように構成されており、
前記変動表示にて前記第1操作指示演出が実行された後に前記識別情報が前記特定態様で表示される場合と、前記変動表示にて前記第2操作指示演出が実行された後に前記識別情報が前記特定態様で表示される場合とで、前記第2遊技状態に制御される割合が異なるように構成されている
ことを要旨とする。
【0689】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示において、期待度を示唆する第1示唆演出が、所定期間の経過を表示する期間演出が実行中であるか否かによって異なる割合で実行可能とされる。また、識別情報の変動表示において、第1示唆演出とは別に、期待度を示唆する第2示唆演出が、期間演出で表示される所定期間の経過後に実行可能とされる。さらに、識別情報の変動表示において、遊技者に第1所定操作を行うことを指示する第1操作指示演出と、遊技者に第2所定操作を行うことを指示する第2操作指示演出とが実行可能とされる。そして、期間演出が第1の所定期間に亘って実行される場合と、第1の所定期間よりも長い第2の所定期間に亘って実行される場合とで、第1示唆演出の実行割合が異なるように構成される。また、識別情報の変動表示が実行可能とされる遊技状態が、少なくとも、第1遊技状態に制御される場合と、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に制御される場合とがあるなか、識別情報の変動表示にて、第1操作指示演出が実行された後に識別情報が特定態様で表示される場合と、第2操作指示演出が実行された後に識別情報が特定態様で表示される場合とで、第2遊技状態に制御される割合が異なるように構成される。このため、期間演出、第1示唆演出、第2示唆演出及び操作指示演出の各演出の実行状況によって、特別遊技状態や第2遊技状態に対する遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。これにより、期間演出、第1示唆演出、第2示唆演出及び操作指示演出の各演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0690】
参考発明3-3の遊技機は、前述した参考発明3-1又は3-2の遊技機において、
前記第1操作指示演出が実行される前の実行前所定期間及び前記第1操作指示演出が実行された後の実行後所定期間の少なくとも一方、並びに、前記第1操作指示演出が実行される期間において、前記第2操作指示演出の実行が制限されるように構成されている
ことを要旨とする。
【0691】
このような遊技機によれば、第1操作指示演出が実行される前の実行前所定期間と実行された後の実行後所定期間との何れか一方又は両方において、第2操作指示演出の実行が制限され、また、第1操作指示演出が実行される期間においても、第2操作指示演出の実行が制限される。このため、第1所定操作の効果(第1操作指示演出の演出効果)が損なわれにくくなる。これにより、第1所定操作の効果を遊技者に実感させやすくすることが可能となる。
【0692】
以上の本参考発明3によれば、技興趣を向上させることが可能である。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、4 レール部材、7 画像表示装置、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域、7c 判定図柄表示領域、8 演出図柄、8s 判定図柄、9a 第1演出保留、9b 第2演出保留、9c 第1演出保留表示領域、9d 第2演出保留表示領域、9e 変動保留表示領域、10 センター装飾体、13 装飾部材、14 可動演出部材、15 可動体ランプ、16 遊技釘、19 固定入賞装置、20 第1始動口、21 第2始動口、22 可変入賞装置、28 ゲート、30 大入賞口、31 大入賞装置、40 主表示器、41a 第1特別図柄表示器、41b 第2特別図柄表示器、50 遊技機枠、51 前面枠、52 本体枠、53 外枠、60 発射ハンドル、63a 第1演出ボタン、63b 第2演出ボタン、66 枠ランプ、67 スピーカ、80 主制御基板、81 遊技制御用マイコン、90 副制御基板、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板、101 画像制御用マイコン、106 音声制御基板、107 ランプ制御基板、901~912 演出画像。