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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179416
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20241219BHJP
   B65H 1/14 20060101ALI20241219BHJP
   B65H 1/24 20060101ALI20241219BHJP
   B65H 7/18 20060101ALI20241219BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20241219BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241219BHJP
   B65H 20/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65H11/00 K
B65H1/14 310Z
B65H1/24 B
B65H7/18
B41J15/04
G03G15/00 411
G03G15/00 407
B65H20/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098258
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】柴山 卓也
【テーマコード(参考)】
2C060
2H072
3F048
3F063
3F103
3F343
【Fターム(参考)】
2C060BA01
2C060BA11
2C060BC55
2C060BC81
2H072AA23
2H072AA27
2H072AB01
2H072BA17
2H072BA20
2H072CA01
2H072DA01
2H072HA04
2H072JA02
2H072JA04
3F048AA01
3F048AB01
3F048AC04
3F048BA03
3F048BA06
3F048BA14
3F048BB03
3F048BB05
3F048BD07
3F048CB08
3F048EB06
3F063AA03
3F063AB03
3F063BA02
3F063BA04
3F063CA04
3F063CB07
3F063CD07
3F103AA01
3F103BA25
3F103EA02
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC03
3F343GA01
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA12
3F343HD10
3F343HD14
3F343HD17
3F343KB03
3F343KB19
3F343LA04
3F343LA15
3F343LC03
3F343LC07
3F343MA03
3F343MA26
3F343MB04
3F343MB12
3F343MC05
3F343MC06
3F343MC07
3F343MC12
(57)【要約】
【課題】ロール紙を画像形成装置の内部に確実に供給できるようにすること。
【解決手段】画像形成装置100は、記録媒体を載せるための積載板107と、積載板107の上方に配置され、記録媒体を画像形成装置100の内部に供給するMPTトレイ給紙ローラ113と、積載板107を昇降させるリフトアップモータ109及び昇降機構110と、リフトアップモータ109及び昇降機構110を制御して、積載板107の高さを変えることで、積載板107と、MPTトレイ給紙ローラ113との間の間隔を制御する制御部とを備える。制御部は、積載板107に、記録媒体として、用紙が軸の周りに巻き取られたロール紙P2の一端が載せられた場合に、記録媒体として、用紙を予め定められたサイズにカットしたカット紙P1が載せられた場合よりも積載板107と、MPTトレイ給紙ローラ113との間の間隔を狭くする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を載せるための積載板と、
前記積載板の上方に配置され、前記記録媒体を前記画像形成装置の内部に供給する給紙ローラと、
前記積載板を昇降させる昇降部と、
前記昇降部を制御して、前記積載板の高さを変えることで、前記積載板と、前記給紙ローラとの間の間隔を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記積載板に、前記記録媒体として、用紙が軸の周りに巻き取られたロール紙の一端が載せられた場合に、前記記録媒体として、用紙を予め定められたサイズにカットしたカット紙が載せられた場合よりも前記間隔を狭くすること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記積載板に前記ロール紙の一端が載せられ、かつ、前記ロール紙の径が予め定められた閾値以下である場合に、前記記録媒体として前記カット紙が前記積載板に載せられたときよりも前記間隔を狭くすること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記積載板に前記ロール紙の一端が載せられ、かつ、前記ロール紙の残量が予め定められた閾値以下である場合に、前記記録媒体として前記カット紙が前記積載板に載せられたときよりも前記間隔を狭くすること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記残量は、前記ロール紙の重量により判断されること
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記積載板の上方において前記記録媒体を載せるシートレシーブと、
前記積載板と前記シートレシーブとの間に配置され、前記シートレシーブを、前記積載板に対して上方に押し上げる支持バネと、をさらに備えること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記一端が、前記給紙ローラよりも前記画像形成装置の内部にある予め定められたローラにまで達した場合に、前記間隔を広げること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記一端が、前記給紙ローラよりも前記画像形成装置の内部にある予め定められたローラにまで達した場合に、前記間隔を広げること
を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ロール状に巻かれたロール紙と、予め定められたサイズにカットされたカット紙との両方に画像を形成することができる画像形成装置が使用されている。例えば、特許文献1には、給紙部に挿入されたロール紙又はカット紙を識別して、識別された用紙に応じて、画像を形成することのできる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-134238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ロール状に巻かれたロール紙は給紙時に搬送方向と反対方向にロール紙の張力が働くため、ロール紙の給紙時は、カット紙の給紙時よりも大きな搬送力が必要となる。このため、従来の技術では、ロール紙を給紙する際に搬送不良が発生することがある。
【0005】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、ロール紙を画像形成装置の内部に確実に供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、供給された記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記記録媒体を載せるための積載板と、前記積載板の上方に配置され、前記記録媒体を前記画像形成装置の内部に供給する給紙ローラと、前記積載板を昇降させる昇降部と、前記昇降部を制御して、前記積載板の高さを変えることで、前記積載板と、前記給紙ローラとの間の間隔を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記積載板に、前記記録媒体として、用紙が軸の周りに巻き取られたロール紙の一端が載せられた場合に、前記記録媒体として、用紙を予め定められたサイズにカットしたカット紙が載せられた場合よりも前記間隔を狭くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一又は複数の態様によれば、ロール紙を画像形成装置の内部に確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る画像形成装置及びアンワインダの構成を概略的に示す断面図である。
図2】画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】手差し給紙トレイに記録媒体がセットされた際の動作を示すフローチャートである。
図4】(A)及び(B)は、記録媒体、手差し給紙トレイ、各種センサ及び各種ローラの関係を説明するための第1及び第2の概略図である。
図5】積載板のリフトアップ後にペーパーエンドセンサが記録媒体を未検出になったときの動作を示す第1のフローチャートである。
図6】積載板のリフトアップ後にペーパーエンドセンサが記録媒体を未検出になったときの動作を示す第2のフローチャートである。
図7】記録媒体、手差し給紙トレイ、各種センサ及び各種ローラの関係を説明するための第3の概略図である。
図8】印刷ジョブ受信時のリフトアップ動作を示すフローチャートである。
図9】記録媒体、手差し給紙トレイ、各種センサ及び各種ローラの関係を説明するための第4の概略図である。
図10】ロール紙搬送中のリフトダウン動作を示すフローチャートである。
図11】記録媒体、手差し給紙トレイ、各種センサ及び各種ローラの関係を説明するための第5の概略図である。
図12】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施の形態に係る画像形成装置100及びアンワインダ160の構成を概略的に示す断面図である。
【0010】
画像形成装置100は、供給された記録媒体に画像を形成する、電子写真方式のページプリンタである。
画像形成装置100は、下部にカット紙P1を収納する着脱可能な給紙トレイ101と、前面にカット紙P1及びロール紙P2を給紙可能な手差し給紙トレイ105とを備える。
【0011】
給紙トレイ101には、記録媒体であるカット紙P1を積載するトレイシートレシーブ102が備えられている。
トレイシートレシーブ102の一端は、トレイ支持バネ103により支持されている。
トレイ支持バネ103は、トレイシートレシーブ102に積載された記録媒体を、その量に依らず、一定の力で上部のトレイ給紙ローラ104に押圧する。これにより、カット紙P1は、トレイ給紙ローラ104によって1枚ずつ取り出され、用紙搬送経路Uへ送り出される。
【0012】
手差し給紙トレイ105は、MPTシートレシーブ106と、記録媒体を載せるための積載板107と、MPT支持バネ108とを備える。MPTシートレシーブ106には、カット紙P1及びロール紙P2の何れかを選択して載せることができる。
【0013】
MPTシートレシーブ106は、積載板107の上方において記録媒体を載せるためのシートレシーブである。MPTシートレシーブ106は、例えば、板状の部材で構成することができる。
【0014】
積載板107と、MPTシートレシーブ106との間には、MPT支持バネ108が配置されている。MPT支持バネ108は、MPTシートレシーブ106を、積載板107の上方に押し上げる支持バネである。
【0015】
積載板107には、リフトアップモータ109で発生される回転運動を、直線運動に変換する公知の昇降機構110が取り付けられており、積載板107は、リフトアップモータ109の駆動力により、昇降機構110を介して昇降される。
【0016】
リフトアップモータ109は、積載板107を昇降させる駆動力を発生するモータである。ここでは、リフトアップモータ109は、ステッピングモータであり、任意の高さに積載板107を昇降させることができる。例えば、リフトアップモータ109が正転した場合に、昇降機構110を介して、積載板107は上昇し、リフトアップモータ109が逆転した場合に、昇降機構110を介して、積載板107は下降する。
【0017】
ここで、リフトアップモータ109及び昇降機構110により、積載板107を昇降させる昇降部が構成されるものとする。
【0018】
媒体検出センサ111は、手差し給紙トレイ105に記録媒体がセットされたか否かを検出するためのセンサである。
ペーパーエンドセンサ112は、手差し給紙トレイ105にセットされた記録媒体がなくなったか否かを検出するためのセンサである。
【0019】
例えば、手差し給紙トレイ105に記録媒体がセットされたことを媒体検出センサ111が検出したとき、リフトアップモータ109が駆動して、積載板107のリフトアップが開始される。
【0020】
また、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出したとき、リフトアップモータ109が駆動を停止して、積載板107のリフトアップが停止される。ここで、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出する高さは、載せられた記録媒体の量に依らずに、MPT支持バネ108が所望の力で記録媒体をMPTトレイ給紙ローラ113に押圧できる高さとする。これにより、カット紙P1は、MPTトレイ給紙ローラ113によって、用紙搬送経路Uへ1枚ずつ取り出されていく。また、ロール紙P2もMPTトレイ給紙ローラ113によって用紙搬送経路Uへ搬送されていく。
【0021】
MPTトレイ給紙ローラ113は、積載板107の上方に配置され、記録媒体を画像形成装置100の内部に供給する給紙ローラである。
【0022】
また、積載板107のリフトアップ中及びリフトアップ後は、後述する制御部141は、ペーパーエンドセンサ112を監視する。そして、制御部141は、セットされていた記録媒体がなくなったと判断した場合には、リフトアップモータ109を駆動させて、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出するまで積載板107をリフトダウンさせる。
【0023】
画像形成装置100の上部には、画像形成方向Vの上流からイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)の色別のイメージドラムユニット120Y、120M、120C、120K、120Wが設けられている。なお、図1において、符号の末尾に付加された大文字Y、M、C、K及びWは、それぞれの色を示している。なお、以下では、特に色を区別する必要がない場合には、そのような大文字を省略する場合がある。
【0024】
イメージドラムユニット120の下方には、中間転写ベルト121を挟んで、一次転写ローラ122が設けられている。電子写真方式により、中間転写ベルト121上に、現像剤としてのトナーを用いた現像剤像であるトナー像が形成され、中間転写ベルトローラ123によって、そのトナー像が搬送される。
【0025】
トレイ給紙ローラ104の用紙搬送方向Xの下流には、第1搬送ローラ124が設けられている。
第1搬送ローラ124の前には、記録媒体の通過を検出する第1INセンサ125がある。
第1搬送ローラ124の下流には、レジストローラ126が設けられている。
レジストローラ126の前には、記録媒体を検出する第2INセンサ127がある。
【0026】
レジストローラ126は、レジストクラッチ128によって動作が切り替わり、搬送モータ129により駆動される。具体的には、第2INセンサ127が記録媒体を検出しても、レジストクラッチ128は入れられず、レジストローラ126は、回転を開始しない。これにより、レジストローラ126には、一定時間、記録媒体の先端が突き当てられ、記録媒体のスキューが解消される。
【0027】
レジストローラ126の下流には、第2搬送ローラ130が設けられている。
第2搬送ローラ130の前に、記録媒体を検出する第3INセンサ131がある。
【0028】
第2搬送ローラ130の下流には、二次転写ローラ132が設けられている。
二次転写ローラ132は、中間転写ベルト121上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。二次転写ローラ132の下流には、定着ローラ133が設けられている。
定着ローラ133は、トナー像が転写された記録媒体に、そのトナー像を熱で定着させる。
【0029】
そして、記録媒体がカット紙P1の場合は、カット紙P1は、排出ローラ134を通過して、フェイスダウンスタッカ135に排出される。また、カット紙P1は、フェイスアップスタッカ136に排出されてもよい。
一方、記録媒体がロール紙P2の場合は、ロール紙P2は、フェイスアップスタッカ136に排出される。
【0030】
アンワインダ160は、ロール紙P2を給紙する際に、画像形成装置100に取り付けられる。
【0031】
ロール紙P2は、回転軸161に通してセットされることで、アンワインダ160内に収納される。
回転軸161は、ロール紙支柱162により支持されており、ロール紙P2もロール紙支柱162によって支持される。
【0032】
ロール紙支柱162の下部には、ロール紙重量センサ163が設けられている。
ロール紙重量センサ163は、セットされたロール紙P2の重量を検出する。
ロール紙重量センサ163は、アンワインダ160を制御するアンワインダ内制御部164に検出した重量を示す情報を通知する。
【0033】
アンワインダ内制御部164は、アンワインダ160での動作を制御する。
例えば、アンワインダ内制御部164は、ロール紙重量センサ163で検出された重量が予め定められたロール紙残量閾値(w[g])以下であるか否かを示す信号であるロール紙残量信号を、通信部165を介して、画像形成装置100に送信する。ここでは、ロール紙残量信号は二値の信号であり、ロール紙残量信号が「True」の場合は、ロール紙重量センサ163で検出された重量がロール紙残量閾値以下であることを示し、ロール紙残量信号が「False」の場合は、ロール紙重量センサ163で検出された重量がロール紙残量閾値よりも大きいことを示すものとする。
【0034】
テンションバー166は、ロール紙P2を一定の張りで保つために、一端166aがロール紙P2に載せられて、その一端166aが遊動する構成になっている。
【0035】
ロール紙P2の回転軸161へのセットが完了し、テンションバー166の一端166aが下げられてテンションバーセンサ167がテンションバー166を検出すると、アンワインダ内制御部164は、ロール紙P2のたるみを解消するために回転軸161を用紙搬送方向Xとは逆方向に一定速度で回転させる。回転軸161は、巻き出しモータ168によって駆動される。
【0036】
図2は、画像形成装置100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
画像形成装置100の制御系は、通信部140と、制御部141とを備える。
【0037】
制御部141は、画像形成装置100での動作を制御する。
例えば、制御部141は、リフトアップモータ109及び昇降機構110からなる昇降部を制御して、積載板107の高さを変えることで、積載板107と、MPTトレイ給紙ローラ113との間の間隔を制御する。
具体的には、制御部141は、積載板107に、記録媒体として、用紙が軸の周りに巻き取られたロール紙の一端が載せられた場合に、記録媒体として、用紙を予め定められたサイズにカットしたカット紙が載せられたときよりも、積載板107と、MPTトレイ給紙ローラ113との間の間隔を狭くする。これにより、積載板107の上に載せられたロール紙を挟みこむニップ圧が高まり、確実にロール紙を画像形成装置100の内部に供給することができるようになる。
【0038】
本実施の形態では、制御部141は、積載板107にロール紙の一端が載せられ、かつ、そのロール紙の残量が、予め定められた閾値以下である場合に、積載板107と、MPTトレイ給紙ローラ113との間の間隔を狭くしているが、本実施の形態は、このような例に限定されない。ロール紙の残量によらずに、積載板107にロール紙の一端が載せられた場合に、これらの間の間隔が狭くされてもよい。また、ロール紙の径が、予め定められた閾値以下である場合に、これらの間の間隔が狭くされてもよい。なお、残量は、ロール紙の重量で判断されればよい。
【0039】
なお、制御部141は、ロール紙の一端が、MPTトレイ給紙ローラ113よりも画像形成装置100の内部にある予め定められたローラにまで達した場合に、狭められた間隔を広げる。ここでは、予め定められたローラは、レジストローラ126であるが、第2搬送ローラ130であっても、二次転写ローラ132であってもよい。言い換えると、ロール紙の一端をニップする圧力を増すことのできるローラであれば、どのローラであってもよい。
【0040】
制御部141は、パネル制御部142と、プリンタ制御部143と、アンワインダ制御部144と、センサ制御部147と、媒体制御部153と、モータ制御部156とを備える。
【0041】
通信部140は、通信を実行する。
例えば、通信部140は、図示しないPC(Personal Computer)等の他の装置から画像形成ジョブとしての印刷ジョブを受信する。
また、通信部140は、アンワインダ160との間で、各種情報を通信する。
【0042】
パネル制御部142は、画像形成装置100の図示しないパネルを制御して、そのパネルに各種情報を表示させる。パネルは、例えば、入力部及び表示部として機能するタッチパネルであってもよい。
【0043】
プリンタ制御部143は、画像形成装置100での全般的な動作を処理する画像形成装置制御部である。
【0044】
アンワインダ制御部144は、アンワインダ160の動作を制御する。例えば、アンワインダ制御部144は、通信部140を介して、アンワインダ160にロール紙残量信号を要求し、通信部140を介して、アンワインダ160からロール紙残量信号を受け取る。
【0045】
センサ制御部147は、ペーパーエンドセンサ制御部148と、媒体セット検出センサ制御部149と、ホームポジションセンサ制御部150と、第2INセンサ制御部151と、第3INセンサ制御部152とを備える。
【0046】
ペーパーエンドセンサ制御部148は、ペーパーエンドセンサ112を制御して、手差し給紙トレイ105にセットされた記録媒体の搬送が終了したか否かを判断する。
【0047】
媒体セット検出センサ制御部149は、媒体検出センサ111を制御して、媒体検出センサ111での検出結果に応じて、手差し給紙トレイ105に記録媒体がセットされたか否かを判断する。
【0048】
ホームポジションセンサ制御部150は、ホームポジションセンサ114を制御して、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出したか否かを判断する。
【0049】
第2INセンサ制御部151は、第2INセンサ127を制御して、記録媒体が第2INセンサ127にまで到達したか否かを判断する。
第3INセンサ制御部152は、第3INセンサ131を制御して、記録媒体が第3INセンサ131にまで到達したか否かを判断する。
【0050】
媒体制御部153は、リフトアップ制御部154と、媒体搬送制御部155とを備える。
【0051】
リフトアップ制御部154は、プリンタ制御部143からの指示に従って、リフトアップモータ制御部157を介して、積載板107のリフトアップ及びリフトダウンを制御する。
媒体搬送制御部155は、搬送モータ129の駆動を制御することで、トレイ給紙ローラ104、MPTトレイ給紙ローラ113、第1搬送ローラ124、レジストローラ126及び第2搬送ローラ130等による記録媒体の搬送を制御する。
【0052】
モータ制御部156は、リフトアップモータ制御部157を備える。
リフトアップモータ制御部157は、リフトアップ制御部154からの指示に従って、リフトアップモータ109の駆動を制御する。
【0053】
次に、実施の形態の動作について説明する。
図3は、手差し給紙トレイ105に記録媒体がセットされた際の動作を示すフローチャートである。
記録媒体が手差し給紙トレイ105にセットされた際には、MPT支持バネ108が記録媒体の積載量に依らずに、記録媒体をMPTトレイ給紙ローラ113に押圧できる高さまで積載板107を上昇させる。なお、積載板107は、予め定められた最大リフトアップ量であるx[mm](x>0)までリフトアップできるものとする。
【0054】
まず、図4(A)に示されているように、記録媒体Dを媒体検出センサ111が検出したとき、媒体セット検出センサ制御部149は、記録媒体Dが積載板107(MPTシートレシーブ106)にセットされたものと判断する。そして、媒体セット検出センサ制御部149は、媒体がセットされたことを示す情報をプリンタ制御部143に通知する。これにより、図3のフローチャートが開始される。
【0055】
そのような通知を受けるとプリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にセット時リフトアップを指示する。リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップ開始を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109を駆動させて、積載板107のリフトアップを開始する(S10)。
【0056】
積載板107のリフトアップ中は、プリンタ制御部143からの指示に従って、ペーパーエンドセンサ制御部148は、ペーパーエンドセンサ112を監視する。そして、ペーパーエンドセンサ制御部148は、ペーパーエンドセンサ112が、記録媒体を検出したか否かを判断する(S11)。ペーパーエンドセンサ112が、記録媒体を検出した場合(S11でYES)には、ペーパーエンドセンサ制御部148は、図4(B)に示されているように、セット時リフトアップ量に達したものと判断して、処理をステップS12に進める。この際、ペーパーエンドセンサ制御部148は、記録媒体が検出されたことを示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。リフトアップ制御部154は、後述のようにして算出される、このときのリフトアップ量を現在のリフトアップ量として保持しておく。
一方、ペーパーエンドセンサ112が、記録媒体を検出していない場合(S11でNO)には、ペーパーエンドセンサ制御部148は、積載板107が上昇途中と判断して、処理をステップS14に進める。
【0057】
ステップS12では、記録媒体が検出されたことを示す情報の通知を受けたプリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にリフトアップの停止を指示し、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップ停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトアップを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータの駆動の停止したことを示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。
【0058】
そして、プリンタ制御部143は、パネル制御部142に用紙有り表示を指示する。このような指示に応じて、パネル制御部142は、画像形成装置100の図示しないパネルに、用紙有りを示すメッセージを表示させる(S13)。そして、記録媒体セット時の動作は終了する。
【0059】
一方、ステップS14では、リフトアップ制御部154は、リフトアップ開始の指示からの時間で、積載板107のリフトアップ量を算出し、算出されたリフトアップ量が最大リフトアップ量に達したか否かを判断する。算出されたリフトアップ量が最大リフトアップ量に達していない場合(S14でNO)には、処理はステップS11に戻る。算出されたリフトアップ量が最大リフトアップ量に達した場合(S14でYES)には、処理はステップS15に進む。
【0060】
ステップS15では、算出されたリフトアップ量が最大リフトアップ量に達しても、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出できていないため、リフトアップ制御部154は、記録媒体がペーパーエンドになったものと判断する。この場合、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップの停止を指示する。リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止することで、積載板107のリフトアップを停止する。そして、リフトアップモータ制御部157は、プリンタ制御部143にリフトアップが完了し、ペーパーエンドが検出されたことを示す情報を通知する。
【0061】
ペーパーエンドが検出されたことを示す情報の通知を受けたプリンタ制御部143は、パネル制御部142にペーパーエンド表示を指示する。このような指示に応じて、パネル制御部142は、画像形成装置100の図示しないパネルに、ペーパーエンドを示すメッセージを表示させる(S16)。
【0062】
また、プリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にペーパーエンドリフトダウンを指示し、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン開始を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109を駆動させて、積載板107のリフトダウンを開始する(S17)。
【0063】
ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107のリフトダウン中はホームポジションセンサ114を監視して、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出したか否かを判断する(S18)。ホームポジションセンサ114が積載板107を検出していない場合(S18でNO)には、ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107が下降途中と判断し、処理をステップS18に戻す。
一方、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出した場合(S18でYES)には、ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107がホームポジションまで下降したものと判断し、積載板107がホームポジションに有ることを示す情報を、リフトアップ制御部154に通知する。そして、処理はステップS19に進む。
【0064】
ステップS19では、積載板107がホームポジションに有ることを示す情報の通知を受けたリフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトダウンを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトダウンの完了を示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。そして、リフトアップ制御部154は、保持しているリフトアップ量を初期化する。ここでは、リフトアップ量は、初期値である0mmにされる。
【0065】
図5及び図6は、積載板107のリフトアップ後にペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったときの動作を示すフローチャートである。
カット紙の場合は、用紙の引き抜き又は印刷によって、積載板107にセットされている用紙の高さが低くなるため、記録媒体のセット時の高さを積載板107が維持していたとしても、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出できないことがある。このため、カット紙がセットされていてペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となった場合は、図7に示す高さ調整リフトアップ量であるz[mm]だけ積載板107を上昇させてペーパーエンドセンサ112が記録媒体を再検出するか否かを確認する。ロール紙の場合は、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったときにペーパーエンドと判断する。
【0066】
図7に示されているように、印刷中等のように、積載板107のリフトアップ後に、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったとき、ペーパーエンドセンサ制御部148からプリンタ制御部143に記録媒体を未検出であることを示す情報が通知され、図5に示されているフローチャートが開始される。
【0067】
まず、プリンタ制御部143は、セットされている記録媒体の種別がカット紙であるか否かを判断する(S20)。例えば、印刷ジョブ受信後であれば、プリンタ制御部143は、受信された印刷ジョブからセットされている記録媒体の種別を判別する。印刷ジョブ受信前は記録媒体の判別がつかないため、プリンタ制御部143は、セットされている記録媒体の種別をカット紙として制御を行なう。そして、セットされている記録媒体の種別がカット紙である場合(S20でYES)には、カット紙の積載量が減少したものと判断されて、処理はステップS21へ進む。一方、セットされている記録媒体の種別がロール紙である場合(S20でNO)には、ロール紙がペーパーエンドになったものと判断されて、処理は図6のステップS35に進む。
【0068】
ステップS21では、プリンタ制御部143は、未給紙の印刷ページがあるか否かを判断する。未給紙の印刷ページがある場合(S21でYES)には、処理はステップS22へ進む。未給紙の印刷ページがない場合(S21でNO)には、プリンタ制御部143からリフトアップ制御部154に高さ調整リフトアップを指示して、処理はステップS23へ進む。
【0069】
ステップS22では、プリンタ制御部143は、媒体搬送制御部155に給紙の一時停止を指示する。このような指示を受けた媒体搬送制御部155は、搬送モータ129の駆動を停止することで、MPTトレイ給紙ローラ113、レジストローラ126及び第2搬送ローラ130等による記録媒体の搬送を停止させる。このとき、プリンタ制御部143は、保持している給紙の一時停止中ステータスに「True」を設定する。「True」は、給紙を一時停止中であることを示し、「False」は、給紙を一時停止中でないことを示す。また、プリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154に高さ調整リフトアップを指示する。そして、処理はステップS23へ進む。
【0070】
ステップS23では、リフトアップ制御部154は、プリンタ制御部143からの指示に従って、リフトアップモータ制御部157にリフトアップ開始を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109を駆動させて、積載板107のリフトアップを開始する。
【0071】
そして、積載板107のリフトアップ中は、ペーパーエンドセンサ制御部148は、ペーパーエンドセンサ112を監視して、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出したか否かを判断する(S24)。ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出した場合(S24でYES)には、高さ調整が完了したと判断されて、処理はステップS25に進む。この際、ペーパーエンドセンサ制御部148は、記録媒体が検出されたことを示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。リフトアップ制御部154は、このときのリフトアップ量を現在のリフトアップ量として保持しておく。
一方、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出していない場合(S24でNO)には、積載板107が高さ調整中と判断されて、処理はステップS27へ進む。
【0072】
ステップS25では、記録媒体が検出されたことを示す情報の通知を受けたプリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にリフトアップの停止を指示し、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップ停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトアップを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ109の駆動の停止を示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。
【0073】
そして、プリンタ制御部143は、媒体搬送制御部155に給紙の再開を指示する。このような指示を受けた媒体搬送制御部155は、搬送モータ129の駆動を再開することで、MPTトレイ給紙ローラ113、レジストローラ126及び第2搬送ローラ130等による記録媒体の搬送を再開させる。このとき、プリンタ制御部143は、保持している給紙の一時停止中ステータスを「False」に初期化する。そして、ペーパーエンドセンサ未検出時の動作は終了する。
【0074】
ステップS27では、リフトアップ制御部154は、高さ調整開始時のリフトアップ量と、高さ調整を開始してからのリフトアップ量である高さ調整リフトアップ量との合計である合計リフトアップ量が最大リフトアップ量に達したか否かを判断する。合計リフトアップ量が最大リフトアップ量に達していない場合(S27でNO)には、処理はステップS24に戻る。合計リフトアップ量が最大リフトアップ量に達しても、ステップS24においてペーパーエンドセンサ112が記録媒体を検出できないとき、リフトアップ制御部154は、カット紙がペーパーエンドになったものと判断する。このため、ステップS27において、合計リフトアップ量が最大リフトアップ量に達した場合(S27でYES)には、処理はステップS28に進む。
【0075】
ステップS28では、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップの停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトアップを停止する。そして、リフトアップ制御部154は、リフトアップの終了及びペーパーエンドを示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。
【0076】
そのような情報の通知を受けたプリンタ制御部143は、パネル制御部142にペーパーエンド表示を指示する。このような指示に応じて、パネル制御部142は、画像形成装置100の図示しないパネルに、ペーパーエンドを示すメッセージを表示させる(S29)。
【0077】
そして、プリンタ制御部143は、プリンタ制御部143で保持している給紙の一時停止中ステータスが、給紙を一時停止していることを示す「True」であるか否かを判断する(S30)。給紙の一時停止中ステータスが「True」である場合(S30でYES)には、処理はステップS31へ進み、給紙の一時停止中ステータスが「False」である場合(S30でNO)には、処理はステップS32へ進む。
【0078】
ステップS31では、プリンタ制御部143は、画像形成装置100内のカット紙をすべて排出して印刷を停止するよう媒体搬送制御部155に指示する。これにより、媒体搬送制御部155は、搬送モータ129を駆動させて、画像形成装置100内のカット紙をすべて排出する。このとき、プリンタ制御部143は、プリンタ制御部143で保持している給紙の一時停止中ステータスを「False」に初期化する。そして、処理はステップS32に進む。
【0079】
ステップS32では、プリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にペーパーエンドリフトダウンを指示し、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン開始を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109を駆動させて、積載板107のリフトダウンを開始する。
【0080】
ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107のリフトダウン中はホームポジションセンサ114を監視して、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出したか否かを判断する(S33)。ホームポジションセンサ114が積載板107を検出していない場合(S33でNO)には、ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107が下降途中と判断し、処理をステップS33に戻す。
一方、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出した場合(S33でYES)には、ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107がホームポジションまで下降したものと判断し、積載板107がホームポジションに有ることを示す情報を、リフトアップ制御部154に通知する。そして、処理はステップS34に進む。
【0081】
ステップS34では、積載板107がホームポジションに有ることを示す情報の通知を受けたリフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウンの停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトダウンを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトダウンの完了を示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。そして、リフトアップ制御部154は、保持しているリフトアップ量を初期化する。ここでは、リフトアップ量は、初期値である0mmにされる。
【0082】
ステップS20において、セットされている記録媒体の種別がロール紙であり(S20でNO)、ロール紙がペーパーエンドになったものと判断された場合には、処理は図6のステップS35に進む。
図6のステップS35では、プリンタ制御部143は、パネル制御部142にペーパーエンド表示を指示する。このような指示に応じて、パネル制御部142は、画像形成装置100の図示しないパネルに、ペーパーエンドを示すメッセージを表示させる。
【0083】
次に、プリンタ制御部143は、受信済みの印刷ジョブがあるか否かを判断する(S36)。受信済みの印刷ジョブがある場合(S36でYES)には、処理はステップS37に進み、受信済みの印刷ジョブがない場合(S36でNO)には、処理はステップS38に進む。
【0084】
ステップS37では、プリンタ制御部143は、媒体搬送制御部155に印刷を停止するように指示して、処理をステップS38に進める。このような指示を受けた媒体搬送制御部155は、搬送モータ129の駆動を停止する。
【0085】
また、プリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にペーパーエンドリフトダウンを指示し、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン開始を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109を駆動させて、積載板107のリフトダウンを開始する(S38)。
【0086】
ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107のリフトダウン中はホームポジションセンサ114を監視して、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出したか否かを判断する(S39)。ホームポジションセンサ114が積載板107を検出していない場合(S39でNO)には、ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107が下降途中と判断し、処理をステップS39に戻す。
一方、ホームポジションセンサ114が積載板107を検出した場合(S39でYES)には、ホームポジションセンサ制御部150は、積載板107がホームポジションまで下降したものと判断し、積載板107がホームポジションに有ることを示す情報を、リフトアップ制御部154に通知する。そして、処理はステップS40に進む。
【0087】
ステップS40では、積載板107がホームポジションに有ることを示す情報の通知を受けたリフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトダウンを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトダウンの完了を示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。そして、リフトアップ制御部154は、保持しているリフトアップ量を初期化する。ここでは、リフトアップ量は、初期値である0mmにされる。
【0088】
図8は、印刷ジョブ受信時のリフトアップ動作を示すフローチャートである。
ロール紙の張力は、ロール紙の径が小さくなるほど大きくなるため、ここでは、ロール紙の重量からロール紙の残量が推定されて、ロール紙の張力が判定される。ロール紙の径が小さく、ロール紙の張力が強くて、カット紙給紙時のニップ圧のままの搬送力では搬送できなくなるロール紙の残量の閾値を、ロール紙残量閾値(w[g])とする。印刷ジョブ受信時のリフトアップ動作では、ロール紙の残量がロール紙残量閾値であるw[g]以下のとき、ロール紙の給紙時のニップ圧を強めることとする。
【0089】
まず、図3に示されている記録媒体セット時のリフトアップ動作が完了し、図3のステップS13において、用紙有りを示すメッセージが示されているものとする。このとき、通信部140が印刷ジョブを受信すると、通信部140は、プリンタ制御部143に印刷ジョブに含まれている印刷設定を通知する。これにより、図8に示されているフローチャートが開始される。
【0090】
プリンタ制御部143は、通信部140からの印刷設定を参照して、印刷を行う記録媒体のサイズである媒体サイズがロール紙であるか否かを判断する(S50)。媒体サイズがロール紙ではない場合(S50でNO)には、処理はステップS51へ進み、媒体サイズがロール紙である場合(S50でYES)には、処理はステップS52へ進む。ここでは、媒体サイズにより、記録媒体の種別が判断されているが、例えば、印刷設定に、記録媒体の種別が含まれていてもよい。
【0091】
ステップS51では、記録媒体の種別がカット紙であるため、プリンタ制御部143は、媒体搬送制御部155に給紙開始を指示して、印刷ジョブ受信時のリフトアップ動作を終了する。そして、プリンタ制御部143は、カット紙の印刷を開始する。
【0092】
一方、ステップS52では、プリンタ制御部143は、通信部140を介して、アンワインダ160に、セットされたロール紙の重量がロール紙残量閾値であるw[g]以下か否かを示すロール紙残量信号の通知を要求する。
【0093】
そのような要求を通信部165が受診すると、アンワインダ160のアンワインダ内制御部164は、ロール紙重量センサ163で検出された重量が予め定められたロール紙残量閾値(w[g])以下であるか否かを判断し、その判断結果を示すロール紙残量信号を、通信部165を介して、画像形成装置100に送信する。プリンタ制御部143は、通信部140を介して、そのロール紙残量信号を取得する(S53)。ここで、プリンタ制御部143は、ロール紙給紙時リフトアップを実施しているかを判定する際に使用するため、ロール紙残量信号で示されるロール紙残量閾値(w[g])以下であるか否かを示すロール紙残量情報を保持する。
【0094】
そして、プリンタ制御部143は、取得されたロール紙残量信号により、ロール紙の残量がロール紙残量閾値以下であるか否かを判断する(S54)。ロール紙の残量がロール紙残量閾値以下である場合、言い換えると、ロール紙残量信号が「True」を示す場合には、処理はステップS55に進み、ロール紙の残量がロール紙残量閾値よりも大きい場合、言い換えると、ロール紙残量信号が「False」を示す場合には、処理はステップS61に進む。
【0095】
なお、ステップS54では、ロール紙残量信号が「True」を示す場合(S54でYES)には、ロール紙の径が小さく、カット紙給紙時のニップ圧の搬送力で給紙ができないため、処理はステップS55に進む。一方、ロール紙残量信号が「False」を示す場合(S54でNO)には、ロール紙の径が大きく、カット紙給紙時のニップ圧の搬送力で給紙できるため、処理はステップS61に進む。
【0096】
ステップS55では、プリンタ制御部143からリフトアップ制御部154にロール紙給紙時リフトアップを指示する。このような指示を受けたリフトアップ制御部154は、リフトアップモータ109を駆動させることで、積載板107のリフトアップを開始する。
【0097】
積載板107のリフトアップ中、ペーパーエンドセンサ制御部148は、ペーパーエンドセンサ112を監視して、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったか否かを判断する(S56)。ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になった場合(S56でYES)には、処理はステップS57に進み、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になっていない場合(S56でNO)には、処理はステップS59に進む。
【0098】
ステップS57では、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップの停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトアップを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトアップ終了を示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。また、リフトアップ制御部154は、このときのリフトアップ量を現在のリフトアップ量として保持しておく。
【0099】
次に、画像形成装置100は、図5に示されている、リフトアップ後にペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったときの動作を行なう。ここでは、受信された印刷ジョブでは、ロール紙に印刷を行うものであったため、セットされていた記録媒体はロール紙と判断され、ペーパーエンドの通知が行われて印刷が停止される。そして、積載板107がリフトダウンされて、印刷ジョブ受信時のリフトアップ動作が終了する。
【0100】
一方、ステップS56において、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になっていない場合(S56でNO)には、処理はステップS59に進む。
ステップS59では、リフトアップ制御部154は、リフトアップ開始指示からの時間でリフトアップ量を算出し、算出されたリフトアップ量がロール紙給紙時リフトアップ量に達したか否かを判断する。ここで、ロール紙給紙時リフトアップ量は、図9に示されているように、予め定められたn[mm](n>0)であるものとする。
【0101】
算出されたリフトアップ量がロール紙給紙時リフトアップ量に達した場合(S59でYES)には、処理はステップS60に進み、算出されたリフトアップ量がロール紙給紙時リフトアップ量に達していない場合(S59でNO)には、処理はステップS56に戻る。
【0102】
ステップS60では、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトアップ停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止させて、積載板107のリフトアップを停止する。リフトアップモータ109の駆動が停止すると、リフトアップ制御部154は、リフトアップ終了を示す情報を、プリンタ制御部143に通知する。また、リフトアップ制御部154は、このときのリフトアップ量を現在のリフトアップ量として保持しておく。そして、処理はステップS61に進む。
【0103】
ステップS61では、プリンタ制御部143は、媒体搬送制御部155に給紙開始を指示して、印刷を開始して、印刷ジョブ受信時のリフトアップ動作を終了する。
【0104】
図8に示されているフローチャートでは、ロール紙の重量からロール紙の残量を推定してロール紙の張力を判定したが、実施の形態は、このような例に限定されない。例えば、アンワインダ160がロール紙の径を測定する機構を備えている場合には、画像形成装置100のプリンタ制御部143は、測定されたロール紙の径からロール紙の張力を判定してもよい。
【0105】
図10は、ロール紙搬送中のリフトダウン動作を示すフローチャートである。
レジストローラ126までロール紙が到達し、レジストローラ126がロール紙の搬送に加わった場合、MPTトレイ給紙ローラ113のニップ圧を強めなくとも十分な搬送力が得られる。このため、ロール紙がレジストローラ126を通過した場合には、強めていたニップ圧をカット紙給紙時と同じニップ圧まで弱める。これにより、不必要にニップ圧を強めてしまい、MPTトレイ給紙ローラ113が摩耗すること、及び、MPT支持バネ108の復元力が減衰することを防止する。
また、ロール紙搬送中のリフトダウン動作は、ニップ圧がカット紙給紙時よりも低下することはないため、印刷しながら行われる。
【0106】
図11示されているように、第3INセンサ131が記録媒体を検出したとき、レジストローラ126が記録媒体を噛んで搬送に加わっているものと判断され、図10のフローチャートが開始される。このとき、第3INセンサ制御部152は、プリンタ制御部143に記録媒体が検出されたことを示す情報を通知する。
【0107】
第3INセンサ制御部152から、記録媒体が検出されたことを示す情報を受け取ると、プリンタ制御部143は、保持しているロール紙残量情報が「True」を示すか否か、言い換えると、ロール紙給紙時リフトアップが実施されているか否かを判断する(S70)。ここでは、ロール紙残量情報が「True」を示す場合に、ロール紙給紙時リフトアップが実施されていると判断され、ロール紙残量情報が「False」を示す場合に、ロール紙給紙時リフトアップが実施されていないと判断される。ロール紙給紙時リフトアップが実施されていない場合(S70でNO)には、処理はステップS71に進む。なお、処理がステップS71に進んだ後、プリンタ制御部143は、保持しているロール紙残量情報を初期化する。一方、ロール紙給紙時リフトアップが実施されている場合(S70でYES)には、処理はステップS73に進む。
【0108】
ステップS71では、ペーパーエンドセンサ制御部148は、積載板107のリフトアップが実施されている間、ペーパーエンドセンサ112を監視して、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となったか否かを判断する。ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となった場合(S71でYES)には、処理はステップS72に進む。このとき、ペーパーエンドセンサ制御部148は、リフトアップ制御部154に、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出であることを示す情報を通知する。一方、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となっていない場合(S71でNO)には、ロール紙搬送中のリフトダウン動作を終了する。
【0109】
ステップS72では、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になった場合に、カット紙の積載量が減少したものと判断され、図5に示されている、リフトアップ中にペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったときの動作が行われる。
受信された印刷ジョブがカット紙への印刷を行うものであった場合、セットされていた記録媒体は、カット紙と判断され、高さ調整リフトアップを実施してペーパーエンドセンサ112が記録媒体を再検出できたときは印刷が継続される。再検出できなかったときは印刷を停止して、積載板107のリフトダウンが行われる。
【0110】
ステップS73では、プリンタ制御部143は、リフトアップ制御部154にリフトダウンを指示し、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン開始を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109を駆動させて、積載板107のリフトダウンを開始する。
【0111】
ペーパーエンドセンサ制御部148は、リフトダウン中、ペーパーエンドセンサ112を監視して、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となったか否かを判断する(S74)。ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となった場合(S74でYES)には、処理はステップS75に進む。このとき、ペーパーエンドセンサ制御部148は、リフトアップ制御部154に、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出であることを示す情報を通知する。一方、ペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出となっていない場合(S74でNO)には、処理はステップS77に進む。
【0112】
ステップS75では、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウン停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止して、積載板107のリフトダウンを停止する。そして、リフトアップ制御部154は、プリンタ制御部143にリフトダウン終了を示す情報を通知してロール紙搬送中のリフトダウン動作を終了する。そして、リフトアップ制御部154は、保持しているリフトアップ量を初期化する。
【0113】
次に、図5に示されている、リフトアップ中にペーパーエンドセンサ112が記録媒体を未検出になったときの動作が行われる(S76)。そして、受信された印刷ジョブは、ロール紙であったため、セットされていた記録媒体はロール紙と判断され、ペーパーエンドの通知が行われて印刷が停止される。そして、積載板107がリフトダンされて、ロール紙搬送中のリフトダウン動作が終了する。
【0114】
一方、ステップS77では、リフトアップ制御部154は、リフトダウン開始指示からの時間でリフトダウン量を算出し、算出されたリフトダウン量がロール紙給紙時リフトアップ量であるn[mm]に達したか否かを判断する。算出されたリフトダウン量がロール紙給紙時リフトアップ量に達した場合(S77でYES)には、処理はステップS78に進み、算出されたリフトダウン量がロール紙給紙時リフトアップ量に達していない場合(S77でNO)には、処理はステップS74に戻る。
【0115】
ステップS78では、リフトアップ制御部154は、リフトアップモータ制御部157にリフトダウンの停止を指示する。これにより、リフトアップモータ制御部157は、リフトアップモータ109の駆動を停止して、積載板107のリフトダウンを停止する。そして、リフトアップ制御部154は、プリンタ制御部143にリフトダウン完了を示す情報を通知する。リフトアップ制御部154は、このときのリフトアップ量を現在のリフトアップ量として保持しておく。
【0116】
以上に記載された制御部141の一部又は全部は、例えば、図12(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0117】
また、制御部141の一部又は全部は、例えば、図12(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部141は、処理回路網により実現することができる。
【0118】
なお、通信部140は、NIC(Network Interface Card)等の通信I/F(IntarFace)又はUSB(Universal Serial Bus)等の接続I/Fにより実現することができる。
【0119】
以上のように、本実施の形態によれば、手差しトレイにはカット紙とロール紙の両方が給紙可能であり、積載板のリフトアップ機構を利用して給紙ローラのニップ圧を切り替えることができる。手差しトレイにセットされた記録媒体は、印刷ジョブの媒体サイズにより判別が行える。また、ロール紙の給紙であった場合には、接続されたアンワインダからロール紙の残量情報を取得してロール紙の張力を判定し、ロール紙を給紙する際にMPT給紙ローラのニップ圧を強めることの要否を判断して、給紙するロール紙の張力に応じて記録媒体を積載する積載板をリフトアップして給紙ローラのニップ圧を強めることができる。そして、ロール紙の給紙時に給紙ローラのニップ圧を強めている場合は、レジストローラまでロール紙を給紙できたときに、給紙ローラのニップ圧をカット紙のニップ圧まで弱めることができる。これらにより、不必要にMPT給紙ローラのニップ圧を強めてMPT給紙ローラ及びMPT支持バネが消耗することを避けつつ、搬送不良を起こすことなくロール紙を給紙することができる。
【符号の説明】
【0120】
100 画像形成装置、 105 手差し給紙トレイ、 106 MPTシートレシーブ、 107 積載板、 108 MPT支持バネ、 109 リフトアップモータ、 110 昇降機構、 111 媒体検出センサ、 112 ペーパーエンドセンサ、 113 MPTトレイ給紙ローラ、 114 ホームポジションセンサ、 124 第1搬送ローラ、 125 第1INセンサ、 126 レジストローラ、 127 第2INセンサ、 128 レジストクラッチ、 129 搬送モータ、 130 第2搬送ローラ、 131 第3INセンサ、 141 制御部、 160 アンワインダ。
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