(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179420
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20241219BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098267
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 万里子
(72)【発明者】
【氏名】山浦 正彰
(72)【発明者】
【氏名】高橋 晃宏
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200HA02
2H200HB12
2H200JA01
2H200JB06
2H200JC03
2H200JC07
2H200JC12
2H200PB17
2H200PB39
2H270KA04
2H270KA09
2H270KA32
2H270LA18
2H270LA51
2H270LD03
2H270MB27
2H270MC40
2H270MC53
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】像保持手段における転写補助材の保持量を確認しない場合に比べて、画質を安定させること。
【解決手段】像保持手段(B)と、像保持手段(B)に保持された画像を媒体(S)に転写する転写手段(T2)と、転写を補助する転写補助材を像保持手段(B)に供給する供給手段(TB)と、像保持手段(B)に保持された転写補助材の量を検出する検出手段(SN0)と、検出手段(SN0)の検出結果に基づいて、像保持手段(B)に保持される転写補助材の量を制御する保持量制御手段(C3)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U)。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持手段と、
前記像保持手段に保持された画像を媒体に転写する転写手段と、
転写を補助する転写補助材を前記像保持手段に供給する供給手段と、
前記像保持手段に保持された前記転写補助材の量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記像保持手段に保持される前記転写補助材の量を制御する保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記供給手段から前記像保持手段に供給される前記転写補助材の供給量を制御することで前記像保持手段に保持される前記転写補助材の量を制御する前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写補助材を収容する収容手段と、前記像保持手段に接触し且つ前記転写補助材を保持して回転する補助材保持手段と、を有する前記供給手段、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する接触圧力を増大させて、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を増大させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する接触圧力を減少させて、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を減少させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する回転の周速差を大きくして、前記供給手段からの供給量を増加させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する回転の周速差を小さくして、前記供給手段からの供給量を減少させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記収容手段に収容された前記転写補助材を前記補助材保持手段に向けて搬送する搬送手段を有する前記供給手段と、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記搬送手段の搬送量を増大させて、前記供給手段からの供給量を増加させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記収容手段に収容された前記転写補助材を前記補助材保持手段に向けて搬送する搬送手段を有する前記供給手段と、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記搬送手段の搬送量を減少させて、前記供給手段からの供給量を減少させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
固形状の前記転写補助材から掻き取られた粉体状の転写補助材を前記像保持手段に供給する前記補助材保持手段、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記掻き取り手段と前記固形状の転写補助材との接触圧力を増大させて前記転写補助材の掻き取り量を増大させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を増大させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記掻き取り手段と前記固形状の転写補助材との接触圧力を減少させて前記転写補助材の掻き取り量を減少させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を減少させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記掻き取り手段の回転速度を増大させて前記転写補助材の掻き取り量を増大させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を増大させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記掻き取り手段の回転速度を減少させて前記転写補助材の掻き取り量を減少させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を減少させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記像保持手段の回転方向に対して前記供給手段よりも上流側に配置され、転写後の前記像保持手段の表面に接触して前記像保持手段を清掃する清掃手段と、
前記清掃手段での転写補助材の除去を制御することで前記像保持手段に保持される前記転写補助材の量を制御する前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記清掃手段の前記像保持手段への接触圧力を減少させて、前記像保持手段から除去される前記転写補助材を減少させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記清掃手段を前記像保持手段から離間させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記清掃手段の前記像保持手段への接触圧力を増大させて、前記像保持手段から除去される前記転写補助材を増大させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記清掃手段の前記像保持手段への接触圧力を増大させると共に、前記供給手段からの転写補助材の供給を停止させる
ことを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記供給手段での転写補助材の供給を停止すると共に前記像保持手段を空回転させて前記清掃手段で前記転写補助材を除去させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像保持手段上の現像剤の像を、紙等の媒体に静電的に転写、定着して画像形成を行う画像形成装置において、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2008-175849号公報には、感光体(1)の回転方向に沿ってクリーニングブレード(8a)の上流側に、潤滑材塗布装置(3)を設置して、潤滑材塗布装置(3)で潤滑材を感光体(1)の表面に塗布して、潤滑材で感光体(1)の表面のトナーに対する摩擦係数を低下させて、転写不良を抑制する技術が記載されている。特許文献1では、固形潤滑材(3b)をブラシローラ(3a)で掻き取って、ブラシローラ(3a)で感光体(1)に掻き取った潤滑材を塗布している。特許文献1では、ブラシローラ(3a)の駆動のオン・オフを制御することで、感光体(1)の周全体にランダムに潤滑材を塗布して、周方向の特定部分に潤滑材を塗布することを抑制し、潤滑材のムラの発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-175849号公報(「0013」-「0018」、
図1-
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、像保持手段における転写補助材の保持量を確認しない場合に比べて、画質を安定させることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
像保持手段と、
前記像保持手段に保持された画像を媒体に転写する転写手段と、
転写を補助する転写補助材を前記像保持手段に供給する供給手段と、
前記像保持手段に保持された前記転写補助材の量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記像保持手段に保持される前記転写補助材の量を制御する保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記供給手段から前記像保持手段に供給される前記転写補助材の供給量を制御することで前記像保持手段に保持される前記転写補助材の量を制御する前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材を収容する収容手段と、前記像保持手段に接触し且つ前記転写補助材を保持して回転する補助材保持手段と、を有する前記供給手段、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する接触圧力を増大させて、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を増大させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する接触圧力を減少させて、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を減少させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する回転の周速差を大きくして、前記供給手段からの供給量を増加させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記補助材保持手段の前記像保持手段に対する回転の周速差を小さくして、前記供給手段からの供給量を減少させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記収容手段に収容された前記転写補助材を前記補助材保持手段に向けて搬送する搬送手段を有する前記供給手段と、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記搬送手段の搬送量を増大させて、前記供給手段からの供給量を増加させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記収容手段に収容された前記転写補助材を前記補助材保持手段に向けて搬送する搬送手段を有する前記供給手段と、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記搬送手段の搬送量を減少させて、前記供給手段からの供給量を減少させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
固形状の前記転写補助材から掻き取られた粉体状の転写補助材を前記像保持手段に供給する前記補助材保持手段、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記掻き取り手段と前記固形状の転写補助材との接触圧力を増大させて前記転写補助材の掻き取り量を増大させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を増大させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記掻き取り手段と前記固形状の転写補助材との接触圧力を減少させて前記転写補助材の掻き取り量を減少させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を減少させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記掻き取り手段の回転速度を増大させて前記転写補助材の掻き取り量を増大させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を増大させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記固形状の転写補助材に接触して回転し転写補助材を掻き取る掻き取り手段と、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記掻き取り手段の回転速度を減少させて前記転写補助材の掻き取り量を減少させ、前記像保持手段への前記転写補助材の供給量を減少させる前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記像保持手段の回転方向に対して前記供給手段よりも上流側に配置され、転写後の前記像保持手段の表面に接触して前記像保持手段を清掃する清掃手段と、
前記清掃手段での転写補助材の除去を制御することで前記像保持手段に保持される前記転写補助材の量を制御する前記保持量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が不足している場合は、前記清掃手段の前記像保持手段への接触圧力を減少させて、前記像保持手段から除去される前記転写補助材を減少させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、
前記清掃手段を前記像保持手段から離間させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記清掃手段の前記像保持手段への接触圧力を増大させて、前記像保持手段から除去される前記転写補助材を増大させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の画像形成装置において、
前記清掃手段の前記像保持手段への接触圧力を増大させると共に、前記供給手段からの転写補助材の供給を停止させる
ことを特徴とする。
【0025】
請求項20に記載の発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、
前記転写補助材の量が過剰な場合は、前記供給手段での転写補助材の供給を停止すると共に前記像保持手段を空回転させて前記清掃手段で前記転写補助材を除去させる前記保持量制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の保持量を確認しない場合に比べて、画質を安定させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、確認された保持量に応じて転写補助材の供給量を制御して、像保持手段の転写補助材の保持量を制御できる。
請求項3に記載の発明によれば、回転する補助材保持手段で転写補助材を像保持手段に供給できる。
請求項4に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が不足している場合は、補助材保持手段の像保持手段に対する接触圧力を増大させて、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、補助材保持手段の像保持手段に対する接触圧力を減少させて、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項6に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が不足している場合は、補助材保持手段の像保持手段に対する回転の周速差を大きくして、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項7に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、補助材保持手段の像保持手段に対する回転の周速差を小さくして、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が不足している場合は、搬送手段の搬送量を増大させて、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項9に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、搬送手段の搬送量を減少させて、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項10に記載の発明によれば、像保持手段における固形状の転写補助材から粉状の転写補助材を掻き取って像保持手段に供給できる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が不足している場合は、掻き取り手段と固形状の転写補助材との接触圧力を増大させて供給量を増大させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項12に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、掻き取り手段と固形状の転写補助材との接触圧力を減少させて供給量を減少させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項13に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が不足している場合は、掻き取り手段の回転速度を増大させて供給量を増大させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
【0030】
請求項14に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、掻き取り手段の回転速度を減少させて供給量を減少させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項15に記載の発明によれば、像保持手段での転写補助材の除去量を制御して、像保持手段における転写補助材の保持量を制御できる。
請求項16に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が不足している場合は、清掃手段の像保持手段への接触圧力を減少させて、転写補助材の除去量を減少させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
【0031】
請求項17に記載の発明によれば、清掃手段を像保持手段から離間させて、転写補助材の除去量を減少させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項18に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、清掃手段の像保持手段への接触圧力を増大させて、転写補助材の除去量を増大させ、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
請求項19に記載の発明によれば、供給手段からの転写補助材の供給を停止しない場合に比べて、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に速やかに近づけることができる。
請求項20に記載の発明によれば、像保持手段における転写補助材の量が過剰な場合は、清掃手段で転写補助材を除去しつつ供給手段からの転写補助材の供給を停止して、転写補助材を像保持手段から除去して、像保持手段における転写補助材の保持量を目的の量に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【
図2】
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
【
図3】
図3は実施例1の転写補助材の供給装置の説明図である。
【
図4】
図4は塗布装置とベルトクリーナの移動の説明図であり、
図4Aは塗布装置とベルトクリーナが共に高接触圧位置に移動した状態の説明図、
図4Bは塗布装置とベルトクリーナが共に中接触圧位置に移動した状態の説明図、
図4Cは塗布装置とベルトクリーナが共に低接触圧位置に移動した状態の説明図である。
【
図6】
図6は転写補助材の付着量と濃度センサの出力との関係の一例の説明図であり、横軸に被覆率、縦軸に濃度センサの出力値を取ったグラフである。
【
図7】
図7は実施例2の制御部の説明図であり、実施例1の
図5に対応する図である。
【
図8】
図8は実施例3の転写補助材の供給装置の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【
図9】
図9は実施例3の制御部の説明図であり、実施例1の
図5に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例0034】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1、媒体供給装置の一例としてのフィーダ部U2、画像記録装置の一例としての作像部U3、および媒体処理装置U4を有している。
【0035】
(ユーザインタフェースUIの説明)
ユーザインタフェースUIは、複写開始や複写枚数の設定などに用いられる入力ボタンUIaを有する。また、前記ユーザインタフェースUIは、前記入力ボタンUIaにより入力された内容や、複写機Uの状態が表示される表示部UIbを有する。
【0036】
(フィーダ部U2の説明)
図1において、フィーダ部U2は、媒体収容容器の一例としての複数の給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4を有している。また、前記フィーダ部U2は、前記各給紙トレイTR1~TR4に収容された画像記録用の媒体の一例としての記録用紙Sを取り出して、作像部U3に搬送する媒体供給路SH1等を有している。
【0037】
(作像部U3及び媒体処理装置U4の説明)
図1において、作像部U3は、前記フィーダ部U2から搬送された記録用紙Sにスキャナ部U1により読み取った原稿画像に基づいて画像記録を行う画像記録部U3aを有する。
図1、
図2において、作像部U3の潜像形成装置の駆動回路Dは、スキャナ部U1から入力された画像情報に基づいて、それに応じた駆動信号を予め設定された時期に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。書き込み手段の一例としての各潜像形成装置ROSy~ROSkの下方には、像保持手段の一例としての感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkが配置されている。
【0038】
回転する感光体ドラムPy~Pk表面は、それぞれ、帯電手段の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkにより一様に帯電される。表面が帯電された感光体ドラムPy~Pkの表面には、潜像形成装置ROSy~ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより静電潜像が形成される。感光体ドラムPy~Pkの表面の静電潜像は、現像手段の一例としての現像装置Gy,Gm,Gc,Gkによりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像装置Gy~Gkにおいて、現像により消費された現像剤は、現像剤の収容手段の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkから補給される。トナーカートリッジKy~Kkは、現像剤補給装置U3bに着脱可能に装着される。
【0039】
感光体ドラムPy~Pk表面上のトナー像は、転写手段の一例であって一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写手段の一例としての中間転写ベルトB上に1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色可視像の一例としてのカラートナー像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラートナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、K色の画像情報のみの場合はK色の感光体ドラムPkおよび現像装置Gkのみが使用され、K色のトナー像のみが形成される。
1次転写後の感光体ドラムPy~Pkは、像保持手段の清掃手段の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより、表面に付着した残留現像剤や紙粉等の残留物が除去される。
【0040】
実施例1では、感光体ドラムPk、帯電ロールCRk、ドラムクリーナCLkが、像保持体ユニットの一例としてのK色の感光体ユニットUKとして一体化されている。そして、他の色Y,M,Cについても同様に、感光体ドラムPy,Pm,Pc、帯電ロールCRy,CRm,CRc、ドラムクリーナCLy,CLm,CLcにより、感光体ユニットUY,UM,UCが構成されている。
また、K色の感光体ユニットUKと、現像剤保持手段の一例としての現像ロールR0kを有する現像装置Gkとにより、K色の像形成手段UK+Gkが構成される。同様に、Y,M,C色の感光体ユニットUY,UM,UCと、現像ロールR0y,R0m,R0cを有する現像装置Gy,Gm,Gcとにより、それぞれ、Y,M,C色の像形成手段UY+Gy,UM+Gm,UC+Gcが構成される。
【0041】
感光体ドラムPy~Pkの下方には、中間転写手段の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写手段の駆動手段の一例としての駆動ロールRd、張力付与手段の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止手段の一例としてのウォーキングロールRw、従動手段の一例としての複数のアイドラロールRfおよび対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1y~T1kとを有する。中間転写ベルトBは矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
なお、実施例1のY,M,C色の1次転写ロールT1y,T1m,T1cは、感光体ドラムPy,Pm,Pcに対して接近、離間可能に支持されている。Y,M,C色の1次転写ロールT1y,T1m,T1cは、多色印刷(カラー印刷)の場合には、感光体ドラムPy~Pcに接近して中間転写ベルトBを、予め定められた接触圧で挟み込む。一方、黒色のみの単色印刷(モノクロ印刷)の場合には、感光体ドラムPy~Pcから離間する。
【0042】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。前記2次転写ユニットUtは、2次転写手段の一例としての2次転写ロールT2bを有する。前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと接触する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、2次転写ロールT2bには、中間転写ベルトBを挟んで、対向手段の一例としてのバックアップロールT2aが対向している。バックアップロールT2aには、給電手段の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。コンタクトロールT2cには、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b及びコンタクトロールT2cにより、転写手段の一例としての2次転写器T2が構成されている。
【0043】
なお、実施例1の2次転写ユニットUtは、中間転写ベルトBに対して接近、離間方向に移動可能に構成されている。使用される記録用紙Sの種類に応じて2次転写ユニットUtが移動して2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとの接触圧を変化させる。例えば、厚紙が使用される場合には、普通紙を使用する場合に比べて接触圧を弱めて、厚紙の前端が2次転写領域Q4に突入する際の衝撃を緩和することが可能である。
【0044】
前記ベルトモジュールBMの下方には、媒体の搬送路SH2が配置されている。前記フィーダ部U2の媒体供給路SH1から給紙された記録用紙Sは、媒体の搬送手段の一例としての搬送ロールRaにより、搬送時期の調節手段の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、記録用紙Sを下流側に搬送する。レジロールRrにより送り出された記録用紙Sは、レジ側の用紙ガイドSGr、転写前の用紙ガイドSG1で案内されて、2次転写領域Q4に搬送される。
中間転写ベルトB上のトナー像は、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写器T2により記録用紙Sに転写される。なお、カラートナー像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
前記1次転写ロールT1y~T1k、前記2次転写器T2、中間転写ベルトBにより、実施例1の転写装置(転写手段)T1y~T1k+T2+Bが構成されている。
【0045】
2次転写後の中間転写ベルトBは、2次転写領域Q4の下流側に配置された中間転写手段の清掃手段の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃される。ベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4において、転写されずに残った現像剤や紙粉などの残留物を、中間転写ベルトBから除去する。
【0046】
実施例1の複写機Uでは、中間転写ベルトBの回転方向に対してベルトクリーナCLBの下流側には、供給手段の一例としての塗布装置TBが配置されている。塗布装置TBは、転写補助材を中間転写ベルトBに供給する。中間転写ベルトBの表面に転写補助材の層が形成されると、転写補助材の層の更に表面にトナー像が保持される。転写補助材の層が存在する場合は、転写補助材の層が存在しない場合に比べて、中間転写ベルトBから記録用紙Sへの転写がされやすくなる。よって、記録用紙Sが、和紙やエンボス紙等の転写不良が発生しやすい紙種の場合に、転写補助材を塗布することで、転写不良の発生が抑制される。
前記中間転写ベルトBの回転方向に沿って、最下流の1次転写ロールT1kよりも下流側の位置に、検出手段の一例として、中間転写ベルトBの表面の画像を読み取る濃度センサSN0が配置されている。なお、実施例1では、濃度センサSN0は、画像の濃度調整用のセンサと共通化しているが、これに限定されない。例えば、転写補助材の保持量を検出する専用のセンサを別個に設置することも可能である。この場合、センサの設置場所も、最下流の1次転写領域Q3kの下流側に限定されず、2次転写領域Q4の下流側や、ベルトクリーナCLBと塗布装置TBの間、塗布装置TBと最上流の1次転写領域Q3yとの間、等に変更可能である。
また、実施例1では、ベルトクリーナCLBと塗布装置TBとが離れた位置に配置する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ベルトクリーナCLBのハウジングと塗布装置TBとが1ユニット化された構成として、省スペース化したり、交換を容易にしてメンテナンス性を向上させることも可能である。
【0047】
トナー像が転写された記録用紙Sは、転写後の用紙ガイドSG2で案内されて、媒体搬送手段の一例としてのベルト搬送装置BHに送られる。ベルト搬送装置BHは、記録用紙Sを定着装置Fに搬送する。
定着装置Fは、加熱手段の一例としての加熱ロールFhと加圧手段の一例としての加圧ロールFpとを有する。記録用紙Sは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する領域である定着領域Q5に搬送される。記録用紙Sのトナー像は、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fにより加熱および加圧されて、定着される。
前記像形成手段UY+Gy~UK+Gk、転写装置T1y~T1k+T2+B、定着装置Fにより、実施例1の画像形成手段の一例としての画像記録部U3aが構成されている。
【0048】
前記定着装置Fの下流側には、切替手段の一例としての切替ゲートGT1が設けられている。前記切替ゲートGT1は、定着領域Q5を通過した記録用紙Sを、媒体処理装置U4側の排出路SH3または反転路SH4のいずれかに、選択的に切り替える。排出路SH3に搬送された記録用紙Sは、媒体処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。用紙搬送路SH5には、反りの補正手段の一例としてのカール補正部材U4aが配置されている。カール補正部材U4aは、搬入された記録用紙Sの反り、いわゆるカールを補正する。カールが補正された記録用紙Sは、媒体の排出部材の一例としての排出ロールRhにより、媒体の排出部の一例としての排出トレイTH1に、用紙の画像定着面が上向きで排出される。
【0049】
前記切替ゲートGT1により作像部U3の反転路SH4側に搬送された記録用紙Sは、切替部材の一例としての第2のゲートGT2を通って作像部U3の反転路SH4に搬送される。
このとき、記録用紙Sの画像定着面を下向きに排出する場合には、第2のゲートGT2を記録用紙Sの搬送方向後端が通過した後に、記録用紙Sの搬送方向を逆転させる。ここで、実施例1の第2のゲートGT2は、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第2のゲートGT2は、反転路SH4に搬送されてきた記録用紙Sをそのまま一旦通過させ、通過した記録用紙Sが反転、いわゆるスイッチバックされてくると、搬送路SH3,SH5側に案内する。そして、スイッチバックされた記録用紙Sは、カール補正部材U4aを通過して、画像定着面が下を向いた状態で排出トレイTH1に排出される。
【0050】
前記作像部U3の反転路SH4には循環路SH6が接続されており、その接続部には、切替手段の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。また、反転路SH4の下流端は、媒体処理装置U4の反転路SH7に接続されている。
前記切替ゲートGT1を通って反転路SH4に搬送された記録用紙Sは、第3のゲートGT3により前記媒体処理装置U4の反転路SH7側に搬送される。実施例1の第3のゲートGT3は、第2のゲートGT2と同様に、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第3のゲートGT3は、反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sを、一旦通過させ、通過した記録用紙Sがスイッチバックされてくると、循環路SH6側に案内する。
【0051】
前記循環路SH6に搬送された記録用紙Sは、媒体の搬送路SH2を通って2次転写領域Q4に再送され、二面目の印刷が行われる。
前記符号SH1~SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH,GT1~GT3で示された要素により、実施例1の用紙搬送装置SUが構成されている。
【0052】
(転写補助材の供給装置の説明)
図3は実施例1の転写補助材の供給装置の説明図である。
図3において、塗布装置TBは、筐体の一例としてのハウジング2を有する。ハウジング2は、略上下方向に延びる側壁2aと、側壁2aの下端から中間転写ベルトB側に延びる底板2bとを有する。また、ハウジング2は、左側下部の回転中心2cを中心として回転可能に支持されている。
ハウジング2の内部には、収容手段の一例としての収容室3が配置されている。実施例1の収容室3は、側壁2aと中間転写ベルトBとの間に配置された遮蔽手段の一例としての遮蔽板6と、側壁2aとで囲まれている。収容室3の内部には、転写補助材の一例としての粉状のシリカ(SiO
2)の粒子が収容されている。シリカは、転写を補助する目的で、現像剤の外添される外添剤として公知であり、外添剤と同様のものを使用可能である。したがって、シリカは、現像剤よりも小径の粒子で構成されており、一例として、直径が100nmオーダーの粒子が使用可能である。なお、転写補助材としてシリカを例示したが、これに限定されず、転写補助材として使用可能な任意の材料を使用可能である。
【0053】
収容室3の上方には、搬送手段の一例としてのパドル7が配置されている。パドル7は、回転軸7aと、回転軸7aから径方向に延びる板状のパドル本体7bとを有する。回転軸7aには、図示しない駆動源の一例としてのモータから駆動が伝達される。したがって、パドル7が回転軸7aを中心に回転すると、収容室3内のシリカを下方(後述する供給ロール8)に向けて搬送する。
【0054】
図3において、収容室3の下部には、補助材保持手段の一例としての供給ロール8が配置されている。供給ロール8は、図示しない駆動源の一例としてのモータから駆動が伝達されて、回転可能である。供給ロール8は、収容室3からのシリカの粒子が表面に供給される。供給ロール8は、一例として表面に多数の凹凸を有する発泡材料で構成されており、凹み部分にシリカの粒子を保持可能である。なお、発泡材料に限定されず、ビーズブラスト加工等で表面に凹凸が形成された部材を使用することも可能である。凹凸の大きさは、転写補助材の粒径に応じて選択可能であるが、100nmオーダーの粒子の場合、直径が100~200μm程度の凹凸とすることが可能である。
供給ロール8は、側壁2aに対向位置8aで接触して配置されており、供給ロール8の表面と側壁2aとに囲まれる空間により、貯留部の一例として、収容室3の下端部の楔状空間9が形成されている。したがって、楔状空間9において、シリカが供給ロール8に保持、供給される。
【0055】
供給ロール8は、中間転写ベルトBと対向接触する供給位置8bにおいて、シリカを中間転写ベルトBに供給する。
実施例1の供給ロール8の回転の速度は、供給位置8bにおける線速(表面の移動速度)が、中間転写ベルトBの線速に対して、同速ではなく、速度差、周速差をつけることが好ましい。供給ロール8が発泡材料で構成される場合、表面の凹凸にムラが発生しやすく、供給されるシリカの量にもムラが発生する場合がある。同速の場合には、供給ロール8のムラが中間転写ベルトB上でもムラになりやすいが、速度差を設けた場合、中間転写ベルトBの表面に対して供給ロール8の表面が相対的に移動することとなり、供給量のムラの部分が相対移動する表面で押されて均されやすくなるため好ましい。
【0056】
図3において、供給ロール8と遮蔽板6との間には、遮蔽フィルム6aが配置されている。したがって、収容室3から中間転写ベルトB側にシリカの粉が雪崩れ込まないように遮蔽フィルム6aで仕切られている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、供給位置8bよりも下流側には、均し手段の一例としての均しブレード11が配置されている。均しブレード11は、中間転写ベルトBの表面に接触して、中間転写ベルトBの表面に供給されたシリカの層厚を均す。したがって、例えば、シリカの粒が凝集した粗大粉が中間転写ベルトBの表面に供給された場合には、均しブレード11で除去されたり崩されたりすることとなる。
均しブレード11は、ベルトクリーナCLBのクリーニングブレード16と同様の部材で構成することが可能である。なお、均しブレード11は、中間転写ベルトBから残留物を除去するクリーニングブレード16とは目的が異なっており、均しブレード11と中間転写ベルトBとの接触角はクリーニングブレード16よりも小さく(浅く)設定され、残留物を除去する能力はクリーニングブレード16よりも低く設定されている。
【0057】
図4は塗布装置とベルトクリーナの移動の説明図であり、
図4Aは塗布装置とベルトクリーナが共に高接触圧位置に移動した状態の説明図、
図4Bは塗布装置とベルトクリーナが共に中接触圧位置に移動した状態の説明図、
図4Cは塗布装置とベルトクリーナが共に低接触圧位置に移動した状態の説明図である。
また、ハウジング2の外側には、接触圧調整手段の一例としての塗布装置移動カム12が配置されている。塗布装置移動カム12は、円板状の部材で構成されており、回転軸12aが円板の中心からズレた位置に設けられている。すなわち、塗布装置移動カム12は、いわゆる偏心カムにより構成されている。回転軸12aには、図示しないモータから駆動が伝達される。したがって、塗布装置移動カム12の回転に伴い、塗布装置TBは、供給ロール8と中間転写ベルトBとの接触圧が高い
図4Aに示す高接触圧位置と、供給ロール8と中間転写ベルトBとの接触圧が高接触圧位置に比べて低い
図4Bに示す中接触圧位置と、供給ロール8と中間転写ベルトBとの接触圧が中接触圧位置に比べて低い
図4Cに示す低接触圧位置と、の間で移動可能である。
【0058】
また、実施例1のベルトクリーナCLBは、塗布装置TBと同様に、左下部の回転軸17を中心として回転可能に支持されている。また、ベルトクリーナCLBには、第2の接触圧調整手段の一例としてのクリーナ移動カム18が配置されている。クリーナ移動カム18は、塗布装置移動カム12と同様に構成されている。実施例1のベルトクリーナCLBは、クリーナ移動カム18の回転に伴って、清掃手段の一例としてのクリーニングブレード16と中間転写ベルトBとの接触圧が高い
図4Aに示す第2の高接触圧位置と、クリーニングブレード16と中間転写ベルトBとの接触圧が第2の高接触圧位置に比べて低い
図4Bに示す第2の中接触圧位置と、クリーニングブレード16と中間転写ベルトBとの接触圧が第2の中接触圧位置に比べて低い
図4Cに示す第2の低接触圧位置と、の間で移動可能である。
【0059】
なお、実施例1の塗布装置TBにおいて、高接触圧位置、中接触圧位置、低接触圧位置の3段階で調整する構成を例示したが、これに限定されない。2段階、または、4段階以上とすることも可能であるし、連続的に変化させる無段階とすることも可能である。また、低接触圧位置において供給ロール8と中間転写ベルトBとは接触している場合を例示したが、これに限定されず、供給ロール8と中間転写ベルトBとが離間する離間位置、すなわち、転写補助材が供給されない状態も利用することが可能である。
なお、ベルトクリーナCLBも同様であり、2段階、4段階以上、無段階で制御することも可能であるし、クリーニングブレード16と中間転写ベルトBとが離間する第2の離間位置、すなわち、転写補助材が除去されない状態も利用することが可能である。
【0060】
(実施例1の制御部の説明)
図5は実施例1の制御部の説明図である。
図5において、複写機Uの制御手段の一例としての制御部(コントローラ)Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
実施例1の制御部Cは、信号出力要素からの信号が入力され、被制御要素に信号を出力して制御する。
【0061】
(信号出力要素の説明)
制御部Cには、濃度センサSN0や、図示しないセンサ等の信号出力要素からの信号が入力される。
濃度センサSN0は、中間転写ベルトBからの反射光量に基づいて、中間転写ベルトBの像の濃度を検出する。
【0062】
(被制御要素の説明)
制御部Cは、電源回路Eや、塗布装置TBを移動させる駆動手段の一例としてのモータM1、供給ロール8を回転させる駆動手段の一例としてのモータM2、パドル7を回転させる駆動手段の一例としてのモータM3、ベルトクリーナCLBを移動させる駆動手段の一例としてのモータM4等の被制御要素へ信号を出力する。
なお、実施例1では、モータM1~M4は別個に設ける構成を例示したが、これに限定されず、共通化してギア列やクラッチで駆動を伝達する構成とすることも可能である。
【0063】
(制御部Cの機能)
実施例1の制御部Cは以下の機能手段(機能モジュール、プログラムモジュール)C1~C3を有する。
媒体種類検出手段の一例としての用紙種類検出手段C1は、記録用紙Sの種類の一例として、普通紙、厚紙、薄紙等の紙種を検出する。用紙種類検出手段C1は、ユーザーがUIを通じて記録用紙の種類(紙種やサイズ)が入力された場合は、入力された種類の情報を記録用紙Sの種類として検出する。
【0064】
図6は転写補助材の付着量と濃度センサの出力との関係の一例の説明図であり、横軸に被覆率、縦軸に濃度センサの出力値を取ったグラフである。
保持量検出手段C2は、中間転写ベルトBに保持されている転写補助材の量(保持量)を検出する。実施例1の保持量検出手段C2は、濃度センサSN0の検出結果に基づいて、転写補助材の保持量を検出する。
図6に示すように、転写補助材の保持量、被覆率が多くなるにつれて濃度センサSN0の検出値が変化することが実験等で予め知られており、濃度センサSN0の検出結果から転写補助材の保持量を推定、検出可能である。
【0065】
保持量制御手段C3は、接触圧制御手段C3Aと、回転速度制御手段C3Bと、搬送速度制御手段C3Cと、清掃制御手段C3Dとを有し、中間転写ベルトBに保持される転写補助材の保持量を制御する。実施例1の保持量制御手段C3は、濃度センサSN0の読取結果から保持量検出手段C2で検出された中間転写ベルトBの保持量に基づいて、供給ロール8と中間転写ベルトBとの接触圧や、供給ロール8の回転速度、パドル7の回転速度、クリーニングブレード16と中間転写ベルトBとの接触圧を制御して、塗布装置TBから中間転写ベルトBへの転写補助材の供給量を制御し、中間転写ベルトBの転写補助材の保持量を制御する。実施例1の保持量制御手段C3では、使用される記録用紙Sが、和紙やエンボス紙等の予め定められた転写不良が発生しやすい用紙種の場合には、転写補助材の保持量が実験等で予め定められた量となるように、制御する。なお、使用される記録用紙Sが普通紙等の転写不良が発生しにくい用紙種の場合には、和紙等の場合に比べて少ない保持量となるように制御され、一例として、実施例1では、保持量がゼロ、すなわち、中間転写ベルトBに転写補助材がない状態になるように制御する。
【0066】
接触圧制御手段C3Aは、モータM1を介して塗布装置移動カム12を制御して、塗布装置TBを高接触圧位置~低接触圧位置の間で移動させる。実施例1の接触圧制御手段C3Aは、保持量検出手段C2で検出された転写補助材の量が、目的の保持量と近似、すなわち、目的の保持量に対して所定の範囲内に収まっている場合は、中接触圧位置に移動させて、画像形成実行中に減少する転写補助材を補うように、中間転写ベルトBへ転写補助材の供給量を制御する。
また、接触圧制御手段C3Aは、転写補助材の量が目的の保持量に対して不足している場合は、高接触圧位置に移動させて、供給ロール8の中間転写ベルトBに対する接触圧力を増大させて、中間転写ベルトBへの転写補助材の供給量を増大させる。よって、中間転写ベルトBに保持される転写補助材が目的の量に近づきやすい。
【0067】
さらに、接触圧制御手段C3Aは、転写補助材の量が目的の保持量に対して過剰な場合は、塗布装置TBを低接触圧位置に移動させて、供給ロール8の中間転写ベルトBに対する接触圧力を減少させて、中間転写ベルトBへの転写補助材の供給量を減少させる。よって、中間転写ベルトBに保持される転写補助材が目的の量に近づきやすい。
なお、前述のように、供給ロール8と中間転写ベルトBとが離間する離間位置に塗布装置TBが移動可能な場合には、転写補助材の量が目的の保持量に対して過剰な場合に、塗布装置TBを離間位置に移動させて、転写補助材の供給を停止させることで、低接触圧位置よりも速やかに中間転写ベルトBに保持される転写補助材を目的の量に近づけやすい。
【0068】
回転速度制御手段C3Bは、モータM2を制御して、塗布装置TBの供給ロール8の回転速度を制御する。実施例1の回転速度制御手段C3Bは、保持量検出手段C2で検出された転写補助材の量が、目的の保持量と近似している場合には、画像形成実行中に減少する転写補助材を補うように、予め定められた回転速度で供給ロール8を回転させる。よって、供給ロール8と中間転写ベルトBとの周速差が予め定められた周速差となり、中間転写ベルトBへ転写補助材が予め定められた量だけ供給される。
実施例1の回転速度制御手段C3Bは、転写補助材の量が目的の保持量に対して不足している場合は、供給ロール8を増速して、中間転写ベルトBとの周速差を大きくし、中間転写ベルトBへの転写補助材の供給量を増大させる。よって、中間転写ベルトBに保持される転写補助材が目的の量に近づきやすい。
さらに、回転速度制御手段C3Bは、転写補助材の量が目的の保持量に対して過剰な場合は、供給ロール8を減速して、中間転写ベルトBとの周速差を小さくし、中間転写ベルトBへの転写補助材の供給量を減少させる。よって、中間転写ベルトBに保持される転写補助材が目的の量に近づきやすい。
【0069】
搬送速度制御手段C3Cは、モータM3を制御して、塗布装置TBのパドル7の回転速度を制御し、パドル7での転写補助材の搬送速度を制御する。実施例1の搬送速度制御手段C3Cは、保持量検出手段C2で検出された転写補助材の量が、目的の保持量と近似している場合には、予め定められた回転速度でパドル7を回転させる。よって、供給ロール8に向けてパドル7で予め定められた転写補助材が搬送され、中間転写ベルトBへ転写補助材が予め定められた量供給される。実施例1の搬送速度制御手段C3Cは、転写補助材の量が目的の保持量に対して不足している場合は、パドル7を増速して、供給ロール8への転写補助材の供給量を増大させる。さらに、搬送速度制御手段C3Cは、転写補助材の量が目的の保持量に対して過剰な場合は、パドル7を減速して、供給ロール8への転写補助材の供給量を減少させる。
【0070】
清掃制御手段C3Dは、モータM4を介してクリーナ移動カム18を制御して、ベルトクリーナCLBを第2の高接触圧位置~第2の低接触圧位置の間で移動させる。したがって、清掃制御手段C3Dは、クリーニングブレード16の接触圧を制御して、中間転写ベルトBから除去される転写補助材の量を制御することで、中間転写ベルトBに保持される転写補助材の量を制御する。
実施例1の清掃制御手段C3Dは、保持量検出手段C2で検出された転写補助材の量が、目的の保持量と近似、すなわち、目的の保持量に対して所定の範囲内に収まっている場合は、第2の中接触圧位置に移動させて、中間転写ベルトBから予め定められた除去量ずつ転写補助材を除去する。
【0071】
また、清掃制御手段C3Dは、転写補助材の量が目的の保持量に対して不足している場合は、ベルトクリーナCLBを第2の低接触圧位置に移動させて、クリーニングブレード16の中間転写ベルトBに対する接触圧力を減少させて、中間転写ベルトBから除去される転写補助材の量を減少させる。さらに、清掃制御手段C3Dは、転写補助材の量が目的の保持量に対して過剰な場合は、ベルトクリーナCLBを第2の高接触圧位置に移動させて、中間転写ベルトBからの転写補助材の除去量を増大させる。よって、中間転写ベルトBに保持される転写補助材が目的の量に近づきやすい。
なお、前述のように、クリーニングブレード16と中間転写ベルトBとが離間する第2の離間位置にベルトクリーナCLBが移動可能な場合には、転写補助材の量が目的の保持量に対して不足する場合に、ベルトクリーナCLBを第2の離間位置に移動させて、転写補助材の除去を停止させることで、第2の低接触圧位置よりも速やかに中間転写ベルトBに保持される転写補助材を目的の量に近づけやすい。
【0072】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、中間転写ベルトBの表面に保持されている転写補助材の量を濃度センサSN0で検出し、検出された保持量に基づいて、塗布装置TBからの供給量やベルトクリーナCLBでの除去量が制御され、転写補助材の保持量が目的の保持量に制御される。特許文献1記載の技術では、像保持手段の表面に実際に付着している転写補助材の量に関わらずランダムに塗布しているだけであり、十分に転写補助材が保持されている部分に過剰に供給されたり、転写補助材が不足している部分に供給が行われないことが発生する恐れがある。したがって、特許文献1に記載の技術では、転写補助材のムラが発生する恐れがあり、転写ムラが発生する恐れがある。特に、転写不良の発生しやすいエンボス紙等では、転写ムラが発生しやすくなり、記録用紙Sに転写、定着される画像の画質が不安定になる恐れがある。これに対して、実施例1の複写機Uでは、濃度センサSN0で検出された転写補助材の保持量に応じて、転写補助材が不足している場合は供給量を増やし、転写補助材が過剰な場合には供給量を減らす。したがって、中間転写ベルトBにおける転写補助材のムラが抑制され、転写ムラの発生が抑制される。よって、転写補助材の像保持手段への供給量を確認しない特許文献1の場合に比べて、画質が安定する。
【0073】
なお、実施例1では、供給ロール8と中間転写ベルトBとの接触圧と、供給ロール8の回転速度と、パドル7の回転速度と、クリーニングブレード16の接触圧との、4つの制御を行う構成を例示したが、これに限定されない。4つの中のいずれか1~3つのみ制御を行って、残りは制御しない(接触圧や回転速度を一定にする)構成とすることも可能である。