(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017945
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】労働時間管理システム、労働時間管理方法、及び労働時間管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240201BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120931
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】萩原 欣也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】出退勤の時間が複数日を跨ぐ場合でも、簡単に週や月での所定労働時間の集計を行うことが可能な労働時間管理システム、労働時間管理方法、及び労働時間管理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本実施の形態に係る労働時間管理システムは、週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタと、日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力手段と、前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた労働時間管理システムであって、
前記制御部は、
週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタにアクセス可能に構成されており、
日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力手段と、
前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算手段と、
を備えたことを特徴とする労働時間管理システム。
【請求項2】
前記所定労働時間再計算手段は、前記日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、前記日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は、前記日報データの所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を前記法定外計算マスタの1日の所定労働時間に設定し、前記日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が前記1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の労働時間管理システム。
【請求項3】
前記所定労働時間再計算手段は、前記日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たさず、かつ、前記日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は、前記日報データの翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、前記法定外計算マスタの1日の所定労働時間に設定し、前記日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を「1日」として、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が前記1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の労働時間管理システム。
【請求項4】
前記所定労働時間再計算手段は、前記日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、前記日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たさない場合は、前記日報データの所定労働時間-翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を前記法定外計算マスタの1日の所定労働時間に設定し、前記日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が前記1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の労働時間管理システム。
【請求項5】
前記所定労働時間再計算手段は、集計した週単位の所定労働時間と前記法定外計算マスタの週所定労働時間の差を調整時間として表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の労働時間管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
年月、所定日数、月所定労働時間を関連づけて登録した所定労働時間パターンマスタにアクセス可能に構成されており、
前記所定労働時間再計算手段は、前記集計した週単位の所定労働時間を月単位で合算し、合算した月単位の所定労働時間と、前記所定労働時間パターンマスタの該当月の月所定労働時間との差を調整時間として表示部に表示することを特徴とする請求項5に記載の労働時間管理システム。
【請求項7】
前記乗務員は、長距離ドライバーを含むことを特徴する請求項1~6のいずれか1つに記載の労働時間管理システム。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置が実行する労働時間管理方法であって、
前記制御部は、
週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力工程と、
前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算工程と、
を含むことを特徴とする労働時間管理方法。
【請求項9】
制御部を備えた情報処理装置で実行するための労働時間管理プログラムであって、
前記制御部は、
週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力工程と、
前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算工程と、
を実行するための労働時間管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、労働時間管理システム、労働時間管理方法、及び労働時間管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、長距離輸送を行う業界では、乗務員は早朝出発で翌早朝に帰着や深夜出発の翌々明朝に帰着するなど出退勤の時間が不規則でかつ複数日を跨ぐ場合がある。1運行が複数日付を跨いだ場合、歴日毎に所定労働時間を算出するためには人の判断が必要となり、週や月での所定労働時間の集計が煩雑となっていた。従来、所定労働時間を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、出退勤の時間が複数日を跨ぐ場合の所定労働時間の集計について何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出退勤の時間が複数日を跨ぐ場合でも、簡単に週や月での所定労働時間の集計を行うことが可能な労働時間管理システム、労働時間管理方法、及び労働時間管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた労働時間管理システムであって、前記制御部は、週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタにアクセス可能に構成されており、日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力手段と、前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記所定労働時間再計算手段は、前記日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、前記日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は、前記日報データの所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、前記法定外計算マスタの1日の所定労働時間に設定し、前記日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が前記1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記所定労働時間再計算手段は、前記日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たさず、かつ、前記日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は、前記日報データの翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、前記法定外計算マスタの1日の所定労働時間に設定し、前記日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を「1日」として、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が前記1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記所定労働時間再計算手段は、前記日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、前記日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たさない場合は、前記日報データの所定労働時間-翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を前記法定外計算マスタの1日の所定労働時間に設定し、前記日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が前記1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記所定労働時間再計算手段は、集計した週単位の所定労働時間と前記法定外計算マスタの週所定労働時間の差を調整時間として表示部に表示してもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、年月、所定日数、月所定労働時間を関連づけて登録した所定労働時間パターンマスタにアクセス可能に構成されており、前記所定労働時間再計算手段は、前記集計した週単位の所定労働時間を月単位で合算し、合算した月単位の所定労働時間と、前記所定労働時間パターンマスタの該当月の月所定労働時間との差を調整時間として表示部に表示することにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記乗務員は、長距離ドライバーを含むことにしてもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する労働時間管理方法であって、前記制御部は、週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタにアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力工程と、前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行するための労働時間管理プログラムであって、前記制御部は、週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタにアクセス可能に構成されており、前記制御部において、日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力工程と、前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算工程と、を実行するための労働時間管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、出退勤の時間が複数日を跨ぐ場合でも、簡単に週や月での所定労働時間の集計を行うことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、法定外計算マスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、所定労働時間パターンマスタの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の全体の処理のフローの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図12】
図12は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
例えば、長距離輸送を行う業界では、乗務員は早朝出発で翌早朝に帰着や深夜出発の翌々明朝に帰着するなど出退勤の時間が不規則でかつ複数日を跨ぐ場合がある。1運行が複数日付を跨いだ場合、歴日毎に所定労働時間を算出するためには人の判断が必要となり、週や月での所定労働時間の集計が煩雑となっていた。
【0019】
ここで、所定労働時間とは、契約で定められた労働時間のことで、具体的には就業規則や雇用契約書で定められた始業時間から就業時間まで(休憩時間を除く)の時間をいう。所定労働時間は、労働基準法で決められた法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内で、会社で自由に設定することができる。
【0020】
本実施の形態では、出退勤の時間が複数日を跨ぐ場合でも、日報データに登録された所定労働時間を、会社で規定する所定労働時間を登録したマスタを参照して、乗務員毎に日別に所定労働時間を再計算することで、簡単に週や月での所定労働時間の集計を行うことを可能とする。この結果、業務担当者の作業負荷の軽減することができ、また、週40超や月の所定労働時間チェックに利用することで、法令違反や時間外未払いを予防することが可能となる。
【0021】
本発明の労働時間管理システムは、従業員の出退勤の時間が複数日を跨ぐ業界に広く適用でき、例えば、陸送業界等の業界に広く適用可能である。なお、以下の例では、陸送業界に適用した場合を例示して、従業員=乗務員(長距離ドライバーを含む)とした場合を説明するが、これに限られるものではなく、従業員の出退勤の時間が複数日を跨ぐ他の業界に広く適用可能である。
【0022】
[2.構成]
本実施の形態に係る労働時間管理システムの構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る労働時間管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
労働時間管理システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、労働時間管理システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
労働時間管理システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。労働時間管理システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、労働時間管理システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、労働時間管理システム100とサーバ200、現場担当者端末400・・・、給与担当者端末500・・・、乗務員端末(不図示)等とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
現場担当者端末400・・・は、現場担当者(例えば、営業所の担当者)が使用する端末であり、労働時間管理システム100とデータ通信可能に構成されている。現場担当者端末400の現場担当者は、労働時間管理システム100から提供される日報入力画面で日報データを入力する。
【0027】
給与担当者端末500・・・は、給与担当者(例えば、経理部門の担当者)が使用する端末であり、労働時間管理システム100とデータ通信可能に構成されている。給与担当者端末500・・・の給与担当者は、労働時間管理システム100から提供される所定労働時間シミュレーション画面で所定労働時間の再計算の操作を行う。
【0028】
乗務員端末(不図示)は、乗務員が使用する端末で、労働時間管理システム100とデータ通信可能に構成されている。乗務員端末では、労働時間管理システム100から提供されるタイムカード画面において、就業開始時刻と就業終了時刻を打刻することで、タイムカードデータ(日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間)を入力することができる。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0031】
また、記憶部106は、法定外計算マスタ106aと、所定労働時間マスタ106bと、データテーブル106cと、を備えている。
図2は、法定外計算マスタ106aの構成例を示す図である。
図3は、所定労働時間パターンマスタ106bの構成例を示す図である。
【0032】
法定外計算マスタ106aは、労働基準法に従い会社が規定する日及び週単位の所定労働時間を登録したものであり、月単位で設定される。法定外計算マスタ106aは、例えば、
図2に示すように、週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、週起算曜日「1:火」、1日あたりの所定労働時間「8」、週所定労働時間「40」となっている。
【0033】
所定労働時間パターンマスタ106bは、労働基準法に従い会社が規定する月単位の所定労働時間を登録したものである。所定労働時間パターンマスタ106bは、
図3に示すように、所定労働時間パターンマスタ106bは、年月、所定日数、所定労働時間を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、年月「2021/4」、所定日数「24」、所定労働時間「192」となっている。
【0034】
データテーブル106eは、タイムカードデータ、日報データ、乗務員日別所定時間集計結果等の各種データを格納するためのテーブルである。
【0035】
日報データは、日報NO、乗務員、出庫時間(出社時間)、帰庫時間(帰社時間)、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含んでいてもよい。
【0036】
乗務員日別所定時間集計結果は、乗務員毎の対象年月の各日毎の再計算した所定労働時間、週単位の再計算した所定労働時間の合計、月単位の再計算した所定労働時間の合計を含むことにしてもよい。
【0037】
図1に戻り、制御部102は、労働時間管理システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0038】
制御部102は、記憶部106に格納されている、法定外計算マスタ106a、所定労働時間パターンマスタ106b、データテーブル106cにアクセス可能に構成されている。なお、法定外計算マスタ106a、所定労働時間パターンマスタ106b、データテーブル106cは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0039】
制御部102は、機能概念的に、日報入力部102aと、所定労働時間再計算部102bと、マスタメンテ部102cと、画面表示制御部102dと、を備えている。
【0040】
日報入力部102aは、現場担当者端末400からのリクエストに応じて、現場担当者端末400に日報入力画面を提供し、現場担当者端末400の現場担当者の日報入力画面での入力操作に応じて日報データを入力して、データテーブル106cに格納する。
【0041】
所定労働時間再計算部102bは、給与担当者端末500からのリクエストに応じて、給与担当者端末500に所定労働時間シミュレーション画面を提供し、給与担当者端末500の給与担当者の所定労働時間シミュレーション画面での操作に応じて、日報データに基づいて、法定外計算マスタ106aを参照して、乗務員毎に、日報NO単位に、日別に所定労働時間を再計算して、週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計した結果を含む乗務員日別所定時間集計結果を生成してデータテーブル106cに格納する。
【0042】
この場合、所定労働時間再計算部102bは、日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は(月を跨がない場合)、日報データの所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、法定外計算マスタ106aの1日の所定労働時間に設定し、日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい。
【0043】
また、所定労働時間再計算部102bは、日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たさず、かつ、日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は(前月を跨ぐ場合)、日報データの翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、法定外計算マスタ106aの1日の所定労働時間に設定し、日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を「1日」として、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい。
【0044】
また、所定労働時間再計算部102bは、日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たさない場合は(後月を跨ぐ場合)、日報データの所定労働時間-翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を法定外計算マスタ106aの1日の所定労働時間に設定し、日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい。
【0045】
また、所定労働時間再計算部102bは、集計した週単位の所定労働時間と法定外計算マスタ106aの週所定労働時間の差を調整時間として所定労働時間シミュレーション画面に表示することにしてもよい。
【0046】
また、所定労働時間再計算部102bは、集計した週単位の所定労働時間を月単位で合算し、合算した月単位の所定労働時間と、所定労働時間パターンマスタ106bの該当月の月所定労働時間との差を調整時間として所定労働時間シミュレーション画面に表示することにしてもよい。
【0047】
マスタメンテ部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、法定外計算マスタ106a、所定労働時間パターンマスタ106bに対して、データの入力・追加・削除・編集等の設定を行う。
【0048】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0049】
[3.具体例]
図1~
図12を参照して、本実施の形態における労働時間管理システム100の処理の具体例を説明する。
図4~
図11は、本実施の形態における労働時間管理システム100の処理の具体例を説明するための図である。
【0050】
(3-1.全体の処理)
図4を参照して、本実施の形態における労働時間管理システム100の制御部の全体の処理の一例を説明する。
図4は、本実施の形態における労働時間管理システム100の制御部の全体の処理のフローの一例を示す図である。
【0051】
日報入力部102aは、日報入力処理を実行する(ステップS1)。具体的には、日報入力処理では、日報入力部102aは、現場担当者端末400からのリクエストに応じて、現場担当者端末400に日報入力画面を提供し、現場担当者端末400の現場担当者の日報入力画面での入力操作に応じて日報データを入力して、データテーブル106cに格納する。
【0052】
所定労働時間再計算部102bは、所定労働時間再計算処理を実行する(ステップS2)。具体的には、所定労働時間再計算処理では、所定労働時間再計算部102bは、給与担当者端末500からのリクエストに応じて、給与担当者端末500に所定労働時間シミュレーション画面を提供し、給与担当者端末500の給与担当者の所定労働時間シミュレーション画面での操作に応じて、日報データに基づいて、法定外計算マスタ106aを参照して、乗務員毎に、日報NO単位に、日別に所定労働時間を再計算して、週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計した結果を含む乗務員日別所定時間集計結果を生成してデータテーブル106cに格納する。
【0053】
この場合、所定労働時間再計算部102bは、条件(1):日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、条件(2):日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は(月を跨がない場合)、日報データの所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、法定外計算マスタ106aの1日の所定労働時間に設定し、日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい(
図9参照)。
【0054】
また、所定労働時間再計算部102bは、条件(1):日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たさず、かつ、条件(2):日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たす場合は(前月を跨ぐ場合)、日報データの翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を、法定外計算マスタ106aの1日の所定労働時間に設定し、日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を「1日」として、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい(
図8参照)。
【0055】
また、所定労働時間再計算部102bは、条件(1):日報データの出庫時間≧当月の初日の条件を満たし、かつ、条件(2):日報データの帰庫時間≦当月の最終日の条件を満たさない場合は(翌月を跨ぐ場合)、日報データの所定労働時間-翌月所定労働時間を割当元所定労働時間、1日の最大所定労働時間を法定外計算マスタ106aの1日の所定労働時間に設定し、日報データの出庫時間から帰庫時間までの当月の各日毎に、割当開始日を当該出庫時間の日付にして、当該割当元所定労働時間のうち、順番に1日の最大所定労働時間を割り当て、当該割当元所定労働時間の残数が1日の最大所定労働時間未満になった場合は、当該割当元所定労働時間の残数を割り当てることにしてもよい(
図11参照)。
【0056】
また、所定労働時間再計算部102bは、集計した週単位の所定労働時間と法定外計算マスタ106aの週所定労働時間の差を調整時間として所定労働時間シミュレーション画面に表示することにしてもよい。
【0057】
また、所定労働時間再計算部102bは、集計した週単位の所定労働時間を月単位で合算し、合算した月単位の所定労働時間と、所定労働時間パターンマスタ106bの該当月の月所定労働時間との差を調整時間として所定労働時間シミュレーション画面に表示することにしてもよい。
【0058】
(3-2.サンプルデータ)
図5~
図12は、本実施の形態に係る労働時間管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図5~
図12を参照して、本実施の形態に係る労働時間管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0059】
(S1:日報入力処理)
図5及び
図6を参照して、日報入力処理の具体例を説明する。日報入力部102aは、現場担当者端末400からのリクエストに応じて、現場担当者端末400に日報入力画面を提供し、現場担当者端末400の現場担当者の日報入力画面での入力操作に応じて日報データを入力して、データテーブル106cに格納する。
【0060】
図5は、日報入力画面の表示例を示す図である。日報入力画面では、日報NO、乗務員、出発日時、帰着日時、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を指定して、日報データを登録する。例えば、日報入力画面で現場担当者が日報NOを入力すると、日報NOをキーとして、タイムカードデータから乗務員、出発日時、帰着日時、実働時間を取得して、所定労働時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を現場担当者が入力してもよい。所定労働時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間は、乗務員が入力すると誤入力の虞があるので、現場担当者が入力するのが望ましい。時間外時間は、実働時間-所定労働時間で自動算出して表示してもよい。なお、翌月所定労働時間及び翌月時間外時間は、出発日時~帰着日時が月(前月、翌月)を跨ぐ場合のみ入力可能となっている。
【0061】
図5(A)は、出発日時~帰着日時が月を跨ぐ場合、
図5(B)は、出発日時~帰着日時が月を跨がない場合の例を示している。
【0062】
図6は、日報データのデータ例を示す図である。日報データは、日報データは、日報NO、乗務員、出庫、帰庫、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間の項目を備えていてもよい。同図に示す例では、1行目は、日報NO「N010010」、乗務員「A00001」、出庫「2022/1/29 14:00」、帰庫「2022/2/3 10:00」、実働時間「24.00」、所定労働時間「16.00」、時間外時間「8.00」、翌月所定労働時間「10.00」、翌月時間外時間「4.00」となっている。
【0063】
(S2:所定労働時間再計算処理)
図7~
図12を参照して、所定労働時間再計算処理の具体例を説明する。所定労働時間再計算部102bは、給与担当者端末500からのリクエストに応じて、給与担当者端末500に所定労働時間シミュレーション画面を提供し、給与担当者端末500の給与担当者の所定労働時間シミュレーション画面での操作に応じて、日報データに基づいて、法定外計算マスタ106aを参照して、乗務員毎に、日報NO単位に、日別に所定労働時間を再計算して、週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計した結果を含む乗務員日別所定時間集計結果を生成してデータテーブル106cに格納する。
【0064】
図7は、所定労働時間シミュレーション画面の表示例を示す図である。所定労働時間シミュレーション画面では、対象年月、乗務員を指定する条件指定エリアと、所定労働時間計算ボタンと、所定労働時間の再計算結果の集計結果(日報データ累積)が表示される計算結果表示エリアと、を備えている。計算結果表示エリアでは、週単位で週別起算日、所定労働時間、調整時間、月単位で合算月、所定労働時間、調整時間が表示される。条件指定エリアで対象年月、乗務員が指定されて、所定労働時間計算ボタンが押下されると、所定労働時間再計算部102bは、指定された対象年月及び乗務員について、データテーブル106cの該当する日報データを参照して日毎の所定労働時間の再計算を行い、週単位及び月単位の集計結果を所定労働時間シミュレーション画面に表示する。
【0065】
所定労働時間の再計算では、日報データに登録された所定労働時間を、乗務員別日別に割り振る。前月から繰り越された所定労働時間がある場合、前月末日報の「翌月所定」の時間を月初から割り当てる。また、法定外計算マスタ106aに設定した1日あたりの所定労働時間を最大値として日報の出発日から割り当てていく。
【0066】
以下では、対象年月「2022/02」、乗務員「A00001 〇〇 ××」が指定された場合の再計算処理の計算例を説明する。該当する
図6の日報データの日報NO「N010010」~「N020007」全てについて再計算されるが、ここでは、日報NO「N010010」、「N020001」、「N020002」、「N020007」を代表させて説明する。
【0067】
(日報NO「N010010」の場合)
図8を参照して、日報NO「N010010」の場合の再計算の例を説明する。
図8(A)に示すように、日報データの日報NO「N010010」は、乗務員「A00001」、出庫「2022/1/29 14:00」、帰庫「2022/2/3 10:00」、実働時間「24.00」、所定労働時間「16.00」、時間外時間「8.00」、翌月所定労働時間「10.00」、翌月時間外時間「4.00」となっている。
【0068】
図8(B)に示すように、条件(1):出庫時間「1/29 14:00」≧当月の初日「2/1」の条件を満たさず「×」、かつ、条件(2):帰庫時間「2/3 10:00」≦当月の最終日「2/28」の条件を満たすので(○)、割当元所定労働時間を翌月所定労働時間「10」、割当開始日をシステム日付の「1日」に設定する。法定外計算マスタ106aより1日の所定労働時間は「8」であるので、1日の割当最大時間を「8」に設定する。2/1より割当時間を計算する。
【0069】
1日は、割当元所定労働時間「10」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当てる。割当元所定労働時間は、2(=割当元所定労働時間「10」-1日の割当最大時間「8」)となる。
【0070】
2日は、割当元所定労働時間「2」<1日の割当最大時間「8」となるので、所定労働時間に「2」を割り当て、処理を終了する。
【0071】
図8(C)は、カレンダーの例、
図8(D)は、乗務員日別所定労働時間集計結果を示す図であり、2/1(火)の所定労働時間を「8」、2/2(水)の所定労働時間を「2」とする。
【0072】
(日報NO「N020001」の場合)
図9を参照して、日報NO「N020001」の場合の計算例を説明する。
図9(A)に示すように、日報データの日報NO「N020001」は、乗務員「A00001」、出庫「2022/2/3 12:00」、帰庫「2022/2/5 11:00」、実働時間「24.00」、所定労働時間「16.00」、時間外時間「8.00」となっている。
【0073】
図9(B)に示すように、条件(1):出庫時間「2022/2/3 12:00」≧当月の初日「2/1」の条件を満たし「○」、かつ、条件(2):帰庫時間「2022/2/5 11:00」≦当月の最終日「2/28」の条件を満たすので「○」、割当元労働時間を所定労働時間「16」、割当開始日を出庫時間の日付「2/3」に設定する。法定外計算マスタ106aより1日の所定労働時間は「8」であるので、1日の割当最大時間を「8」に設定する。出庫時間の日付「2/3」より割当時間を計算する。
【0074】
3日は、割当元所定労働時間「16」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当てる。割当元所定労働時間は、8(=割当元所定労働時間「16」-1日の割当最大時間「8」)となる。
【0075】
4日は、割合元所定労働時間「8」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当てる。割当元所定労働時間は0(=割当元所定労働時間「8」-1日の割当最大時間「8」)となる。割当元所定労働時間が「0」であるので、処理を終了する。
【0076】
図9(C)、(D)に示すように、2/3(木)の所定労働時間を「8」、2/4(金)の所定労働時間を「2」とする。
【0077】
(日報NO「N020002」の場合)
図10を参照して、日報NO「N020002」の場合の計算例を説明する。
図10(A)に示すように、日報データの日報NO「N020002」は、乗務員「A00001」、出庫「2022/2/6 12:30」、帰庫「2022/2/10 14:30」、実働時間「34.30」、所定労働時間「29.00」、時間外時間「5.00」となっている。
【0078】
図10(B)に示すように、条件(1):出庫時間「2022/2/6 12:30」≧当月の初日「2/1」の条件を満たし「○」、かつ、条件(2):帰庫時間「2022/2/10 14:30」≦当月の最終日「2/28」の条件を満たすので「○」、割当元労働時間を所定労働時間「29」、割当開始日を出庫時間の日付を「2/6」に設定する。法定外計算マスタ106aより1日の所定労働時間は「8」であるので、1日の割当最大時間を「8」に設定する。出庫時間の日付「2/6」より割当時間を計算する。
【0079】
6日は、割当元所定労働時間「29」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当てる。割当元所定労働時間は21(=割当元所定労働時間「29」-1日の割当最大時間「8」)となる。
【0080】
7日は、割合元所定労働時間「21」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当てる。割当元所定労働時間は、13(=割当元所定労働時間「21」-1日の割当最大時間「8」)となる。
【0081】
8日は、割合元所定労働時間「13」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当てる。割当元所定労働時間は5(=割当元所定労働時間「13」-1日の割当最大時間「8」)となる。
【0082】
9日は、割合元所定労働時間「5」≧1日割当時間「8」とならないので、所定労働時間に、割当元所定労働時間の残数の「5」を割り当て、処理を終了する。
【0083】
図10(C)、(D)に示すように、2/6(日)の所定労働時間を「8」、2/7(月)の所定労働時間を「8」、2/8(火)の所定労働時間を「8」、2/9(水)の所定労働時間を「5」とする。
【0084】
(日報NO「N020007」の場合)
図11を参照して、日報NO「N020007」の場合の計算例を説明する。
図11(A)に示すように、日報データの日報NO「N020007」は、乗務員「A00001」、出庫「2022/2/26 13:30」、帰庫「2022/3/3 18:30」、実働時間「41.00」、所定労働時間「32.00」、時間外時間「9.00」、翌月所定労働時間「8.00」、翌月時間外時間「4.0」となっている。
【0085】
図11(B)に示すように、条件(1):出庫時間「2022/2/26 13:30」≧当月の初日「2/1」の条件を満たし「○」、条件(2):帰庫時間「2022/3/3 18:30」≦当月の最終日「2/28」の条件を満たさないので「×」、割当元所定労働時間に、所定労働時間「32」-翌月所定労働時間「8」、割当開始日を出庫時間の日付「2/26」に設定する。法定外計算マスタ106aより1日の所定労働時間は「8」であるので、1日の割当最大時間を「8」に設定する。出庫時間の日付「2/6」より割当時間を計算する。
【0086】
26日については、割当元所定労働時間「24」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当て、割当元所定労働時間を16(=割当元所定労働時間「24」-1日の割当最大時間「8」)とする。
【0087】
27日については、割合元所定労働時間「16」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に「8」を割り当て、割当元所定労働時間を8(=割当元所定労働時間「16」-1日の割当最大時間「8」)とする。
【0088】
28日については、割合元所定労働時間「8」≧1日割当時間「8」であるので、所定労働時間に、「8」を割り当て、割当元所定労働時間を0(=割当元所定労働時間「8」-1日の割当最大時間「8」)とする。割当元所定労働時間が「0」であるので、処理を終了する。
【0089】
図11(C)、(D)に示すように、カレンダーを示しており、2/26(土曜日)の労働時間を「8」、2/27(日)の所定労働時間を「8」、2/28(火)の所定労働時間を「8」とする。なお、
図11(C)、(D)では、説明を省略した他の日報NOについて割り当てた他の日の所定労働時間も図示している。
【0090】
図12は、上記再計算の結果、所定労働時間シミュレーション画面に表示される集計結果の表示例を示す図である。計算結果表示エリア(日報データ累積)には、週単位の集計結果として、週別起算日、当該週の所定労働時間の合計、当該週の所定労働時間の合計-法定外計算マスタ106aの週所定労働時間で算出される調整時間が表示される。例えば、
図12に示す例では、1行目に、週別起算日「2022/2/1」、当該週の所定労働時間の合計「42」、当該週の所調整時間「2(=42-40)」が表示されている。
【0091】
また、月単位の集計結果として、合算月、当該月の所定労働時間を合算した所定労働時間、当該月の所定労働時間を合算した所定労働時間-所定労働時間パターンマスタ106bの月所定労働時間で算出される調整時間が表示される。例えば、合算月「2022/2」、当該月の所定労働時間を合算した所定労働時間「170.3」、調整時間「2.3(=170.3-168)」が表示される。
【0092】
給与担当者は、1週間毎の調整時間と月合算の調整時間を確認し、日報入力画面から日報データの所定労働時間を調整可能となっている。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によれば、週起算曜日、1日あたりの所定労働時間、週所定労働時間を関連付けて登録した法定外計算マスタ106aと、日報NO、乗務員、出庫時間、帰庫時間、実働時間、所定労働時間、時間外時間、翌月所定労働時間、翌月時間外時間を含む日報データを入力する日報入力部102aと、前記日報データに基づいて、前記法定外計算マスタを参照して、乗務員毎に、日別に所定労働時間を再計算して、前記週起算曜日から1週間単位の所定労働時間を集計する所定労働時間再計算部102bと、を備えているので、出退勤の時間が複数日を跨ぐ場合でも、簡単に週や月での所定労働時間の集計を行うことが可能となる。
【0094】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0095】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0097】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0098】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0099】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0100】
また、労働時間管理システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0101】
例えば、労働時間管理システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて労働時間管理システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0102】
また、このコンピュータプログラムは、労働時間管理システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0103】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0104】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0105】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0106】
また、労働時間管理システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、労働時間管理システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0107】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0108】
100 労働時間管理システム
102 制御部
102a 日報入力部
102b 所定労働時間再計算部
102c マスタメンテ部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 法定外計算マスタ
106b 所定労働時間パターンマスタ
106c データテーブル
106f ワークテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 現場担当者端末
500 給与担当者端末