(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179463
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23D 14/02 20060101AFI20241219BHJP
F23L 1/00 20060101ALI20241219BHJP
F23C 99/00 20060101ALI20241219BHJP
F23D 14/24 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
F23D14/02 M
F23L1/00 E
F23C99/00 324
F23C99/00 326
F23D14/02 H
F23D14/24 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098332
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤本 貴之
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 尚貴
(72)【発明者】
【氏名】野田 進
【テーマコード(参考)】
3K017
3K019
3K023
3K065
【Fターム(参考)】
3K017AA06
3K017AB01
3K017AC06
3K017AD01
3K017AD11
3K017AE03
3K019AA06
3K019BA01
3K019BB04
3K019BD01
3K019BD09
3K019CA03
3K023EA03
3K065TA01
3K065TC03
3K065TD05
3K065TF03
3K065TH03
3K065TJ02
3K065TJ06
3K065TJ07
(57)【要約】
【課題】NOxの発生を適切に抑制することができる。
【解決手段】燃焼装置は、一段目燃焼器20と二段目燃焼器とを備える。一段目燃焼器20は、中心孔及び複数の一段目空気孔23を有し、一段目空気孔23の各々を通じて一段目空気を供給する一段目空気供給部材21と、一段目空気孔23の各々の内部において一段目燃料を噴射する一段目噴射孔33を有する一段目燃料供給部30とを備える。一段目空気孔23内を流れる一段目空気の流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ単に上流側及び下流側とするとき、一段目空気孔23の各々は、中心孔を中心とする周方向において互いに間隔をあけて設けられるとともに、下流側ほど周方向の一側に位置するように傾斜して延在している。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一段目燃料を燃焼させる一段目燃焼器と、二段目燃料を燃焼させる二段目燃焼器と、を備える燃焼装置であって、
前記一段目燃焼器は、
中心孔及び複数の空気孔を有し、前記空気孔の各々を通じて一段目空気を供給する一段目空気供給部材と、
前記空気孔の各々の内部において前記一段目燃料を噴射する一段目噴射孔を有する一段目燃料供給部と、を備え、
前記二段目燃焼器は、
前記一段目空気供給部材の外周側に位置し、前記中心孔を中心とする内筒部と、前記内筒部の外周面を覆う外筒部と、を有し、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される二段目空気通路を通じて二段目空気を供給する二段目空気供給部と、
前記中心孔を貫通して延在するとともに前記二段目燃料を噴射する二段目噴射孔を有する二段目燃料供給部と、を備え、
前記空気孔内を流れる前記一段目空気の流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ単に上流側及び下流側とするとき、
前記空気孔の各々は、前記中心孔を中心とする周方向において互いに間隔をあけて設けられるとともに、下流側ほど前記周方向の一側に位置するように傾斜して延在している、
燃焼装置。
【請求項2】
前記空気孔の各々は、断面円形状であり、且つ前記空気孔の内周面に開口する開口部を有しており、
前記一段目噴射孔は、前記開口部を通じて、前記内周面の接線方向に沿って前記一段目燃料を噴射する、
請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記空気孔は、前記一段目空気供給部材の上流側の端面に開口する上流部と、前記上流部よりも大きい内径を有するとともに前記一段目空気供給部材の下流側の端面に開口する下流部と、を有し、
前記開口部は、前記下流部に設けられている、
請求項2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記一段目燃焼器は、前記一段目噴射孔の各々を有し、前記一段目空気供給部材に組み付けられる筒状の一段目燃料供給部材を備える、
請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項5】
前記二段目燃料供給部には、複数の前記二段目噴射孔が前記周方向において間隔をあけて設けられており、
複数の前記二段目噴射孔は、前記二段目燃料供給部の延在方向の先端側ほど前記二段目燃料供給部の外周側に位置するように傾斜して延在している、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項6】
前記二段目空気供給部の先端部は、前記二段目燃料供給部の前記二段目噴射孔よりも前記二段目燃料供給部の延在方向において先端側に位置している、
請求項5に記載の燃焼装置。
【請求項7】
前記空気孔を一段目空気孔とするとき、
前記二段目空気供給部は、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される前記二段目空気通路の下流端を覆う環状部を備え、
前記環状部には、前記二段目空気を噴射する複数の二段目空気孔が前記周方向において互いに間隔をあけて設けられている、
請求項5に記載の燃焼装置。
【請求項8】
一段目燃料を燃焼させる一段目燃焼器と、二段目燃料を燃焼させる二段目燃焼器と、を備える燃焼装置であって、
前記一段目燃焼器は、
中心孔及び複数の空気孔を有し、前記空気孔の各々を通じて一段目空気を供給する一段目空気供給部材と、
前記空気孔の各々の内部において前記一段目燃料を噴射する一段目燃料供給部と、を備え、
前記二段目燃焼器は、
前記一段目空気供給部材の外周側に位置し、前記中心孔を中心とする内筒部と、前記内筒部の外周面を覆う外筒部と、を有し、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される二段目空気通路を通じて二段目空気を供給する二段目空気供給部と、
前記中心孔を貫通して延在するとともに前記二段目燃料を噴射する二段目噴射孔を有する二段目燃料供給部と、を備え、
前記二段目燃料供給部には、複数の前記二段目噴射孔が前記中心孔を中心とする周方向において間隔をあけて設けられており、
複数の前記二段目噴射孔は、前記二段目燃料供給部の先端側ほど前記二段目燃料供給部の外周側に位置するように傾斜して延在している、
燃焼装置。
【請求項9】
前記二段目空気供給部の先端部は、前記二段目燃料供給部の複数の前記二段目噴射孔よりも前記二段目燃料供給部の延在方向において先端側に位置している、
請求項8に記載の燃焼装置。
【請求項10】
前記空気孔を一段目空気孔とするとき、
前記二段目空気供給部は、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される前記二段目空気通路の下流端を覆う環状部を備え、
前記環状部には、前記二段目空気を噴射する複数の二段目空気孔が前記周方向において互いに間隔をあけて設けられている、
請求項8または請求項9に記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ガスバーナなどの燃焼装置においては、燃焼停止後において火炎が燃料ノズルの上流側に逆流する、所謂逆火の発生を抑制したり、吹き消えのような異常燃焼を抑制したりするために、燃料と空気とを別々に供給する拡散燃焼方式が採用されることが多い。しかしながら、拡散燃焼方式の燃焼装置においては、燃料と空気との両方が拡散によって供給される、極めて狭い領域で急速に燃焼反応が生じるため、火炎のピーク温度が高くなりやすい。その結果、特に燃焼速度が速く、火炎温度の高い水素燃料を用いた燃焼装置においては、窒素酸化物(以下、NOx)が著しく増大するという背反がある。
【0003】
一方、NOxの発生を抑制する上では、燃料と空気とを配管内で予め混合した状態で燃焼室に供給する予混合燃焼方式が有効である。また、上記空気の量を完全燃焼に必要な量よりも多くする希薄予混合燃焼方式が更に有効である。しかしながら、予混合燃焼方式の燃焼装置においては、上述した逆火や異常燃焼が生じやすいという背反がある。
【0004】
そこで、逆火や異常燃焼を抑制しつつ、NOxの発生を抑制することのできる燃焼装置が求められている。
特許文献1には、複数の空気孔を有する空気プレートと、空気プレートの空気の入口側に設けられ、対応する空気孔とそれぞれ同軸に配置された複数の水素含有燃料ノズルとを備えるバーナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示のバーナにおいては、各燃料ノズルから噴射された燃料が、対応する空気孔内の上流側において空気と混合されて燃焼する。このため、各空気孔内の上流側において燃焼が急激に進行するので、NOxの発生の抑制の点において改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための燃焼装置の各態様を記載する。
[態様1]
一段目燃料を燃焼させる一段目燃焼器と、二段目燃料を燃焼させる二段目燃焼器と、を備える燃焼装置であって、前記一段目燃焼器は、中心孔及び複数の空気孔を有し、前記空気孔の各々を通じて一段目空気を供給する一段目空気供給部材と、前記空気孔の各々の内部において前記一段目燃料を噴射する一段目噴射孔を有する一段目燃料供給部と、を備え、前記二段目燃焼器は、前記一段目空気供給部材の外周側に位置し、前記中心孔を中心とする内筒部と、前記内筒部の外周面を覆う外筒部と、を有し、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される二段目空気通路を通じて二段目空気を供給する二段目空気供給部と、前記中心孔を貫通して延在するとともに前記二段目燃料を噴射する二段目噴射孔を有する二段目燃料供給部と、を備え、前記空気孔内を流れる前記一段目空気の流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ単に上流側及び下流側とするとき、前記空気孔の各々は、前記中心孔を中心とする周方向において互いに間隔をあけて設けられるとともに、下流側ほど前記周方向の一側に位置するように傾斜して延在している、燃焼装置。
【0008】
同構成によれば、一段目燃焼器において、一段目空気供給部材を貫通する各空気孔を通じて一段目空気が供給される。また、各空気孔の内部において一段目噴射孔から一段目燃料が噴射される。このため、空気孔内において一段目燃料が一段目空気と混合されて燃焼するため、火炎が保たれ易くなる。
【0009】
各空気孔は、下流側ほど周方向の一側に位置するように傾斜して延在している。このため、各空気孔において一段目燃料の燃焼に伴い生じる火炎及び燃焼によって生じる既燃焼ガスが、全体として中心孔の軸線方向を中心とする旋回流を形成する。
【0010】
また、燃料の噴射量が少なくされる低燃焼時においては一般にNOxが増加しやすい。この点、上記構成によれば、一段目燃料の燃焼によって生じる既燃焼ガスによって二段目燃料を希釈化できるので二段目燃料の燃焼を緩慢化できる。これにより、二段目燃料の燃焼に伴うNOxの発生を抑制できる。
【0011】
したがって、NOxの発生を適切に抑制することができる。
[態様2]
前記空気孔の各々は、断面円形状であり、且つ前記空気孔の内周面に開口する開口部を有しており、
前記一段目噴射孔は、前記開口部を通じて、前記内周面の接線方向に沿って前記一段目燃料を噴射する、
態様1に記載の燃焼装置。
【0012】
同構成によれば、各空気孔の内周面に開口する開口部を通じて、一段目噴射孔から当該内周面の接線方向に沿って一段目燃料が噴射される。このため、一段目空気は、主に空気孔の中心を流れる一方、一段目燃料は、空気孔の内周面に沿って流れることで旋回流を形成する。これにより、空気孔内の下流側において一段目燃料が一段目空気と混合されて燃焼するため、火炎が一層保たれ易くなる。
【0013】
また、上記構成によれば、一段目空気と一段目燃料とが混合して形成される旋回火炎の下流に既燃焼ガスが放出される。この既燃焼ガスが加わった旋回火炎が一段目燃焼器内で旋回を繰り返すことで、既燃焼ガスによる希釈効果が得られることにより燃焼が緩慢化される。すなわち、空気孔内において一段目燃料が一段目空気及び既燃焼ガスと混合されてから燃焼するので、拡散燃焼方式であるにもかかわらず、希薄予混合燃焼が可能となる。さらに、周方向に火炎が旋回することで、火炎が既燃焼ガスによって、さらに希釈され、燃焼が一層緩慢化することでNOxの発生が一層抑制される。
【0014】
[態様3]
前記空気孔は、前記一段目空気供給部材の上流側の端面に開口する上流部と、前記上流部よりも大きい内径を有するとともに前記一段目空気供給部材の下流側の端面に開口する下流部と、を有し、前記開口部は、前記下流部に設けられている、態様2に記載の燃焼装置。
【0015】
同構成によれば、一段目燃焼器において、より多くの一段目空気が、空気孔の中心を流れるようになる。また、空気孔の下流部の上流端には、一段目空気の流れによる剪断流によって小さな渦が形成される。また、一段目燃料は、前記渦の存在する空気孔の下流部の上流端に向かって、空気孔の下流部の内周面に開口する開口部から噴射される。これにより、空気孔内のより下流側において一段目燃料が前記渦の存在する場所で一段目空気と混合されて燃焼するようになる。よって、火炎が一層保たれやすくなることで、一段目燃焼器における燃焼が一層安定化する。火炎は、前記渦の存在する空気孔の下流部の上流端においてドーナツ状の火炎を形成するため、一段目空気と一段目燃料とが混合するまでの時間が一層長くなる。さらに、前記ドーナツ状の火炎は、火炎自身が生成する既燃焼ガスによって希釈されるため、燃焼が緩慢化することでNOxの発生が一層抑制される。また、一段目燃料が噴射される一段目噴射孔がより下流側に配置されることで、逆火の発生についても効果的に抑制できる。さらに、火炎が一段目空気孔における下流部の下流側で発生するため、一段目燃焼器の熱負荷を低減することができる。したがって、逆火や異常燃焼を一層抑制しつつ、NOxの発生を一層抑制することができる。
【0016】
[態様4]
前記一段目燃焼器は、前記一段目噴射孔の各々を有し、前記一段目空気供給部材に組み付けられる筒状の一段目燃料供給部材を備える、態様1から態様3のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【0017】
同構成によれば、中心孔を有する一段目空気供給部材と筒状の一段目燃料供給部材とによって一段目燃焼器が構成される。このため、一段目燃焼器の部品点数を低減できるとともに、一段目燃焼器の組立を容易に行うことができる。
【0018】
[態様5]
前記二段目燃料供給部には、複数の前記二段目噴射孔が前記周方向において間隔をあけて設けられており、複数の前記二段目噴射孔は、前記二段目燃料供給部の延在方向の先端側ほど前記二段目燃料供給部の外周側に位置するように傾斜して延在している、態様1から態様4のいずれか1つに記載の燃焼装置。
【0019】
同構成によれば、二段目燃料供給部が、複数の二段目噴射孔を有しているため、二段目噴射孔が1つの場合に比べて、二段目噴射孔が小径化される。また、複数の二段目噴射孔は、周方向において間隔をあけて設けられており、且つ二段目燃料供給部の延在方向の先端側ほど二段目燃料供給部の外周側に位置するように傾斜して延在している。これにより、噴射された二段目燃料の流速が低くなる領域を減らすことができる。これにより、噴射された二段目燃料の流速が低くなることで火炎が集中する領域が生じること、ひいては局所的に高温となる領域が生じることを抑制できる。さらに、一段目燃焼器での燃焼によって生成される既燃焼ガスと二段目燃料との接触面積が増加するので、二段目燃料を希釈する効果も有する。したがって、NOxの発生を適切に抑制することができる。
【0020】
[態様6]
前記二段目空気供給部の先端部は、前記二段目燃料供給部の前記二段目噴射孔よりも前記二段目燃料供給部の延在方向において先端側に位置している、態様1から態様5のいずれか1つに記載の燃焼装置。
【0021】
同構成によれば、噴射された二段目燃料が、一段目燃料の既燃焼ガスと混合された状態で二段目空気と接触する。このため、複数の二段目噴射孔から噴射された二段目燃料が一段目燃料の既燃焼ガスによって希釈されて燃料の濃度が下がる。これにより、二段目燃料の燃焼が緩慢化することでNOxの発生が抑制される。
【0022】
[態様7]
前記空気孔を一段目空気孔とするとき、前記二段目空気供給部は、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される前記二段目空気通路の下流端を覆う環状部を備え、前記環状部には、前記二段目空気を噴射する複数の二段目空気孔が前記周方向において互いに間隔をあけて設けられている、態様5または態様6に記載の燃焼装置。
【0023】
同構成によれば、環状部に設けられた複数の二段目空気孔を通じて二段目空気が供給されるので、内筒部と外筒部との間に形成される二段目空気通路の下流端を通じて直接、二段目空気が供給される場合に比べて、二段目空気の流速が高められる。これにより、燃焼装置の周囲の既燃焼ガスが引き込まれやすくなるので、二段目空気の酸素濃度が低くなる。その結果、二段目燃料の燃焼が緩慢化することでNOxの発生が一層抑制される。
【0024】
[態様8]
一段目燃料を燃焼させる一段目燃焼器と、二段目燃料を燃焼させる二段目燃焼器と、を備える燃焼装置であって、前記一段目燃焼器は、中心孔及び複数の空気孔を有し、前記空気孔の各々を通じて一段目空気を供給する一段目空気供給部材と、前記空気孔の各々の内部において前記一段目燃料を噴射する一段目燃料供給部と、を備え、前記二段目燃焼器は、前記一段目空気供給部材の外周側に位置し、前記中心孔を中心とする内筒部と、前記内筒部の外周面を覆う外筒部と、を有し、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される二段目空気通路を通じて二段目空気を供給する二段目空気供給部と、前記中心孔を貫通して延在するとともに先端部に前記二段目燃料を噴射する二段目噴射孔を有する二段目燃料供給部と、を備え、前記二段目燃料供給部の前記先端部には、複数の前記二段目噴射孔が前記中心孔を中心とする周方向において間隔をあけて設けられており、複数の前記二段目噴射孔は、前記二段目燃料供給部の先端側ほど前記二段目燃料供給部の外周側に位置するように傾斜して延在している、燃焼装置。
【0025】
同構成によれば、二段目燃料供給部が、複数の二段目噴射孔を有しているため、二段目噴射孔が1つの場合に比べて、二段目噴射孔が小径化される。これにより、噴射された二段目燃料の流速が低くなる領域を減らすことができる。これにより、噴射された二段目燃料の流速が低くなることで火炎が集中する領域が生じることを抑制できる。さらに、一段目燃焼器での燃焼によって生成される既燃焼ガスと二段目燃料との接触面積が増加するので、二段目燃料を希釈する効果も有する。これらのことから、局所的に高温となる領域が生じることを抑制できる。したがって、NOxの発生を適切に抑制することができる。
【0026】
[態様9]
前記二段目空気供給部の先端部は、前記二段目燃料供給部の複数の前記二段目噴射孔よりも前記二段目燃料供給部の延在方向において先端側に位置している、態様8に記載の燃焼装置。
【0027】
同構成によれば、噴射された二段目燃料が、一段目燃料の既燃焼ガスと混合された状態で二段目空気と接触する。このため、複数の二段目噴射孔から噴射された二段目燃料が一段目燃料の既燃焼ガスによって希釈されて燃料の濃度が下がる。これにより、二段目燃料の燃焼が緩慢化することでNOxの発生が抑制される。
【0028】
[態様10]
前記空気孔を一段目空気孔とするとき、前記二段目空気供給部は、前記内筒部と前記外筒部との間に形成される前記二段目空気通路の下流端を覆う環状部を備え、前記環状部には、前記二段目空気を噴射する複数の二段目空気孔が前記周方向において互いに間隔をあけて設けられている、態様8または態様9に記載の燃焼装置。
【0029】
同構成によれば、環状部に設けられた複数の二段目空気孔を通じて二段目空気が供給されるので、内筒部と外筒部との間に形成される二段目空気通路の下流端を通じて直接、二段目空気が供給される場合に比べて、二段目空気の流速が高められる。これにより、燃焼装置の周囲の既燃焼ガスが引き込まれやすくなるので、二段目空気の酸素濃度が低くなる。その結果、二段目燃料の燃焼が緩慢化することでNOxの発生が一層抑制される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、NOxの発生を適切に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、一実施形態の燃焼装置が取り付けられた状態の炉の断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の燃焼装置を構成する一段目燃焼器の斜視図である。
【
図8】
図8は、一段目燃焼器の作用を説明するための斜視断面図である。
【
図9】
図9は、一段目燃焼器の作用を説明するための断面図である。
【
図10】
図10は、
図1の燃焼装置を構成する二段目燃焼器の作用を説明するための斜視断面図である。
【
図11】
図11は、燃焼装置の第1変形例を示す断面図である。
【
図12】
図12は、燃焼装置の第2変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、
図1~
図10を参照して、一実施形態について説明する。
図1に示すように、燃焼装置10は、炉100内において燃料を燃焼させる。
図3に示すように、燃焼装置10は、一段目燃料を燃焼させる一段目燃焼器20と、二段目燃料を燃焼させる二段目燃焼器40とを備える。一段目燃料及び二段目燃料は、いずれも水素を主成分とする燃料である。
【0033】
<燃焼装置10の概略>
図3に示すように、燃焼装置10は、筒部11と、筒部11の基端側(
図3の右側)の開口を塞ぐハブ60と、筒部11の内部に配置される内管51及び外管31とを備える。外管31は、内管51の外周面を覆っている。内管51、外管31、及び筒部11は、同一軸線上に配置されている。内管51は、ハブ60を貫通している。外管31の基端は、ハブ60の内部に位置している。
【0034】
筒部11の内周面、外管31の外周面、及びハブ60によって、一段目空気が流通する一段目空気通路28が形成される。ハブ60には、一段目空気通路28に一段目空気を導入する一段目空気入口12が設けられている。
【0035】
図10に示すように、外管31の内周面と内管51の外周面との間の隙間によって、一段目燃料が流通する一段目燃料通路38が形成される。
図3に示すように、ハブ60には、一段目燃料通路38と図示しない燃料配管とを連通する一段目燃料入口14が設けられている。
【0036】
燃焼装置10は、筒部11の外周面を覆う内筒部42と、内筒部42の外周面を覆う外筒部43とを備える。内筒部42、外筒部43、及び筒部11は、同一軸線上に配置されている。内筒部42の外周面と外筒部43の内周面との間には、二段目空気が流通する二段目空気通路48が形成される。内筒部42及び外筒部43の基端には、内筒部42と外筒部43との間を塞ぐ第1フランジ70が設けられている。外筒部43の基端側(
図3の右側)には、二段目空気通路48に二段目空気を導入する二段目空気入口13が設けられている。
【0037】
内管51の内部には、二段目燃料が流通する二段目燃料通路58が形成される。内管51の基端には、図示しない燃料配管が接続される二段目燃料入口15が設けられている。
図1~
図4に示すように、外筒部43の外周面には、燃焼装置10を炉100の外壁に固定するためのフランジ16が取り付けられている。
【0038】
<一段目燃焼器20>
図3、
図7及び
図8に示すように、一段目燃焼器20は、一段目空気供給部材21と、一段目燃料供給部30とを備える。
【0039】
一段目空気供給部材21は、中心孔22及び複数の一段目空気孔23を有する。本実施形態の一段目空気供給部材21は、円板状である。なお、一段目空気供給部材21は多角形板状であってもよい。一段目空気供給部材21は、一段目空気孔23の各々を通じて一段目空気を供給する。
【0040】
ここで、一段目空気孔23内を流れる一段目空気の流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ単に上流側及び下流側とする。一段目空気孔23の各々は、断面円形状であり、中心孔22を中心とする周方向において互いに間隔をあけて設けられている(
図4参照)。複数の一段目空気孔23は、周方向において等間隔にて設けられていることが好ましい。本実施形態の一段目空気供給部材21は、6つの一段目空気孔23を有する。
【0041】
一段目空気孔23の各々は、下流側ほど周方向の一側(
図4における時計回り方向の後側)に位置するように傾斜して延在している。
図6及び
図7に示すように、一段目空気孔23の各々は、一段目空気孔23の内周面26に開口する開口部27を有する。
【0042】
図5~
図7に示すように、一段目空気孔23は、一段目空気供給部材21の上流側の端面21aに開口する上流部24と、一段目空気供給部材21の下流側の端面21bに開口する下流部25とを有する。下流部25は、上流部24よりも大きい内径を有する。開口部27は、下流部25に設けられている。
【0043】
一段目燃料供給部30は、一段目空気孔23の各々の内部において一段目燃料を噴射する一段目噴射孔33を有する。一段目噴射孔33は、開口部27から、内周面26の接線方向に沿って一段目燃料を噴射する。
【0044】
一段目燃焼器20は、一段目噴射孔33の各々を有し、一段目空気供給部材21に組み付けられる筒状の一段目燃料供給部材32を備える。複数の一段目噴射孔33が、一段目燃料供給部材32の外周面に周方向に互いに間隔をあけて開口している(
図7参照)。
【0045】
<二段目燃焼器40>
図3及び
図10に示すように、二段目燃焼器40は、二段目空気供給部41と、二段目燃料供給部50とを備える。
【0046】
二段目空気供給部41は、内筒部42と外筒部43とを有し、内筒部42と外筒部43との間に形成される二段目空気通路48を通じて二段目空気を供給する。すなわち、二段目空気供給部41は、一段目空気供給部材21の外周側に位置する。
【0047】
二段目空気供給部41は、内筒部42と外筒部43との間に形成される二段目空気通路48の下流端を覆う環状部44を備える。環状部44には、二段目空気を噴射する複数の二段目空気孔47が周方向において互いに間隔をあけて設けられている。
【0048】
環状部44には、先端側に突出する複数の突出部45が周方向において互いに間隔をあけて設けられている。複数の突出部45は、周方向において等間隔にて設けられている。
二段目空気孔47は、突出部45の先端面46に開口している。すなわち、複数の二段目空気孔47は、周方向において等間隔にて設けられている。
【0049】
二段目燃料供給部50は、中心孔22を貫通して延在するとともに二段目燃料を噴射する二段目噴射孔54を有する。二段目噴射孔54は、二段目燃料供給部50の先端部53に設けられている。
【0050】
詳しくは、二段目燃料供給部50は、上述した内管51の先端に接続されるノズル52を備える。ノズル52が、上記先端部53を有する。
図3、
図4、及び
図10に示すように、先端部53には、複数の二段目噴射孔54が周方向において間隔をあけて設けられている。複数の二段目噴射孔54は、周方向において等間隔にて設けられていることが好ましい。本実施形態のノズル52は、4つの二段目噴射孔54を有する。
【0051】
図10に示すように、複数の二段目噴射孔54は、二段目燃料供給部50の延在方向の先端側ほど二段目燃料供給部50の外周側に位置するように傾斜して延在している。
図3及び
図10に示すように、二段目空気供給部41の先端部である先端面46は、二段目燃料供給部50の複数の二段目噴射孔54よりも二段目燃料供給部50の延在方向の先端側に位置している。
【0052】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図8に太矢印にて示すように、一段目燃焼器20において、一段目空気供給部材21を貫通する各一段目空気孔23を通じて一段目空気が供給される。また、
図8に細矢印にて示すように、各一段目空気孔23の内周面26に開口する開口部27を通じて、一段目噴射孔33から当該内周面26の接線方向に沿って一段目燃料が噴射される。このため、一段目空気は、主に一段目空気孔23の中心を流れる一方、一段目燃料は、一段目空気孔23の内周面26に沿って流れることで旋回流を形成する。これにより、一段目空気孔23内の下流側において一段目燃料が一段目空気と混合されて燃焼する。このため、
図8及び
図9に二点鎖線にて示すように、火炎が保たれ易くなる。
【0053】
また、
図9に示すように、各一段目空気孔23は、下流側ほど周方向の一側に位置するように傾斜して延在している。このため、各一段目空気孔23において一段目燃料の燃焼に伴い生じる火炎及び燃焼によって生じる既燃焼ガスが、全体として中心孔22の軸線方向を中心とする旋回流を形成する。
【0054】
これらのことから、一段目燃焼器20における燃焼が安定化する。また、一段目空気孔23の下流部25の上流端に、一段目空気の流れによる剪断流によって小さな渦が形成される。一段目燃料は、前記渦の存在する下流部25の上端側に向かって噴射される。これにより、ドーナツ状の火炎を形成するため、一段目空気と一段目燃料とが混合するまでの時間が長くなる。さらに、前記ドーナツ状の火炎が、自身が生成する既燃焼ガスによって希釈されることで、燃焼が緩慢化する。これにより、NOxの発生が抑制される。また、各一段目空気孔23の上流側には燃料が流入することがないため、燃焼停止後において火炎が一段目燃料供給部30の上流側に逆流する、所謂逆火の発生を抑制できる(以上、作用1)。
【0055】
また、燃料の噴射量が少なくされる低燃焼時においては一般にNOxが増加しやすい。この点、本実施形態によれば、一段目燃料の燃焼によって生じる既燃焼ガスによって二段目燃料を希釈化できるので二段目燃料の燃焼を緩慢化できる。これにより、二段目燃料の燃焼に伴うNOxの発生を抑制できる。
【0056】
図10に示すように、二段目燃料供給部50が複数の二段目噴射孔54を有しているため、二段目噴射孔54が1つの場合に比べて、二段目噴射孔54が小径化される。また、複数の二段目噴射孔54は、周方向において間隔をあけて設けられており、且つ二段目燃料供給部50の延在方向の先端側ほど二段目燃料供給部50の外周側に位置するように傾斜して延在している。これにより、噴射された二段目燃料の流速が低くなる領域を減らすことができる。これにより、噴射された二段目燃料の流速が低くなることで火炎が集中する領域が生じることを抑制できる。さらに、一段目燃焼器20での燃焼によって生成される既燃焼ガスと二段目燃料との接触面積が増加するので、二段目燃料を希釈する効果も有する。これらのことから、局所的に高温となる領域が生じることを抑制できる。(以上、作用2)。
【0057】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)一段目空気孔23の各々は、断面円形状であり、中心孔22を中心とする周方向において互いに間隔をあけて設けられている。一段目空気孔23の各々は、下流側ほど周方向の一側に位置するように傾斜して延在しており、且つ一段目空気孔23の内周面26に開口する開口部27を有している。一段目噴射孔33は、開口部27を通じて、内周面26の接線方向に沿って一段目燃料を噴射する。
【0058】
こうした構成によれば、上記作用1を奏するので、NOxの発生を適切に抑制することができる。
また、一段目空気孔23の数や傾斜角度を変更することによって、一段目燃焼器20における燃焼量などの燃焼特性を容易に変更できる。
【0059】
(2)一段目空気孔23は、上流部24と下流部25とを有する。開口部27は、下流部25に設けられている。
こうした構成によれば、一段目燃焼器20において、より多くの一段目空気が、一段目空気孔23の中心を流れるようになる。また、一段目燃料は、一段目空気孔23の下流部25の内周面26に開口する開口部27から噴射される。これにより、一段目空気孔23内のより下流側において一段目燃料が一段目空気と混合されて燃焼するようになる。よって、火炎が一層保たれやすくなることで、一段目燃焼器20における燃焼が一層安定化する。また、一段目空気孔23の下流部25の上流端には、一段目空気の流れによる剪断流によって小さな渦が形成される。一段目燃料は、前記渦の存在する下流部25の上端側に向かって噴射される。これにより、ドーナツ状の火炎を形成するため、一段目空気と一段目燃料とが混合するまでの時間が長くなる。さらに、前記ドーナツ状の火炎は、火炎自身が生成する既燃焼ガスによって希釈されるため、燃焼が緩慢化する。これにより、NOxの発生が一層抑制される。また、一段目燃料が噴射される一段目噴射孔33がより下流側に配置されることで、逆火の発生についても効果的に抑制できる。さらに、火炎が一段目空気孔23における下流部25の下流側で発生するため、一段目燃焼器20の熱負荷を低減することができる。したがって、逆火や異常燃焼を一層抑制しつつ、NOxの発生を一層抑制することができる。
【0060】
(3)一段目燃焼器20は、一段目噴射孔33の各々を有し、一段目空気供給部材21に組み付けられる筒状の一段目燃料供給部材32を備える。
こうした構成によれば、中心孔22を有する円板状の一段目空気供給部材21と筒状の一段目燃料供給部材32とによって一段目燃焼器20が構成される。このため、一段目燃焼器20の部品点数を低減できるとともに、一段目燃焼器20の組立を容易に行うことができる。
【0061】
(4)二段目燃料供給部50には、複数の二段目噴射孔54が周方向において間隔をあけて設けられている。複数の二段目噴射孔54は、二段目燃料供給部50の延在方向の先端側ほど二段目燃料供給部50の外周側に位置するように傾斜して延在している。
【0062】
こうした構成によれば、上記作用2を奏するので、NOxの発生を適切に抑制することができる。
(5)二段目空気供給部41の先端部である先端面46は、二段目燃料供給部50の複数の二段目噴射孔54よりも二段目燃料供給部50の延在方向において先端側に位置している。
【0063】
こうした構成によれば、噴射された二段目燃料が、一段目燃料の既燃焼ガスと混合された状態で二段目空気と接触する。このため、複数の二段目噴射孔54から噴射された二段目燃料が一段目燃料の既燃焼ガスによって希釈されて燃料の濃度が下がる。これにより、二段目燃料の燃焼が緩慢化することでNOxの発生が抑制される。
【0064】
(6)二段目空気供給部41の環状部44には、二段目空気を噴射する複数の二段目空気孔47が周方向において互いに間隔をあけて設けられている。
こうした構成によれば、
図10に示すように、環状部44に設けられた複数の二段目空気孔47を通じて二段目空気が供給される。このため、内筒部42と外筒部43との間に形成される二段目空気通路48の下流端を通じて直接、二段目空気が供給される場合に比べて、二段目空気の流速が高められる。これにより、燃焼装置10の周囲、すなわち炉100内の既燃焼ガスが引き込まれやすくなるので、二段目空気の酸素濃度が低くなる。その結果、二段目燃料の燃焼が緩慢化することでNOxの発生が一層抑制される。
【0065】
(7)環状部44には、先端側に突出する複数の突出部45が周方向において互いに間隔をあけて設けられている。二段目空気孔47は、突出部45の先端面46に開口している。
【0066】
こうした構成によれば、環状部44に設けられた複数の突出部45の先端面46に開口する二段目空気孔47を通じて二段目空気が供給されるので、突出部45同士の間を通じて燃焼装置10の周囲の既燃焼ガスが一層引き込まれやすくなる。これにより、二段目空気の酸素濃度が一層低くなるため、NOxの発生がより一層抑制される。
【0067】
<変形例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0068】
・
図11に示す第1変形例のように、ノズル52の先端部53の二段目噴射孔54に加えて、ノズル52のうち先端部53よりも基端側に二段目噴射孔55を設けるようにしてもよい。この場合、先端部53の二段目噴射孔54と同様、複数の二段目噴射孔55を周方向において間隔をあけて設けることが好ましい。こうした構成によれば、二段目燃料の一部が、一段目燃焼器20において発生した既燃焼ガスと早期に混合するようになることで二段目燃料の希釈化を一層促進できる。これにより、二段目燃料の燃焼を緩慢化させることができるので、NOxの発生を一層抑制できる。
【0069】
・
図12に示す第2変形例のように、ノズル52のうち先端部53よりも基端側に二段目噴射孔55を設けることに加えて、ノズル52の外径を先端側ほど小さくしてもよい。こうした構成によれば、ノズル52の外周面と内筒部42の内周面との間の空間、すなわち、二段目燃料の燃焼領域を確保しやすくなる。また、一段目燃料の燃焼により発生した既燃焼ガスの流れがノズル52によって妨げられることを抑制できる。したがって、より多くの二段目燃料を燃焼させることができる。なお、この場合、二段目噴射孔55を二段目燃料供給部50の延在方向(
図12の上下方向)において互いに間隔をあけて複数設けるようにしてもよい。
【0070】
・突出部45を省略することもできる。この場合、環状部44の端面に、二段目空気孔47を開口させればよい。
・環状部44を省略することもできる。
【0071】
・例えば二段目空気供給部41の先端部が、二段目燃料供給部50の延在方向において二段目噴射孔54と同一の位置に設けられていてもよいし、二段目噴射孔54よりも基端側に設けられていてもよい。
【0072】
・一段目燃焼器20は、1つの一段目燃料供給部材32を備えるものに限定されず、例えば1つの一段目空気孔23に対して、1つの燃料ノズルを設けるようにしてもよい。
・一段目空気孔23は、上流部24と下流部25とを有するものに限定されない。一段目空気孔23は、上流側から下流側までの全体にわたって一定の内径を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…燃焼装置
11…筒部
12…一段目空気入口
13…二段目空気入口
14…一段目燃料入口
15…二段目燃料入口
16…フランジ
20…一段目燃焼器
21…一段目空気供給部材
21a…上流側の端面
21b…下流側の端面
22…中心孔
23…一段目空気孔
24…上流部
25…下流部
26…内周面
27…開口部
30…一段目燃料供給部
31…外管
32…一段目燃料供給部材
33…一段目噴射孔
38…一段目燃料通路
40…二段目燃焼器
41…二段目空気供給部
42…内筒部
43…外筒部
44…環状部
45…突出部
46…先端面
47…二段目空気孔
48…二段目空気通路
50…二段目燃料供給部
51…内管
52…ノズル
53…先端部
54,55…二段目噴射孔
58…二段目燃料通路
60…ハブ
70…ハブフランジ
100…炉