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特開2024-17947金属-セラミックス接合基板およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017947
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】金属-セラミックス接合基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/40 20060101AFI20240201BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240201BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20240201BHJP
   H01L 23/13 20060101ALI20240201BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240201BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H01L23/40 Z
H01L23/36 C
H01L23/46 Z
H01L23/12 C
H01L23/12 J
H01L23/14 M
H01L23/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120934
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】506365131
【氏名又は名称】DOWAメタルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(72)【発明者】
【氏名】小山内 英世
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA04
5F136CB06
5F136DA27
5F136EA43
5F136FA02
5F136FA12
5F136FA42
5F136FA85
(57)【要約】
【課題】セラミックス基板に接合した金属ベース板のネジ止め部の変形を抑制して、貫通孔と環状部材の接合にろう材を使用せず、且つ環状部材からのFeの拡散による接合部のボイド不良や、鉄系材料との金属間化合物の形成を抑制することができる、金属-セラミックス接合基板を提供する。
【解決手段】セラミックス基板10の一方の面に金属回路板12が接合するとともに、セラミックス基板10の他方の面に金属ベース板14が接合した金属-セラミックス接合基板1において、金属ベース板14がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔14bに、金属ベース板14よりもビッカース硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材16が溶接されていることを特徴とする。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス基板の一方の面に金属回路板が接合するとともに、
前記セラミックス基板の他方の面に金属ベース板が接合した金属-セラミックス接合基板において、
前記金属ベース板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔に、前記金属ベース板よりもビッカース硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材が溶接されていることを特徴とする、
金属-セラミックス接合基板。
【請求項2】
前記金属ベース板のビッカース硬さが27HV以下であり、前記環状部材のビッカース硬さが29HV以上である、請求項1に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項3】
前記環状部材が、90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項4】
前記環状部材が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項3に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項5】
前記金属ベース板が、アルミニウムまたは90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項6】
前記金属ベース板が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項5に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項7】
前記セラミックス基板の他方の面に、前記金属ベース板の一方の面が直接接合していることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項8】
前記セラミックス基板の他方の面に接合された放熱側金属板とろう材を介して前記金属ベース板の一方の面が接合していることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項9】
前記金属回路板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属-セラミックス接合基板。
【請求項10】
セラミックス基板の一方の面に回路用金属板または金属回路板が接合されるとともに、前記セラミックス基板の他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板が接合され、前記金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔を有する金属-セラミックス接合体を準備し、
前記貫通孔の内部に金属ベース板よりも硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材を配置し、
前記貫通孔に前記環状部材をレーザー溶接することを特徴とする、
金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項11】
前記金属ベース板のビッカース硬さが27HV以下であり、前記環状部材のビッカース硬さが29HV以上であることを特徴とする、請求項10に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項12】
前記環状部材が、90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であることを特徴とする、請求項10または11に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項13】
前記環状部材が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項12に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項14】
前記金属ベース板が、アルミニウムまたは90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であることを特徴とする、請求項10または11に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項15】
前記金属ベース板が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項14に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項16】
前記セラミックス基板を鋳型内に配置させ、前記セラミックス基板の両面に接触に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、回路用金属板または金属回路板を形成して前記セラミックス基板の一方の面に直接接合させるとともに、金属ベース板を形成して前記セラミックス基板の他方の面に直接接合させた前記金属-セラミックス接合体を作製することを特徴とする、請求項10または11に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項17】
前記セラミックス基板の一方の面に前記回路用金属板または金属回路板が接合され、前記セラミックス基板の他方の面に放熱側金属板の一方の面が接合された金属-セラミックス回路基板を作製し、
前記放熱側金属板の他方の面と、前記金属ベース板の一方の面をろう材を介して接合することにより、セラミックス基板の他方の面に金属ベース板が接合した金属-セラミックス接合体を準備することを特徴とする、
請求項10または11に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【請求項18】
前記金属回路板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする、
請求項10または11に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属-セラミックス接合基板およびその製造方法に関し、特に、セラミックス基板の一方の面に電子部品搭載用の金属板(金属回路板)が形成され、他方の面側に放熱用の金属ベース板が形成された金属-セラミックス接合基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーモジュール用絶縁基板として使用されている金属-セラミックス接合基板では、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が接合するとともに、他方の面側に放熱用金属ベース板が接合し、金属回路板上に半導体チップなどが搭載されている。このような半導体チップなどの発熱素子からの熱を外部に放熱するために、放熱用金属ベース板の裏面にさらに放熱フィンや冷却ジャケットなどが取り付けられている。
【0003】
このような金属-セラミックス接合基板として、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が直接接合するとともに他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる放熱部材(放熱用金属ベース板)が直接接合し、この放熱部材の周縁部に形成されたねじ穴(貫通孔)を介して放熱部材に蓋体をねじ止めすることによって、内部に空間が形成された放熱器が取り付けられた金属-セラミックス接合基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、特許文献1の金属-セラミックス接合基板では、内部にセラミックス基板を配置した鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に凝固させることによって、セラミックス基板に放熱部材が直接接合されており、放熱部材の強度が高くないため、放熱部材に形成されたねじ穴の周縁部が陥没したり、パワーモジュール用絶縁基板として車両に搭載して使用したときにねじが緩むおそれがある。また、アルミニウム合金の添加金属の成分を調整して放熱部材の強度を高くすると、放熱部材の熱伝導率が低下して放熱性が低下する場合があり、また、金属-セラミックス接合基板にヒートサイクルが負荷されたときに、セラミックス基板に割れが発生するなど、金属-セラミックス接合基板の信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
また、基板のねじ止め用の貫通孔の周縁部のクラックなどの発生を防止するために、黒鉛と金属の複合体からなる基板の両主面間をつなぐ貫通孔にパイプ部材を嵌合させることが提案され、このパイプ部材と基板の間の密着性および放熱性を向上させるために、パイプ部材と基板界面をろう材などで接合することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、特許文献2の基板では、貫通孔にパイプ部材に嵌合させるだけでは、パイプ部材の固定が十分ではなく、パイプ部材と基板の間の密着性を向上させるために、パイプ部材と基板の界面をろう材などで接合する場合、パイプ部材の外周面または貫通孔の内周部にろう材などを形成するのは容易ではなく、ろう材などによりパイプ部材と貫通孔の接合をして密着性を十分向上させるのは困難である。
【0007】
特許文献3は、セラミックス基板の一方の面に金属板が接合するとともに、他方の面に金属ベース板が接合した金属-セラミックス接合基板において、金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された(ねじ止め用の)貫通孔の内周面に、金属ベース板より強度が高い鉄系材料などの金属からなる環状部材の外周面を溶湯接合法により直接接合して、特許文献2の問題を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007ー294891号公報
【特許文献2】特開2005ー136369号公報
【特許文献3】特開2013-207133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献3の金属-セラミックス接合基板では、ベース板のネジ締結部に鉄系材料等の強度高い環状部材(カラー)が溶湯接合法により鋳込まれ接合しているが、その際に、アルミニウム中にカラーの成分であるFeが金属ベース板に拡散しボイドが発生したり、アルミニウムとカラーの接触部にももろいAlとFeを含む金属間化合物ができてカラーと金属ベース板間の強度が落ちるなどの問題があることが判明した。
【0010】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、セラミックス基板に接合した金属ベース板のネジ止め部の変形を抑制して、貫通孔と環状部材の接合にろう材を使用せず、且つ環状部材からのFeの拡散による接合部のボイド不良や、鉄系材料との金属間化合物の形成を抑制することができる、金属-セラミックス接合基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明によれば、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が接合するとともに、前記セラミックス基板の他方の面に金属ベース板が接合した金属-セラミックス接合基板において、前記金属ベース板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔に、前記金属ベース板よりもビッカース硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材が溶接されていることを特徴とする、金属-セラミックス接合基板が提供される。
【0012】
前記金属ベース板のビッカース硬さが27HV以下であり、前記環状部材のビッカース硬さが29HV以上であっても良い。また、前記環状部材が、90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であっても良い。また、前記環状部材が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなっても良い。また、前記金属ベース板が、アルミニウムまたは90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であっても良い。また、前記金属ベース板が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなっても良い。また、前記セラミックス基板の他方の面に、前記金属ベース板の一方の面が直接接合していても良い。また、前記セラミックス基板の他方の面に接合された放熱側金属板とろう材を介して前記金属ベース板の一方の面が接合していても良い。また、前記金属回路板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっても良い。
【0013】
また、本発明によれば、セラミックス基板の一方の面に回路用金属板または金属回路板が接合されるとともに、前記セラミックス基板の他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板が接合され、前記金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔を有する金属-セラミックス接合体を準備し、前記貫通孔の内部に金属ベース板よりも硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材を配置し、前記貫通孔に前記環状部材をレーザー溶接することを特徴とする、金属-セラミックス接合基板の製造方法が提供される。
【0014】
前記金属ベース板のビッカース硬さが27HV以下であり、前記環状部材のビッカース硬さが29HV以上であっても良い。また、前記環状部材が、90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であっても良い。また、前記環状部材が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなっても良い。また、前記金属ベース板が、アルミニウムまたは90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であっても良い。また、前記金属ベース板が、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下、且つCuの含有量が0.6質量%以下であるアルミニウム合金からなっても良い。また、前記セラミックス基板を鋳型内に配置させ、前記セラミックス基板の両面に接触に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、回路用金属板または金属回路板を形成して前記セラミックス基板の一方の面に直接接合させるとともに、金属ベース板を形成して前記セラミックス基板の他方の面に直接接合させた前記金属-セラミックス接合体を作製しても良い。また、前記セラミックス基板の一方の面に前記回路用金属板または金属回路板が接合され、前記セラミックス基板の他方の面に放熱側金属板の一方の面が接合された金属-セラミックス回路基板を作製し、前記放熱側金属板の他方の面と、前記金属ベース板の一方の面をろう材を介して接合することにより、セラミックス基板の他方の面に金属ベース板が接合した金属-セラミックス接合体を準備しても良い。また、前記金属回路板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、セラミックス基板に接合した金属ベース板のネジ止め部の変形を抑制して、貫通孔と環状部材の接合にろう材を使用せず、且つ環状部材からのFeの拡散による接合部のボイド不良や、鉄系材料との金属間化合物の形成を抑制することができる、金属-セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明による金属-セラミックス接合基板の第1の実施の形態を示す平面図である。
図1B図1AのB-B線断面図である。
図1C図1AのC-C線断面図である。
図2図1A図1Cに示す金属-セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型の断面図である。
図3A】本発明による金属-セラミックス接合基板の第2の実施の形態を示す平面図である。
図3B図3AのB-B線断面図である。
図3C図3AのC-C線断面図である。
図4図3A図3Cに示す金属-セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型の断面図である。
図5A】本発明による金属-セラミックス接合基板の第3の実施の形態を示す平面図である。
図5B図5AのB-B線断面図である。
図5C図5AのC-C線断面図である。
図6A図5A図5Cに示す金属-セラミックス接合基板の金属ベース板を製造するために使用する鋳型の断面図である。
図6B図5A図5Cに示す金属-セラミックス接合基板の金属-セラミックス回路基板を製造するために使用する鋳型の断面図である。
図7A】本発明による金属-セラミックス接合基板の第4の実施の形態を示す平面図である。
図7B図7AのB-B線断面図である。
図7C図7AのC-C線断面図である。
図8図7A図7Cに示す金属-セラミックス接合基板の金属ベース板を製造するために使用する鋳型の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の金属-セラミックス接合基板は、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が接合するとともに、前記セラミックス基板の他方の面に金属ベース板が接合した金属-セラミックス接合基板において、前記金属ベース板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔に、前記金属ベース板よりもビッカース硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材が溶接されていることを特徴とする。
また、本発明の金属-セラミックス接合基板の製造方法は、セラミックス基板の一方の面に回路用金属板が接合されるとともに、前記セラミックス基板の他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板が接合され、前記金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された貫通孔を有する金属-セラミックス接合体を準備し、前記貫通孔の内部に金属ベース板よりも硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる環状部材を配置し、前記貫通孔に前記環状部材をレーザー溶接することを特徴とする。
なお、「セラミックス基板の他方の面に金属ベース板を接合する」とは、セラミックス基板の他方の面に直接またはろう材を介し金属ベース板を接合する、またはセラミックス基板の他方の面に(放熱側金属板等の)他の材料を介在させて金属ベース板を(間接的に)接合することが含まれる。したがって「セラミックス基板の他方の面“側”に金属ベース板を接合する」と言い換えることもできる。
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明による金属-セラミックス接合基板およびその製造方法の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
<第1の実施の形態>
(金属-セラミックス接合基板)
図1A図1Cに示すように、本発明による金属-セラミックス接合基板1の第1の実施の形態は、平面形状が略矩形のセラミックス基板10と、このセラミックス基板10の一方の面(図示した実施の形態ではセラミックス基板10の上面)に直接接合した(図示した実施の形態では平面形状が略矩形の2枚の)金属回路板12と、セラミックス基板10の他方の面(図示した実施の形態ではセラミックス基板10の下面)に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板14とを備えている。
【0020】
第1の実施の形態の金属ベース板14は、平面形状が略矩形で略均一な厚さを有する一枚の平板状の金属部材14dと、前記平板状の金属部材14dのセラミックス基板10が接合した面と反対側の面(他方の面(図示した実施の形態では金属部材14dの下面))に形成された複数の放熱フィン30とからなり、放熱フィン30は平板状の金属部材14dと一体に形成されている。なお、板状の放熱フィン30に変えて、円柱や角柱などの柱状の放熱ピンが一体に形成されていてもよい。
【0021】
略矩形の平板状の金属ベース板14(金属部材14d)の四隅付近には、ねじ止め部14aが形成され、各々のねじ止め部14aの略中央部には、金属ベース板14のセラミックス基板10との接合面(一方の面)に対して略垂直方向に延びる(ねじ止め用の)貫通孔14bが、金属ベース板14の一方の面から他方の面まで貫通して形成されている。
【0022】
本発明の第1の実施の形態の金属-セラミックス接合基板1は、これらの貫通孔14bの内部に金属ベース板よりもビッカース硬さの大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる略円筒形の環状部材(パイブ部材、カラー部材)16が配置されており、環状部材16の外周部が金属ベース板14の貫通孔14bに溶接されている。
【0023】
このような構成の金属-セラミックス接合基板1の金属ベース板14の裏面(セラミックス基板10との接合面と反対側の面(図示した実施の形態では金属ベース板14(金属部材14d)の下面))には、蓋材20を配置することができる。
この蓋材20は、金属ベース板14(金属部材14d)と略同一の外形形状を有し、金属ベース板14のねじ止め部14aに対応する部分(ねじ止め部20a)が金属ベース板14のねじ止め部14aに当接し、且つ金属ベース板14の裏面の中央部(好ましくは金属回路板12に対応する領域)との間に、前記放熱フィン30が収容された液冷用空間22が形成されるような形状を有する。
また、蓋材20には、金属ベース板14の裏面に配置したときに、金属ベース板14の各々のねじ止め部14aに対応する部分に形成された環状部材16の内径に対応するようにねじ穴20bが形成されている。蓋材20を金属ベース板14の裏面に配置した後、金属ベース板14の上面側(セラミックス基板10との接合面側、一方の面)から環状部材16に挿入したねじ(またはボルト)24の先端を蓋材20のねじ穴20bに螺合させることにより、蓋材20を金属ベース板14の裏面に固定することができる。
【0024】
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる前記環状部材16は、蓋材20などをねじやボルトにより螺合する際の、金属ベース板14の垂直方向(金属ベース板14の厚さ方向)の変形を抑制するため、29HV以上のビッカース硬さを有することが好ましく、30HV以上であることがより好ましく、34HV以上であることがさらに好ましい。
また、環状部材16は、高い硬度(強度)の得やすいアルミニウム合金であることが好ましく、90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であることが好ましく、Feの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%以下(より好ましくは0.1質量%以下)且つCuの含有量が0.6質量%以下のアルミニウム合金からなるのが好ましく、Al-Mn系のアルミニウム合金であることが好ましい。
なお、特に限定されないがFeを0.05質量%以上としてもよく、Cuを0.05質量%以上としてもよい。さらに、環状部材16は、Siの含有量を0.2~1.0質量%としてもよく、Mnの含有量を0.5~2.0質量%としてもよい。
【0025】
また、前記蓋材20のねじ止め部20aに雌ねじが切られており、蓋材20を取り付けるために環状部材16にねじを螺合する際に回転トルクが発生する。この回転トルクにより環状部材16と金属ベース板14の接合界面が剥離するおそれがあるが、本発明の金属-セラミックス接合基板ではこの回転トルクに耐える充分な接合強度を有する。
なお、前記蓋材20に雌ねじを形成せず、ボルトとナットにより金属ベース板14と蓋材20を固定してもよい。
【0026】
また、金属ベース板14は純アルミニウムまたは90質量%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム合金であることが好ましい。アルミニウム合金の場合はFeの含有量が1.0質量%以下、Mgの含有量が0.3質量%(より好ましくは0.1質量%以下)以下且つCuの含有量が0.6質量%以下のアルミニウム合金からなるのが好ましく、Al-Mn系のアルミニウム合金であることが好ましく、このような材質を用いることにより、溶接時の接合部に接合欠陥の発生が抑制された信頼性の高い接合部が得有られる。
なお、特に限定されないがFeを0.05質量%以上としてもよく、Cuを0.05質量%以上としてもよい。さらに、金属ベース板14は、Siの含有量を0.2~1.0質量%としてもよく、Mnの含有量を0.5~2.0質量%としてもよい。
金属ベース板14においてアルミニウム合金は、Al-Mn系のアルミニウム合金とすることができ、Al-Mn系のアルミニウム合金は、Mnの含有量が1.0質量%以上であるアルミニウム合金を意味し、例えばJISの合金記号で3000番台の合金であることが好ましい。
【0027】
金属ベース板14は比較的硬度(強度)の小さいものが、金属-セラミックス接合基板のヒートサイクルに対する信頼性を高めるために好ましい。金属ベース板14のビッカース硬さが27HV以下であることが好ましく、25HV以下であることがより好ましい。強度が必要なねじ止め部は前記環状部材16により強化されているので、本発明によれば耐ヒートサイクル性に優れ且つねじ止め部の強度に優れた金属-セラミックス接合基板を提供することができる。
また、本明細書中において環状部材16および金属ベース板14のビッカース硬さは、JIS Z2244「ビッカース硬さ試験-試験方法」に準じて、例えばマイクロビッカース硬さ試験機(株式会社ミツトヨ製 HM-210)を用い、環状部材16および金属ベース板14の表面にマイクロビッカース測定装置の圧子を試験力1kgfで負荷時間4秒、保持時間5秒、除荷時間4秒とすることによって測定することができる。
【0028】
また、金属ベース板14および環状部材16をアルミニウム合金とする場合、90質量%以上のアルミニウムを含有することが好ましい。このようなアルミニウム合金としては、JISの合金記号として、A1050(純アルニウム系)、A2000(Al-Cu-Mg)系の合金、A3000(Al-Mn)系の合金、A5000(Al-Mg-Cr)系の合金、A6000(Al-Si-Mg)系の合金が挙げられる。溶接時のクラック発生などの欠陥を抑制するために、純アルミニウム系やA3000系の合金を選択することが好ましい。
【0029】
また、金属回路板12は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるのが好ましく、99.9質量%以上のアルミニウムを含有する純アルミニウムであることがより好ましい。
【0030】
(金属-セラミックス接合基板の製造方法)
図1A図1Cに示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板を製造するためには、図2に示す鋳型31内にセラミックス基板10を配置させ、鋳型31内のセラミックス基板10の両面に接触するように金属の溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aを形成してセラミックス基板10の一方の面に直接接合させるとともに、放熱フィン30が一体となった金属ベース板14を形成してセラミックス基板10の他方の面に直接接合させ、金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bを金属ベース板14の端部に4か所に形成させた後、冷却して金属-セラミックス接合体を作製する。次いで、必要に応じて回路用金属板12a上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12を形成し、前記貫通孔に環状部材16を嵌め込み、環状部材16の外周面と金属ベース板の貫通孔の内周面を溶接して、金属-セラミックス接合基板を製造する。回路用金属板12aは、所定の形状の金属回路板12にエッチングする前の部材であり、金属回路板12を包含する平面形状を有する。エッチングする前の回路用金属板12aの平面形状の一例を図1A中に点線で示す。このように金属回路板12を包含する平面形状を有する回路用金属板12aの上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12が形成される。
【0031】
図2に示すように、鋳型31は、カーボンなどからなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材32と上側鋳型部材34とから構成されている。
【0032】
下側鋳型部材32の上面には、金属ベース板14を形成するための凹部(金属ベース板形成部)32aが形成され、この凹部32aの底面には、セラミックス基板10と略同一の形状および大きさでセラミックス基板10を収容するための凹部であるセラミックス基板収容部32bが形成され、このセラミックス基板収容部32bの底面には、回路用金属板12aを形成するための凹部である回路用金属板形成部32cが形成されている。また、金属ベース板形成部32aの底面には、金属ベース板14の各々のねじ止め部14aの略中央部に対応する部分に、略円柱形の貫通孔形成用凸部32dが形成されている。これらの貫通孔形成用凸部32dは、金属ベース板形成部32aの底面から、(金属ベース板14のセラミックス基板10との接合面に対して)略垂直方向に延びており、上側鋳型部材34の金属ベース板形成部34aの上面に接触する高さと、前記環状部材16の外径と略同一の外径を有する。
【0033】
上側鋳型部材34は、平板状の部材の下面(底面)に対して上方に形成された凹部である金属ベース板形成部34aと、金属ベース板形成部34aの上面に設けられた凹部である複数の放熱フィン形成部34bを備え、(図示しない)注湯ノズルから金属ベース板形成部32a、34aおよび放熱フィン形成部34bに溶湯を注湯するための(図示しない)注湯口が形成されているとともに、下側鋳型部材32には、金属ベース板形成部32aと回路用金属板形成部32cとの間に延びる(図示しない)溶湯流路が形成されて、セラミックス基板収容部32b内にセラミックス基板10を収容したときにも金属ベース板形成部32a、34aおよび放熱フィン形成部34bと回路用金属板形成部32cとの間が連通するようになっている。
【0034】
このような鋳型31を使用して図1A図1Cに示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板を製造するためには、まず、下側鋳型部材32のセラミックス基板収容部32b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せる。この状態で鋳型31内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属溶湯を流し込んで冷却すると、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、金属ベース板14の他方の面に複数の放熱フィン30が一体となり形成され、金属ベース板14の一方の面がセラミックス基板10の他方の面と直接接合し、金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属-セラミックス接合体の中間製品を得ることができる。さらに、この中間製品の回路用金属板12a上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12が形成された金属-セラミックス接合体を製造することができる。
【0035】
次いで、得られた金属-セラミックス接合体の貫通孔14bの内径と略同じ外形であり、金属ベース板14の厚さと略同じサイズ(高さ)の略円筒形の環状部材16を貫通孔14b内に配置した後、金属ベース板14の一方の面側の貫通孔14bと環状部材16の接触部を、金属ベース板14の上方よりレーザー溶接機によりレーザーを照射して溶接し、第1の実施の形態の金属-セラミックス接合基板1を製造する。環状部材16の外形を貫通孔14bの内径よりもわずかに小さくして、貫通孔14b内に配置(挿入)しやすくするのが好ましい。
レーザーによる溶接は、例えばファイバーレーザー溶接機を用いて、金属ベース板14と環状部材16の接触部の全周に金属ベース板14の一方の面の上方よりレーザーを1周照射して溶接することで、十分な接合強度を達成することができる。
貫通孔14bに環状部材16を配置する(嵌め込む)前に、ドリル等で加工することにより貫通孔の内部を平滑にしたり、環状部材16の外形に応じて貫通孔14bの内径を調整してもよい。
【0036】
また、レーザー溶接を実施する際、多少溶接部が盛り上がることがある。ねじやボルトで金属ベース板14と蓋材20を締結(ねじ止め)するときに、環状部材16の表面に盛り上がりがあると、ねじのゆるみなどのトラブルが起きる可能性がある。前記盛り上がりは除去することが好ましいが、除去工数がかかる。そこで、環状部材16の外周とベース板の貫通孔14bの内周を面取りした後、その部分にレーザーを照射するのが好ましい。面取りの寸法としては0.05~1.0mmの範囲とすることが好ましい。
【0037】
また、レーザーを照射する際は、レーザー源を固定し、ワークをX-Yテーブルに載置しておけば、X-Yテーブルを移動させるのみで所定の箇所にレーザーを照射することができ、設備を簡略化でき好ましい。
【0038】
<第2の実施の形態>
(金属-セラミックス接合基板)
図3A図3Cに示すように、本発明の第2の実施の形態による金属-セラミックス接合基板2は、金属ベース板14の内部に例えば板材からなる強化部材18が形成されている以外は、第1の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1と同様の金属-セラミックス接合基板である。
なお、第1の実施の形態と重複する同様の構成については説明を省略する。
【0039】
強化部材18が金属ベース板14の内部に形成(接合)されていることにより、金属-セラミックス接合基板2の反りを抑制することができる。また、金属-セラミックス接合基板2にヒートサイクルが負荷された際も、熱応力に起因する反りを抑制することができる。
強化部材18の材質としては、例えばAlN(窒化アルミニウム)、SiN(窒化ケイ素)などのセラミックスからなる板材が好ましく、セラミックス基板10の主面(板面)と板状の強化部材18の主面(板面)は互い離間しており、略平行になっていることが好ましい。強化部材18は金属ベース板14と略全面において接合していることが好ましい。
【0040】
(金属-セラミックス接合基板の製造方法)
図3A図3Cに示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板2を製造するためには、図4に示す鋳型31内にセラミックス基板10および板状の強化部材18を互いに離間して略平行に配置させ、鋳型31内のセラミックス基板10および強化部材18の両面に接触するように金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aを形成してセラミックス基板10の一方の面に直接接合させるとともに、内部に強化部材18が接合された複数の放熱フィン30が一体となった金属ベース板14を形成してセラミックス基板10の他方の面に直接接合させ、金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bを金属ベース板14の端部に4か所に形成させて、金属-セラミックス接合体を作製する。
次いで、例えば回路用金属板12a上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12を形成し、前記貫通孔14bに環状部材16を嵌め込み、環状部材16の外周表面と金属ベース板の貫通孔の表面を溶接して、金属-セラミックス接合基板を製造する。
【0041】
図4に示すように、鋳型31は、カーボンなどからなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材32と上側鋳型部材34とから構成されている。
【0042】
鋳型31は、上側鋳型部材34と下側鋳型部材32に挟持されて強化部材18が配置されるようになっている凹部である強化部材収容部34e、32eが形成されている以外は、図2と同様の鋳型31の構成となっている。この鋳型に設けられた凹部である強化部材収容部34e、32eによって強化部材18の長さ方向あるいは幅方向の両端部が挟持されるようになっている。この凹部(強化部材収容部34e、32e)は下側鋳型部材32のみ(または上側鋳型部材34のみ)に設けてもよい。
なお、セラミックス基板収容部32b内にセラミックス基板10を収容し、強化部材18を強化部材収容部32e、32eに収容したときにも、金属ベース板形成部32a、34aおよび放熱フィン形成部34bと回路用金属板形成部32cとの間が連通するようになっている。
【0043】
このような鋳型31を使用して図3A図3Cに示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板を製造するためには、まず、下側鋳型部材32のセラミックス基板収容部32b内にセラミックス基板10を配置し、強化部材18を強化部材収容部32eに配置した後、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せる。これにより強化部材18の両端部は上側鋳型部材34と下側鋳型部材32に挟持され、強化部材収容部32e、34eに配置される。この状態で鋳型31内にアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属の溶湯を流し込んで冷却すると、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、強化部材18が金属ベース板14の内部にセラミックス基板10と略平行に接合されて、複数の放熱フィン30が一体となった金属ベース板14の一方の面がセラミックス基板10の他方の面と直接接合し、金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が形成された金属-セラミックス接合体を作製する。
【0044】
次いで、例えば回路用金属板12a上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12を形成した後、前記貫通孔14bに環状部材16を嵌め込み、環状部材16の外周表面と金属ベース板の貫通孔の表面を溶接して、金属-セラミックス接合基板2を製造する。
【0045】
得られた金属-セラミックス接合体に環状部材16を溶接する具体的な手段は第1の実施の形態と同様であり、本発明の第2の実施の形態の金属-セラミックス接合基板2を得ることができる。
【0046】
<第3の実施の形態>
(金属-セラミックス接合基板)
図5A図5Cに示すように、本発明による第3の実施の形態の金属-セラミックス接合基板3は、平面形状が略矩形のセラミックス基板10と、このセラミックス基板10の一方の面に直接接合した(図示した実施の形態では平面形状が略矩形の2枚の)金属回路板12と、セラミックス基板10の他方の面に一方の面が直接接合した放熱側金属板13とを備えた金属-セラミックス回路基板と、平面形状が略矩形で略均一な厚さを有する一枚の平板状のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属部材14dの主面(板面、他方の面)に、複数の放熱フィン30が形成されてなる金属ベース板14を備えている。この金属ベース板14(金属部材14d)の一方の面(放熱フィン30が形成されている面の反対側の面)が、ろう材8を介して金属-セラミックス回路基板の放熱側金属側13の他方の面と接合され、金属-セラミックス接合基板3を形成している。
【0047】
それ以外は第1の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1と同様に、略矩形の平板状の金属ベース板14の四隅付近には、ねじ止め部14aが形成され、各々のねじ止め部14aの略中央部には、金属ベース板14のセラミックス基板10との接合面(一方の面)に対して略垂直方向に延びる(ねじ止め用の)貫通孔14bが、金属ベース板14の一方の面から他方の面まで貫通して形成されている。
これらの貫通孔14bにアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる略円筒形の環状部材16が嵌合しており、環状部材16の外周部が金属ベース板14の貫通孔14bに溶接されているものが、第3の実施の形態の金属-セラミックス接合基板3である。
【0048】
第3の実施の形態の金属-セラミックス接合基板3は、セラミックス基板10の一方の面にはアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板12が直接接合され、他方の面(金属ベース板14に対向する面)にはアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる放熱側金属板13が直接接合された、金属-セラミックス回路基板(図示の例では、金属回路板12、セラミックス基板10、放熱側金属板13から構成される。)を備えている。
金属-セラミックス回路基板の放熱側金属板13の他方の面と、金属ベース板14の一方の面(放熱フィン30が形成されている面と反対側の面)は、例えば公知のAl-Si系等のアルミニウム系のろう材8を介してろう接されているのが好ましい。
【0049】
(金属-セラミックス接合基板の製造方法)
図5A図5Cに示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板3を製造するためには、図6Bに示す鋳型40内にセラミックス基板10を配置させ、鋳型40内のセラミックス基板10の両面に接触するように金属の溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aを形成してセラミックス基板10の一方の面に直接接合させるとともに、放熱側金属板13を形成してセラミックス基板10の他方の面に直接接合させた後、例えば回路用金属板12a上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12を形成すればよい。
【0050】
図6Bに示すように、鋳型40は、カーボンなどからなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材42と上側鋳型部材44とから構成されている。
【0051】
下側鋳型部材42の上面には、セラミックス基板10と略同一の形状および大きさでセラミックス基板10を収容するための凹部(セラミックス基板収容部)42bが形成され、この凹部42bの底面には、金属回路板12を形成するための回路用金属板を形成するための凹部(回路用金属板形成部)42cが形成されている。
【0052】
上側鋳型部材44は、平板状の部材の下面(底面)に対して上方に形成された凹部である放熱側金属板形成部44aを備え、(図示しない)注湯ノズルから回路用金属板形成部42cと放熱側金属板形成部44aに溶湯を注湯するための(図示しない)注湯口が形成されているとともに、下側鋳型部材42には、放熱側金属板形成部44aと回路用金属板形成部42cとの間に延びる(図示しない)溶湯流路が形成されて、セラミックス基板収容部42b内にセラミックス基板10を収容したときにも放熱側金属板形成部44aと回路用金属板形成部42cとの間が連通するようになっている。
【0053】
このような鋳型40を使用して図5A図5Cに示す実施の形態の金属-セラミックス回路基板を製造するためには、まず、下側鋳型部材42のセラミックス基板収容部42b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材44を下側鋳型部材42に被せる。この状態で鋳型40内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属の溶湯を流し込んで冷却すると、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、放熱側金属板13の一方の面がセラミックス基板10の他方の面と直接接合し、金属-セラミックス回路基板を製造することができる。次いで、例えば回路用金属板12aの表面にレジストを形成した後、エッチングして金属回路板12を形成することができる。
【0054】
次に第3の実施の形態の金属ベース板14の製造方法について説明する。
図5A図5Cに示す実施の形態の金属ベース板14を製造するためには、図6Aに示す鋳型31内に金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、平板上の金属部材14dの他方の面に複数の放熱フィン30が一体に形成され、平板上の金属部材14dの一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bを有する金属ベース板14を作製する。
【0055】
図6Aに示すように、鋳型31は、カーボンなどからなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材32と上側鋳型部材34とから構成されている。
【0056】
下側鋳型部材32の上面には、金属ベース板14を形成するための凹部(金属ベース板形成部)32aが形成され、この凹部32aの底面には、金属ベース板14の各々のねじ止め部14aの略中央部に対応する部分に、略円柱形の貫通孔形成用凸部32dが形成されている。これらの貫通孔形成用凸部32dは、金属ベース板形成部32aの底面から略垂直方向に延びており、上側鋳型部材34の金属ベース板形成部34aの上面に接触する高さと、前記環状部材16の外形と略同一の外径を有する。
【0057】
上側鋳型部材34は、平板状の部材の下面(底面)に対して上方に形成された凹部である金属ベース板形成部34aと、金属ベース板形成部34aの上面に設けられた凹部である複数の放熱フィン形成部34bを備え、(図示しない)注湯ノズルから金属ベース板形成部32a、34aおよび放熱フィン形成部34bに溶湯を注湯するための(図示しない)注湯口が形成されている。
【0058】
このような鋳型31を使用して図5A図5Cに示す実施の形態の金属ベース板14を製造するためには、まず、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せる。この状態で鋳型31内にアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属の溶湯を流し込んで冷却すると、複数の放熱フィン30が一体となった金属ベース板14が形成され、金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが金属ベース板14の四隅に形成される。
【0059】
次いで得られた金属ベース板14の一方の面と、金属-セラミックス回路基板の間に前記アルミニウム系のろう材8を配置し、加熱、冷却することにより、金属ベース板14と金属-セラミックス回路基板を接合して図5A図5Cに記載の金属-セラミックス接合体を作製する。
ろう材8は公知のAl-Si系等のアルミニウム系のろう材を適用することが好ましく、形態としてはペーストや箔であることが好ましい。
【0060】
得られた金属-セラミックス接合体に環状部材16を溶接する具体的な手段は第1の実施の形態と同様であり、これにより本発明の第3の実施の形態の金属-セラミックス接合基板3を得ることができる。
【0061】
<第4の実施の形態>
(金属-セラミックス接合基板)
図7A図7Cに示すように、本発明による金属-セラミックス接合基板4の第4の実施の形態は、金属ベース板14の内部に例えばセラミックスの板材からなる強化部材18が形成されている以外は、第3の実施の形態と同様の金属-セラミックス接合基板である。
強化部材18が金属ベース板14の内部に形成(接合)されていることにより、金属-セラミックス接合基板4の反りを抑制することができる。また、金属-セラミックス接合基板4にヒートサイクルが負荷された際も、熱応力に起因する反りを抑制することができる。
強化部材18の材質としては、例えばAlN(窒化アルミニウム)やSiN(窒化ケイ素)等のセラミックスからなる板材が好ましく、板状の強化部材18の主面(板面)は、セラミックス基板10および金属ベース板14の一方の面と略平行となっていることが好ましく、強化部材18は金属ベース板14と略全面において接合していることが好ましい。
その他、第3実施の形態と重複する同様の構成については説明を省略する。
【0062】
(金属-セラミックス接合基板の製造方法)
図7A図7Cに示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板4を製造するためには、図8に示す鋳型31内に板状の強化部材18を配置させ、鋳型31内の強化部材18の両面に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、複数の放熱フィン30が一体となった内部に強化部材18が形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bを金属ベース板14の端部の4か所に形成させ、放熱フィン30が一体となった金属ベース板14を形成する。
【0063】
図8に示すように、鋳型31は、カーボンなどからなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材32と上側鋳型部材34とから構成されている。
【0064】
鋳型31は、上側鋳型部材34と下側鋳型部材32に挟持されて強化部材18が配置されるようになっている強化部材収容部34e、32eが形成されている以外は、図6Aと同様の鋳型31の構成となっている。
【0065】
このような鋳型31を使用して図7A図7Cに示す第4の実施の形態の金属ベース板14を製造するためには、まず、下側鋳型部材32の強化部材収容部32eに強化部材18を載置し、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せる。これにより強化部材18は上側鋳型部材34と下側鋳型部材32に挟持され、強化部材収容部32e、34eに配置される。
この状態で鋳型31内にアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属の溶湯を流し込んで冷却すると、強化部材18が内部に接合され、複数の放熱フィン30が一体となった金属ベース板14が形成され、金属ベース板14の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成される。
【0066】
また、第4の実施の形態の金属-セラミックス回路基板の作製は、第3の実施の形態と同様に、図6Bに示す鋳型40内に板状のセラミックス基板10を配置して、鋳型40内のセラミックス基板10の両面に接触するように金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、金属回路板12を形成するための回路用金属板12aを形成してセラミックス基板10の一方の面に直接接合させるとともに、放熱側金属板13を形成してセラミックス基板10の他方の面に直接接合させ、例えば回路用金属板12a上に所定の形状のレジストを形成してエッチングすることにより金属回路板12を形成して、金属-セラミックス回路基板を作製する。
【0067】
次いで得られた金属ベース板14の一方の面と、金属-セラミックス回路基板の間に前記アルミニウム系のろう材8を配置し、加熱、冷却することにより、金属ベース板14と金属-セラミックス回路基板を接合して図7A図7Cに記載の金属-セラミックス接合体を作製する。
【0068】
得られた金属-セラミックス接合体に環状部材16を溶接する具体的な手段は第1の実施形態と同様に実施し、本発明の第4の実施形態の金属-セラミックス接合基板4を得ることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。上記実施形態に限らず、本発明の主旨を満たすものも実施の形態となる。
例えば、金属ベース板14が、放熱フィン30が一体に形成されない貫通孔14bが形成された平板状の板材であってもよい。
【0070】
また、上述した実施の形態の金属-セラミックス接合基板1~4では、金属回路板12上に半導体素子やチップが半田付けにより固定され、セラミックス基板10および金属回路板12を取り囲むように配置された絶縁樹脂からなる外装ケースが金属ベース板14の上面に接着されて固定され、外装ケースに設けられた接続端子と金属回路板12がワイヤボンディングにより接続され、外装ケース内にシリコンゲルやエポキシ樹脂などの固形の樹脂が充填され、この固形の樹脂上に外装ケースと同種または異種の材質の端子ホルダが固定されて、外装ケースの蓋として封止するような構造に使用されてもよい。
【実施例0071】
以下、本発明による金属-セラミックス接合基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
【0072】
[実施例1]
セラミックス基板10として、長さ100mm×幅80mm×厚さ1.0mmの略矩形のAlN(窒化アルミニウム)基板を用意するとともに、図2に示す鋳型31と同様の鋳型の下側鋳型部材32のセラミックス基板収容部32b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せた。この状態で鋳型31内に純アルミニウム(純度99.9質量%以上のアルミニウム)の溶湯を流し込んで冷却して、金属回路板12を形成するための(長さ95mm×幅75mm×厚さ1.6mmのアルミニウムからなる)回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、高さ6mmの複数の放熱フィン30が形成された(長さ140mm×幅90mm×厚さ1.6mmのアルミニウムからなる)ビッカース硬さが18HVである金属ベース板14がセラミックス基板10の他方の面と直接接合し、金属ベース板14の長手方向側面および幅方向側面から中心軸線がそれぞれ10mm離間して直径が8.1mmである一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属-セラミックス接合体を作製した。なお、セラミックス基板10は金属ベース板14の長さおよび幅方向の略中央に形成され、回路用金属板12aはセラミックス基板10の長さおよび幅方向の略中央部に形成されている。また、実施例においては回路用金属板12aを(前述のようにエッチング加工などにより回路パターンを改めて形成せずに、)そのまま金属回路板12とした。
次いで、金属ベース板14の貫通孔14bのセラミックス基板10が接合している側の表面の内周部を切削して0.1mmの面取りを行った。
【0073】
また、環状部材16として、外径8mm、内径5mm、長さ1.6mmの円筒状であって、JIS規格合金番号が1N90(99.9質量%以上のアルミニウムを含有する)、質別がH18であって、ビッカース硬さが31HVのアルミニウムのパイプを用意し、このパイプの外周部を切削して0.1mmの面取りを行って環状部材16とした。
次いで、環状部材16を貫通孔14bに嵌め込んだ金属-セラミックス接合体をX-Yテーブルに載置し、ファイバーレーザー溶接機(株式会社アマダミヤチ製)を用い、スポット径を50μmとして500Wの出力で金属ベース板14のセラミックス基板10が接合している側から、金属ベース板14の貫通孔14bと環状部材16のそれぞれ面取りされた接触部の表面の全周をX-Yテーブルを動かして一周溶接することで、金属ベース板14と環状部材16を溶接し、金属-セラミックス接合基板1を作製した。
なお、上記ビッカース硬さは、JIS Z2244「ビッカース硬さ試験-試験方法」に準じ、マイクロビッカース硬さ試験機(株式会社ミツトヨ製 HM-210)を用い、環状部材16および金属ベース板14の表面に、マイクロビッカース硬さ試験機の圧子を試験力1kgf、負荷時間4秒、保持時間5秒、除荷時間4秒の条件で測定した値である。
【0074】
<評価>
(接合強度:ボルト締結試験)
得られた金属-セラミックス接合基板1の環状部材16の内部に雌ねじを切ってボルト24を嵌め、ボルト24にトルクレンチを用いてねじが締まる方向に10N・mの回転トルクを付与した。このとき環状部材16と金属ベース板14の貫通孔14bの溶接部が外れて環状部材16が回転することはなく、十分な接合強度を有していることが確認できた。
【0075】
(溶接部観察)
金属-セラミックス接合基板1の金属ベース板14の表面に対して溶接部が飛び出して(盛り上がって)いるか否かを、レーザー顕微鏡で確認したところ(面取りをした後にレーザー溶接を行ったこともあり)金属ベース板14の表面に対して盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、溶接部を実体顕微鏡で確認した結果、クラックの発生は確認されなかった。
また、金属ベース板14の貫通孔14bの断面を切断して溶接部を観察したところ、金属ベース板14の厚さ(深さ)方向に200μm程度、溶接(溶着)部が確認された。
【0076】
[実施例2~12]
金属ベース板14および金属回路板12を作製するための原料(組成、JISの合金記号、質別等)および金属ベース板14および金属回路板12のビッカース硬さと、環状部材16の材質(組成、JISの合金記号、質別等)およびビッカース硬さについて、表1に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金とした以外は、実施例1と同様の方法で金属-セラミックス接合基板1を作製した。
【0077】
得られた金属-セラミックス接合基板1のサンプルについて、実施例1と同様のボルト締結試験を行った結果、いずれのサンプルにおいても十分な接合強度を有することが確認できた。
また、実施例1と同様に溶接部を観察したところ、いずれのサンプルにおいても溶接部の盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、実施例1と同様に溶接部のクラックの発生について確認したところ、実施例3、6、8には観察されなかったが、実施例2、4、5、7、9~12にクラックが観察された。クラックが観察されたサンプルにおいても上記の通り接合強度は十分であり実用上の問題はないが、クラックの観察されないものがより好ましい。
【0078】
実施例1~12の金属ベース板14、金属回路板12の原料(材質)およびビッカース硬さ、環状部材16(パイプ)の材質及びビッカース硬さ、ボルト締結性、溶接部の評価結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
[実施例13~24]
セラミックス基板10として、長さ100mm×幅80mm×厚さ0.32mmの略矩形のSiN(窒化ケイ素)基板を用意するとともに、図2に示す鋳型31と同様の鋳型の下側鋳型部材32のセラミックス基板収容部32b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せた。この状態で鋳型31内に表2に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金の原料(材質)からなる金属溶湯を流し込んで冷却して、金属回路板12を形成するための(長さ95mm×幅75mm×厚さ1.9mmの表2に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、高さ6mmの複数のフィンが形成された(長さ140mm×幅90mm×厚さ1.9mmの表2に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)表2に示すビッカース硬さを有する金属ベース板14がセラミックス基板10の他方の面と直接接合し、金属ベース板14の長手方向側面および幅方向側面から中心軸線がそれぞれ10mm離間して直径が8.1mmである一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属-セラミックス接合体を作製した。なお、セラミックス基板10は金属ベース板14の長さおよび幅方向の略中央に形成され、回路用金属板12aはセラミックス基板10の長さおよび幅方向の略中央部に形成されている。また、実施例においては回路用金属板12aを(前述のようにエッチング加工などによりパターンを改めて形成せずに、)そのまま金属回路板12とした。
次いで、金属ベース板14の貫通孔14bのセラミックス基板10が接合している側の表面の内周部を切削して0.1mmの面取りを行った。
【0081】
環状部材16として、外径8mm、内径5mm、長さ1.9mmの円筒状の表2に示す材質、質別およびビッカース硬さを有するアルミニウムまたはアルミニウム合金のパイプを用意した。このパイプの外周部を切削して0.1mmの面取りを行った。次いで、実施例1と同様の方法で、金属ベース板14と環状部材16を溶接した。
【0082】
得られた金属-セラミックス接合基板1のサンプルについて、実施例1と同様のボルト締結試験を行った結果、いずれのサンプルにおいても十分な接合強度を有することが確認できた。
また、実施例1と同様に溶接部を観察したところ、いずれのサンプルにおいても溶接部の盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、実施例1と同様に溶接部のクラックの発生について確認したところ、実施例13、15、18、20には観察されなかったが、実施例14、16、17、19、21~24にはクラックが観察された。クラックが観察されたサンプルにおいても上記の通り接合強度は十分であり実用上の問題はないが、クラックの観察されないものがより好ましい。
【0083】
実施例13~24の金属ベース板14、金属回路板12の原料(材質)およびビッカース硬さ、環状部材16(パイプ)の材質及びビッカース硬さ、ボルト締結性、溶接部の評価結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
[実施例25~36]
セラミックス基板10として、長さ100mm×幅80mm×厚さ0.635mmの略矩形のAlN(窒化アルミニウム)基板および強化部材18として長さ103mm×幅93mm×厚さ0.635mmの略矩形のAlN(窒化アルミニウム)基板を用意するとともに、図4に示す鋳型31と同様の鋳型の下側鋳型部材32のセラミックス基板収容部32b内および強化部材収容部32eにそれぞれセラミックス基板10および強化部材18を配置した後、上側鋳型部材34を下側鋳型部材32に被せた。強化部材18の幅方向の両端部は上側鋳型部材34(の強化部材収容部34e)と下側鋳型部材32(の強化部材収容部32e)との間に挟持される。この状態で鋳型31内に表3に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金の原料(材質)からなる金属溶湯を流し込んで冷却して、金属回路板12を形成するための(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの表3に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、強化部材18が内部に形成(接合)され、高さ6mmの複数のフィン30が形成された(長さ140mm×幅90mm×厚さ4mmの表3に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)表3に示すビッカース硬さを有する金属ベース板14がセラミックス基板10の他方の面と直接接合し、金属ベース板14の長手方向側面および幅方向側面から中心軸線がそれぞれ10mm離間して直径が8.1mmである一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属-セラミックス接合体を作製した。なお、セラミックス基板10は金属ベース板14の長さおよび幅方向の略中央に形成され、強化部材18は金属ベース板14の長さおよび幅方向の略中央部にセラミックス基板10と略平行であり且つ金属ベース板14の裏面(他方の面)から0.6mmほど離間した内部に形成(接合)されており、回路用金属板12aはセラミックス基板10の長さおよび幅方向の略中央部に形成されている。また、実施例においては回路用金属板12aを(前述のようにエッチング加工などにより回路パターンを改めて形成せずに、)そのまま金属回路板12とした。
次いで、金属ベース板14の貫通孔14bのセラミックス基板10が接合している側の表面の内周部を切削して0.1mmの面取りを行った。
【0086】
環状部材16として、外径8mm、内径5mm、長さ4mmの円筒状の表3に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金のパイプを用意した。このパイプの外周端部を切削して0.1mmの面取りを行った。
次いで、実施例1と同様の方法で、金属ベース板14と環状部材16を溶接した。
【0087】
得られた金属-セラミックス接合基板2のサンプルについて、実施例1と同様のボルト締結試験を行った結果、いずれのサンプルにおいても十分な接合強度を有することが確認できた。
また、実施例1と同様に溶接部を観察したところ、いずれのサンプルにおいても溶接部の盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、実施例1と同様に溶接部のクラックの発生について確認したところ、実施例25、27、30、32には観察されなかったが、実施例26、28、29、31、33~36にはクラックが観察された。クラックが観察されたサンプルにおいても上記の通り接合強度は十分であり実用上の問題はないが、クラックの観察されないものがより好ましい。
【0088】
実施例25~36の金属ベース板14、金属回路板12の原料(材質)およびビッカース硬さ、環状部材16(パイプ)の材質及びビッカース硬さ、ボルト締結性、溶接部の評価結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
[実施例37~48]
セラミックス基板10として、長さ100mm×幅80mm×厚さ1.0mmの略矩形のAlN基板を用意するとともに、図6Bに示す鋳型40と同様の鋳型の下側鋳型部材42のセラミックス基板収容部42b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材44を下側鋳型部材42に被せた。この状態で鋳型40内に表4に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属回路板の原料(材質)からなる金属溶湯を流し込んで冷却して、金属回路板12を形成するための(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの表4に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の)回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、他方の面に表4に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの)放熱側金属板13を形成し、金属-セラミックス回路基板を作製した。なお、実施例においては回路用金属板12aを(前述のようにエッチング加工などにより回路パターンを改めて形成せずに、)そのまま金属回路板12とした。また、金属回路板12および放熱側金属板13はセラミックス基板10の長さおよび幅方向の略中央部に形成されている。
【0091】
また、図6Aに示す鋳型31内に表4に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属ベース板の原料(材質)からなる金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、高さ6mmの複数のフィンが形成された(長さ140mm×幅90mm×厚さ1.6mmの表4に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)表4に示すビッカース硬さを有する金属ベース板14の長手方向側面および幅方向側面から中心軸線がそれぞれ10mm離間して直径が8.1mmである一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属ベース板14を作製した。
【0092】
次いで、金属ベース板14の一方の面にAl-Si系のろう材ペーストを塗布し、ろう材上に金属-セラミックス回路基板を配置した後、接合温度まで加熱し、冷却して金属-セラミックス接合体を得た。
【0093】
次いで、金属ベース板の貫通孔14bのセラミックス基板10が接合している側の表面の内周部を切削して0.1mmの面取りを行った。
【0094】
環状部材16として、外径8mm、内径5mm、長さ1.6mmの円筒状の表4に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金のパイプを用意した。このパイプの外周部を切削して0.1mmの面取りを行った。次いで、実施例1と同様の方法で、金属ベース板とパイプを溶接した。
【0095】
得られた金属-セラミックス接合基板のサンプルについて、実施例1と同様のボルト締結試験を行った結果、いずれのサンプルにおいても十分な接合強度を有することが確認できた。
また、実施例1と同様に溶接部を観察したところ、いずれのサンプルにおいても溶接部の盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、実施例1と同様に溶接部のクラックの発生について確認したところ、実施例37、39、42、44には観察されなかったが、実施例38、40、41、43、45~48にはクラックが観察された。クラックが観察されたサンプルにおいても上記の通り接合強度は十分であり実用上の問題はないが、クラックの観察されないものがより好ましい。
【0096】
実施例37~48の金属ベース板14、金属回路板12の原料(材質)およびビッカース硬さ、環状部材16(パイプ)の材質及びビッカース硬さ、ボルト締結性、溶接部の評価結果を表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
[実施例49~60]
セラミックス基板10として、長さ100mm×幅80mm×厚さ0.32mmの略矩形のSiN(窒化ケイ素)基板を用意するとともに、図6Bに示す鋳型40と同様の鋳型の下側鋳型部材42のセラミックス基板収容部42b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材44を下側鋳型部材42に被せた。この状態で鋳型40内に表5に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属回路板の原料(材質)からなる金属溶湯を流し込んで冷却して、金属回路板12を形成するための(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの表5に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の)表5に示すビッカース硬さを有する回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、他方の面に表5に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの)表5に示すビッカース硬さを有する放熱側金属板13を形成し、金属-セラミックス回路基板を作製した。なお、実施例においては回路用金属板12aを(前述のようにエッチング加工などにより回路パターンを改めて形成せずに、)そのまま金属回路板12とした。また、金属回路板12および放熱側金属板13はセラミックス基板10の長さおよび幅方向の略中央部に形成されている。
【0099】
また、図6Aに示す鋳型31内に表5に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属ベース板の原料(材質)からなる金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、高さ6mmの複数のフィンが形成された(長さ140mm×幅90mm×厚さ1.9mmの表5に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)表5に示すビッカース硬さを有する金属ベース板14の長手方向側面および幅方向側面から中心軸線がそれぞれ10mm離間して直径が8.1mmである一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属ベース板14を作製した。
【0100】
次いで、金属ベース板14の一方の面にAl-Si系のろう材ペーストを塗布し、ろう材上に金属-セラミックス回路基板を配置した後、接合温度まで加熱し、冷却して金属-セラミックス接合体を得た。
【0101】
次いで、金属ベース板の貫通孔14bのセラミックス基板10が接合している側の表面の内周部を切削して0.1mmの面取りを行った。
【0102】
環状部材16として、外径8mm、内径5mm、長さ1.9mmの円筒状の表4に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金のパイプを用意した。このパイプの外周部を切削して0.1mmの面取りを行った。次いで、実施例1と同様の方法で、金属ベース板とパイプを溶接した。
【0103】
得られた金属-セラミックス接合基板のサンプルについて、実施例1と同様のボルト締結試験を行った結果、いずれのサンプルにおいても十分な接合強度を有することが確認できた。
また、実施例1と同様に溶接部を観察したところ、いずれのサンプルにおいても溶接部の盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、実施例1と同様に溶接部のクラックの発生について確認したところ、実施例49、51、54、56には観察されなかったが、実施例50、52、53、55、57~60にはクラックが観察された。クラックが観察されたサンプルにおいても上記の通り接合強度は十分であり実用上の問題はないが、クラックの観察されないものがより好ましい。
【0104】
実施例49~60の金属ベース板14、金属回路板12の原料(材質)およびビッカース硬さ、環状部材16(パイプ)の材質及びビッカース硬さ、ボルト締結性、溶接部の評価結果を表5に示す。
【0105】
【表5】
【0106】
[実施例61~72]
セラミックス基板10として、長さ100mm×幅80mm×厚さ0.635mmの略矩形のAlN(窒化アルミニウム)基板を用意するとともに、図6Bに示す鋳型40と同様の鋳型の下側鋳型部材42のセラミックス基板収容部42b内にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材44を下側鋳型部材42に被せた。この状態で鋳型40内に表6に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属回路板の原料(材質)からなる金属溶湯を流し込んで冷却して、金属回路板12を形成するための(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの表6に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の)表6に示すビッカース硬さを有する回路用金属板12aがセラミックス基板10の一方の面と直接接合するとともに、他方の面に表6に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる(長さ95mm×幅75mm×厚さ0.6mmの)表6に示すビッカース硬さを有する放熱側金属板13を形成し、金属-セラミックス回路基板を作製した。なお、実施例においては回路用金属板12aを(前述のようにエッチング加工などにより回路パターンを改めて形成せずに、)そのまま金属回路板12とした。また、金属回路板12および放熱側金属板13はセラミックス基板10の長さおよび幅方向の略中央部に形成されている。
【0107】
また、図8に示す鋳型31内の下側鋳型部材32の強化部材収容部32eに長さ103mm×幅93mm×厚さ0.635mmのAlN(窒化アルミニウム)基板からなる強化部材18を配置した後、上側鋳型部材34を被せて強化部材18の幅方向の両端部を挟持した。この状態で鋳型31内に表6に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金の金属ベース板の原料(材質)からなる金属溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、高さ6mmの複数のフィンが形成された(長さ140mm×幅90mm×厚さ4mmの表6に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる)表6に示すビッカース硬さを有する金属ベース板14の長手方向側面および幅方向側面から中心軸線がそれぞれ10mm離間して直径が8.1mmである一方の面から他方の面に貫通する貫通孔14bが形成された金属ベース板14を作製した。
【0108】
次いで、金属ベース板14の一方の面にAl-Si系のろう材ペーストを塗布し、ろう材上に金属-セラミックス回路基板を配置した後、接合温度まで加熱し、冷却して金属-セラミックス接合体を得た。
【0109】
次いで、金属ベース板14の貫通孔14bのセラミックス基板10が接合している側の表面の内周部を切削して0.1mmの面取りを行った。
【0110】
環状部材16として、外径8mm、内径5mm、長さ4mmの円筒状の表6に示すアルミニウムまたはアルミニウム合金のパイプを用意した。このパイプの外周部を切削して0.1mmの面取りを行った。次いで、実施例1と同様の方法で、金属ベース板とパイプを溶接した。
【0111】
得られた金属-セラミックス接合基板のサンプルについて、実施例1と同様のボルト締結試験を行った結果、いずれのサンプルにおいても十分な接合強度を有することが確認できた。
また、実施例1と同様に溶接部を観察したところ、いずれのサンプルにおいても溶接部の盛り上がり(飛び出し、突起)は無く、蓋材をねじ止めする際に、良好に締め付けることができる形状(表面状態)であることが確認された。
また、実施例1と同様に溶接部のクラックの発生について確認したところ、実施例61、63、66、68には観察されなかったが、実施例62、64、65、67、69~72にはクラックが観察された。クラックが観察されたサンプルにおいても上記の通り接合強度は十分であり実用上の問題はないが、クラックの観察されないものがより好ましい。
【0112】
実施例61~72の金属ベース板14、金属回路板12の原料(材質)およびビッカース硬さ、環状部材16(パイプ)の材質及びビッカース硬さ、ボルト締結性、溶接部の評価結果を表6に示す。
また、表1~表6に記載の合金記号に係る組成を表7に示す。
【0113】
【表6】
【表7】
【0114】
[比較例]
内径5mmmの貫通孔を形成したベース板を作成して、環状部材を溶接しなかった以外は、実施例1と同様に金属-セラミックス接合基板を作製した。
得られた金属-セラミックス接合基板のサンプルについて、ボルトで蓋材にとりつけたところ、ベース板の表面が変形する不良が発生した。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、パワーモジュール用絶縁基板として使用されている金属-セラミックス接合基板に適用することができる。
【符号の説明】
【0116】
1~4 金属-セラミックス接合基板
10 セラミックス基板
12 金属回路板
12a 回路用金属板
14 金属ベース板
14a ねじ止め部
14b 貫通孔
14d 金属部材
16 環状部材
18 強化部材
20 蓋材
20a ねじ止め部
20b ねじ穴
22 液冷用空間
24 ねじ(またはボルト)
30 放熱フィン
31、40 鋳型
32、42 下側鋳型部材
32a、34a 凹部(金属ベース板形成部)
32b、32e、34e、44b 凹部(セラミックス基板収容部)
32c、42c 凹部(回路用金属板形成部)
32d 貫通孔形成用凸部
34、44 上側鋳型部材
34b 放熱フィン形成部
44a 放熱側金属板形成部

図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8