(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179495
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】水力発電装置及び該水力発電装置の応用方法
(51)【国際特許分類】
F03B 7/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
F03B7/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098378
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】523228200
【氏名又は名称】呂 銘樹
(71)【出願人】
【識別番号】523228211
【氏名又は名称】陳 珮如
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】呂 銘樹
【テーマコード(参考)】
3H072
【Fターム(参考)】
3H072AA09
3H072AA23
3H072BB31
3H072CC71
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水流の運動エネルギを効率的に利用して発電効率の向上を図る水力発電装置及びその応用方法を提供する。
【解決手段】ケーシング10と、これに回転自在に挿設される回転軸20と、回転軸20に接続される第1水車30及び第2水車40と、回転軸20の両端に接続される二つの発電機50とを含む水力発電装置1であって、ケーシング10の密閉空間を流入室12と流出室13に区画する仕切り壁11が設けられ、仕切り壁11上に、ケーシング10の頂部に隣接して配置されと共に流入室12と流出室13とを連通させる案内流路111と、貫通孔とが貫通形成され、ケーシング10上に、ケーシング10の底部近くに位置し流入室13と連通する流入口14と、ケーシング10の底部近くに位置し流出室13と連通する放水口15が貫通形成され、第1水車30及び第2水車40は流入室12及び流出室13内に夫々配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水力発電装置であって、ケーシングと、回転軸と、第1水車と、第2水車と、二つの発電機とを含み、
前記ケーシングの内部において、密閉空間を有し、該密閉空間を流入室と流出室に区画する仕切り壁が設けられ、該仕切り壁上に、案内流路と貫通孔を有し、該案内流路は、該ケーシングの頂部に隣接するように貫通形成されると共に、該流入室と流出室とを連通させ、また、該ケーシングに、二つの軸穴、及び該二つの軸穴の間に配置される流入口と放水口を有し、該流入口は、該ケーシングの底部近くの位置に貫通形成されると共に、該流入室と連通し、該放水口は、該ケーシングの底部近くの位置に貫通形成されると共に、該流出室と連通し、
前記回転軸は、前記貫通孔及び二つの軸穴に回転自在に挿設され、
前記第1水車は、前記回転軸に接続されると共に、前記流入室内に配置され、
前記第2水車は、前記回転軸に接続されると共に、前記流出室内に配置され、
前記二つの発電機はそれぞれ、前記回転軸の両端に接続され、該回転軸の回転によって駆動されることを特徴とする水力発電装置。
【請求項2】
前記案内流路は、水平方向に延び、該案内流路の延在方向は、前記二つの軸穴とを結ぶ仮想直線との間に交差角度を有することを特徴とする請求項1に記載の水力発電装置。
【請求項3】
前記第1水車は、第1軸部と、該第1軸部の外周に囲繞するように間隔を置いて設置される複数の第1ランナ羽根とを備えると共に、該第1軸部を介して前記回転軸に連結固定され、
前記第2水車は、第2軸部と、該第2軸部の外周に間隔を置いて囲繞するように設置される複数の第2ランナ羽根とを備えると共に、該第2軸部を介して前記回転軸に連結固定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水力発電装置。
【請求項4】
前記各第1ランナ羽根は、二つの短手辺と、該二つの短手辺の間にある長手辺とを有し、該二つの短手辺は、前記仕切り壁から離れる方向に傾斜することを特徴とする請求項3に記載の水力発電装置。
【請求項5】
前記回転軸の両端にはそれぞれ、駆動プーリが設置され、前記各発電機は、本体部と、その一端が該本体部の外部に突出しているロータ軸とを備え、該ロータ軸の本体部から突出している端部に従動プーリが取り付けられ、前記各駆動プーリと対応する該従動プーリとの間に、伝動ベルトが張り渡されることを特徴とする請求項4に記載の水力発電装置。
【請求項6】
前記請求項1に記載の水力発電装置の応用方法において、
複数の前記水力発電装置を所要間隔で配置し、その後、複数の主導水管路を介して上流側から下流側に向けて順に接続し、すると、上流側からの水の流れは、該各主導水管路を通って、対応する該水力発電装置のケーシングの流入口に流入し、前記第1水車の各第1ランナ羽根に当たって当該第1水車を回転させ、回転している当該第1水車は、前記回転軸を共に回転駆動させながら、水を該ケーシングの下部から上部に運び、運ばれた水は、前記案内流路の一端の開口に流入して前記第2水車側にある他端の開口から流出し、流出する水の流れは、下方に流れ落ちて該第2水車を押し動かし、最後に、前記放水口から流出するステップAと、
前記放水口から流出する水の流れは、当該水力発電装置の放水口に接続された下流側にある前記主導水管路に流入するステップBと、を含むことを特徴とする水力発電装置の応用方法。
【請求項7】
前記水力発電装置の応用方法において、前記主導水管路に、複数の副導水管路を連通接続し、前記複数の水力発電装置を、該各副導水管路に接続するステップCをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の水力発電装置の応用方法。
【請求項8】
前記水力発電装置の応用方法において、前記各水力発電装置の上流側にある主導水管路及び副導水管路に開閉弁を設置し、該開閉弁を介して該各水力発電装置への水の流れを制御するステップDをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の水力発電装置の応用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置に関し、特に、水力発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の環境保護に対する意識が高まり、様々な環境資源を有効的に活用することがますます重要になっている。例えば、山間地域においては、河川の水資源を如何にして効率的に利用するのかが大きな課題となっている。水資源の利用において、水力発電は欠かせない一環である。水力発電の原理は、位置エネルギを運動エネルギに変換することで、発電機を駆動して発電させることである。一般的な水力発電機の主な構造は、発電機、タービン、及び発電機のローターとタービンのランナ羽根とをつながる駆動軸からなる。通常、発電機はダムの近くに設置され、ダムから下流に流れる水が導水管路を通って水車タービンに流れ込んでランナ羽根を動かし、これで、水車タービンの回転につれ、発電機のローターが同期回転して電力を発生する。
【0003】
しかしながら、水の流れがランナ羽根を動かす過程では、ランナ羽根の構造や回転による抵抗など、様々な影響によって多くの損失が発生する。さらに、水の位置エネルギが運動エネルギに変換される過程では、位置エネルギは一度しか利用されず、水車タービンから流出する水の流速と運動エネルギは大幅に低下し、再利用する価値がなくなる。従って、水力発電機の効率を向上させる方法については、検討と改善する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許第TW202240070A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、水流の運動エネルギを効率的に利用して、発電効率の向上を図る、水力発電装置及びその応用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、水力発電装置を提案したものであり、当該水力発電装置は、ケーシングと、回転軸と、第1水車と、第2水車と、二つの発電機とを含み、
前記ケーシングの内部において、密閉空間を有し、該密閉空間を流入室と流出室に区画する仕切り壁が設けられ、該仕切り壁に、案内流路と貫通孔が貫通形成され、該案内流路は、該ケーシングの頂部に隣接するように配置されると共に、該流入室と流出室とを連通させ、また、該ケーシングに、二つの軸穴と、流入口と、放水口とが貫通形成され、該流入口及び放水口が該二つの軸穴の間に配置され、該流入口は、該ケーシングの底部近くに位置すると共に、該流入室と連通し、該放水口は、該ケーシングの底部近くに位置すると共に、該流出室と連通し、
前記回転軸は、前記貫通孔及び二つの軸穴に回転自在に挿設され、
前記第1水車は、前記回転軸に接続されると共に、前記流入室内に配置され、
前記第2水車は、前記回転軸に接続されると共に、前記流出室内に配置され、
前記二つの発電機はそれぞれ、前記回転軸の両端に接続され、該回転軸の回転によって駆動されることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明はさらに、水力発電装置の応用方法を提案し、当該水力発電装置の応用方法において、複数の前記水力発電装置を所要間隔で配置し、その後、複数の主導水管路を介して上流側から下流側に向けて順に接続し、すると、上流側からの水の流れは、該各主導水管路を通って、対応する該水力発電装置のケーシングの流入口に流入し、前記第1水車の各第1ランナ羽根に当たって当該第1水車を回転させ、回転している当該第1水車は、前記回転軸を共に回転駆動させながら、水を該ケーシングの下部から上部に運び、運ばれた水は、前記案内流路の一端の開口に流入して前記第2水車側にある他端の開口から流出し、流出する水の流れは、下方に流れ落ちて該第2水車を押し動かし、最後に、前記放水口から流出するステップAと、
前記放水口から流出する水の流れは、当該水力発電装置の放水口に接続された下流側にある前記主導水管路に流入するステップBと、を含むことを特徴とする。
【0008】
前記案内流路は、水平方向に延び、該案内流路の延在方向は、前記二つの軸穴とを結ぶ仮想直線との間に交差角度を有することを特徴とする。
【0009】
前記第1水車は、第1軸部と、該第1軸部の外周に囲繞するように間隔を置いて設置される複数の第1ランナ羽根とを備え、該第1軸部を介して前記回転軸に連結固定されており、前記第2水車は、第2軸部と、該第2軸部の外周に間隔を置いて囲繞するように設置される複数の第2ランナ羽根とを備え、該第2軸部を介して前記回転軸に連結固定されていることを特徴とする。
【0010】
前記各第1ランナ羽根は、二つの短手辺と、該二つの短手辺の間にある長手辺とを有し、該二つの短手辺は、前記仕切り壁から離れる方向に向かって傾斜することを特徴とする。
【0011】
前記回転軸の両端にはそれぞれ、駆動プーリが設置され、前記各発電機は、本体部と、一端が該本体部の外部に突出しているロータ軸を備え、該ロータ軸の本体部から突出している端部に従動プーリが取り付けられ、該各駆動プーリと対応する該従動プーリとの間に、伝動ベルトが張り渡されることを特徴とする。
【0012】
前記水力発電装置の応用方法において、前記主導水管路に、複数の副導水管路を連通接続し、前記複数の水力発電装置を、該各副導水管路に接続するステップCをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
前記水力発電装置の応用方法において、前記各水力発電装置の上流側にある主導水管路及び副導水管路に、開閉弁を設置し、該開閉弁を介して該各水力発電装置への水の流れを制御するステップDをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本發明の優れた点は、水の流れによって第1水車が押し動かされて回転した後、水を上方の案内流路に運ぶことである。これにより、第1水車の駆動に使用された水の位置エネルギを再び蓄えると共に、案内流路を通じて第2水車に水を流して、当該第2水車を押し動かして回転させることができる。このように、回転軸の流入室にある片端部は、ケーシング内に水が流れ込む際に発生する衝撃力によって回転駆動されると同時に、回転軸の流出室にある他方端部は、上方位置から流れ落ちた水の衝撃力によって回転駆動され、これにより、回転軸は、流入室及び流出室を流れる水によって同時に回転駆動されるので、水流の運動エネルギを効率的に利用して、発電効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】本発明を上水道供給システムに適用される様子を示す模式図である。
【
図4】本発明を上水道供給システムに適用される様子を示す局部拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面及び本発明の好適な実施例を参照しながら、本発明が予め決められた発明の目的を達成するために講じた技術的手段をさらに詳述する。
【0017】
図1は、本発明の水力発電装置1を示したものであり、係る水力発電装置1は、ケーシング10、回転軸20、第1水車30、第2水車40及び二つの発電機50を含む。
【0018】
図1及び
図2に示すように、前記ケーシング10の内部には、密閉空間を有し、該密閉空間を流入室12と流出室13に区画する仕切り壁11が設けられ、該仕切り壁11上に、貫通形成された案内流路111と貫通孔112を有し、該貫通孔112は、該案内流路111の下方に位置し、該案内流路111は、前記流入室12と流出室13とを連通させるように、該仕切り壁11におけるケーシング10の頂部に隣接するように配置されており、また、該案内流路111は、ヨーイング角度を有するように水平方向に延びているが、これに限定されたものではない。前記ケーシング10上に、貫通形成された流入口14、放水口15及び二つの軸穴16を有し、該流入口14及び放水口15は、該二つの軸穴16の間に配置されており、前記案内流路111の延在方向は、該二つの軸穴16とを結ぶ仮想直線に対して交差角度を有する。具体的に述べると、
図1に示すように、前記案内流路111は上方から見ると、一端の開口が前記仕切り壁11における前記流入口14に隣接する側面に、他端の開口が、該仕切り壁11における前記放水口15に隣接する側面に形成された、水平面上に斜めに配置された横穴である。本好適な実施形態において、前記ケーシング10は、長尺筒状体であり、前記二つの軸穴16はそれぞれ、該ケーシング10の両端面に形成されており、該二つの軸穴16と前記貫通孔112は、同軸的に形成されており、前記流入口14は、該ケーシング10の底部近くに形成されると共に、前記流入室12と連通し、前記放水口15は、該ケーシング10の底部近くに形成されると共に、前記流出室13と連通する。尚、前記流入口14と放水口15は、前記ケーシング10の相対する両側に配置されており、前記案内流路111の流入室12にある開口は、該ケーシング10における流入口14が形成された側とは反対する側の内壁面に斜めに向かっており、該案内流路111の流出室13にある開口は、該ケーシング10における放水口15が形成された側とは反対する側の内壁面に斜めに向かっているが、これに限定されたものではなく、必要に応じて任意に設計変更することができる。
【0019】
前記回転軸20は、前記案内流路111の形成位置よりも下方に配置されるように、前記二つの軸穴16と貫通孔112に回転自在に挿通するように設置される。
図1に示すように、上方から見ると、前記回転軸20の軸心方向と、前記案内流路111の延在方向との間には、交差角度を有する。尚、本好適な実施形態においては、該回転軸20の両端には、駆動プーリ21が取り付けられているが、これに限定されたものではない。
【0020】
前記第1水車30は、前記流入室12内に配置されると共に、中空シャフトである第1軸部31と、該第1軸部31の外周に囲繞するように間隔を置いて設置される複数の第1ランナ羽根32とを備え、該第1軸部31を介して前記回転軸20に連結固定されている。本好適な実施形態において、前記各第1ランナ羽根32は、二つの短手辺322と、該二つの短手辺322の間にある長手辺321とを有し、該二つの短手辺322のそれぞれの延在方向と前記回転軸20の軸心方向との間には、交差角度を有する。言い換えると、該短手辺322の延在方向は、前記仕切り壁11から離れる方向に向かって傾斜している。このような設計により、水の流れを前記案内流路111に案内するのに役立つ。ただし、前記第1水車30の構造は上記内容に限定されたものではなく、必要に応じて任意に設計変更することができる。
【0021】
前記第2水車40は、前記流出室13内に配置されると共に、中空シャフトである第2軸部41と、該第2軸部41の外周に囲繞するように間隔を置いて設置される複数の第2ランナ羽根42を備え、該第2軸部41を介して前記回転軸20に連結固定されている。
【0022】
前記二つの発電機50はそれぞれ、前記ケーシング10の外部に突出している、前記回転軸20の両端部に接続されている。具体的に述べると、該各発電機50は、本体部51と、該本体部51の外部に突出しているロータ軸52を備え、該ロータ軸52の本体部51の外部に突出している端部に従動プーリ53が取り付けられている。尚、前記各駆動プーリ21と各従動プーリ53との間に、伝動ベルト60が張り渡されているが、これに限定されたものではなく、前記発電機50と回転軸20との間の連結手段は、必要に応じて任意に設計変更することができる。
【0023】
図1~
図4に示すように、本発明に係る水力発電装置1は、上水道供給システムに適用された応用例として挙げて説明するが、応用例はこれに限定されたものではない。それらの図面によると、上水道供給システムは、ダム70及び複数の浄水場80を含み、該ダム70には、該ダム70からの水の流れを導くための複数の主導水管路71が接続されており、このうち、水を該各浄水場80に分流するために、一部の主導水管路71は、副導水管路81を通じて該各浄水場80とそれぞれ接続されている。尚、本発明に係る応用方法は、以下の応用ステップを含む。
【0024】
ステップA:複数の前記水力発電装置1を所要間隔で配置し、その後、複数の主導水管路71を介して上流側から下流側へ向けて順に接続し、すると、上流側からの水の流れは、該各主導水管路71を通って、対応する該水力発電装置1のケーシング10の流入口14に流入し、前記第1水車30の各第1ランナ羽根32に当たって当該第1水車30を回転させ、回転している当該第1水車30は、前記回転軸20を共に回転駆動させると同時に、水を該ケーシング10の下部から上部に運び、運ばれた水は、前記案内流路111の一端の開口に流入して前記第2水車40側にある他端の開口から流出し、流出する水は、下方に流れ落ちて該第2水車40を押し動かし、最後に、前記放水口15から流出する。
【0025】
ステップB:前記水力発電装置の放水口15に、下流側にある前記主導水管路71を接続し、すると、水の流れは該放水口15から下流側にある該主導水管路71に流れる。
【0026】
ステップC:前記主導水管路71に複数の副導水管路81を連通接続し、前記複数の水力発電装置1を該各副導水管路81に接続する。その接続方法は、上述したステップAと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0027】
ステップD:前記各水力発電装置1の上流側にある主導水管路71及び副導水管路81に、複数の開閉弁90を設置し、該各開閉弁90を介して、該各水力発電装置1へ流れる水の流れを制御する。
【0028】
上述した応用方法では、前記第1水車30は、水の流れによって押し動かされて回転し、その後、水を上方の前記案内流路111に運ぶことにより、該第1水車30の駆動に使用された水の位置エネルギを再び蓄えることができる。また、前記案内流路111を通じて水を前記第2水車40に導き、当該第2水車40を押し動かして回転させることもできる。このように、前記回転軸20の流入室12にある片端部が前記ケーシング10内に水が流れ込む際に発生する衝撃力によって回転駆動されると同時に、当該回転軸20の流出室13にある他方端部が上方位置から流れ落ちた水の衝撃力によって回転駆動され、これにより、該回転軸20は、該流入室12及び流出室13を流れる水によって同時に回転駆動されるので、水流の運動エネルギを効率的に利用して、発電効率の向上を図ることが可能となる。また、本発明に係る水力発電装置1は、ダム70から下流方向に連鎖状に複数配置されることができるので、水力を連続的に利用して発電することが可能となる。
【0029】
尚、前記開閉弁90の設置により、前記各水力発電装置1への水の流れを制御するだけでなく、該水力発電装置1のメンテナンス時には、水の流れを止めて、安全かつ容易にメンテナンス作業を行うことができる。
【0030】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明に対して何ら限定を行うものではない。本発明について、比較的好適な実施形態をもって上記のとおり開示したが、これは本発明を限定するものではなく、すべての当業者が、本発明の技術構想を逸脱しない範囲において、本発明の技術の本質に基づいて上記の実施形態に対して行ういかなる簡単な修正、変更及び修飾も、依然としてすべて本発明の技術構想の範囲内にある。
【符号の説明】
【0031】
1 水力発電装置
10 ケーシング
11 仕切り壁
111 案内流路
112 貫通孔
12 流入室
13 流出室
14 流入口
15 放水口
16 軸穴
20 回転軸
21 駆動プーリ
30 第1水車
31 第1軸部
32 第1ランナ羽根
321 長手辺
322 短手辺
40 第2水車
41 第2軸部
42 第2ランナ羽根
50 発電機
51 本体部
52 ロータ軸
53 従動プーリ
60 伝動ベルト
70 ダム
71 主導水管路
80 浄水場
81 副導水管路
90 開閉弁