(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179517
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】歪みゲージモジュール
(51)【国際特許分類】
G01B 7/16 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G01B7/16 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098421
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 位
(72)【発明者】
【氏名】北爪 誠
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA25
2F063CA34
2F063DA02
2F063DA05
2F063EC05
2F063EC14
2F063EC22
(57)【要約】
【課題】取り扱いが容易な歪みゲージモジュールを提供する。
【解決手段】本歪みゲージモジュールは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを備え、前記第2面を測定対象物への装着面とする薄板基板と、前記第1面に搭載され、前記薄板基板とは反対側となる第3面の側に複数の抵抗体及び前記抵抗体と電気的に接続された端子を備え、前記測定対象物に生じる歪みを検出するフィルム状歪み検出デバイスと、前記第3面と対向する第4面と、前記第4面とは反対側の第5面とを備え、前記第4面に内部接続電極が設けられ、第5面に外部接続電極が設けられた再配線基板と、前記端子と前記内部接続電極とを接合する金属合金電極と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを備え、前記第2面を測定対象物への装着面とする薄板基板と、
前記第1面に搭載され、前記薄板基板とは反対側となる第3面の側に複数の抵抗体及び前記抵抗体と電気的に接続された端子を備え、前記測定対象物に生じる歪みを検出するフィルム状歪み検出デバイスと、
前記第3面と対向する第4面と、前記第4面とは反対側の第5面とを備え、前記第4面に内部接続電極が設けられ、第5面に外部接続電極が設けられた再配線基板と、
前記端子と前記内部接続電極とを接合する金属合金電極と、を有する、歪みゲージモジュール。
【請求項2】
前記フィルム状歪み検出デバイスは、互いに独立した4つの前記抵抗体と、各々の前記抵抗体の両端と電気的に接続された一対の前記端子と、を備え、
各々の前記端子は、前記金属合金電極を介して、前記内部接続電極と接合されている、請求項1に記載の歪みゲージモジュール。
【請求項3】
4つの前記抵抗体が直列となるように、前記内部接続電極同士が前記再配線基板内で接続されている、請求項2に記載の歪みゲージモジュール。
【請求項4】
前記フィルム状歪み検出デバイスは、直列に接続された4つの前記抵抗体と、前記抵抗体の接続箇所に設けられた4つの前記端子と、を備え、
各々の前記端子は、前記金属合金電極を介して、前記内部接続電極と接合されている、請求項1に記載の歪みゲージモジュール。
【請求項5】
前記外部接続電極は、貫通配線を介して前記内部接続電極と電気的に接続されている、請求項1に記載の歪みゲージモジュール。
【請求項6】
前記第1面及び前記第3面と前記第4面とが対向する領域に充填されて前記フィルム状歪み検出デバイス及び前記金属合金電極を被覆すると共に、前記再配線基板の側面を被覆する被覆部材を有し、
前記被覆部材は、フィラーを含有する熱硬化性樹脂から形成されている、請求項1乃至5のいずれか一項歪みゲージモジュール。
【請求項7】
前記第1面及び前記第3面と前記第4面とが対向する領域に充填されて前記フィルム状歪み検出デバイス及び前記金属合金電極を被覆すると共に、前記再配線基板の側面を被覆する被覆部材を有し、
前記被覆部材は、ゲル、又は長鎖構造の樹脂から形成されている請求項1乃至5のいずれか一項歪みゲージモジュール。
【請求項8】
前記金属合金電極は、溶融性導電接着剤により前記端子と金属拡散接合されている、請求項1乃至5のいずれか一項歪みゲージモジュール。
【請求項9】
前記金属合金電極の前記端子側の面は、平坦面である、請求項1乃至5のいずれか一項歪みゲージモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歪みゲージモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム状デバイスとして、例えば、可撓性を有するポリイミド等の基材上に形成された抵抗体を有する歪みゲージが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状デバイスの端子とフィルム状デバイスの出力を処理する回路とは、例えば入出力ケーブル(リード線等)で接続される。
【0003】
しかし、フィルム状デバイスは小型であるため、端子に入出力ケーブルを接続することが困難である。また、フィルム状デバイスは小型であるため、測定対象物への取り付けが困難である。このように、フィルム状デバイスは取り扱いに難がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、取り扱いが容易な歪みゲージモジュールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本歪みゲージモジュールは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを備え、前記第2面を測定対象物への装着面とする薄板基板と、前記第1面に搭載され、前記薄板基板とは反対側となる第3面の側に複数の抵抗体及び前記抵抗体と電気的に接続された端子を備え、前記測定対象物に生じる歪みを検出するフィルム状歪み検出デバイスと、前記第3面と対向する第4面と、前記第4面とは反対側の第5面とを備え、前記第4面に内部接続電極が設けられ、第5面に外部接続電極が設けられた再配線基板と、前記端子と前記内部接続電極とを接合する金属合金電極と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、取り扱いが容易な歪みゲージモジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する平面図である。
【
図2】第1実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図である。
【
図3】
図1から再配線基板、金属合金電極、及び被覆部材を除去した状態を示す平面図である。
【
図4】歪みゲージモジュールの製造工程について説明する図である。
【
図5】歪みゲージモジュール1Xの評価結果を示す図(その1)である。
【
図6】歪みゲージモジュール1の評価結果を示す図(その1)である。
【
図7】歪みゲージモジュール1Xの評価結果を示す図(その2)である。
【
図8】歪みゲージモジュール1の評価結果を示す図(その2)である。
【
図9】第2実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図である。
【
図10】歪みゲージモジュール2Xの評価結果を示す図である。
【
図11】歪みゲージモジュール2の評価結果を示す図である。
【
図12】第3実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する部分断面図である。
【
図13】第4実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する部分断面図である。
【
図15】第5実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する平面図である。
【
図16】第5実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図である。
【
図17】
図15から再配線基板、金属合金電極、及び被覆部材を除去した状態を示す平面図である。
【
図18】
図15の再配線基板の裏面側を透視した透視図である。
【
図20】フィルム状歪み検出デバイスの他の例を示す平面図(その1)である。
【
図21】フィルム状歪み検出デバイスの他の例を示す平面図(その2)である。
【
図22】第6実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図である。
【
図23】第6実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する底面図である。
【
図24】歪みゲージモジュール6及び6Xの評価結果を示す図(その1)である。
【
図25】歪みゲージモジュール6及び6Xの評価結果を示す図(その2)である。
【
図26】歪みゲージモジュール6の使用例を示す断面図である。
【
図27】第6実施形態の変形例に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
(歪みゲージモジュール)
図1は、第1実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する平面図である。
図2は、第1実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図であり、
図1のA-A線に沿う断面を示している。
図3は、
図1から再配線基板、金属合金電極、及び被覆部材を除去した状態を示す平面図である。
【0011】
図1~
図3を参照すると、歪みゲージモジュール1は、薄板基板10と、接着剤20と、フィルム状歪み検出デバイス30と、再配線基板40と、金属合金電極50と、被覆部材61とを有する。歪みゲージモジュール1は、測定対象物に装着し、測定対象物に生じる歪みを検出することができる。
【0012】
歪みゲージモジュール1は、例えば、平面視で略長方形又は略正方形である。歪みゲージモジュール1は、平面視で略円形や略楕円形であってもよいし、その他の形状であってもよい。歪みゲージモジュール1の最大長さは、平面視で、例えば、1mm以上50mm以下程度とすることができる。歪みゲージモジュール1の厚さは、例えば、0.3mm以上5mm以下程度とすることができる。
【0013】
なお、歪みゲージモジュール1の最大長さは、平面視で、歪みゲージモジュール1の中に連続して引くことができる最も長い直線の長さで定義する。例えば、歪みゲージモジュール1の最大長さは、歪みゲージモジュール1が平面視で長方形や正方形の場合は対角線の長さ、円形の場合は直径、楕円形の場合は長径である。
【0014】
薄板基板10は、フィルム状歪み検出デバイス30を配置する部材である。詳細には、薄板基板10は、第1面10aと、第1面10aとは反対側の第2面10bとを備えている。図示の例では、第1面10aは上面、第2面10bは下面である。第1面10aは、例えば、第2面10bと平行である。薄板基板10の第1面10aにはフィルム状歪み検出デバイス30が搭載され、第2面10bは測定対象物への装着面となる。
【0015】
ここで、薄板基板とは、厚さが200μm以下である基板を指す。薄板基板10の厚さは、20μm以上120μm以下であることが好ましく、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、20μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。薄板基板10の厚さを20μm以上とすることで、歪みを安定して検出することができる。薄板基板10の厚さを120μm以下とすることで、歪みを感度よく検出することができる。また、薄板基板10の厚さをより薄くすることで、歪みをさらに感度よく検出することができる。また、薄板基板10の厚さが20μm以上80μm以下であれば、湾曲した測定対象物に対しても容易に固定することができる。薄板基板10の厚さが20μm以上50μm以下であれば、湾曲した測定対象物に対してもさらに容易に固定することができる。
【0016】
薄板基板10の第1面10aの表面粗さRaは、3μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましく、3μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。薄板基板10の第1面10aの表面粗さRaを3μm以上20μm以下とすることにより、フィルム状歪み検出デバイス30に対する薄板基板10の第1面10aの表面粗さRaの影響を低減することが可能となり、歪みを容易に、かつ正確に測定することができる。ここで、表面粗さRaとは、表面粗さを表わす数値の一種であり、算術平均粗さと呼ばれるものである。
【0017】
薄板基板10の材料としては、例えば、金属を用いることができる。金属としては、歪みを伝えるために硬度の高い(歪みの伝搬が容易な)SUS(ステンレス鋼)が好適であるが、これには限定されず、アルミニウムや銅合金等を用いてもよい。なお、SUSは、入手が容易である点でも好適である。
【0018】
薄板基板10の材料として、非晶質材料又はナノ結晶材料を用いてもよい。非晶質材料としては、例えば、ガラスが挙げられる。ナノ結晶材料としては、例えば、非晶質合金が挙げられる。非晶質合金は、例えば、Fe基、Ni基、コバルト基で、15~30原子%のボロン、炭素、ケイ素、リンなどを含むものを主としており、強さ、耐食性、軟磁性の面で特性的に優れ、使用環境の幅が広い。
【0019】
薄板基板10の大きさは、特に制限はないが、平面視でフィルム状歪み検出デバイス30の大きさよりも大きい。
【0020】
フィルム状歪み検出デバイス30は、薄板基板10の第1面10aに、接着剤20を介して搭載されている。接着剤20としては、例えば、エポキシ系樹脂等を用いることができる。接着剤20の曲げ弾性率は、例えば、3GPa以上20GPa以下とすることができる。接着剤20は、必要に応じて、フィラーを含有してもよい。接着剤20がフィラーを含有する場合、含有するフィラーは無機フィラーでも有機フィラーでもよい。接着剤20が無機フィラーを含有する場合、フィラー径は5μm以下であることが好ましく、有機フィラーを含有する場合、フィラー径は10μm以下であることが好ましい。
【0021】
接着剤20の厚さは、30μm以下であることが好ましい。接着剤20の厚さが30μm以下であれば、薄板基板10の歪みをフィルム状歪み検出デバイス30に効率よく伝達することができる。
【0022】
フィルム状歪み検出デバイス30の下面の全面が接着剤20により薄板基板10の第1面10aに接着されることが好ましい。この際、接着剤20の厚さのばらつきは±5μm以下であることが好ましい。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30全体が薄板基板10の第1面10aに平坦に保持された状態となるため、薄板基板10の歪みをフィルム状歪み検出デバイス30にさらに効率よく伝達することができる。
【0023】
フィルム状歪み検出デバイス30は、基材31と、抵抗体32と、配線33と、端子34a及び34bとを有している。フィルム状歪み検出デバイス30は、測定対象物に生じる歪みを検出する。フィルム状歪み検出デバイス30の大きさは、特に制限はないが、歪みゲージモジュール1の小型化の観点からは、フィルム状歪み検出デバイス30も小型であることが好ましく、例えば、基材31を一辺の長さが1.5mm~2mm程度の正方形状や長方形状とすることができる。
【0024】
基材31は、抵抗体32を形成するためのベース層となる部材であり、可撓性を有する基材31は、抵抗体32等が形成される第3面31aを備えている。基材31の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。基材31は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成できる。
【0025】
抵抗体32は、薄板基板10とは反対側となる第3面31aの側に設けられた薄膜である。図示の例では、第3面31aは基材31の上面である。抵抗体32は、歪みを受けて抵抗変化を生じる受感部である。抵抗体32は、第3面31aに直接形成されてもよいし、第3面31aに他の層を介して形成されてもよい。抵抗体32の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、0.05μm以上50μm以下である。
【0026】
抵抗体32は、複数の細長状部が長手方向を同一方向に向けて所定間隔で配置され、隣接する細長状部の端部が互い違いに連結されて、全体としてジグザグに折り返す構造である。複数の細長状部の長手方向がグリッド方向となり、グリッド方向と垂直な方向がグリッド幅方向となる。
【0027】
抵抗体32は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成できる。すなわち、抵抗体32は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成できる。Niを含む材料としては、例えば、Cu-Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
【0028】
抵抗体32として、Cr混相膜を用いてもよい。ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、Cr2N等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでもよい。抵抗体32としてCr混相膜を用いた場合、フィルム状歪み検出デバイス30を高感度化かつ小型化できる。
【0029】
端子34a及び34bは、第3面31aの側に設けられている。具体的には、端子34a及び34bは、配線33上に設けられ、抵抗体32と電気的に接続されている。端子34a及び34bは、銅等からなる配線33を介して抵抗体32の両端部に接続されており、例えば平面視において矩形状や円形状に形成されている。端子34a及び34bは、歪みにより生じる抵抗体32の抵抗値の変化を出力するための一対の電極である。端子34a及び34bは、例えば、銅等から形成される。銅等の表面に金膜等が積層されてもよい。
【0030】
再配線基板40は、フィルム状歪み検出デバイス30を挟んで、薄板基板10の第1面10aの上方に配置されている。再配線基板40は、基材41と、内部接続電極42a及び42bと、外部接続電極43a及び43bと、貫通配線44とを有している。
【0031】
再配線基板40の基材41は、フィルム状歪み検出デバイス30の第3面31aと対向する第4面41aと、第4面41aとは反対側の第5面41bとを備えている。図示の例では、第4面41aは下面、第5面41bは上面である。基材41の材料としては、例えば、樹脂、セラミック、シリコン等が挙げられる。基材41は、例えば、ガラスクロス等の補強材にエポキシ系樹脂等の樹脂を含侵させたものであってもよい。
【0032】
再配線基板40の第4面41aとフィルム状歪み検出デバイス30の第3面31aとの間隔は、例えば、100μm以上200μm以下とすることができる。第4面41aと第3面31aとの間隔が100μm以上であると、フィルム状歪み検出デバイス30が再配線基板40の熱膨張の影響を受け難くなるため、フィルム状歪み検出デバイス30の特性(感度)が悪化するおそれを低減できる。第4面41aと第3面31aとの間隔が200μm以下であると、歪みゲージモジュール1の低背化が可能となる。
【0033】
内部接続電極42a及び42bは第4面41aに設けられ、外部接続電極43a及び43bは第5面41bが設けられている。金属合金電極50は、フィルム状歪み検出デバイス30の端子34aと内部接続電極42aとを接合する。また、金属合金電極50は、フィルム状歪み検出デバイス30の端子34bと内部接続電極42bとを接合する。
【0034】
外部接続電極43aは、基材41を貫通する貫通配線44を介して、内部接続電極42aと電気的に接続されている。外部接続電極43bは、基材41を貫通する貫通配線44を介して、内部接続電極42bと電気的に接続されている。すなわち、外部接続電極43a及び43bは端子34a及び34bと電気的に接続され、歪みにより生じる抵抗体32の抵抗値の変化を外部に出力することができる。なお、外部接続電極43aは、貫通配線44及び再配線基板40に設けられた配線を介して内部接続電極42aと電気的に接続されてもよい。外部接続電極43bについても同様である。
【0035】
内部接続電極42a及び42b、外部接続電極43a及び43b、並びに貫通配線44の材料としては、例えば、銅等を用いることができる。外部接続電極43a及び43bの表面に金膜等が積層されてもよい。金属合金電極50の材料としては、例えば、錫銀銅等を用いることができる。錫銀銅の融点は、約220℃である。
【0036】
被覆部材61は、第1面10a及び第3面31aと第4面41aとが対向する領域に充填されてフィルム状歪み検出デバイス30及び金属合金電極50を被覆すると共に、再配線基板40の側面を被覆する。つまり、被覆部材61は、フィルム状歪み検出デバイス30を保護するアンダーフィル樹脂としての役割と、外装としての役割とを兼ね備えている。なお、再配線基板40の側面とは、第4面41aの外縁と第5面41bの外縁とを接続する面である。再配線基板40の側面は、例えば、第1面10aに対して垂直である。ここでの垂直は、90±5度の範囲を含むものとする。
【0037】
被覆部材61は、例えば、フィラー70を含有する熱硬化性樹脂から形成することができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、又はフェノール系樹脂が挙げられる。被覆部材61を設けることにより、湿度耐性及び温度耐性を向上することができる。また、フィラー70により応力が分散されて熱硬化性樹脂の硬化収縮が抑制されるため、フィルム状歪み検出デバイス30に不要な応力を与えることがなくなり、フィルム状歪み検出デバイス30の特性(感度)への影響を低減することができる。
【0038】
フィラー70は、例えば、酸化物系フィラーである。酸化物系フィラーとしては、例えば、二酸化シリコンやアルミナ等のフィラーが挙げられる。フィラー70は、全球状であることが好ましい。フィラー70が全球状であると、熱硬化性樹脂の硬化収縮を抑制する効果が高くなる。本願において全球状とは、精確な球体に限定されず、互いに直交する直径の長短が10%の範囲内であるものを含む。
【0039】
フィラー70の粒径分布は、例えば、直径50μmを最大とすることが好ましい。フィラー70の最大粒径が50μmであれば、第3面31aと第4面41aとの間隔が100μm程度であっても被覆部材61を十分に充填することができる。
【0040】
フィラー70の含有量は、被覆部材61の当量に対し50%以上80%以下であることが好ましい。フィラー70の含有量が被覆部材61の当量に対し50%以上であれば、熱硬化性樹脂の硬化収縮を抑制する効果を十分に発揮できる。フィラー70の含有量が被覆部材61の当量に対し80%以下であれば、第3面31aと第4面41aとの間隔が100μm程度であっても被覆部材61を十分に充填することができる。
【0041】
このように、歪みゲージモジュール1では、フィルム状歪み検出デバイス30上に再配線基板40を配置し、再配線基板40にフィルム状歪み検出デバイス30の端子34a及び34bと電気的に接続する外部接続電極43a及び43bを設けている。これにより、外部接続電極43a及び43bの大きさや配置の自由度を向上することができるため、取り扱いが容易な歪みゲージモジュール1を実現することができる。
【0042】
例えば、端子34a及び34bの大きさが極小(250μm~500μm程度)であるのに対し、外部接続電極43a及び43bの大きさは1500μm~2000μm程度にすることが可能である。そのため、外部接続電極43a及び43bには、入出力ケーブル等を容易に接続することができる。
【0043】
また、端子34a及び34bに入出力ケーブルを接続する場合には、線径を極細にせざるを得ないため、外乱ノイズに対する耐性が低下する。これに対し、外部接続電極43a及び43bには線径がより太いケーブルを接続できるため、外乱ノイズに対する耐性を向上することができる。
【0044】
また、歪みゲージモジュール1はパッケージ化されているため、測定対象物への取り付けが容易である。また、歪みゲージモジュール1はパッケージ化されているため、自動検査装置への対応や自動機による実装が可能であり、製造工程における搬送時の梱包形態も通常の半導体デバイスに準拠した方法を使用することができる。
【0045】
また、歪みゲージモジュール1では、フィラー70を含有する被覆部材61を設けたことにより、耐環境性に優れたモジュール構造を実現することができる。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30の特性変動を低減し、安定性に優れた高感度な歪み検出が可能となる。
【0046】
また、歪みゲージモジュール1は、最下層が薄板基板10であるため、液状又はフィルム(テープ)状の接着剤又は粘着剤を用いて、薄板基板10の第2面10bを測定対象物に容易に固定することができる。接着剤又は粘着剤の厚さは、例えば、25μm程度とすることができる。
【0047】
すなわち、歪みゲージモジュール1は、従来の歪みゲージのように最下層が可撓性の樹脂(ポリイミド等)ではないため、測定対象物への取り付けが容易である。又、ポリイミドは難接着材料であるため、測定対象物への取り付けには特殊な接着方法(加熱及び加圧)が必要であるが、薄板基板10を測定対象物に取り付けるために特殊な接着方法は不要である。
【0048】
なお、第1実施形態において、フィルム状歪み検出デバイスは、複数の抵抗体を有していてもよい。フィルム状歪み検出デバイスは、例えば、2つの抵抗体を有する構造や、第5実施形態のように4つの抵抗体を有する構造としてもよい。また、再配線基板40は多層配線構造であってもよく、この場合、内部接続電極は多層配線構造を介して外部接続電極と電気的に接続されてもよい。
【0049】
(歪みゲージモジュールの製造方法)
図4は、歪みゲージモジュールの製造工程について説明する図である。
図4に示すように、歪みゲージモジュール1を製造するには、ます、ステップS1として、薄板基板を準備する工程を実行する。具体的には、第1面10aと、第1面10aとは反対側の第2面10bとを備え、第2面10bを測定対象物への装着面とする薄板基板10を準備する。
【0050】
次に、ステップS2として、フィルム状歪み検出デバイス30を搭載する工程を実行する。具体的には、第3面31aの側に抵抗体32及び抵抗体32と電気的に接続された端子34a及び34bを備え、測定対象物に生じる歪みを検出するフィルム状歪み検出デバイス30を準備する。そして、フィルム状歪み検出デバイス30を、第3面31aが薄板基板10とは反対側となるように接着剤20を介して第1面10aに搭載する。
【0051】
次に、ステップS3として、接合する工程を実行する。具体的には、第4面41aと、第4面41aとは反対側の第5面41bとを備え、第4面41aに内部接続電極42a及び42bが設けられ、第5面41bに外部接続電極43a及び43bが設けられた再配線基板40を準備する。そして、第4面41aが第3面31aと対向するように配置し、端子34a及び34bと内部接続電極42a及び42bとを金属合金電極50を介して接合する。
【0052】
具体的には、まず、内部接続電極42a及び42bの各々に金属合金電極50を形成する。例えば、内部接続電極42a及び42bの各々に金属合金のペーストを所定量載置し、金属合金のペーストを溶融させて液相表面張力によりドーム形状とし、凝固させて金属合金電極50を形成する。次に、金属合金電極50が端子34a及び34bと接するように再配線基板40を配置し、金属合金電極50を再び溶融後凝固させ、端子34a及び34bと内部接続電極42a及び42bとを金属合金電極50を介して接合する。
【0053】
次に、ステップS4として、被覆部材61を形成する工程を実行する。具体的には、第1面10a及び第3面31aと第4面41aとが対向する領域に充填されてフィルム状歪み検出デバイス30及び金属合金電極50を被覆すると共に、再配線基板40の側面を被覆する被覆部材61を、フィラー70を含有する熱硬化性樹脂から形成する。被覆部材61は、例えば、コンプレッションモールド法を用いて形成することができる。被覆部材61を充填する際の圧力は、例えば、0.2MPa程度とすることができる。被覆部材61は、トランスファーモールド法、インジェクションモールド法等を用いて形成してもよい。その後、必要に応じて、ダイシング装置等を用いて再配線基板40等を垂直方向に切断し、複数の歪みゲージモジュール1に個片化する。切断後の再配線基板40において、良好な面精度の側面が得られる。以上の工程で、歪みゲージモジュール1が完成する。
【0054】
(歪みゲージモジュールの評価)
[評価1]
歪みゲージモジュールに階段状に変化する湿度を与えたときの、歪みゲージモジュールの出力の経時変化について評価した。評価は、歪みゲージモジュール1から被覆部材61を除去した構成の歪みゲージモジュール1Xと、歪みゲージモジュール1について、各2サンプルずつ行った。出力は、外部接続電極43a及び43bをホイートストンブリッジ回路に接続することにより測定した。
【0055】
図5は、歪みゲージモジュール1Xの評価結果を示す図(その1)である。
図6は、歪みゲージモジュール1の評価結果を示す図(その1)である。
図5及び
図6において、太線の階段波形は湿度の変化を示し、細線は出力の変化を示している。
図5に示すように、被覆部材61を有していない歪みゲージモジュール1Xは、湿度の影響を受けて出力電圧が時間と共に変化している。これに対して、
図6に示すように、被覆部材61を有している歪みゲージモジュール1は、湿度の影響による出力電圧の変化がほとんど見られない。なお、
図6では、2つのサンプルの出力変化がほぼ一致しているため、出力変化が1つの線に見えている。
【0056】
[評価2]
歪みゲージモジュールに間欠的に25Hzの低周波振動を与えたときの、歪みゲージモジュールの抵抗値の経時変化について評価した。評価は、歪みゲージモジュール1から被覆部材61を除去した構成の歪みゲージモジュール1Xと、歪みゲージモジュール1について、各4サンプルずつ行った。抵抗値は、歪み負荷時の出力電力を合成抵抗として著した。
【0057】
図7は、歪みゲージモジュール1Xの評価結果を示す図(その2)である。
図8は、歪みゲージモジュール1の評価結果を示す図(その2)である。
図7に示すように、被覆部材61を有していない歪みゲージモジュール1Xは、低周波振動を与える負荷回数がある程度増えると、抵抗値が同一方向に変化する傾向がある。これに対して、
図8に示すように、被覆部材61を有している歪みゲージモジュール1は、低周波振動を与える負荷回数が増えても、抵抗値の初期値からの変化がほとんど見られない。
【0058】
[評価結果]
評価1及び2に示したように、フィラー70を含有する被覆部材61を設けることで、フィラー70を含有する被覆部材61を設けない場合と比べて、耐環境性を向上することができる。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30の特性変動を低減し、安定性に優れた高感度な歪み検出が可能となる。
【0059】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態とは異なる被覆部材を用いる例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0060】
図9は、第2実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図であり、
図2に対応する断面を示している。なお、
図1及び
図3に示す平面図は、第2実施形態に係る歪みゲージモジュールについても、第1実施形態に係る歪みゲージモジュールと同様である。
【0061】
図9を参照すると、歪みゲージモジュール2は、被覆部材61が被覆部材62に置換された点が、歪みゲージモジュール1と相違する。
【0062】
被覆部材62は、熱硬化性樹脂である。具体的には、被覆部材62は、ゲル、又は長鎖構造の樹脂から形成されている。被覆部材62をゲル、又は長鎖構造の樹脂から形成することにより、一般的な樹脂の硬化反応として見受けられる収縮を回避することができる。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30に不要な応力を与えることがなくなり、フィルム状歪み検出デバイス30の特性(感度)への影響を大幅に低減することができる。
【0063】
被覆部材62は、例えば、シリコーンゲル、又は長鎖構造のシリコーン樹脂から形成することができる。被覆部材62には、例えば、変性シリコーンエポキシ等の変性シリコーン基を持つ材料も使用可能である。なお、シリコーンゴムは、熱収縮反応を起こすため、被覆部材62の材料としては好ましくない。被覆部材62は、溶剤及びフィラーを含有していない。溶剤を含有しないことで、フィルム状歪み検出デバイス30への悪影響を防止できる。また、被覆部材62では、長鎖が互いに絡み合ってクッションの役割を果たし応力を緩和するため、フィラーを含有しなくてよい。
【0064】
被覆部材62の硬度は、例えば、A30(JIS K6253、ASTM-D2240、ISO-48(1~6))である。被覆部材62の硬度は、A硬度以上D硬度以下であることが好ましい。このような硬度の範囲であると、被覆部材62で被覆したことによるフィルム状歪み検出デバイス30の特性(感度)への影響を低減することができる。
【0065】
なお、第2実施形態において、フィルム状歪み検出デバイスは、複数の抵抗体を有していてもよい。フィルム状歪み検出デバイスは、例えば、2つの抵抗体を有する構造や、第5実施形態のように4つの抵抗体を有する構造としてもよい。また、再配線基板40は多層配線構造であってもよく、この場合、内部接続電極は多層配線構造を介して外部接続電極と電気的に接続されてもよい。
【0066】
歪みゲージモジュール2を製造するには、
図4のステップS1~S3の後、ステップS4において、被覆部材62を、ゲル、又は長鎖構造の樹脂から形成する。被覆部材62は、例えば、コンプレッションモールド法を用いて形成することができる。被覆部材62は、トランスファーモールド法、インジェクションモールド法等を用いて形成してもよい。以上の工程で、歪みゲージモジュール2が完成する。
【0067】
(歪みゲージモジュールの評価)
[評価3]
歪みゲージモジュールを85℃85%RHの高温高湿度環境に保存したときの、歪みゲージモジュールの出力の経時変化について評価した。評価は、歪みゲージモジュール2から被覆部材62を除去した構成の歪みゲージモジュール2Xと、歪みゲージモジュール2について、各4サンプルずつ行った。出力は、外部接続電極43a及び43bをホイートストンブリッジ回路に接続することにより測定した。
【0068】
図10は、歪みゲージモジュール2Xの評価結果を示す図である。
図11は、歪みゲージモジュール2の評価結果を示す図である。
図10に示すように、被覆部材62を有していない歪みゲージモジュール2Xは、温度及び/又は湿度の影響を受けて出力の変動量が時間と共に大きく変化している。これに対して、
図11に示すように、被覆部材62を有している歪みゲージモジュール2は、温度及び/又は湿度の影響による出力変動を大幅に低減できている。
【0069】
[評価結果]
評価3に示したように、歪みゲージモジュール2では、被覆部材62を設けたことにより、耐環境性に優れたモジュール構造を実現することができる。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30の特性変動を低減し、安定性に優れた高感度な歪み検出が可能となる。
【0070】
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、第1実施形態等とは金属合金電極の接合形態が異なる例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0071】
図12は、第3実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する部分断面図であり、
図2に対応する断面の一部を示している。なお、
図1及び
図3に示す平面図は、第3実施形態に係る歪みゲージモジュールについても、第1実施形態に係る歪みゲージモジュールと同様である。
【0072】
図12を参照すると、歪みゲージモジュール3において、金属合金電極50は、溶融性導電接着剤51により端子34aと金属拡散接合されている。図示しない端子34bについても同様である。金属合金電極50は、溶融性導電接着剤51の溶融温度において非溶融である。言い換えれば、溶融性導電接着剤51は金属合金電極50よりも低融点である。
【0073】
溶融性導電接着剤51は、例えば、金属粉を含み、金属合金電極50は、金属粉を介して端子34aと金属拡散接合されている。金属合金電極50と端子34bとの接合についても同様である。金属粉は、例えば、球状である。球状の金属粉は、例えば、ビスマス及び錫を含む。球状の金属粉は、例えば、溶融温度が140℃程度である。球状の金属粉の粒径分布は、例えば、直径25μm以上45μm以下である。球状の金属粉の粒径分布は、直径20μm以上38μm以下であってもよいし、直径15μm以上25μm以下であってもよい。
【0074】
歪みゲージモジュール3は、金属合金電極50の側面を被覆すると共に端子34a及び34bに接し、金属合金電極50と端子34a及び34bとを接着する絶縁性樹脂52を有することが好ましい。これにより、金属合金電極50と端子34a及び34bとの接合強度を向上することができる。
【0075】
歪みゲージモジュール3を製造するには、
図4のステップS1及びS2の後、ステップS3において、内部接続電極42a及び42bに金属合金電極50を形成する。例えば、内部接続電極42a及び42bの各々に金属合金のペーストを所定量載置し、金属合金のペーストを溶融させて液相表面張力によりドーム形状とし、凝固させて金属合金電極50を形成する。
【0076】
次に、溶融性導電接着剤51を準備する。例えば、球状の金属粉とエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂と有機酸とを含む溶融性導電接着剤51を準備する。そして、準備した溶融性導電接着剤51を端子34a及び34b上に配置する。
【0077】
次に、溶融性導電接着剤51と金属合金電極50とが接するように、フィルム状歪み検出デバイス30上に再配線基板40を配置する。そして、溶融性導電接着剤51を加熱し、金属合金電極50を溶融性導電接着剤51により端子34a及び34bと金属拡散接合する。この際、溶融性導電接着剤51が溶融し、金属合金電極50が溶融しない温度で加熱する。これにより、金属合金電極50が変形することを防止できる。
【0078】
加熱により、金属合金電極50は、溶融性導電接着剤51に含まれる金属粉を介して端子34a及び34bと金属拡散接合される。それと同時に、溶融性導電接着剤51に含まれていた絶縁性樹脂が金属合金電極50の側面に沿って流れ出し、金属合金電極50の側面を被覆すると共に端子34a及び34bに接し、金属合金電極50と端子34a及び34bとを接着する絶縁性樹脂52が形成される。その後、
図4のステップS4を実行することにより、歪みゲージモジュール3が完成する。
【0079】
このように、歪みゲージモジュール3において、金属合金電極50は、溶融性導電接着剤51により端子34a及び34bと金属拡散接合されている。金属拡散接合を行うための加熱時に、金属合金電極50は非溶融であるため、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間に、金属合金電極50の高さ以上の間隔を確保することができる。また、金属拡散接合により、金属合金電極50と端子34a及び34bとを低抵抗で接続くすることができる。
【0080】
例えば、金属合金電極50よりも低融点の溶融性導電接着剤51の代わりに、金属合金電極50と同程度の融点の銀ペーストやはんだペーストを用いる場合、フィルム状歪み検出デバイス30上に再配線基板40を配置する際に銀ペーストやはんだペーストが溶融すると共に金属合金電極50も溶融する。そのため、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間隔が一定にならず、歪み検出特性に悪影響を及ぼすおそれがある。歪みゲージモジュール3では、このような問題の発生を抑制することができる。
【0081】
なお、第3実施形態において、被覆部材は必要に応じて設けることができる。また、被覆部材を設ける場合、被覆部材61を用いてもよいし被覆部材62を用いてもよい。また、第3実施形態において、フィルム状歪み検出デバイスは、複数の抵抗体を有していてもよい。フィルム状歪み検出デバイスは、例えば、2つの抵抗体を有する構造や、第5実施形態のように4つの抵抗体を有する構造としてもよい。また、再配線基板40は多層配線構造であってもよく、この場合、内部接続電極は多層配線構造を介して外部接続電極と電気的に接続されてもよい。
【0082】
〈第4実施形態〉
第4実施形態では、第3実施形態とは金属合金電極の接合面の形状が異なる例を示す。なお、第4実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0083】
図13は、第4実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する部分断面図であり、
図2に対応する断面の一部を示している。なお、
図1及び
図3に示す平面図は、第4実施形態に係る歪みゲージモジュールについても、第1実施形態に係る歪みゲージモジュールと同様である。
【0084】
図13を参照すると、歪みゲージモジュール4は、端子34aと内部接続電極42aとの接合に金属合金電極50Aを用いている。同様に、端子34bと内部接続電極42bとの接合に金属合金電極50Aを用いている。金属合金電極50Aは、フィルム状歪み検出デバイス30の端子34a及び34b側の面が平坦面55である点が、金属合金電極50と相違する。平坦面55の表面粗さRaは、5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
【0085】
金属合金電極50Aを形成するには、
図4のステップS3で説明したように、内部接続電極42a及び42bの各々に金属合金のペーストを所定量載置し、金属合金のペーストを溶融後凝固させ、
図14の矢印上側に示すように、ドーム形状の金属合金電極50を形成する。その後、金属合金電極50の頭頂側を所定量研磨し、
図14の矢印下側に示すように、内部接続電極42a及び42bとは反対側に平坦面55を形成し、金属合金電極50Aとする。なお、
図14において、内部接続電極42a及び42bの図示は省略されている。
【0086】
研磨には、例えば、メカニカル法やメカノケミカル法を用いることができる。具体的には、例えば、バックグラインダーを用いて研磨することができる。研磨後の各々の金属合金電極50Aの高さばらつきは3μm以下とすることができる。すなわち、最も高さの高い金属合金電極50Aと、最も高さの低い金属合金電極50Aとの高さの差を3μm以下とすることができる。
【0087】
平坦面55を形成した後、第3実施形態と同様の方法により、金属合金電極50Aは、溶融性導電接着剤51に含まれる金属粉を介して端子34a及び34bと金属拡散接合される。それと同時に、溶融性導電接着剤51に含まれていた絶縁性樹脂が金属合金電極50Aの側面に沿って流れ出し、金属合金電極50Aの側面を被覆すると共に端子34a及び34bに接し、金属合金電極50Aと端子34a及び34bとを接着する絶縁性樹脂52が形成される。
【0088】
金属拡散接合を行うための加熱時に、金属合金電極50Aは非溶融であるため、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間隔がずれることはない。なお、平坦面55と端子34a及び34bとの間に位置する溶融性導電接着剤51は極薄であるため、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間隔に与える影響は少ない。金属拡散接合を行った後、
図4のステップS4を実行することにより、歪みゲージモジュール4が完成する。
【0089】
このように、平坦面55を有する金属合金電極50Aを用いることにより、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間隔を略一定とすることができる。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間に充填される被覆部材61の厚さが略均一となるため、良好な歪み感知が可能となる。
【0090】
なお、研磨前の金属合金電極50の高さを一定にするには、各々の金属合金電極50となる金属合金のペーストの供給量を制御する必要があるが、金属合金のペーストの供給量を精密に制御することは困難である。また、金属合金電極50の代わりに金属ボールや金属ポストを用いることで、各々の金属合金電極の高さを一定とする方法もあるが、金属ボールや金属ポストは高価であるため、これらを採用することは容易ではない。
【0091】
平坦面55を有する金属合金電極50Aを用いる方法によれば、高価な部材を採用することなく、簡易な方法で確実に、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間隔を略一定とすることができる。すなわち、金属合金電極50Aは、電気的接続用の電極としての機能を有すると共に、スペーサとしての機能を有する。金属合金電極50Aを用いることにより、例えば、フィルム状歪み検出デバイス30と再配線基板40との間隔を、100μm以上200μm以下の範囲内の所定値に対して、3μm以下のばらつきとすることができる。
【0092】
なお、第4実施形態において、被覆部材は必要に応じて設けることができる。また、被覆部材を設ける場合、被覆部材61を用いてもよいし被覆部材62を用いてもよい。また、第4実施形態において、フィルム状歪み検出デバイスは、複数の抵抗体を有していてもよい。フィルム状歪み検出デバイスは、例えば、2つの抵抗体を有する構造や、第5実施形態のように4つの抵抗体を有する構造としてもよい。また、再配線基板40は多層配線構造であってもよく、この場合、内部接続電極は多層配線構造を介して外部接続電極と電気的に接続されてもよい。
【0093】
〈第5実施形態〉
第5実施形態では、フィルム状歪み検出デバイスが4つの抵抗体を有する例を示す。なお、第5実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0094】
図15は、第5実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する平面図である。
図16は、第5実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図であり、
図15のB-B線に沿う断面を示している。
図17は、
図15から再配線基板、金属合金電極、及び被覆部材を除去した状態を示す平面図である。
図18は、
図15の再配線基板の裏面側を透視した透視図である。
【0095】
図15~
図18を参照すると、歪みゲージモジュール5は、薄板基板10と、接着剤20と、フィルム状歪み検出デバイス30Aと、再配線基板40Aと、金属合金電極50と、被覆部材61とを有する。
【0096】
フィルム状歪み検出デバイス30Aは、直列に接続された4つの抵抗体32a、32b、32c、及び32dと、抵抗体の接続箇所に設けられた4つの端子34c、34d、34e、34fとを第3面31aの側に備えている。
【0097】
抵抗体32a、32b、32c、及び32dの各々は、例えば、抵抗体32と同様の形状であり、抵抗体32と同様の材料から形成することができる。抵抗体32aと抵抗体32cは、例えば、グリッド方向が同一である。抵抗体32bと抵抗体32dは、例えば、グリッド方向が同一である。抵抗体32a及び32cと抵抗体32b及び32dは、例えば、グリッド方向が直交している。
【0098】
抵抗体32aの一端と抵抗体32bの一端は配線33により接続され、接続箇所には端子34dが設けられている。抵抗体32aの他端と抵抗体32dの一端は配線33により接続され、接続箇所には端子34cが設けられている。抵抗体32bの他端と抵抗体32cの一端は配線33により接続され、接続箇所には端子34eが設けられている。抵抗体32cの他端と抵抗体32dの他端は配線33により接続され、接続箇所には端子34fが設けられている。
【0099】
端子34c、34d、34e、及び34fは、例えば、端子34a及び34bと同様の材料から形成することができる。図示の例では、端子34c、34d、34e、及び34fは平面視において円形状であるが、平面視で矩形状等であってもよい。
【0100】
再配線基板40Aの第4面41aには、内部接続電極42c、42d、42e、及び42fが設けられている。また、再配線基板40Aの第4面41aには、配線45が設けられている。再配線基板40Aの第5面41bには、外部接続電極43c、43d、43e、及び43fが設けられている。また、再配線基板40Aの第5面41bには、配線46が設けられている。
【0101】
端子34cは、金属合金電極50を介して、内部接続電極42cと接合されている。内部接続電極42cは、貫通配線44を介して外部接続電極43cと電気的に接続されている。端子34dは、金属合金電極50を介して、内部接続電極42dと接合されている。内部接続電極42dは、配線45及び貫通配線44を介して外部接続電極43dと電気的に接続されている。
【0102】
端子34eは、金属合金電極50を介して、内部接続電極42eと接合されている。内部接続電極42eは、配線45及び貫通配線44を介して外部接続電極43eと電気的に接続されている。端子34fは、金属合金電極50を介して、内部接続電極42fと接合されている。内部接続電極42fは、配線45及び貫通配線44を介して外部接続電極43fと電気的に接続されている。
【0103】
このようにして、抵抗体32a、32b、32c、及び32dは、
図19に示すフルブリッジ回路を構成している。
図19に示すブリッジ回路において、左上の辺には抵抗体32aが接続され、右上の辺には抵抗体32bが接続されている。また、右下の辺には抵抗体32cが接続され、左下の辺には抵抗体32dが接続されている。
【0104】
図19に示すブリッジ回路において、左上の辺と左下の辺の接続箇所である外部接続電極43cと、右上の辺と右下の辺の接続箇所である外部接続電極43eとの間に、歪みゲージモジュール5の外部から直流電圧Eが供給される。これにより、左上の辺と右上の辺の接続箇所である外部接続電極43dと、左下の辺と右下の辺の接続箇所である外部接続電極43fとの間から、アナログの出力電圧e
0を得ることができる。すなわち、歪みゲージモジュール5が貼付された起歪体の歪量を出力電圧e
0として検出することができる。
【0105】
図20は、フィルム状歪み検出デバイスの他の例を示す平面図(その1)である。歪みゲージモジュール5において、
図17に示すフィルム状歪み検出デバイス30Aの代わりに
図20に示すフィルム状歪み検出デバイス30Bを用いてもよい。
【0106】
フィルム状歪み検出デバイス30Bは、互いに独立した4つの抵抗体32a、32b、32c、及び32dと、各々の抵抗体の両端と電気的に接続された一対の端子とを第3面31aの側に備えている。
【0107】
抵抗体32aの一端は配線33を介して端子34gに接続され、他端は配線33を介して端子34hに接続されている。抵抗体32bの一端は配線33を介して端子34iに接続され、他端は配線33を介して端子34jに接続されている。抵抗体32cの一端は配線33を介して端子34kに接続され、他端は配線33を介して端子34mに接続されている。抵抗体32dの一端は配線33を介して端子34nに接続され、他端は配線33を介して端子34pに接続されている。
【0108】
端子34g~34pは、例えば、端子34a及び34bと同様の材料から形成することができる。図示の例では、端子34g~34pは平面視において矩形状であるが、平面視で円形状等であってもよい。
【0109】
端子34g~34pは、第3面31aの面内では互いに独立であり、金属合金電極50を介して、再配線基板40Aの第4面41aにおいて端子34g~34pの直上に設けられた内部接続電極と接合されている。各々の内部接続電極は、貫通配線等を介して外部接続電極43c~43fと電気的に接続されている。具体的には、4つの抵抗体32a、32b、32c、及び32dが直列となるように、内部接続電極同士が再配線基板40A内で接続されている。なお、再配線基板40Aは多層配線構造であってもよく、この場合は、各々の内部接続電極は、多層配線構造を介して外部接続電極43c~43fと電気的に接続される。
【0110】
これにより、抵抗体32a、32b、32c、及び32dは、
図19に示すフルブリッジ回路を構成することができる。すなわち、抵抗体32a、32b、32c、及び32dは、フィルム状歪み検出デバイス30B内では互いに独立であるが、再配線基板40A内の配線により、
図19に示すフルブリッジ回路を構成するように電気的に接続することができる。
【0111】
図21は、フィルム状歪み検出デバイスの他の例を示す平面図(その2)である。歪みゲージモジュール5において、
図17に示すフィルム状歪み検出デバイス30Aの代わりに
図21に示すフィルム状歪み検出デバイス30Cを用いてもよい。
【0112】
フィルム状歪み検出デバイス30Cにおいて、4つの抵抗体32a、32b、32c、及び32dと、各々の抵抗体の両端と電気的に接続された一対の端子との電気的な接続は、フィルム状歪み検出デバイス30Bと同様であるが、抵抗体や端子の配置が異なる。
【0113】
図21に示すように抵抗体や端子を配置した場合も、再配線基板40Aの第4面41aにおいて端子34g~34pの直上に内部接続電極を設け、再配線基板40Aにおける配線の引き回しを変更することにより、抵抗体32a、32b、32c、及び32dは、
図19に示すフルブリッジ回路を構成することができる。
【0114】
すなわち、フィルム状歪み検出デバイス30B及び30Cのようにフィルム状歪み検出デバイス内で互いに独立な抵抗体が様々な位置に配置されても、再配線基板40Aにおける配線の引き回しを変更することにより、所望の回路を構成することができる。また、フィルム状歪み検出デバイス内では抵抗体が互いに独立しているため、再配線基板を変更するだけでフルブリッジ回路には限定されない多種多様な結線に対応可能である。
【0115】
また、フィルム状歪み検出デバイス30B及び30Cのようにフィルム状歪み検出デバイス内に互いに独立な抵抗体を配置する場合、抵抗体の配置の自由度を向上することができる。また、フィルム状歪み検出デバイス内における配線の引き回しを減らすことができるため、フィルム状歪み検出デバイスの小型化が可能となる。
【0116】
なお、第5実施形態において、被覆部材は必要に応じて設けることができる。また、被覆部材を設ける場合、被覆部材61を用いてもよいし被覆部材62を用いてもよい。また、第5実施形態において、金属合金電極は、第3実施形態及び第4実施形態で示した接合形態としてもよい。
【0117】
〈第6実施形態〉
第6実施形態では、被覆部材の被覆する箇所が異なる例を示す。なお、第6実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0118】
図22は、第6実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図であり、
図2に対応する断面を示している。
図23は、第6実施形態に係る歪みゲージモジュールを例示する底面図である。なお、
図1及び
図3に示す平面図は、第6実施形態に係る歪みゲージモジュールについても、第1実施形態に係る歪みゲージモジュールと同様である。
【0119】
図22及び
図23を参照すると、歪みゲージモジュール6は、被覆部材61が薄板基板10の側面を被覆する点が、歪みゲージモジュール1等と相違する。
【0120】
薄板基板10の第2面10bに垂直な方向から視て、被覆部材61は、例えば、第2面10bを囲む環状の第6面61aを有する。第6面61aは、例えば、第2面10bと同一平面上に位置する。第6面61aの幅Wは、例えば、50μm以上150μm以下程度とすることができる。被覆部材61が薄板基板10の側面を被覆することにより、歪みゲージモジュール6全体の剛性を高めることができる。
【0121】
(歪みゲージモジュールの評価)
[評価4]
歪みゲージモジュールに応力を与えたときの分布についてシミュレーションを行った。シミュレーションは、被覆部材61が薄板基板10の側面を全く被覆していない歪みゲージモジュール6Xと、歪みゲージモジュール6について行った。
【0122】
図24は、歪みゲージモジュール6及び6Xの評価結果を示す図(その1)であり、歪みゲージモジュールに外周側から力を加えた場合の応力分布のシミュレーション結果を示している。
図24に示すように、歪みゲージモジュール6Xでは、第2面10bの外周部分に応力が集中している。これに対して、歪みゲージモジュール6では、第2面10bの外周部分から中心付近に向かって、応力が階段状に変化している。このように、被覆部材61が薄板基板10の側面を被覆することにより、伝搬する歪み応力が界面等の特定の箇所に集中することを抑制し歪みを段階的に伝搬することができる。
【0123】
[評価5]
歪みゲージモジュールに間欠的に25Hzの低周波振動を与えたときの、歪みゲージモジュールの抵抗値の経時変化について評価した。評価は、被覆部材61が薄板基板10の側面を全く被覆していない歪みゲージモジュール6Xと、歪みゲージモジュール6について、各4サンプルずつ行った。抵抗値は、歪み負荷時の出力電力を合成抵抗として著した。
【0124】
図25は、歪みゲージモジュール6及び6Xの評価結果を示す図(その2)である。破線は歪みゲージモジュール6の評価結果であり、実線は歪みゲージモジュール6Xの評価結果である。
図25に示すように、被覆部材61が薄板基板10の側面を全く被覆していない歪みゲージモジュール6X(実線)は、低周波振動を与える負荷回数がある程度増えると、抵抗値が同一方向に変化する傾向がある。これに対して、被覆部材61が薄板基板10の側面を被覆している歪みゲージモジュール6(破線)は、低周波振動を与える負荷回数が増えても、抵抗値変化率がほとんど変わらない。
【0125】
[評価結果]
評価4及び5に示したように、被覆部材61が薄板基板10の側面を被覆することで、被覆部材61が薄板基板10の側面を全く被覆しない場合と比べて、応力集中が緩和され、耐環境性を向上することができる。これにより、フィルム状歪み検出デバイス30の特性変動を低減し、安定性に優れた高感度な歪み検出が可能となる。
【0126】
図26は、歪みゲージモジュール6の使用例を示す断面図である。
図26に示すように、歪みゲージモジュール6は、例えば、接着剤110により測定対象物120の上面120aに接着される。例えば、薄板基板10の側面が被覆部材61から露出している場合、薄板基板10の側面と接着剤110との接着強度が十分に得られない場合がある。これに対して、歪みゲージモジュール6のように被覆部材61が薄板基板10の側面を被覆している場合、接着剤110は被覆部材61の第6面61aと側面に接着される。この部分は、樹脂同士が接するため、十分な接着強度を得ることができる。十分な接着強度が得られると、測定対象物120からフィルム状歪み検出デバイス30への歪の伝搬性が向上するため、安定した歪検出が可能となる。
【0127】
図27は、第6実施形態の変形例に係る歪みゲージモジュールを例示する断面図であり、
図22に対応する断面を示している。
図27に示すように、歪みゲージモジュール6Aは、再配線基板40にコネクタ80が実装された点が歪みゲージモジュール6と相違する。コネクタ80は、はんだ等の接合部材90により、再配線基板40の外部接続電極43a及び43bと電気的に接続されている。コネクタ80は、簡略化して図示されており、その種類や形状は問わない。コネクタ80は、例えば、平面視で額縁状の樹脂製ハウジングを有しており、樹脂製ハウジングの内側面、外側面、上面等に複数の外部接続端子が設けられている。再配線基板40にコネクタ80を実装することにより、外部回路との接続を容易化することができる。
【0128】
なお、第6実施形態及び第6実施形態の変形例において、被覆部材61の代わりに被覆部材62を用いてもよい。また、第6実施形態及び第6実施形態の変形例において、フィルム状歪み検出デバイス30は、複数の抵抗体を有していてもよい。フィルム状歪み検出デバイス30は、例えば、2つの抵抗体を有する構造や、第5実施形態のように4つの抵抗体を有する構造としてもよい。また、再配線基板40は多層配線構造であってもよく、この場合、内部接続電極は多層配線構造を介して外部接続電極と電気的に接続されてもよい。また、金属合金電極は、第3実施形態及び第4実施形態で示した接合形態としてもよい。また、第1実施形態から第5実施形態において、再配線基板40にコネクタ80が実装されてもよい。
【0129】
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0130】
1,2,3,4,5,6,6A 歪みゲージモジュール、10 薄板基板、10a 第1面、10b 第2面、20 接着剤、30,30A,30B,30C フィルム状歪み検出デバイス、31 基材、31a 第3面、32,32a,32b,32c,32d 抵抗体、33 配線、34a,34b,34c,34d,34e,34f,34g,34h,34i,34j,34k,34m,34n,34p 端子、40,40A 再配線基板、41 基材、41a 第4面、41b 第5面、42a,42b,42c,42d,42e,42f 内部接続電極、43a,43b,43c,43d,43e,43f 外部接続電極、44 貫通配線、 45,46 配線、50,50A 金属合金電極、51 溶融性導電接着剤、52 絶縁性樹脂、55 平坦面、61,62 被覆部材、61a 第6面、70 フィラー、80 コネクタ、90 接合部材、110 接着剤、120 測定対象物、120a 上面