(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179523
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098436
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】522473553
【氏名又は名称】株式会社ヤモリ
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 涼哉
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L050CC27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一般人による不動産投資を活性化させることが可能な情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】システムにおいて、情報処理装置の一種であるサーバ10は、ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報及び金融機関ごとの融資条件を記憶しており、特定の収益物件の物件情報と、ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件をユーザが購入する場合の融資可能性を金融機関ごとに予測し、予測結果をユーザ端末20に出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶する記憶部と、
特定の収益物件の物件情報と、前記ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件を前記ユーザが購入する場合の融資可能性を前記金融機関ごとに予測し、予測結果を出力する制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記信用性情報は、前記ユーザがすでに保有している収益物件の運用実績を示す情報を含み、
前記収益物件の前記運用実績を示す情報は、前記収益物件の評価額及び残債額を示す情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、融資可能性を向上させ得る項目の情報を補充するよう前記ユーザに依頼し、前記ユーザにより補充された情報に基づいて融資可能性を再度予測する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、融資可能性を向上させ得る項目の情報を推定し、推定した情報に基づいて融資可能性を再度予測する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、融資可能性を向上させ得る行動を前記ユーザに提案し、提案した行動を前記ユーザが仮に実行した場合の融資可能性を再度予測する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザがすでに保有している収益物件の売却、又は前記ユーザの居住地若しくは所在地の変更を、前記ユーザに提案する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、融資可能性の予測結果と、前記金融機関による実際の融資可否の判定結果と、に基づいて、前記記憶部に記憶された前記金融機関ごとの前記融資条件を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、融資可能性があると予測された前記金融機関への融資の申し込みを行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶部に記憶することと、
特定の収益物件の物件情報と、前記ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件を前記ユーザが購入する場合の融資可能性を前記金融機関ごとに予測し、予測結果を出力するよう制御することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶部に記憶させ、
特定の収益物件の物件情報と、前記ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件を前記ユーザが購入する場合の融資可能性を前記金融機関ごとに予測し、予測結果を出力するよう制御する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産投資は、古くからある投資のひとつであり、不動産投資に関する各種技術がこれまで多く開発されている。例えば、下記特許文献1には、不動産価値を評価する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不動産投資は、不動産業者又は不動産投資に慣れた一部の富裕層により実施されることが多く、一般人には手を出しづらいものであった。しかしながら、上記特許文献1に開示された技術をはじめとする既存の技術は、そのような現状を打破するものではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、一般人による不動産投資を活性化させることが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶する記憶部と、特定の収益物件の物件情報と、前記ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件を前記ユーザが購入する場合の融資可能性を前記金融機関ごとに予測し、予測結果を出力する制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
前記信用性情報は、前記ユーザがすでに保有している収益物件の運用実績を示す情報を含み、前記収益物件の前記運用実績を示す情報は、前記収益物件の評価額及び残債額を示す情報を含んでもよい。
【0008】
前記制御部は、融資可能性を向上させ得る項目の情報を補充するよう前記ユーザに依頼し、前記ユーザにより補充された情報に基づいて融資可能性を再度予測してもよい。
【0009】
前記制御部は、融資可能性を向上させ得る項目の情報を推定し、推定した情報に基づいて融資可能性を再度予測してもよい。
【0010】
前記制御部は、融資可能性を向上させ得る行動を前記ユーザに提案し、提案した行動を前記ユーザが仮に実行した場合の融資可能性を再度予測してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記ユーザがすでに保有している収益物件の売却、又は前記ユーザの居住地若しくは所在地の変更を、前記ユーザに提案してもよい。
【0012】
前記制御部は、融資可能性の予測結果と、前記金融機関による実際の融資可否の判定結果と、に基づいて、前記記憶部に記憶された前記金融機関ごとの前記融資条件を更新してもよい。
【0013】
前記制御部は、融資可能性があると予測された前記金融機関への融資の申し込みを行ってもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶部に記憶することと、特定の収益物件の物件情報と、前記ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件を前記ユーザが購入する場合の融資可能性を前記金融機関ごとに予測し、予測結果を出力するよう制御することと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶部に記憶させ、特定の収益物件の物件情報と、前記ユーザの前記信用性情報と、金融機関ごとの前記融資条件と、に基づいて、当該特定の収益物件を前記ユーザが購入する場合の融資可能性を前記金融機関ごとに予測し、予測結果を出力するよう制御する制御部、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、一般人による不動産投資を活性化させることが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバにより生成されユーザ端末により表示されるUIの一例を説明するための図である。
【
図3】本実施形態に係るサーバにより生成されユーザ端末により表示されるUIの一例を説明するための図である。
【
図4】本実施形態に係るシステムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図5】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
<1.概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概要を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、サーバ10、及び複数のユーザ端末20(20A及び20B)を含む。
【0020】
サーバ10は、不動産投資を支援するサービスを提供する情報処理装置である。サーバ10により提供されるサービスは、サーバ10が運営するWebアプリケーションとして実現され得る。ユーザは、サーバ10にアクセスすることで、不動産投資を支援するサービスを受けることができる。例えば、サーバ10は、不動産投資に関するポータルサイトを運営し、ユーザはかかるポータルサイトにおいてサービスを受け得る。
【0021】
ユーザ端末20は、不動産投資をしようとするユーザにより使用される端末装置である。ユーザ端末20は、PC(Personal Computer)又はスマートフォン等の任意の形態で実現され得る。ユーザ端末20は、サーバ10により提供されるサービスとユーザとのインタフェースとして機能する。例えば、サーバ10は、ユーザ端末20を介してユーザとの間で情報を入出力する。即ち、ユーザ端末20は、サーバ10から受信した情報を出力し、ユーザから入力された情報をサーバ10へ送信する。
【0022】
ユーザは、不動産投資の主体である。ユーザは、自然人であってもよいし、法人であってもよい。以下では、不動産投資の対象を物件とも称する。物件は、収益物件と実需物件とに分類され得る。収益物件とは、収益を得るための手段として利用される物件である。収益物件は、賃貸借の契約に基づき他人に貸し出すことを目的とした、いわゆる賃貸物件であってよい。実需物件とは、所有者により利用される物件である。実需物件には、例えば、所有者又は所有者の家族等の関係者が居住し得る。サーバ10により提供されるサービスは、主に収益物件の売買に関する。
【0023】
不動産投資は、不動産業者又は不動産投資に慣れた一部の富裕層により実施されることが多く、一般人には手を出しづらいものであった。その要因のひとつに、不動産を購入する際に金融機関から融資を受けることが多い点にある。金融機関から融資を受けることが可能か否かは、金融機関による審査を受けなければ分からない。そのような不確実な状況下で、不動産を購入する意思決定をすることは困難であった。
【0024】
そこで、本実施形態に係るサーバ10は、金融機関による融資可能性を予測してユーザに提示する。これにより、上述した不確実性を減らすことができるので、ユーザは、不動産の購入の意思決定をより容易にすることが可能となる。一例として、ユーザは、融資の可能性が高い不動産に限定して、購入するか否かを意思決定することが可能となる。他の一例として、多数ある金融機関の中から融資の可能性がある金融機関を見つけやすくなるため、ユーザは、融資を受けて購入することが可能となる。
【0025】
このように、融資を前提とする不動産投資に関する意思決定を容易にすることで、一般人による不動産投資を活性化させることが可能となる。その結果、中古不動産の利活用及び適正な修繕が促されて、賃貸住宅の住環境の改善を図ることが可能となる。
【0026】
<2.技術的特徴>
(1)データベースの構築
サーバ10は、融資可能性の予測のために使用される情報を格納したデータベースを構築する。以下、データベースに格納される情報の一例を説明する。
【0027】
-物件情報
サーバ10は、収益物件の物件情報を記憶する。物件情報は、物件の特性を示す情報である。サーバ10は、例えば、REINS(Real Estate Information Network Systems)に登録された情報を、物件情報として取得及び記憶する。
【0028】
物件情報は、物件の販売価格、及び積算価格等の、物件の価格を示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、建物が完成した後の経過時間を示す築年数を示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、木造、軽量鉄骨造り、及び鉄筋コンクリート造等の、建物を支える骨組みの種類を示す情報である、建物構造を示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、部屋数(それぞれ独立して賃貸借の契約が可能な部屋の数)を示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、1R、及び2LDK等の、間取りを示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、同地区にある他の物件の家賃から想定される、家賃相場を示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、建物の建築主、設計者、施工主、及び売主等の、建物の建築又は販売に携わった人又は組織を示す情報を含んでいてもよい。物件情報は、不動産登記された情報を含んでいてもよい。物件情報は、建物が準拠する耐震基準を示す情報を含んでいてもよい。その他、物件情報は、物件に関する画像、最寄り駅からの距離又は時間、住所、土地面積、及び建物面積等の、物件に関する各種情報を含んでいてもよい。
【0029】
-信用性情報
サーバ10は、ユーザの信用性情報を記憶する。信用性情報は、ユーザの投資家としての信用性を示す情報である。
【0030】
信用性情報は、ユーザの年収を示す情報を含んでいてもよい。信用性情報は、ユーザの勤務先、勤続年数、及び役職等の、ユーザの職業に関する情報を含んでいてもよい。信用性情報は、自然人としてのユーザの居住地、又は法人としてのユーザの所在地等の、ユーザの地縁を示す情報を含んでいてもよい。信用性情報は、ユーザが所有する現金、有価証券、並びに所有する実需物件及び収益物件等の、ユーザの資産を示す情報を含んでいてもよい。なお、信用性情報に含まれる収益物件の情報は、ユーザがすでに所有している収益物件の物件情報の他に、収益物件の運用実績を示す情報を含み得る。収益物件の運用実績を示す情報とは、収益物件の評価額、残債額、及びキャッシュフロー等の、収益物件の運用実績を評価するために利用可能な情報である。
【0031】
サーバ10は、例えば、ポータルサイトへのユーザ登録時に、ユーザから信用性情報の入力を受け付け、記憶し得る。また、サーバ10は、ユーザがすでに所有している収益物件の管理を支援するサービスを提供してもよい。物件管理支援サービスは、ユーザ及びユーザが所有している収益物件の管理を委託された管理会社の各々に提供され得る。物件管理支援サービスは、ユーザが所有している収益物件の月々の収支、空室状況、滞納状況、契約書類、及び税務書類等の収益物件に関する各種情報を記憶し得る。また、物件管理支援サービスは、月々の収支を予測したり、賃貸契約の更新をユーザにリマインドしたり、入居者からの入金を確認したりする等、各種処理を実施し得る。さらに、物件管理支援サービスは、管理会社とユーザとの間でやりとりするためのチャットを提供してもよい。サーバ10は、物件管理支援サービスが管理している情報を、上記信用性情報における収益物件の運用実績を示す情報として、流用してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、物件管理支援サービスを利用しながら収益物件を管理することで収益物件の運用実績を蓄積して、予測される融資可能性を向上させることができる。さらには、実際に融資の申し込みをする際に、蓄積された運用実績を添付することで、有利な条件で融資を受けることをも期待される。
【0032】
-融資条件
サーバ10は、金融機関ごとの融資条件を記憶する。融資条件は、収益物件を購入するための融資を受けようとする申込者への融資の条件を示す情報である。融資条件は、金融機関ごとに異なり得る。サーバ10は、例えば、金融機関から過去に融資を受けた又は断られた記録に基づいて、金融機関ごとの融資条件を取得及び記憶する。
【0033】
融資条件は、申込者に求める信用性情報を含み得る。一例として、融資条件は、申込者に求める年収を示す情報を含んでいてもよい。他の一例として、融資条件は、申込者が所有していることが望ましい現金、有価証券、並びに所有する実需物件及び収益物件等の、申込者に求める資産を示す情報を含んでいてもよい。他の一例として、融資条件は、望ましい勤務先、勤続年数、及び役職等の、申込者に求める職業に関する情報を含んでいてもよい。他の一例として、融資条件は、すでに所有している収益物件の収支状況、及び空室率等の、申込者に求める収益物件の運用実績を示す情報を含んでいてもよい。
【0034】
融資条件は、収益物件の位置と申込者の居住地又は所在地とが同一地域であること等、申込者に求める地縁を示す情報を含み得る。融資条件は、借入限度額、金利、及び融資期間等の、申込者に求める返済計画を示す情報を含んでいてもよい。融資条件は、積算価格に基づいて評価するのか、収益還元性に基づいて評価するのか、といった、収益物件の評価方法を示す情報を含んでいてもよい。なお、積算価格とは、土地の価格と建物の価格とを合計した価格である。融資条件は、積算価格の何割まで融資可能か、といった、融資に必要な物件評価を示す情報を含んでいてもよい。融資条件は、望ましい部屋数等、望ましい物件情報を含んでいてもよい。
【0035】
なお、融資条件は、融資を承認する条件の他に、融資を断る条件を含んでいてもよい。一例として、融資条件は、いわゆる旧耐震基準に準拠した収益物件に対する融資を断ることを示す情報を含んでいてもよい。他の一例として、融資条件は、特定の施工主が施工した収益物件に対する融資を断ることを示す情報を含んでいてもよい。
【0036】
(2)融資可能性の予測
サーバ10は、融資可能性の予測対象とする、特定の収益物件を指定する情報を、ユーザから受け付ける。例えば、サーバ10は、複数の販売中の収益物件に関する情報をユーザに提供し、そのうち1つの収益物件を指定するユーザ操作を受け付ける。以下、
図2を参照しながら、融資可能性の予測対象とする収益物件を指定するためのUI(User Interface)の具体例を説明する。
【0037】
図2は、本実施形態に係るサーバ10により生成されユーザ端末20により表示されるUIの一例を説明するための図である。
図2に示した物件情報表示画面30は、販売中の収益物件に関する情報を表示する画面である。ユーザは、物件情報表示画面30において表示される収益物件を切り替えながら、融資可能性の予測対象とする収益物件を選択する。
図2に示すように、物件情報表示画面30は、画像表示欄31、詳細情報表示欄32、販売価格表示欄33、及び融資可能性の予測ボタン34を含む。画像表示欄31は、間取り図、部屋内部の写真、外観の写真、及び周辺の写真等の、収益物件に関する画像を表示する欄である。詳細情報表示欄32は、収益物件の物件情報を詳細に表示する欄である。販売価格表示欄33は、収益物件の販売価格を表示する欄である。融資可能性の予測ボタン34は、物件情報表示画面30に表示された収益物件を、融資可能性の予測対象とする収益物件として指定する操作を受け付けるボタンである。ユーザは、融資可能性の予測ボタン34を選択することで、物件情報表示画面30に情報が表示されている収益物件を、融資可能性の予測対象として指定することができる。
【0038】
サーバ10は、ユーザにより指定された、融資可能性の予測対象の収益物件の物件情報と、ユーザの信用性情報と、金融機関ごとの融資条件と、に基づいて、融資可能性の予測対象の収益物件をユーザが購入する場合の融資可能性を金融機関ごとに予測する。そして、サーバ10は、予測した融資可能性を出力する。詳しくは、サーバ10は、融資可能性の予測対象の収益物件の物件情報とユーザの信用性情報とを、金融機関ごとの融資条件に照らし合わせることで、金融機関ごとの融資可能性を予測する。融資可能性は、百分率等の連続値として予測されてもよいし、融資可能性高/中/低などの離散値として予測されてもよい。
【0039】
一例として、サーバ10は、融資可否の判断の際に申込者の職業に関する情報を参照する金融機関に関しては、勤務先が大企業である、役職が高い、キャッシュフローが良い、又は所有資産が高いといった、経済力が高いユーザには高い融資可能性を予測してもよい。かかる構成によれば、ユーザの将来的な返済能力に応じて、融資可能性を予測することができる。
【0040】
他の一例として、サーバ10は、融資可否の判断の際に申込者の不動産経営能力を参照する金融機関に関しては、ユーザがすでに所有している収益物件の運用実績が良好であるほど、高い融資可能性を予測してもよい。かかる構成によれば、ユーザの不動産経営の能力に応じて、融資可能性を予測することができる。また、ユーザに、購入した収益物件をより良く運用するよう動機付けることができる。
【0041】
他の一例として、サーバ10は、融資可否の判断に申込者の地縁を参照する金融機関に関しては、融資可能性の予測対象の収益物件の位置と申込者の居住地又は所在地とが同一地域である場合に融資可能性が高いと予測してもよい。他方、サーバ10は、融資可能性の予測対象の収益物件の位置と申込者の居住地又は所在地とが異なる地域である場合、その距離が遠いほど、融資可能性が低いと予測してもよい。
【0042】
他の一例として、サーバ10は、融資可否の判断に物件が準拠する耐震基準を参照する金融機関に関しては、融資可能性の予測対象の収益物件が準拠する耐震基準がいわゆる旧耐震基準である場合に、低い融資可能性を予測してもよい。ただし、サーバ10は、旧耐震に準拠していても、検査等により高い耐震性を有することが検証されていれば、高い融資可能性を予測してもよい。
【0043】
他にも、サーバ10は、例えば、物件情報と信用性情報とを入力とし、融資可能性を出力とする予測モデルを金融機関ごとに構築していてもよく、かかる予測モデルを使用して融資可能性を予測してもよい。予測モデルは、数理モデル又はニューラルネットワーク等により構築され得る。
【0044】
以上説明した構成によれば、ユーザは、実際に金融機関に融資の申し込みをせずとも、融資可能性の予測を得ることができる。これにより、ユーザは、融資可能性が低い収益物件については早々に購入候補から外したり、融資可能性が高い収益物件についてさらに調査を深めたりする等、収益物件の購入に関する意思決定プロセスを効率化させることができる。
【0045】
(3)具体例
ユーザであるAさんが、収益物件であるB物件の購入を検討しており、融資元の候補としてC銀行及びD信用組合があるものとする。
【0046】
サーバ10に登録されたAさんの信用性情報は、次の通りである。年収は700万円である。勤務先は東証プライム上場企業である。年齢は30歳である。居住地は東京である。母親と共同代表で設立した資産管理法人の所在地は福岡県である。所有資産は1000万円ほどである。
【0047】
サーバ10に登録されたB物件の物件情報は、次の通りである。築年数は30年である。所在地は福岡県である。建物構造は木造である。部屋数は6部屋である。家賃相場は、1部屋あたり5万円である。販売価格は3000万円である。積算価格は2000万円である。
【0048】
サーバ10に登録されたC銀行の融資条件は、次の通りである。申込者に求める地縁は、住民票が収益物件と同一県内(即ち、福岡県内)にあることである。金利は、1.5%である。融資期間は、最長20年である。物件の評価方法は、保証会社Xによる積算価格に基づく評価である。なお、保証会社Xは、積算価格の7割で評価する、という情報が、付随してサーバ10に登録されているものとする。融資に必要な物件評価に関しては、保証会社Xの評価額まで融資可能である。申込者に求める年収は特にない。借入限度額は特にない。
【0049】
サーバ10に登録されたD信用組合の融資条件は、次の通りである。申込者に求める地縁は、法人の所在地が収益物件と同一県内(即ち、福岡県内)にあることである。金利は、1.5%である。融資期間は、最長30年である。物件の評価方法は、保証会社Yによる積算価格に基づく評価である。なお、保証会社Yは、積算価格の8割で評価する、という情報が、付随してサーバ10に登録されているものとする。融資に必要な物件評価に関しては、保証会社Yの評価額を、申込者の属性に応じて増減させた金額まで融資可能である。申込者に求める年収は特にない。借入限度額は特にない。
【0050】
サーバ10は、AさんがB物件の購入する場合の、C銀行及びD信用組合の各々による融資可能性を予測する。具体的には、サーバ10は、Aさんが東京在住で住民票が福岡県内にないので、C銀行の求める地縁がクリアされておらず、C銀行による融資可能性は低いと予測する。他方、サーバ10は、Aさんが運営する資産管理法人の所在地が福岡県内にあるので、D信用組合の求める地縁がクリアされていると判定する。さらに、サーバ10は、D信用組合が申込者の属性に応じて融資に必要な物件評価を調整する点と、Aさんの勤務先が東証プライム上場企業であり、年収及び所有資産が十分であるという資産背景とに基づいて、D信用組合による融資可能性は高いと予測する。
【0051】
(4)融資の申し込み
サーバ10は、融資可能性があると予測された金融機関への融資の申し込みを行ってもよい。詳しくは、サーバ10は、融資可能性があると予測された金融機関への融資の申し込みを、ユーザからの指示に基づいて代行してもよい。例えば、サーバ10は、データベースに記憶されたユーザの信用性情報を金融機関ごとのフォーマットに沿って整形することで申込書を生成して、金融機関に送付してもよい。かかる構成によれば、融資を受けるためにかかる労力を抑制することが可能となる。
【0052】
以下、
図3を参照しながら、融資可能性があると予測された金融機関への融資の申し込みを指示するユーザ操作を受け付けるUIの具体例を説明する。
【0053】
図3は、本実施形態に係るサーバ10により生成されユーザ端末20により表示されるUIの一例を説明するための図である。
図3に示した予測結果表示ウィンドウ40は、融資可能性の予測結果を示すウィンドウである。
図3に示すように、予測結果表示ウィンドウ40は、物件情報表示画面30に重畳して表示されてもよい。例えば、
図2に示した物件情報表示画面30において融資可能性の予測ボタン34が選択された場合に、ユーザ端末20は、物件情報表示画面30の上に予測結果表示ウィンドウ40をポップアップ表示する。
図3に示すように、予測結果表示ウィンドウ40は、予測結果表示欄41、融資申し込みボタン42、及び閉じるボタン43を含む。予測結果表示欄41は、融資可能性の予測結果を表示する欄である。
図3では、P銀行の融資可能性が高いこと、Q銀行の融資可能性が低いこと、R信用金庫の融資可能性が中程度であることが表示されている。融資申し込みボタン42は、金融機関への融資申し込みを指示するユーザ操作を受け付けるボタンである。融資申し込みボタン42は、融資可能性が高いと予測されたP銀行に関してのみ表示されている。ユーザは、P銀行への融資の申し込みを希望する場合に、融資申し込みボタン42を選択することで申し込みを進めることができる。閉じるボタン43は、予測結果表示ウィンドウ40を閉じるよう指示するユーザ操作を受け付けるボタンである。
【0054】
(5)処理の流れ
以下、
図4を参照しながら、システム1により実行される処理の流れの一例を説明する。
図4は、本実施形態に係るシステム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0055】
図4に示すように、まず、サーバ10は、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶する(ステップS102)。サーバ10は、例えば、REINSに登録された情報を、物件情報として取得及び記憶する。サーバ10は、例えば、金融機関から過去に融資を受けた又は断られた記録に基づいて、金融機関ごとの融資条件を取得及び記憶する。
【0056】
次いで、ユーザ端末20は、ユーザの信用性情報をサーバ10へ送信する(ステップS104)。ユーザ端末20は、例えば、ポータルサイトへのユーザ登録時に、ユーザから信用性情報の入力を受け付け、サーバ10へ送信する。また、サーバ10は、ユーザがすでに所有している収益物件の運用を支援するサービスにおいて管理されている、ユーザがすでに所有している収益物件の運用実績を示す情報を、信用性情報として取得してもよい。
【0057】
次に、サーバ10は、ユーザ端末20から受信したユーザの信用性情報を記憶する(ステップS106)。
【0058】
その後、サーバ10は、収益物件の物件情報をユーザ端末20へ送信する(ステップS108)。例えば、サーバ10は、物件情報表示画面30を生成してユーザ端末20へ送信し、ユーザ端末20は物件情報表示画面30を表示する。
【0059】
次いで、ユーザ端末20は、融資可能性の予測対象の収益物件を指定する情報を含む、融資可能性の予測依頼をサーバ10へ送信する(ステップS110)。例えば、ユーザ端末20は、物件情報表示画面30において融資可能性の予測ボタン34が選択されたことを示す情報をサーバ10へ送信する。
【0060】
次に、サーバ10は、金融機関ごとの融資可能性を予測する(ステップS112)。例えば、サーバ10は、予め金融機関ごとに構築された予測モデルに、融資可能性の予測対象の収益物件の物件情報とユーザの信用性情報とを入力することで、金融機関ごとの融資可能性を予測する。
【0061】
次いで、サーバ10は、予測した金融機関ごとの融資可能性を示す情報をユーザ端末20へ送信する(ステップS114)。例えば、サーバ10は、予測結果表示ウィンドウ40を生成してユーザ端末20へ送信し、ユーザ端末20は、物件情報表示画面30の上に予測結果表示ウィンドウ40をポップアップ表示する。
【0062】
<3.変形例>
(1)第1の変形例
サーバ10は、融資可能性を向上させるための各種処理を実行し得る。
【0063】
サーバ10は、融資可能性を向上させ得る項目の情報を補充するようユーザに依頼し、ユーザにより補充された情報に基づいて融資可能性を再度予測してもよい。例えば、サーバ10は、ユーザの信用性情報に未入力の項目がある場合に、未入力の項目について入力するようユーザに依頼する。ユーザは、依頼された情報をユーザ端末20に入力することで、融資可能性の再度の予測を受けることができる。なお、融資可能性を向上させ得る項目としては、例えば、直近3年間の源泉徴収票、ユーザが所有する物件のうち共同担保にできる物件、及び推定相続人(例えば、兄弟姉妹又は配偶者)が挙げられる。かかる構成によれば、より高い融資可能性が予測されることが期待されるので、購入候補を広げる等、ユーザの投資判断を支援することが可能となる。
【0064】
サーバ10は、融資可能性を向上させ得る項目の情報を推定し、推定した情報に基づいて融資可能性を再度予測してもよい。例えば、サーバ10は、収益物件の積算価格又は想定家賃を、同一地区の他の物件の積算価格、家賃相場、賃貸仲介会社へのヒアリングデータ、又は物件管理支援サービスにおいて管理されている物件の家賃情報等に基づいて自動的にシミュレーションし、シミュレーションした結果に基づいて融資可能性を再度予測してもよい。なお、収益物件の積算価格又は想定家賃のシミュレーションのために利用されるこれらの情報は、売買市場又は賃貸市場における収益物件の状況を示す情報としてサーバ10に記憶され、融資可能性の予測のために利用され得る。かかる構成によれば、欠けた情報を自動的に補充して融資可能性を予測することができる。その結果、より高い融資可能性が予測されることが期待されるので、購入候補を広げる等、ユーザの投資判断を支援することが可能となる。
【0065】
サーバ10は、融資可能性を向上させ得る行動をユーザに提案し、提案した行動をユーザが仮に実行した場合の融資可能性を再度予測してもよい。一例として、サーバ10は、ユーザがすでに保有している収益物件の売却をユーザに提案してもよい。具体的には、サーバ10は、融資可能性が低いと判定されたボトルネックが、キャッシュフローがマイナスである収益物件にある場合に、当該収益物件を売却するよう、ユーザに提案してもよい。他の一例として、サーバ10は、ユーザの居住地又は所在地の変更をユーザに提案してもよい。具体的には、サーバ10は、融資可否の判断に地縁を求める金融機関に関しては、融資可能性の予測対象の収益物件と同一地域に居住地又は所在地を移動するよう、ユーザに提案してもよい。提案した行動をユーザが仮に実行した場合に、そうでない場合と比較して高い融資可能性が予測されることが期待される。かかる構成によれば、ユーザに、融資を受けるために有効な行動をとるよう促すことが可能となる。
【0066】
(2)第2の変形例
サーバ10は、サーバ10による融資可能性の予測結果と、金融機関による実際の融資可否の判定結果と、に基づいて、サーバ10に記憶された金融機関ごとの融資条件を更新してもよい。例えば、サーバ10は、
図3に示した予測結果表示ウィンドウ40において融資申し込みボタン42が選択されたことをトリガとして進めたP銀行への融資申し込みの結果、融資が断られた場合、かかるデータを教師データとしてP銀行用の予測モデルを再度構築(即ち、学習)してもよい。かかる構成によれば、予測モデルを更新して、融資可能性の予測精度を向上させることが可能である。
【0067】
(4)第3の変形例
上記では、サーバ10が、ユーザにより指定された収益物件を予測対象として融資可能性を予測する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。サーバ10は、販売中の全ての収益物件について、ユーザが購入する場合の金融機関ごとの融資可能性を予測してもよい。そして、サーバ10は、融資可能性が高い収益物件の物件情報を、ユーザに提供してもよい。かかる構成によれば、融資可能性が高い収益物件に限定して物件情報を閲覧可能になる点で、ユーザビリティを向上させることが可能である。
【0068】
<4.ハードウェア構成例>
最後に、
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、
図5に示す情報処理装置900は、例えば、
図1に示したサーバ10及びユーザ端末20を実現し得る。本実施形態に係るサーバ10及びユーザ端末20による情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0069】
図5に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903及びホストバス904aを備える。また、情報処理装置900は、ブリッジ904、外部バス904b、インタフェース905、入力装置906、出力装置907、ストレージ装置908、及び通信装置909を備える。
【0070】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。情報処理装置900は、CPU901に代えて、又はこれとともに、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)若しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電気回路を有してもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901によるプログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU901は、例えば、サーバ10の制御部を形成し得る。そして、CPU901は、ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を記憶する、融資可能性を予測する、及び予測モデルを構築する、といった、サーバ10において実施される各種処理を制御する。また、CPU901は、例えば、ユーザ端末20の制御部を形成し得る。そして、CPU901は、サーバ10との間で情報を送受信する、各種画面を表示する、ユーザからの入力を受け付ける、といった、ユーザ端末20において実施される各種処理を制御する。
【0071】
CPU901、ROM902及びRAM903は、CPUバスなどを含むホストバス904aにより相互に接続されている。ホストバス904aは、ブリッジ904を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス904bに接続されている。なお、必ずしもホストバス904a、ブリッジ904及び外部バス904bを分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0072】
入力装置906は、ユーザから情報が入力される装置である。そのような装置としては、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバー等が挙げられる。他にも、入力装置906は、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はジェスチャ入力を受け付けるカメラを含んでいてもよい。情報処理装置900のユーザは、入力装置906を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理の実行を指示したりすることができる。入力装置906は、例えば、ユーザ端末20において、信用性情報の入力、及び融資可能性の予測対象の収益物件を指定するユーザ操作を、受け付ける。
【0073】
出力装置907は、情報をユーザに対して出力する装置である。そのような装置として、ディスプレイ及びプロジェクタ等の視覚情報を出力する装置、スピーカ等の聴覚情報を出力する装置、並びに偏心モータ等の触覚情報を出力する装置等が挙げられる。出力装置907は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。出力装置907は、例えば、ユーザ端末20において、サーバ10により生成された各種画面を表示する。
【0074】
ストレージ装置908は、データを格納する装置である。そのような装置としては、HDD等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、及び光磁気記憶デバイス等が挙げられる。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置908は、例えば、サーバ10の記憶部を形成し得る。そして、ストレージ装置908は、ユーザの信用性情報、収益物件の物件情報、及び金融機関ごとの融資条件を格納するデータベースを記憶する。
【0075】
通信装置909は、有線又は無線で他の装置と通信する装置である。通信装置909は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、LPWA(Low Power Wide Area)、又はUSB(Universal Serial Bus)等の任意の通信規格に準拠した通信を行う。通信装置909は、サーバ10とユーザ端末20との間の通信を行う。
【0076】
以上、本実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて実現されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0077】
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
一例として、上述した不動産投資を支援するサービスは、サーバ10により運営されるWebアプリケーションとして実現されるものに限定されない。上述した不動産投資を支援するサービスは、ネイティブアプリケーションとして実現されてもよいし、PWA(Progressive web apps)として実現されてもよい。
【0079】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(詳しくは、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAM(Random Access Memory)に読み込まれ、CPU(Central Processing Unit)などの処理回路により実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記のコンピュータは、ASIC(application specific integrated circuit)のような特定用途向け集積回路、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサ、又はクラウドコンピューティングに使用されるサーバ上のコンピュータ等であってよい。また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、単数のコンピュータにより集中して処理されてもよく、複数のコンピュータにより分散して処理されてもよい。さらに、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよい。
【0080】
また、本明細書においてフローチャート又はシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 システム
10 サーバ
20 ユーザ端末
30 物件情報表示画面
40 予測結果表示ウィンドウ