(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179526
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】エレベーター監視システム、及び、エレベーター監視方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 5/00 20060101AFI20241219BHJP
B66B 5/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B66B5/00 G
B66B5/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098441
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薛 祺
(72)【発明者】
【氏名】西江 聡
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】吉村 卓馬
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304BA26
3F304CA05
3F304EC01
3F304ED18
(57)【要約】
【課題】充電給電装置を備えるエレベーターシステムが設置された建物での停電発生時に、停電発生現場への迅速な電気自動車の出動を可能とするエレベーター監視システム、エレベーター監視方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】エレベーター監視システムは、故障通報受信部で受信した故障情報と、エレベーター仕様情報に基づいて、故障が発生したエレベーターへの電力供給状況を判定すると共に、停電が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが、充電給電装置を備えているか否かを判定する状況判定部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を走行する乗りかごを有するエレベーターと、前記エレベーターの故障情報を通報する故障通報装置とを備えるエレベーターシステムを監視するエレベーター監視システムにおいて、
前記故障通報装置から送信されてくる前記エレベーターへの電力供給状況を含む故障情報を受信する故障通報受信部と、
前記エレベーターシステムが電気自動車から給電される電力を前記エレベーターに供給する電力に変換可能な充電給電装置を備えているか否かに関するエレベーター仕様情報が格納されたエレベーター仕様情報データベースを備えるエレベーター情報記憶部と、
前記故障通報受信部で受信した前記故障情報に基づいて故障が発生したエレベーターへの前記電力供給状況を判定する状況判定部と、を備え、
前記状況判定部は、前記エレベーター仕様情報に基づいて、前記故障が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが前記充電給電装置を備えているか否かを判定する
エレベーター監視システム。
【請求項2】
前記状況判定部において、前記電力供給状況に基づいて、前記エレベーターにおいて停電が発生していると判定された場合であって、前記停電が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが前記充電給電装置を備えると判定された場合に、前記停電が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが設置された停電発生現場に出動可能な電気自動車を検索する車両検索部
を備える請求項1に記載のエレベーター監視システム。
【請求項3】
登録された電気自動車の利用状況が格納された車両利用情報データベースと、登録された電気自動車の利用者情報が格納された利用者情報データベースとを備える車両情報記憶部を有する車両管理システムを備え、
前記車両検索部は、前記車両情報記憶部に格納された情報に基づいて、前記エレベーターシステムが設置された停電発生現場に出動可能な電気自動車を検索する
請求項2に記載のエレベーター監視システム。
【請求項4】
前記エレベーター情報記憶部は、エレベーターシステムの保守点検を担当する営業所の情報が格納された営業所情報データベースを備え、
前記車両検索部は、前記停電が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムの保守点検を担当する担当営業所が所有する電気自動車の中から、出動可能な電気自動車を検索する
請求項3に記載のエレベーター監視システム。
【請求項5】
前記車両検索部は、前記車両情報記憶部に格納された情報に基づいて、前記停電が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが設置された停電発生現場から所定の距離に、使用中の電気自動車が存在するか否かを判定し、前記使用中の電気自動車が複数存在していた場合には、前記複数の電気自動車を前記停電発生現場から近い順に並べ替える
請求項4に記載のエレベーター監視システム。
【請求項6】
前記エレベーター情報記憶部は、前記エレベーターシステムが設置された建物を管理する管理会社の情報が格納された管理会社情報データベースを備え、
前記車両検索部は、前記管理会社情報データベースに基づいて、前記停電が発生したエレベーターを備えるエレベーターシステムが設置された建物を管理する管理会社から、電気自動車の出動が可能か否かを判定する
請求項3に記載のエレベーター監視システム。
【請求項7】
前記状況判定部の判定結果、及び/又は、前記車両検索部の検索結果を表示する画像表示部を備える
請求項1~6のいずれか一項に記載のエレベーター監視システム。
【請求項8】
昇降路内を走行する乗りかごを有するエレベーターと、前記エレベーターの故障情報を通報する故障通報装置とを備えるエレベーターシステムを監視するエレベーター監視方法において、
前記故障通報装置から送信されてくる前記エレベーターへの電力供給状況を含む故障情報を受信し、
受信した前記故障情報に基づいて、故障が発生したエレベーターへの電力供給状況を判定すると共に、前記故障が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが、電気自動車から給電される電力を前記エレベーターに供給する電力に変換可能な充電給電装置を備えているか否かを判定する
エレベーター監視方法。
【請求項9】
昇降路内を走行する乗りかごを有するエレベーターと、前記エレベーターの故障情報を通報する故障通報装置とを備えるエレベーターシステムを監視するプログラムにおいて、
送信されてくる前記エレベーターへの電力供給状況を含む故障情報を受信するステップと、
受信した前記故障情報に基づいて故障が発生したエレベーターへの前記電力供給状況を判定すると共に、前記が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが、電気自動車から給電される電力を前記エレベーターに供給する電力に変換可能な充電給電装置を備えているか否かを判定するステップと、をコンピューターに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーター監視システム、エレベーター監視方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、エレベーターを駆動制御する巻上機等の各機器は、商用電源を含む買電電源等から供給される電力によって稼働する。しかし、地震発生時や、火災発生時などに起こる停電時では、売電電源からの電力の供給が停止され、エレベーターの駆動が停止してしまう。このため、エレベーターの乗りかご内に乗客が居る場合には、乗りかご内における閉じ込めが発生する恐れがある。
【0003】
これに対し、従来、エレベーターシステムでは、停電時のバックアップ用の駆動電源となる非常用の蓄電装置と、蓄電装置からの電力の供給によって、乗りかごを最寄り階に着床させる自動着床装置を備える構成が知られている。このエレベーターシステムは、停電が発生した場合には、蓄電装置から自動着床装置に電力を供給し、自動着床装置が乗りかごを最寄りの階まで昇降移動させる。これにより、エレベーターにおける停電時の乗客の閉じ込めの発生を防ぐことができる。
【0004】
また、特許文献1では、エレベーターの非常用の蓄電装置の電力が枯渇した場合に、エレベーターに隣接するエスカレーターの非常用の蓄電装置の電力を利用して、エレベーターの駆動制御を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、エレベーターの非常用の蓄電装置の電力が枯渇して建物内での蓄電装置への電力の供給ができない場合には、自動着床装置による自動着床運転ができない。特許文献1に開示された発明のように、エスカレーターの蓄電装置から電力を供給できる構成であっても、エレベーターの非常用の蓄電装置の電力が枯渇している場合には隣接するエスカレーターの蓄電装置の電力も枯渇している可能性があり、エレベーターへの電力の供給ができないおそれがある。
【0007】
したがって、この場合には、停電時において、自動着床装置による自動着床運転ができないため、保守員の到着を待ってから、エレベーターに閉じ込められた乗客の救出が実施される。したがって、停電後、エレベーターへの乗客の閉じ込めが発生してから救出するまでに時間がかかるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、充電給電装置を備えるエレベーターシステムが設置された建物での停電発生時に、停電発生現場における迅速な電力の復旧を可能とするエレベーター監視システム、エレベーター監視方法、及び、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のエレベーター監視システムは、昇降路内を走行する乗りかごを有するエレベーターと、エレベーターの故障情報を通報する故障通報装置とを備えるエレベーターシステムを監視するエレベーター監視システムである。エレベーター監視システムは、故障通報装置から送信されてくるエレベーターへの電力供給状況を含む故障情報を受信する故障通報受信部と、エレベーターシステムが電気自動車から給電される電力をエレベーターに供給する電力に変換可能な充電給電装置を備えているか否かに関するエレベーター仕様情報が格納されたエレベーター仕様情報データベースを備えるエレベーター情報記憶部を備える。また、故障通報受信部で受信した故障情報に基づいて、故障が発生したエレベーターへの電力供給状況を判定すると共に、エレベーター仕様情報に基づいて故障が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが、充電給電装置を備えているか否かを判定する状況判定部を備える。
【0010】
本発明のエレベーター監視方法は、昇降路内を走行する乗りかごを有するエレベーターと、エレベーターの故障情報を通報する故障通報装置とを備えるエレベーターシステムを監視するエレベーター監視方法において、故障通報装置から送信されてくるエレベーターへの電力供給状況を含む故障情報を受信し、受信した故障情報に基づいて、故障が発生したエレベーターへの電力供給状況を判定すると共に、故障が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが、電気自動車から給電される電力をエレベーターに供給する電力に変換可能な充電給電装置を備えているか否かを判定する。
【0011】
また、本発明のプログラムは、昇降路内を走行する乗りかごを有するエレベーターと、前記エレベーターの故障情報を通報する故障通報装置とを備えるエレベーターシステムを監視するプログラムにおいて、送信されてくるエレベーターへの電力供給状況を含む故障情報を受信するステップと、受信した前記故障情報に基づいて、故障が発生したエレベーターへの電力供給状況を判定すると共に、故障が発生しているエレベーターを備えるエレベーターシステムが、電気自動車から給電される電力をエレベーターに供給する電力に変換可能な充電給電装置を備えているか否かを判定するステップと、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、充電給電装置を備えるエレベーターシステムが設置された建物における停電発生時に、当該停電発生現場への迅速な電気自動車の出動が可能となり、電気自動車からの電力供給によるエレベーターの早期復旧が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベーター監視システム100の機能構成の一例を示したブロック図である。
【
図2】エレベーター監視システム100において、管制システム4で実行される処理手順を示したフローチャートである。
【
図3】
図2のステップS104において「YES」と判定された後に実行される車両検索手順を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る車両検索方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係る車両検索方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るエレベーター監視システム、エレベーター監視方法、及び、プログラムの一例を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。以下で説明する各図において、共通の部分には同一の符号を付している。
【0015】
1.第1の実施形態
1-1.エレベーター監視システム
図1は、本発明の第1の実施形態(以下、本実施形態と記す)に係るエレベーター監視システム100の機能構成の一例を示したブロック図である。本実施形態のエレベーター監視システム100は、停電によって閉じ込めが発生し、かつ、非常用の蓄電池が枯渇したエレベーターが設置された建物に電気自動車を派遣し、エレベーターに電気自動車から給電を行うことのできるシステムである。以下の説明では、電気自動車を単に、車両と記す場合もある。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のエレベーター監視システム100は、エレベーターシステム10と、車両管理システム5と、管制システム4とで構成される。
【0017】
[エレベーターシステム]
エレベーターシステム10は、建物内に構成されるシステムであり、エレベーター1と、故障通報装置2と、充電給電装置3とで構成される。図示を省略するが、エレベーター1は、建屋の昇降路内に設けられた乗りかごと、一端が乗りかごに取付けられた主ロープと、この主ロープの他端が取付けられ、昇降路内に吊り下げられた釣合い錘とを有している。また、エレベーター1は、主ロープが巻き掛けられた巻上機を有している。巻上機は、例えば、昇降路の上部に設けられた機械室に回転可能に設置されている。巻上機は、図示を省略するエレベーター制御部によって制御駆動される。その結果、乗りかごは、釣合い錘に対して相対的に昇降する。
【0018】
本実施形態のエレベーター1は、通常時においては、商用電源からの電力の供給によって運転駆動される。一方、停電時においては、充電給電装置3からの電力の供給によって非常時運転が実施される。また、本実施形態のエレベーター1は、図示を省略する自動着床装置を備え、停電時における乗りかごへの乗客の閉じ込め発生時において、充電給電装置3からの電力の供給により、最寄り階への着床運転を行う。
【0019】
故障通報装置2は、図示を省略するエレベーター制御部からの信号に基づいて、エレベーター1の故障情報を自動的に取得すると共に、その故障情報を管制システム4側に送信する。本実施形態において故障通報装置2で取得される情報としては、例えば、エレベーター1への電力供給状況、エレベーター1の乗りかごにおける乗客の閉じ込めに関する情報等が挙げられる。これらの故障情報は、エレベーター1の運転が、何等かの原因により非常停止した場合に、故障通報装置2において自動的に取得され、その後、故障通報装置2から公衆回線やインターネット等の通信回線を介して管制システム4側に送信される。
【0020】
充電給電装置3は、エレベーター1が設置され建物に設置され、停電時において、エレベーター1に必要な電力を給電する。充電給電装置3は、例えば、エレベーター1を設置している建物の屋上に設置した太陽光発電装置による電力やエレベーター1を停止させるための制動に伴う回生電力を、図示を省略する蓄電池に充電する。また、充電給電装置3は、電気自動車6から供給された電力を、エレベーター1側に供給する給電装置としても機能する。充電給電装置3としては、例えば、太陽光発電装置と、蓄電装置が一体に構成されたH-PCS(Hybrid Power Conditioning System)が挙げられる。
【0021】
[管制システム]
管制システム4は、登録されたエレベーター1を一括で管理する管制センター(図示を省略する)内に設置されるシステムであり、例えば、故障通報受信部41、状況判定部45、画面制御部43、画面表示部44、車両検索部46、車両情報受信部47、及び、エレベーター情報記憶部42を備える。
【0022】
故障通報受信部41は、エレベーターシステム10側から送信されてきたエレベーター1の故障情報を受信する。故障通報受信部41は、具体的には、故障が発生したエレベーター1への電力供給状況、及び、そのエレベーター1の乗りかごへの乗客の閉じ込めに関する情報を受信する。
【0023】
状況判定部45は、故障通報受信部41で受信したエレベーター1の故障情報と、後述するエレベーター情報記憶部42に格納された情報に基づいて、エレベーター1の状況を判定する。
【0024】
車両情報受信部47は、後述する車両管理システム5から送信されてくる車両情報を受信する。車両情報受信部47に送信されてくる車両情報としては、具体的には、車両管理システム5に登録されている担当営業車毎の車両(本実施形態では、電気自動車6)の利用状況、車両を使用している使用者の情報、及び、使用されている車両の位置情報等が挙げられる。車両情報受信部47で受信した車両情報は、車両検索部46に送信される。
【0025】
車両検索部46は、停電が発生したエレベーター1の情報、及び、車両情報受信部47で受信した車両情報に基づいて、利用可能な車両を検索する。車両検索部46で検索される利用可能な車両6は、具体的には、停電が発生したエレベーター1が設置された建物(停電発生現場)に派遣することができる車両である。
【0026】
画面制御部43は、状況判定部45の判定結果に基づいて、画面表示部44で表示する画像を制御する。また、画面制御部43は、車両検索部46の検索結果にも基づいて、画面表示部44に表示する画像を制御する。
【0027】
画面表示部44は、例えば液晶ディスプレイで構成され、表示機能の他、タブレット端末やスマートフォンのように、数字や文字情報を入力することができるキーボード機能(入力機能)も備えている。画面表示部44は、画面制御部43による制御の下、状況判定部45の判定結果に基づく情報、及び、車両検索部46で検索された車両に関する情報を表示する。
【0028】
エレベーター情報記憶部42は、エレベーター位置情報データベース(DB)421、エレベーター仕様情報データベース(DB)422、営業所情報データベース(DB)423、及び、管理会社情報データベース(DB)424を含む各所情報を記憶している。
【0029】
エレベーター位置情報DB421は、登録されているエレベーター1が設置されている建物の住所を含む情報が格納されたデータベースである。エレベーター仕様情報DB422は、登録されているエレベーター1を備えるエレベーターシステム10の仕様に関する情報が格納されたデータベースである。エレベーターシステム10の仕様情報として、より具体的には、電気自動車6からの供給される電力をエレベーター1の電源に変換可能な充電給電装置3を有するか否かの情報が挙げられる。
【0030】
営業所情報DB423は、管制システム4に登録されている各エレベーター1の保守点検を担当する営業所の情報が格納されたデータベースである。営業所の情報として、より具体的には、各営業所の連絡先、住所等の情報が挙げられる。管理会社情報DB424は、各エレベーター1を管理する管理会社の情報であり、各管理会社の連絡先、住所、担当者の氏名等の情報が格納されたデータベースである。
【0031】
[車両管理システム]
車両管理システム5は、管制センターや、その他、車両を管理する管理センターに設置されるシステムである。車両管理システム5は、エレベーター1の保守点検を行う営業所毎の車両情報を管理するものであり、各営業車が所有する車両(電気自動車6)の情報を管理する。本実施形態では、車両管理システム5は、車両利用登録部51、車両利用者登録部52、車両情報送信部54、車両位置取得部55、及び、車両情報記憶部53を備える。
【0032】
車両利用登録部51は、入力された各営業所が所有する車両6の利用状況を、後述する車両利用情報データベース(DB)531に登録する。車両利用者登録部52は、入力された車両6の利用者に関する情報を、後述する利用者情報データベース(DB)532に登録する。
【0033】
車両情報記憶部53は、車両利用情報データベース(DB)531、及び、利用者情報データベース(DB)532を有する。車両利用情報データベース(DB)531は、現在の車両6の利用状況に関する情報が格納されたデータベースであり、車両利用登録部51に登録された情報に基づいて随時更新される。利用者情報データベース(DB)532は、現在、車両6を利用している利用者に関する情報が格納されたデータベースであり、車両利用者登録部52に登録された情報に基づいて随時更新される。なお、車両情報記憶部53では、登録された各車両6は、各車両6を所有(管理)する営業所の識別子(ID)に紐づけられた状態で格納されている。
【0034】
車両位置取得部55は、車両管理システム5に登録された電気自動車(車両)6の位置情報送信部61から送信されてくる情報に基づいて、車両6の現在の位置情報を取得する。なお、電気自動車6の位置情報送信部61は、GPS等から取得した位置情報を、インターネット等の通信回線を介して車両位置取得部55に送信する。
【0035】
車両情報送信部54は、管制システム4から送信されてきた営業所の情報に基づいて、その営業所が所有(管理)する車両6の情報を管制システム4側に送信する。
【0036】
以上、本実施形態のエレベーター監視システム100の各機能構成について説明した。これらの機能構成は、各システムを構成するマイクロコントローラー等の情報処理装置(ハードウェア)によって実現される、各システムを構成する情報処理装置は、例えば、バスにそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性ストレージを備える。
【0037】
CPUは、各システム、又は、各システムを構成する各装置において、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROMから読み出してRAMに展開して実行する。なお、情報処理装置は、CPUの代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えてもよい。RAMには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
【0038】
不揮発性ストレージとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。この不揮発性ストレージには、OS(Operating System)の他、CPUが動作するために必要なプログラムやデータ等が格納される。不揮発性ストレージは、管制システム4のエレベーター情報記憶部42、車両管理システム5の車両情報記憶部53に相当する他、エレベーターシステム10に構成される不図示の記憶部に相当する。なお、プログラムは、ROMに格納されてもよい。
【0039】
プログラムは、CPUが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。つまり、ROM又は不揮発性ストレージは、CPUによって実行されるプログラムを格納した、CPUが読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
【0040】
1-2.エレベーター監視方法
次に、本実施形態のエレベーター監視システム100で実施されるエレベーター監視方法の処理手順について説明する。
図2は、エレベーター監視システム100において、管制システム4で実行される処理手順を示したフローチャートである。
【0041】
図2のフローチャートは、故障通報受信部41が、エレベーターシステム10の故障通報装置2から、エレベーター1が設置された建物におけるエレベーター1の緊急停止情報を含む故障情報を受信した時点でスタートする。
【0042】
まず、故障通報受信部41は、エレベーターシステム10側の故障通報装置2から、エレベーター1への電力供給状況、及び、停止したエレベーター1の乗りかごにおける乗客の閉じ込めの有無に関する情報を受信する(ステップS101)。
【0043】
次に、状況判定部45は、ステップS101で受信した情報に基づいて、エレベーター1への電力の供給が停止しているか否かを判定する(ステップS102)。例えば、商用電源、又は、停電時に用いられる充電給電装置3からの電力の供給が停止している場合には、ステップS102において「YES」と判定される。また、停電により商用電源からの電力の供給が停止しており、かつ、エレベーターシステム10が充電給電装置3を備えていない場合にも、ステップS102において「YES」と判定される。
【0044】
一方、商用電源、又は、停電時に用いられる充電給電装置3からの電力の供給が有ると判定された場合には、ステップS102において「NO」と判定される。
【0045】
ステップS102において、「NO」と判定された場合には、ステップS107に進む。ステップS107では、画面制御部43は、ステップS102における判定結果に基づいて、画面表示部44を制御する。これにより、管制システム4の画面表示部44には、非停電による閉じ込めが発生している旨が表示される。そして、
図2に示すフローは終了する。
【0046】
ステップS102において、「YES」と判定された場合には、ステップS103に進む。ステップS103では、状況判定部45は、エレベーター情報記憶部42に記憶されたエレベーター仕様情報DB422から、該当するエレベーターシステム10に関する情報を取得する。ここでは、故障通報装置2から送信されてきたエレベーター1の識別番号に基づいて、該当するエレベーターシステム10の情報をエレベーター仕様情報DB422から抽出する。
【0047】
次に、状況判定部45は、ステップS103で取得した情報に基づいて、該当するエレベーターシステム10が充電給電装置3を備えているか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において、「NO」と判定された場合、すなわち、該当するエレベーターシステム10が充電給電装置3を備えていない場合には、ステップS106に進む。ステップS106では、画面制御部43は、ステップS104における判定結果に基づいて画面表示部44を制御し、画面表示部44に、停電による閉じ込めが発生している旨を表示する。
【0048】
一方、ステップS104において、「YES」と判定された場合、すなわち、該当するエレベーターシステム10が充電給電装置3を備えていると判定された場合には、ステップS105に進む。ステップS105では、画面制御部43は、ステップS104における判定結果に基づいて画面表示部44を制御し、画面表示部44に、停電による閉じ込めが発生している旨と、電気自動車6を充電給電装置3に接続することで早期救出が可能な旨を表示する。
【0049】
このように、本実施形態では、閉じ込めが発生しているエレベーターシステム10が、充電給電装置3を備えており、かつ、充電給電装置3の電力も枯渇している場合には、ステップS104において「YES」と判定される。これにより、管制システム4が設けられた管制センターの管理人に対して、電気自動車6の派遣により閉じ込められた乗客を早期に救出することができるという情報を提示することができる。
【0050】
一方、エレベーターシステム10において発生した閉じ込めが、電力供給の停止によるものではない場合や、閉じ込めが発生したエレベーターシステム10に充電給電装置3自体が設置されていない場合には、ステップS106及びステップS107の情報を提示する。これにより、管制センターでは、該当するエレベーターシステム10の保守点検を担当する営業所に対して、閉じ込めが発生したエレベーター1が設置された建物への保守員の派遣を要請することができる。
【0051】
次に、
図2のフローのステップS104において「YES」と判定された場合に、さらに、管制システム4側で実行されるフローについて説明する。
図3は、
図2のステップS104において「YES」と判定された後に実行される車両検索手順を示すフローチャートである。すなわち、
図3のフローチャートは、
図2のステップS104で「YES」と判定された後にスタートする。
【0052】
まず、車両検索部46は、ステップS104の状況判定部45の判定結果に基づいて、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10で、停電による閉じ込めが発生していることを確認する(ステップS201)。
【0053】
次に、車両検索部46は、該当するエレベーターシステム10に関する情報をエレベーター情報記憶部42から抽出する(ステップS202)。ここでは、エレベーター情報記憶部42の営業所情報データベース(DB)423から、該当するエレベーターシステム10の保守点検を担当する営業所の識別子(ID)と、その担当営業所の連絡先を抽出する。
【0054】
次に、車両検索部46は、ステップS202で抽出した担当営業所の識別子(ID)に基づいて、車両管理システム5から、その担当営業所が所有する車両6の利用状況を抽出する(ステップS203)。ステップS203では、まず、管制システム4側から車両管理システム5側に、車両情報受信部47を介して担当営業所の識別子(ID)を送信する。次に、車両情報送信部54は、担当営業所の識別子(ID)に基づいて車両情報記憶部53の車両利用情報データベース(DB)531、及び、利用者情報データベース(DB)532から、担当営業所が所有する車両6の利用状況、及び、利用者情報を抽出する。その後、車両情報送信部54は抽出した情報を管制システム4側に送信する。
【0055】
なお、ステップS202において、抽出される車両の利用状況としては、車両6の利用の有無であっても、現在未使用の車両数であってもよい。本実施形態では、現在未使用の車両数を抽出する場合を例に説明を続ける。以上のようにして、管制システム4側では、該当するエレベーターシステム10の保守点検を担当している担当営業所が所有(管理)する車両6の情報を取得することができる。
【0056】
次に、画面制御部43は、ステップS202及びステップS203において抽出された情報に基づいて画面表示部44を制御し、ステップS202及びステップS203で抽出された各種情報を画面表示部44に表示する。ここで、画面表示部44に表示される情報は、担当営業所の識別子(ID)、担当営業所の連絡先、及び、担当営業所が所有する車両6の利用状況(未使用の車両数)に関する情報である。
【0057】
このように、本実施形態では、管制システム4の画面表示部44に、停電が発生しているエレベーターシステム10の保守点検を担当する担当営業所の情報、及び、その担当営業所が所有する車両6の利用状況を提示することができる。管制センターの管制員は、画面表示部44に表示された情報に基づいて、担当営業所に未使用の車両6が有ると確認した場合には、担当営業所に対して、未使用の車両6を停電が発生しているエレベーターシステム10に派遣するように要請を出すことができる。これにより、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10において停電による閉じ込めが発生している場合に、担当営業所から、素早く、給電可能な車両6を派遣することができる。この結果、充電給電装置3への電気自動車6からの給電が可能になり、閉じ込められた乗客の早期の救出を図ることができる。
【0058】
2.第2の実施形態(車両検索方法が異なる例)
次に、本発明の第2の実施形態に係るエレベーター監視方法について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る車両検索方法を示すフローチャートである。第2の実施形態では、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10で停電による閉じ込めが発生した場合に実行される車両検索に係る手順が、第1の実施形態と異なる例である。すなわち、
図2のステップS104において、「YES」と判定された後に実行される処理手順が、第1の実施形態と異なる。その他、エレベーター監視システム100の機能構成については、第1の実施形態と同様であるため、図示を省略し、重複説明を省略する。
【0059】
まず、車両検索部46は、ステップS104の状況判定部45の判定結果に基づいて、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10で、停電が発生していることを確認する(ステップS301)。
【0060】
次に、車両検索部46は、該当するエレベーターシステム10に関する情報をエレベーター情報記憶部42から抽出する(ステップS302)。ここでは、エレベーター情報記憶部42の営業所情報データベース(DB)423から、該当するエレベーターシステム10の保守点検を担当する営業所の識別子(ID)と、その担当営業所の連絡先を抽出する。さらに、エレベーター情報記憶部42のエレベーター位置情報データベース(DB)421から停電が発生しているエレベーターシステム10の地図上の位置を抽出する。
【0061】
次に、車両検索部46は、ステップS302で抽出した担当営業所の識別子(ID)に基づいて、車両管理システム5から、その担当営業所が所有する車両6のうち、使用中の車両に関する情報を抽出する(ステップS303)。
【0062】
ステップS303では、まず、管制システム4から車両管理システム5側に、車両情報送信部54を介して担当営業所の識別子(ID)を送信する。次に、車両情報送信部54は、担当営業所の識別子(ID)に基づいて車両情報記憶部53の車両利用情報データベース(DB)531から使用中の車両情報を取得し、利用者情報データベース(DB)532から使用中の車両を利用している利用者情報を取得する。さらに、車両管理システム5では、車両位置取得部55が、それぞれの車両6に設けられた位置情報送信部61から送信されてきた使用中の車両の位置情報を取得する。そして、車両情報送信部54は、使用中の車両情報、使用中の車両6の利用者情報(氏名、連絡先)、及び、使用中の車両6の位置情報を管制システム4側に送信する。
【0063】
次に、車両検索部46は、エレベーターシステム10の位置情報、及び、使用中の車両6の情報に基づいて、該当のエレベーターシステム10が設置された地図上の位置から一定の範囲内(距離内)に使用中の車両6が存在するか否かを判定する(ステップS304)。ステップS304において、「NO」と判定された場合、すなわち、対象となるエレベーターシステム10の位置から一定の範囲内に使用中の車両が無いと判定された場合には、ステップS307に進む。
【0064】
ステップS307では、画面制御部43は、ステップS304の判定結果に基づいて画面表示部44を制御し、該当のエレベーターシステム10が設置された位置を中心とした地図と、近くに使用中の車両6が存在しないというメッセージを表示する。
【0065】
一方、ステップS304において、「YES」と判定された場合、すなわち、該当のエレベーターシステム10の位置から一定の範囲(距離)内に使用中の車両6が存在すると判定された場合には、ステップS305に進む。
【0066】
ステップS305では、車両検索部46は、該当のエレベーターシステム10が設置された地図上の位置から一定の範囲内に存在する車両6が複数台検出された場合に、該当のエレベーターシステム10の設置位置に近い順に並べ替える(ステップS305)。検出された車両6が1台である場合には並べ替えは為されない。
【0067】
次に、画面制御部43は、ステップS304及びステップS305で得られる情報に基づいて画面表示部44を制御し、エレベーター1の停電発生現場へ出動可能な車両6の情報を表示する。ここでは、画面表示部44は、画面制御部43の制御のもと、例えば、該当するエレベーターシステム10が設置された位置を中心とした地図と、該当するエレベーターシステム10の地図上の位置から所定の範囲内に居る車両6の地図上の位置を表示する。さらに、画面表示部44は、地図上に表示された車両6を利用している利用者の氏名、及び、連絡先のリストを表示する。このリストは、車両6の位置が、該当するエレベーターシステム10の位置から近い順に並べ替えられたリストである。
【0068】
本実施形態では、管制センターの管制員は、ステップS306で表示される地図とリストを参照し、該当するエレベーターシステム10の位置に近い現場にいる車両利用者に連絡することができる。これにより、より早く、停電による閉じ込めが発生している現場に、車両6を派遣し、かつ、派遣された車両6から充電給電装置3への給電を実行することができる。このように、車両6(電気自動車)からエレベーターシステム10の充電給電装置3への充電をより迅速に実行することができ、より早く、エレベーター1を稼働させることができる。
【0069】
以上のように、第2の実施形態においても、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10において、停電によるエレベーター1内での閉じ込めから、乗客の救出を速やかに行うことができる。
【0070】
なお、第2の実施形態では、ステップS303において、使用中の車両6の位置情報を取得する構成としているが、これ加えて、使用中の車両6の電力状況を取得する構成としてもよい。そして、ステップS305において、使用中の車両6の位置条件に加え、使用中の車両6の電力状況に応じて、派遣可能な車両6の派遣優先順位を決定することで、より、的確な救出作業を実行することができる。
【0071】
ところで、第1及び第2の実施形態は、エレベーターシステム10の保守点検を担当する担当営業所が所有する車両を検索し、担当営業所が所有(管理)する車両6を、閉じ込めが発生した現場により早く派遣することを目的とした構成であった。しかしながら、本発明は、これに限られるものではなく、例えば、エレベーターシステム10が設置された建物を管理する管理会社に、電力の供給が可能な車両(電気自動車)6の派遣を要請する構成としてもよい。以下に、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10において停電が発生した場合に、管理会社に連絡するまでに実行される処理手順について説明する。
【0072】
3.第3の実施形態(車両検索方法が異なる例)
本発明の第3の実施形態に係るエレベーター監視方法について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る車両検索方法を示すフローチャートである。第3の実施形態では、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10において、停電によるエレベーター1への閉じ込めが発生した場合に実行される車両検索手順が、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる例である。すなわち、
図2のステップS104において、「YES」と判定された後に実行される処理手順が、第1の実施形態、及び、第2の実施形態と異なる。その他、エレベーター監視システム100の機能構成については、第1の実施形態と同様であるため、図示を省略し、重複説明を省略する。
【0073】
まず、車両検索部46は、ステップS104の状況判定部45の判定結果に基づいて、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10で、停電による閉じ込めが発生していることを確認する(ステップS401)。
【0074】
次に、車両検索部46は、エレベーター情報記憶部42の管理会社情報データベース(DB)424から、停電が発生したエレベーターシステム10を管理する管理会社の情報を抽出する。管理会社の情報としては、管理会社、及び、管理会社に所属する担当者の氏名、管理会社の連絡先、及び、電気自動車で現場出動できるか否かに関する情報が挙げられる。
【0075】
次に、車両検索部46は、ステップS402で抽出した情報に基づいて、管理会社の担当者が、電気自動車6で停電発生現場へ出動可能か否かを判定する(ステップS403)。ステップS403において、「NO」と判定された場合、すなわち、管理会社からの電気自動車6の出動は不可能であると判定された場合には、
図5のフローを終了する。
【0076】
一方、ステップS403において「YES」と判定された場合、すなわち、管理会社からの電気自動車6の出動が可能であると判定された場合には、ステップS404に進む。ステップS404では、画面制御部43は、ステップS403の判定結果に基づいて画面表示部44を制御し、管理会社の担当者が電気自動車6で停電発生現場へ出動可能な旨を表示する。具体的には、該当するエレベーターシステム10を管理する管理会社、及び、管理会社に所属する担当者の氏名、管理会社の連絡先、管理会社への依頼内容を表示する。依頼内容は、具体的には、該当のエレベーターシステム10が設置された現場へ電気自動車で出動し、電気自動車6を充電給電装置3に接続する趣旨の内容を含む。
【0077】
第3の実施形態では、ステップS404によって画面表示部44に表示された内容を管制員が確認し、管制員が該当する管理会社に連絡して電気自動車6での出動を要請することができる。このように、第3の実施形態では、充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10において、停電による閉じ込めが発生した際に、管理会社への電気自動車6での出動要請を速やかに行うことができる。
【0078】
以上のように、本発明によれば、電気自動車6からの充電が可能であり、かつ、エレベーター1への給電が可能な充電給電装置3を備えるエレベーターシステム10において、充電給電装置3の電力が枯渇した場合にも、現場への電気自動車6の出動を速やかに行うことができる。また、本発明によれば、管理会社や、担当営業所における出動可能な車両状況を管制センター側で把握することができるため、管制員は、停電による閉じ込めが発生したエレベーター1に対する対応を迅速に決定することができる。
【0079】
上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成について他の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…エレベーター、2…故障通報装置、3…充電給電装置。4…管制システム、5…車両管理システム、6…電気自動車、10…エレベーターシステム、41…故障通報受信部、42…エレベーター情報記憶部、43…画面制御部、44…画面表示部、45…状況判定部、46…車両検索部、47…車両情報受信部、51…車両利用登録部、52…車両利用者登録部、53…車両情報記憶部、54…車両情報送信部、55…車両位置取得部、61…位置情報送信部、100…エレベーター監視システム