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特開2024-179542配線コードのクランプ構造及び車両用灯具
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  • 特開-配線コードのクランプ構造及び車両用灯具 図1
  • 特開-配線コードのクランプ構造及び車両用灯具 図2
  • 特開-配線コードのクランプ構造及び車両用灯具 図3
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  • 特開-配線コードのクランプ構造及び車両用灯具 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179542
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】配線コードのクランプ構造及び車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20241219BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20241219BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098470
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】田村 弘幸
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014BA03
(57)【要約】
【課題】フック部を設けるスペースが狭くなる場合でも、フック部を弾性変形させるのに十分な長さを確保することを可能とした配線コードのクランプ構造を提供する。
【解決手段】第1部材2から突出された第1フック部4と、第1部材2と向かい合う第2部材3から突出された第2フック部5とを有し、第1部材2は、開口部6を有し、第2フック部5は、第1フック部4よりも長く、開口部6を通して第1フック部4と同一方向に突出して設けられ、第1フック部4と第2フック部5との間の空間に配線コードCが保持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材から突出された第1フック部と、
前記第1部材と向かい合う第2部材から突出された第2フック部とを有し、
前記第1部材は、開口部を有し、
前記第2フック部は、前記第1フック部よりも長く、前記開口部を通して前記第1フック部と同一方向に突出して設けられ、
前記第1フック部と前記第2フック部との間の空間に配線コードが保持される配線コードのクランプ構造。
【請求項2】
前記第2フック部は、前記第1フック部よりも弾性変形可能に設けられている請求項1に記載の配線コードのクランプ構造。
【請求項3】
前記第1フック部及び第2フック部は、それぞれの先端側に返し部を有する請求項1に記載の配線コードのクランプ構造。
【請求項4】
前記配線コードを保持する空間を挟んで、1つの前記第1フック部と1つの前記第2フック部とが向かい合った状態で配置されている請求項1に記載の配線コードのクランプ構造。
【請求項5】
前記配線コードを保持する空間を挟んで、2つの前記第1フック部と1つの前記第2フック部とが向かい合った状態で配置されている請求項1に記載の配線コードのクランプ構造。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の配線コードのクランプ構造を備える車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線コードのクランプ構造及び車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載される車両用灯具は、前面が開口したハウジングと、ハウジングの開口を覆うアウターレンズ(カバーレンズ)とにより構成される灯体の内側に、光源やインナーレンズ、リフレクタ、エクステンションなどの部品を配置し、これらの部品を灯体の内側に取り付けた構造を有している。
【0003】
ところで、上述した車両用灯具では、車両走行時の振動などによって灯体内で引き回される配線コードが動くことがないように、ハウジング等にフック部を設けて、配線コードを保持(クランプ)することが行われている(例えば、下記特許文献1,2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-130367号公報
【特許文献2】特開2010-211978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、灯体内にフック部を設ける場合、フック部を撓ませる(弾性変形させる)のに十分なフック部の長さが必要となるものの、灯体内にフック部を設けるのに必要なスペースを確保できなくなることがあった。
【0006】
この場合、フック部に配線コードを保持(クランプ)する際の作業性が悪くなり、場合によってフック部が破損してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、フック部を設けるスペースが狭くなる場合でも、フック部を弾性変形させるのに十分な長さを確保できる配線コードのクランプ構造、並びに、そのような配線コードのクランプ構造を備えた車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 第1部材から突出された第1フック部と、
前記第1部材と向かい合う第2部材から突出された第2フック部とを有し、
前記第1部材は、開口部を有し、
前記第2フック部は、前記第1フック部よりも長く、前記開口部を通して前記第1フック部と同一方向に突出して設けられ、
前記第1フック部と前記第2フック部との間の空間に配線コードが保持される配線コードのクランプ構造。
〔2〕 前記第2フック部は、前記第1フック部よりも弾性変形可能に設けられている前記〔1〕に記載の配線コードのクランプ構造。
〔3〕 前記第1フック部及び第2フック部は、それぞれの先端側に返し部を有する前記〔1〕に記載の配線コードのクランプ構造。
〔4〕 前記配線コードを保持する空間を挟んで、1つの前記第1フック部と1つの前記第2フック部とが向かい合った状態で配置されている前記〔1〕に記載の配線コードのクランプ構造。
〔5〕 前記配線コードを保持する空間を挟んで、2つの前記第1フック部と1つの前記第2フック部とが向かい合った状態で配置されている前記〔1〕に記載の配線コードのクランプ構造。
〔6〕 前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の配線コードのクランプ構造を備える車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、フック部を設けるスペースが狭くなる場合でも、フック部を弾性変形させるのに十分な長さを確保できる配線コードのクランプ構造、並びに、そのような配線コードのクランプ構造を備えた車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る配線コードのクランプ構造を備えた車両用灯具を示す斜視図である。
図2図1に示す配線コードのクランプ構造を示す正面図である。
図3図2中に示す線分A-Aによる配線コードのクランプ構造の断面図である。
図4】配線コードのクランプ構造の別の構成を示す正面図である。
図5】配線コードのクランプ構造を備えた車両用灯具の別の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば図1図3に示す配線コードのクランプ構造を備えた車両用灯具1について説明する。
【0013】
なお、図1は、配線コードCのクランプ構造を備えた車両用灯具1を示す斜視図である。図2は、配線コードCのクランプ構造を示す正面図である。図3は、図2中に示す線分A-Aによる配線コードCのクランプ構造の断面図である。
【0014】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(奥行方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0015】
本実施形態の車両用灯具1は、前面が開口したハウジングと、ハウジングの開口を覆うアウターレンズ(カバーレンズ)とにより構成される灯体の内側に、光源やインナーレンズ、リフレクタ、エクステンションなどの部品を配置し、これらの部品を灯体の内側に取り付けた構造を有している。
【0016】
また、本実施形態の車両用灯具1は、図1図3に示すように、車両走行時の振動などによって灯体内で引き回される配線コードCが動くことがないように、第1部材2となるリフレクタと、第2部材3となるハウジングとの間に、配線コードCを保持(クランプ)する構造(以下、「クランプ構造」という。)を備えている。
【0017】
具体的に、本実施形態のクランプ構造は、第1部材2から突出された第1フック部4と、第1部材2と向かい合う第2部材3から突出された第2フック部5とを有している。
【0018】
第2フック部5は、第1フック部4よりも長く、第1部材2に設けられた開口部6を通して第1フック部4と同一方向に突出して設けられている。
【0019】
本実施形態では、第1フック部4が第1部材2の開口部6の上方から第1部材2の前方に向かって突出して設けられている。一方、第2フック部5が第1部材2の開口部6を貫通した状態で、第1フック部4の下方から第2部材3の前方に向かって突出して設けられている。
【0020】
第1フック部4と第2フック部5とは、それぞれの第1部材2から先端までの長さが同じとなり、且つ、互いに平行に向かい合った状態で配置されている。一方、第2フック部5は、第1フック部4よりも長いため、第1フック部4よりも撓み変形(弾性変形)可能に設けられている。
【0021】
また、第2フック部5を撓み変形(弾性変形)し易くするため、第2部材3に弾性率の低い材料(柔らかい材料)を用いて、第2フック部5を形成してもよい。一方、第1フック部4は、必ずしも撓み変形(弾性変形)させる必要がないため、第1部材2の材質については特に限定されるものではない。
【0022】
第1フック部4及び第2フック部5は、それぞれの先端側に返し部4a,5aを有している。第1フック部4の返し部4aと第2フック部5の返し部5aとは、第1フック部4と第2フック部5との互いに向かい合う側から突出している。返し部4a,5aは、第1フック部4及び第2フック部5の先端側に向かって傾斜している。これにより、第1フック部4の返し部4aと第2フック部5の返し部5aとの間は、第1フック部4及び第2フック部5の先端側から基端側に向かって漸次狭くなっている。
【0023】
以上のような構成を有する本実施形態のクランプ構造では、第1フック部4と第2フック部5との間の空間Kに配線コードCを保持する。
【0024】
なお、本実施形態における配線コードCは、複数の配線をチューブにより結束した構成となっている。本実施形態のクランプ構造は、配線コードCのチューブにより結束された部分を保持している。
【0025】
具体的に、この配線コードCを第1フック部4と第2フック部5との間の空間Kに保持する際は、第1フック部4の返し部4aと第2フック部5の返し部5aとの間に配線コードCを押し当てながら、配線コードCを第1フック部4と第2フック部5との間に配線コードCを挿入する。
【0026】
このとき、第1フック部4よりも長い第2フック部5が第1フック部4とは離間する方向に撓み変形(弾性変形)した後、配線コードCが返し部4a,5aを乗り越えることによって、第1フック部4が元の位置へと弾性復帰する。これにより、第1フック部4と第2フック部5との間の空間Kに配線コードCが保持される。
【0027】
一方、第1フック部4と第2フック部5との間から配線コードCを取り外す際は、指等を用いて第2フック部5を第1フック部4とは離間する方向に撓み変形(弾性変形)させた状態で、第1フック部4と第2フック部5との間から配線コードCを離脱すればよい。
【0028】
以上のように、本実施形態のクランプ構造では、第1部材2となるリフレクタと第3部材7となるインナーレンズとの間のスペースSが狭くなる場合でも、第2フック部5を撓み変形(弾性変形)させるのに十分な長さを確保することが可能である。
【0029】
したがって、本実施形態の車両用灯具1では、上述した本実施形態のクランプ構造を備えることによって、第1フック部4と第2フック部5との間に配線コードを保持(クランプ)する際の作業性が悪くなったり、第1フック部4及び第2フック部5が破損したりすることを防ぐことが可能である。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
例えば、本実施形態のクランプ構造では、上述した図2に示すように、配線コードCを保持する空間Kを挟んで、1つの第1フック部4と1つの第2フック部5とが向かい合った状態で配置された構成となっている。
【0032】
これに対して、例えば図4に示すように、配線コードCを保持する空間Kを挟んで、2つの第1フック部4と1つの第2フック部5とが向かい合った状態で配置された構成とし、これら2つの第1フック部4と1つの第2フック部5との間の空間Kに配線コードCを保持する構成としてもよい。
【0033】
さらに、本実施形態のクランプ構造は、上述した配線コードCの延長方向に間隔を設けて複数並べて配置した構成とすることが可能である。
【0034】
なお、本実施形態のクランプ構造では、上述した水平方向(車両用灯具1の幅方向)に延長された配線コードCを第1フック部4及び第2フック部5により保持する構成となっているが、配線コードCの延長方向に応じて第1フック部4及び第2フック部5の配置する向きを適宜変更することが可能である。
【0035】
また、上記車両用灯具1では、上述した図3に示すように、第1部材2となるリフレクタから突出された第1フック部4と、第2部材3となるハウジングから突出された第2フック部5との間で配線コードCを保持する構成となっている。
【0036】
また、第2部材3となるハウジングは、第1部材2に向かって突出したボス8と、ボス8の先端にネジ9が螺合されるネジ穴8aとを有している。また、第1部材2となるリフレクタは、ネジ9を貫通させる孔部10を有している。一方、第3部材7となるインナーレンズは、ネジ9を貫通させる孔部11を有している。
【0037】
上記構成とすることで、インナーレンズ7と第2部材3となるハウジングで第1部材2となるリフレクタをネジ9にて共締めにより固定することができる。
【0038】
これに対して、例えば図5に示すように、第1部材2となるリフレクタから突出された第1フック部4と、第2部材3となるインナーレンズから突出された第2フック部5との間で配線コードCを保持する構成としてもよい。
【0039】
この場合、第1部材2となるリフレクタと第3部材7となるハウジングとの間のスペースSが狭くなる場合でも、第2フック部5を撓み変形(弾性変形)させるのに十分な長さを確保することが可能である。
【0040】
なお、図5に示す構成において、第1部材2となるリフレクタは、第2部材3に向かって突出したボス8と、ボス8の先端にネジ9が螺合されるネジ穴8aとを有している。一方、第2部材3となるインナーレンズは、ネジ9を貫通させる孔部11を有している。
【0041】
なお、上記車両用灯具1を構成する部材のうち、第1フック部4を形成する第1部材2及び第2フック部5を形成する第2部材3については、上述した構成に必ずしも限定されるものではなく、その構成の組み合わせについて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…車両用灯具 2…第1部材 3…第2部材 4…第1フック部 5…第2フック部 6…開口部 C…配線コード K…空間 S…スペース
図1
図2
図3
図4
図5