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特開2024-179551情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179551
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20241219BHJP
   G16H 50/00 20180101ALI20241219BHJP
【FI】
G06F9/44
G16H50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098484
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000191076
【氏名又は名称】日鉄ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】河野 秀樹
【テーマコード(参考)】
5B376
5L099
【Fターム(参考)】
5B376AA23
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】複数の提供元それぞれにおけるデータの管理方法にばらつきがある状況下においても、リモートでの当該データの利活用をより好適な態様で実現する。
【解決手段】 1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付手段と、前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新手段と、前記更新手段により更新された前記一連の処理を実行する処理手段と、を備える、情報処理装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付手段と、
前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された前記一連の処理を実行する処理手段と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータが、前記依頼の依頼先及び依頼元のいずれに属するデータかに応じて、当該一連の処理中の前記タイミングと、当該一連の処理に追加する前記第2の処理単位と、を特定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータが、前記依頼先に属するデータの場合に、前記一連の処理中における、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データの少なくとも一部に加工を施すための前記第2の処理単位を追加する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータが、前記依頼元に属するデータの場合に、前記一連の処理中における、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、当該第1の処理単位の実行結果を対象とした検査に係る前記第2の処理単位を追加する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報の種別に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データに含まれる少なくとも一部の情報に加工を施すための前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報が秘匿対象として設定された情報の種別の場合に、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データに含まれる当該情報に対して当該情報の秘匿に係る処理を施すための前記第2の処理単位を追加する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータのフォーマットに応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データのフォーマットを変換するための前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータのフォーマットが所定のフォーマットと異なる場合に、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データのフォーマットを前記所定のフォーマットに変換するための前記第2の処理単位を追加する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報に使用されている、対象を特定するためのコードの種別に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該コードを変換するための前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータの状態に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データにクレンジング処理を施すための前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報の種別に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、前記第1の処理単位の実行結果を対象とした検査に係る前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに設定されたアクセス権限に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該アクセス権限を変更するための前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに設定されたアクセス権限に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、前記第1の処理単位の実行結果に応じて、当該アクセス権限を変更するための前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記更新手段は、前記一連の処理の少なくとも一部の前記第1の処理単位の実行結果が他の情報処理装置による処理に利用される場合に、当該第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、当該第1の処理単位の実行結果を当該他の情報処理装置が参照可能な領域に保持させる前記第2の処理単位を追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付ステップと、
前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新ステップと、
前記更新ステップにおいて更新された前記一連の処理を実行する処理ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付ステップと、
前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新ステップと、
前記更新ステップにおいて更新された前記一連の処理を実行する処理ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の発展に伴い、遠隔地に設置された情報処理装置(例えば、サーバ等)にインターネット等のネットワーク介してアクセスすることで、当該情報処理装置にて管理されているデータを利用することが可能となってきている。特に近年では、大規模データの利活用が注目されており、例えば、遠隔地に点在する種々の機関のサーバ等にリモートでアクセスすることで、当該機関で管理されているデータを種々の分析に利用可能とする技術の検討も行われている。このような技術の一例として、PHT(Personal Health Train)と称される技術が挙げられる。
PHTでは、依頼元から送出トレインと称される仮想化コンテナが、ステーションと称される各機関の管理下にある情報処理装置を巡回し、各ステーションにおいて従前に設定されたワークフローを実行し、その結果を保持して依頼元に持ち帰る。このような仕組みにより、例えば、データの提供先となるユーザ(例えば、分析者等)は、各機関において管理されたデータを対象とした所望の処理の実行結果を、ネットワークを介して取得することが可能となる。
また、特許文献1には、ネットワークを介した大規模データの利活用に係る技術の一例として、ストリーミングコンピューティングと称される技術の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-013649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、前述したPHTが適用されるケースのように、互いに異なる複数の機関(データの提供元)で管理されているデータを対象として分析等の処理が実行されるような状況下では、機関ごとにデータの管理方法にばらつきがあることも少なくない。このように、データの提供元となる機関ごとにデータの管理方法にばらつきがある状況下では、当該データの利活用に際して、意図する結果が得ることが困難となる場合がある。
【0005】
本発明は上記の問題を鑑み、複数の提供元それぞれにおけるデータの管理方法にばらつきがある状況下においても、リモートでの当該データの利活用をより好適な態様で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、ネットワークを介して1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を受け付ける受付手段と、前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新手段と、前記更新手段により更新された前記一連の処理を実行する処理手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の提供元それぞれにおけるデータの管理方法にばらつきがある状況下においても、リモートでの当該データの利活用をより好適な態様で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムのシステム構成の一例を示した図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
図3】PHTの概要について説明するための図である。
図4】情報処理システムの概略的な構成の一例を示した図である。
図5】ワークフローの更新に係る処理の一例について概要を示した図である。
図6】ワークフローの更新結果の一例について概要を示した図である。
図7】情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図8】ワークフローの実行に係る設定の一例を示した図である。
図9A】情報処理システムの処理の一例を示したフローチャートである。
図9B】情報処理システムの処理の一例を示したフローチャートである。
図9C】情報処理システムの処理の一例を示したフローチャートである。
図9D】情報処理システムの処理の一例を示したフローチャートである。
図10】情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図11】複数機関を協調させる場合の処理の一例を説明するための図である。
図12】複数機関を協調させる場合の処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、本開示においてワークフローとは、1以上の処理が所定の順序で順次実行されるように並べて規定された一連の処理を示すものとする。また、本開示では、ワークフローを構成する個々の処理を、ワークフローに相当する一連の処理と明示的に区別するために、処理単位と称する場合がある。
【0010】
<システム構成>
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の機関(例えば、医療機関)で管理されているデータを対象として、リモートでの分析等の種々の処理の実行を実現するためのシステムである。情報処理システム1は、データの提供元(分析等の処理の依頼先)となる機関の管理下にある1以上の情報処理装置100と、データの提供先(分析等の処理の依頼元)の管理下にある端末装置200とを含む。図1に示す例では、1以上の情報処理装置100として、情報処理装置100a~100cが示されている。1以上の情報処理装置100(例えば、情報処理装置100a~100c)のそれぞれと、端末装置200とは、ネットワークN1を介して相互に情報を送受信可能に接続されている。
【0011】
情報処理システム1を構成する各装置間を接続するネットワークN1の種別は特に限定されない。具体的な一例として、ネットワークN1は、LAN(Local Area Network)、インターネット、専用線、または、WAN(Wide Area Network)等により構成されていてもよい。また、ネットワークN1は、有線のネットワークにより構成されていてもよいし、無線のネットワークにより構成されていてもよい。また、ネットワークN1は、複数のネットワークを含んでもよく、一部のネットワークとして、他のネットワークとは異なる種別のネットワークが含まれてもよい。また、各装置間の通信が論理的に確立されていればよく、ネットワークN1の物理的な構成は特に限定されない。具体的な一例として、各装置間の通信が他の通信装置等により中継されてもよい。加えて、情報処理システム1を構成する一連の装置が、必ずしも共通のネットワークに接続されていなくてもよい。すなわち、情報やデータの送受信が行われる装置間の通信を確立することが可能であれば、一部の装置と他の装置とのそれぞれが直接接続されるネットワークが異なっていてもよい。
【0012】
情報処理装置100は、上述したようにデータの提供元となる機関の管理下にある情報処理装置を模式的に示しており、例えば、サーバ等のような通信機能を有する情報処理装置により実現される。情報処理装置100は、後述する端末装置200からワークフローの実行に係る依頼を受け付け、当該依頼の内容に応じて、自身が管理するデータを対象とした当該ワークフローの実行を制御する。また、本実施形態に係る情報処理装置100は、受け付けた上記依頼の内容に応じて、対象となるワークフロー中に、対象となるデータ中に含まれる情報の保護や当該データのフォーマットの制御等を行うための種々の処理単位を追加することで、当該ワークフローを更新する。情報処理装置100による同処理については、詳細を別途後述する。
【0013】
端末装置200は、分析等の処理の依頼元となるユーザ、換言すると情報処理装置100が管理するデータの提供先となるユーザの管理下にある情報処理装置を模式的に示しており、例えば、PC(Personal Computer)やサーバ等のような通信機能を有する情報処理装置により実現される。端末装置200は、分析等の処理の依頼元となるユーザから実行対象となる処理の条件や当該処理の対象となるデータや情報の条件等の指定を受けてワークフローを生成し、当該ワークフローの実行に係る依頼を情報処理装置100に送信する。なお、本実施形態では、情報処理システム1の特徴をより分かりやすくするために、PHT(Personal Health Train)と称される技術が適用される場合に着目して説明を行うものとする。PHTについては別途概要を後述する。
【0014】
<ハードウェア構成>
図2を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムを構成する装置(例えば、図1に示す情報処理装置100及び200等)として適用可能な情報処理装置900のハードウェア構成の一例について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)910と、ROM(Read Only Memory)920と、RAM(Random Access Memory)930とを含む。また、情報処理装置900は、補助記憶装置940と、ネットワークI/F970とを含む。また、情報処理装置900は、出力装置950と、入力装置960とのうち少なくともいずれかを含んでもよい。CPU910と、ROM920と、RAM930と、補助記憶装置940と、出力装置950と、入力装置960と、ネットワークI/F970とは、バス980を介して相互に接続されている。
【0015】
CPU910は、情報処理装置900の各種動作を制御する中央演算装置である。例えば、CPU910は、情報処理装置900全体の動作を制御してもよい。ROM920は、CPU910で実行可能な制御プログラムやブートプログラム等を記憶する。RAM930は、CPU910の主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。
【0016】
補助記憶装置940は、各種データや各種プログラムを記憶する。補助記憶装置940は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)に代表される不揮発性メモリ等のような、各種データを一時的または持続的に記憶可能な記憶デバイスにより実現される。
【0017】
出力装置950は、各種情報を出力する装置であり、ユーザに対する各種情報の提示に利用される。例えば、出力装置950は、ディスプレイ等の表示デバイスにより実現され得る。この場合には、出力装置950は、各種表示情報を表示させることで、ユーザに対して情報を提示する。また、他の一例として、出力装置950は、音声や電子音等の音を出力する音響出力デバイスにより実現されてもよい。この場合には、出力装置950は、音声や電信等の音を出力することで、ユーザに対して情報を提示する。また、出力装置950として適用されるデバイスは、ユーザに対して情報を提示するために利用する媒体に応じて適宜変更されてもよい。
【0018】
入力装置960は、ユーザからの各種指示の受け付けに利用される。本実施形態では、入力装置960は、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスを含む。また、他の一例として、入力装置960は、マイクロフォン等の集音デバイスを含み、ユーザが発話した音声を集音してもよい。この場合には、集音された音声に対して音響解析や自然言語処理等の各種解析処理が施されることで、この音声が示す内容がユーザからの指示として認識される。また、入力装置960として適用されるデバイスは、ユーザからの指示を認識する方法に応じて適宜変更されてもよい。また、入力装置960として複数種類のデバイスが適用されてもよい。
【0019】
ネットワークI/F970は、外部の装置とのネットワークを介した通信に利用される。なお、ネットワークI/F970として適用されるデバイスは、通信経路の種別や適用される通信方式に応じて適宜変更されてもよい。
【0020】
CPU910が、ROM920または補助記憶装置940に記憶されたプログラムをRAM930に展開し、このプログラムを実行することで、図4を参照して後述する情報処理装置の機能構成や、図7図9A図9D、及び図10を参照して後述する情報処理装置の処理等が実現される。
【0021】
<PHTの概要と技術的課題>
図3を参照して、PHTと称される技術の概要について説明する。PHTは、複数の医療機関それぞれにおいて管理されている種々のデータ(例えば、臨床データ等)の利活用を目的として検討されている技術であり、特に、これらのデータを対象としたリモートでの分析等の種々の処理の実行の実現を目的としている。
【0022】
具体的には、PHTでは、医療機関等のようなデータの提供元の情報処理装置100(ステーションとも称される)において、分析等の処理の対象となる実データや、当該処理を実行するための計算リソース等が管理される。また、研究機関の所員等のようなデータの利用者に相当するユーザは、端末装置200を介して、トレインと称される仮想化コンテナに対して、実行対象となる処理のアルゴリズムやクエリ等を設定する。これにより、トレイン390に対して、実行対象となるワークフローが設定される。そのうえで、端末装置200からトレイン390がステーション(情報処理装置100)に向けて送出される。
トレイン390は、一連のステーション(例えば、情報処理装置100a~100c)それぞれを順次巡回し、各ステーションにおいて上記の通り設定されたワークフロー(換言すると、アルゴリズムやクエリ)を実行し、当該ステーションでの当該ワークフローの処理結果(例えば、分析結果や学習モデル)を保持する。以上のようにして、トレイン390は、一連のステーションを巡回しながら各ステーションにてワークフローを実行して、当該ワークフローの実行結果を収集したうえで、送出元となる端末装置200に戻る。
以上のような仕組みにより、データの利用者に相当するユーザは、各機関において管理されたデータを対象とした所望の処理の実行結果を、ネットワークを介して取得することが可能となる。
なお、上記に例示したPHTは、例えば、Docker(登録商標)等のようなコンテナ型の仮想環境用のプラットフォームを利用することで実現することが可能である。
【0023】
一方で、PHTが適用されるケースのように、複数の機関(データの提供元)で管理されているデータを利用した処理が実行される状況下では、機関ごとにデータの管理方法(例えば、データ保護の考え方や、データのフォーマット等)にばらつきがあることも少なくない。このように、データの提供元となる機関ごとにデータの管理方法にばらつきがあることで、当該データを利活用に際して、意図する結果が得られないような弊害が生じる場合がある。
【0024】
具体的な一例として、利活用の対象となるデータの中には個人情報等のように秘匿対象として設定されている情報が含まれるような状況が想定され得る。このようなデータが利用される状況下では、対象となるデータに対して、匿名加工や仮名加工等のような秘匿対象となる情報を保護するための処理(秘匿処理)が施される場合がある。一方で、このような情報の取り扱いに係る対応が機関ごとに異なるような状況も想定され得る。このような状況下において、例えば、一部の機関において情報の取り扱いに際して十分な対応がなされていない場合に、対象となるデータに含まれる秘匿対象の情報が、当該データの提供先等から漏洩するような事態が発生する可能性がある。
【0025】
また、他の一例として、同じ種別の情報を管理するデータであっても、機関に応じて、データのフォーマットが異なったり、同様の対象を示すコードが異なったりするような状況も想定され得る。このような状況下では、例えば、一部の機関において分析等の処理に要求される情報が取得できなかったり、本来は同様の対象を示す情報が異なるものとして認識されたりするような事態が発生し、結果として期待する精度の結果を得ることが困難となる場合がある。
【0026】
このような状況を鑑み、本開示では、データの提供元ごとに当該データの管理方法にばらつきがある状況下においても、複数の提供元により提供されるデータのリモートでの利活用をより好適な態様で実現可能とする仕組みについて提案する。
【0027】
<機能概要>
本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の機能の概要について、当該情報処理システム1の概略的な構成の一例とあわせて以下に説明する。なお、本実施形態では、便宜上、データの提供先となるユーザの管理下にある端末装置200からのリモートでの依頼に基づき、データの提供元となる複数の機関それぞれの管理下にある情報処理装置100により管理されているデータを対象とした分析等の処理が実行される場合に着目して、種々の説明を行うものとする。また、本実施形態では、便宜上、リモートでのデータの分析等の処理の実現に、前述したPHTが適用されるものとする。
【0028】
例えば、図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成の一例を示した図である。なお、図4に示す例では、研究開発環境におけるデータ分析者(データの利用者)が端末装置200を利用して、データ提供者である医療機関の管理下にある情報処理装置100が管理するデータを利用して分析等の処理が実行されるものとする。
【0029】
端末装置200は、各情報処理装置100に実行させる処理(例えば、分析処理)の規定に係る種々の制御を行う制御部300を含む。制御部300は、例えば、前述したDocker等のようなコンテナ型の仮想環境用のプラットフォームにより実現され得る。また、データソース190は、医療機関側にてデータを管理するための構成要素を模式的に示しており、例えば、データベース等により実現され得る。
制御部300は、データ分析者から分析等に係る一連の処理(ワークフロー)の実行に係る指示を受け付け、当該一連の処理を各情報処理装置100に実行させるための実行環境の規定に係るデータ(例えば、アプリケーションやライブラリ等)が格納されたコンテナ310を生成する。なお、このコンテナ310が、PHTにおけるトレインに相当する。
制御部300は、生成したコンテナ310を保持するためのコンテナレジストリ330を生成し、当該コンテナレジストリ330に当該コンテナ310を格納する。このコンテナレジストリ330を利用することで、外部の装置(例えば、情報処理装置100)がコンテナレジストリ330を介してコンテナ310にアクセスすることが可能となるため、例えば、システム内でコンテナ310を共有することも可能となる。
制御部300は、生成したコンテナ310に関連付けて、データ分析者からの指示に応じた分析等の一連の処理、すなわち各情報処理装置100に実行させる一連の処理の内容が規定された設定情報(以下、分析処理設定320とも称する)を生成する。この分析処理設定320には、例えば、ワークフローとして実行される一連の処理単位、当該一連の処理単位が実行される順序、当該ワークフローの実行に係るコンテナ310等に関する情報が含まれる。例えば、コンテナ型の仮想環境用のプラットフォームとしてDockerが適用されている場合には、DAG(Directed Acyclic Graph)が分析処理設定320の一例に相当する。
そして、制御部300は、生成した分析処理設定320を、分析等の処理の対象となるデータが保持された一連の情報処理装置100それぞれに順次送信する。以上のようにして、一連の情報処理装置100それぞれに対して、当該情報処理装置100が管理するデータを対象とした一連の処理(ワークフロー)の実行に係る依頼がなされる。
【0030】
情報処理装置100は、設定解析部110と、分析処理制御部120と、分析処理実行部130とを含む。
【0031】
設定解析部110は、ネットワークを介し端末装置200から送信された、情報処理装置100が管理するデータを対象とした一連の処理(ワークフロー)の実行に係る依頼を受け付け、当該依頼の内容を解析することで、実行対象となる一連の処理に関する種々の設定を認識する。具体的には、設定解析部110は、端末装置200から送信された分析処理設定320を受信し、当該分析処理設定320の内容を解析する。これにより、設定解析部110は、実行対象となるワークフローの内容(例えば、一連の処理単位の内容や、当該一連の処理単位の実行順序等)や、当該ワークフローの実行環境(コンテナ310)に関する情報を認識する。
【0032】
分析処理制御部120は、設定解析部110による依頼(分析処理設定320)の内容の解析結果に基づき、実行対象として指定された一連の処理(ワークフロー)中における当該依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた処理単位を追加することで、当該一連の処理を更新する。
【0033】
例えば、図5は、分析処理制御部120による、実行対象となるワークフローの更新に係る処理の一例について概要を示した図である。分析処理設定320により規定される実行対象となるワークフローは、例えば、前処理、本処理、及び後処理等の処理単位が所定の順序で実行されるように規定されている。本処理は、情報処理装置100が管理するデータを対象とした実質的な処理(処理単位)に相当し、例えば、データ分析、機械学習、及びデータ統合等の処理が該当し得る。前処理は、本処理の実行に際して事前に実行される処理(処理単位)に相当し、例えば、データ収集、データ変換、及びクレンジング等の処理が該当し得る。後処理は、本処理の実行後に付加的に実行される処理(処理単位)に相当し、例えば、データ保管、データ変換、及びデータ転送等の処理が該当し得る。
分析処理制御部120は、図5に例示したように規定されたワークフローに対して、当該ワークフローの実行に係る依頼の内容に応じて、本処理に対する前処理や後処理として新たに処理単位を追加することで当該ワークフローを更新する。例えば、分析処理制御部120は、情報処理装置100が管理するデータに個人情報等のような秘匿対象となる情報が含まれる場合には、当該データを対象とした本処理(例えば、分析処理等)の前処理として、当該情報に対して匿名加工や仮名加工等のような情報の秘匿に係る処理単位を追加してもよい。また、他の一例として、分析処理制御部120は、本処理(例えば、分析処理等)の後処理として、当該本処理の結果に対して種々の検査や検証を施すための処理単位を追加してもよい。
なお、実行対象として指定された一連の処理(ワークフロー)にあらかじめ規定されている各処理単位が第1の処理単位の一例に相当し、追加対象となる処理単位が第2の処理単位の一例に相当する。
【0034】
また、図6は、分析処理制御部120によるワークフローの更新結果の一例について概要を示した図である。図6(a)は、分析処理制御部120による更新が施される前のワークフローの一例を示している。図6(a)に示す例では、処理1、処理2、及び処理3として示された各処理単位が、この順序で順次実行されるようにワークフローが構成されている。これに対して、図6(b)及び図6(c)は、図6(a)に例示するワークフローを対象として、分析処理制御部120により処理単位が追加されることで更新がなされた結果の一例を示している。
具体的には、図6(b)に示す例では、処理2が実行されるよりタイミングよりも前のタイミング(処理順序)に、当該処理2の対象となるデータに対してフォーマット変換等の変換処理を施すための処理単位が追加されている。このような制御が適用されることで、例えば、機関ごとに管理対象となるデータのフォーマットが異なっている状況下においても、フォーマットをそろえたうえで共通の処理(例えば、分析処理)を適用することが可能となる。
また、図6(c)に示す例では、処理1、処理2、及び処理3が実行された後のタイミング(処理順序)に、これらの処理の結果に対して種々の検査処理を施すための処理単位が追加されている。このような制御が適用されることで、例えば、各機関で管理されているデータを対象とした処理の結果が、当該処理の依頼元である外部の機関に転送されても問題無いかを確認したうえで、必要に応じて転送を停止するといった処理を適用することも可能となる。
【0035】
なお、分析処理制御部120がワークフローに対して前処理や後処理を追加するか否かについては、例えば、データ分析者からの指示に基づき端末装置200からの指示(例えば、分析処理設定320に指定された情報)に応じて行われてもよい。この場合には、分析処理設定320に対して、ワークフローに対して前処理や後処理の追加を示すフラグが設定されていてもよいし、ワークフローに追加する処理単位の内容を明示的に示した情報が設定されていてもよい。
また、他の一例として、情報処理装置100側(分析処理制御部120)が、分析処理設定320の内容(例えば、実行対象となるワークフローの内容や設定等)に応じて、当該ワークフローに対して前処理や後処理を追加するか否かを判断してもよい。
なお、ワークフローの更新方法の一例については、詳細を別途後述する。
【0036】
分析処理実行部130は、分析処理制御部120により更新がなされたワークフローを実行する。具体的な一例として、分析処理実行部130は、ワークフローの処理対象となるデータをデータソース190から抽出し、当該データを入力として当該ワークフローを実行する。この際に、分析処理実行部130は、端末装置200において生成されたコンテナレジストリ330にアクセスすることで、当該コンテナレジストリ330に保持されたコンテナ310(換言すると、分析処理)を利用して、ワークフローを実行してもよい。
また、対象となるワークフローは、例えば、所謂パイプライン処理として実行されてもよい。具体的には、データソース190から抽出されたデータは、ワークフローの先頭に位置する処理単位に入力され、当該処理単位の実行結果が、次に位置する処理単位に入力される。以上のようにして、ワークフローを構成する一連の処理単位が順次実行される。
そして、分析処理実行部130は、ワークフローの実行が完了すると、当該ワークフローの実行結果を、当該ワークフローの実行に係る依頼元の端末装置200に送信する。具体的な一例として、分析処理実行部130は、ワークフローの実行結果に応じたデータ(例えば、分析処理の結果等)を端末装置200に返却して問題無いと判定した場合には、当該端末装置200において生成されたコンテナレジストリ330に当該データを記録してもよい。
【0037】
次いで、分析処理制御部120によるワークフローの更新方法の一例について、具体的な例を挙げて以下に説明する。
例えば、分析処理制御部120は、ワークフローの実行に際して参照されるデータが属する主体が、当該ワークフローの実行に係る依頼元と依頼先とのいずれかに応じて、当該データに対するアクセス権の制御に係る処理単位を追加してもよい。なお、ここでのワークフローの実行に係る依頼元とは、端末装置200側(端末装置200の管理主体であるデータ分析者側)、すなわち情報処理装置100が管理するデータの提供先に相当する。また、ワークフローの実行に係る依頼先とは、情報処理装置100側(情報処理装置100の管理主体であるデータ提供者側)、すなわち情報処理装置100が管理するデータの提供元に相当する。
具体的な一例として、分析処理制御部120は、対象となるデータが依頼先に属する場合には、当該データに対するアクセス権の制御に係る処理単位を、当該データを対象とする処理単位(例えば、本処理)よりも前のタイミングに追加してもよい。より具体的な一例として、分析処理制御部120は、対象となるデータに対して処理を実行するためのアクセス権が設定されていない場合に、当該アクセス権限を変更する処理単位を追加することで、当該データに対する処理の実行を可能としてもよい。
また他の一例として、分析処理制御部120は、対象となるデータ(例えば、本処理の結果)が依頼元に属する場合には、当該データに対するアクセス権の制御に係る処理単位を、当該データを対象とする処理単位(例えば、本処理)よりも後のタイミングに追加してもよい。より具体的な一例として、分析処理制御部120は、情報処理装置100が管理するデータに対する処理の結果が安全か否か(例えば、外部に転送しても問題無いか否か)を判定し、安全と判定した場合に、当該処理結果に対して外部(例えば、依頼元)に転送可能となるようにアクセス権を設定してもよい。
【0038】
また、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報の種別に応じて、当該データを対象と処理単位(例えば、本処理)の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該情報に加工を施すための処理単位を追加してもよい。具体的な一例として、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータに個人情報のような秘匿対象となる情報が含まれる場合には、当該データを対象とした処理単位の前処理として、匿名加工や仮名加工等のような当該情報の秘匿に係る処理を施すための処理単位を追加してもよい。このような制御が適用されることで、例えば、データ分析者側にデータの分析結果が提供されたとして、当該データに含まれる個人情報等が漏洩する事態の発生を防止することが可能となる。
【0039】
また、データの提供元となる機関に応じて、当該データのフォーマットが異なるような状況が想定され得る。そのため、例えば、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータのフォーマットが、所定のフォーマットと異なる場合に、当該データを対象と処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データのフォーマットを所定のフォーマットに変換するための処理単位を追加してもよい。具体的な一例として、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータを対象とする処理単位の前処理として、当該データのフォーマットを、所定の規約に準ずる標準的なフォーマットに変換するための処理単位を追加してもよい。このような制御が適用されることで、例えば、複数の機関それぞれで管理されているデータを対象としたワークフロー(例えば、分析処理等)が実行される状況下において、互いに異なる機関で管理されているデータを比較対象とした処理等を実行させることも可能となる。
【0040】
また、対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報が、対象を示す名称ではなく当該対象を特定するためのコード等で示されている場合には、データの提供元となる機関に応じて、適用されているコードの種別が異なるような状況が想定され得る。具体的な一例として、医療機関において医療用医薬品を示す情報として、HOT番号(例えば、HOT7、HOT9、HOT11、HOT13等)等のような標準化されたコードが使用されている場合や、医療機関が独自に割り当てたコードが使用されている場合が想定され得る。また、標準化されたコードとしても、HOT番号に限らず、医薬品を識別するための他のコードや、JANコードのように商品としての医薬品を識別するためのコード等が使用されているような状況も想定され得る。
そのため、例えば、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報に使用されている、対象を特定するためのコードの種別が、所定のコードの種別と異なる場合に、当該データを対象と処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、対象となるコードを当該所定のコードに変換するための処理単位を追加してもよい。このような制御が適用されることで、例えば、複数の機関それぞれで管理されているデータを対象としたワークフロー(例えば、分析処理等)が実行される状況下において、互いに異なる機関で管理されているデータを比較対象とした処理等を実行させることも可能となる。
【0041】
また、対象となる一連のデータの中に破損したデータや不正確なデータ等が含まれているような場合も想定され、このような場合において当該一連のデータを対象とした処理(例えば、分析処理)の結果の精度が低下するような状況も想定され得る。このような状況下では、例えば、対象となるデータに対して、破損したデータを修復したり、欠損値を含むような不正確なデータを削除したりするような所謂クレンジング処理を施したうえで、所望の処理が施される場合がある。
そのため、例えば、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータの状態に応じて、当該データを対象とする処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データにクレンジング処理を施すための処理単位を追加してもよい。具体的な一例として、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータに破損したデータや不正確なデータが含まれる場合や、破損したデータや不正確なデータの割合が閾値を超える場合に、上記に例示したようにクレンジング処理を施すための処理単位を追加してもよい。
【0042】
また、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報の種別に応じて、当該データを対象と処理単位(例えば、本処理)の実行タイミングよりも後のタイミングに、当該処理単位の実行結果を対象とした検査に係る処理単位を追加してもよい。具体的な一例として、分析処理制御部120は、ワークフローの対象となるデータに個人情報等のような秘匿対象となる情報が含まれる場合に、当該ワークフローの実行結果に秘匿対象の情報が含まれているか否かを検査するための処理単位を追加してもよい。このような制御が適用されることで、例えば、ワークフローの対象となるデータに含まれる秘匿対象の情報に対する仮名加工や匿名加工が不十分だったとしても、当該情報が外部に漏洩する事態の発生を防止することが可能となる。
【0043】
なお、上述した構成はあくまで一例であり、端末装置200から一連の情報処理装置100にそれぞれに対して、リモートにて当該情報処理装置100の管理下にあるデータを対象とした処理(ワークフロー)を実行させることが可能であれば、そのための構成は限定されない。例えば、上記ではPHTが適用される場合に着目して構成の一例について説明したが、各機関にて管理されているデータの利活用に係る他の技術が適用されてもよい。また、これらの技術を実現するためのプラットフォームが適宜変更されてもよく、適用されるプラットフォーム(例えば、仮想化コンテナを利用可能とする他のプラットフォーム)の仕様にあわせて少なくとも一部の構成が適宜変更されてもよい。
【0044】
<処理>
図7を及び図8を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例を示したシーケンス図である。また、図8は、ワークフローの実行に係る設定の一例を示した図である。なお、図7及び図8に示す例では、特徴をよりわかりやすくするために、依頼元であるデータの提供先DC1(DC:Data Consumer)が、データの提供元DP1及びDP2(DP:Data Provider)それぞれが管理するデータを対象とした分析処理を依頼する場合の一例について説明する。また、DAG1は、DC1の端末装置200からDP1の情報処理装置100に送信される分析処理設定を示すものとする。また、DAG2は、DC1の端末装置200からDP2の情報処理装置100に送信される分析処理設定を示すものとする。
【0045】
図7に示すS111~S114の処理は、データ提供先DC1から、データ提供元DP1に対する、当該データ提供元DP1が管理するデータを対象とした分析処理の実行に係る処理シーケンスの一例を示している。
また、図8に示すように、データ提供元DP1に対応する分析処理設定DAG1は、前処理PP1、本処理DA1、及び後処理RR1により構成されるワークフローを実行するように規定されている。また、データ提供元DP1の情報処理装置100では、データA、B、及びCが管理されている。データAは、提供対象となる情報の項目(以下、提供項目とも称する)としてA1、A2、及びA3を含む。また、データBは、提供項目としてB1、B2、及びB3を含む。また、データCは、提供項目としてC1、C2、及びC3を含む。そのうえで、提供項目A2、B2、及びC2に対応する情報が、秘匿対象となる情報(例えば、個人情報)として設定されているものとする。
【0046】
具体的には、S111において、データ提供先DC1の端末装置200は、当該データ提供先DC1のユーザからの指示に応じて、データ提供先DC1の情報処理装置100の実行対象となるワークフローの分析処理設定DAG1を生成する。そのうえで、端末装置200は、生成した分析処理設定DAG1を、データ提供先DC1の情報処理装置100に送信する。
【0047】
S112において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、データ提供先DC1の端末装置200から受信した分析処理設定DAG1に基づき、実行対象となるワークフローに対して前処理や後処理に対応する処理単位を追加する。具体的な一例として、情報処理装置100は、提供項目A2、B2、及びC2それぞれに対応する秘匿対象となる情報を保護するために、これらの情報に対して仮名加工や匿名加工を施す処理単位を、当該情報を対象とした本処理の前処理として追加してもよい。以上のようにして、実行対象となるワークフローが更新される。
S113において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、S112にて更新された分析処理設定DAG1に対応するワークフローを実行する。具体的な一例として、情報処理装置100は、例えば、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に保持された分析処理設定DAG1に対応するコンテナ310に基づき、対象となるワークフローを実行してもよい。
そして、S114において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、対象となるワークフローの実行が完了すると、データ提供先DC1の端末装置200にワークフローの終了を通知する。また、ワークフローの実行結果については、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に記録される。
【0048】
また、図7に示すS115~S118の処理は、データ提供先DC1から、データ提供元DP2に対する、当該データ提供元DP2が管理するデータを対象とした分析処理の実行に係る処理シーケンスの一例を示している。
また、図8に示すように、データ提供元DP2に対応する分析処理設定DAG2は、前処理PP2、本処理DA2、及び後処理RR2により構成されるワークフローを実行するように規定されている。また、データ提供元DP2の情報処理装置100では、データD、E、及びFが管理されている。データDは、提供項目としてD1、D2、及びD3を含む。また、データEは、提供項目としてE1、E2、及びE3を含む。また、データFは、提供項目としてF1、F2、及びF3を含む。そのうえで、提供項目D2、E2、及びF2に対応する情報が、秘匿対象となる情報(例えば、個人情報)として設定されているものとする。
【0049】
具体的には、S115において、データ提供先DC1の端末装置200は、当該データ提供先DC1のユーザからの指示に応じて、データ提供先DC2の情報処理装置100の実行対象となるワークフローの分析処理設定DAG2を生成する。そのうえで、端末装置200は、生成した分析処理設定DAG2を、データ提供先DC2の情報処理装置100に送信する。
【0050】
S116において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、データ提供先DC1の端末装置200から受信した分析処理設定DAG2に基づき、実行対象となるワークフローに対して前処理や後処理に対応する処理単位を追加する。具体的な一例として、情報処理装置100は、提供項目D2、E2、及びF2それぞれに対応する秘匿対象となる情報を保護するために、これらの情報に対して仮名加工や匿名加工を施す処理単位を、当該情報を対象とした本処理の前処理として追加してもよい。以上のようにして、実行対象となるワークフローが更新される。
S117において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、S116にて更新された分析処理設定DAG2に対応するワークフローを実行する。具体的な一例として、情報処理装置100は、例えば、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に保持された分析処理設定DAG2に対応するコンテナ310に基づき、対象となるワークフローを実行してもよい。
そして、S118において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、対象となるワークフローの実行が完了すると、データ提供先DC1の端末装置200にワークフローの終了を通知する。また、ワークフローの実行結果については、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に記録される。
【0051】
以上のような制御が適用されることで、例えば、データ提供先DC1の端末装置200から送出されたトレインが、データ提供元DP1及びDP2それぞれの情報処理装置100(ステーション)を順次巡回してワークフローを実行するような制御を実現することが可能となる。また、処理S112及び116として示すように、データ提供元DP1及びDP2それぞれの情報処理装置100において、対象となるワークフローに対して本処理に対する前処理や後処理に相当する処理単位が追加される。このような制御が適用されることで、例えば、データ提供元DP1及びDP2それぞれにおけるデータの管理方法が異なるような状況(データの管理方法にばらつきがあるような状況)においても、リモートでの当該データの利活用をより好適な態様で実現することが可能となる。
【0052】
<実施例>
本実施形態に係る情報処理システム1の実施例について、図9A図9Dを参照して具体的な例を挙げて説明する。図9A図9Dは、本実施形態に係る情報処理システム1におけるデータの提供元DP1側の情報処理装置100の処理の一例を示したフローチャートである。なお、本実施例では、データの提供先DC1側の端末装置200においてワークフローに対して前処理や後処理の追加を行うか否かの指示がなされ、当該指示に基づく追加対象となる処理単位の決定については、データの提供元DP1側の情報処理装置100にてなされるものとする。
【0053】
S201において、データの提供元DP1の情報処理装置100は、データの提供先DD1の端末装置200から送信された分析処理設定DAG1を受信する。
S202において、情報処理装置100は、S201にて受信した分析処理設定DAG1に対して、本処理DA1に対する前処理PP1の追加に係る指定があるか否かを判定する。
情報処理装置100は、S202において分析処理設定DAG1に対して前処理PP1の追加に係る指定がないと判定した場合には、処理をS203に進める。
一方で、情報処理装置100は、S202において分析処理設定DAG1に対して前処理PP1の追加に係る指定があると判定した場合には、処理をS206に進める。
【0054】
S203において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に基づき、自身が管理する一連のデータからワークフローの処理対象となる提供項目に対応する情報を順次抽出して、当該ワークフロー中の本処理の入力データを生成する処理を当該ワークフローに追加する。
S204において、情報処理装置100は、データの提供元及び提供先間の契約に基づく条件があらかじめ設定されている場合には、当該条件に基づき、入力データに所定のデータ加工(例えば、仮名加工、匿名加工等)を施す処理単位を、ワークフロー中の当該入力データを対象とした本処理の前処理として追加する。なお、データの提供元及び提供先間の契約の有無については、例えば、所定の記憶領域に保持された設定情報や、所定の認証処理の実行結果等により判定され得る。
S205において、情報処理装置100は、S203にて生成した入力データに対して、ワークフローにて規定された処理(例えば、分析処理)を実行するための利用権限の設定に係る処理単位を、ワークフロー中の当該入力データを対象とした本処理の前処理として追加する。そのうえで、情報処理装置100は、処理を図9DのS250に進める。
【0055】
S206において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して前処理としてワークフローの処理対象とするデータのデータ形式(フォーマット)を標準のデータ形式に変換する処理の追加要求が含まれているか否かを判定する。
情報処理装置100は、S206において、分析処理設定DAG1に対して前処理としてワークフローの処理対象とするデータのデータ形式を標準のデータ形式に変換する処理の追加要求が含まれていると判定した場合には、処理をS207に進める。
一方で、情報処理装置100は、S206において、分析処理設定DAG1に対して前処理としてワークフローの処理対象とするデータのデータ形式を標準のデータ形式に変換する処理の追加要求が含まれていないと判定した場合には、処理を図9BのS210に進める。
【0056】
S207において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して変換先として指定された標準のデータ形式が利用可能か否かを判定する。
情報処理装置100は、S207において分析処理設定DAG1に対して変換先として指定された標準のデータ形式が利用可能と判定した場合には、処理を図9BのS209に進める。
一方で、情報処理装置100は、S207において分析処理設定DAG1に対して変換先として指定された標準のデータ形式が利用可能ではない判定した場合には、処理をS208に進める。この場合には、S208において情報処理装置100は、エラーが発生したものとして、エラー発生時の処理を実行したうえで、図9A図9Dに示す一連の処理を終了する。
【0057】
次いで、図9Bを参照する。
S209において、情報処理装置100は、ワークフローの処理対象とするデータのデータ形式を標準のデータ形式に変換するための処理単位を、当該ワークフロー中の当該データを対象とした本処理の前処理として追加する。
【0058】
S210において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して前処理として対象となるデータの一連の提供項目のうちの利用する項目の範囲の指定があるか否かを判定する。
情報処理装置100は、S210において分析処理設定DAG1に対して対象となるデータの一連の提供項目のうちの利用する項目の範囲の指定があると判定した場合には、処理をS211に進める。
一方で、情報処理装置100は、S210において対象となるデータの一連の提供項目のうちの利用する項目の範囲の指定がないと判定した場合には、処理をS214に進める。
【0059】
S211において、情報処理装置100は、データの提供元及び提供先間において対象となるデータの利用に係る契約が設定されているか否かを判定する。なお、データの提供元及び提供先間の契約の有無については、例えば、所定の記憶領域に保持された設定情報や、所定の認証処理の実行結果等により判定され得る。
情報処理装置100は、S211においてデータの提供元及び提供先間において対象となるデータの利用に係る契約が設定されていると判定した場合には、処理をS213に進める。
一方で、情報処理装置100は、S211においてデータの提供元及び提供先間において対象となるデータの利用に係る契約が設定されていないと判定した場合には、処理をS212に進める。この場合には、S212において情報処理装置100は、エラーが発生したものとして、エラー発生時の処理を実行したうえで、図9A図9Dに示す一連の処理を終了する。
S213において、情報処理装置100は、自身が管理する一連のデータから分析処理設定DAG1に指定された範囲の提供項目に対応する情報を順次抽出して、ワークフロー中の本処理の入力データを生成する処理を、当該ワークフロー中の当該入力データを対象とする本処理の前処理として追加する。そのうえで、情報処理装置100は、処理をS215に進める。
【0060】
S214において、情報処理装置100は、自身が管理する一連のデータからワークフローの処理対象となる一連の提供項目それぞれに対応する情報を順次抽出して、当該ワークフローの入力データを生成する処理を、当該ワークフロー中の当該入力データを対象とする本処理の前処理として追加する。そのうえで、情報処理装置100は、処理を図9CのS217に進める。
【0061】
S215において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して前処理に利用する入力データ(S213にて生成した入力データ)の一連の項目の順序に関する指定があるか否かを判定する。
情報処理装置100は、S215において分析処理設定DAG1に対して前処理に利用する入力データの一連の項目の順序に関する指定があると判定した場合には、処理をS216に進める。
一方で、情報処理装置100は、S215において分析処理設定DAG1に対して前処理に利用する入力データの一連の項目の順序に関する指定がないと判定した場合には、処理を図9CのS217に進める。
S216において、情報処理装置100は、前処理に利用する入力データの一連の項目の順序を、分析処理設定DAG1に指定された順序に変換する処理単位を、ワークフロー中の当該入力データを対象とする本処理の前処理として追加する。そのうえで、情報処理装置100は、処理を図9CのS217に進める。
【0062】
次いで、図9Cを参照する。
S217において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して前処理としてデータ中の少なくとも一部の提供項目に対応する情報として設定される対象を特定するためのコードの変換に係る要求があるか否かを判定する。
情報処理装置100は、S217において分析処理設定DAG1に対して前処理としてデータ中の少なくとも一部の提供項目に対応する情報として設定される対象を特定するためのコードの変換に係る要求があると判定した場合には、処理をS218に進める。
一方で、情報処理装置100は、S217において分析処理設定DAG1に対して前処理としてデータ中の少なくとも一部の提供項目に対応する情報として設定される対象を特定するためのコードの変換に係る要求がないと判定した場合には、処理をS221に進める。
【0063】
S218において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に変換先として指定されたコードが利用可能か否か(すなわち、指定されたコードに変換可能か否か)を判定する。
情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に変換先として指定されたコードが利用可能と判定した場合には処理をS220に進める。
一方で、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に変換先として指定されたコードが利用可能ではないと判定した場合には処理をS219に進める。この場合には、S219において情報処理装置100は、エラーが発生したものとして、エラー発生時の処理を実行したうえで、図9A図9Dに示す一連の処理を終了する。
S220において、情報処理装置100は、対象となる提供項目に対応する情報として設定されたコードを、分析処理設定DAG1に変換先として指定されたコードに変換する処理単位を、ワークフロー中の対象となるデータに対する本処理の前処理として追加する。これにより、例えば、対象となる機関において対象を特定するためのコードとして独自のコードが使用されていたとしても、当該コードを標準的に使用されているコードに変換することが可能となる。そして、情報処理装置100は、処理をS221に進める。
【0064】
S221において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して前処理として対象となるデータに対するクレンジング処理に係る要求があるか否かを判定する。
情報処理装置100は、S221において分析処理設定DAG1に対して前処理として対象となるデータに対するクレンジング処理に係る要求があると判定した場合には、処理をS222に進める。
一方で、情報処理装置100は、S221において分析処理設定DAG1に対して前処理として対象となるデータに対するクレンジング処理に係る要求がないと判定した場合には、処理をS223に進める。
S222において、情報処理装置100は、対象となるデータに対してクレンジング処理を施すための処理単位を、当該データを対象とした本処理の前処理として追加する。
【0065】
S223において、情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対して前処理としてワークフローの処理対象となるデータに含まれる情報に対する仮名加工の要求があるか否かを判定する。
情報処理装置100は、S223において分析処理設定DAG1に対して前処理としてワークフローの処理対象となるデータに含まれる情報に対する仮名加工の要求があると判定した場合には、処理をS224に進める。
一方で、情報処理装置100は、S223において分析処理設定DAG1に対して前処理としてワークフローの処理対象となるデータに含まれる情報に対する仮名加工の要求があると判定した場合には、処理を図9DのS226に進める。
【0066】
S224において、情報処理装置100は、データの提供元及び提供先間において対象となるデータに対する仮名加工の利用に係る契約が設定されているか否かを判定する。なお、データの提供元及び提供先間の契約の有無については、例えば、所定の記憶領域に保持された設定情報や、所定の認証処理の実行結果等により判定され得る。
情報処理装置100は、S224においてデータの提供元及び提供先間において対象となるデータに対する仮名加工の利用に係る契約が設定されていると判定した場合には、処理を図9DのS225に進める。
一方で、情報処理装置100は、S224においてデータの提供元及び提供先間において対象となるデータに対する仮名加工の利用に係る契約が設定されていないと判定した場合には、処理をS249に進める。この場合には、S249において情報処理装置100は、エラーが発生したものとして、エラー発生時の処理を実行したうえで、図9A図9Dに示す一連の処理を終了する。
【0067】
次いで、図9Dを参照する。
S225において、情報処理装置100は、ワークフローの処理対象となるデータに含まれる情報に対して仮名加工を施すための処理単位を、当該ワークフローにおける当該データを対象とする本処理の前処理として追加する。
S226において、情報処理装置100は、ワークフローの処理対象となるデータに含まれる情報に対して匿名処理を施すための処理単位を、当該ワークフローにおける当該データを対象とする本処理の前処理として追加する。
S227において、情報処理装置100は、ワークフローの処理対象となるデータに対して、当該ワークフローを実行するための利用権限を追加する処理単位を、当該ワークフローにおける当該データを対象とする本処理の前処理として追加する。
【0068】
S228において、情報処理装置100は、データの提供元及び提供先間においてワークフローの処理対象となるデータの分析結果に対する検査の実施に係る契約が設定されているか否かを判定する。なお、データの提供元及び提供先間の契約の有無については、例えば、所定の記憶領域に保持された設定情報や、所定の認証処理の実行結果等により判定され得る。
情報処理装置100は、S228においてデータの提供元及び提供先間においてワークフローの処理対象となるデータの分析結果に対する検査の実施に係る契約が設定されていると判定した場合には、処理をS229に進める。
一方で、情報処理装置100は、S228においてデータの提供元及び提供先間においてワークフローの処理対象となるデータの分析結果に対する検査の実施に係る契約が設定されていないと判定した場合には、処理をS250に進める。
【0069】
S229において、情報処理装置100は、ワークフローの処理対象となるデータの分析結果に対して検査を施すための処理単位を、当該データを対象とした本処理の後処理として追加する。この際に、情報処理装置100は、上記本処理と、当該本処理に対してあらかじめ設定された後処理との間に、上記処理単位を追加してもよい。
S230において、情報処理装置100は、S229にてワークフローに追加された検査に係る処理単位の実行結果がOKであった場合に、対象となる分析結果に対して、データの提供先に対して当該分析結果の返信を許可する権限を設定するための処理単位を、当該ワークフロー中の当該検査に係る処理単位の後処理として追加する。
【0070】
S250において、情報処理装置100は、上述した一連の処理により新たに作成された分析処理設定DAG1に基づくワークフロー、すなわち種々の処理単位が追加されたワークフローを実行し、その結果をデータの提供先の端末装置200に送信する。
以上のようにして、図9A図9Dとして示した一連の処理が、トレインの巡回対象となるデータ提供元の情報処理装置100(ステーション)それぞれにおいて順次実行される。
【0071】
以上、図9A図9Dを参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の実施例について具体的な例を挙げて説明した。
【0072】
<変形例>
図10図12を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムの変形例について説明する。前述した実施形態や実施例では、データの提供元となる複数の機関(ステーション)それぞれにおいて独立して個別にワークフローが実行される場合の一例について説明した。一方で、一部の機関において実行された分析処理の結果を基に、他の機関が別途の処理(例えば、分析処理、検査処理等)を実行するようなケースのように、複数の機関が協調してワークフローを実行するようなケースも想定され得る。そこで、本変形例では、複数の機関(ステーション)を協調させて1つのワークフローを実行させる場合の一例について説明する。
【0073】
まず、図10を参照して、本変形に係る情報処理システム1の処理の流れの一例について説明する。なお、図10に示す例では、依頼元であるデータの提供先DC1からの依頼に基づき、データの提供元DP1及びDP2が協調して1つのワークフローを実行するものとする。
図10に示す協調設定は、データの提供元DP1及びDP2が協調して動作するための設定情報に相当し、データの提供元DP1及びDP2間で共有される。具体的な一例として、協調設定は、データの提供元DP1及びDP2それぞれが参照可能なファイルやレジストリとして実現されてもよい。また、他の一例として、データの提供元DP1及びDP2のそれぞれが同様の協調設定を個別に保持することで、擬似的に協調設定の共有が実現されてもよい。協調設定には、例えば、協調動作する対象と順序、協調動作の内容(例えば、データ標準化や複数の機関間の連携等)、複数の機関における連携の対象とするデータ等に関する種々の情報が設定され得る。
【0074】
S311において、データ提供先DC1の端末装置200は、当該データ提供先DC1のユーザからの指示に応じて、実行対象となるワークフローの分析処理設定DAG1を生成する。ここでは、端末装置200は、データ提供元DP1の情報処理装置100が、データ提供元DP2の情報処理装置100と協働して実行するワークフローの分析処理設定DAG1を生成するものとする。そのうえで、端末装置200は、生成した分析処理設定DAG1を、データ提供先DC1の情報処理装置100に送信する。また、端末装置200は、データ提供元DP1及びDP2が互いに協働して上記ワークフローを実行するための設定情報を含む協調設定を生成し、データ提供元DP1及びDP2間で当該協調設定を共有させる。具体的な一例として、端末装置200は、生成した協調設定をデータ提供元DP1及びDP2のそれぞれが参照可能なレジストリに保持し、当該レジストリにアクセスするための情報をデータ提供元DP1及びDP2のそれぞれに通知してもよい。
【0075】
S312において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、データ提供先DC1の端末装置200から分析処理設定DAGを受信すると、当該端末装置200からの通知に基づき協調設定を読み出す。データ提供元DP1の情報処理装置100は、協調設定の読み出し結果に基づき、他のデータ提供元(ここでは、データ提供元DP2)の情報処理装置100と協働に係る設定や処理を特定する。具体的な一例として、データ提供元DP1の情報処理装置100は、協調設定に基づき、自身がワークフローを実行した後に、次にワークフローの実行に係る主体となるデータ提供元DP2を特定してもよい。また、データ提供元DP1の情報処理装置100は、協調設定に基づき、実行対象となるワークフローに対して、他のデータ提供元DP2の情報処理装置100と協調して動作するための処理内容(例えば、ワークフローに追加する処理単位等)を特定してもよい。
【0076】
S313において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、データ提供先DC1の端末装置200から受信した分析処理設定DAG1に基づき、実行対象となるワークフローに対して前処理や後処理に対応する処理単位を追加する。この際に、データ提供元DP1の情報処理装置100は、S312における協調設定の読み出し結果に基づき、他のデータ提供元DP2の情報処理装置100と協調して動作するための処理単位をワークフローに追加してもよい。以上のようにして、実行対象となるワークフローが更新される。
S314において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、S313にて更新された分析処理設定DAG1に対応するワークフローを実行する。具体的な一例として、情報処理装置100は、例えば、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に保持された分析処理設定DAG1に対応するコンテナ310に基づき、対象となるワークフローを実行してもよい。
そして、S315において、データ提供元DP1の情報処理装置100は、対象となるワークフローの実行が完了すると、データ提供先DC1の端末装置200にワークフローの終了を通知する。また、ワークフローの実行結果については、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に記録される。また、この際に、データ提供元DP1の情報処理装置100は、以降において他のデータ提供元DP2の情報処理装置100が協調して動作するためのデータを、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に記録してもよい。
【0077】
次いで、S316において、データ提供先DC1の端末装置200は、データ提供先DC2の情報処理装置100の実行対象となるワークフローの分析処理設定DAG2を生成する。ここでは、端末装置200は、データ提供元DP2の情報処理装置100が、データ提供元DP1の情報処理装置100と協働して実行するワークフローの分析処理設定DAG2を生成するものとする。そのうえで、端末装置200は、生成した分析処理設定DAG2を、データ提供先DC2の情報処理装置100に送信する。
【0078】
S317において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、データ提供先DC1の端末装置200から分析処理設定DAG2を受信すると、当該端末装置200からの通知に基づき協調設定を読み出す。データ提供元DP2の情報処理装置100は、協調設定の読み出し結果に基づき、他のデータ提供元(ここでは、データ提供元DP1)の情報処理装置100と協働に係る設定や処理を特定する。これにより、データ提供元DP2の情報処理装置100は、例えば、データ提供元DP1の情報処理装置100によるワークフローの実行結果に基づき、分析処理設定DAG2により規定されたワークフローを実行することを認識することも可能となる。また、データ提供元DP2の情報処理装置100は、協調設定に基づき、実行対象となるワークフローに対して、他のデータ提供元DP1の情報処理装置100と協調して動作するための処理内容(例えば、ワークフローに追加する処理単位等)を特定してもよい。
【0079】
S318において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、データ提供先DC1の端末装置200から受信した分析処理設定DAG2に基づき、実行対象となるワークフローに対して前処理や後処理に対応する処理単位を追加する。この際に、データ提供元DP2の情報処理装置100は、S317における協調設定の読み出し結果に基づき、他のデータ提供元DP1の情報処理装置100と協調して動作するための処理単位をワークフローに追加してもよい。以上のようにして、実行対象となるワークフローが更新される。
S319において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、S318にて更新された分析処理設定DAG2に対応するワークフローを実行する。具体的な一例として、情報処理装置100は、例えば、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に保持された分析処理設定DAG2に対応するコンテナ310に基づき、対象となるワークフローを実行してもよい。
そして、S320において、データ提供元DP2の情報処理装置100は、対象となるワークフローの実行が完了すると、データ提供先DC1の端末装置200にワークフローの終了を通知する。また、ワークフローの実行結果については、端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に記録される。
【0080】
以上、図10を参照して、本変形に係る情報処理システム1の処理の流れの一例について説明した。
【0081】
次いで、本変形例に係る情報処理システム1の実施例として、複数のデータ提供元が協調して1のワークフローを実行する場合の一例について具体的な例を挙げて説明する。
まず、図11を参照して、データ提供元DP1及びDP2間において、提供対象とするデータの提供項目を共通化する場合の一例について説明する。例えば、図11(a)は、データ提供元DP1及びDP2それぞれで管理されているデータの構造の一例を示している。図11(a)に示す例では、データ提供元DP1及びDP2間において、それぞれが管理するデータに含まれる提供項目の一部が異なることがわかる。
このような構成のもとで、例えば、データ提供元DP1及びDP2それぞれが管理するデータに共通に含まれる提供項目を対象として抽出することで、当該データ提供元DP1及びDP2間において提供対象となるデータの共通化が行われてもよい。例えば、図11(b)は、共通化がなされた提供対象となるデータのデータ構造の一例を示している。
【0082】
具体的な一例として、データ提供元DP1及びDP2それぞれのデータに共通に含まれる患者ID及び医薬品に対応する情報を提供対象とする場合には、例えば、協調設定に対して利用対象とする提供項目の範囲として患者ID及び医薬品の指定がなされるとよい。
また、データ提供元DP1の情報処理装置100は、上記協調設定に基づき、分析処理設定DAG1に対応するワークフローに対して、自身が管理するデータから患者ID及び医薬品の提供項目に対応する情報を抽出して、提供対象となるデータを生成する処理単位を、本処理(例えば、当該データを対象とした分析処理)の前処理として追加してもよい。同様に、データ提供元DP2の情報処理装置100は、上記協調設定に基づき、分析処理設定DAG2に対応するワークフローに対して、自身が管理するデータから患者ID及び医薬品の提供項目に対応する情報を抽出して、提供対象となるデータを生成する処理単位を、本処理の前処理として追加してもよい。
【0083】
また、提供対象となるデータの生成に際して、提供対象となるデータを構成する提供項目の順序の共通化がなされてもよい。この場合には、協調設定に対して提供対象となるデータに規定される提供項目の順序の設定がなされればよい。また、データ提供元DP1及びDP2それぞれの情報処理装置100は、上記協調設定に従い、実行対象となるワークフローに対して、提供項目の順序の制御に係る処理単位を、本処理(例えば、当該データを対象とした分析処理)の前処理として追加すればよい。
【0084】
次いで、図12を参照して、データ提供元DP1及びDP2間において、提供対象とするデータ中の少なくとも一部の提供項目に対応する情報として設定されるコードを共通化する場合の一例について説明する。例えば、図12(a)は、データ提供元DP1及びDP2それぞれで管理されているデータの構造の一例を示している。図12(a)に示す例では、データ提供元DP1及びDP2のそれぞれにおいて、医薬品を特定するための情報が独自に設定されている。
このような構成のもとで、例えば、データ提供元DP1及びDP2それぞれが管理するデータ中の医薬品に対応する提供項目に設定される情報を、医薬品を示す標準コードであるHOT番号(例えば、HOT9)に変換する処理が適用されてもよい。例えば、図12(b)は、医薬品に対応する提供項目に設定される情報が、医薬品を示す標準コードであるHOT番号に変換された後のデータのデータ構造の一例を示している。
【0085】
この場合には、例えば、協調設定に対して、医薬品対応する提供項目に設定される情報を、医薬品を示す標準コードであるHOT番号に変換する旨の指定がなされるとよい。
また、データ提供元DP1の情報処理装置100は、上記協調設定に基づき、分析処理設定DAG1に対応するワークフローに対して、自身が管理するデータ中の医薬品に対応する提供項目に設定される情報をHOT番号に変換する処理単位を、本処理(例えば、当該データを対象とした分析処理)の前処理として追加してもよい。同様に、データ提供元DP2の情報処理装置100は、上記協調設定に基づき、分析処理設定DAG2に対応するワークフローに対して、自身が管理するデータ中の医薬品に対応する提供項目に設定される情報をHOT番号に変換する処理単位を、本処理(例えば、当該データを対象とした分析処理)の前処理として追加してもよい。
【0086】
なお、上記はあくまで一例であり、協調対象となる複数の機関(ステーション)それぞれに適用する制御であれば、協調設定を利用することで当該複数の機関それぞれの情報処理装置100に共通の制御を適用することが可能である。具体的な一例として、前述した実施形態において説明した、クレンジング処理の追加や、仮名加工や匿名処理の追加等の制御を実現することも可能である。
【0087】
また、他の一例として、データ提供元DP1の情報処理装置100におけるワークフローの実行に際して出力されるデータ(ワークフロー中の一部の処理単位の実行結果)を、他のデータ提供元DP2の情報処理装置100での処理に利用するようなケースも想定され得る。このような場合には、例えば、データ提供元DP1の情報処理装置100は、データ提供元DP2の情報処理装置100が参照するデータを出力する処理単位(本処理)の後処理として、当該データをデータ提供元DP2の情報処理装置100が参照可能な領域に保持する処理単位をワークフローに追加してもよい。
【0088】
具体的な一例として、データ提供元DP1の情報処理装置100は、前述の実施例と同様に協調設定を参照することで、自身の処理の実行に伴い出力されるデータを、データ提供元DP2の情報処理装置100が利用することを認識する。
そのうえで、データ提供元DP1の情報処理装置100は、分析処理設定DAG1に対応するワークフローに対して、対象となるデータ(例えば、分析処理の結果)を出力する本処理の後処理として、当該データを、提供元DP2の情報処理装置100が参照可能な領域(例えば、コンテナレジストリ等)に保持する処理単位を追加する。より具体的な一例として、データ提供元DP1の情報処理装置100は、上記後処理として、提供元DP2の情報処理装置100が参照可能なコンテナを生成する処理単位を追加し、当該後処理のパラメータとして、当該コンテナへの処理結果の格納に係る指示と、当該コンテナの配置パスとを指定する。以上のようにして、実行対象となるワークフローが更新される。
データ提供元DP1の情報処理装置100は、更新後のワークフローを実行する。これにより、当該ワークフローに追加された上記処理単位が実行されることで新たにコンテナが生成され、当該コンテナに対象となるデータ(例えば、分析処理の結果)が格納される。そのうえで、データ提供先DC1の端末装置200が管理するコンテナレジストリ330に、生成された上記コンテナが保持される。
なお、新たに生成されたコンテナにアクセスするための情報については、例えば、協調設定等を利用することで、データ提供元DP1の情報処理装置100と、データ提供元DP2の情報処理装置100との間で共有されればよい。
【0089】
次いで、データ提供元DP2の情報処理装置100は、前述の実施例と同様に協調設定を参照することで、データ提供元DP1の情報処理装置100により実行された処理の結果として出力されるデータを、自身が実行する処理に利用することを認識する。また、データ提供元DP2の情報処理装置100は、協調設定等を参照することで、対象となるデータが格納されたコンテナ、すなわちデータ提供元DP1の情報処理装置100により生成されたコンテナを読み出す。
そのうえで、データ提供元DP2の情報処理装置100は、分析処理設定DAG2に対応するワークフローの実行に際して、読み出したコンテナに格納されたデータ(データ提供元DP1の情報処理装置100により実行された処理の結果)を適用する。
【0090】
以上のような制御が適用されることで、一部の機関(ステーション)により実行された処理の結果を、他の機関(ステーション)により実行される処理に適用するといった制御を実現することが可能となる。
【0091】
<むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置100は、1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理(例えば、ワークフロー)の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける。また、情報処理装置100は、上記一連の処理中の受け付けられた上記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで当該一連の処理を更新する。そのうえで、情報処理装置100は、更新された上記一連の処理を実行する。
このような構成より、複数の提供元それぞれにおけるデータの管理方法にばらつきがある状況下においても、リモートでの当該データの利活用をより好適な態様で実現することが可能となる。
【0092】
なお、上述した実施形態はあくまで一例であり、必ずしも本発明の構成や処理を限定するものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形や変更が加えられてもよい。
【0093】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付手段と、前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新手段と、前記更新手段により更新された前記一連の処理を実行する処理手段と、を備える、情報処理装置。
(2)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータが、前記依頼の依頼先及び依頼元のいずれに属するデータかに応じて、当該一連の処理中の前記タイミングと、当該一連の処理に追加する前記第2の処理単位と、を特定する、(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータが、前記依頼先に属するデータの場合に、前記一連の処理中における、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データの少なくとも一部に加工を施すための前記第2の処理単位を追加する、(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータが、前記依頼元に属するデータの場合に、前記一連の処理中における、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、当該第1の処理単位の実行結果を対象とした検査に係る前記第2の処理単位を追加する、(2)に記載の情報処理装置。
(5)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報の種別に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データに含まれる少なくとも一部の情報に加工を施すための前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報が秘匿対象として設定された情報の種別の場合に、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データに含まれる当該情報に対して当該情報の秘匿に係る処理を施すための前記第2の処理単位を追加する、(5)に記載の情報処理装置。
(7)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータのフォーマットに応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データのフォーマットを変換するための前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータのフォーマットが所定のフォーマットと異なる場合に、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データのフォーマットを前記所定のフォーマットに変換するための前記第2の処理単位を追加する、(7)に記載の情報処理装置。
(9)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報に使用されている、対象を特定するためのコードの種別に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該コードを変換するための前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(10)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータの状態に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該データにクレンジング処理を施すための前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに含まれる少なくとも一部の情報の種別に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、前記第1の処理単位の実行結果を対象とした検査に係る前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに設定されたアクセス権限に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも前のタイミングに、当該アクセス権限を変更するための前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(11)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)前記更新手段は、前記一連の処理の対象となるデータに設定されたアクセス権限に応じて、当該データを対象とする前記第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、前記第1の処理単位の実行結果に応じて、当該アクセス権限を変更するための前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(12)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(14)前記更新手段は、前記一連の処理の少なくとも一部の前記第1の処理単位の実行結果が他の情報処理装置による処理に利用される場合に、当該第1の処理単位の実行タイミングよりも後のタイミングに、当該第1の処理単位の実行結果を当該他の情報処理装置が参照可能な領域に保持させる前記第2の処理単位を追加する、(1)乃至(13)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(15)コンピュータが実行する情報処理方法であって、1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付ステップと、前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新ステップと、前記更新ステップにおいて更新された前記一連の処理を実行する処理ステップと、を含む、情報処理方法。
(16)コンピュータに、1以上の第1の処理単位が順次実行されるように並べて規定された一連の処理の実行に係る依頼を、ネットワークを介して受け付ける受付ステップと、前記一連の処理中の受け付けられた前記依頼の内容に応じたタイミングに、当該依頼の内容に応じた第2の処理単位を追加することで前記一連の処理を更新する更新ステップと、前記更新ステップにおいて更新された前記一連の処理を実行する処理ステップと、を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0094】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 設定解析部
120 分析処理制御部
130 分析処理実行部
190 データソース
200 端末装置
300 制御部
310 コンテナ
320 分析処理設定
330 コンテナレジストリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12