(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179570
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像処理装置及びその制御方法とプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241219BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241219BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G03G21/00 510
H04N1/00 C
H04N1/00 350
G03G21/00 386
G03G21/00 570
G03G21/00 388
B41J29/38 203
B41J29/38 202
B41J29/38 204
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098523
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】梶本 雅弘
【テーマコード(参考)】
2C061
2H134
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB37
2C061CG02
2C061CQ04
2C061GG03
2C061GG07
2C061GG18
2C061HH03
2C061HH13
2C061HJ06
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK03
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK16
2H134PA06
2H134PA07
2H270LA79
2H270LA90
2H270LD08
2H270MC30
2H270MD29
2H270MH06
2H270NC01
2H270NC09
2H270NC17
2H270QA35
2H270QB03
2H270ZC03
2H270ZD05
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB26
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC65
5C062AF07
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】消色トナー印刷の利用推進を図る技術を提供する。
【解決手段】消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置101の制御部102は、ユーザごとに記録紙に対する消色トナーでの印刷枚数と通常トナーでの印刷枚数をカウントし、画像処理装置101にログインしたログインユーザについてカウント値に基づく消色トナー印刷の利用比率305を取得し、取得した消色トナー印刷の利用比率305が第1の閾値以下である場合にログインユーザに対して消色トナー印刷の利用推奨通知419を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、
ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、
前記画像処理装置にログインしたログインユーザの、前記カウント手段によるカウント値に基づく、前記消色トナーでの印刷枚数の比率を示す第1の利用比率を取得する取得手段と、
前記第1の利用比率が第1の閾値以下である場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する第1の通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の閾値は、予め定められた所定の値、または、前記画像処理装置にユーザ登録された全てのユーザごとに求められた前記第1の利用比率の平均値であることを請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
表示装置を備え、
前記通知手段は、前記第1の通知を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
スピーカを備え、
前記通知手段は、前記第1の通知を音声で前記スピーカから発出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記カウント手段は、前記消色トナーによる印刷枚数と前記通常トナーによる印刷枚数のカウント値を、前記ユーザごとに代えて、複数のユーザをまとめたグループごとに行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記カウント手段は、前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントし、
前記取得手段は、前記消色トナーでの印刷における前記リユース用紙の比率である第2の利用比率を取得し、
前記通知手段は、前記第2の利用比率が第2の閾値以下である場合に、前記リユース用紙の利用を推奨する第2の通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
表示装置を備え、
前記通知手段は、前記第2の通知を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
スピーカを備え、
前記通知手段は、前記第2の通知を音声で前記スピーカから発出することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記通知手段が前記第2の通知を行った場合に、前記ログインユーザが実行しようとしている印刷ジョブに使用される記録紙を自動的にリユース用紙に設定する制御手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、
前記画像処理装置に登録されたユーザごとに印刷上限枚数を設定する設定手段と、
前記ユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするカウント手段と、
前記通常トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の印刷枚数を前記印刷上限枚数から減算して残印刷可能枚数を演算し、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の枚数を前記残印刷可能枚数から減算しない演算手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
前記演算手段は、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数を、前記残印刷可能枚数から減算しない処理に代えて、前記残印刷可能枚数から減算する処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、
前記画像処理装置に登録されたユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするカウント手段と、
前記カウント手段により得られたカウント値に対して所定の基準に基づいてスコアリングを行うスコアリング手段と、
前記スコアリングの結果を表示装置に表示する制御手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
前記スコアリング手段は、前記所定の基準により前記ユーザごとに、前記消色トナーでの印刷枚数の利用比率が大きいほど大きい点数を付与し、且つ、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記リユース用紙の利用比率が大きいほど大きい点数を付与することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、
ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、
前記画像処理装置にログインしたログインユーザの、前記カウント手段によるカウント値に基づく、前記消色トナーでの印刷枚数の利用比率を取得する取得手段と、
前記利用比率に応じて前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する通知を異なる内容で行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、
ユーザごとに前記消色トナーでの印刷に対する利用意識を推定可能なパラメータを取得する取得手段と、
前記パラメータに基づき前記画像処理装置に対するログインユーザの前記利用意識が低いとみなされる場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、
ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、
前記画像処理装置にログインしたログインユーザの前記カウント手段によるカウント値が所定の条件を満たす場合に通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置の制御方法であって、
ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするステップと、
前記画像処理装置にログインしたログインユーザの前記消色トナーでの印刷枚数の比率を取得するステップと、
前記比率が第1の閾値以下である場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する通知を行うステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項18】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置の制御方法であって、
前記画像処理装置に登録されたユーザごとに印刷上限枚数を設定するステップと、
前記ユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするステップと、
前記通常トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の印刷枚数を前記印刷上限枚数から減算して残印刷可能枚数を演算し、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の枚数を前記残印刷可能枚数から減算するステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項19】
消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置の制御方法であって、
前記画像処理装置に登録されたユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするステップと、
前記ユーザごとに前記カウントにより得られたカウント値に対して所定の基準に基づいてスコアリングを行うステップと、
前記スコアリングの結果を表示装置に表示するステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項20】
コンピュータを請求項1に記載の画像処理装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常トナーと消色トナーでの印刷を行うことが可能な画像処理装置及びその制御方法とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常トナーでの印刷枚数と消色トナーでの印刷枚数を別々にカウントし、それぞれのトナー特性に基づいて消耗品の残量計算やプロセス条件の調整を行う技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術によれば、各種の消耗品を有効活用し、トナー種別に応じた高画質で印刷を行うこと可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷枚数を通常トナーと消色トナーとで分けてカウントすることにより、例えば、消色トナー印刷を利用するユーザの利用意識を推測することができる。しかしながら、消色トナー印刷を利用するユーザの利用意識はユーザごとに異なるため、特許文献1に記載された技術では、消色トナー印刷を利用しない或いは利用頻度の少ないユーザに対する消色トナー印刷の利用推進を図ることはできない。
【0005】
本発明は、消色トナー印刷の利用推進を図る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、前記画像処理装置にログインしたログインユーザの、前記カウント手段によるカウント値に基づく、前記消色トナーでの印刷枚数の比率を示す第1の利用比率を取得する取得手段と、前記第1の利用比率が第1の閾値以下である場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する第1の通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、消色トナー印刷の利用を推進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係るコピー処理のフローチャートである。
【
図3】第1実施形態にてカウンタDBで管理される各種データの説明図である。
【
図4】第1実施形態で表示装置に表示される各種の画面の例を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係るコピー処理のフローチャートである。
【
図6】第2実施形態にてカウンタDBで管理される各種データの説明図である。
【
図7】第2実施形態で表示装置に表示される各種の画面の例を示す図である。
【
図8】第3実施形態に係るコピー処理のフローチャートである。
【
図9】第3実施形態にてカウンタDBで管理される各種データの説明図である。
【
図10】第3実施形態で表示装置に表示される各種の画面の例を示す図である。
【
図11】第4実施形態に係るコピー処理のフローチャートである。
【
図12】第4実施形態にてカウンタDBで管理される各種データの説明図である。
【
図13】第4実施形態で表示装置に表示される各種の画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る画像処理装置の101のブロック図である。画像処理装置101は、制御部102、操作部103、読取部104、印刷部105、消色部106、無線通信部107、ファックス通信部108及び通信部110を有する。また、画像処理装置101は、操作部I/F116、読取部I/F117、印刷部I/F118、消色部I/F119、無線通信部I/F120、ファックス部I/F121及び通信部I/F122を有する。制御部102は、CPU111、ROM112、RAM113及びストレージ114を有する。
【0011】
制御部102は、画像処理装置101の全体的な動作を制御する。CPU111は、ROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムをRAM113に読み出して、読取制御や印刷制御等の各種制御を行う。ROM112は、CPU111が実行可能なブートプログラムや制御プログラム、制御プログラムの実行に必要な各種パラメータ、フォントデータ等を格納する。RAM113は、主記憶メモリであり、ROM112及びストレージ114に格納された各種制御プログラムを展開するための作業領域と、演算結果等の一時記憶領域を有する。ストレージ114は、画像データや印刷データ、各種プログラム、各種設定情報を記憶する。ストレージ114としては、本実施形態ではフラッシュメモリが用いられるものとするが、これに限らず、SSDやHDD、eMMC等が用いられてもよい。
【0012】
なお、画像処理装置101では、CPU111が各種の画像処理を行うものとするが、このような構成に限られず、画像処理専用のGPUを装備した構成としてもよく、これによりCPU111の処理負荷を軽減させ、また、処理の高速化を図ることができる。
【0013】
画像処理装置101は、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに従う各処理を実行する。但し、画像処理装置101は、このような構成に限らず、複数のCPU、RAM、ROM及びストレージを協働させて、後述するフローチャートに従う各処理が実行されるように構成されていてもよい。また、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0014】
操作部103は、例えば、タッチパネルを備える表示装置103A(
図4参照)やハードキー等を含み、ユーザに対する情報表示やユーザからの入力の受け付けを行う。操作部I/F116は、制御部102と操作部103を接続するインタフェースである。
【0015】
読取部104は、具体的には、スキャナであり、原稿を光学的に読み取る。読取部104が読み取った画像は、CPU111によってバイナリーデータ等の画像データに変換された後、例えば、外部装置に送信され、或いは、印刷部105において記録紙上に印刷される。読取部I/F117は、読取部104と制御部102を接続するインタフェースである。
【0016】
印刷部105は、転送されてきた画像データに基づく画像を給紙カセットから給送された記録紙に画像形成、即ち、印刷を行う。なお、CPU111は、RAM113に記憶された画像データ(印刷データ)を印刷部I/F118を介して印刷部105に転送する。印刷部I/F118は、印刷部105と制御部102を接続するインタフェースである。
【0017】
本実施形態では、印刷部105は、ユーザの選択に応じて通常トナーでの印刷と消色トナーでの印刷を実行することが可能となっている。消色トナーとは、加熱によって透明化する特性を持つトナーであり、消色部106を活用することで記録紙に印刷された消色トナーを消色し、記録紙を白紙の状態に戻すことができる。但し、消色トナーは、特定の処理を行うことで消色されるトナーであればよく、加熱によって透明化するトナーに限定されない。通常トナーとは、一度印刷されたら消色することのできないトナーを指す。
【0018】
消色部106は、記録紙を加熱することにより、記録紙上に消色トナーで印刷された画像を消色(透明化)する。この消色処理により、後述するリユース用紙が作成される。加熱以外の方法により透明化する消色トナーが用いられている場合、消色部106は消色トナーの特性に応じた方法で消色トナーを透明化するように構成される。なお、本実施形態では、画像処理装置101が消色部106を備える構成としているが、消色部106は別筐体として用意されていてもよい。消色部I/F119は、消色部106と制御部102を接続するインタフェースである。
【0019】
無線通信部107は、スマートフォンやタブレットPC等の携帯端末と画像処理装置101を接続する。無線通信部I/F120は、無線通信部107と制御部102を接続すると共に、無線通信部107での無線通信を制御するインタフェースである。
【0020】
ファックス通信部108は、モデムやNCUを制御して公衆回線網109への接続やファクシミリ通信プロトコルの制御等を行うことにより、公衆回線網109を介して外部機器(不図示)との間でファックスデータの送受信を行う。ファックス部I/F121は、ファックス通信部108と制御部102を接続すると共に、ファックス通信部108を制御するインタフェースである。
【0021】
通信部110は、ネットワーク100に接続されている外部装置(不図示)との間で、画像データ、装置情報、印刷データ等の各種情報を送受信する。ネットワーク100を介した各種データの送受信方法としては、電子メールによる送受信や、FTPやSMB、WEBDAV等のプロトコルを用いたファイル送信が挙げられる。通信部I/F122は、制御部102とネットワーク100を接続すると共に、通信部110を制御するインタフェースである。
【0022】
上述した画像処理装置101のハードウェア構成は、以下の第1~第4実施形態において共通する。
【0023】
<第1実施形態>
図2は、画像処理装置101で実行される第1実施形態に係るコピー処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートにS番号で示される各処理(ステップ)は、制御部102においてCPU111がROM112又はストレージ114に記憶された所定のプログラムを実行することにより、画像処理装置101の各部の動作が統括的に制御されることで実現される。
【0024】
S201で制御部102は、ユーザログインを受け付けて、ユーザログインが成功したか否かを判定する。ユーザログインは、例えば、IDカードリーダがカードリーダにかざされるとIDカードからユーザ情報を読み取られ、読み取られたユーザ情報が事前に登録されたユーザである場合にログインを許可する等の方法が用いられる。但し、第1実施形態では、ユーザ情報を一意に特定することができればよく、必ずしもIDカードリーダである必要はなく、例えば、ユーザID及びパスワードの入力、指紋認証や虹彩認証等の手法であってもよい。制御部102は、ユーザログインが成功していないと判定した場合(S201でNo)、再度、S201の処理を実行し、ユーザログインが成功したと判定した場合(S201でYes)、S202の処理を実行する。
【0025】
S202で制御部102は、カウンタデータベース(以下「カウンタDB」と言う)からデータを受信する。カウンタDBは、ユーザごとに通常トナーでの印刷枚数、消色トナーでの印刷枚数、及び、総印刷枚数を記憶するデータベースであり、その詳細については後述する。
【0026】
第1実施形態では、カウンタDBはストレージ114に記憶されているものとする。但し、このような構成に限られず、カウンタDBはネットワーク100に接続されたクラウドストレージ等の外部記憶装置(不図示)に記憶、管理されていてもよい。その場合、制御部102は通信部110を介して必要に応じて外部記憶装置からカウンタDBを取得する。外部記憶装置がカウンタDBを記憶、管理している場合には、外部記憶装置は、画像処理装置101のデータのみでなく、他の複数の画像処理装置のデータを管理していてもよい。
【0027】
前述したように、操作部103はタッチパネルを装備した表示装置103Aを有する。そこで、S203で制御部102は、表示装置103Aにホーム画面を表示する。ホーム画面の詳細については後述する。
【0028】
S204で制御部102は、コピーボタンが押下されたか否かを判定する。制御部102は、コピーボタンが押下されたと判定した場合(S204でYes)、S205の処理を実行し、コピーボタンは押下されていないと判定した場合(S204でNo)、再度、S204の処理を実行する。
【0029】
S205で制御部102は、表示装置103Aにコピー画面を表示する。コピー画面の構成については後述する。
【0030】
S206で制御部102は、S202で取得したカウンタDBでのカウント値に基づいて、消色トナー印刷の利用比率が所定の閾値(便宜的に、以下、「第1の閾値」という)以下であるか否かを判定する。S206の判定で用いる第1の閾値は、消色トナー印刷に対するユーザの利用意識の高さを判断する基準である。なお、消色トナー印刷の利用頻度が高いユーザは、消色トナー印刷に対する利用意識が高く、同時に、消色トナー印刷に対する関心も高いと推測することができる。よって、第1実施形態では、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値以下のユーザは、便宜的に、消色トナー印刷に対する利用意識が低いと判断される。逆に、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値より大きいユーザは、便宜的に、消色トナー印刷に対する利用意識が高いと判断される。
【0031】
制御部102は、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値以下であると判定した場合(S206でYes)、S207の処理を実行し、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値より大きいと判定した場合(S206でNo)、S208の処理を実行する。消色トナー印刷の利用比率については、カウンタDBについて
図3を参照しての説明する際に併せて説明する。
【0032】
なお、第1の閾値は、S206の処理前に画像処理装置101に予め設定されている。第1の閾値には、画像処理装置101の製造者或いは管理者が設定した値を用いることができ、全ユーザで同じ値が設定されていてもよいし、ユーザごとに異なる値が設定されていてもよい。また、第1の閾値には、ユーザ自身が設定した値や、ユーザ平均値等を動的に求めて用いてもよい。なお、ユーザ平均値とは、画像処理装置101にユーザ登録されている全てのユーザ(S201でログイン可能なユーザ)について求められた消色トナー印刷の利用比率の平均値である。第1実施形態では、消色トナー印刷の利用比率を演算して第1の閾値と比較するが、ユーザの消色トナー印刷に対する利用意識を推定可能であれば、消色トナー印刷の利用比率以外のパラメータを用いてもよい。
【0033】
S207で制御部102は、表示装置103Aに消色トナー印刷の利用推奨通知(第1の通知)を行い、ログインユーザに注意を促す。なお、消色トナー印刷の利用推奨通知の詳細については後述する。
【0034】
S208で制御部102は、コピースタートボタンが押下されたか否かを判定する。制御部102は、コピースタートボタンが押下されていないと判定した場合(S208でNo)、再度、S208の処理を実行し、コピースタートボタンが押下されたと判定した場合(S208でYes)、S209の処理を実行する。
【0035】
S209で制御部102は、受け付けたコピー指示から印刷に用いるトナー種別を判定し、判定結果に応じて次処理を分岐させる。制御部102は、通常トナーが選択されていると判定した場合にはS210の処理を実行し、消色トナーが選択されていると判定した場合にはS211の処理を実行する。なお、S207で表示装置103Aに表示された消色トナー印刷の利用推奨画面に対してログインユーザはトナー選択処理を行っており、よって、S209でのトナー種別の判定が可能になっている。
【0036】
S210で制御部102は、読取部104と印刷部105を稼働させて通常トナーを用いた印刷を実行し、印刷枚数をカウントアップする。S211で制御部102は、読取部104と印刷部105を稼働させて消色トナーを用いた印刷を実行し、印刷枚数をカウントアップする。S210とS211での各カウントアップは、CPU111が内部的に実施する。
【0037】
S212で制御部102は、S210,210でカウントアップされた結果を用いてカウンタDBを更新し、これにより本処理は終了する。
【0038】
図3は、第1実施形態においてカウンタDBで管理されるデータの一例を示す図である。第1実施形態では、カウンタDBにより、ユーザID301、通常トナー印刷枚数302、消色トナー印刷枚数303、合計印刷枚数304、及び、消色トナー印刷の利用比率305が管理される。
【0039】
ユーザID301は、ユーザを識別する情報である。第1実施形態では、S201でログインしたユーザのユーザIDと対応しており、S210,S211でのカウント値をユーザごとに振り分けて記録するために用いられる。なお、複数のユーザをまとめたグループごとにカウント値を記録してもよい。
【0040】
通常トナー印刷枚数302は、通常トナーで印刷が行われた記録紙のカウント値である。消色トナー印刷枚数303は、消色トナーで印刷が行われた記録紙のカウント値である。合計印刷枚数304は、通常トナーか消色トナーかに関係なく、印刷部105において印刷された記録紙の総枚数である。合計印刷枚数304は、通常トナー印刷枚数302と消色トナー印刷枚数303の和(合算値)であってもよいし、印刷が実行される度に通常トナーか消色トナーかに関係なくカウントアップされて記憶されてもよい。第1実施形態では、S212でカウンタDBを更新する際に、通常トナー印刷枚数302と消色トナー印刷枚数303の和を用いて合計印刷枚数304が更新される。
【0041】
消色トナー印刷の利用比率305は、消色トナーで印刷された記録紙の枚数の合計印刷枚数304に対する比率であり、100×消色トナー印刷枚数303÷合計印刷枚数304(%)、で求められる。なお、第1実施形態では、消色トナー印刷の利用比率305を算出しているが、ユーザの消色トナー印刷に対する利用意識を推定することができれば、消色トナー印刷の利用比率305以外の値を用いてもよい。
【0042】
図4(A)は、S203で表示装置103Aに表示されるホーム画面401の一例を示す図である。ホーム画面401には、画像処理装置101の機能を選択する操作手段として、コピー402、ファックス403、プリント404及びスキャン405の各ボタンが表示されている。また、ホーム画面401には、画像処理装置101の設定に関する操作手段として、メニュー406、アドレス帳407及びカウンタDB408の各ボタンが表示されている。
【0043】
図4(B)は、S205で表示装置103Aに表示される第1のコピー画面410Aの一例を示す図である。第1のコピー画面410Aには、カラー選択ボタン411、倍率ボタン412、用紙選択ボタン413及び部数ボタン414が表示されており、各ボタンには現在の設定値が併せて表示される。また、第1のコピー画面410Aには、印刷条件を設定するための操作手段として、仕上げボタン415、印刷面ボタン416及び濃度ボタン417等が表示される。第1のコピー画面410Aにおいてスタートボタン418が押下されると、読取部104と印刷部105が稼働してコピー処理が実行される。
【0044】
図4(C)は、S207で表示装置103Aに表示される第2のコピー画面410Bの一例を示す図である。S206で消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値以下である場合に、第1のコピー画面410AはS207において、消色トナー印刷の利用推奨通知419が表示された第2のコピー画面410Bに遷移する。消色トナー印刷の利用推奨通知419は、例えば、表示装置103Aの画面内にポップアップ表示される。なお、消色トナー印刷の利用推奨通知419が表示されると同時に、カラー選択ボタン411が自動で消色トナーに設定されるようになっていてもよい。
【0045】
図4(D)は、表示装置103Aに表示されたカウンタDB画面420の一例を示す図である。カウンタDB画面420は、ホーム画面401においてカウンタDB408のボタンが押下されることで、表示装置103Aに表示される。なお、画像処理装置101の管理者等の特定の権限を持つユーザに限定して、カウンタDB408のボタンの操作が有効となっていてもよい。
【0046】
カウンタDB画面420には、ユーザID確認ボタン421、消色トナー印刷枚数確認ボタン422、消色トナー印刷利用比率確認ボタン423及び表示項目追加ボタン424が表示されている。ユーザID確認ボタン421は、カウンタDBで管理しているユーザID301を表示する。消色トナー印刷枚数確認ボタン422は、カウンタDBで管理している消色トナー印刷枚数303を表示する。消色トナー印刷利用比率確認ボタン423は、カウンタDBで管理している消色トナー印刷の利用比率305を表示する。
【0047】
カウンタDB画面420での表示項目は、ユーザが任意に設定することができる。ここでは3項目を表示しているが、表示項目追加ボタン424の押下によって、カウンタDBで管理している別の項目の追加表示が可能となる。ユーザは、カウンタDB画面420に表示されている各ボタンを押下することにより、ユーザIDの昇順/降順でのソートやログインユーザが入力した数値以下/以上のデータ抽出、非表示設定等の表示形式の変更を行うことができる。
【0048】
なお、第1実施形態では、カウンタDB画面420を操作部103が備える表示装置103Aに表示するとした。このような構成に限らず、例えば、画像処理装置101と通信可能に接続された外部記憶装置からカウンタDBを取得し、同様に画像処理装置101と通信可能に接続されたPC等の外部情報処理装置のディスプレイにカウンタDB画面420を表示させてもよい。カウンタDBは、1台の画像処理装置に限らず、複数の画像処理装置のカウンタDBの情報を収集して、並列的に表示されてもよい。
【0049】
図4では、ホーム画面401、第1のコピー画面410A及び第2のコピー画面410Bを例示した。表示装置103Aには、他の表示画面として、印刷機能及びその設定に関する画面やプリント画面、スキャン画面が表示され、これらの画面でも消色トナー印刷の利用推奨通知419が表示されるようにしてもよい。なお、プリント画面とスキャン画面はそれぞれ、プリント404とスキャン405の各ボタンが押下されることにより表示装置103Aに表示される画面を指す。
【0050】
ここでは、消色トナー印刷の利用推奨通知419を画面上にポップアップ表示することで第1のコピー画面410Aを第2のコピー画面410Bへ遷移させる例について説明したが、消色トナー印刷の利用推奨通知を専用画面(不図示)で行うようにしてもよい。また、消色トナー印刷の利用推奨通知419は、第2のコピー画面410Bでは他の表示を隠さないように表示されているが、より大きく表示されて他の表示を隠してもよく、その場合、消色トナー印刷の利用推奨通知419を消去するボタンが併せて表示される。更に、第2のコピー画面410Bでは、消色トナー印刷の利用を推奨する文章での表示を行っているが、より強行に、ログインユーザに対して警告する内容の通知であってもよい。このように警告を行う場合において、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値に満たない場合には、通常トナー印刷を制限する制御を行ってもよい。このように、ログインユーザに対する通知は、ログインユーザの消色トナー印刷に対する利用意識や関心を高める目的を逸脱しない範囲で自由に設定可能である。
【0051】
上記説明の通り、第1実施形態によれば、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値以下であるログインユーザに対して消色トナー印刷の利用推奨通知を行う。これにより、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値以下のログインユーザの消色トナー印刷に対する利用意識や関心を高め、消色トナー印刷の利用を推進することが可能になる。その結果として、消色トナーで印刷された記録紙の再生利用を進めて、省資源化を図ることができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、S207において表示装置103Aに消色トナー印刷の利用推奨通知を表示するという方式を用いた。これに限らず、画像処理装置101にスピーカ(不図示)を設け、ログインユーザに音声で利用推奨メッセージを発出する通知方式を用いてもよい。更に、表示装置103Aでの表示と音声での通知を併用してもよい。
【0053】
ところで、カウンタDBの更新方法としては、例えば、ユーザ登録後の全データを記憶して更新する手法や、直近の数年分(例えば2年分)又は数ヶ月分(例えば6ヶ月分)を記憶して更新する手法等が挙げられる。ここで、例えば、ユーザ登録後の全データでの消色トナーの利用比率がS206で用いられる場合を考える。この場合、最近は消色トナー印刷を利用しているにもかかわらず、ユーザ登録後しばらくは通常トナー印刷を利用していたために、結果として消色トナー印刷の利用比率が小さい値となってしまう事態が生じ得る。この場合、ログインユーザは、最近は消色トナー印刷を利用しているにもかかわらず、S207の通知を受けてしまうことになり、釈然としない気持ちとなることが推測される。そこで、S202でカウンタDBから取得するデータを、例えば、直近の1ヶ月のものに限定する等してもよく、これにより、消色トナー印刷の利用比率を高めているユーザに配慮した通知が可能となる。
【0054】
<第2実施形態>
第2実施形態では、消色トナー印刷に対する利用意識の高いユーザに対して、更にリユース用紙の使用を推奨する通知を行う構成について説明する。具体的には、消色トナー印刷の実行時に用いる用紙が新品用紙かリユース用紙かで分けて印刷枚数をカウントし、カウント値が所定の条件を満たした場合にユーザに対して通知を行う。リユース用紙とは、消色トナーによる印字を1回以上消色したことのある用紙を指す。
【0055】
図5は、画像処理装置101で実行される第2実施形態に係るコピー処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートにS番号で示される各処理(ステップ)は、制御部102においてCPU111がROM112又はストレージ114に記憶された所定のプログラムを実行することにより、画像処理装置101の各部の動作が統括的に制御されることで実現される。
【0056】
S501~S506の処理の内容は、
図2のフローチャートのS201~S206の処理の内容と同じであるため、説明を省略する。S506で制御部102は、消色トナー印刷の利用比率が第1の閾値より大きいと判定した場合(S506でNo)、S507の処理を実行し、消色トナー印刷の利用比率が所定の第1の閾値以下である判定した場合(S506でYes)、S508の処理を実行する。
【0057】
S507で制御部102は消色トナー印刷時のリユース用紙の利用比率が所定の閾値(便宜的に、以下、「第2の閾値」という)以下であるか否かを判定する。制御部102は、リユース用紙の利用比率が第2の閾値以下であると判定した場合(S507でYes)、S509の処理を実行し、リユース用紙の利用比率が第2の閾値より大きいと判定した場合(S507でNo)、S510の処理を実行する。
【0058】
S508の処理の内容は、
図2のフローチャートのS207の処理の内容と同じであるため、説明を省略する。制御部102は、S508の処理後にS509の処理を実行し、S509で制御部102は、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用推奨通知(第2の通知)を行う。なお、S509での消色トナー印刷でのリユース用紙の利用推奨通知の詳細については後述する。
【0059】
S510-S511の処理の内容は、
図2のフローチャートのS208-S209の処理の内容と同じであるため、説明を省略する。S511で制御部102は、通常トナーが選択されていると判定した場合、S512の処理を実行する。
【0060】
S512で制御部102は、受け付けたコピー指示から印刷に用いる用紙種別を判定し、判定結果に応じて次処理を分岐させる。制御部102は、新品用紙であると判定した場合にはS513の処理を実行し、リユース用紙であると判定した場合にはS514の処理を実行する。
【0061】
S513で制御部102は、通常トナー印刷を行い、その際の新品用紙の使用枚数をカウントアップする。一方、S514で制御部102は、通常トナー印刷を行い、その際のリユース用紙の使用枚数をカウントアップする。なお、用紙判定の手法としては、例えば、用紙に特定のマークが印字されているか否かで判定してもよいし、新品用紙専用カセットとリユース用紙専用カセットを用意しておき、利用された給紙カセットで判定してもよい。制御部102は、S513,S514の処理後に、S518の処理を実行する。
【0062】
先のS511で制御部102は、消色トナー印刷が選択されていると判定した場合、S515の処理を実行する。S515の処理の内容は、S512の処理の内容と同じであるため、説明を省略する。S515で制御部102は、新品用紙であると判定した場合にはS516の処理を実行し、リユース用紙であると判定した場合にはS517の処理を実行する。
【0063】
S516で制御部102は、消色トナー印刷を行い、その際の新品用紙の使用枚数をカウントアップする。一方、S517で制御部102は、消色トナー印刷を行い、その際のリユース用紙の使用枚数をカウントアップする。制御部102は、S516,S517の処理後に、S518の処理を実行する。S518で制御部102は、S513,S514,S516,S517での各カウント値を用いてカウンタDBの内容を更新し、その後、本処理を終了させる。
【0064】
図6は、第2実施形態においてカウンタDBで管理されるデータの一例を示す図である。カウンタDBは、ユーザID301と、通常トナー印刷での新品用紙の使用枚数601、リユース用紙の使用枚数602及びそれらの合計枚数である通常トナー印刷枚数302を管理する。また、カウンタDBは、消色トナー印刷での新品用紙の使用枚数603、リユース用紙の使用枚数604及びそれらの合計枚数である消色トナー印刷枚数303を管理する。更に、カウンタDBは、新品用紙の合計印刷枚数605と、リユース用紙の合計印刷枚数606と、全用紙の合計印刷枚数304と、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率607を管理する。なお、これらの管理項目のうち、
図3に示したカウンタDBでの管理項目と同じものについては、同じ符号を付しており、それらについての説明は省略する。
【0065】
通常トナー印刷での新品用紙の使用枚数601はS513でのカウント数の累計値であり、通常トナー印刷でのリユース用紙の使用枚数602はS514でのカウント数の累計値である。消色トナー印刷での新品用紙の使用枚数603はS516でのカウント数の累計値であり、消色トナー印刷でのリユース用紙の使用枚数604はS517でのカウント数の累計値である。新品用紙の合計印刷枚数605は、使用されたトナーの種類に関係なく、印刷に用いられた新品用紙の総枚数であり、使用枚数601,603の値の和で表される。リユース用紙の合計印刷枚数606は、使用されたトナーの種類に関係なく、印刷に用いられたリユース用紙の総枚数であり、リユース用紙の使用枚数602,604の和で表される。消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率607は、消色トナー印刷で使用されたリユース用紙の枚数の、消色トナー印刷枚数303に対する比率であり、‘100×使用枚数604÷消色トナー印刷枚数303’、により求められる。
【0066】
図7(A)は、S503で表示装置103Aに表示されるホーム画面701の一例を示す図である。ホーム画面701は、
図4(A)のホーム画面401と同じであるため、説明を省略する。また、
図7(B)は、S505で表示装置103Aに表示される第1のコピー画面710Aの一例を示す図である。第1のコピー画面710Aは、
図4(B)の第1のコピー画面410Aと同じであるため、説明を省略する。
【0067】
図7(C)は、S509で表示装置103Aに表示される第2のコピー画面710Bの一例を示す図である。第2のコピー画面710Bは、
図5のフローチャートにおいて、S506からS507を経由してS509の処理が行われた(換言すれば、S508の処理が行われていない)場合の表示画面の例である。S507で消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率が第2の閾値以下の場合には、第2のコピー画面710Bに示されるように、リユース用紙の利用推奨通知711がポップアップ表示される。なお、リユース用紙の利用推奨通知711の表示に併せて、用紙選択ボタン413が自動でリユース用紙に設定される構成、つまり、ログインユーザによる実行予定の印刷ジョブで使用される記録紙が自動的にリユース用紙に設定される構成、としてもよい。
【0068】
第2のコピー画面710Bのその他の構成は、
図4(C)に示した第2のコピー画面410Bと同様であるため、説明を省略する。なお、S509の通知は、第1実施形態でのS207での通知と同様に、音声を用いて行ってもよいし、表示での通知と音声での通知を併用してもよい。
【0069】
図7(D)は、S509で表示装置103Aに表示される第3のコピー画面710Cの一例を示す図である。第3のコピー画面710Cは、
図5のフローチャートにおいて、S506からS508を経由してS509の処理が行われた(換言すれば、S507の処理が行われていない)場合の表示画面の例である。
【0070】
不図示であるが、S508では
図4(C)に示した第2のコピー画面410Bと同様のコピー画面が表示装置103Aに表示される。S508に続いてS509の処理が行われた場合、S508の処理によって表示装置103Aに表示される消色トナー印刷の利用推奨通知419が消去されることなく、リユース用紙の利用推奨通知711がポップアップ表示される。なお、第3のコピー画面710Cのその他の構成は、
図4(C)に示した第2のコピー画面410Bと同様であるため、説明を省略する。
【0071】
図7(E)は、表示装置103Aに表示されたカウンタDB画面720の一例を示す図である。なお、カウンタDB画面720に表示された項目のうち、
図4(D)のカウンタDB画面420に表示されている項目と同じものについては、同じ符号を付して説明を省略する。また、カウンタDB画面720の表示権限についても、カウンタDB画面420の表示権限と同様とすることができる。
【0072】
カウンタDBは、消色トナー印刷での、新品用紙の使用枚数、リユース用紙の使用枚数及びリユース用紙の利用比率を管理している。消色トナー印刷での新品用紙の使用枚数確認ボタン721は、消色トナー印刷で使用された新品用紙の使用枚数603を表示する。消色トナー印刷でのリユース用紙の使用枚数確認ボタン722は、消色トナー印刷で使用されたリユース用紙の使用枚数604を表示する。消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率確認ボタン723は、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率607を表示する。
【0073】
なお、カウンタDB画面720でも、カウンタDB画面420と同様に、表示項目追加ボタン424が押下されると、カウンタDBで管理しているその他の項目の追加表示が可能となる。また、昇順/降順でのソートや、ユーザが入力した数値以下/以上のデータ抽出、非表示設定等、表示形式を変更することが可能となる。カウンタDBが外部記憶装置に記憶されている場合の取り扱いも、第1実施形態での説明に準ずる。
【0074】
上記説明の通り、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、消色トナー印刷の利用比率の小さいログインユーザの消色トナー印刷に対する利用意識や関心を高めることができ、消色トナー印刷の利用を推進することが可能になる。また、第2実施形態では、リユース用紙の利用推奨通知を行うことにより、リユース用紙の利用推進と、リユース用紙の利用意識を高めることができる。これにより、ログインユーザが新品用紙を使い続ける事態が改善される効果が期待される。
【0075】
<第3実施形態>
第3実施形態では、ユーザごとに印刷上限枚数が設定されている利用環境であっても、消色トナー印刷が実行された場合については、印刷可能な残り枚数(以下「残印刷可能枚数」という)が減少しないように、残印刷可能枚数を更新しない構成について説明する。
【0076】
図8は、画像処理装置101で実行される第3実施形態に係るコピー処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートにS番号で示される各処理(ステップ)は、制御部102においてCPU111がROM112又はストレージ114に記憶された所定のプログラムを実行することにより、画像処理装置101の各部の動作が統括的に制御されることで実現される。
【0077】
S801~S807の処理の内容は、
図2のフローチャートのS201~S205,S208,S209の処理の内容と同じであるため、説明を省略する。S807で制御部102は、通常トナーが選択されていると判定した場合、S808の処理を実行する。
【0078】
S808で制御部102は、残印刷可能枚数が印刷予定枚数以上か否かを判定する。制御部102は、残印刷可能枚数が印刷予定枚数より小さいと判定した場合(S808でNo)、S809の処理を実行する。
【0079】
S809で制御部102は、残印刷可能枚数が不足している旨の通知(以下「用紙不足通知」という)を表示装置103Aに表示し、その後、S806の処理を実行する。なお、S809では、消色トナー印刷に設定すれば印刷が可能である旨を併せて表示(通知)するようにしてもよい。
【0080】
制御部102は、S808において残印刷可能枚数が印刷予定枚数以上であると判定した場合(S808でYes)、S810の処理を実行する。また、先のS807で制御部102は、消色トナー印刷が選択されていると判定した場合、S813の処理を実行する。S810~S816の処理の内容は、
図5のフローチャートのS512~S518の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
図9は、第3実施形態においてカウンタDBで管理されるデータの一例を示す図である。第3実施形態でのカウンタDBでの管理項目のうち、第1実施形態及び第2実施形態におけるカウンタDBでの管理項目(
図3及び
図6)と同じものについては、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0082】
第3実施形態では、カウンタDBにより、印刷上限枚数901と、残印刷可能枚数902が更に管理される。印刷上限枚数901は、コピー/プリント/ファックス等のジョブで印刷可能な(管理者等により印刷が許可されている)記録紙の枚数の上限値であり、ユーザごとに設定される。残印刷可能枚数902は、実行された通常トナー印刷での合計枚数である通常トナー印刷枚数302を印刷上限枚数901から減算した数であり、S816でカウンタDBが更新される際に演算されてカウンタDBに格納される。
【0083】
図10(A)は、S803で表示装置103Aに表示されるホーム画面1001の一例示す図である。ホーム画面1001は、
図4(A)のホーム画面401と同じであるため、説明を省略する。
図10(B)は、S805で表示装置103Aに表示されるコピー画面1010の一例を示す図である。コピー画面1010は、
図4(B)の第1のコピー画面410Aと同じであるため、説明を省略する。
【0084】
図10(C)は、表示装置103Aに表示される残印刷可能枚数の不足通知画面1020の例を示す図である。残印刷可能枚数の不足通知画面1020は、S801で残印刷可能枚数が印刷予定枚数未満である場合にS802で表示装置103Aに表示される。ログインユーザが確認ボタン1021を押下すると、画面表示はコピー画面1010へ遷移する。このとき、カラー選択ボタン411での設定が自動で消色トナーに変更されるように構成してもよい。
【0085】
図10(D)は、ホーム画面1001において設定ボタン1002が押下された場合に表示装置103Aに表示される設定画面1030の一例を示す図である。設定画面1030は、機器設定ボタン1031と残印刷可能枚数演算設定ボタン1032を有する。機器設定ボタン1031は、画像処理装置101の全体設定を表示するための操作手段である。残印刷可能枚数演算設定ボタン1032は、設定項目の1つで、残印刷可能枚数の演算時に消色トナー印刷の使用枚数を除外するか否かを選択するための操作手段である。
図10(D)では‘ON’となっており、消色トナー印刷での使用枚数が除外される設定となっている。なお、設定画面1030は、画像処理装置101の管理者等の特定の権限を有するユーザに限って表示や設定が可能な構成としてもよい。
【0086】
上記説明の通り、第3実施形態によれば、消色トナーを用いて印刷を行う場合には残印刷可能枚数が減少しないため、消色トナー印刷に対する利用意識が高いユーザは、印刷上限枚数を超えて印刷を行うことができるという優遇措置を受けることができる。また、消色トナー印刷に対する利用意識の低いユーザが、消色トナー印刷を利用した場合に印刷上限枚数に関する優遇を受けられることを知ることで、消色トナー印刷に対する利用意識や関心を高めて、消色トナー印刷の利用頻度を高めることが期待される。こうして、全てのユーザに対して消色トナー印刷の利用を推進することができる。
【0087】
なお、第3実施形態では、消色トナー印刷を行った場合には残印刷可能枚数が減少しない構成となっている。但し、このような構成に限らず、リユース用紙を用いて消色トナー印刷を行った場合にのみ残印刷可能枚数を減少させない構成としてもよい。このその場合の残印刷可能枚数902は、通常トナー印刷枚数302と消色トナー印刷での新品用紙の使用枚数603を印刷上限枚数901から減算することで求められる。また、印刷上限枚数901の設定と残印刷可能枚数902の演算は、
図9のカウンタDBでは個人単位で行っているが、これに限らず、複数のユーザをまとめたグループ単位(企業や団体での部門等)で行ってもよい。
【0088】
<第4実施形態>
第4実施形態では、各種カウント結果に基づいてスコアリングを行う構成について説明する。
【0089】
図11は、画像処理装置101で実行される第4実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートにS番号で示される各処理(ステップ)は、制御部102においてCPU111がROM112又はストレージ114に記憶された所定のプログラムを実行することにより、画像処理装置101の各部の動作が統括的に制御されることで実現される。
【0090】
S1101~S1103の処理の内容は、
図2のフローチャートのS201~S203の処理の内容と同じであるため、説明を省略する。
【0091】
S1104で制御部102は、ホーム画面1301(
図13(A)参照)においてスコアボタン1302が押下されたか否かを判定する。制御部102は、スコアボタン1302が押下されたと判定した場合(S1104でYes)、S1105の処理を実行し、スコアボタン1302は押下されていないと判定した場合(S1104でNo)、再度、S1104の処理を実行する。S1105で制御部102は、表示装置103Aにスコア通知画面1310(
図13(B)参照)を表示し、その後、本処理を終了させる。
【0092】
図12は、第3実施形態においてカウンタDBで管理されるデータの一例を示す図である。第4実施形態でのカウンタDBでの管理項目のうち、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態におけるカウンタDBでの管理項目(
図3、
図6及び
図9)と同じものについては、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0093】
第4実施形態では、カウンタDBにより、消色トナー印刷の利用比率のスコア1201と、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率のスコア1202と、総合スコア1203が、所定の基準(スコアリングルール)に基づいて管理される。ここでは、0~25%で10点が、26~50%で20点が、51~75%で30点が、76~100%で40点がそれぞれ付与されるスコアリングルールが用いられている。
【0094】
消色トナー印刷の利用比率のスコア1201は、消色トナー印刷の利用比率305を前記のスコアリングルールでスコアリングした値である。同様に、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率のスコア1202は、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率607を前記のスコアリングルールでスコアリングした値である。総合スコア1203は、消色トナー印刷の利用比率のスコア1201と消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率のスコア1202の合計値である。例えば、ユーザAは消色トナー印刷の利用比率が62.5%でスコアは30点、消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率が50%でスコアは20点、よって、総合スコアは50点となっている。
【0095】
なお、前記のスコアリングルールは、直線的に4区分で10点から40点を規定したものであるが、これは一例に過ぎない。スコアリングルールは、例えば、より多くの区分で細かく点数を付け、或いは、100%の場合にボーナス点を付け、或いは、区分に限らず、一次関数的又は指数関数的(例えば、二次関数的に)に点数を付けるものであってもよい。また、消色トナー印刷の利用比率と消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率に重み付けして得られる比率に対して所定のスコアリングルールを適用してもよい。スコアの演算は、消色トナー印刷の利用比率と消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率の一方のみであってもよい。
【0096】
図13(A)は、S1103で表示装置103Aに表示されるホーム画面1301の一例示す図である。ホーム画面1301に表示されているボタンのうち、
図4(A)のホーム画面401に表示されているボタンと同じものについては、同じ符号を付して説明を省略する。ホーム画面1301は、スコアボタン1302を有する。スコアボタン1302が押下されると、ログインユーザのスコアが表示装置103Aに表示される。
【0097】
図13(B)は、S1104においてスコアボタン1302が押下されたことにより表示装置103Aに表示されたスコア通知画面1310の一例を示す図である。スコア通知画面1310には、ログインユーザの総合スコア通知1311が表示される。総合スコア通知1311での点数には、
図12のカウンタDBにある総合スコア1203の値が用いられる。なお、
図13(B)では、
図12中のユーザAのスコアが表示されている。
【0098】
スコア通知画面1310には、総合スコアに加えて、ログインユーザの消色トナー印刷利用比率のスコア1313と、ログインユーザの消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率のスコア1314が合わせて表示される。スコア1313の値は
図12のカウンタDBにあるスコア1201の値であり、スコア1314の値は
図12のカウンタDBにあるスコア1202の値である。また、スコア通知画面1310には、カウンタDBが管理する全ユーザの、消色トナー印刷の利用比率の平均スコア1315及び消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率の平均スコア1316が併せて表示される。
【0099】
ログインユーザは、自身のスコア1313,1314と平均スコア1315,1316を比較することにより、自身の消色トナー印刷に対する利用意識が他のユーザと比較してどのレベルのものかを客観的な数値として把握することができる。よって、スコア通知画面1310は、消色トナー印刷の利用比率が小さいユーザに対しては、消色トナー印刷に対する利用意識や関心を高める効果が期待される。なお、スコア通知画面1310に表示する項目は、
図13(B)に示されるものに限定されず、カウンタDBにおいて管理されている各種データから任意のデータを抽出して表示するようにしてもよい。
【0100】
本実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
(構成1)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、前記画像処理装置にログインしたログインユーザの、前記カウント手段によるカウント値に基づく、前記消色トナーでの印刷枚数の比率を示す第1の利用比率を取得する取得手段と、前記第1の利用比率が第1の閾値以下である場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する第1の通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(構成2)前記第1の閾値は、予め定められた所定の値、または、前記画像処理装置にユーザ登録された全てのユーザごとに求められた前記第1の利用比率の平均値であることを構成1に記載の画像処理装置。
(構成3)表示装置を備え、前記通知手段は、前記第1の通知を前記表示装置に表示することを特徴とする構成1又は2に記載の画像処理装置。
(構成4)スピーカを備え、前記通知手段は、前記第1の通知を音声で前記スピーカから発出することを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成5)前記カウント手段は、前記消色トナーによる印刷枚数と前記通常トナーによる印刷枚数のカウント値を、前記ユーザごとに代えて、複数のユーザをまとめたグループごとに行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成6)前記カウント手段は、前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントし、前記取得手段は、前記消色トナーでの印刷における前記リユース用紙の比率である第2の利用比率を取得し、前記通知手段は、前記第2の利用比率が第2の閾値以下である場合に、前記リユース用紙の利用を推奨する第2の通知を行うことを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成7)表示装置を備え、前記通知手段は、前記第2の通知を前記表示装置に表示することを特徴とする構成6に記載の画像処理装置。
(構成8)スピーカを備え、前記通知手段は、前記第2の通知を音声で前記スピーカから発出することを特徴とする構成6又は7に記載の画像処理装置。
(構成9)前記通知手段が前記第2の通知を行った場合に、前記ログインユーザが実行しようとしている印刷ジョブに使用される記録紙を自動的にリユース用紙に設定する制御手段を備えることを特徴とする構成6乃至8のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成10)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、前記画像処理装置に登録されたユーザごとに印刷上限枚数を設定する設定手段と、前記ユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするカウント手段と、前記通常トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の印刷枚数を前記印刷上限枚数から減算して残印刷可能枚数を演算し、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の枚数を前記残印刷可能枚数から減算しない演算手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(構成11)前記演算手段は、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数を、前記残印刷可能枚数から減算しない処理に代えて、前記残印刷可能枚数から減算する処理を行うことを特徴とする構成10に記載の画像処理装置。
(構成12)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、前記画像処理装置に登録されたユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするカウント手段と、前記カウント手段により得られたカウント値に対して所定の基準に基づいて前記ユーザごとにスコアリングを行うスコアリング手段と、前記スコアリングの結果を表示装置に表示する制御手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(構成13)前記スコアリング手段は、前記所定の基準により前記ユーザごとに、前記消色トナーでの印刷枚数の利用比率が大きいほど大きい点数を付与し、且つ、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記リユース用紙の利用比率が大きいほど大きい点数を付与することを特徴とする構成12に記載の画像処理装置。
(構成14)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、前記画像処理装置にログインしたログインユーザの、前記カウント手段によるカウント値に基づく、前記消色トナーでの印刷枚数の利用比率を取得する取得手段と、前記利用比率に応じて前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する通知を異なる内容で行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(構成15)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、ユーザごとに前記消色トナーでの印刷に対する利用意識を推定可能なパラメータを取得する取得手段と、前記パラメータに基づき前記画像処理装置に対するログインユーザの前記利用意識が低いとみなされる場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(構成16)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置であって、ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするカウント手段と、前記画像処理装置にログインしたログインユーザの前記カウント手段によるカウント値が所定の条件を満たす場合に通知を行う通知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
(構成17)コンピュータを構成1乃至16のいずれか1つに記載の画像処理装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
(方法1)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置の制御方法であって、ユーザごとに前記記録紙に対する前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をカウントするステップと、前記画像処理装置にログインしたログインユーザの前記消色トナーでの印刷枚数の比率を取得するステップと、前記比率が第1の閾値以下である場合に、前記ログインユーザに対して前記消色トナーによる印刷を推奨する通知を行うステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
(方法2)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置の制御方法であって、前記画像処理装置に登録されたユーザごとに印刷上限枚数を設定するステップと、前記ユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするステップと、前記通常トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の印刷枚数を前記印刷上限枚数から減算して残印刷可能枚数を演算し、前記消色トナーでの印刷に用いられた前記新品用紙の印刷枚数と前記リユース用紙の枚数を前記残印刷可能枚数から減算するステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
(方法3)消色トナーと通常トナーとを切り替えて記録紙に画像形成を行うことが可能な画像処理装置の制御方法であって、前記画像処理装置に登録されたユーザごとに前記消色トナーでの印刷枚数と前記通常トナーでの印刷枚数をそれぞれ前記記録紙が新品用紙かリユース用紙かで分けてカウントするステップと、前記ユーザごとに前記カウントにより得られたカウント値に対して所定の基準に基づいてスコアリングを行うステップと、前記スコアリングの結果を表示装置に表示するステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【0101】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0102】
例えば、上記実施形態では、消色トナーの利用比率の小さいユーザに対して消色トナーの利用推奨を通知し、また、リユース用紙の利用比率の小さいユーザに対してリユース用紙の利用推奨を通知する構成について説明した。これに加えて、消色トナーの利用比率の大きいユーザに対して、消色トナーの利用比率の現状維持或いは更なる向上を促す通知(例えば「現状の消色トナー印刷の利用頻度をキープしましょう」、「消色トナー印刷をもっと利用しましょう」等)を行ってもよい。同様に、リユース用紙の利用比率の大きいユーザに対して、リユース用紙の利用比率の現状維持或いは更なる向上を促す通知を行うようにしてもよい。
【0103】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0104】
101 画像処理装置
102 制御部
105 印刷部
111 CPU
114 ストレージ
305 消色トナー印刷の利用比率
419 消色トナー印刷の利用推奨通知
607 消色トナー印刷でのリユース用紙の利用比率
711 リユース用紙の利用推奨通知