(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179579
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098541
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 真子
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181DD07
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】特定の状況下における運転にも対応した評価を行うことが可能な車両用制御装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる車両用制御装置は、運転開始後にセンサ情報を取得する制御部と、センサ情報に基づき、運転評価項目の条件に該当する走行が第1所定時間以上継続した回数を計数し、走行が第1所定時間以上継続した場合には第1所定時間に続けて第2所定時間以上継続した回数を計数する計数部と、計数部が計数した運転評価項目の回数情報を、運転評価部へ出力する出力部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転開始後にセンサ情報を取得する制御部と
前記センサ情報に基づき、運転評価項目の条件に該当する走行が第1所定時間以上継続した回数を計数し、前記走行が前記第1所定時間以上継続した場合には前記第1所定時間に続けて第2所定時間以上継続した回数を計数する計数部と、
前記計数部が計数した前記運転評価項目の回数情報を、運転評価部へ出力する出力部と、
を有する車両用制御装置。
【請求項2】
前記運転評価項目は、複数の評価段階が設けられており、
前記計数部は、前記複数の評価段階のうち該当する評価段階ごとに回数を計数する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記第2所定時間は、走行状況に応じて変更される、
請求項1または2に記載の車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が所定速度を超過すると速度超過アラームを通知することが可能な車両用制御装置がある。
【0003】
また、特許文献1には、予め設定された運転に関する評価項目において、各評価項目の条件に該当した回数を計測して、各評価項目の計測回数が所定の警告回数に達した場合に警告情報を通知する運転診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来は、車両が評価項目に該当する走行を所定時間以上続けた回数により運転を評価する。このため、特定の状況下の運転において評価項目に該当する走行を所定時間以上続けた場合においても、同様に回数が加算されるため、運転の評価が適正に行われないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、特定の状況下における運転にも対応した評価を行うことが可能な車両用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明にかかる車両用制御装置は、運転開始後にセンサ情報を取得する制御部と、前記センサ情報に基づき、運転評価項目の条件に該当する走行が第1所定時間以上継続した回数を計数し、前記走行が前記第1所定時間以上継続した場合には前記第1所定時間に続けて第2所定時間以上継続した回数を計数する計数部と、前記計数部が計数した前記運転評価項目の回数情報を、運転評価部へ出力する出力部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特定の状況下における運転にも対応した評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる車両用制御装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、運転評価項目のうちの「速度」項目を対象にした運転評価の説明図である。
【
図3】
図3は、車両用制御装置10が行う運転評価の処理の動作の一例を示すフロー図である。
【
図4】
図4は、運転評価項目のうちの「車間距離」項目を対象にした運転評価の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付図面を参照し、本発明の実施形態である車両用制御装置について詳細に説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0011】
<実施形態>
図1は、実施形態にかかる車両用制御装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
図1には、車両に搭載されるシステムとして車両用制御装置10の他に、ステレオカメラ11、車輪速センサ12、および表示装置13が示されている。
【0012】
車両用制御装置10は、例えば車両用のECU(Electronic Control Unit)であり、車両に設けられたステレオカメラ11、車輪速センサ12、および表示装置13と接続されている。
【0013】
ステレオカメラ11は、水平方向に配置した2つの画像センサを有し、2つの画像センサから走行方向の画像情報に基づいて運転評価に関する各種情報を認識して出力する。例えば、ステレオカメラ11は、走行方向の画像情報に基づいて車線や道路上の制限速度標識を認識し、その認識結果を後述の車両用制御装置10に出力する。また、ステレオカメラ11は、走行方向の画像情報に基づいて認識した先行車両との距離を後述の車両用制御装置10に出力する。車輪速センサ12は、車輪の回転速度を示すセンサ情報を出力する。表示装置13は、ディスプレイオーディオである。また、ディスプレイオーディオは、図示していないが、地図情報を格納する地図情報記憶手段を有し、自車両位置を検出するGPSが接続され、これらに基づいて自車両が一般道を走行中なのか、高速道路を走行中なのかなどの走行路を認識して表示するとともに、この走行路に関する走行路情報を後述の車両用制御装置10に出力する。
【0014】
車両用制御装置10は、ステレオカメラ11、車輪速センサ12、および表示装置13などの車両機器と通信して制御する制御部101を有する。なお、制御部101は、ユーザのステアリング操作を検出するステアリング操作検出手段、ユーザのアクセル操作を検出するアクセル操作検出手段、ユーザのブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段などと通信して制御も行なう。さらに、車両用制御装置10は、計数部102と出力部103とを有し、運転の評価を行う。
【0015】
車両用制御装置10がコンピュータ構成の場合、例えばCPU(Central Processing Unit)がメモリのプログラムを実行することにより機能部として制御部101と計数部102と出力部103とを実現するようにしてもよい。
【0016】
車両用制御装置10は、さらに通信装置と接続して、運転評価情報を外部に送信するようにしてもよい。無線通信装置は、例えば外部サーバなどと通信を行う無線通信装置、或いはスマートフォンなどと通信を行う近距離無線通信装置である。例えば、車両用制御装置10は、起動後において、車内などの通信範囲内にあるユーザのスマートフォンと近距離無線通信装置を介して通信接続して、ユーザのスマートフォンに情報を通知する。
【0017】
制御部101は、運転開始後に、各種センサからセンサ情報を取得する。ステレオカメラ11と車輪速センサ12は、各種センサの一例である。ステレオカメラ11からはステレオカメラ11が認識した認識結果を示すセンサ情報が出力される。
【0018】
計数部102は、運転の評価を行うために、運転評価項目の条件に該当する走行が行われた回数を計数する。運転評価項目とは、一例としては車の速度(車速)や、車間距離や、車線はみ出しなどのことを指し、条件とは、制限速度を超えているか、車間距離が狭いか、車線からはみ出しているかなどの条件を指す。
【0019】
一例として、計数部102は、まずセンサ情報を処理するなどして運転評価項目の条件に該当する運転を検知する。例えば、計数部102は、運転評価項目が「速度」の場合には、ステレオカメラ11が認識する速度標識の速度情報と車輪速センサ12が検出した速度情報とに基づき、「速度」項目に設定されている条件に該当する運転を検知する。また、計数部102は、運転評価項目が「車間距離」の場合には、ステレオカメラ11が認識する、先行車両との距離に基づき、「車間距離」項目に設定されている条件に該当する運転を検知する。「車線はみ出し」など、その他の運転評価項目についても、計数部102が、センサ情報に基づいて条件に該当する運転を検知する。
【0020】
続いて、計数部102は、運転評価項目の条件に該当する走行が第1所定時間以上継続した回数を計数する。その走行が第1所定時間以上継続した場合には、さらに継続時間として第2所定時間を適用し、第2所定時間以上継続した回数についても計数する。第2の所定時間は、第1の所定時間の終わりのタイミングを起点とする時間であり、第1の所定時間に続き第2の所定時間が連続してカウントされる。第2所定時間は、第1所定時間よりも長い時間であってよい。なお、第2所定時間を第1所定時間よりも長い時間とすることは一例であり、第2所定時間を第1所定時間よりも長い時間に限定するものではない。
【0021】
第1所定時間は、通常の走行が可能な状態における運転の評価を行うための設定時間である。一方、第2所定時間は、特定の条件下における運転の評価を行うための設定時間である。
【0022】
特定の条件下とは、例えば悪路、工事中、追い越し中など、一時的に通常の走行が可能な状態ではない走行状態を指す。また、一般道とは制限速度が異なる高速道路走行なども特定の条件下に含まれる。特定の条件下では、通常の走行が可能な状態とは異なり、急なハンドル操作や、急な減速などの急な運転操作は避けて行なわれる。このため、通常の走行と同じ時間設定で評価を行うと、悪い運転の評価になりやすいが、第2所定時間を使って回数を計数することで特定の条件下における運転が悪い評価になることを緩和する。
【0023】
出力部103は、計数部102が計数した運転評価項目の回数情報を運転評価部へ出力する。運転評価部は、各評価項目の値の集計や、評価項目の回数に応じて行う報知情報の通知などを行う。運転評価部は、車両用制御装置10に設けてもよいし、外部サーバや、ユーザのスマートフォンなどに設けてもよい。
【0024】
なお、運転評価のための計数等の処理は、車両の運転を行うと運転の開始から終了までの間、繰り返し実行されるようにしてもよいし、ユーザが開始または終了を指定できるようにしてもよい。例えばユーザが入力操作や音声で開始または終了を指定できるようにしてもよい。
【0025】
続いて運転評価項目の条件に該当する回数を計数する方法について説明する。一例として、3段階に分けて運転を評価する方法について説明する。計数部102が3つの評価段階のうちの該当する評価段階ごとに回数を計数する。
【0026】
なお、評価段階は、3段階に限定するものではない。適宜、評価段階を、2段階に設定したり、4段階以上に設定したりしてもよい。また、ここでは複数の評価段階を設けて説明するが、評価段階を1つにしても勿論よい。
【0027】
図2は、運転評価項目のうちの「速度」項目を対象にした運転評価の説明図である。
図2には、時速を3つの範囲に分けて、それぞれに評価段階を示す「OK」、「NOMAL(標準)」、および「NG」を対応付けたものを示している。一例として、
図2では、制限速度50Km/hの走行路において、40km/h以上50km/h未満に「OK」を対応付け、50km/h以上65km/h未満に「NOMAL」を対応付け、65km/h以上に「NG」を対応付けている。なお、「NOMAL」は、3段階としたときの中間の意味合いで用いており、ユーザに知らせる際は、より相応しい名称に適宜変えてよい。
【0028】
図2において、時速を示す軸に直交する方向を時間軸とし、車両の車速の変化を折れ線グラフで示している。以下では車速の変化を示す折れ線グラフを時間軸方向に辿りながら説明する。時間軸方向において走行範囲を区切って示す点線枠は、評価段階が変わるタイミングで時間軸方向において区切って示した枠である。また、第1所定時間以上と第2所定時間以上の継続が行われた位置においても区切りを設けている。なお、
図2において、第1所定時間を5秒(sec)とし、第2所定時間を20秒(sec)としているが、第1所定時間および第2所定時間は、これらに限定されず、適宜設定してもよい。
【0029】
まず、点線枠101では、車速がOKの範囲からNOMAlの範囲に入り、NOMAlの範囲の車速が5秒以上継続されている。続く点線枠102では、車速が20秒未満でNOMAlの範囲を外れる。このため、点線枠101および点線枠102においては、NOMAlの範囲が第1所定時間の5秒以上継続されたことで、計数部102がNOMALに対して1回を計数する。
【0030】
続く点線枠103では、車速がOKの範囲に入り、車速が5秒未満でOKの範囲から外れている。続く点線枠104でも、再び車速がOKの範囲に入るが、車速が5秒未満でOKの範囲から外れている。そして、続く点線枠105では、車速がOKの範囲に入り、5秒未満でOKの範囲から外れている。このため、点線枠103~点線枠105において、計数部102が計数する回数は何れも0である。
【0031】
点線枠106では、車速がOKの範囲に入り、OKの範囲の車速が5秒以上継続されている。続く点線枠107では、車速が20秒未満でOKの範囲を外れる。このため、点線枠106および点線枠107においては、OKの範囲が第1所定時間の5秒以上継続されたことで、計数部102がOKに対して1回を計数する。
【0032】
点線枠108では、車速がNOMAlの範囲に入り、NOMAlの範囲の車速が5秒以上継続されている。続く点線枠102では、車速が20秒未満でNOMAlの範囲を外れる。このため、点線枠108および点線枠109においては、NOMAlの範囲が第1所定時間の5秒以上継続されたことで、計数部102がNOMALに対して1回を計数する。
【0033】
点線枠110では、車速がNGの範囲に入り、NGの範囲の車速が5秒以上継続されている。続く点線枠111では、車速が20秒間以上継続されている。そして、続く点線枠112では、車速が20秒未満でNGの範囲を外れる。このため、点線枠110~点線枠112においては、NGの範囲が第1所定時間の5秒以上継続され、さらにNGの範囲が第2所定時間の20秒以上継続されたことで、計数部102がNGに対して2回を計数する。
【0034】
よって、
図2に示される時間軸の範囲に示す点線枠108~点線枠112内においては、OKに対して合計1回、NOMALに対して合計2回、NGに対して合計2回の結果となる。
【0035】
この例では、第1所定時間の5秒(sec)に続き、第2所定時間の20秒(sec)を設けている。従って、20秒未満に減速を行った場合は、特定の条件下のために減速が行えなかったものと判断して追加の加点を行わないため、NGの回数を緩和することができる。一方、特定の条件下に対応させるために20秒という長い時間を設けても、それを超えて減速を行わない場合には、特定の条件下とは無関係な意図的な運転であると判断し、NGに追加の加点を行う。上記の例は、NGの範囲の車速が5秒(sec)継続した後、さらに20秒(sec)以上継続して走行を行っているため、NGに追加の加点が行われた例である。なお、20秒(sec)の設定は、一般道と高速道とで「走行状況」が違うので設定を変更してよい。例えば、一般道を20秒(sec)とし、高速道では60秒(sec)に変更する。この設定は一例であり、この設定への変更に限定するものではない。一般道と高速道、走行路面状態、走行周囲環境、走行中の気象などのような「走行状況」の違いに応じて適宜時間を設定してよい。この走行状況は、各種センサや地図情報などで検出してもよいし、自車両の外部から通信により受信するようにしてもよい。
【0036】
図3は、車両用制御装置10が行う運転評価の処理の動作の一例を示すフロー図である。
図3に示すフローは、
図2に示す「速度」の3段階評価の処理を行う動作の一例を示すフローである。
【0037】
まず、車両用制御装置10は、センサ情報を取得して制限速度情報の検知を行う(ステップS1)。車両用制御装置10は、センサ情報から制限速度情報が検知されない場合(ステップS1:No)、これまでの得点つまり回数の合計を計算して(ステップS50)、処理を終了する。
【0038】
一方、車両用制御装置10は、センサ情報から制限速度情報が検知されると(ステップS1:Yes)、車輪速センサ12のセンサ情報に基づいて車速が30km/h以上かを判定する(ステップS2)。
【0039】
車両用制御装置10は、車速が30km/h未満の場合には(ステップS2:No)、得点を計算して(ステップS50)、処理を終了する。
【0040】
車両用制御装置10は、車速が30km/h以上の場合(ステップS2:Yes)、車速が設定速度未満かを判定する(ステップS3)。設定速度は、制限速度情報に応じて設定する。一例として設定速度を、一般道を50km/hとし、高速度を80km/hとするが、設定速度の設定は、制限速度を超えないように適宜低めの速度に設定するなどしてよい。
【0041】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の場合(ステップS3:Yes)、ステップS4からステップS10のOKの運転を計数する動作を行う。
【0042】
具体的に、両用制御装置10は、まず車速が設定速度未満の状態が第1所定時間の5秒以上継続されたかを判定する(ステップS4)。
【0043】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の状態が5秒以上継続されなかった場合は(ステップS4:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0044】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の状態が5秒以上継続された場合は(ステップS4:Yes)、OKの回数に+1を加算する(ステップS5)。そして、車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中かを判定する(ステップS6)。
【0045】
車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中の場合は(ステップS6:Yes)、車速が設定速度未満の状態が、5秒に続きさらに第2所定時間である20秒以上継続されたかを判定する(ステップS7)。
【0046】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の状態が5秒に続き、さらに20秒以上継続されなかった場合は(ステップS7:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0047】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の状態が5秒に続き、さらに20秒以上継続された場合は(ステップS7:Yes)、OKの回数に+1を加算する(ステップS8)。そして、このフローにおいて、車両用制御装置10は、ステップS7を繰り返す。つまり、車速が設定速度未満の状態が、続けて20秒以上継続された回数を判定し、繰り返し20秒以上継続された回数をOKの回数に追加していく。
【0048】
一方、車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中でない場合(ステップS6:No)、一例として高速道を走行中とした場合は、第2所定時間の20秒の設定を60秒に変更し、設定速度未満の状態が、5秒に続きさらに第2所定時間として60秒以上継続されたかを判定する(ステップS9)。
【0049】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の状態が5秒に続き、さらに60秒以上継続されなかった場合は(ステップS9:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0050】
車両用制御装置10は、車速が設定速度未満の状態が5秒に続き、さらに60秒以上継続された場合は(ステップS9:Yes)、OKの回数に+1を加算する(ステップS10)。そして、このフローにおいて、車両用制御装置10は、ステップS9を繰り返す。つまり、車速が設定速度未満の状態が、続けて60秒以上継続された回数を判定し、繰り返し60秒以上継続された回数をOKの回数に追加していく。
【0051】
第2の時間以上継続した回数を計数することで、積極的に行ったOKの運転の回数も加算する。
【0052】
一方、車両用制御装置10は、車速が設定速度以上の場合(ステップS3:No)、まず、車速が設定速度+15km/h以上かを判定する(ステップS20)。
【0053】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の場合(ステップS20:No)、ステップS21からステップS27のNOMALの運転を計数する動作を行う。
【0054】
具体的に、車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が第1所定時間の5秒以上継続されたかを判定する(ステップS21)。
【0055】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が5秒以上継続されなかった場合は(ステップS21:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0056】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が5秒以上継続された場合は(ステップS21:Yes)、NOMALの回数に+1を加算する(ステップS5)。そして、車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中かを判定する(ステップS23)。
【0057】
車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中の場合は(ステップS23:Yes)、車速が設定速度+15km/h未満の状態が、5秒に続きさらに第2所定時間である20秒以上継続されたかを判定する(ステップS24)。
【0058】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が5秒に続き、さらに20秒以上継続されなかった場合は(ステップS24:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0059】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が5秒に続き、さらに20秒以上継続された場合は(ステップS24:Yes)、NOMALの回数に+1を加算する(ステップS25)。そして、このフローにおいて、車両用制御装置10は、ステップS24を繰り返す。つまり、車速が設定速度+15km/h未満の状態が、続けて20秒以上継続された回数を判定し、繰り返し20秒以上継続された回数をNOMALの回数に追加していく。
【0060】
一方、車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中でない場合(ステップS23:No)、一例として高速道を走行中とした場合は、第2所定時間の20秒の設定を60秒に変更し、設定速度+15km/h未満の状態が、5秒に続きさらに第2所定時間として60秒以上継続されたかを判定する(ステップS26)。
【0061】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が5秒に続き、さらに60秒以上継続されなかった場合は(ステップS26:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0062】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h未満の状態が5秒に続き、さらに60秒以上継続された場合は(ステップS26:Yes)、NOMALの回数に+1を加算する(ステップS27)。そして、このフローにおいて、車両用制御装置10は、ステップS26を繰り返す。つまり、車速が設定速度+15km/h未満の状態が、続けて60秒以上継続された回数を判定し、繰り返し60秒以上継続された回数をNOMALの回数に追加していく。
【0063】
第2の時間以上継続した回数を計数することで、積極的に行ったNOMALの運転の回数も加算する。
【0064】
また、車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の場合(ステップS20:Yes)、ステップS31からステップS37のNGの運転を計数する動作を行う。
【0065】
具体的に、車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が第1所定時間の5秒以上継続されたかを判定する(ステップS31)。
【0066】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が5秒以上継続されなかった場合は(ステップS31:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0067】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が5秒以上継続された場合は(ステップS31:Yes)、NGの回数に+1を加算する(ステップS32)。そして、車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中かを判定する(ステップS33)。
【0068】
車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中の場合は(ステップS33:Yes)、車速が設定速度+15km/h以上の状態が、5秒に続きさらに第2所定時間である20秒以上継続されたかを判定する(ステップS34)。
【0069】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が5秒に続き、さらに20秒以上継続されなかった場合は(ステップS34:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0070】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が5秒に続き、さらに20秒以上継続された場合は(ステップS34:Yes)、NGの回数に+1を加算する(ステップS35)。そして、このフローにおいて、車両用制御装置10は、ステップS34を繰り返す。つまり、車速が設定速度+15km/h以上の状態が、続けて20秒以上継続された回数を判定し、繰り返し20秒以上継続された回数をNGの回数に追加していく。
【0071】
一方、車両用制御装置10は、車両が一般道を走行中でない場合(ステップS33:No)、一例として高速道を走行中とした場合は、第2所定時間の20秒の設定を60秒に変更し、設定速度+15km/h以上の状態が、5秒に続きさらに第2所定時間として60秒以上継続されたかを判定する(ステップS36)。
【0072】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が5秒に続き、さらに60秒以上継続されなかった場合は(ステップS36:No)、ステップS1に戻って、処理を繰り返す。
【0073】
車両用制御装置10は、車速が設定速度+15km/h以上の状態が5秒に続き、さらに60秒以上継続された場合は(ステップS36:Yes)、NGの回数に+1を加算する(ステップS37)。そして、このフローにおいて、車両用制御装置10は、ステップS36を繰り返す。つまり、車速が設定速度+15km/h以上の状態が、続けて60秒以上継続された回数を判定し、繰り返し60秒以上継続された回数をNGの回数に追加していく。
【0074】
第2の時間以上継続した回数を計数することで、積極的に行ったNGの運転の回数を加算する。
【0075】
なお、このフローでは、ステップS34、S36において、第2所定時間を繰り返す動作を示したが、第2所定時間は、2回目以後から設定時間を変更してもよい。例えば、第2所定時間を2回目以後から徐々に短くするなどの設定変更を行ってもよい。第2所定時間の1回目を経過した後は、意図的な運転であると判定し、それ以後は時間的な猶予を与えずに、その運転を継続すればするほどNGがより高い値になるようにしてもよい。
【0076】
ここまで、運転評価項目のうちの「速度」項目を対象にした運転評価について説明したが、その他の項目についても第1所定時間と第2所定時間とを使った加点を同様に実施することができる。例えば「車間距離」や「車線はみ出し」などで実施することができる。
【0077】
図4は、運転評価項目のうちの「車間距離」項目を対象にした運転評価の説明図である。
図4には、制限速度50km/hの一般道を車両1が走行している状態を示している。
図4に示す距離Hは、先行する車両2との距離である。
【0078】
この場合においても、車間距離を「OK」、「NOMAL(標準)」、および「NG」の3段階に分けることができ、計数部102が3つの評価段階のうちの該当する評価段階ごとに回数を計数する。
【0079】
例えば
図2において、時速を示す軸を距離Hに変更し、先行する車両2との距離Hが30m以下を「NG」、31~39mを「NOMAL(標準)」、40m以上を「OK」とする3段階に分けて、計数部102が3つの評価段階のうちの該当する評価段階ごとに回数を計数する。なお、3段階評価は一例であり、3段階に限定するものではない。
【0080】
制限速度が異なる場合は、次のようにする。車両の重量、路面状態、気象などに応じて異なるが、一例として、車両1が30km/h以上60km/h未満で走行中であれば、車速の数値-10m以上を5秒以上継続した段階でOKに+1を加算する。車両1が60km/h以上で走行中であれば、車速の数値+5m以上を5秒以上継続した段階でOKに+1を加算する。また、車両1が30km/h以上60km/h未満で走行中において、車速の数値-20m以下を5秒以上継続した段階でNGに+1を加算する。車両1が60km/h以上で走行中であれば、車速の数値-10m以下を5秒以上継続した段階でNGに+1を加点する。
【0081】
なお、第1所定時間である5秒以上継続した後において、さらに第2所定時間である20秒以上継続した場合の加点方法は、
図2および
図3において説明した方法と同様である。ここでは繰り返しとなるため、これ以上の説明については省略する。
【0082】
運転評価項目は、その他にも「脇見運転」などがある。「脇見運転」については、車内カメラを設けるなどして運転手の目線を検知して、運転手の目線が前方から外れている時間を第1所定時間と第2所定時間で判定する。
【0083】
このようにして計数部102が計数した運転評価項目毎の「OK」、「NOMAL(標準)」、および「NG」の回数情報が、出力部103から運転評価部へ出力される。
【0084】
車両用制御装置10が備える運転評価部は、例えば各評価項目の「NG」の回数に応じて、所定回数を上回ったときに、表示装置13またはユーザのスマートフォンなどに報知情報を通知するようにしてもよい。例えば運転評価部は、走行中に「NG」の回数情報を随時取得して、評価項目の「NG」の回数が所定回数を上回ったときに、表示装置13に報知情報を通知する。報知情報は、表示装置13の表示画面で表示してもよいし、表示装置13で警告音や警告メッセージをオーディオ出力してもよい。また、運転評価部は、運転が終わった後に、回数情報を取得して、「OK」、「NOMAL(標準)」、および「NG」の運転評価の点数を表示装置13の表示画面で表示したり、表示装置13で運転の評価結果をオーディオ出力したりしてもよい。また、サーバ装置の運転評価部の場合は、運転が終わった後に、回数情報を取得して、「OK」、「NOMAL(標準)」、および「NG」の運転評価の点数をデータベースに記憶して、ユーザのスマートフォンからの閲覧を可能にしてもよい。
【0085】
以上のように、特定の条件下では通常の走行が可能な状態とは異なり、正常な運転に戻すなどの瞬間的な操作が行えない場合があるため、いつも通りに運転していたとしても、通常の走行と同じ設定で運転の評価を行うと、瞬間的な操作が行えなかった場合に評価が低くなる。しかし、本実施形態にかかる運転用制御装置によれば、第1所定時間と、第1所定時間に続く第2所定時間を使って運転を判定するため、特定の条件下であっても第2所定時間を加えることで時間的に余裕ができ、第2所定時間が経過する前に正常な運転に戻せば、NGの加点が緩和される。一方、第2所定時間が経過する前に正常な運転に戻さない場合は、意図的な運転と判定してNGを加点することができる。このように本実施形態にかかる運転用制御装置によれば、特定の状況下における運転に対応した評価を行うことができる。
また、本実施形態にかかる運転用制御装置によれば、第1所定時間と、第1所定時間に続く第2所定時間を使って運転を判定するため、瞬間的であるノイズや誤検知を低い点数に抑えることもできる。
【符号の説明】
【0086】
10 車両用制御装置
11 ステレオカメラ
12 車輪速センサ
13 表示装置
101 制御部
102 計数部
103 出力部