(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179584
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電力計測装置
(51)【国際特許分類】
G01R 11/02 20060101AFI20241219BHJP
G01R 11/04 20060101ALI20241219BHJP
H01H 83/02 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
G01R11/02 E
G01R11/04 C
H01H83/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098547
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】野口 真伍
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030YY12
(57)【要約】
【課題】耐サージ性が高く、小型化が図れられた電力計測装置の提供を目的とする。
【解決手段】回路遮断器にそれぞれ接続される第1給電線及び第2給電線と、前記第1給電線及び前記第2給電線を介して、前記回路遮断器に接続される電力計測回路と、前記第1給電線及び前記第2給電線のそれぞれに接続されるサージ吸収素子と、前記第1給電線において、前記サージ吸収素子より前記回路遮断器側に設けられる第1電流制限素子、及び、前記第2給電線において、前記サージ吸収素子より前記回路遮断器側に設けられる第2電流制限素子、の少なくとも一方の電流制限素子と、を備える、電力計測装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断器にそれぞれ接続される第1給電線及び第2給電線と、
前記第1給電線及び前記第2給電線を介して、前記回路遮断器に接続される電力計測回路と、
前記第1給電線及び前記第2給電線のそれぞれに接続されるサージ吸収素子と、
前記第1給電線において、前記サージ吸収素子より前記回路遮断器側に設けられる第1電流制限素子、及び、前記第2給電線において、前記サージ吸収素子より前記回路遮断器側に設けられる第2電流制限素子、の少なくとも一方の電流制限素子と、
を備える、電力計測装置。
【請求項2】
第1電流制限素子及び第2電流制限素子の双方を備える、請求項1に記載の電力計測装置。
【請求項3】
前記第1電流制限素子及び前記第2電流制限素子の少なくとも一方は、アキシャルリード抵抗である、請求項1に記載の電力計測装置。
【請求項4】
前記アキシャルリード抵抗は、互いに対向する2つの基板の一方の前記基板に垂直に実装され、かつ、前記一方の前記基板から他方の前記基板に向けて延びる、請求項3に記載の電力計測装置。
【請求項5】
前記サージ吸収素子は、TVSである、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力計測装置。
【請求項6】
前記第1給電線において、前記第1電流制限素子と前記サージ吸収素子との間、及び、前記第2給電線において、前記第2電流制限素子と前記サージ吸収素子の間、の少なくとも一方の位置に配置される温度ヒューズをさらに備える、請求項1に記載の電力計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統から給電された電力を負荷に送電する配電盤や分電盤には、負荷に過電流が流れた際に、負荷への電力の送電を遮断するブレーカ等の回路遮断器が設けられている。また、回路遮断器を通じて負荷に送電される電力を計測する電力計測装置が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力計測装置において、回路遮断器と同様の耐サージ性が必要とされる。しかしながら、サージ吸収素子単独で、電力計測装置の耐サージ性を担保しようとする場合、大きなサイズのサージ吸収素子を設けなければならない。すなわち、電力計測装置の大型化を招く。
【0005】
本開示は、耐サージ性が高く、小型化が図れられた電力計測装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、電力計測装置は、回路遮断器にそれぞれ接続される第1給電線及び第2給電線と、前記第1給電線及び前記第2給電線を介して、前記回路遮断器に接続される電力計測回路と、前記第1給電線及び前記第2給電線のそれぞれに接続されるサージ吸収素子と、前記第1給電線において、前記サージ吸収素子より前記回路遮断器側に設けられる第1電流制限素子、及び、前記第2給電線において、前記サージ吸収素子より前記回路遮断器側に設けられる第2電流制限素子、の少なくとも一方の電流制限素子と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、耐サージ性が高く、小型化が図れられた電力計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る電力計測装置の回路構成の一例を示す回路模式図である。
【
図2】実施形態に係る電力計測装置の外部構造の一例を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る電力計測装置の内部構造の一例を示す斜視図である。
【
図4】実施形態に係る電力計測装置の電流制限素子の配置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態に係る電力計測装置について説明する。なお、「接続」とは、物理的な接続に限られず、電気的な接続の意味を含んでよい。例えば、物体Aが物体Bに接続されるとは、物体Aが物体Bに導電的に(例えば、同電位に)接続される場合に限られず、物体Aが物体Cを介して物体Bに導電的に接続される場合を含んでよい。
【0010】
<回路構成>
図1を参照して、実施形態に係る電力計測装置10の回路構成の一例を説明する。
図1は、電力計測装置10の回路構成の一例を示す回路模式図である。また、
図1は、電力計測装置10、電源1、回路遮断器2、及び負荷3における相互の電気的な接続関係を示す。
【0011】
電力計測装置10の回路構成を説明する前提として、はじめに、電源1、回路遮断器2、負荷3の構成の概要及び電気的な接続関係を説明する。電源1から分電盤や配電盤(以下、分電盤や配電盤をまとめて、「分電盤等」という)に送電された電力は、分電盤等に設けられた回路遮断器2を通じて、負荷3に送電される。
【0012】
本実施形態の電源1は、回路遮断器2を備えた分電盤等に電力を送電する商用の電力系統である。電源1から回路遮断器2側には、U相、V相、W相の三相の交流電力が送電される。電源1は、
図1に示すように、3つの配線1a,1b,1cを通じて、回路遮断器2に接続される。
【0013】
電源1から配線1aを通じて、回路遮断器2側にU相の交流電力が送電される。電源1から配線1bを通じて、回路遮断器2側にW相の交流電力が送電される。電源1から配線1cを通じて、回路遮断器2側にV相の交流電力が送電される。
【0014】
ただし、電源1の種類は、三相の交流電力を送電する電力系統に限られない。電源1は、太陽電池等の直流電力を送電する電源であってもよい。また、電源1から送電される交流電力は、分電盤等によって、単相の交流電力等の他の形態の電力に変換されてもよい。すなわち、分電盤等によって変換された電力が、回路遮断器2及び負荷3に送電されてもよい。
【0015】
回路遮断器2は、例えば、回路遮断器2と負荷3とを接続する配線に過電流が流れた場合や、漏電が生じた場合に、負荷3側への電力の送電を遮断する機器である。回路遮断器2の例として、いわゆるブレーカと称される、配線用遮断器、漏電遮断器が挙げられる。
【0016】
図1に示すように、回路遮断器2は、3つの電源側端子2a,2b,2cを備える。電源側端子2aは、配線1aを通じて、U相の交流電力を受電する。電源側端子2bは、配線1bを通じて、W相の交流電力を受電する。電源側端子2cは、配線1cを通じて、V相の交流電力を受電する。
【0017】
回路遮断器2は、3つの負荷側端子2d,2e,2fをさらに備える。回路遮断器2は、負荷側端子2dから延びる配線4a、負荷側端子2eから延びる配線4b、負荷側端子2fから延びる配線4cのそれぞれを通じて、負荷3に接続される。
【0018】
本実施形態の負荷3は、回路遮断器2を通じて電源1から送電された電力を駆動源とするモータ等の電動機である。ただし、負荷3の種類は、これに限定されない。負荷3は、例えば、3つの端子3a,3b,3cを備える。
【0019】
負荷3の端子3aは、回路遮断器2の負荷側端子2d及び配線4aを通じて、U相の交流電力を受電する。負荷3の端子3bは、回路遮断器2の負荷側端子2e及び配線4bを通じて、W相の交流電力を受電する。負荷3の端子3cは、回路遮断器2の負荷側端子2f及び配線4cを通じて、V相の交流電力を受電する。
【0020】
以上、電源1、回路遮断器2、負荷3の構成の概要及び電気的な接続関係を説明した。ただし、電源1、回路遮断器2、負荷3の構成の概要、及びこれらの電気的な相互の接続関係は、前述の説明及び
図1に示す態様に限定されない。
【0021】
例えば、電源1から回路遮断器2及び負荷3に送電される電力の形態に応じて、回路遮断器2の端子の数、負荷3の端子の数は、適宜変更されてよい。同様に、電源1から回路遮断器2及び負荷3に送電される電力の形態に応じて、電源1、回路遮断器2、及び負荷3のそれぞれを相互に接続する配線の数も、適宜変更されてよい。
【0022】
次に、電力計測装置10の回路構成を説明する。本実施形態に係る電力計測装置10は、回路遮断器2を通じて負荷3に送電される電力を計測する。電力計測装置10は、構造上、回路遮断器2と一体化されて利用される。ただし、電力計測装置10の利用形態は、回路遮断器2と一体化される形態に限られない。電力計測装置10は、構造上、回路遮断器2と分離されて利用されてもよい。また、電力計測装置10は、回路遮断器2を通じて負荷3に送電される電流及び電圧の少なくとも1つを計測するものであってもよい。
【0023】
図1に示すように、電力計測装置10は、第1端子11aと、第2端子11bと、第1給電線12aと、第2給電線12bと、電流検出部13a,13bと、電圧検出用接点14a,14b,14cと、電力計測回路20と、電源回路30と、サージ吸収素子40と、第1電流制限素子51と、第2電流制限素子52と、を備える。また、本実施形態の電力計測装置10は、温度ヒューズ60をさらに備えることが好ましい。
【0024】
第1端子11aは、バスバー等の長尺な導体板である。第1端子11aの一端は、回路遮断器2の負荷側端子2dに接続される。また、第1端子11aの他端は、負荷3側に延びる配線4aを通じて、負荷3の端子3aに接続される。さらに、第1端子11aは、第1給電線12aを通じて、電力計測装置10内に設けられた電力計測回路20及び電源回路30等に接続される。なお、電力計測回路20及び電源回路30等の、電力計測装置10内に設けられた回路を総称して、以下、「電力計測装置10の内部回路」という。
【0025】
第2端子11bは、第1端子11aとは互いに異なる位置に設けられる、バスバー等の長尺な導体板である。第2端子11bの一端は、回路遮断器2の負荷側端子2eに接続される。また、第2端子11bの他端は、負荷3側に延びる配線4bを通じて、負荷3の端子3bに接続される。さらに、第2端子11bは、第2給電線12bを通じて、電力計測装置10の内部回路に接続される。
【0026】
第1給電線12aは、回路遮断器2側から第1端子11aを通じて送電された電力を、電力計測装置10の内部回路に給電するための電路である。具体的には、
図1に示すように、第1給電線12aは、第1端子11a及び電源回路30の端子31aを相互に接続する配線121aと、電源回路30の端子31b及び電力計測回路20の端子21aを相互に接続する配線122aと、を含む。
【0027】
第2給電線12bは、回路遮断器2側から第2端子11bを通じて送電された電力を、電力計測装置10の内部回路に給電するための電路である。具体的には、
図1に示すように、第2給電線12bは、第2端子11b及び電源回路30の端子31cを相互に接続する配線121bと、電源回路30の端子31d及び電力計測回路20の端子21bを相互に接続する配線122bと、を含む。
【0028】
電流検出部13a,13bは、回路遮断器2から配線4a,4bを通じて負荷3側に送電される相電流をそれぞれ検出する。具体的には、電流検出部13aは、配線4aに送電されたU相の相電流を検出するロゴスキーセンサである。また、電流検出部13bは、配線4bに送電されたW相の相電流を検出する別のロゴスキーセンサである。電流検出部13a,13bのそれぞれが検出したU相、W相の電流信号(正確には、ロゴスキーセンサのコイルの両端に生じた電圧信号)は、電力計測回路20に出力される。
【0029】
別途、配線4cに送電されたV相の相電流を検出する電流検出部を設けてもよい。すなわち、3つの電流検出部を設けて、回路遮断器2を通じて負荷3側に流れるU相、V相、W相の各相の交流電流を検出するようにしてもよい。
【0030】
電流検出部13a,13bは、ロゴスキーセンサとは異なる種類の電流センサであってもよい。他の電流センサの例として、変流器やシャント抵抗等が挙げられる。ただし、電流の検出精度を高め、かつ、電力計測装置10の小型化を図ることができる観点から、電流検出部13a,13bのそれぞれをロゴスキーセンサとすることが好ましい。
【0031】
電圧検出用接点14a,14b,14cは、回路遮断器2から配線4a,4b,4cを通じて負荷3側に送電される相電圧をそれぞれ検出するための接点である。また、
図1に示すように、電圧検出用接点14aと電力計測回路20とを接続する配線5a、電圧検出用接点14bと電力計測回路20とを接続する配線5b、及び電圧検出用接点14cと電力計測回路20とを接続する配線5cが、それぞれ設けられる。配線4aに送電されたU相の相電圧に対応する電圧信号は、電圧検出用接点14a及び配線5aを通じて、電力計測回路20側に出力される。配線4bに送電されたW相の相電圧に対応する電圧信号は、電圧検出用接点14b及び配線5bを通じて、電力計測回路20側に出力される。配線4cに送電されたV相の相電圧に対応する電圧信号は、電圧検出用接点14c及び配線5cを通じて、電力計測回路20側に出力される。
【0032】
電力計測回路20は、電源1から回路遮断器2を通じて負荷3に送電される電力を計測する回路である。電力計測回路20は、例えば、電流実効値及び電圧実効値を算出し、算出した電流実効値及び電圧実効値に基づき、有効電力を計測する。また、電力計測回路20は、負荷3に送電される電力に関するより正確な情報を得るため、皮相電力や無効電力等の他の電力情報を計測するものであってもよい。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の電力計測回路20は、積分回路22と、増幅回路23と、相間電圧検出回路24と、A/D変換回路25と、演算処理回路26と、外部通信I/F回路27と、を備える。また、電力計測回路20は、必要に応じて、他の回路を備えていてもよい。
【0034】
電流検出部13a,13bのそれぞれが、ロゴスキーセンサである場合、電流検出部13a,13bで検出された信号は、U相、W相の相電流の微分値に対応する電圧値からなる。電力計測回路20の積分回路22は、電流検出部13a,13bのそれぞれから出力された信号を積分し、U相、W相の相電流に対応する電流信号に変換する。
【0035】
増幅回路23は、積分回路22によって変換された電流信号を増幅する。また、増幅回路23は、増幅した電流信号をA/D変換回路25に出力する。
【0036】
相間電圧検出回路24は、電圧検出用接点14a,14b,14cのそれぞれを介して抽出された電圧信号に基づき、U相、V相、W相の各相電圧のうちの2相間の相間電圧を検出する。
【0037】
具体的には、相間電圧検出回路24は、電圧検出用接点14aを介して検出されたU相の相電圧と、電圧検出用接点14bを介して検出されたW相の相電圧との差から、U相及びW相の間の相間電圧を検出する。また、相間電圧検出回路24は、電圧検出用接点14bを介して検出されたW相の相電圧と、電圧検出用接点14cを介して検出されたV相の相電圧との差から、W相及びV相の間の相間電圧を検出する。さらに、相間電圧検出回路24は、電圧検出用接点14cを介して検出されたV相の相電圧と、電圧検出用接点14aを介して検出されたU相の相電圧との差から、V相及びU相の間の相間電圧を検出する。
【0038】
相間電圧検出回路24は、入力されたU相、V相、W相の各相の電圧レベルをそれぞれ調整する分圧回路を備えてもよい。分圧回路は、分圧回路に入力された電圧を分圧するための抵抗素子を含む。相間電圧検出回路24は、検出した相間電圧のそれぞれに対応する電圧信号を、A/D変換回路25に出力する。
【0039】
A/D変換回路25は、増幅回路23から出力された電流信号をデジタル電流信号に変換する。また、A/D変換回路25は、相間電圧検出回路24から出力された電圧信号をデジタル電圧信号に変換する。さらに、A/D変換回路25は、変換したデジタル電流信号及びデジタル電圧信号のそれぞれを、演算処理回路26に出力する。
【0040】
演算処理回路26は、電力計測回路20における各種の演算処理を実行する。本実施形態の演算処理回路26は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUで実行されるプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を含む。なお、演算処理回路26における演算処理機能の一部又は全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の他の電子回路に担わせるようにしてもよい。
【0041】
具体的には、演算処理回路26は、A/D変換回路25から出力されたデジタル電流信号に基づき、電源1から回路遮断器2を通じて負荷3に送電される電流実効値を算出する。また、演算処理回路26は、A/D変換回路25から出力されたデジタル電圧信号に基づき、電源1から回路遮断器2を通じて負荷3に送電される電圧実効値を算出する。さらに、演算処理回路26は、電流実効値及び電圧実効値に基づき、電源1から回路遮断器2を通じて負荷3に送電される有効電力を計測する。
【0042】
演算処理回路26は、電流平均値、電圧平均値を算出してもよい。また、演算処理回路26は、電流最大値、電圧最大値を算出してもよい。演算処理回路26は、これら各種の電流情報及び電圧情報に基づき、有効電力等の電力情報を計測してもよい。演算処理回路26は、演算結果に対応する電流情報、電圧情報、及び電力情報のそれぞれを、外部通信I/F回路27に出力する。
【0043】
外部通信I/F回路27は、電力計測装置10に接続された他の情報処理装置との通信を行うためのインターフェースである。具体的には、外部通信I/F回路27は、演算処理回路26から出力された、電流情報、電圧情報、及び電力情報等の計測情報を、他の情報処理装置に送信する。
【0044】
他の情報処理装置の例として、複数の電力計測装置10のそれぞれから送信された各種計測情報を統括的に管理するためのコンピュータが挙げられる。なお、複数の電力計測装置10のそれぞれは、互いに異なる複数の回路遮断器2のいずれかと一体化されている。また、複数の電力計測装置10のそれぞれは、各回路遮断器2から負荷3に送電される電流情報、電圧情報、電力情報等の計測情報を、他の情報処理装置に送信する。他の情報処理装置を介して、複数の負荷3の作動状態を、一括して監視することができる。
【0045】
電源回路30は、電力計測回路20を動作させるため、第1給電線12a及び第2給電線12bを通じて回路遮断器2から送電された交流電力を直流電力に変換する。また、電源回路30は、変換した直流電力の電圧値を、電力計測回路20が動作可能な電圧値まで降圧するものであってもよい。
【0046】
電源回路30の例として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等の半導体素子から構成される複数のスイッチング素子を含むインバータ回路やコンバータ回路が挙げられる。また、電源回路30は、インバータ回路やコンバータ回路等の電子回路に限られず、変圧器等の電圧変換機能を備える電気部品を含むものであってもよい。ただし、電力計測装置10の小型化を図る観点から、電源回路30を、インバータ回路やコンバータ回路等を含む電子回路とすることが好ましい。
【0047】
図1に示すように、電源回路30は、回路遮断器2側に配置される2つの端子31a,31cと、電力計測回路20側に配置される別の2つの端子31b,31dを備える。
【0048】
電源回路30の端子31aは、第1給電線12aのうちの配線121aを通じて、第1端子11aに接続される。電源回路30の端子31cは、第2給電線12bのうちの配線121bを通じて、第2端子11bに接続される。電源回路30の端子31bは、第1給電線12aのうちの配線122aを通じて、電力計測回路20の端子21aに接続される。電源回路30の端子31dは、第2給電線12bのうちの配線122bを通じて、電力計測回路20の端子21bに接続される。
【0049】
本実施形態の電源回路30は、電力計測回路20とは物理的に離れた位置に設けられる別の回路部材である。ただし、電源回路30は、電力計測回路20に組み込まれた、電力計測回路20と一体の回路部材であってもよい。
【0050】
サージ吸収素子40は、第1給電線12a及び第2給電線12bを通じて入力され得るサージ電流やサージ電圧から、電力計測装置10の内部回路を保護する素子である。サージ電流やサージ電圧の発生源の例として、雷サージ、インパルスノイズ、バーストノイズ、方形波ノイズが挙げられる。なお、サージ電流及びサージ電圧をまとめて、以下、「サージ電流等」という。
【0051】
図1に示すように、サージ吸収素子40の一端は、第1給電線12aにおける配線121aに接続される。また、サージ吸収素子40の他端は、第2給電線12bにおける配線121bに接続される。さらに、本実施形態のサージ吸収素子40は、電源回路30より回路遮断器2側に配置される。サージ吸収素子40にサージ電流等が入力されると、サージ吸収素子40は、第1給電線12a及び第2給電線12bの間の電路を短絡する。その結果、電力計測装置10の内部回路へのサージ電流等を抑制し、電力計測装置10の内部回路の損傷や誤動作を防ぐことができる。
【0052】
サージ吸収素子40の種類は、限定されないが、TVS(Transient Voltage Suppressor)等の小型のサージ吸収素子であることが好ましい。電力計測装置10は、サージ吸収素子40へのサージ電流等を制限する電流制限素子を備える。電流制限素子として、別途説明する第1電流制限素子51、第2電流制限素子52が設けられる。これにより、電力計測装置10に入力されたサージ電流等が、第1電流制限素子51、第2電流制限素子52で制限された後に、サージ吸収素子40に入力される。その結果、サージ吸収素子40として、TVS等の小型の素子を用いても、サージ電流等を十分に抑制することができる。また、小型のサージ吸収素子40を用いることで、電力計測装置10の小型化を図ることができる。
【0053】
サージ吸収素子40としてのTVSは、第1給電線12a側から入力されたサージ電流等を吸収するとともに、第2給電線12b側から入力されたサージ電流等を吸収する双方向のTVSであることが好ましい。ただし、TVSは、第1給電線12a側から入力されたサージ電流等又は第2給電線12b側から入力されたサージ電流等を吸収する単方向のTVSであってもよい。
【0054】
電流制限素子としての第1電流制限素子51は、第1給電線12aにおいて、サージ吸収素子40より回路遮断器2側に設けられる。具体的には、第1電流制限素子51は、第1給電線12aにおいて、第1端子11aとサージ吸収素子40との間に設けられる。
【0055】
本実施形態の第1電流制限素子51は、抵抗素子である。第1電流制限素子51の抵抗値は、特に限定されないが、サージ吸収素子40へのサージ電流等を効果的に抑制する観点から、1kΩ以上2kΩ以下であることが好ましい。また、第1電流制限素子51は、チップ抵抗であってもよいが、単体で、大きな抵抗値を有するアキシャルリード抵抗であることが好ましい。また、アキシャルリード抵抗は、細長形状を有することから、基板の実装面に対して垂直に接合するなど、実装形態を工夫することで、実装面における占有面積を少なくすることができる。これにより、電力計測装置10の小型化を図ることができる。
【0056】
電流制限素子としての第2電流制限素子52は、第2給電線12bにおいて、サージ吸収素子40より回路遮断器2側に設けられる。具体的には、第2電流制限素子52は、第2給電線12bにおいて、第2端子11bとサージ吸収素子40との間に設けられる。
【0057】
本実施形態の第2電流制限素子52は、抵抗素子である。第2電流制限素子52の抵抗値は、特に限定されないが、サージ吸収素子40へのサージ電流等を効果的に抑制する観点から、1kΩ以上2kΩ以下であることが好ましい。また、第2電流制限素子52も、第1電流制限素子51と同様、単体で大きな抵抗値を有し、かつ、基板の実装面上の占有面積を少なくすることができるアキシャルリード抵抗であることが好ましい。
【0058】
電力計測装置10は、サージ吸収素子40へのサージ電流等をより効果的に制限するために、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52のそれぞれを備えることが好ましい。ただし、電力計測装置10は、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の一方を備えるものであってもよい。また、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52は、サージ電流に加えてサージ電圧を抑制可能であることが好ましい。
【0059】
ところで、電力計測装置10の電力計測回路20は、低電圧(例えば、実効値30Vの交流電圧)で動作可能であることから、電力計測回路20より回路遮断器2側に抵抗素子(第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の少なくとも一方の抵抗素子)を設けたとしても、抵抗素子での電圧降下によって、電力計測回路20の動作は阻害されない。すなわち、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の少なくとも一方を設けることで、電力計測回路20の動作を阻害せず、サージ吸収素子40に入力されるサージ電流等を効果的に制限することができる。
【0060】
温度ヒューズ60は、例えば、第1電流制限素子51、第2電流制限素子52が過度に発熱した場合に、第1電流制限素子51、第2電流制限素子52の異常を検出し、第1給電線12a、第2給電線12bを遮断する。
【0061】
本実施形態の温度ヒューズ60は、第1給電線12aにおいて、第1電流制限素子51及びサージ吸収素子40の間に設けられる。また、温度ヒューズ60は、物理的に第1電流制限素子51の近傍に配置される。
【0062】
電力計測装置10は、第2給電線12bにおいて、第2電流制限素子52とサージ吸収素子40の間に配置される他の温度ヒューズを備えていてもよい。また、他の温度ヒューズは、物理的に第2電流制限素子52の近傍に配置されていてもよい。他の温度ヒューズは、第2電流制限素子52の異常発熱を検出した場合、第2給電線12bを遮断する。
【0063】
第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の異常を検出するヒューズとして、電流ヒューズが設けられていてもよい。ただし、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の電流制限量(抵抗値)が大きい場合、サージ吸収素子40側に流れる電流が微小となる。そのため、電流ヒューズによっては、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の異常状態を検出できない可能性がある。したがって、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の異常を検出するヒューズとして、温度ヒューズを備えることが好ましい。
【0064】
<構造>
次に、
図2~
図4を参照して、実施形態に係る電力計測装置10の構造の一例を説明する。
図2は、電力計測装置10の外部構造の一例を示す斜視図である。
図3は、電力計測装置10の内部構造の一例を示す斜視図である。
図4は、電力計測装置10が備える第1電流制限素子及び第2電流制限素子の配置の一例を説明するための斜視図である。
【0065】
ここで、
図2~
図4の各図面において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示される。X軸に平行な方向をX方向という。本実施形態において、X方向は、電力計測装置10の幅方向に対応する。X方向において、矢印が向いている方向を+X方向といい、+X方向の反対方向を-X方向という。Y軸に平行な方向をY方向という。本実施形態において、Y方向は、電力計測装置10の前後方向に対応する。Y方向において、矢印が向いている方向を+Y方向といい、+Y方向の反対方向を-Y方向という。Z軸に平行な方向をZ方向という。本実施形態において、Z方向は、電力計測装置10の高さ方向に対応する。Z方向において、矢印が向いている方向を+Z方向といい、+Z方向の反対方向を-Z方向という。
【0066】
図2に示すように、電力計測装置10は、例えば、回路遮断器2の-Z方向側の外面に面するように配置される。電力計測装置10のZ方向に沿う寸法は、回路遮断器2のおおよそ半分程度まで小型化されている。なお、電力計測装置10及び回路遮断器2の互いの位置関係は、
図2に示すものに限定されない。例えば、電力計測装置10は、回路遮断器2の+X方向側の外面又は-X方向側の外面に面して配置されていてもよいし、回路遮断器2の+Y方向側の外面に面して配置されていてもよい。
【0067】
電力計測装置10は、ケース71と、カバー72と、をさらに備える。ケース71は、内部に中空空間を有する。また、例えば、ケース71の+Y方向側に、ケース71の内部空間に連通する開口部が設けられる。カバー72は、ケース71の開口部を覆う。
【0068】
ケース71の中空空間に、
図1を参照して説明した、第1端子11a、第2端子11b、第1給電線12a、第2給電線12b、電流検出部13a,13b、電圧検出用接点14a,14b,14c、電力計測回路20、電源回路30、サージ吸収素子40、第1電流制限素子51、第2電流制限素子52、及び温度ヒューズ60等の各部材が配置される。
【0069】
図3に示すように、ケース71の内部空間における最も-Y方向側の位置に、第1端子11aとしてのバスバー及び第2端子11bとしてのバスバーが、それぞれ配置されている。また、第1端子11aと第2端子11bとの間に、第3端子11cとしてのバスバーが配置されている。第1端子11a、第2端子11b、及び第3端子11cは、互いに所定の距離を隔てて、X方向に並ぶ。
【0070】
第1端子11aは、電流検出部13aとしてのロゴスキーセンサのコイルの内部を通る。第2端子11bは、電流検出部13bとしてのロゴスキーセンサのコイルの内部を通る。なお、第3端子11cの近傍には、電流検出部が設けられていないが、第3端子11cの近傍にも、電流検出部を設けてもよい。
【0071】
第1端子11a、第2端子11b、及び第3端子11cのそれぞれは、ケース71に収容された、第1基板81、第2基板82、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86のうちのいずれかの基板に接続される。第1端子11a、第2端子11b、及び第3端子11cのそれぞれが接続される基板は、基板に実装された回路や素子に応じて適宜選択されてよい。
【0072】
第1基板81、第2基板82、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86のそれぞれには、電力計測回路20、電源回路30、サージ吸収素子40、第1電流制限素子51、第2電流制限素子52、及び温度ヒューズ60のいずれかが設けられる。以下、各基板に設けられる回路及び素子の例を説明する。
【0073】
第1基板81には、サージ吸収素子40としてのTVS、第1電流制限素子51としてのアキシャルリード抵抗、第2電流制限素子52としてのアキシャルリード抵抗、及び温度ヒューズ60が設けられる(
図4参照)。第1基板81は、第3端子11cより+Y方向側に配置される。また、第1基板81の実装面は、XY平面に平行に延びる。なお、第1電流制限素子51を「第1アキシャルリード抵抗51」として以下説明する。また、第2電流制限素子52を「第2アキシャルリード抵抗52」として以下説明する。ただし、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52は、アキシャルリード抵抗に限定されない。
【0074】
第2基板82には、電力計測回路20の相間電圧検出回路24が設けられる。第2基板82は、第3端子11cより+Y方向側で、かつ、第1基板81より+Z方向側に配置される。第2基板82の実装面は、XY平面に平行に延びる。すなわち、第2基板82は、第1基板81に対して、所定の距離を隔ててZ方向に並ぶ。これにより、第1基板81と第2基板82とは、互いの実装面を向き合わせた状態で、対向する。
【0075】
第1アキシャルリード抵抗51及び第2アキシャルリード抵抗52は、細長形状を有する。そのため、
図4に示すように、第1アキシャルリード抵抗51及び第2アキシャルリード抵抗52のそれぞれを、第2基板82に向けて延びるように、第1基板81の実装面に対して垂直に実装することができる。
【0076】
すなわち、第1アキシャルリード抵抗51及び第2アキシャルリード抵抗52は、第1基板81及び第2基板82の間の空間を横切るように配置される。これにより、第1基板81及び第2基板82の間に形成された空間を有効活用することができ、省スペース化を図ることができる。その結果、電力計測装置10の小型化を図ることができる。なお、第1基板81は、「一方の基板」に対応する。第2基板82は、「他方の基板」に対応する。
【0077】
第3基板83には、電力計測回路20の積分回路22及び増幅回路23のそれぞれが、設けられる。すなわち、第3基板83には、電流検出部13a,13bで検出された電流信号を処理するための回路が設けられる。そのため、第3基板83は、電流検出部13a,13bの近傍に配置される。これにより、電流検出部13a,13bから第3基板83に出力される微小な電流信号を即座に処理することができる。その結果、電流信号にノイズが混入する確率が低減され、より正確な電流情報を得ることができる。
【0078】
第4基板84には、電源回路30が設けられる。第5基板85には、A/D変換回路25及び演算処理回路26のそれぞれが設けられる。第6基板86には、外部通信I/F回路27が設けられる。
【0079】
電力計測回路20を構成する各回路は、第2基板82、第3基板83、第5基板85、及び第6基板86の4つの基板に亘って設けられる。このように、電力計測回路20を構成する各回路を、複数の基板に亘って設けるとともに、複数の基板のそれぞれを適宜の位置に配置することで、電力計測装置10の省スペース化を図ることができる。
【0080】
図3に示すように、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86は、Y方向に並ぶ。ここで、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86のうち、第3基板83に実装される回路の動作電圧が最も高い。次に、第4基板84に実装される回路の動作電圧が高い。次に、第5基板85に実装される回路の動作電圧が高い。これに対して、第6基板86に実装される回路の動作電圧が最も低い。
【0081】
本実施形態において、電源1からA/D変換回路25及び演算処理回路26に至る電路として、少なくとも2つの電路が形成される。1つ目の電路は、電源1から、第1アキシャルリード抵抗51(第2アキシャルリード抵抗52)及び電源回路30を通じて、A/D変換回路25及び演算処理回路26に至る電路である。2つ目の電路は、電源1から相間電圧検出回路24を通じて、A/D変換回路25及び演算処理回路26に至る電路である。本実施形態において、1つ目の電路中の基板(第1基板81、第4基板84)及び2つ目の電路中の基板(第2基板82)のそれぞれは、空間的に衝突せず、A/D変換回路25及び演算処理回路26を備える第5基板85に接続される。これにより、第1基板81、第2基板82、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86を、コンパクトに配置することができる。また、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86のそれぞれの幅は、第1基板81及び第2基板82の間の距離とほぼ同じである。これにより、第1基板81、第2基板82、第3基板83、第4基板84、第5基板85、及び第6基板86を、よりコンパクトに配置することができる。その結果、電力計測装置10の小型化を図ることができる。
【0082】
<作用効果>
本実施形態によれば、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の少なくとも一方が、サージ吸収素子40に至る前のサージ電流等を吸収する。これにより、第1電流制限素子51(第2電流制限素子52)とサージ吸収素子40のそれぞれで、電力計測装置10の内部回路を保護することができる。その結果、耐サージ性を高めることができる。また、第1電流制限素子51(第2電流制限素子52)とサージ吸収素子40のそれぞれで、電力計測装置10の内部回路を保護することから、小型のサージ吸収素子40であっても、耐サージ性を担保することができる。したがって、電力計測装置10の小型化を図り、かつ、耐サージ性を高めることができる。
【0083】
本実施形態によれば、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の双方を備えることで、第1給電線12a側からのサージ電流等、及び第2給電線12b側からのサージ電流等のそれぞれを、サージ吸収素子40に至る前に抑制することができる。これにより、耐サージ性をさらに高めることができる。
【0084】
本実施形態によれば、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の少なくとも一方を、単体で大きな抵抗値を有し、かつ、細長形状を有するアキシャルリード抵抗とすることで、電力計測装置10の省スペース化を図ることができる。それに加えて、サージ吸収素子40に至る前のサージ電流等をさらに効果的に抑制することができる。
【0085】
本実施形態によれば、アキシャルリード抵抗は、互いに対向する2つの基板の一方の基板(第1基板81)に垂直に実装され、かつ、一方の基板から他方の基板(第2基板82)に向けて延びるため、これら2つの基板の間の空間を有効活用できる。すなわち、電力計測装置10のさらなる省スペース化を図ることができる。
【0086】
本実施形態によれば、サージ吸収素子40として、小型のTVSを用いるため、電力計測装置10の小型化を図ることができる。
【0087】
本実施形態によれば、温度ヒューズを、第1電流制限素子51とサージ吸収素子40との間、及び、第2電流制限素子52とサージ吸収素子40の間、の少なくとも一方の位置に配置することで、第1電流制限素子51、第2電流制限素子52で生じる熱から、これらの異常状態を適切に検出することができる。第1電流制限素子51、第2電流制限素子52の電流制限量が大きい場合、第1電流制限素子51とサージ吸収素子40の間に流れる電流や、第2電流制限素子52とサージ吸収素子40の間に流れる電流は、微小となる。そのため、電流ヒューズでは、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52の異常を検出できない可能性がある。これに対して、本実施形態では、温度ヒューズを用いるため、第1電流制限素子51及び第2電流制限素子52で生じる熱から、これらの異常を適切に検出することができる。
【0088】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
10 電力計測装置
11a 第1端子
11b 第2端子
11c 第3端子
12a 第1給電線
12b 第2給電線
13a,13b,13c 電流検出部
20 電力計測回路
22 積分回路
23 増幅回路
24 相間電圧検出回路
25 A/D変換回路
26 演算処理回路
27 外部通信I/F回路
30 電源回路
40 サージ吸収素子
51 第1電流制限素子
52 第2電流制限素子
60 温度ヒューズ
71 ケース
72 カバー
81 第1基板
82 第2基板
83 第3基板
84 第4基板
85 第5基板
86 第6基板
1 電源
2 回路遮断器
3 負荷