(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179588
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】混合燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
F23K 5/00 20060101AFI20241219BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20241219BHJP
F02D 19/08 20060101ALI20241219BHJP
F02D 29/06 20060101ALI20241219BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F23K5/00 303
F02M21/02 N
F02M21/02 301A
F02M21/02 301Z
F02D19/08 C
F02D29/06 L
F02D45/00 360E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098554
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 朱音
(72)【発明者】
【氏名】紺野 大統
(72)【発明者】
【氏名】笹俣 優一
(72)【発明者】
【氏名】川口 元頌
【テーマコード(参考)】
3G092
3G093
3G384
3K068
【Fターム(参考)】
3G092AB08
3G092AB09
3G092AB12
3G092AC08
3G092BB01
3G092BB20
3G092DB04
3G092DE11
3G092FA06
3G092HB01
3G092HB05
3G092HF01
3G092HG07
3G093AA16
3G093BA14
3G093CA08
3G093DB20
3G093DB28
3G093EA05
3G384AA14
3G384AA16
3G384AA22
3G384DA04
3G384FA14
3G384FA26
3G384FA87
3K068AA01
3K068AA02
3K068AA05
3K068AB02
3K068BB01
3K068BB12
3K068BB21
3K068CA24
(57)【要約】
【課題】従来に比べ、副燃料ガスの流量を正確に制御可能な混合燃料供給装置を提供する。
【解決手段】混合燃料供給装置1は、主燃料ガスGmに対して副燃料ガスGsを混合した混合燃料ガスGの燃焼により動力を発生するガスエンジン41と、ガスエンジン41により駆動される発電機42と、発電機42の発電出力を検知する電力計43とを備えたガスエンジン発電システム4に用いられる。混合燃料供給装置1の制御部14は、予め設定した主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比と、電力計43により検知された発電出力と、発電機42の発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出し、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主燃料ガスに対して副燃料ガスを混合した混合燃料ガスの燃焼により動力を発生するガスエンジンと、前記ガスエンジンにより駆動される発電機と、前記発電機の発電出力を検知する電力計と、を備えたガスエンジン発電システムに前記混合燃料ガスを供給するための混合燃料供給装置であって、
前記主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
主燃料ガス配管に接続され、前記副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
前記副燃料ガス配管に設けられ、前記主燃料ガスに対して混合する前記副燃料ガスの流量を調整する副燃料ガス用流量調整弁と、
前記副燃料ガス用流量調整弁を制御する制御部と、を有しており、
前記制御部は、
予め設定した前記主燃料ガスと前記副燃料ガスとの熱量ベースの目標混合比と、前記電力計により検知された前記発電出力と、前記発電機の発電効率とに基づいて、前記主燃料ガスの流量に対して混合すべき前記副燃料ガスの流量を算出し、算出された前記副燃料ガスの流量となるように前記副燃料ガス用流量調整弁を制御する、
混合燃料供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記発電出力をP、前記発電効率をηとしたとき、前記P÷前記ηの式から、前記ガスエンジンに投入する1秒当たりの投入熱量Qを求め、
前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比をRsとしたとき、前記Q×前記Rsの式から、混合すべき前記副燃料ガスの熱量Qsを求め、
前記副燃料ガスの真発熱量をHsとしたとき、前記Qs/前記Hsの式から、混合すべき前記副燃料ガスの流量Vsを算出するよう構成されている、
請求項1に記載の混合燃料供給装置。
【請求項3】
前記発電機の発電効率として、前記発電機の公称発電効率を用いる、
請求項1または請求項2に記載の混合燃料供給装置。
【請求項4】
前記ガスエンジン発電システムは、前記混合燃料ガスの燃焼のために前記ガスエンジンに供給される燃焼用空気の絶対湿度を検知する湿度計を備えており、
前記制御部は、
前記電力計により検知された前記発電出力と、前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比と、前記湿度計により検知された前記絶対湿度とに基づいて、前記発電機の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を、前記発電機の発電効率として用いる、
請求項1または請求項2に記載の混合燃料供給装置。
【請求項5】
前記ガスエンジン発電システムは、前記混合燃料ガスの燃焼のために前記ガスエンジンに供給される燃焼用空気の絶対湿度を検知する湿度計を備えており、
前記制御部は、
前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比ごとに、前記発電出力と前記絶対湿度とから定まる前記発電機の公称発電効率からの差を表した発電効率補正マップが予め記憶されており、
前記電力計により検知された前記発電出力と、前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比と、前記湿度計により検知された前記絶対湿度とから、前記発電効率補正マップに基づいて前記発電機の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて前記公称発電効率を補正した補正発電効率を、前記発電機の発電効率として用いる、
請求項1または請求項2に記載の混合燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ガスなどの主燃料ガスに対して水素などの副燃料ガスを混合した混合燃料ガスをガスエンジン発電システムのガスエンジンに供給し、混焼運転することが行われている。
【0003】
ガスエンジン発電システムとしては、都市ガスなどの主燃料ガスに対して水素などの副燃料ガスを混合した混合燃料ガスの燃焼により動力を発生するガスエンジンと、ガスエンジンにより駆動される発電機とを備えた、コージェネレーションシステムなどのガスエンジン発電システムが知られている。ガスエンジン発電システムでは、ガスエンジンに混合燃料ガスを供給するために混合燃料供給装置が用いられている。
【0004】
この種の混合燃料供給装置は、一般に、主燃料ガスの供給量変化に応じて副燃料ガスの供給量を制御することにより、主燃料ガスの流量に対して適切な流量の副燃料ガスを混合して混合燃料ガスを生成させる。この場合、主燃料ガスの流量を計測するための流量計をガスエンジン発電システムに直接組み込むことが難しいため、主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管に上記流量計を設置し、これを用いて計測した主燃料ガスの流量をもとに副燃料ガスの制御を行うことが行われている。
【0005】
また、先行する特許文献1には、主燃料ガスと副燃料ガスとを混合した混合ガスの燃焼により動力を発生するガスエンジンと、ガスエンジンにより発生される動力により電力を発生させる発電機とが組み合わされたガス燃焼設備において混合ガスを燃焼させるにあたり、上述のような主燃料ガスの流量を計測する流量計を用いず、検知した発電機の発電電力量を用いて主燃料ガスに対する副燃料ガスの流量を調整する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、発電機の発電電力量をそのまま用いて主燃料ガスに対する副燃料ガスの流量を調整するため、副燃料ガスの流量を正確に算出することが難しいという課題がある。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、従来に比べ、副燃料ガスの流量を正確に制御可能な混合燃料供給装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る混合燃料供給装置は、以下の通りである。
【0010】
[1]
主燃料ガスに対して副燃料ガスを混合した混合燃料ガスの燃焼により動力を発生するガスエンジンと、前記ガスエンジンにより駆動される発電機と、前記発電機の発電出力を検知する電力計と、を備えたガスエンジン発電システムに前記混合燃料ガスを供給するための混合燃料供給装置であって、
前記主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
主燃料ガス配管に接続され、前記副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
前記副燃料ガス配管に設けられ、前記主燃料ガスに対して混合する前記副燃料ガスの流量を調整する副燃料ガス用流量調整弁と、
前記副燃料ガス用流量調整弁を制御する制御部と、を有しており、
前記制御部は、
予め設定した前記主燃料ガスと前記副燃料ガスとの熱量ベースの目標混合比と、前記電力計により検知された前記発電出力と、前記発電機の発電効率とに基づいて、前記主燃料ガスの流量に対して混合すべき前記副燃料ガスの流量を算出し、算出された前記副燃料ガスの流量となるように前記副燃料ガス用流量調整弁を制御する、
混合燃料供給装置。
【0011】
[2]
前記制御部は、
前記発電出力をP、前記発電効率をηとしたとき、前記P÷前記ηの式から、前記ガスエンジンに投入する1秒当たりの投入熱量Qを求め、
前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比をRsとしたとき、前記Q×前記Rsの式から、混合すべき前記副燃料ガスの熱量Qsを求め、
前記副燃料ガスの真発熱量をHsとしたとき、前記Qs/前記Hsの式から、混合すべき前記副燃料ガスの流量Vsを算出するよう構成されている、
上記[1]に記載の混合燃料供給装置。
【0012】
[3]
前記発電機の発電効率として、前記発電機の公称発電効率を用いる、
上記[1]または上記[2]に記載の混合燃料供給装置。
【0013】
[4]
前記ガスエンジン発電システムは、前記混合燃料ガスの燃焼のために前記ガスエンジンに供給される燃焼用空気の絶対湿度を検知する湿度計を備えており、
前記制御部は、
前記電力計により検知された前記発電出力と、前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比と、前記湿度計により検知された前記絶対湿度とに基づいて、前記発電機の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を、前記発電機の発電効率として用いる、
上記[1]または上記[2]に記載の混合燃料供給装置。
【0014】
[5]
前記ガスエンジン発電システムは、前記混合燃料ガスの燃焼のために前記ガスエンジンに供給される燃焼用空気の絶対湿度を検知する湿度計を備えており、
前記制御部は、
前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比ごとに、前記発電出力と前記絶対湿度とから定まる前記発電機の公称発電効率からの差を表した発電効率補正マップが予め記憶されており、
前記電力計により検知された前記発電出力と、前記目標混合比における前記副燃料ガスの混合比と、前記湿度計により検知された前記絶対湿度とから、前記発電効率補正マップに基づいて前記発電機の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて前記公称発電効率を補正した補正発電効率を、前記発電機の発電効率として用いる、
上記[1]または上記[2]に記載の混合燃料供給装置。
【発明の効果】
【0015】
上記[1]に記載の混合燃料供給装置において、制御部は、副燃料ガス用流量調整弁を制御する際に、上記目標混合比と上記発電出力と上記発電効率とに基づいて副燃料ガスの流量を算出し、副燃料ガス用流量調整弁を制御する。このように、上記[1]に記載の混合燃料供給装置は、制御部が発電機の発電出力のみならず発電効率を用いて副燃料ガスの流量を算出するため、制御部が発電機の発電出力のみを用いる場合に比べ、必要とする副燃料ガスの流量を正確に算出することができる。したがって、上記[1]に記載の混合燃料供給装置によれば、従来に比べ、副燃料ガスの流量を正確に制御することができる。
【0016】
上記[2]に記載の混合燃料供給装置によれば、上記効果を確実なものとすることができる。
【0017】
上記[3]に記載の混合燃料供給装置は、制御部が副燃料ガス用流量調整弁を制御する際に、発電機の発電効率として発電機の公称発電効率をそのまま用いる。そのため、上記[3]に記載の混合燃料供給装置によれば、発電機の発電効率を補正しないため、副燃料ガスの流量の算出方法を比較的簡単にすることができる。
【0018】
上記[4]に記載の混合燃料供給装置は、湿度計により、混合燃料ガスの燃焼のためにガスエンジンに供給される燃焼用空気の絶対湿度を検知することができる。大気条件によって燃焼用空気の絶対湿度が変化すると、発電機の発電効率が変化する。上記[4]に記載の混合燃料供給装置において、制御部は、湿度計により検知された絶対湿度を考慮して、発電機の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を発電機の発電効率として用いて副燃料ガスの流量を算出する。そのため、上記[4]に記載の混合燃料供給装置によれば、必要とする副燃料ガスの流量の算出精度が高くなり、副燃料ガスの流量をより正確に制御することができる。
【0019】
上記[5]に記載の混合燃料供給装置は、湿度計により、混合燃料ガスの燃焼のためにガスエンジンに供給される燃焼用空気の絶対湿度を検知することができる。大気条件によって燃焼用空気の絶対湿度が変化すると、発電機の発電効率が変化する。上記[5]に記載の混合燃料供給装置において、制御部は、湿度計により検知された絶対湿度を考慮して、予め記憶させておいた発電効率補正マップに基づいて発電機の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて公称発電効率を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を発電機の発電効率として用いて副燃料ガスの流量を算出する。そのため、上記[5]に記載の混合燃料供給装置によれば、必要とする副燃料ガスの流量の算出精度が高くなり、副燃料ガスの流量をより正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施形態1の混合燃料供給装置、および、これを用いたガスエンジン発電システムの概略構成を示した説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の混合燃料供給装置における制御部の制御フローの一例を示した説明図である。
【
図3】
図3は、比較形態1の混合燃料供給装置、および、これを用いたガスエンジン発電システムの概略構成を示した説明図である。
【
図4】
図4は、比較形態1の混合燃料供給装置における制御部の制御フローの一例を示した説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の混合燃料供給装置、および、これを用いたガスエンジン発電システムの概略構成を示した説明図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の混合燃料供給装置における制御部の制御フローの一例を示した説明図である。
【
図7】
図7は、実施形態3の混合燃料供給装置における制御部に予め記憶させておく発電効率補正マップに関する説明図である。
【
図8】
図8は、実施形態3の混合燃料供給装置における制御部の制御フローの一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
実施形態1の混合燃料供給装置について、
図1~
図4を用いて説明する。
図1~
図2に例示されるように、本実施形態の混合燃料供給装置1は、ガスエンジン発電システム4に混合燃料ガスGを供給するための装置である。以下、これを詳説する。
【0022】
先ず、本実施形態の混合燃料供給装置1の概略装置構成について説明する。
【0023】
図1に例示されるように、混合燃料供給装置1は、ガスエンジン発電システム4に混合燃料ガスGを供給するように構成されている。ガスエンジン発電システム4は、ガスエンジン41と、発電機42と、電力計43とを備えている。本実施形態において、ガスエンジン発電システム4は、コージェネレーションシステムである。
【0024】
ガスエンジン41は、主燃料ガスGmに対して副燃料ガスGsを混合した混合燃料ガスGの燃焼により動力を発生するように構成されている。具体的には、ガスエンジン41は、エンジン用燃料ガス流量調整弁410にて流量調整された混合燃料ガスGと、空気Aの吸い込みを行うための空気吸い込み口411から吸い込んだ空気Aとにより燃焼可能に構成されることができる。なお、ガスエンジン41は、主燃料ガスGmに対して副燃料ガスGsが混合されない場合において、主燃料ガスGmと空気Aとによって燃焼させることも可能なものである。ガスエンジン41は、発生した動力を発電機42に出力する(矢印41a)。
【0025】
なお、本実施形態では、主燃料ガスGmが都市ガス(13Aなど)であり、副燃料ガスGsが水素である場合を例に用いて説明するが、これに限定されるものではない。他にも、主燃料ガスGmとして、例えば、プロパン、副燃料ガスGsとして、例えば、有機性廃棄物(家畜糞尿、生ごみ、有機性残渣、下水汚泥など)を発酵させて生成したバイオガス(消化ガス)などを例示することができる。
【0026】
発電機42は、ガスエンジン41により駆動されるように構成されている。つまり、発電機42は、ガスエンジン41の出力を受けて発電可能に構成されている。発電機42は、種々の負荷に対して電力を供給するよう構成されており、商用電源などと協調して動作することができる。発電機42は、所定の発電効率にて発電を行うことができる。ガスエンジン発電システム4における発電機42は、通常、メーカーによって公表されている発電効率(メーカーカタログ値)を有している。発電機42の発電効率のうち、メーカーカタログ値の発電効率は、公にされているものであるから、本開示においてはこれを公称発電効率と称することにする。発電機42には、電力計43が設けられている。電力計43は、発電機42の発電出力を検知する(矢印42a)。
【0027】
ガスエンジン発電システム4は、混合燃料供給装置1から供給される混合燃料ガスGの流量を制御し、所定流量の混合燃料ガスGをガスエンジン41に供給するように構成されている。本実施形態では、ガスエンジン発電システム4は、システム側制御部44を有している。
【0028】
システム側制御部44は、発電機42の発電出力を電力計43から取得し、エンジン用燃料ガス流量調整弁410を介して混合燃料ガスGの流量を制御する。具体的には、システム側制御部44は、発電機42の発電出力を所定の目標発電出力とするために必要な混合燃料ガスGの流量となるようにエンジン用燃料ガス流量調整弁410に指示を出力する(矢印44a)。エンジン用燃料ガス流量調整弁410は、システム側制御部44からの指示を受けて、ガスエンジン41へ供給する混合燃料ガスGの流量を調整する。ここでは、システム側制御部44は、コンピュータを用いて構成してある。システム側制御部44は、シーケンス制御を行うことが可能なものであり、具体的には、シーケンサを用いることができる。また、エンジン用燃料ガス流量調整弁410には、具体的には、マスフローコントローラを用いることができる。
【0029】
混合燃料供給装置1は、主燃料ガス配管11と、副燃料ガス配管12と、副燃料ガス用流量調整弁13と、制御部14とを有している。主燃料ガス配管11には、外部の不図示の主燃料ガス源から主燃料ガスGmが供給される。副燃料ガス配管12は、主燃料ガス配管11に接続されており、外部の不図示の副燃料ガス源から副燃料ガスGsが供給される。
【0030】
副燃料ガス用流量調整弁13は、副燃料ガス配管12に設けられており、主燃料ガスGmに対して混合する副燃料ガスGsの流量を調整可能に構成されている。副燃料ガス用流量調整弁13には、制御部14から、副燃料ガスGsの流量を調整するための指示が入力される(矢印14a)。副燃料ガス用流量調整弁13は、制御部14からの指示を受けて、副燃料ガスGsの流量を調整する。副燃料ガス用流量調整弁13には、具体的には、マスフローコントローラを用いることができる。
【0031】
本実施形態においては、制御部14には、主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比が予め入力される(矢印14b)。制御部14には、電力計43により検知された発電出力が入力される(矢印43b)。また、制御部14は、副燃料ガスGsの流量を調整するように副燃料ガス用流量調整弁13に指示を出力する(矢印14a)。
【0032】
制御部14は、副燃料ガス用流量調整弁13を制御可能に構成されている。ここでは、制御部14は、コンピュータを用いて構成してある。制御部14は、シーケンス制御を行うことが可能なものであり、具体的には、シーケンサを用いることができる。
【0033】
次に、本実施形態の混合燃料供給装置1の制御部14による制御について説明する。
【0034】
制御部14は、予め設定した主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比と、電力計43により検知された発電出力と、発電機42の発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出し、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する。以下、
図2を用いて制御の流れをより具体的に説明する。
【0035】
図2に、実施形態1の混合燃料供給装置1における制御部14の制御フローの一例を示す。
図2に例示されるように、制御部14は、ガスエンジン発電システム4が備える電力計43にて発電機42の発電出力を読み取る(S11)。
【0036】
次いで、制御部14は、予め入力された主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比と、電力計にて読み取った発電出力と、発電機42の発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出する(S12)。なお、本実施形態では、発電機42の発電効率として公称発電効率を用いる。公称発電効率は、制御部14に予め記憶してある。
【0037】
より具体的には、制御部14は、発電出力をP、発電効率をηとしたとき、P÷ηの式から、ガスエンジン41に投入する1秒当たりの投入熱量Qを求め、目標混合比における副燃料ガスGsの混合比をRsとしたとき、Q×Rsの式から、混合すべき副燃料ガスGsの熱量Qsを求め、副燃料ガスGsの真発熱量をHsとしたとき、Qs/Hsの式から、混合すべき副燃料ガスGsの流量Vsを算出するよう構成されている。
【0038】
なお、上記各式を用いた混合すべき副燃料ガスの流量Vsの算出は、各種パラメータの単位に応じて適宜単位換算して計算すればよい。例えば、
発電出力P[kJ/s]、発電効率η[%]のとき、
P[kJ/s]×1000÷η[%]×100の式から、ガスエンジンに投入する1秒当たりの投入熱量Q[J/s]を求めることができる。
目標混合比における副燃料ガスの混合比Rs[%]のとき、
Q[J/s]×Rs÷100[%]の式から、混合すべき副燃料ガスの熱量Qs[J/s]を求めることができる。
副燃料ガスの真発熱量Hs[MJ/m3N]のとき、
Qs[J/s]÷1000000÷Hs[MJ/m3N]の式から、混合すべき副燃料ガスの流量Vs[m3N/s]を算出することができる。
【0039】
次いで、制御部14は、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する(S13)。これにより、適切な流量の副燃料ガスGsが、ガスエンジン発電システム4のエンジン用燃料ガス流量調整弁410に供給される。
【0040】
次に、本実施形態の混合燃料供給装置1の作用効果について、以下に示す比較形態1の混合燃料供給装置1C、および、比較形態2の混合燃料供給装置(不図示)と対比しつつ説明する。
【0041】
図3に示されるように、比較形態1の混合燃料供給装置1Cは、主燃料ガスGmが供給される主燃料ガス配管11に、主燃料ガスGmの流量を計測する流量計15が設けられている。比較形態1の混合燃料供給装置1Cにおける制御部14Cには、流量計15で計測された主燃料ガスGmの流量が入力される(矢印15a)。また、比較形態1の混合燃料供給装置1Cにおける制御部14Cは、ガスエンジン発電システム4が備える電力計43で計測された発電出力を取得しない。
【0042】
そして、比較形態1の混合燃料供給装置1Cにおける制御部14Cは、
図4に示されるように、主燃料ガス配管11に備えられた流量計15にて主燃料ガスGmの流量を読み取る(S11C)。次いで、制御部14Cは、予め入力された主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比と、主燃料ガスGmの流量とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出する(S12C)。次いで、制御部14Cは、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する(S13C)。このようにして、比較形態1の混合燃料供給装置1Cは、主燃料ガスGmの流量に対して必要流量の副燃料ガスGsを混合して混合燃料ガスGを生成させる。
【0043】
また、図示はしないが、比較形態2の混合燃料供給装置は、制御部が、ガスエンジン発電システム4が備える電力計43で計測された発電出力を取得するように構成されている。しかしながら、比較形態2の混合燃料供給装置における制御部は、主燃料ガスGmの流量に対して混合する副燃料ガスGsの流量を算出して副燃料ガス用流量調整弁13を制御するにあたり、発電機の発電出力を用いるものの、発電機の発電効率については一切用いないように構成されている。
【0044】
これらに対し、本実施形態の混合燃料供給装置1において、制御部14は、副燃料ガス用流量調整弁13を制御する際に、主燃料ガスGmの流量を必要せず、上記目標混合比と上記発電出力と上記発電効率とに基づいて副燃料ガスGsの流量を算出し、副燃料ガス用流量調整弁13を制御する。そのため、本実施形態の混合燃料供給装置1は、比較形態1の混合燃料供給装置1Cのように、主燃料ガスGmの流量を計測するための流量計(
図3の流量計15参照)を主燃料ガス配管11に追加する必要がなく、流量計15の取り付けスペースの確保が不要となり、取り付け費用をなくすことができる。また、本実施形態の混合燃料供給装置1は、主燃料ガスGmの流量を計測する工程が不要となり、そのための制御フローを減らせることから、比較的簡単な構成で副燃料ガスGsの流量の制御の応答性を高めることができる。
【0045】
また、本実施形態の混合燃料供給装置1は、制御部14が発電機42の発電出力のみならず発電効率を用いて副燃料ガスGsの流量を算出するため、比較形態2の混合燃料供給装置のように、制御部が発電機42の発電出力のみを用い、発電効率を用いない場合に比べ、必要とする副燃料ガスGsの流量を正確に算出することができる。
【0046】
このように、本実施形態の混合燃料供給装置1によれば、副燃料ガスGsの流量を正確に制御することができる。また、本実施形態の混合燃料供給装置1では、上述の式による算出方法により副燃料ガスの流量Vsを算出するよう構成されているため、上記効果を確実なものとすることができる。また、本実施形態の混合燃料供給装置1では、制御部14が副燃料ガス用流量調整弁13を制御する際に、発電機42の発電効率として発電機42の公称発電効率を用いている。そのため、本実施形態の混合燃料供給装置1によれば、発電機42の発電効率を補正しないため、発電機42の発電効率を補正する場合に比べて副燃料ガスGsの流量の算出方法を比較的簡単にすることができる。
【0047】
(実施形態2)
実施形態2の混合燃料供給装置1について、
図5~
図6を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0048】
図5に例示されるように、本実施形態の混合燃料供給装置1が適用されるガスエンジン発電システム4は、湿度計45を備えている。湿度計45は、混合燃料ガスGの燃焼のためにガスエンジン41に供給される燃焼用空気Aの絶対湿度を検知する(矢印411a)。本実施形態の混合燃料供給装置1における制御部14には、湿度計45にて検知された燃焼用空気Aの絶対湿度が入力される(矢印45a)。
【0049】
本実施形態において、制御部14は、電力計43により検知された発電出力と、予め設定した主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比における副燃料ガスGsの混合比と、湿度計45により検知された絶対湿度とに基づいて、発電機42の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を、発電機42の発電効率として用いる。すなわち、制御部14は、上記発電出力と、上記目標混合比と、上記補正発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出し、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する。以下、
図6を用いて制御の流れをより具体的に説明する。
【0050】
図6に、実施形態2の混合燃料供給装置1における制御部14の制御フローの一例を示す。
図6に例示されるように、制御部14は、ガスエンジン発電システム4が備える電力計43にて発電機42の発電出力を読み取り、また、ガスエンジン発電システム4が備える湿度計45にてガスエンジン41に供給される燃焼用空気Aの絶対湿度を読み取る(S21)。
【0051】
次いで、制御部14は、電力計43にて読み取った発電出力と、予め設定した主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比における副燃料ガスGsの混合比と、湿度計45にて読み取った燃焼用空気Aの絶対湿度とに基づいて、発電機42の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率を算出する(S22)。
【0052】
具体的には、発電機42の発電効率は、実際には、上記発電出力、上記混合比、上記絶対湿度により変化する。そのため、本実施形態では、上記発電出力、上記混合比、上記絶対湿度をパラメータとして、以下の式(1)に示す発電効率の補正式を用い、発電機42の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率(補正後の発電効率)を求める。
y=a×x1+b×x2+c×x3+d・・・(1)
但し、
y:補正発電効率
a:発電出力の補正定数
x1:発電出力の値(kW)
b:混合比の補正定数
x2:混合比の値(%)
c:絶対湿度の補正定数
x3:絶対湿度の値(g/m3)
d:定数
【0053】
例えば、発電出力=100kW、混合比=20%、絶対湿度=20%のとき、式(1)においてx1=100、x2=20、x3=20となり、補正発電効率を算出することができる。式(1)は、本実施形態の混合燃料供給装置1が適用されるガスエンジン発電システム4が決まれば、予めシミュレーションにより求めることができる。式(1)は、制御部14に入力して予め記憶させることができる。実際にシミュレーションにより求めた式(1)の一例を以下に示す。
y=0.026994×x1+0.0193×x2-0.0667×x3+30.77755
【0054】
次いで、制御部14は、上記目標混合比と、上記発電出力と、上記補正発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出する(S23)。
【0055】
次いで、制御部14は、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する(S24)。これにより、適切な流量の副燃料ガスGsが、ガスエンジン発電システム4のエンジン用燃料ガス流量調整弁410に供給される。
【0056】
本実施形態の混合燃料供給装置1は、湿度計45により、混合燃料ガスGの燃焼のためにガスエンジン41に供給される燃焼用空気Aの絶対湿度を検知することができる。大気条件によって燃焼用空気Aの絶対湿度が変化すると、発電機42の発電効率が変化する。本実施形態の混合燃料供給装置1において、制御部14は、湿度計45により検知された絶対湿度を考慮して、発電機42の公称発電効率からの差を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を発電機42の発電効率として用いて副燃料ガスGsの流量を算出する。そのため、本実施形態の混合燃料供給装置によれば、必要とする副燃料ガスGsの流量の算出精度が高くなり、副燃料ガスGsの流量をより正確に制御することができる。
【0057】
また、本実施形態の混合燃料供給装置1は、同じように発電効率の補正を行うものの補正のかけ方が異なる後述の実施形態3の混合燃料供給装置1に比べると、副燃料ガスGsの流量制御の精度は劣るが、発電効率の補正式をシミュレーションで求めることができ、また、式入力のみでシーケンス制御を実施することができるため、後述の実施形態3の混合燃料供給装置1に比べ、比較的簡易に適切な副燃料ガスGsの流量を算出することができる利点がある。
【0058】
その他の構成および作用効果は、実施形態1と同様である。
【0059】
(実施形態3)
実施形態3の混合燃料供給装置1について、
図7~
図8を用いて説明する。
【0060】
本実施形態の混合燃料供給装置1が適用されるガスエンジン発電システム4は、実施形態2と同様に、混合燃料ガスGの燃焼のためにガスエンジン41に供給される燃焼用空気Aの絶対湿度を検知する湿度計45を備えている。また、本実施形態の混合燃料供給装置1における制御部14には、湿度計45にて検知された燃焼用空気Aの絶対湿度が入力される(矢印45a)。
【0061】
本実施形態において、制御部14には、予め設定した主燃料ガスGmと副燃料ガスGsとの熱量ベースの目標混合比における副燃料ガスGsの混合比ごとに、発電出力と絶対湿度とから定まる発電機42の公称発電効率からの差を表した、
図7に例示されるような発電効率補正マップMが予め記憶されている。
【0062】
制御部14は、電力計43により検知された発電出力と、上記目標混合比における副燃料ガスGsの混合比と、湿度計45により検知された絶対湿度とから、発電効率補正マップMに基づいて発電機42の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて公称発電効率を補正した補正発電効率を、発電機42の発電効率として用いる。そして、制御部14は、上記発電出力と、上記目標混合比と、上記補正発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出し、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する。以下、
図8を用いて制御の流れをより具体的に説明する。
【0063】
図8に、実施形態3の混合燃料供給装置1における制御部14の制御フローの一例を示す。
図8に例示されるように、制御部14は、ガスエンジン発電システム4が備える電力計43にて発電機42の発電出力を読み取り、また、ガスエンジン発電システム4が備える湿度計45にてガスエンジン41に供給される燃焼用空気Aの絶対湿度を読み取る(S31)。
【0064】
次いで、制御部14は、電力計43にて読み取った発電出力と、上記目標混合比における副燃料ガスGsの混合比と、湿度計45にて読み取った燃焼用空気Aの絶対湿度とから、発電効率補正マップMに基づいて発電機42の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて公称発電効率を補正した補正発電効率を算出する(S33)。
【0065】
具体的には、発電機42の発電効率は、実施形態2にて上述したように、実際には、上記発電出力、上記混合比、上記絶対湿度により変化する。そのため、本実施形態では、上記混合比ごとに、予め、
図7に例示するような、発電出力-絶対湿度の発電効率補正マップMを求めておき、この発電効率補正マップMに基づいて発電機42の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて公称発電効率を補正した補正発電効率(補正後の発電効率)を求める。発電効率補正マップMは、発電機42の公称発電効率からの補正値を表示したものということができる。
【0066】
図7に例示される発電効率補正マップMは、上記混合比が20%のときのものを示した例である。このような発電効率補正マップMは上記混合比ごとに存在するから、上記混合比ごとに求めたものを制御部14に予め記憶させておく。
図7に例示した上記混合比が20%のときの発電効率補正マップMによれば、例えば、以下のようにして補正発電効率を算出することができる。すなわち、例えば、発電機42の公称発電効率=40%、発電出力=100kW、混合比=20%、絶対湿度=40%のとき、
図7の発電効率補正マップMから、補正値が-1と求められたとする。この場合、補正発電効率は、40-1=39%となる。したがって、この場合には、発電機42の発電率としてこの補正発電効率を用い、以降の副燃料ガスGsの流量を算出することになる。
【0067】
次いで、制御部14は、上記目標混合比と、上記発電出力と、上記補正発電効率とに基づいて、主燃料ガスGmの流量に対して混合すべき副燃料ガスGsの流量を算出する(S33)。
【0068】
次いで、制御部14は、算出された副燃料ガスGsの流量となるように副燃料ガス用流量調整弁13を制御する(S34)。これにより、適切な流量の副燃料ガスGsが、ガスエンジン発電システム4のエンジン用燃料ガス流量調整弁410に供給される。
【0069】
本実施形態の混合燃料供給装置1は、湿度計45により、混合燃料ガスGの燃焼のためにガスエンジン41に供給される燃焼用空気Aの絶対湿度を検知することができる。大気条件によって燃焼用空気Aの絶対湿度が変化すると、発電機42の発電効率が変化する。本実施形態の混合燃料供給装置において、制御部14は、湿度計45により検知された絶対湿度を考慮して、予め記憶させておいた発電効率補正マップMに基づいて発電機42の公称発電効率からの差を求め、この差を用いて公称発電効率を補正した補正発電効率を算出し、この補正発電効率を発電機42の発電効率として用いて副燃料ガスGsの流量を算出する。そのため、本実施形態の混合燃料供給装置によれば、必要とする副燃料ガスGsの流量の算出精度が高くなり、副燃料ガスGsの流量をより正確に制御することができる。
【0070】
また、本実施形態の混合燃料供給装置1は、同じように発電効率の補正を行うものの補正のかけ方が異なる前述の実施形態2の混合燃料供給装置1に比べると、補正発電効率を算出するにあたり多くのデータ量が必要となるため、制御が複雑になる。しかしながら、本実施形態の混合燃料供給装置1は、実施形態2の混合燃料供給装置1に比べ、より精度の高い副燃料ガスGsの流量制御を実現することができる利点がある。
【0071】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。また、出願当初の特許請求の範囲に記載の各請求項同士は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 混合燃料供給装置
11 主燃料ガス配管
12 副燃料ガス配管
13 副燃料ガス用流量調整弁
14 制御部
4 ガスエンジン発電システム
41 ガスエンジン
42 発電機
43 電力計
Gm 主燃料ガス
Gs 副燃料ガス
G 混合燃料ガス