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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179609
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】商品処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/46 20060101AFI20241219BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65C9/46
B41J5/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098591
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】中川 祐治
【テーマコード(参考)】
2C187
3E095
【Fターム(参考)】
2C187AC05
2C187AD05
2C187AD10
2C187AE01
2C187BF36
2C187BG37
2C187BG39
2C187BG40
2C187CC04
2C187CD12
2C187CD24
3E095BA02
3E095BA09
3E095CA01
3E095CA02
3E095CA03
3E095DA03
3E095DA24
3E095DA63
3E095DA66
3E095DA72
3E095DA78
3E095DA90
3E095EA24
3E095EA34
3E095FA06
(57)【要約】
【課題】操作者に過度な負担をかけることなく、操作者に印字内容を確認させることができる商品処理装置を提供する。
【解決手段】商品処理装置1は、商品に関する商品情報をラベルに印字して印字ラベルLCを発行する印字部9と、商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報を音声出力する音声出力部6と、操作者から操作を受け付ける操作部5Aと、操作部5Aにおいて発行操作を受け付けると、印字ラベルLCを発行するように印字部9を制御する制御部10と、を備える。制御部10は、音声出力部6による上記一部の情報の音声出力が完了するまでは、印字ラベルLCの発行を禁止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する商品情報をラベルに印字して印字ラベルを発行する印字部と、
前記商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報を音声出力する音声出力部と、
操作者から操作を受け付ける操作部と、
前記操作部において発行操作を受け付けると、前記印字ラベルを発行するように前記印字部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記音声出力部による前記一部の情報の音声出力が完了するまでは、前記印字ラベルの発行を禁止する、商品処理装置。
【請求項2】
商品に関する商品情報をラベルに印字して印字ラベルを発行する印字部と、
前記商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報を音声出力する音声出力部と、
載置部に載置された商品を計量する計量部と、
操作者から操作を受け付ける操作部と、
前記計量部による前記商品の計量値が安定したと判定されると、前記印字ラベルを発行するように前記印字部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記音声出力部による前記一部の情報の音声出力が完了するまでは、前記印字ラベルの発行を禁止する、商品処理装置。
【請求項3】
前記印字ラベルとして印字される前記商品情報を表示する表示部を更に備え、
前記制御部は、前記音声出力部が前記一部の情報を音声出力しているとき、前記表示部の表示画面における前記商品情報の変更の受け付けを許可する、請求項1又は2記載の商品処理装置。
【請求項4】
前記印字ラベルが発行される前に、前記操作部を介して前記商品情報の少なくとも一部が変更された場合、
前記制御部は、前記商品情報が変更されたこと及び変更された前記商品情報の少なくとも一方を音声出力するように前記音声出力部を制御する、請求項1又は2記載の商品処理装置。
【請求項5】
前記音声出力部によって前記一部の情報の音声出力が完了した後に、前記操作部を介して前記商品情報の少なくとも一部が変更された場合、
前記制御部は、
前記印字ラベルの発行を禁止すると共に、前記商品情報が変更されたこと及び変更された前記商品情報の少なくとも一方を音声出力するように前記音声出力部を制御する、請求項1又は2記載の商品処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記商品情報の少なくとも一部が変更された前後で、声質、音量及び出力内容の少なくとも一つが異なった状態で音声出力されるように前記音声出力部を制御する、請求項4記載の商品処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、商品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の商品情報をラベルに印字する商品処理装置(ラベル発行装置)が知られている。このような商品処理装置を使用する場合、操作者は、ラベルを一度印字することによって、ラベルに印字される内容に誤りが無いか確認を行っていた。しかしながら、この方法は、確認用に印字したラベルが無駄となるだけでなく、操作者の負担も大きかった。このような問題を解消する商品処理装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の商品処理装置は、ラベルへの印字イメージをプレビュー画面として表示すると共に、印字イメージ上の確認が必要な商品情報の項目ごとに用意されるボタンを押下したことを識別可能に構成されている。そして、商品処理装置は、確認が必要な商品情報の項目の全てに対応するボタンが押下されたことを条件に、ラベルの印字を許可するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-94745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の商品処理装置のように、商品情報の項目の全てを押下することによって、印字内容に間違いが無いことを確認する作業も操作者にとっては負担となる。
【0005】
そこで、本発明の一側面の目的は、操作者に過度な負担をかけることなく、操作者に印字内容を確認させることができる商品処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一側面に係る商品処理装置は、商品に関する商品情報をラベルに印字して印字ラベルを発行する印字部と、商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報を音声出力する音声出力部と、操作者から操作を受け付ける操作部と、操作部において発行操作を受け付けると、印字ラベルを発行するように印字部を制御する制御部と、を備え、制御部は、音声出力部による一部の情報の音声出力が完了するまでは、印字ラベルの発行を禁止する。
【0007】
(2)本発明の一側面に係る商品処理装置は、商品に関する商品情報をラベルに印字して印字ラベルを発行する印字部と、商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報を音声出力する音声出力部と、載置部に載置された商品を計量する計量部と、操作者から操作を受け付ける操作部と、計量部による商品の計量値が安定したと判定されると、印字ラベルを発行するように印字部を制御する制御部と、を備え、制御部は、音声出力部による一部の情報の音声出力が完了するまでは、印字ラベルの発行を禁止する。
【0008】
これらの構成の商品処理装置では、音声出力部が、商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報(以下、「音声出力対象情報」とも称する。)を音声出力する。このため、操作者は、音声出力部から音声出力される音声出力対象情報を聞くことで、ラベルに印字される内容を容易に確認(把握)することができる。また、この構成の商品処理装置では、制御部が、音声出力部による音声出力対象情報の音声出力が完了するまでは、印字ラベルの発行を禁止する。このため、操作者は、音声出力部が音声出力する内容を最後まで聞くことが必須となり、印字内容を確実に確認することができる。これらの結果、操作者に過度な負担をかけることなく、操作者に印字内容を確認させることができる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載の商品処理装置において、印字ラベルとして印字される商品情報を表示する表示部を更に備え、制御部は、音声出力部が一部の情報を音声出力しているとき、表示部の表示画面における商品情報の変更の受け付けを許可してもよい。この構成では、印字ラベルが発行されるまでに、商品情報を変更することが可能となる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)の何れか一つに記載の商品処理装置では、印字ラベルが発行される前に、操作部を介して商品情報の少なくとも一部が変更された場合、制御部は、商品情報が変更されたこと及び変更された商品情報の少なくとも一方を音声出力するように音声出力部を制御してもよい。この構成では、ラベルに印字される商品情報が変更された場合、商品情報が変更された旨及び変更された商品情報が音声出力されるので、操作者に対して、商品が変更されたことを確認させることができ、また、変更後の商品情報を確認させることができる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)の何れか一つに記載の商品処理装置では、音声出力部によって一部の情報の音声出力が完了した後に、操作部を介して商品情報の少なくとも一部が変更された場合、制御部は、印字ラベルを発行しないように印字部を制御し、商品情報が変更されたこと及び変更された商品情報の少なくとも一方を音声出力するように音声出力部を制御してもよい。この構成では、ラベルに印字される商品情報が変更された場合、商品情報が変更された旨及び変更された商品情報が音声出力されるので、操作者に対して、商品が変更されたことを確認させることができ、また、変更後の商品情報を確認させることができる。さらに、この構成では、印字ラベルが不要に発行されることを防止できる。
【0012】
(6)上記(4)又は(5)に記載の商品処理装置では、制御部は、商品情報の少なくとも一部が変更された前後で、声質、声量及び出力内容の少なくとも一つが異なった状態で音声出力されるように音声出力部を制御してもよい。この構成では、ラベルに印字される商品情報が変更されたことを、より確実に操作者に伝達することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、操作者に過度な負担をかけることなく、操作者に印字内容を確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第一実施形態に係る電子秤の斜視図である。
図2図2は、図1の電子秤の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1の電子秤のラベル発行までの流れを示すフローチャートである。
図4図4(A)は、商品入力管理画面の一例である。図4(B)は、印字ラベルのプレビュー画面の一例である。
図5図5は、第二実施形態に係る計量包装値付装置の斜視図である。
図6図6は、図5の計量包装値付装置の機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、図5の計量包装値付装置のラベル発行までの流れを示すフローチャートである。
図8図8は、変形例に係るラベラーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第一実施形態)
以下、図面を参照して第一実施形態に係る電子秤(商品処理装置)1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
電子秤1は、商品の重量を計量すると共に、計量した商品に貼り付ける印字ラベルLCを発行する機能を有している。図1及び図2に示されるように、電子秤1は、本体ケース3と、本体操作部5と、スピーカ(音声出力部)6と、計量部7と、印字部9と、制御ユニット10と、を備えている。
【0017】
本体ケース3には、計量部7、印字部9及び制御ユニット10が設けられる。本体ケース3は、略長方体形状に形成されている。本体ケース3の前面には、開閉扉が設けられている。開閉扉が開く状態となることで、本体ケース3の内部に配置された印字部9が露出する。
【0018】
本体操作部5は、本体ケース3に設けられている。本体操作部5は、操作者から操作を受け付ける。また、本体操作部5は、各種情報を表示する。本体操作部5は、本体ケース3の前面に配置された店員側操作部(操作部・表示部)5Aと、本体ケース3の後面に配置された客側操作部5Bと、を有している。店員側操作部5Aは、タッチパネルと固定キーとを含んで構成されていてもよい。固定キーを含む場合には、料金秤として必要な「単価」キー、「定額」キー、「風袋」キー、「印字」キー、及び「呼出」キー等が設けられ、これらが数字キーと共に適宜配置され得る。店員側操作部5Aには、制御ユニット10の制御により、電子秤1の操作に必要な情報が表示される。客側操作部5Bは、例えば、タッチパネルである。
【0019】
店員側操作部5Aには、例えば、操作者によって計量対象商品を指定されると、図4(A)に示されるような商品情報管理画面SC1が表示される。商品情報管理画面SC1には、プレビューボタンB2が設けられている。プレビューボタンB2が押下されると、図4(B)に示されるような、印字ラベルLCがプレビューできるプレビュー画面SC2が表示される。店員側操作部5A及び客側操作部5Bのタッチパネルには、計量皿7Aに載置された商品の重量、価格、及び商品名等が表示される。客側操作部5Bのタッチパネルには、重量、価格の他に商品に関する種々の広告メッセージが表示されてもよい。
【0020】
スピーカ6は、店員側操作部5Aに設けられているが、外付けのスピーカであっても良い。スピーカ6は、商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報(以下、「音声出力対象情報」と称する。)を音声出力する。スピーカ6は、制御ユニット10によって音声出力されるタイミング、出力内容、音量、声質、読み上げ速度等が制御される。ここでいう出力内容とは、例えば商品名等、スピーカ6から発せられる内容を意味する。また、ここでいう声質とは、声の声質のことである。スピーカ6から出力される声質は、例えば男性の声、女性の声、子供の声等、選択的に切り替え可能に構成されている。
【0021】
計量部7は、本体ケース3の上部に配置されている。計量部7は、主として、計量皿7Aと、図示しないロードセル、信号処理回路、及び送信モジュールと、を有している。ロードセルは、計量皿7Aの下部に設けられて、計量皿7Aを支持しており、計量皿7Aに被計量物が載置されることで発生する機械的歪を電気信号に変換して出力する。信号処理回路は、ロードセルから出力される電気信号を増幅してデジタル信号に変換する。送信モジュールは、デジタル信号を本体ケース3内の制御ユニット10に無線又は有線で送信する。
【0022】
印字部9は、本体ケース3に収容され、図示しないカセット、印字ユニット、カッターユニット及び仮着ユニットを備えている。カセットは、ラベルロールを着脱自在に支持する。ラベルロールは、帯状の台紙レスラベルが紙管に巻回されてロール状に形成されたものである。台紙レスラベル(以下、単に「ラベル」と称す。)は、基材である紙の裏面に接着剤が塗布され、表面に熱で発色する感熱剤が塗布され、更にその上から剥離剤としてのシリコン樹脂が塗布されている。ラベルロールは、ラベルの裏面(貼着面)を内側にして紙管に巻き付けられている。また、台紙レスラベルに代えて、台紙付きのラベル巻回したラベルロールを使用してもよい。印字部9は、商品情報をラベルに印字して印字ラベルLCとして発行する。
【0023】
印字ユニットは、印字ヘッドとプラテンローラとを備え、ラベルの表面に商品情報を印字する。印字ヘッドは、サーマル式の印字ヘッドで構成されている。印字ヘッドは、後段にて詳述する制御ユニット10により制御される。プラテンローラは、ラベルの裏面の側から押圧して印字ヘッドにラベルの表面を押し当てる。カッターユニットは、印字ユニットから送り出されてくるラベルを所定の長さの印字ラベルLC(図1参照)として切り離す。すなわち、カッターユニットは、印字ヘッドによって印字された部分を印字ラベルLCとして発行する。
【0024】
仮着ユニットは、カッターユニットによってラベルから印字ラベルLCが切り離される時に、ラベルを表裏から保持する。仮着ユニットは、カッターユニットから切り離された印字ラベルLCを表裏から保持すると共に、印字ラベルLCの後端部(繰出経路における上流端部)を後続で送り出されてくるラベルの前端部(繰出経路における下流端部)に接触しない位置に退避させ、後続のラベルの先端部を先行の印字ラベルLCの粘着面に接合させる。仮着ユニットは、一枚ずつに切断された印字ラベルLCを、先行の印字ラベルLCの後端部に次々と重ね貼りにし、これにより、シート状に連なった状態のラベルシートが形成される。
【0025】
制御ユニット10は、電子秤1における各種動作を制御する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)は、アドレスバス及びデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。制御ユニット10は、電子秤1における各種制御処理を実行する。制御ユニット10は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。制御ユニット10は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。
【0026】
制御ユニット10は、操作者によって店員側操作部5Aに表示された商品一覧から計量対象商品が指定されると、図4(A)に示されるような商品情報管理画面SC1を店員側操作部5Aに表示させると共に、音声出力対象情報(例えば、商品名、単価等)を音声出力するようにスピーカ6を制御する。商品情報管理画面SC1には、商品名、単価等の情報が表示されている。制御ユニット10は、操作者によって計量皿7Aに商品が載置されると、計量部7から送信されるデジタル信号を受信し、受信した信号から得られる質量に予め設定された単位質量当りの単価を乗じて価格を算出し、算出された価格を店員側操作部5A及び客側操作部5Bのタッチパネルに表示させる。
【0027】
商品情報管理画面SC1には、発行ボタンB1と、プレビューボタンB2と、が表示されている。発行ボタンB1は、商品情報が印字された印字ラベルLCを発行させるためのボタンである。制御ユニット10は、店員側操作部5Aにおいて発行操作を受け付けると(すなわち、発行ボタンB1が押下されると)、商品情報が印字された印字ラベルLCを発行するように印字部9を制御する。プレビューボタンB2は、図4(B)に示されるような、発行される印字ラベルLCが表示されるプレビュー画面SC2を店員側操作部5Aに表示させるためのボタンである。制御ユニット10は、操作者によってプレビューボタンB2が押下されると、プレビュー画面SC2を店員側操作部5Aに表示させる。
【0028】
なお、商品一覧から計量対象商品が指定され、商品情報管理画面SC1が表示された段階では、発行ボタンB1が非アクティブとなっている。なお、発行ボタンB1における非アクティブの状態とは、例えば、発行ボタンB1が非表示であったり、グレーアウトしていたりして、発行ボタンB1を押下することができないような状態をいう。制御ユニット10は、スピーカ6によって音声出力対象情報の音声出力が完了するまでは、印字ラベルの発行を禁止する。具体的には、制御ユニット10は、スピーカ6によって音声出力対象情報の音声出力が完了するまでは、発行ボタンB1が非アクティブの状態を維持するように制御する。
【0029】
制御ユニット10は、スピーカ6が音声出力対象情報を音声出力しているとき、商品情報管理画面(表示画面)SC1又はプレビュー画面(表示画面)における商品情報の変更の受け付けを許可する。言い替えれば、スピーカ6が音声出力対象情報を音声出力しているときは、操作者は、商品情報管理画面SC1又はプレビュー画面において商品情報の入力(変更)をすることができる。
【0030】
制御ユニット10は、印字ラベルLCが発行される前に、店員側操作部5Aを介して商品情報の少なくとも一部が変更された場合、スピーカ6を制御して、「商品情報が変更されたこと」及び「変更された商品情報」の少なくとも一方を音声出力するように音声出力部を制御する。また、制御ユニット10は、スピーカ6によって音声出力対象情報の音声出力が完了した後に、店員側操作部5Aを介して商品情報の少なくとも一部が変更された場合、印字ラベルLCを発行しないように印字部9を制御し、「商品情報が変更されたこと」及び「変更された商品情報」の少なくとも一方を音声出力するように音声出力部を制御する。
【0031】
「商品情報が変更されたこと」を音声出力する場合の具体例には、例えば「商品名が変更されました」と音声出力することが含まれる。また、「変更された商品情報」を音声出力する場合の具体例には、「神戸牛ヒレステーキに変更されました」、「和牛ヒレステーキから神戸牛ヒレステーキに変更されました」と音声出力することが含まれる。また、これらの音声を組み合わせて、例えば「商品名が神戸牛ヒレステーキに変更されました」、「商品名が和牛ヒレステーキから神戸牛ヒレステーキに変更されました」といった内容を音声出力してもよい。
【0032】
制御ユニット10は、上記のように商品情報の少なくとも一部が変更された場合には、商品情報の少なくとも一部が変更された前後で、声質、音量及び出力内容の少なくとも一つが異なった状態で音声出力されるようにスピーカ6を制御する。例えば、商品情報の少なくとも一部が変更される前においては、男性の声で音声出力していた場合、商品情報の少なくとも一部が変更された後においては、女性の声で音声出力する。このような変更の具体例には、声質を変更すること以外にも、変更後の音量を変更前よりも大きくする、変更後の音声速度を変更前よりも速くする(速く読み上げる)といった実施態様がある。
【0033】
次に、上記構成の電子秤1において印字ラベルLCを発行するときの動作について、主に図3を参照しながら説明する。
【0034】
操作者は、店員側操作部5Aに表示された商品一覧から計量対象商品を指定したり、計量対象商品の呼出番号の入力に続いて「呼出」キーを操作したりして、計量対象商品を選択すると(ステップS1)、指定又は呼び出された計量対象商品の登録情報が商品マスタから読み出され、商品情報管理画面SC1(図4(A)参照)が表示される(ステップS2)。このとき、商品情報管理画面SC1の発行ボタンB1は、非アクティブとなっている。
【0035】
商品情報管理画面SC1が表示されると、続いて、計量対象商品の音声出力対象情報の音声出力を開始する(ステップS3)。具体的には、計量対象商品の音声出力対象情報である商品名及び単価がスピーカ6から読み上げられる。これにより、操作者は、どの商品の印字ラベルLCが発行されるかを確認することができる。
【0036】
制御ユニット10は、計量対象商品の商品名及び単価について音声出力(読み上げ)が完了したか否かを監視する(ステップS4)。制御ユニット10は、計量対象商品の商品名及び単価について音声出力が完了したと判定すると(S4:YES)、音声出力を開始した(ステップS3)後に店員側操作部5Aを介して計量対象商品の商品情報が変更されたか否かを確認する(ステップS42)。ここで、商品情報に変更がないことを確認した場合(S42:NO)、図4(A)に示される商品情報管理画面SC1の発行ボタンB1をアクティブな状態にする(ステップS5)。発行ボタンB1がアクティブな状態とは、発行ボタンB1を押下することができる状態をいう。
【0037】
次に、操作者によって商品が計量皿7Aに載置されると、商品の計量を開始する(ステップS6)。これにより、商品が計量され、重量、価格及び商品名等が店員側操作部5A及び客側操作部5Bのタッチパネルに表示される。なお、ここでは、発行ボタンB1がアクティブになった(ステップS5)の後に商品が計量皿7Aに載置される例を挙げて説明したが、どのタイミングで商品を計量皿7Aに載置してもよい。そして、発行ボタンB1がアクティブな状態のときに、操作者が発行ボタンB1を押下すると(ステップS7)、印字部9は、計量対象商品の商品情報が印字された印字ラベルLCを発行する(ステップS8)。
【0038】
ステップS42に戻り、ここで商品情報に変更があることを確認した場合(S42:YES)、変更後の計量対象商品における音声出力対象情報の音声出力を開始する(ステップS43)。ここで、変更後の計量対象商品における音声出力対象情報を音声出力するときは、上述したように、変更の前後で声質、音量及び出力内容の少なくとも一つが異なった状態で音声出力されるようにスピーカ6を制御する。そして、制御ユニット10は、変更後の計量対象商品の商品名及び単価について音声出力(読み上げ)が完了したか否かを再び監視する(ステップS4)。
【0039】
今度は、ステップS4に戻り、制御ユニット10は、計量対象商品の商品名及び単価について音声出力が完了したと判定するまで(S4:NO)の間に店員側操作部5Aを介して計量対象商品の商品情報が変更されたか否かを確認する(ステップS41)。ここで、商品情報に変更がされてないことを確認した場合(S41:NO)、計量対象商品における音声出力対象情報について音声出力が完了したか否かの監視を継続する(ステップS4)。一方、ステップS41において、計量対象商品の商品情報が変更されたことを確認した場合(S41:YES)、変更後の計量対象商品における音声出力対象情報の音声出力を開始する(ステップS43)。そして、制御ユニット10は、変更後の計量対象商品における音声出力対象情報について音声出力(読み上げ)が完了したか否かを再び監視する(ステップS4)。
【0040】
(第二実施形態)
以下、図面を参照して第二実施形態に係る計量包装値付装置(商品処理装置)101について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。計量包装値付装置101は、商品を計量し、商品を包装した後に、当該商品に関する商品情報が印字された印字ラベルを発行して商品に貼付する装置である。
【0041】
図5及び図6に示されるように、計量包装値付装置101は、計量部102と、包装部103と、印字部104と、貼付部105と、制御ユニット110と、を備える。
【0042】
計量部102は、商品を計量する。計量部102は、本体101aの正面中央部に設けられている。計量部102は、ロードセル等の荷重センサに負荷されて、トレーに載置された食品等の商品の重量を計量する計量皿121と、計量皿121に載置された商品を包装部103まで搬送する搬送機構123と、を有している。
【0043】
包装部103は、計量部102によって計量された商品をストレッチフイルムで包装する。包装部103は、商品を所定位置まで上昇させるリフト機構131と、ストレッチフイルムを支持するフィルムロール支持機構132と、ストレッチフイルムを所定位置にまで送り出すフィルム送出機構133と、ストレッチフイルムを商品の底面側に折り込む折込機構134と、ストレッチフイルムをシールするシール機構135と、を有している。リフト機構131は、計量部102から受け取った商品を所定位置にまで上昇させて、フィルム送出機構133によって所定位置に張られたストレッチフイルムを下から持ち上げる。折込機構134は、商品によって持ち上げられたストレッチフイルムを商品の底面側に折り込んで商品を包装する。シール機構135は、折込機構134によって商品の底面側に折り込まれたストレッチフイルムに熱シールを施す。
【0044】
印字部104は、商品情報をラベルに印字して印字ラベルLCとして発行する。印字部104は、折込機構134及びシール機構135の上方に配置されている。印字部104は、貼付部105と一体的に構成されている。印字部104において印字されるラベルは、第一実施形態で説明したラベルと同様のものが使用される。
【0045】
貼付部105は、印字部104によって発行された印字ラベルを包装部103によって包装された商品に貼付する。貼付部105は、印字部104と印字ラベルが貼付される商品との間を移動可能に設けられている。貼付部105は、印字部104から受け取った印字ラベルをフィルムによって包装された商品の所定位置に貼付する。
【0046】
表示パネル106は、本体101aの上部に設けられている。表示パネル106は、作業者向けに各種情報を表示すると共に作業者の操作を受け付けることができるタッチパネルである。表示パネル106の構成も、第一実施形態の店員側操作部5Aと同じであるので、詳細な説明については省略する。
【0047】
スピーカ107は、表示パネル106の近傍に設けられている。スピーカ107は、商品情報のうち少なくとも商品名を含む一部の情報(以下、「音声出力対象情報」とも称する。)を音声出力する。なお、スピーカ107の詳細については、第一実施形態のスピーカ6と同じ構成であるので、ここでの説明は省略する。
【0048】
制御ユニット110は、本体101aの上部に配置されている。制御ユニット110は、計量包装値付装置101における各種動作を制御する。第二実施形態の計量包装値付装置101では、計量皿121上に商品が載置されると、商品の重量が計量皿121を支持する荷重センサにより商品が計量され、制御ユニット110が計量部102による商品の計量値が安定したと判定すると、制御ユニット110は、搬送機構123を制御して包装部103にまで商品を搬送し、包装部103を制御して商品を包装し、印字部104を制御して印字ラベルを発行し、貼付部105を制御して包装部103によって包装された商品に印字ラベルLCを貼付する。
【0049】
印字ラベルLCの発行に関係する制御ユニット110の制御内容は、包装対象商品としての商品情報を最初に呼び出すときは、第一実施形態の制御ユニット10の制御内容とほぼ一致する。しかし、続いて同じ種類の商品を自動的に計量皿121に供給して、次々と包装させるときは、第二実施形態の制御ユニット110の制御内容が、第一実施形態の制御ユニット10の制御内容と異なる。具体的には、最初に商品情報を呼び出すときは、第一実施形態と同様に、店員側操作部5Aにおいて発行ボタンB1又はそれに代わるスタートボタンが押下され、計量部102の計量値が安定したことを契機として印字ラベルLCが発行されるが、続いて同じ商品が計量皿121に次々と供給されるときは、第二実施形態では、計量皿121に載置された計量対象商品に対する計量部102の計量値が安定したと制御ユニット110によって判定されたことを契機として印字ラベルLCが発行される。
【0050】
このような第一実施形態とは異なる第二実施形態の制御ユニット110を備える計量包装値付装置101において印字ラベルLCを発行するときの動作について、主に図7を参照しながら説明する。なお、第二実施形態におけるステップS1~ステップS43は、第一実施形態におけるステップS1~ステップS43と同じであるので説明を省略する。すわち、包装対象商品が選択され(ステップS1)、選択された包装対象商品(変更後の包装対象商品も含む)の音声出力対象情報の音声出力が完了し(ステップS4:YES)、その後の包装対象商品の商品情報に変更がないと制御ユニット110によって判定された場合(ステップS42:NO)、制御ユニット110は、商品情報管理画面SC1の発行ボタンB1又はそれに代わるスタートボタンをアクティブにすると共に、計量皿121への商品載置を検知可能な状態とする(ステップS15)。これにより、印字ラベルLCが発行可能となる。
【0051】
このような状態において、操作者によって計量皿121に包装対象商品が載置される、あるいは、自動供給装置によって包装対象商品が計量皿121に供給されると、商品計量が受け付けられて、計量部102よる計量が開始される(ステップS16)。そして、計量部102によって取得される包装対象商品の計量値が制御ユニット110によって安定したと判定されたとき(ステップS17)、印字ラベルLCを発行する(ステップS18)。
【0052】
上記第一実施形態の電子秤1及び上記第二実施形態の計量包装値付装置101における作用効果について説明する。上記実施形態の電子秤1(計量包装値付装置101)では、スピーカ6(スピーカ107)が、計量対象商品(包装対象商品)の音声出力対象情報を音声出力する。このため、操作者は、スピーカ6(スピーカ107)から音声出力される対象商品の音声出力対象情報を聞くことで、ラベルに印字される内容を容易に確認することができる。また、この構成の電子秤1(計量包装値付装置101)では、制御ユニット10(制御ユニット110)が、スピーカ6(スピーカ107)による対象商品の音声出力対象情報の音声出力が完了するまでは、印字ラベルLの発行を禁止する。このため、操作者は、スピーカ6(スピーカ107)が音声出力する内容を最後まで聞くことが必須となり、印字内容を確実に確認することができる。これらの結果、操作者に過度な負担をかけることなく、操作者に印字内容を確認させることができる。
【0053】
上記実施形態の電子秤1(計量包装値付装置101)において、制御ユニット10(制御ユニット110)は、スピーカ6(スピーカ107)が計量対象商品(包装対象商品)の音声出力対象情報を音声出力しているとき、店員側操作部5A(表示パネル)に表示されるプレビュー画面SC2における商品情報の変更の受け付けを許可している。これにより、印字ラベルLCが発行されるまでに、商品情報を変更することが可能となる。
【0054】
上記実施形態の電子秤1(計量包装値付装置101)では、印字ラベルLCが発行される前に、店員側操作部5A(表示パネル106)を介して計量対象商品(包装対象商品)の商品情報が変更された場合、制御ユニット10(制御ユニット110)は、商品情報が変更されたこと及び変更された商品情報の少なくとも一方を音声出力するようにスピーカ6(スピーカ107)を制御している。これにより、ラベルに印字される商品情報が変更された場合、商品情報が変更された旨及び変更された商品情報が音声出力されるので、操作者に対して、商品が変更されたことを確認(把握)させることができ、また、変更後の商品情報を確認させることができる。
【0055】
上記実施形態の電子秤1(計量包装値付装置101)では、スピーカ6(スピーカ107)によって対象商品の音声出力対象情報の音声出力が完了した後に、店員側操作部5A(表示パネル106)を介して対象商品の商品情報の少なくとも一部が変更された場合、制御ユニット10(制御ユニット110)は、印字ラベルLCの発行を禁止すると共に、対象商品の商品情報が変更されたこと及び変更された商品情報の少なくとも一方を音声出力するようにスピーカを制御している。この構成では、対象商品の商品情報が変更された場合、商品情報が変更された旨及び変更された商品情報が音声出力されるので、操作者に対して、商品が変更されたことを確認(把握)させることができ、また、変更後の商品情報を確認させることができる。さらに、この構成では、印字ラベルLCが不要に発行されることを防止できる。
【0056】
上記実施形態の電子秤1(計量包装値付装置101)では、制御ユニット10(制御ユニット110)は、設定された商品情報の少なくとも一部が変更された前後で、声質、声量及び出力内容の少なくとも一つが異なった状態で音声出力されるので、ラベルに印字される商品情報が変更されたことを、より確実に操作者に伝達することができる。
【0057】
以上、第一実施形態及び第二実施形態について説明したが、本発明の一側面は、上記第二実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0058】
上記第一実施形態では、操作者による発行操作、計量対象商品の商品情報の変更が店員側操作部5Aを介して受け付けられる例を挙げて説明したが、店員側操作部5Aに代えて又は加えて客側操作部5Bを介して受け付けられる構成であってもよい。
【0059】
上記第一実施形態では、店員側操作部5A及び客側操作部5Bを備える対面式の電子秤1に本発明の一側面を適用する例に挙げて説明したが、図8に示されるような一つの本体操作部205のみを備えるラベラー(商品処理装置)201に本発明の一側面を適用してもよい。なお、図8に示されるラベラー201は、本体ケース203と、タッチパネルで構成される本体操作部(操作部)205と、固定キー(操作部)205Aと、スピーカ(音声出力部)206と、オプションとして接続される計量皿207Aを有する計量部207と、印字部209と、制御ユニット(制御部)210と、を備えている。また、上記のラベラー201は、計量皿207A及び計量部207を備えない、単なるラベル発行装置として構成されてもよい。このようなラベラー201であっても、上記第一実施形態の電子秤1及び上記第二実施形態の計量包装値付装置101が奏する作用効果を享受できる。
【0060】
上記実施形態及び変形例のラベラー201及び計量包装値付装置101では、操作者によって商品番号等が入力又は選択されることによって計量対象商品(包装対象商品)が特定される例を挙げて説明したが、例えば、カメラ等で撮像された画像からAI等によって特定された商品を計量対象商品(包装対象商品)として特定してもよいし、AI等によって特定された複数の商品候補から計量対象商品(包装対象商品)を選択してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…電子秤(商品処理装置)、5…本体操作部、5A…店員側操作部(操作部)、5B…客側操作部、6…スピーカ(音声出力部)、7…計量部、7A…計量皿、9…印字部、10…制御ユニット(制御部)、101…計量包装値付装置(商品処理装置)、102…計量部、103…包装部、104…印字部、105…貼付部、106…表示パネル(操作部)、107…スピーカ(音声出力部)、110…制御ユニット(制御部)、201…ラベラー(商品処理装置)、B1…発行ボタン、B2…プレビューボタン、LC…印字ラベル、SC1…商品情報管理画面、SC2…プレビュー画面。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8