(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179610
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098592
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宣行
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA07
5H181BB13
5H181CC02
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL04
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】車両の前方画像を含む注意喚起画像を後方に向けて表示することで後続車両に対する注意喚起が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、車両1に配置され、車両1の前方を撮像する撮像部10と、表示面を車両1の後方に向けて車両1に配置される表示部30と、撮像部10が撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示させる表示制御部21とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に配置され、前記車両の前方を撮像する撮像部と、
表示面を前記車両の後方に向けて前記車両に配置される表示部と、
前記撮像部が撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える、表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記注意喚起画像として、前記撮像部が撮像した撮像画像を前記表示部に表示する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記注意喚起画像として、前記撮像部が撮像した撮像画像を前記表示部に表示すると同時に、注意喚起を促す文字、記号、または図形を前記表示部に表示する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記車両または前記車両の周囲の状態を検出する状態検出部をさらに備え、
前記車両または前記車両の周囲の状態が予め定められた判定条件のいずれかに該当するときに、前記表示制御部は、前記表示部に前記注意喚起画像を表示する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記判定条件には、前記車両の前方に歩行者、軽車両、または他の車両が存在する場合が含まれる、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記判定条件には、前記車両が方向指示器を使用中の場合、または前記車両が非常点滅表示灯を使用中の場合が含まれる、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記判定条件には、前記車両が旋回中の場合、または前記車両が減速中の場合が含まれる、請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記撮像部は、
前記車両の中央前方に向けられる第1撮像装置と、
前記車両の右前方に向けられる第2撮像装置と、
前記車両の左前方に向けられる第3撮像装置と
を有し、
前記表示制御部は、前記車両が右方向指示器使用中、または右方向旋回中のときは、前記第2撮像装置が撮像した撮像画像を含む前記注意喚起画像を前記表示部に表示し、前記車両が左方向指示器使用中、または左方向旋回中のときは、前記第3撮像装置が撮像した撮像画像を含む前記注意喚起画像を前記表示部に表示する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記撮像部は、前記撮像部の撮像方向を少なくとも中央前方、右前方及び左前方の間で変更可能とする撮像方向変更部を有しており、
前記撮像方向変更部は、前記車両が右方向指示器使用中、または右方向旋回中のときは、前記撮像方向を右前方に変更し、前記車両が左方向指示器使用中、または左方向旋回中のときは、前記撮像方向を左前方に変更する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記車両または前記車両の周囲の状態が前記判定条件のいずれにも該当しないときは、前記表示部に広告画像を表示する、請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の外面にディスプレイを取り付け、車両周辺の歩行者を検知した場合に歩行者の注意力情報に基づいて、車両により歩行者に対してフィードバック情報がディスプレイに表示されることが開示されている。この際に、車両の予想運動軌跡が表宇治されることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トラックなどの背面に取り付けられた表示装置を用いて広告コンテンツを表示する技術は既に存在する。しかし、あくまでも広告表示であることから、後方を走行する車両などへの配慮に乏しい。
【0005】
本開示は、車両の前方画像を含む注意喚起画像を後方に向けて表示することで後続車両に対する注意喚起が可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、車両に配置され、前記車両の前方を撮像する撮像部と、表示面を前記車両の後方に向けて前記車両に配置される表示部と、前記撮像部が撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を前記表示部に表示させる表示制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両の前方画像を含む注意喚起画像を後方に向けて表示することで後続車両に対する注意喚起が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る表示装置100が搭載された車両1を斜め前方から見た斜視図である。
【
図4】表示装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】車両1の前方が渋滞している状況を示す説明図である。
【
図6】ハザードランプ点滅中の車両1を後方から見た背面図である。
【
図7】前方映像が表示部30に表示されている車両1を後方から見た背面図である。
【
図8】表示装置100による最も基本的な処理を例示するフローチャートである。
【
図9】本開示の第2実施形態に係る表示装置100Aの機能的構成を示すブロック図である。
【
図10】撮像部10Aが搭載された車両1がT字路を右折する状況を例示する平面図である。
【
図11】
図10の状況において歩行者がいる場合を例示する説明図である。
【
図12】
図10の状況において前方映像が表示部30に表示されている車両1を後方から見た背面図である。
【
図13】本開示の第2実施形態の変形例に係る表示装置100Bの機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
<第1実施形態>
1.1 表示装置100の構成
図1は、本開示の第1実施形態に係る表示装置100が搭載された車両1を斜め前方から見た斜視図である。
図2は、車両1を後方から見た背面図である。
図3は、車両1を上方から見た平面図である。
図4は、表示装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【0011】
図4に示すように、表示装置100は、撮像部10と、CPU(Central Processing Unit)20と、表示部30と、記憶部60とを備える。CPU20は、表示制御部21と、状態検出部22と、車両制御部23とを有する。
【0012】
撮像部10は、車両1に配置され、車両1の前方を撮像する。例えば
図1及び
図3に示すように、撮像部10は、車両1のフロントガラス2上部内側でバックミラー3の裏側に配置される。このときの撮像部10による撮像範囲A10は、例えば、
図1に示したとおりである。ただし、撮像部10は、このような配置に限らず、適切な前方映像を撮像可能な位置に取り付けられればよい。撮像部10は、車両1のフロントガラス2内側で運転席の天井などに取り付けられてもよい。また、撮像部10は、車両1内部に限らず、車両1外部に取り付けられてもよい。
【0013】
撮像部10としては、例えば可視光カメラが挙げられるが、夜間でもなるべく鮮明な撮像ができるような高感度タイプが好ましい。または、可視光カメラと赤外線カメラとが組み合わされたものが撮像部10として使用されてもよい。撮像部10は、ドライブレコーダー用のカメラと兼用されてもよい。ただし、撮像部10は、このように例示されたものに限らない。
【0014】
表示部30は、表示面を車両1の後方に向けて車両1に配置される。例えば
図2に示すように、表示部30は、左ディスプレイ31L及び右ディスプレイ31Rを有する。左ディスプレイ31Lはその表示面31Laを車両1の後方に向けて左バックドア4Lに配置される。同様に、右ディスプレイ31Rはその表示面31Raを車両1の後方に向けて右バックドア4Rに配置される。左ディスプレイ31L及び右ディスプレイ31Rは、左バックドア4L及び右バックドア4Rよりそれぞれ一回り小さなサイズの矩形状である。ただし、左ディスプレイ31L及び右ディスプレイ31Rは、このような配置や形状に限らない。
【0015】
左ディスプレイ31L及び右ディスプレイ31Rとしては、例えば、E Ink(登録商標)方式の電子ペーパー、液晶パネル、有機EL(organic electro-luminescence)パネルなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0016】
表示制御部21、状態検出部22、及び車両制御部23に対応する機能のプログラムが記憶部60に記憶されている場合は、それらのプログラムをCPU20が実行することで、表示制御部21、状態検出部22、及び車両制御部23が具現化される。表示制御部21、状態検出部22、及び車両制御部23は他にも、電子回路、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成されてもよいが、これらに限らない。記憶部60は、メモリー、具体的には揮発性メモリー及び不揮発性メモリーを含む。揮発性メモリーは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)を含むが、これらに限らない。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read-Only Member)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクを含むが、これらに限らない。
【0017】
表示制御部21は、撮像部10が撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示させる。注意喚起画像とは、後続車の運転者の注意を喚起する画像である。ここで言う「画像」には、静止画だけでなく動画も含まれる。
【0018】
したがって、車両1の前方画像を含む注意喚起画像が後方に向けて表示される。この結果、車両1の後続車両に対する注意喚起が可能となる。
【0019】
表示制御部21は、注意喚起画像として、撮像部10が撮像した撮像画像を表示部30に表示させてもよい。したがって、車両1の前方画像が後方に向けて表示される。この結果、後続車両に車両1の前方の状況を認識させることができる。
【0020】
表示制御部21は、注意喚起画像として、撮像部10が撮像した撮像画像を表示部30に表示させると同時に、注意喚起を促す文字、記号、または図形を表示部30に表示させてもよい。したがって、車両1の前方画像だけでなく、注意喚起を促す文字、記号、または図形などが併せて表示部30に表示される。この結果、後続車両に車両1の前方の状況を確実に認識させることができる。
【0021】
状態検出部22は、車両1または車両1の周囲の状態を検出する。車両1の状態とは、例えば、車両1が直進中または旋回中のいずれなのか、あるいは、車両1が加速中、定速走行中、減速中、停止中のいずれなのかなどが挙げられるが、これらに限らない。車両1の周囲の状態とは、例えば、前方の道路状況(渋滞の有無など)や、前方に歩行者、軽車両(自転車)、または他の車両が存在するか否かなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0022】
車両1または車両1の周囲の状態が予め定められた判定条件のいずれかに該当するときに、表示制御部21は、表示部30に注意喚起画像を表示させる。したがって、注意喚起画像が表示部30に常時表示されるのではなく、予め定められた判定条件のいずれかに該当するときに表示される。この結果、常時表示に比べて注意換気効果が高く、後続車両に車両1の前方の状況をより確実に認識させることができる。
【0023】
上述した判定条件には、例えば、車両1の前方に歩行者、軽車両、または他の車両などが存在する場合が含まれる。このような判定は、例えば、撮像部10が撮像した撮像画像の解析によって可能となる。したがって、注意喚起の必要性が高い場合に、後続車両に対する注意喚起を確実に行うことができる。この結果、後続車両に車両1の前方の状況をより確実に認識させることができる。
【0024】
CPU20には、少なくともウィンカーレバー及びハザードスイッチが設けられたハンドル41からの各種信号が入力される。この各種信号には、ハンドル41の操舵角、ウィンカーレバーの状態、ハザードスイッチの状態が含まれる。これにより、状態検出部22は、ハンドル41の操舵角に基づいて、車両1が直進中なのか、右方向旋回中なのか、左方向旋回中なのかを検出できる。状態検出部22は、ウィンカーレバーの状態に基づいて、右方向指示器使用中または左方向指示器使用中であることを検出できる。
【0025】
そこで、上述した判定条件には、車両1が方向指示器51を使用中の場合、または車両1がハザードランプ(非常点滅表示灯)を使用中の場合が含まれてもよい。このような場合を、状態検出部22は、ウィンカーレバーの状態及びハザードスイッチの状態に基づいて検出することができる。したがって、注意喚起の必要性が高い場合に、後続車両に対する注意喚起を確実に行うことができる。この結果、後続車両に車両1の前方の状況をより確実に認識させることができる。
【0026】
また、CPU20には、ブレーキペダル42からの信号が入力される。この信号には、ブレーキペダル42を踏み込んでいるか否か、または踏込量が含まれる。これにより、状態検出部22は、ブレーキペダル42から入力される信号に基づいて車両1が減速中か否かを検出できる。
【0027】
そこで、上述した判定条件には、車両1が旋回中の場合、または車両1が減速中の場合が含まれてもよい。このような場合を、状態検出部22は、ハンドル41の操舵角、またはブレーキペダル42から入力される信号に基づいて検出することができる。したがって、注意喚起の必要性が高い場合に、後続車両に対する注意喚起を確実に行うことができる。この結果、後続車両に車両1の前方の状況をより確実に認識させることができる。
【0028】
車両制御部23は、主として車両1における表示装置100以外の各部、例えば、エンジン、トランスミッション、前照灯、方向指示器51、空調、車内音響システムなどを制御する。例えば、左右の方向指示器51は、CPU20からの出力に接続されている。これにより、車両制御部23は、ハンドル41から入力されたウィンカーレバーの状態に基づいて、左右の方向指示器51の点滅を制御することができる。
【0029】
1.2 表示装置100の動作例
図5は、車両1の前方が渋滞している状況を示す説明図である。
図6は、ハザードランプ点滅中の車両1を後方から見た背面図である。
図7は、前方映像が表示部30に表示されている車両1を後方から見た背面図である。
【0030】
図5に示すように、車両1が走行中の道路の前方が渋滞している状況、すなわち、車両1からそれほど離れていない前方に他の車両などが多数存在する状況を、状態検出部22は、撮像部10による撮像画像の解析によって検出することができる。
【0031】
このような状況では、後続車両に対する注意喚起を行って追突などを回避するため、運転者はハンドル41に設けられているハザードスイッチを操作して、
図6に示すように、ハザードランプを点滅させることが多い。
【0032】
一方、表示制御部21は、注意喚起画像として、撮像部10が撮像した車両1の前方の撮像画像を表示部30に表示させると同時に、注意喚起を促す文字として「前方注意」を表示部30に表示させる。これにより、後続車両に対する注意喚起を効果的に行うことができる。
【0033】
図8は、表示装置100による最も基本的な処理を例示するフローチャートである。
【0034】
図8に示すように、ステップS1では、撮像部10が車両1の前方を撮像して次のステップS2へ進む。
【0035】
ステップS2では、表示制御部21が、ステップS1において撮像部10が撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示する。
【0036】
<第2実施形態>
2.1 表示装置100Aの構成
図10は、本開示の第2実施形態に係る表示装置100Aの機能的構成を示すブロック図である。なお、この表示装置100Aは、第1実施形態の撮像部10を撮像部10Aに代えたものである。以下の説明は、主として第1実施形態との相違点である。
【0037】
図9に示すように、撮像部10Aは、車両1の中央前方に向けられる第1撮像装置11Cと、車両1の右前方に向けられる第2撮像装置11Rと、車両1の左前方に向けられる第3撮像装置11Lとを有している。これらの撮像装置それぞれは、例えば、第1実施形態の撮像部10と同一構成であってもよい。つまり、独立した3つの撮像部10が車両1の中央前方、右前方、及び左前方に向けて車両1の運転席付近に配置されてもよい。または、例えば1つの筐体に3つの撮像部10を各撮像方向を異ならせて内蔵したものが車両1の運転席付近に配置されてもよい。ただし、表示装置100Aは、このような構成や配置に限らない。
【0038】
表示制御部21は、車両1が右方向指示器使用中、または右方向旋回中のときは、第2撮像装置11Rが撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示させる。なお、車両1が右方向指示器使用中であることは、ウィンカーレバーの状態に基づいて状態検出部22が検出できる。車両1が右方向旋回中であることは、ハンドル41の操舵角に基づいて状態検出部22が検出できる。よって、車両1が右方向指示器使用中、または右方向旋回中であることを状態検出部22が検出したときに、表示制御部21は、第2撮像装置11Rが撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示させることができる。
【0039】
また、表示制御部21は、車両1が左方向指示器使用中、または左方向旋回中のときは、第3撮像装置11Lが撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示させる。なお、車両1が左方向指示器使用中であることは、ウィンカーレバーの状態に基づいて状態検出部22が検出できる。車両1が左方向旋回中であることは、ハンドル41の操舵角に基づいて状態検出部22が検出できる。よって、車両1が左方向指示器使用中、または左方向旋回中であることを状態検出部22が検出したときに、表示制御部21は、第3撮像装置11Lが撮像した撮像画像を含む注意喚起画像を表示部30に表示させることができる。
【0040】
したがって、このような構成により、車両1の中央前方だけでなく、車両1の右前方及び左前方の各撮像画像も得られる。この結果、状況に応じて適切な撮像画像を使い分けることができるので、後続車両に対する注意喚起を効果的に行うことができる。
【0041】
2.2 表示装置100Aの動作例
図10は、撮像部10Aが搭載された車両1がT字路を右折する状況を例示する平面図である。
図11は、
図10の状況において歩行者がいる場合を例示する説明図である。
図12は、
図10の状況において前方映像が表示部30に表示されている車両1を後方から見た背面図である。
【0042】
図10に示すように、撮像部10Aが搭載された車両1がT字路を右折する状況では、車両1の中央前方よりも右前方に歩行者9や他の車両1Xなどが存在するか否かが重要である。すなわち、第2撮像装置11Rによって撮像される撮像範囲A11R内の画像が重要である。
【0043】
図11に示すように、右折中の車両1の右前方に歩行者9が存在することを、状態検出部22は、撮像部10Aによる撮像画像の解析によって検出することができる。
【0044】
このような状況で、表示制御部21は、
図12に示すように、注意喚起画像として、第2撮像装置11Rが撮像した車両1の右前方の撮像画像を表示部30に表示させる。これにより、車両1の右前方に歩行者9が存在することが表示部30に表示されるので、後続車両に対する注意喚起を効果的に行うことができる。
【0045】
<第2実施形態の変形例>
図13は、本開示の第2実施形態の変形例に係る表示装置100Bの機能的構成を示すブロック図である。この表示装置100Bは、第2実施形態の撮像部10Aを撮像部10Bに代えたものである。以下の説明は、主として第2実施形態との相違点である。
【0046】
図13に示すように、撮像部10Bは、撮像部の撮像方向を少なくとも中央前方、右前方及び左前方の間で変更可能とする撮像方向変更部12を有している。撮像方向変更部12としては、撮像部自体の方向を連続的または段階的に変更できる機構や、撮像光学系の途中に挿入したミラーやプリズムなどの移動によって撮像方向を変更できる機構などが挙げられるが、これらに限らない。
【0047】
撮像方向変更部12は、車両1が右方向指示器使用中、または右方向旋回中のときは、撮像方向を右前方に変更する。また、撮像方向変更部12は、車両1が左方向指示器使用中、または左方向旋回中のときは、撮像方向を左前方に変更する。なお、車両1が左方向指示器使用中、または左方向旋回中のとき、あるいは車両1が左方向指示器使用中、または左方向旋回中のときであることは、第2実施形態と同様に検出することができる。
【0048】
したがって、このような構成により、第2実施形態の撮像部10Aと同様に、車両1の中央前方だけでなく、車両1の右前方及び左前方の各撮像画像も得られる。この結果、状況に応じて適切な撮像画像を使い分けることができるので、後続車両に対する注意喚起を効果的に行うことができる。
【0049】
<他の実施形態>
上述した各実施形態において、表示制御部21は、車両1または車両1の周囲の状態が上述した判定条件のいずれにも該当しないときは、表示部30に広告画像を表示させてもよい。
【0050】
したがって、後続車に対する注意喚起が必要でない場合には、表示部30に広告画像が表示される。この結果、表示部30の有効活用が可能となる。
【0051】
本発明は、その主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本開示は、表示装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 車両
9 歩行者
10、10A、10B 撮像部
20 CPU
21 表示制御部
22 状態検出部
23 車両制御部
30 表示部
31L 左ディスプレイ
31R 右ディスプレイ
41 ハンドル
42 ブレーキペダル
51 方向指示器
100、100A、100B 表示装置