(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179612
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241219BHJP
H02M 7/483 20070101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H02M7/483
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098595
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野 寛
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA22
5H770DA34
5H770DA44
5H770JA10X
5H770QA06
(57)【要約】
【課題】インダクタンスの増加を抑制する半導体モジュールを提供する。
【解決手段】半導体モジュール10では、O1端子140とO2端子210とが接続されていることにより、第1モジュール11と第2モジュール12とが接続されている。また、第1モジュール11は、第2モジュール12と厚み方向に対向している。さらに、第1モジュール11における電流経路方向は、第2モジュール12における電流経路方向とは反対方向になっている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体モジュールであって、
第1モジュール(11)と、
第2モジュール(12)と、
を備え、
前記第1モジュールは、
一方向(Da)に延びている第1端子(110)と、
前記第1端子に接続されている第1電極(1711)と、第2電極(1712)と、印加電圧に基づいて前記第1および前記第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極(1713)と、前記第1電極および前記第2電極に接続されている第1ダイオード(191)と、を含む第1素子(111)と、
前記第2電極に接続されている第3電極(1721)と、第4電極(1722)と、印加電圧に基づいて前記第3電極および前記第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極(1723)と、前記第3電極および前記第4電極に接続されている第2ダイオード(192)と、を含む第2素子(112)と、
前記第3電極に接続されているとともに前記一方向に延びており、負荷(50)に接続される第2端子(140)と、
前記第4電極に接続されているとともに、前記一方向に延びている第3端子(150)と、
を有し、
前記第2モジュールは、
前記一方向に延びており、前記第2端子と接続されていることにより前記第1モジュールと前記第2モジュールとを接続させる第4端子(210)と、
前記第4端子に接続されている第5電極(2711)と、第6電極(2712)と、印加電圧に基づいて前記第5電極および前記第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極(2713)と、前記第5電極および前記第6電極に接続されている第3ダイオード(291)と、を含む第3素子(211)と、
第7電極(2721)と、前記第6電極に接続されている第8電極(2722)と、印加電圧に基づいて前記第7電極および前記第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極(2723)と、前記第7電極および前記第8電極に接続されている第4ダイオード(292)と、を含む第4素子(212)と、
前記第7電極に接続されているとともに、前記一方向に延びている第5端子(240)と、
前記第7電極に接続されているとともに、前記一方向に延びている第6端子(250)と、
を有し、
前記第1モジュールは、前記第1モジュールの厚み方向(DT)に前記第2モジュールと対向しており、
前記第1モジュールにおける電流経路方向は、前記第2モジュールにおける電流経路方向とは反対方向になっている半導体モジュール。
【請求項2】
前記第1端子は、前記第5端子と前記厚み方向に対向しており、
前記第1端子における電流経路方向は、前記第5端子における電流経路方向とは反対方向になっており、
前記第2端子は、前記第4端子と前記厚み方向に対向しており、
前記第2端子における電流経路方向は、前記第4端子における電流経路方向とは反対方向になっており、
前記第3端子は、前記第6端子と前記厚み方向に対向しており、
前記第3端子における電流経路方向は、前記第6端子における電流経路方向とは反対方向になっている請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記第1モジュールは、前記第1素子、前記第2素子、前記第1端子、前記第2端子および前記第3端子を覆う第1封止部(160)を有し、
前記第2モジュールは、前記第3素子、前記第4素子、前記第4端子、前記第5端子および前記第6端子を覆う第2封止部(260)を有し、
前記第1端子は、前記第1封止部から突き出ている第1突出部(1100)を含み、
前記第2端子は、前記第1封止部から突き出ている第2突出部(1400)を含み、
前記第3端子は、前記第1封止部から突き出ている第3突出部(1500)を含み、
前記第4端子は、前記第2封止部から突き出ている第4突出部(2100)を含み、
前記第5端子は、前記第2封止部から突き出ている第5突出部(2400)を含み、
前記第6端子は、前記第2封止部から突き出ている第6突出部(2500)を含み、
前記厚み方向における前記第1封止部の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面を第1中心面(So1)とし、
前記厚み方向における前記第2封止部の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面を第2中心面(So2)とすると、
前記第1突出部は、前記第1中心面よりも前記第5突出部側に位置しており、
前記第2突出部は、前記第1中心面よりも前記第4突出部側に位置しており、
前記第3突出部は、前記第1中心面よりも前記第6突出部側に位置しており、
前記第4突出部は、前記第2中心面よりも前記第2突出部側に位置しており、
前記第5突出部は、前記第2中心面よりも前記第1突出部側に位置しており、
前記第6突出部は、前記第2中心面よりも前記第3突出部側に位置している請求項2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記第1モジュールは、
前記第1電極に接続されている第1リードフレーム(121)と、
前記第2電極に接続されている第2リードフレーム(122)と、
前記第3電極および前記第2リードフレームに接続されている第3リードフレーム(123)と、
前記第4電極に接続されている第4リードフレーム(124)と、
前記第1素子、前記第2素子、前記第1端子、前記第2端子、前記第3端子、前記第1リードフレーム、前記第2リードフレーム、前記第3リードフレームおよび前記第4リードフレームを覆う第1封止部(160)と、
を有し、
前記第2モジュールは、
前記第5電極および前記第4端子に接続されている第5リードフレーム(221)と、
前記第6電極に接続されている第6リードフレーム(222)と、
前記第7電極に接続されている第7リードフレーム(223)と、
前記第8電極および前記第6リードフレームに接続されている第8リードフレーム(224)と、
前記第3素子、前記第4素子、前記第4端子、前記第5端子、前記第6端子、前記第5リードフレーム、前記第6リードフレーム、前記第7リードフレームおよび前記第8リードフレームを覆う第2封止部(260)と、
を有し、
前記第1リードフレーム、前記第2リードフレーム、前記第3リードフレームおよび前記第4リードフレームの少なくとも一部は、前記第1封止部から露出しており、
前記第5リードフレーム、前記第6リードフレーム、前記第7リードフレームおよび前記第8リードフレームの少なくとも一部は、前記第2封止部から露出しており、
前記第2封止部から露出している前記第5リードフレーム、前記第6リードフレーム、前記第7リードフレームおよび前記第8リードフレームの面積(S5、S6、S7、S8)のいずれかは、前記第1封止部から露出している前記第1リードフレーム、前記第2リードフレーム、前記第3リードフレームおよび前記第4リードフレームの面積(S1、S2、S3、S4)のいずれかよりも大きくなっている請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記第1モジュールの外形と、前記第2モジュールの外形とは、同じとされている請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記第3素子および前記第4素子の耐圧は、
前記第1素子の耐圧の0.5以上、1.0未満とされており、
前記第2素子の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項7】
前記半導体モジュールは、
前記第1端子に接続されているとともに、前記一方向に延びている第1延長部(31)と、
前記第3端子に接続されているとともに、前記一方向に延びている第2延長部(32)と、
前記第5端子および前記第6端子に接続されているとともに、前記一方向に延びている第3延長部(33)と、
前記第1延長部および前記第3延長部に挟まれているとともに、前記第1延長部および前記第3延長部と接続されている第1コンデンサ(41)と、
前記第2延長部および前記第3延長部に挟まれているとともに、前記第2延長部および前記第3延長部と接続されている第2コンデンサ(42)と、
を備える請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、第1のパワーモジュールと、第2のパワーモジュールと、第3のパワーモジュールと、を有する3レベルインバータ装置が知られている。第1のパワーモジュールでは、第1のパワートランジスタが上アームとされ、第1のダイオードが下アームとされている。第2のパワーモジュールでは、第2のパワートランジスタが上アームとされ、第3のパワートランジスタが下アームとされている。第3のパワーモジュールでは、第2のダイオードが上アームとされ、第4のパワートランジスタが下アームとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された3レベルインバータ装置では、第1のパワーモジュールおよび第2のパワーモジュールの間を配線で接続するとともに、第2のパワーモジュールおよび第3のパワーモジュールの間を配線で接続する必要がある。これらの配線のため、3レベルインバータ装置のインダクタンスが増加する。
【0005】
本開示は、インダクタンスの増加を抑制する半導体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、半導体モジュールであって、第1モジュール(11)と、第2モジュール(12)と、を備え、第1モジュールは、一方向(Da)に延びている第1端子(110)と、第1端子に接続されている第1電極(1711)と、第2電極(1712)と、印加電圧に基づいて第1および第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極(1713)と、第1電極および第2電極に接続されている第1ダイオード(191)と、を含む第1素子(111)と、第2電極に接続されている第3電極(1721)と、第4電極(1722)と、印加電圧に基づいて第3電極および第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極(1723)と、第3電極および第4電極に接続されている第2ダイオード(192)と、を含む第2素子(112)と、第3電極に接続されているとともに一方向に延びており、負荷(50)に接続される第2端子(140)と、第4電極に接続されているとともに、一方向に延びている第3端子(150)と、を有し、第2モジュールは、一方向に延びており、第2端子と接続されていることにより第1モジュールと第2モジュールとを接続させる第4端子(210)と、第4端子に接続されている第5電極(2711)と、第6電極(2712)と、印加電圧に基づいて第5電極および第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極(2713)と、第5電極および第6電極に接続されている第3ダイオード(291)と、を含む第3素子(211)と、第7電極(2721)と、第6電極に接続されている第8電極(2722)と、印加電圧に基づいて第7電極および第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極(2723)と、第7電極および第8電極に接続されている第4ダイオード(292)と、を含む第4素子(212)と、第7電極に接続されているとともに、一方向に延びている第5端子(240)と、第7電極に接続されているとともに、一方向に延びている第6端子(250)と、を有し、第1モジュールは、第1モジュールの厚み方向(DT)に第2モジュールと対向しており、第1モジュールにおける電流経路方向は、第2モジュールにおける電流経路方向とは反対方向になっている半導体モジュールである。
【0007】
これにより、第1モジュールおよび第2モジュールを流れる電流による磁界の向きが互いに異なる方向になる箇所が発生する。このため、第1モジュールと、第2モジュールとは、互いに磁界を打ち消し合う。したがって、第1モジュールおよび第2モジュールにおけるインダクタンスの増加が抑制される。よって、半導体モジュールのインダクタンスの増加が抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態における半導体モジュールを示す回路図。
【
図2】半導体モジュールの第1モジュールのドレイン側から見た図。
【
図9】半導体モジュールの第2モジュールのドレイン側から見た図。
【
図11】半導体モジュールの延長部およびコンデンサを示す斜視図。
【
図13】半導体モジュールの第1転流経路を示す回路図。
【
図14】半導体モジュールの第2転流経路を示す回路図。
【
図15】半導体モジュールの第3転流経路を示す回路図。
【
図16】半導体モジュールの第4転流経路を示す回路図。
【
図17】第1モジュールのドレイン側から見たときの第1転流経路および第3転流経路を示す図。
【
図18】第2モジュールのドレイン側から見たときの第1転流経路および第3転流経路を示す図。
【
図19】第1モジュールのドレイン側から見たときの第2転流経路および第4転流経路を示す図。
【
図20】第2モジュールのドレイン側から見たときの第2転流経路および第4転流経路を示す図。
【
図21】第2実施形態における半導体モジュールの第1モジュールのドレイン側から見た図。
【
図23】半導体モジュールの第2モジュールのドレイン側から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の半導体モジュールでは、半導体モジュールのインダクタンスの増加が抑制される。半導体モジュールは、例えば、双方向スイッチ方式の3レベルインバータに用いられる。
【0012】
具体的には、
図1~
図12に示すように、半導体モジュール10は、第1モジュール11、第2モジュール12、第1延長部31、第2延長部32、第3延長部33、第1コンデンサ41および第2コンデンサ42を備える。
【0013】
第1モジュール11は、
図1~
図8に示すように、P端子110、第1半導体素子111、第1リードフレーム121、第2リードフレーム122および第1リード端子131を有する。また、第1モジュール11は、第2半導体素子112、第3リードフレーム123、第4リードフレーム124、第2リード端子132、第1還流ダイオード137、第2還流ダイオード138、O1端子140、N端子150および第1封止部160を有する。
【0014】
P端子110は、第1端子に相当しており、
図2~
図4に示すように、一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。
【0015】
第1半導体素子111は、第1素子に相当しており、
図1~
図4に示すように、第1トランジスタ171、第1ボンディングワイヤ181および第1ダイオード191を含む。
【0016】
第1トランジスタ171は、例えば、SiやSiCを用いたMOSFETである。なお、MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略である。
【0017】
さらに、第1トランジスタ171は、
図1に示すように、第1ドレイン電極1711、第1ソース電極1712および第1ゲート電極1713を有する。
【0018】
第1ドレイン電極1711は、第1電極に相当しており、
図4に示すように、はんだ等を介して、第1リードフレーム121に接続されている。第1リードフレーム121は、はんだ等を介して、P端子110に接続されている。したがって、第1ドレイン電極1711は、第1リードフレーム121等を介して、P端子110に接続されている。また、第1リードフレーム121は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダの機能も有する。
【0019】
第1ソース電極1712は、第2電極に相当しており、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第2リードフレーム122に接続されている。また、第2リードフレーム122は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダの機能も有する。
【0020】
第1ゲート電極1713は、パッドおよび第1ボンディングワイヤ181等を介して、第1リード端子131に接続されている。第1リード端子131は、図示しない駆動回路に接続されている。そして、第1ゲート電極1713は、駆動回路から第1ゲート電極1713への印加電圧に基づいて第1ドレイン電極1711および第1ソース電極1712の間にて電流を流させる。
【0021】
図1に戻って、第1ダイオード191は、例えば、ツェナーダイオードである。第1ダイオード191のカソードは、第1ドレイン電極1711および第1リードフレーム121に接続されている。第1ダイオード191のアノードは、第1ソース電極1712および第2リードフレーム122に接続されている。これにより、第1ダイオード191は、第1トランジスタ171と並列接続されている。
【0022】
第2半導体素子112は、
図2および
図3に示すように、一方向Daおよび第1半導体素子111の厚み方向DTと直交する方向に、第1半導体素子111とともに並んでいる。さらに、第2半導体素子112は、第2素子に相当しており、第2トランジスタ172、第2ボンディングワイヤ182および第2ダイオード192を含む。なお、第1半導体素子111の厚み方向DTは、第1モジュール11の厚み方向に対応する。
【0023】
第2トランジスタ172は、例えば、SiやSiCを用いたMOSFETである。また、第2トランジスタ172は、
図1に示すように、第2ドレイン電極1721、第2ソース電極1722および第2ゲート電極1723を有する。
【0024】
第2ドレイン電極1721は、第3電極に相当しており、
図5に示すように、はんだ等を介して、第3リードフレーム123に接続されている。第3リードフレーム123は、
図6に示すように、配線層、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第2リードフレーム122に接続されている。したがって、第2ドレイン電極1721は、第3リードフレーム123および第2リードフレーム122等を介して、第1ソース電極1712に接続されている。さらに、第3リードフレーム123は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダの機能も有する。
【0025】
第2ソース電極1722は、第4電極に相当しており、
図5に示すように、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第4リードフレーム124に接続されている。また、第4リードフレーム124は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダの機能も有する。
【0026】
第2ゲート電極1723は、パッドおよび第2ボンディングワイヤ182等を介して、第2リード端子132に接続されている。第2リード端子132は、駆動回路に接続されている。そして、第2ゲート電極1723は、駆動回路から第2ゲート電極1723への印加電圧に基づいて第2ドレイン電極1721および第2ソース電極1722の間にて電流を流させる。
【0027】
図1に戻って、第2ダイオード192は、例えば、ツェナーダイオードである。第2ダイオード192のカソードは、第2ドレイン電極1721および第3リードフレーム123に接続されている。第2ダイオード192のアノードは、第2ソース電極1722および第4リードフレーム124に接続されている。これにより、第2ダイオード192は、第2トランジスタ172と並列接続されている。
【0028】
第1還流ダイオード137は、第1半導体素子111と並列接続されている。第2還流ダイオード138は、第2半導体素子112と並列接続されている。
【0029】
O1端子140は、第2端子に相当しており、
図5に示すように、はんだ等を介して、第3リードフレーム123に接続されている。また、第3リードフレーム123が第2ドレイン電極1721に接続されていることから、O1端子140は、第3リードフレーム123等を介して、第2ドレイン電極1721に接続されている。さらに、第3リードフレーム123が第2リードフレーム122に接続されているとともに、第2リードフレーム122が第1ソース電極1712に接続されている。したがって、O1端子140は、第3リードフレーム123および第2リードフレーム122を介して、第1ソース電極1712に接続されている。さらに、O1端子140は、一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、O1端子140は、
図1に示すように、負荷50に接続されている。負荷50は、例えば、LCフィルタやモータ等である。
【0030】
N端子150は、第3端子に相当しており、
図7に示すように、配線層、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第4リードフレーム124に接続されている。第4リードフレーム124が第2ソース電極1722に接続されていることから、N端子150は、第4リードフレーム124を介して、第2ソース電極1722に接続されている。さらに、N端子150は、
図8に示すように、一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、
図2および
図3に示すように、一方向Daおよび厚み方向DTと直交する方向において、N端子150は、P端子110およびO1端子140の間にて、間隔を空けて配置されている。
【0031】
第1封止部160は、樹脂等で形成されている。さらに、第1封止部160は、第1半導体素子111、第2半導体素子112、第1還流ダイオード137および第1還流ダイオード137を覆っている。また、第1封止部160は、第1リードフレーム121および第2リードフレーム122の一部が第1封止部160から露出するように、第1リードフレーム121および第2リードフレーム122を覆っている。さらに、第1封止部160は、第3リードフレーム123および第4リードフレーム124の一部が第1封止部160から露出するように、第3リードフレーム123および第4リードフレーム124を覆っている。また、第1封止部160は、第1リード端子131が第1封止部160から突き出るように、第1リード端子131の一部を覆っている。さらに、第1封止部160は、第2リード端子132が第1封止部160から突き出るように、第2リード端子132の一部を覆っている。また、第1封止部160は、P端子110が第1封止部160から突き出るように、P端子110の一部を覆っている。さらに、第1封止部160は、O1端子140が第1封止部160から突き出るように、O1端子140の一部を覆っている。また、第1封止部160は、N端子150が第1封止部160から突き出るように、N端子150の一部を覆っている。
【0032】
したがって、
図2~
図5および
図8に示すように、P端子110は、第1封止部160から突き出ている第1突出部1100を有する。O1端子140は、第1封止部160から突き出ている第2突出部1400を有する。N端子150は、第1封止部160から突き出ている第3突出部1500を有する。
【0033】
第2モジュール12は、
図4~
図8に示すように、第1モジュール11と厚み方向DTに対向している。さらに、第2モジュール12は、O2端子210、第3半導体素子211、第5リードフレーム221、第6リードフレーム222および第3リード端子231を有する。また、第2モジュール12は、第4半導体素子212、第7リードフレーム223、第8リードフレーム224、第4リード端子232、N1端子240、N2端子250および第2封止部260を有する。
【0034】
O2端子210は、第4端子に相当しており、図示しないボルトおよびナット等を介して、O1端子140に接続されている。これにより、第1モジュール11と第2モジュール12とが接続されている。さらに、O2端子210は、
図5に示すように、一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、O2端子210は、O1端子140と厚み方向DTに対向している。O2端子210を厚み方向DTに投影したとき、投影したO2端子210は、O1端子140と重なる。
【0035】
第3半導体素子211は、第2半導体素子112と厚み方向DTに対向している。さらに、第3半導体素子211を厚み方向DTに投影したとき、投影した第3半導体素子211は、第2半導体素子112と重なる。また、第3半導体素子211は、第3素子に相当しており、第3トランジスタ271、第3ボンディングワイヤ281および第3ダイオード291を含む。
【0036】
第3トランジスタ271は、例えば、SiやSiCを用いたMOSFETである。また、第3トランジスタ271の耐圧は、第1トランジスタ171の耐圧の0.5以上、1.0未満とされているとともに、第2トランジスタ172の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている。さらに、第3トランジスタ271は、
図1に示すように、第3ドレイン電極2711、第3ソース電極2712および第3ゲート電極2713を有する。
【0037】
第3ドレイン電極2711は、第5電極に相当しており、
図5に示すように、はんだ等を介して、第5リードフレーム221に接続されている。また、第5リードフレーム221は、はんだ等を介して、O2端子210に接続されている。したがって、第3ドレイン電極2711は、第5リードフレーム221等を介して、O2端子210に接続されている。また、第5リードフレーム221は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダも機能も有する。
【0038】
第3ソース電極2712は、第6電極に相当しており、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第6リードフレーム222に接続されている。また、第6リードフレーム222は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダも機能も有する。
【0039】
第3ゲート電極2713は、パッドおよび第3ボンディングワイヤ281等を介して、第3リード端子231に接続されている。第3リード端子231は、駆動回路に接続されている。そして、第3ゲート電極2713は、駆動回路から第3ゲート電極2713への印加電圧に基づいて第3ドレイン電極2711および第3ソース電極2712の間にて電流を流させる。
【0040】
図1に戻って、第3ダイオード291は、例えば、ツェナーダイオードである。第3ダイオード291のカソードは、第3ドレイン電極2711および第5リードフレーム221に接続されている。第3ダイオード291のアノードは、第3ソース電極2712および第6リードフレーム222に接続されている。これにより、第3ダイオード291は、第3トランジスタ271と並列接続されている。
【0041】
第4半導体素子212は、
図4に示すように、第1半導体素子111と厚み方向DTに対向している。第4半導体素子212を厚み方向DTに投影したとき、投影した第4半導体素子212は、第1半導体素子111と重なる。さらに、第4半導体素子212は、第4素子に相当しており、第4トランジスタ272、第4ボンディングワイヤ282および第4ダイオード292を含む。
【0042】
第4トランジスタ272は、例えば、SiやSiCを用いたMOSFETである。また、第4トランジスタ272の耐圧は、第1トランジスタ171の耐圧の0.5以上、1.0未満とされているとともに、第2トランジスタ172の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている。さらに、第4トランジスタ272は、
図1に示すように、第4ドレイン電極2721、第4ソース電極2722および第4ゲート電極2723を有する。
【0043】
第4ドレイン電極2721は、第7電極に相当しており、
図4に示すように、はんだ等を介して、第7リードフレーム223に接続されている。また、第7リードフレーム223は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダの機能も有する。
【0044】
第4ソース電極2722は、第8電極に相当しており、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第8リードフレーム224に接続されている。さらに、第8リードフレーム224は、
図6に示すように、配線層等を介して、第6リードフレーム222に接続されている。第6リードフレーム222が第3ソース電極2712に接続されていることから、第4ソース電極2722は、第8リードフレーム224および第6リードフレーム222等を介して、第3ソース電極2712に接続されている。また、第8リードフレーム224は、接続部品の機能に加えて、ヒートスプレッダの機能も有する。
【0045】
第4ゲート電極2723は、
図4に示すように、パッドおよび第4ボンディングワイヤ282等を介して、第4リード端子232に接続されている。第4リード端子232は、駆動回路に接続されている。そして、第4ゲート電極2723は、駆動回路から第4ゲート電極2723への印加電圧に基づいて第4ドレイン電極2721および第4ソース電極2722の間にて電流を流させる。
【0046】
図1に戻って、第4ダイオード292は、例えば、ツェナーダイオードである。第4ダイオード292のカソードは、第4ドレイン電極2721および第7リードフレーム223に接続されている。第4ダイオード292のアノードは、第4ソース電極2722および第8リードフレーム224に接続されている。これにより、第4ダイオード292は、第4トランジスタ272と並列接続されている。
【0047】
N1端子240は、第5端子に相当しており、
図4に示すように、はんだ等を介して、第7リードフレーム223に接続されている。また、第7リードフレーム223が第4ドレイン電極2721に接続されていることから、N1端子240は、第7リードフレーム223を介して、第4ドレイン電極2721に接続されている。さらに、N1端子240は、一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、N1端子240は、P端子110と厚み方向DTに対向している。さらに、N1端子240を厚み方向DTに投影したとき、投影したN1端子240は、P端子110と重なる。
【0048】
N2端子250は、第6端子に相当しており、
図7および
図9に示すように、配線層、はんだおよび銅スペーサ等を介して、第7リードフレーム223に接続されている。また、第7リードフレーム223が第4ドレイン電極2721に接続されていることから、N2端子250は、第7リードフレーム223等を介して、第4ドレイン電極2721に接続されている。さらに、N2端子250は、一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、N2端子250は、N端子150と厚み方向DTに対向している。さらに、N2端子250を厚み方向DTに投影したとき、投影したN2端子250は、N端子150と重なる。また、
図9および
図10に示すように、一方向Daおよび厚み方向DTと直交する方向において、N2端子250は、O2端子210およびN1端子240の間にて、間隔を空けて配置されている。
【0049】
第2封止部260は、樹脂等で形成されている。さらに、第2封止部260は、第3半導体素子211および第4半導体素子212を覆っている。また、第2封止部260は、第5リードフレーム221および第6リードフレーム222の一部が第2封止部260から露出するように、第5リードフレーム221および第6リードフレーム222を覆っている。さらに、第2封止部260は、第7リードフレーム223および第8リードフレーム224の一部が第2封止部260から露出するように、第7リードフレーム223および第8リードフレーム224を覆っている。また、第2封止部260は、第3リード端子231が第2封止部260から突き出るように、第3リード端子231の一部を覆っている。さらに、第2封止部260は、第4リード端子232が第2封止部260から突き出るように、第4リード端子232の一部を覆っている。また、第2封止部260は、O2端子210が第2封止部260から突き出るように、O2端子210の一部を覆っている。さらに、第2封止部260は、N1端子240が第2封止部260から突き出るように、N1端子240の一部を覆っている。また、第2封止部260は、N2端子250が第2封止部260から突き出るように、N2端子250の一部を覆っている。
【0050】
したがって、
図4、
図5および
図8~
図10に示すように、O2端子210は、第2封止部260から突き出ている第4突出部2100を有する。N1端子240は、第2封止部260から突き出ている第5突出部2400を有する。N2端子250は、第2封止部260から突き出ている第6突出部2500を有する。
【0051】
ここで、
図4、
図5および
図8に示すように、厚み方向DTにおける第1封止部160の中心を通るとともに、厚み方向DTと直交する面を第1中心面So1とする。さらに、厚み方向DTにおける第2封止部260の中心を通るとともに、厚み方向DTと直交する面を第2中心面So2とする。
【0052】
そして、第1突出部1100は、第1中心面So1よりも第5突出部2400側に位置している。第2突出部1400は、第1中心面So1よりも第4突出部2100側に位置している。第3突出部1500は、第1中心面So1よりも第6突出部2500側に位置している。第4突出部2100は、第2中心面So2よりも第2突出部1400側に位置している。第5突出部2400は、第2中心面So2よりも第1突出部1100側に位置している。第6突出部2500は、第2中心面So2よりも第3突出部1500側に位置している。
【0053】
また、第2モジュール12の外形は、第1モジュール11の外形と同じとされている。例えば、第1突出部1100の外形と、第5突出部2400の外形とは、同じとされている。第2突出部1400の外形と、第4突出部2100の外形とは、同じとされている。第3突出部1500の外形と、第6突出部2500の外形とは、同じとされている。第1封止部160から突き出ている第1リード端子131および第2リード端子132の外形と、第2封止部260から突き出ている第3リード端子231および第4リード端子232の外形とは、同じとされている。第1封止部160の外形と、第2封止部260の外形とは、同じとされている。なお、ここでは、「同じ」は、製造誤差範囲を含むものとする。
【0054】
第1延長部31は、
図11および
図12に示すように、ボルト等を介してP端子110に接続されている。さらに、第1延長部31は、P端子110から一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、第1延長部31の一部は、屈曲している。さらに、第1延長部31は、図示しない電源の一端に接続されている。
【0055】
第2延長部32は、ボルト等を介してN端子150に接続されている。また、第2延長部32は、N端子150から一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。さらに、第2延長部32の一部は、屈曲している。また、第2延長部32は、電源の他端に接続されている。
【0056】
第3延長部33は、ボルト等を介してN1端子240およびN2端子250に接続されている。さらに、第3延長部33は、N1端子240およびN2端子250から一方向Daに延びる板状に金属で形成されている。また、第3延長部33の一部は、屈曲している。
【0057】
第1コンデンサ41は、メタリコン等を用いて形成されている。さらに、第1コンデンサ41は、第1延長部31および第3延長部33に挟まれている。また、第1コンデンサ41は、第1延長部31および第3延長部33と接続されている。
【0058】
第2コンデンサ42は、メタリコン等を用いて形成されている。さらに、第2コンデンサ42は、第2延長部32および第3延長部33に挟まれている。また、第2コンデンサ42は、第2延長部32および第3延長部33と接続されている。さらに、第1延長部31の一部、第2延長部32の一部、第3延長部33の一部、第1コンデンサ41および第2コンデンサ42は、樹脂等で覆われている。
【0059】
以上のように、第1実施形態の半導体モジュール10は、構成されている。次に、半導体モジュール10の作動について説明する。
【0060】
図示しない制御装置によって、駆動回路から第1リード端子131等を介して第1ゲート電極1713に印加される電圧、および、駆動回路から第2リード端子132等を介して第2ゲート電極1723に印加される電圧が制御される。これにより、第1半導体素子111および第2半導体素子112がオンオフ制御される。また、制御装置によって、駆動回路から第3リード端子231等を介して第3ゲート電極2713に印加される電圧、および、駆動回路から第4リード端子232等を介して第4ゲート電極2723に印加される電圧が制御される。このため、第3半導体素子211および第4半導体素子212がオンオフ制御される。したがって、第1半導体素子111、第2半導体素子112、第3半導体素子211および第4半導体素子212のオンオフに応じた電流がO1端子140からモータに出力される。これにより、モータが制御される。
【0061】
また、第1半導体素子111、第2半導体素子112、第3半導体素子211および第4半導体素子212のオンオフによって、
図13~
図16に示すように、第1転流経路Cp1、第2転流経路Cp2、第3転流経路Cp3および第4転流経路Cp4が形成される。なお、転流経路とは、ここでは、第1半導体素子111、第2半導体素子112、第3半導体素子211および第4半導体素子212のオンオフにより電流の経路が切り換わるときの変位電流dI/dtの経路である。
【0062】
そして、第1転流経路Cp1では、
図13に示すように、変位電流dI/dtは、第1コンデンサ41、第3延長部33、N1端子240、第7リードフレーム223および第4トランジスタ272を経由して、第8リードフレーム224を通る。第8リードフレーム224を通った変位電流dI/dtは、第6リードフレーム222、第3ダイオード291、第5リードフレーム221、O2端子210を経由して、O1端子140を通る。O1端子140を通った変位電流dI/dtは、第3リードフレーム123,第2リードフレーム122、第1トランジスタ171、第1リードフレーム121、P端子110および第1延長部31を経由して、第1コンデンサ41を通る。
【0063】
第1転流経路Cp1において、
図17に示すように、変位電流dI/dtは、O1端子140を経由して、第3リードフレーム123を通る。第3リードフレーム123を通った変位電流dI/dtは、第2リードフレーム122、第1ソース電極1712および第1ドレイン電極1711を経由して、第1リードフレーム121を通る。第1リードフレーム121を通った変位電流dI/dtは、P端子110を通る。この場合、P端子110における電流経路方向は、一方向Daである。さらに、O1端子140における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。
【0064】
また、第1転流経路Cp1において、
図18に示すように、変位電流dI/dtは、N1端子240を経由して、第7リードフレーム223を通る。第7リードフレーム223を通った変位電流dI/dtは、第4ドレイン電極2721、第4ソース電極2722、第8リードフレーム224、第6リードフレーム222および第3ダイオード291を経由して、第5リードフレーム221を通る。第5リードフレーム221を通った変位電流dI/dtは、O2端子210を通る。この場合、N1端子240における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、O2端子210における電流経路方向は、一方向Daである。
【0065】
したがって、N1端子240と厚み方向DTに対向するP端子110における電流経路方向は、N1端子240における電流経路方向とは反対方向になっている。また、O2端子210と厚み方向DTに対向するO1端子140における電流経路方向は、O2端子210における電流経路方向とは反対方向になっている。よって、第1モジュール11における電流経路方向は、第2モジュール12における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0066】
第2転流経路Cp2では、
図14に示すように、変位電流dI/dtは、O2端子210、第5リードフレーム221、第3ダイオード291および第6リードフレーム222を経由して、第8リードフレーム224を通る。第8リードフレーム224を通った変位電流dI/dtは、第4トランジスタ272、第7リードフレーム223、N2端子250、第3延長部33、第2コンデンサ42および第2延長部32を経由して、N端子150を通る。N端子150を通った変位電流dI/dtは、第4リードフレーム124、第2トランジスタ172、第3リードフレーム123およびO1端子140を経由して、O2端子210を通る。
【0067】
第2転流経路Cp2において、
図19に示すように、変位電流dI/dtは、N端子150を経由して、第4リードフレーム124、第2ソース電極1722および第2ドレイン電極1721を経由して、第3リードフレーム123を通る。第3リードフレーム123を通った変位電流dI/dtは、O1端子140を通る。この場合、N端子150における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、O1端子140における電流経路方向は、一方向Daである。
【0068】
また、第2転流経路Cp2において、
図20に示すように、変位電流dI/dtは、O2端子210を経由して、第5リードフレーム221を通る。第5リードフレーム221を通った変位電流dI/dtは、第3ダイオード291、第6リードフレーム222、第8リードフレーム224、第4ソース電極2722および第4ドレイン電極2721を経由して、第7リードフレーム223を通る。第7リードフレーム223を通った変位電流dI/dtは、N2端子250を通る。この場合、N2端子250における電流経路方向は、一方向Daである。さらに、O2端子210における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。
【0069】
したがって、N2端子250と厚み方向DTに対向するN端子150における電流経路方向は、N2端子250における電流経路方向とは反対方向になっている。また、O2端子210と厚み方向DTに対向するO1端子140における電流経路方向は、O2端子210における電流経路方向とは反対方向になっている。よって、第1モジュール11における電流経路方向は、第2モジュール12における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0070】
第3転流経路Cp3では、
図15に示すように、変位電流dI/dtは、O1端子140、第3リードフレーム123,第2リードフレーム122、第1トランジスタ171、第1リードフレーム121を経由して、P端子110を通る。P端子110を通った変位電流dI/dtは、第1延長部31を経由して、第1コンデンサ41を通る。第1コンデンサ41を通った変位電流dI/dtは、第3延長部33、N1端子240、第7リードフレーム223および第4ダイオード292を経由して、第8リードフレーム224を通る。第8リードフレーム224を通った変位電流dI/dtは、第6リードフレーム222、第3トランジスタ271、第5リードフレーム221、O2端子210を経由して、O1端子140を通る。
【0071】
第3転流経路Cp3において、
図17に示すように、変位電流dI/dtは、O1端子140を経由して、第3リードフレーム123を通る。第3リードフレーム123を通った変位電流dI/dtは、第2リードフレーム122、第1ソース電極1712および第1ドレイン電極1711を経由して、第1リードフレーム121を通る。第1リードフレーム121を通った変位電流dI/dtは、P端子110を通る。この場合、P端子110における電流経路方向は、一方向Daである。さらに、O1端子140における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。
【0072】
また、第3転流経路Cp3において、
図18に示すように、変位電流dI/dtは、N1端子240を経由して、第7リードフレーム223を通る。第7リードフレーム223を通った変位電流dI/dtは、第4ダイオード292、第8リードフレーム224、第6リードフレーム222、第3ソース電極2712および第3ドレイン電極2711を経由して、第5リードフレーム221を通る。第5リードフレーム221を通った変位電流dI/dtは、O2端子210を通る。この場合、N1端子240における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、O2端子210における電流経路方向は、一方向Daである。
【0073】
したがって、N1端子240と厚み方向DTに対向するP端子110における電流経路方向は、N1端子240における電流経路方向とは反対方向になっている。また、O2端子210と厚み方向DTに対向するO1端子140における電流経路方向は、O2端子210における電流経路方向とは反対方向になっている。よって、第1モジュール11における電流経路方向は、第2モジュール12における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0074】
第4転流経路Cp4では、
図16に示すように、変位電流dI/dtは、第2コンデンサ42および第2延長部32を経由して、N端子150を通る。N端子150を通った変位電流dI/dtは、第4リードフレーム124、第2トランジスタ172、第3リードフレーム123およびO1端子140を経由して、O2端子210を通る。O2端子210を通った変位電流dI/dtは、第5リードフレーム221、第3トランジスタ271および第6リードフレーム222を経由して、第8リードフレーム224を通る。第8リードフレーム224を通った変位電流dI/dtは、第4ダイオード292、第7リードフレーム223、N2端子250および第3延長部33を経由して、第2コンデンサ42を通る。
【0075】
第4転流経路Cp4において、
図19に示すように、変位電流dI/dtは、N端子150を経由して、第4リードフレーム124、第2ソース電極1722および第2ドレイン電極1721を経由して、第3リードフレーム123を通る。第3リードフレーム123を通った変位電流dI/dtは、O1端子140を通る。この場合、O1端子140における電流経路方向は、一方向Daである。さらに、N端子150における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。
【0076】
また、第4転流経路Cp4において、
図20に示すように、変位電流dI/dtは、O2端子210を経由して第5リードフレーム221を通る。第5リードフレーム221を通った変位電流dI/dtは、第3ドレイン電極2711、第3ソース電極2712、第6リードフレーム222、第8リードフレーム224および第4ダイオード292を経由して、第7リードフレーム223を通る。第7リードフレーム223を通った変位電流dI/dtは、N2端子250を通る。この場合、O2端子210における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、N2端子250における電流経路方向は、一方向Daである。
【0077】
したがって、N2端子250と厚み方向DTに対向するN端子150における電流経路方向は、N2端子250における電流経路方向とは反対方向になっている。また、O2端子210と厚み方向DTに対向するO1端子140における電流経路方向は、O2端子210における電流経路方向とは反対方向になっている。よって、第1モジュール11における電流経路方向は、第2モジュール12における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0078】
以上のように、半導体モジュール10は、作動する。次に、半導体モジュール10におけるインダクタンスの増加の抑制について説明する。
【0079】
半導体モジュール10では、O1端子140とO2端子210とが接続されていることにより、第1モジュール11と第2モジュール12とが接続されている。また、第1モジュール11は、第2モジュール12と厚み方向DTに対向している。さらに、第1モジュール11における電流経路方向は、第2モジュール12における電流経路方向とは反対方向になっている。例えば、P端子110は、N1端子240と厚み方向DTに対向している。P端子110における電流経路方向は、N1端子240における電流経路方向とは反対方向になっている。O1端子140は、O2端子210と厚み方向DTに対向している。O1端子140における電流経路方向は、O2端子210における電流経路方向とは反対方向になっている。N端子150は、N2端子250と厚み方向DTに対向している。N端子150における電流経路方向は、N2端子250における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0080】
これにより、第1モジュール11および第2モジュール12を流れる電流による磁界の向きが互いに異なる方向になる箇所が発生する。このため、第1モジュール11と、第2モジュール12とは、互いに磁界を打ち消し合う。したがって、第1モジュール11および第2モジュール12におけるインダクタンスの増加が抑制される。よって、半導体モジュール10のインダクタンスの増加が抑制される。さらに、半導体モジュール10のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体モジュール10に発生するサージ電圧の増大が抑制される。これにより、第1半導体素子111、第2半導体素子112、第3半導体素子211および第4半導体素子212の故障や破損が抑制される。
【0081】
また、第1実施形態の半導体モジュール10では、以下に記載する効果も奏する。
【0082】
[1-1]第1突出部1100は、
図4に示すように、第1中心面So1よりも第5突出部2400側に位置している。第5突出部2400は、第2中心面So2よりも第1突出部1100側に位置している。
【0083】
これにより、第1突出部1100と第5突出部2400とが近づく。このため、第1突出部1100と、第5突出部2400とは、互いに磁界を打ち消し合いやすくなる。したがって、第1突出部1100と第5突出部2400とのインダクタンスの増加が抑制される。
【0084】
また、第2突出部1400は、
図5に示すように、第1中心面So1よりも第4突出部2100側に位置している。第4突出部2100は、第2中心面So2よりも第2突出部1400側に位置している。
【0085】
これにより、第2突出部1400と第4突出部2100とが近づく。このため、第2突出部1400と、第4突出部2100とは、互いに磁界を打ち消し合いやすくなる。よって、第2突出部1400と第4突出部2100とのインダクタンスの増加が抑制される。
【0086】
さらに、第3突出部1500は、
図8に示すように、第1中心面So1よりも第6突出部2500側に位置している。第6突出部2500は、第2中心面So2よりも第3突出部1500側に位置している。
【0087】
これにより、第3突出部1500と第6突出部2500とが近づく。このため、第3突出部1500と、第6突出部2500とは、互いに磁界を打ち消し合いやすくなる。したがって、第3突出部1500と第6突出部2500とのインダクタンスの増加が抑制される。よって、半導体モジュール10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0088】
[1-2]第1モジュール11の外形と、第2モジュール12の外形とは、同じとされている。例えば、第1突出部1100の外形と、第5突出部2400の外形とは、同じとされている。第2突出部1400の外形と、第4突出部2100の外形とは、同じとされている。第3突出部1500の外形と、第6突出部2500の外形とは、同じとされている。第1封止部160から突き出ている第1リード端子131および第2リード端子132の外形と、第2封止部260から突き出ている第3リード端子231および第4リード端子232の外形とは、同じとされている。第1封止部160の外形と、第2封止部260の外形とは、同じとされている。
【0089】
これにより、例えば、同一の金型を用いて第1モジュール11および第2モジュール12を成形することができる。このため、第1モジュール11の外形と第2モジュール12の外形とが異なる場合と比較して、半導体モジュール10の製造がしやすくなる。
【0090】
[1-3]ここで、第3半導体素子211および第4半導体素子212にかかる電圧は、第1半導体素子111および第2半導体素子112にかかる電圧よりも低い。しかし、第3半導体素子211および第4半導体素子212に流れる電流の時間は、第1半導体素子111および第2半導体素子112に流れる電流の時間よりも長い。このため、第3半導体素子211および第4半導体素子212は、比較的発熱しやすい。
【0091】
これに対して、半導体モジュール10では、第3半導体素子211における第3トランジスタ271の耐圧は、第1半導体素子111における第1トランジスタ171の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている。また、第3トランジスタ271の耐圧は、第2半導体素子112における第2トランジスタ172の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている。さらに、第4半導体素子212における第4トランジスタ272の耐圧は、第1トランジスタ171の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている。また、第4トランジスタ272の耐圧は、第2トランジスタ172の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている。
【0092】
これにより、第3半導体素子211および第4半導体素子212のオン抵抗が、第1半導体素子111および第2半導体素子112のオン抵抗と比較して小さくなる。このため、第3半導体素子211および第4半導体素子212の発熱量が比較的小さくなる。したがって、第3半導体素子211および第4半導体素子212の故障や破損が抑制される。
【0093】
[1-4]半導体モジュール10は、
図11および
図12に示すように、第1延長部31と、第2延長部32と、第3延長部33と、第1コンデンサ41と、第2コンデンサ42と、を備える。第1延長部31は、P端子110に接続されているとともに、一方向Daに延びている。第2延長部32は、N端子150に接続されているとともに、一方向Daに延びている。第3延長部33は、N1端子240およびN2端子250に接続されているとともに、一方向Daに延びている。第1コンデンサ41は、第1延長部31および第3延長部33に挟まれているとともに、第1延長部31および第3延長部33と接続されている。第2コンデンサ42は、第2延長部32および第3延長部33に挟まれているとともに、第2延長部32および第3延長部33と接続されている。
【0094】
これにより、P端子110および第1コンデンサ41の間における電流経路方向は、N1端子240および第1コンデンサ41の間における電流経路方向とは反対方向になる。このため、P端子110および第1コンデンサ41の間を流れる電流による磁界の向きがN1端子240および第1コンデンサ41の間を流れる電流による磁界の向きとは反対方向になる箇所が発生する。したがって、P端子110および第1コンデンサ41の間と、N1端子240および第1コンデンサ41の間とは、互いに磁界を打ち消し合う。よって、P端子110および第1コンデンサ41の間と、N1端子240および第1コンデンサ41の間とのインダクタンスの増加が抑制される。
【0095】
また、N端子150および第2コンデンサ42の間における電流経路方向は、N2端子250および第2コンデンサ42の間における電流経路方向とは反対方向になる。このため、N端子150および第2コンデンサ42の間を流れる電流による磁界の向きがN2端子250および第2コンデンサ42の間を流れる電流による磁界の向きとは反対方向になる箇所が発生する。したがって、N端子150および第2コンデンサ42の間と、N2端子250および第2コンデンサ42の間とは、互いに磁界を打ち消し合う。よって、N端子150および第2コンデンサ42の間と、N2端子250および第2コンデンサ42の間とのインダクタンスの増加が抑制される。したがって、半導体モジュール10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0096】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1リードフレーム121、第2リードフレーム122、第3リードフレーム123および第4リードフレーム124の形態が第1実施形態と異なる。また、第5リードフレーム221、第6リードフレーム222、第7リードフレーム223および第8リードフレーム224の形態が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0097】
また、ここで、
図21に示すように、第1封止部160から露出している第1リードフレーム121の面積を第1面積S1とする。第1封止部160から露出している第3リードフレーム123の面積を第3面積S3とする。
図22に示すように、第1封止部160から露出している第2リードフレーム122の面積を第2面積S2とする。第1封止部160から露出している第4リードフレーム124の面積を第4面積S4とする。
図23に示すように、第2封止部260から露出している第5リードフレーム221の面積を第5面積S5とする。第2封止部260から露出している第7リードフレーム223の面積を第7面積S7とする。
図24に示すように、第2封止部260から露出している第6リードフレーム222の面積を第6面積S6とする。第2封止部260から露出している第8リードフレーム224の面積を第8面積S8とする。
【0098】
そして、第5面積S5は、第1面積S1、第2面積S2、第3面積S3および第4面積S4よりも大きくなっている。すなわち、S5>S1、S5>S2、S5>S3、S5>S4とされている。第6面積S6は、第1面積S1、第2面積S2、第3面積S3および第4面積S4よりも大きくなっている。すなわち、S6>S1、S6>S2、S6>S3、S6>S4とされている。第7面積S7は、第1面積S1、第2面積S2、第3面積S3および第4面積S4よりも大きくなっている。すなわち、S7>S1、S7>S2、S7>S3、S7>S4とされている。第8面積S8は、第1面積S1、第2面積S2、第3面積S3および第4面積S4よりも大きくなっている。すなわち、S8>S1、S8>S2、S8>S3、S8>S4とされている。
【0099】
以上のように、第2実施形態の半導体モジュール10は、構成されている。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0100】
[2]ここで、上記したように、第3半導体素子211および第4半導体素子212は、比較的発熱しやすい。
【0101】
これに対して、第2実施形態の半導体モジュール10では、第5面積S5、第6面積S6、第7面積S7および第8面積S8のいずれかは、第1面積S1、第2面積S2、第3面積S3および第4面積S4のいずれかよりも大きくなっている。
【0102】
これにより、第1~第8面積S1~S8が同じである場合と比較して、第5リードフレーム221、第6リードフレーム222、第7リードフレーム223および第8リードフレーム224は、放熱しやすくなる。このため、第3半導体素子211および第4半導体素子212の温度上昇が抑制される。したがって、第3半導体素子211および第4半導体素子212の故障や破損が抑制される。
【0103】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0104】
上記各実施形態では、第1トランジスタ171、第2トランジスタ172、第3トランジスタ271および第4トランジスタ272は、MOSFETであるところ、これに限定されない。第1トランジスタ171、第2トランジスタ172、第3トランジスタ271および第4トランジスタ272は、IGBT等であってもよい。なお、IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略である。
【0105】
上記各実施形態では、第1ダイオード191、第2ダイオード192、第3ダイオード291および第4ダイオード292は、ツェナーダイオードであるところ、これに限定されない。第1ダイオード191、第2ダイオード192、第3ダイオード291および第4ダイオード292は、整流用ダイオード等であってもよい。
【0106】
上記各実施形態では、第6リードフレーム222および第8リードフレーム224は、別体とされている。これに対して、第6リードフレーム222および第8リードフレーム224は、一体であってもよい。
【0107】
上記各実施形態では、半導体モジュール10は、3レベルインバータに用いられるところ、これに限定されない。半導体モジュール10は、2レベルインバータに用いられてもよい。
【0108】
(本開示の観点)
[観点1]
半導体モジュールであって、
第1モジュール(11)と、
第2モジュール(12)と、
を備え、
前記第1モジュールは、
一方向(Da)に延びている第1端子(110)と、
前記第1端子に接続されている第1電極(1711)と、第2電極(1712)と、印加電圧に基づいて前記第1および前記第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極(1713)と、前記第1電極および前記第2電極に接続されている第1ダイオード(191)と、を含む第1素子(111)と、
前記第2電極に接続されている第3電極(1721)と、第4電極(1722)と、印加電圧に基づいて前記第3電極および前記第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極(1723)と、前記第3電極および前記第4電極に接続されている第2ダイオード(192)と、を含む第2素子(112)と、
前記第3電極に接続されているとともに前記一方向に延びており、負荷(50)に接続される第2端子(140)と、
前記第4電極に接続されているとともに、前記一方向に延びている第3端子(150)と、
を有し、
前記第2モジュールは、
前記一方向に延びており、前記第2端子と接続されていることにより前記第1モジュールと前記第2モジュールとを接続させる第4端子(210)と、
前記第4端子に接続されている第5電極(2711)と、第6電極(2712)と、印加電圧に基づいて前記第5電極および前記第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極(2713)と、前記第5電極および前記第6電極に接続されている第3ダイオード(291)と、を含む第3素子(211)と、
第7電極(2721)と、前記第6電極に接続されている第8電極(2722)と、印加電圧に基づいて前記第7電極および前記第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極(2723)と、前記第7電極および前記第8電極に接続されている第4ダイオード(292)と、を含む第4素子(212)と、
前記第7電極に接続されているとともに、前記一方向に延びている第5端子(240)と、
前記第7電極に接続されているとともに、前記一方向に延びている第6端子(250)と、
を有し、
前記第1モジュールは、前記第1モジュールの厚み方向(DT)に前記第2モジュールと対向しており、
前記第1モジュールにおける電流経路方向は、前記第2モジュールにおける電流経路方向とは反対方向になっている半導体モジュール。
[観点2]
前記第1端子は、前記第5端子と前記厚み方向に対向しており、
前記第1端子における電流経路方向は、前記第5端子における電流経路方向とは反対方向になっており、
前記第2端子は、前記第4端子と前記厚み方向に対向しており、
前記第2端子における電流経路方向は、前記第4端子における電流経路方向とは反対方向になっており、
前記第3端子は、前記第6端子と前記厚み方向に対向しており、
前記第3端子における電流経路方向は、前記第6端子における電流経路方向とは反対方向になっている観点1に記載の半導体モジュール。
[観点3]
前記第1モジュールは、前記第1素子、前記第2素子、前記第1端子、前記第2端子および前記第3端子を覆う第1封止部(160)を有し、
前記第2モジュールは、前記第3素子、前記第4素子、前記第4端子、前記第5端子および前記第6端子を覆う第2封止部(260)を有し、
前記第1端子は、前記第1封止部から突き出ている第1突出部(1100)を含み、
前記第2端子は、前記第1封止部から突き出ている第2突出部(1400)を含み、
前記第3端子は、前記第1封止部から突き出ている第3突出部(1500)を含み、
前記第4端子は、前記第2封止部から突き出ている第4突出部(2100)を含み、
前記第5端子は、前記第2封止部から突き出ている第5突出部(2400)を含み、
前記第6端子は、前記第2封止部から突き出ている第6突出部(2500)を含み、
前記厚み方向における前記第1封止部の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面を第1中心面(So1)とし、
前記厚み方向における前記第2封止部の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面を第2中心面(So2)とすると、
前記第1突出部は、前記第1中心面よりも前記第5突出部側に位置しており、
前記第2突出部は、前記第1中心面よりも前記第4突出部側に位置しており、
前記第3突出部は、前記第1中心面よりも前記第6突出部側に位置しており、
前記第4突出部は、前記第2中心面よりも前記第2突出部側に位置しており、
前記第5突出部は、前記第2中心面よりも前記第1突出部側に位置しており、
前記第6突出部は、前記第2中心面よりも前記第3突出部側に位置している観点2に記載の半導体モジュール。
[観点4]
前記第1モジュールは、
前記第1電極に接続されている第1リードフレーム(121)と、
前記第2電極に接続されている第2リードフレーム(122)と、
前記第3電極および前記第2リードフレームに接続されている第3リードフレーム(123)と、
前記第4電極に接続されている第4リードフレーム(124)と、
前記第1素子、前記第2素子、前記第1端子、前記第2端子、前記第3端子、前記第1リードフレーム、前記第2リードフレーム、前記第3リードフレームおよび前記第4リードフレームを覆う第1封止部(160)と、
を有し、
前記第2モジュールは、
前記第5電極および前記第4端子に接続されている第5リードフレーム(221)と、
前記第6電極に接続されている第6リードフレーム(222)と、
前記第7電極に接続されている第7リードフレーム(223)と、
前記第8電極および前記第6リードフレームに接続されている第8リードフレーム(224)と、
前記第3素子、前記第4素子、前記第4端子、前記第5端子、前記第6端子、前記第5リードフレーム、前記第6リードフレーム、前記第7リードフレームおよび前記第8リードフレームを覆う第2封止部(260)と、
を有し、
前記第1リードフレーム、前記第2リードフレーム、前記第3リードフレームおよび前記第4リードフレームの少なくとも一部は、前記第1封止部から露出しており、
前記第5リードフレーム、前記第6リードフレーム、前記第7リードフレームおよび前記第8リードフレームの少なくとも一部は、前記第2封止部から露出しており、
前記第2封止部から露出している前記第5リードフレーム、前記第6リードフレーム、前記第7リードフレームおよび前記第8リードフレームの面積(S5、S6、S7、S8)のいずれかは、前記第1封止部から露出している前記第1リードフレーム、前記第2リードフレーム、前記第3リードフレームおよび前記第4リードフレームの面積(S1、S2、S3、S4)のいずれかよりも大きくなっている観点1または2に記載の半導体モジュール。
[観点5]
前記第1モジュールの外形と、前記第2モジュールの外形とは、同じとされている観点1ないし4のいずれか1つに記載の半導体モジュール。
[観点6]
前記第3素子および前記第4素子の耐圧は、
前記第1素子の耐圧の0.5以上、1.0未満とされており、
前記第2素子の耐圧の0.5以上、1.0未満とされている観点1ないし5のいずれか1つに記載の半導体モジュール。
[観点7]
前記半導体モジュールは、
前記第1端子に接続されているとともに、前記一方向に延びている第1延長部(31)と、
前記第3端子に接続されているとともに、前記一方向に延びている第2延長部(32)と、
前記第5端子および前記第6端子に接続されているとともに、前記一方向に延びている第3延長部(33)と、
前記第1延長部および前記第3延長部に挟まれているとともに、前記第1延長部および前記第3延長部と接続されている第1コンデンサ(41)と、
前記第2延長部および前記第3延長部に挟まれているとともに、前記第2延長部および前記第3延長部と接続されている第2コンデンサ(42)と、
を備える観点1ないし6のいずれか1つに記載の半導体モジュール。
【符号の説明】
【0109】
10 半導体モジュール
11 第1モジュール
12 第2モジュール
50 負荷
110 P端子
140 O1端子
150 N端子
210 O2端子
240 N1端子
250 N2端子