(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179616
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ベッドシステム、ベッド、及び備品
(51)【国際特許分類】
A47C 21/00 20060101AFI20241219BHJP
A47C 20/04 20060101ALI20241219BHJP
A61G 7/018 20060101ALI20241219BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A47C21/00
A47C20/04 Z
A61G7/018
A61G7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098599
(22)【出願日】2023-06-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌和
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040BB03
4C040DD01
4C040DD05
4C040EE05
4C040EE08
4C040GG11
(57)【要約】
【課題】ベッドと、ベッドの周辺に配置される備品と、を連動して動作させる。
【解決手段】ベッドシステムは、電動式のベッドと、前記ベッドの周辺に配置され、前記ベッドと通信可能な備品と、を備える。前記ベッドは、複数のボトムと、前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、を有する。前記備品は、第1部品と、前記第1部品を動作させる第2駆動部と、前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1部品が前記第1姿勢に応じた位置となるように前記第2駆動部を動作させる第2制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動式のベッドと、前記ベッドの周辺に配置され、前記ベッドと通信可能な備品と、を備えるベッドシステムであって、
前記ベッドは、
複数のボトムと、
前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、
第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、
を有し、
前記備品は、
第1部品と、
前記第1部品を動作させる第2駆動部と、
前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1部品が前記第1姿勢に応じた位置となるように前記第2駆動部を動作させる第2制御部と、
を有する、ベッドシステム。
【請求項2】
さらに、前記ベッドと通信可能に接続された操作装置を備え、
前記操作装置は、
前記ベッドを前記第1姿勢に動作させるボタン、
を有し、
前記ボタンが入力された場合、前記操作装置から前記ベッドに前記第1情報が送信される、
請求項1に記載のベッドシステム。
【請求項3】
さらに、前記ベッドと通信可能に接続され、前記利用者を含むベッド周辺を撮影すると共に、撮影した画像を解析可能なカメラ装置を備え、
前記カメラ装置は、
前記ベッドの利用者を含む前記ベッドの状態を規定する第1状態示す第1状態情報を記憶する対応情報記憶部と、
前記撮影した画像の解析結果が前記第1状態であると判定された場合、前記第1情報を前記ベッドに送信する第3制御部と、
を有する、
請求項1に記載のベッドシステム。
【請求項4】
前記第1部品は、テーブルであり、
前記第2制御部は、前記第1情報を受信した場合、前記テーブルを予め設定された高さになるように前記第2駆動部を制御する、
請求項1に記載のベッドシステム。
【請求項5】
前記第1部品は、表示部であり、
前記第2制御部は、前記第1情報を受信した場合、前記表示部が予め設定された位置に位置するように前記第2駆動部を制御する、
請求項1に記載のベッドシステム。
【請求項6】
周辺に配置され、第1部材を有する備品と通信可能な電動式のベッドであって、
複数のボトムと、
前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、
第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、
を備え、
前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1姿勢に対して予め設定された位置となるように前記備品の前記第1部材が動作される、
ベッド。
【請求項7】
複数のボトムと、前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、を有する電動式のベッドと通信可能であり、前記ベッドの周辺に配置される備品であって、
第1部品と、
前記第1部品を動作させる第2駆動部と、
前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1姿勢に対して予め設定された位置となるように前記第2駆動部を動作させる第2制御部と、
を備える備品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ベッドシステム、ベッド、及び備品に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドの利用者がベッドに設けられたユーザインタフェースを操作することにより、ベッドを動作させる技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベッド近傍には、テーブル、テレビ等の備品が配置される。この備品の動作は、ベッドのユーザインタフェースとは異なるユーザインタフェースの操作で動作していた。このため、ベッド周りで作業、生活を行う際、ベッドの利用者、利用者のケアを行うスタッフは、一つ一つの機器をそれぞれ操作する必要がある。つまり、利用者は、ベッドと、備品と、を個別に操作する必要があった。
【0005】
本発明の実施形態は、ベッドと、ベッドの周辺に配置される備品と、を連動して動作させることができるベッドシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、ベッドシステムは、電動式のベッドと、前記ベッドの周辺に配置され、前記ベッドと通信可能な備品と、を備える。前記ベッドは、複数のボトムと、前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、を有する。前記備品は、第1部品と、前記第1部品を動作させる第2駆動部と、前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1部品が前記第1姿勢に応じた位置となるように前記第2駆動部を動作させる第2制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によるベッドシステムは、ベッドと、ベッドの周辺に配置される備品と、を連動して動作させることにより、利用者やスタッフが備品を動作させる作業負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のベッドシステムの一例を示す斜視図。
【
図5】ベッドシステムの処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】第2実施形態のベッドの構成の一例を示す図。
【
図8】第3実施形態のベッドの構成の一例を示す図。
【
図10】ベッドシステムの処理の一例を示すフローチャート。
【
図11】第4実施形態のベッドシステムの構成の一例を示す図。
【
図13】ベッドシステムの処理の一例を示すフローチャート。
【
図14】第5実施形態のベッドシステムの構成の一例を示す図。
【
図15】ベッドシステムの処理の一例を示すフローチャート。
【
図16】第6実施形態のベッドシステムの処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、ベッドシステム1の一例を示す斜視図である。ベッドシステム1は、ベッド10と、操作装置20と、備品であるテーブル装置30と、を含む。操作装置20は、ベッド10と例えば、有線により通信可能に接続されている。なお、操作装置20は、ベッド10と無線により接続されてもよい。テーブル装置30は、テーブル31、支持部分32、及び車輪33を含む。
【0011】
ベッド10は、電動式ベッドである。
図2は、ベッド10の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、ベッドシステム1は、制御部(第1制御部)101、通信部102、記憶部103、背制御回路104、背ACT(アクチュエータ:第1駆動部)105、背ボトム11、膝制御回路106、膝ACT(アクチュエータ:第1駆動部)107、膝ボトム12、第1高さ制御回路108、第1高さACT(アクチュエータ:第1駆動部)109、第2高さ制御回路110、第2高さACT(アクチュエータ:第1駆動部)111、フレーム13が含まれる。なお、膝ボトム12には、足ボトム(図示省略)が膝ボトム12と連動して動作するように接続される。
【0012】
制御部101は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御部101は、操作装置20からの指示に基づいて、ベッド10の動作を制御する。通信部102は、操作装置20との間で情報を送受信するためのインタフェースである。また、通信部102は、テーブル装置30との間で情報を送受信するためのインタフェースである。
【0013】
記憶部103は、各種プログラム、及び各種データを記憶する。各種プログラムは、例えば、背ボトム11の角度、膝ボトム12の角度、フレーム13の高さを所定の姿勢になるように動作させるプログラム、及びテーブル装置30を動作させる指示を送信するプログラムである。各種データは、例えば、背ボトム11の角度、膝ボトム12の角度、フレーム13の高さを動作させることが可能な範囲の値を記憶する。
【0014】
また、記憶部103は、第1姿勢情報記憶部103Aを含む。第1姿勢情報記憶部103Aは、第1姿勢情報を記憶する。第1姿勢情報は、ベッド10の姿勢を規定する情報であり、例えば、後述する操作装置20の操作に基づいて設定される。本実施形態では、第1姿勢情報は、利用者が食事をする場合に、丁度良い姿勢となるための、背ボトム11の角度、膝ボトム12の角度、フレーム13の高さを示す情報である。
【0015】
背制御回路104は、背ACT105を制御し、背ボトム11を動作させる。背ボトム11は、ベッド10に寝ている利用者の背中から頭部を支え、利用者の背部を上昇させるように動作する。膝制御回路106は、膝ACT107を制御し、膝ボトム12を動作させる。膝ボトム12は、例えば、足ボトム(図示省略)と共に、利用者の膝部分を折り曲げるように動作する。
【0016】
第1高さ制御回路108は、第1高さACT109を制御し、フレーム13の頭側の高さを制御する。第2高さ制御回路110は、第2高さACT111を制御し、フレーム13の足側の高さを制御する。第1高さACT109、及び第2高さACT111は、ベッド10のフレーム13の高さを変化させるためのアクチュエータである。第1高さACT109、及び第2高さACT111が同じ量だけ変化することにより、フレーム13が高さ方向に動作する。また、第1高さACT109、及び第2高さACT111の長さに差をつけることにより、フレーム13がベッド10の設置面に対して傾斜するように動作する。
【0017】
なお、本実施形態では、ベッド10は、2つの高さACT(第1高さACT109,第2高さACT111)を有する場合で説明するが、高さACTを1つだけ設けるようにしてもよい。このように構成されたベッドの場合、1つの高さACTにより、フレームの床面からの高さを調整することが可能になる。
【0018】
図3は、操作装置20の一例を示す図である。
図3に示すように、操作装置20は、表示部20A、入力部20B、有線ケーブル2を有する。表示部20Aは、例えば、ユーザが操作中のベッド10の状態が表示される。入力部20Bは、ユーザによりベッド10の動作指示が入力される。入力部20Bには、ボタン21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b,25a,25bが設けられている。ボタン21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b,25a,25bが所定時間押下され続けることで、ベッド10の動作指示が入力される。有線ケーブル2により、ベッド10と通信可能に接続される。
【0019】
ボタン21a,21bは、ベッド10に追加動作を指示するボタンである。ボタン21aが押下されると、ユーザを起こす側に背と膝が上昇する上昇動作が実行される。ボタン21bが押下されると、ユーザを寝かす側に背と膝が下降する下降動作が実行される。
【0020】
ボタン22a,22bは、背ボトム11の動作を指示するボタンである。ボタン22aが押下されると、フレーム13に対する背ボトム11の角度が大きくなる。ボタン22bが押下されると、フレーム13に対する背ボトム11の角度が小さくなる。したがって、ボタン22aが押下されると、ユーザの上半身が起き上がる。ボタン22bが押下されると、ユーザの上半身が寝かされる。
【0021】
ボタン23a,23bは、膝ボトム12を動作させるボタンである。ボタン23aが押下されると、フレーム13に対する膝ボトム12の角度が大きくなる。ボタン23bが押下されると、フレーム13に対する膝ボトム12の角度が小さくなる。また、ボタン24a,24bは、フレーム13の高さを高さ方向に動作させるボタンである。ボタン24aが押下されると、フレーム13の高さが高くなる。ボタン24bが押下されると、フレーム13の高さが低くなる。
【0022】
ボタン25a,25bは、それぞれ、ベッド10の姿勢の変化を指示すると共に、テーブル装置30のテーブル31の位置を動作させる指示を行うボタンである。本実施形態では、ボタン25aは、食事ボタンである。ボタン25aが入力されると、ベッド10上で利用者が食事をとりやすい姿勢になるように、ベッド10に動作指示(食事ボタン入力情報)を出力する。ベッド10は、当該指示を受信した場合、テーブル31の位置を設定された位置に動作させる動作指示をテーブル装置30に出力する。例えば、スタッフによりベッド10における利用者が食事をとりやすい姿勢となるように動作させた後、ボタン25aを所定時間、押下する。これにより、ベッド10の姿勢を示す第1姿勢情報がベッド10の第1姿勢情報記憶部103Aに記憶される。本実施形態では、ボタン25bには、ベッドの姿勢の情報が設定されていない。
【0023】
図4は、テーブル装置30の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、テーブル装置30は、制御部(第2制御部)301、通信部302、記憶部303、高さ調整部304、テーブル駆動制御部305、テーブル駆動部(第2駆動部)306、及びテーブル(第1部品)31を含む。
【0024】
制御部301は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御部301は、ベッド10からの指示に基づいて、テーブル31の位置を動作させる。通信部302は、ベッド10との間で情報を送受信するためのインタフェースである。本実施形態では、無線により、ベッド10との通信が行われる。通信規格は、例えば、Bluetoothである。
【0025】
記憶部303は、第1高さ情報記憶部303Aを含む。第1高さ情報記憶部303Aは、第1高さ情報を記憶する。第1高さ情報は、例えば、ベッド10の設置面からのテーブル31の高さを示す高さ情報である。本実施形態では、当該高さは、ベッド10の利用者が食事をするときに、丁度よいテーブル31の第1高さである。なお、テーブル31の高さでなくもテーブル駆動部306がテーブル31を動作させるアクチュエータの長さを第1高さ情報として設定してもよい。
【0026】
高さ調整部304は、テーブル31の高さを調整する。高さ調整部304は、例えば、上下ボタン304A、及びメモリボタン304Bを備える。上下ボタン304Aは、テーブル31を上下方向に動作させる指示をするボタンである。例えば、上下ボタン304Aの上方向、または、下方向のボタンの押下時間に基づいて、テーブル31が上側方向へ、または、下側方向へ動作する。メモリボタン304Bは、押下時のテーブル31の高さを記憶する。例えば、スタッフによりベッド10上の利用者がテーブル31を利用可能な位置となるようにテーブル装置30を移動させた後、上下ボタン304Aによりテーブル31の高さを、利用者が食事をするのに丁度良い位置となるように調整する。テーブル31の高さの調整が終了した後、スタッフは、メモリボタン304Bを所定時間押下する。これにより、例えば、利用者が食事をするときに丁度良いテーブル31の高さを示す第1高さ情報が第1高さ情報記憶部303Aに記憶される。
【0027】
テーブル駆動制御部305は、テーブル駆動部306の駆動を制御する。テーブル駆動部306は、テーブル31の鉛直方向の位置、言い換えれば、テーブル31の高さを変更する。テーブル31は、例えば、上面視において矩形状の板である。テーブル駆動部306は、例えば、支持部分32に含まれる。
【0028】
次に、利用者が食事を行う場合に、例えば、スタッフにより、テーブル31がベッド10上に位置するようにテーブル装置30が移動された後、操作装置20のボタン25a、つまり、食事ボタンが入力された場合のベッドシステム1の処理について説明する。
図5は、ベッドシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ベッド10と、テーブル装置30と、は、例えば、Bluetoothにより通信可能に接続されている。
【0029】
まず、ベッド10の処理について説明する。
制御部101は、食事ボタン入力情報(第1情報)を受信したか否かを判定する(ST101)。例えば、ベッド10のスタッフ、または、利用者が操作装置20のボタン25aを入力した場合に、操作装置20から食事ボタン入力情報がベッド10に送信される。食事ボタン入力情報を受信していないと判定された場合(ST101:NO)、処理はステップST101に戻る。
【0030】
食事ボタン入力情報を受信したと判定した場合(ST101:YES)、制御部101は、第1姿勢情報を取得し(ST102)、ベッド10の姿勢を変更する(ST103)。制御部101は、第1姿勢情報設定部103Aから第1姿勢情報を取得し、第1姿勢情報が示す姿勢となるように、背ACT105、膝ACT107、第1高さACT109、及び第2高さACT111を動作させる。これにより、ベッド10は、利用者が食事をするのに適した姿勢になる。
【0031】
次に、制御部101は、食事ボタン入力情報をテーブル装置30に送信する(ST104)。なお、ステップST102で操作装置20から食事ボタン入力情報を受信したタイミングで、制御部101は、食事ボタン入力情報をテーブル装置30に送信してもよい。また、操作装置20が無線により、ベッド10、及びテーブル装置30と通信可能に接続される場合は、操作装置20からベッド10、及びテーブル装置30に同時に食事ボタン入力情報を送信するようにしてもよい。
【0032】
次に、テーブル装置30の処理について説明する。
制御部301は、食事ボタン入力情報を受信したか否かを判定する(ST105)。食事ボタン入力情報を受信していないと判定された場合(ST105:NO)、処理はステップST105に戻る。
【0033】
食事ボタン入力情報を受信したと判定した場合(ST105:YES)、制御部301は、第1高さ情報を取得し(ST106)、テーブル31の高さを調整する(ST107)。制御部301は、第1高さ情報記憶部303Aから第1高さ情報を取得し、取得した第1高さ情報が示す高さにテーブル31が位置するように、テーブル駆動制御部305に指示をする。この指示に基づいて、テーブル駆動部306は、テーブル31が第1高さになるように動作する。これにより、テーブル31は、利用者が食事をするのに適した第1高さになる。
【0034】
以上説明したように、ベッドシステム1は、ボタン25a、つまり、食事ボタンを入力するだけで、ベッド10と、ベッド10の周辺に配置されるテーブル装置30と、を連動して動作させることができる。つまり、ベッドシステム1は、ベッド10の姿勢を利用者が食事をするのに丁度良い姿勢に自動的に動作させることができると共に、テーブル装置30のテーブル31の高さを利用者が食事しやすい位置に自動的に動作させることができる。これにより、スタッフ、または、ベッドの利用者がベッド10、及びテーブル装置30を個別に動作させる必要がなくなり、作業負担を減らすことができる。このように負担を減らすことができるため、多くの利用者のケアを少ないスタッフで対応することが可能になる。
【0035】
また、ベッドシステム1は、例えば、病院、介護施設等の施設等に設置される。このような施設等おいては、食事の開始の時間が予め決まっている場合がある。このように、食事の開始の時間が予め決まっている場合には、例えば、ベッド10の記憶部103、及びテーブル装置30の記憶部303に予め食事の開始の時間を記憶させ、例えば、食事の開始の時間の5分前に、ベッド10の姿勢、及びテーブル装置30のテーブル31の高さが自動的に動作するようにしてもよい。なお、5分前は、一例であり、3分前でもよいし、10分前でもよく、要は、食事の開始の前であればよい。
【0036】
さらに、
図1に示す例においては、まずベッド10の姿勢を整えてから、テーブル装置30のテーブル31の高さを整えるべきだが、例えば、テーブル装置30のテーブル31の高さ変更動作と、ベッド10の姿勢変更動作が干渉しない位置に、ベッド10と、テーブル装置30と、が設置されている場合は、どちらが先に動作しても良いし、ベッド10の姿勢変更動作と、テーブル31の高さ変更動作と、を同時に行うようにしてもよい。
【0037】
(第2実施形態)
第2実施形態は、読書ボタンを追加した点が第1実施形態と異なっている。このため、当該異なる構成、及び処理について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、これらについては詳細な説明は省略する。本実施形態では、ベッドシステム1は、ベッド10Aと、備品であるテーブル装置30Aと、を含む。
【0038】
図6は、ベッド10Aの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、
図2に示すベッド10の記憶部103に第2姿勢情報記憶部103Bが追加されている。第2姿勢情報記憶部103Bは、第2姿勢情報を記憶する。第2姿勢情報は、ベッド10の姿勢を規定する情報であり、例えば、操作装置20の操作に基づいて設定される。本実施形態では、第2姿勢情報は、利用者が読書をする場合に、丁度良い姿勢となるための、背ボトム11の角度、膝ボトム12の角度、フレーム13の高さを示す情報である。
【0039】
図7は、テーブル装置30Aの構成の一例を示す図である。
図7に示すように、
図4に示すテーブル装置30の記憶部303に第2高さ情報記憶部303Bが追加されると共に、高さ調整部304にメモリボタン304Cが追加されている。
【0040】
第2高さ情報記憶部303Bは、第2高さ情報を記憶する。第2高さ情報は、例えば、ベッド10の設置面からのテーブル31の高さを示す高さ情報である。本実施形態では、ベッド10の利用者が読書をするときに、丁度よいテーブル31の高さを記憶する。なお、テーブル31の高さでなくもテーブル駆動部306がテーブル31を動作させるアクチュエータの長さを第2高さ情報として設定してもよい。
【0041】
高さ調整部304は、さらに、メモリボタン304Cを備える。メモリボタン304Cは、押下時のテーブル31の高さを記憶する。例えば、スタッフによりベッド10上の利用者がテーブル31を利用可能な位置となるようにテーブル装置30を移動させた後、上下ボタン304Aによりテーブル31の高さを、利用者が読書をするのに丁度良い位置となるように調整する。テーブル31の高さの調整が終了した後、スタッフは、メモリボタン304Cを所定時間押下する。これにより、例えば、利用者が読書をするときに丁度良いテーブル31の高さを示す第2高さ情報が第2高さ情報記憶部303Bに記憶される。
【0042】
このように構成されたベッドシステム1においても、第1実施形態と同様に
図5に示す処理を実行することにより、同様な効果を奏することができる。つまり、ベッドシステム1は、ボタン25b、つまり、読書ボタンを入力するだけで、ベッド10Aと、ベッド10Aの周辺に配置されるテーブル装置30Aと、を連動して動作させることができる。より詳細には、ベッドシステム1は、ベッド10Aの姿勢を利用者が読書をするのに丁度良い姿勢に自動的に動作させることができると共に、テーブル装置30Aのテーブル31の高さを利用者が読書しやすい位置に自動的に動作させることができる。これにより、スタッフ、または、ベッドの利用者がベッド10A、及びテーブル装置30Aを個別に動作させる必要がなくなり、作業負担を減らすことができる。このように負担を減らすことができるため、多くの利用者のケアを少ないスタッフで対応することが可能になる。
【0043】
なお、上記第2実施形態では、ベッドシステム1が、食事時、読書時の2つの場合において、ベッド10A、及びテーブル装置30Aが連動動作をする場合で説明したが、読書時だけ連動して動作するように構成しても良い。
【0044】
また、ベッド10Aの記憶部103にさらに姿勢情報を記憶するように構成すると共に、テーブル装置30Aの記憶部にさらに高さ情報を記憶するように構成し、高さ調整部304にさらにメモリボタンを追加すると共に、操作装置20にさらにボタンを設けることにより、利用者が行動をする3つ以上の場合においても、ボタンを入力するだけで、ベッド10Aと、テーブル装置30Aと、にボタンに応じた連動動作を実行させることが可能になる。
【0045】
(第3実施形態)
第3実施形態は、備品がテレビ装置40になっている点が第1,第2実施形態と異なる。このため、当該異なる構成、及び処理について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、これらについては詳細な説明は省略する。本実施形態では、ベッドシステム1は、ベッド10Bと、備品であるテレビ装置40と、を含む。
【0046】
図8は、ベッド10Bの構成の一例を示す図である。
図8に示すように、
図2に示すベッド10の記憶部103に、第1姿勢情報記憶部103Aに代えて第3姿勢情報記憶部103Cが設けられている。第3姿勢情報記憶部103Cは、第3姿勢情報を記憶する。第3姿勢情報は、ベッド10の姿勢を規定する情報であり、例えば、既述のように、操作装置20の操作に基づいて、ボタン25aに設定される。本実施形態では、ボタン25aは、テレビ装置40の視聴の開始をベッド10Bに指示する視聴開始ボタンである。本実施形態では、第3姿勢情報は、利用者がテレビ装置40を視聴する場合に、丁度良い姿勢となるための、背ボトム11の角度、膝ボトム13の角度、フレーム13の高さを示す情報である。
【0047】
テレビ装置40は、例えば、ベッド10Bの周辺に存在するキャビネット等の載置台にアーム部41の一端が固定され、アーム部41の他端に表示部42が固定されている。表示部42は、テレビ装置40が利用されない場合は、キャビネット等の載置台上に位置する。テレビ装置40が利用される場合においては、表示部42の表示画面が、ベッド10Bを利用する利用者の視聴可能となる位置になるように、表示部42は、アーム部41の動作により移動される。
【0048】
図9は、テレビ装置40の構成の一例を示す図である。
図9に示すように、テレビ装置40は、制御部(第3制御部)401、通信部402、記憶部403、位置調整部404、アーム部駆動制御部405、アーム部(第2駆動部)41、及び表示部(第1部品)42を含む。
【0049】
制御部401は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御部401は、ベッド10Bからの指示に基づいて、表示部42の位置を動作させる。通信部402は、ベッド10Bとの間で情報を送受信するためのインタフェースである。本実施形態では、無線により、ベッド10Bとの通信が行われる。通信規格は、既述のテーブル装置30,30Aの場合と同様に、例えば、Bluetoothである。
【0050】
記憶部403は、位置情報記憶部403Aを含む。位置情報記憶部403Aは、位置情報を記憶する。位置情報は、例えば、本実施形態では、ベッド10Bの利用者がテレビ装置40を視聴するときに、丁度よい表示部42の位置を示す情報である。
【0051】
位置調整部404は、テレビ装置40の表示部42の位置を調整する。位置調整部404は、例えば、移動ボタン404A、及びメモリボタン404Bを備える。移動ボタン404Aは、表示部42を、例えば、左右、前後、上下方向に動作させる指示をするボタンである。例えば、移動ボタン404Aの所定方向への押下時間に基づいて、表示部42が当該所定方向へ動作する。メモリボタン404Bは、押下時の表示部42の位置を記憶する。例えば、スタッフが移動ボタン404Aにより、表示部42の表示画面を、利用者がテレビ装置40を視聴するのに丁度良い位置となるように移動させる。移動が終了した後、スタッフは、メモリボタン404Bを所定時間押下する。これにより、例えば、利用者がテレビ装置40を視聴するときに丁度良い表示部42の位置を示す位置情報が位置情報記憶部403Aに記憶される。
【0052】
アーム部駆動制御部405は、アーム部41の動作を制御する。アーム部41は、表示部42の位置を変更する。表示部42は、図示しないアンテナに接続されており、図示省力のリモコン装置の操作に基づいて、画像を表示する。
【0053】
次に、利用者がテレビ装置40の視聴を行う場合に、例えば、ベッド10Bの利用者により、操作装置20のボタン25a、つまり、視聴開始ボタンが入力された場合のベッドシステム1の処理について説明する。
図10は、ベッドシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ベッド10Bと、テレビ装置40と、は、例えば、Bluetoothにより通信可能に接続されているのは、既述のテーブル装置30の場合と同様である。
【0054】
まず、ベッド10Bの処理について説明する。
制御部101は、視聴開始ボタン入力情報(第1情報)を受信したか否かを判定し(ST201)、視聴開始ボタン入力情報を受信していないと判定された場合(ST201:NO)、処理はステップST201に戻る。また、視聴開始ボタン入力情報を受信したと判定した場合(ST201:YES)、制御部101は、第3姿勢情報を取得し(ST202)、ベッド10Bの姿勢を第3姿勢となるように変更する(ST203)。これにより、ベッド10Bは、利用者がテレビ装置40を視聴するのに適した姿勢になる。次に、制御部101は、視聴開始ボタン入力情報をテレビ装置40に送信する(ST204)。
【0055】
次に、テレビ装置40の処理について説明する。
制御部401は、視聴開始ボタン入力情報を受信したか否かを判定し(ST205)、視聴開始ボタン入力情報を受信していないと判定された場合(ST205:NO)、処理はステップST205に戻る。視聴開始ボタン入力情報を受信したと判定した場合(ST205:YES)、制御部401は、位置情報を取得し(ST206)、表示部42を動作させる(ST207)。これにより、表示部42は、利用者が視聴するのに適した位置に移動される。
【0056】
このように構成されたベッドシステム1においても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。つまり、ベッドシステム1は、ボタン25a、つまり、視聴開始ボタンを入力するだけで、ベッド10Bと、ベッド10Bの周辺に配置されるテレビ装置40と、を連動して動作させることができる。より詳細には、ベッドシステム1は、ベッド10Bの姿勢を利用者がテレビ装置40を視聴するのに丁度良い姿勢に自動的に動作させることができると共に、テレビ装置40の表示部42を利用者が視聴しやすい位置に自動的に動作させることができる。これにより、スタッフ、または、ベッドの利用者がベッド10B、及びテレビ装置40を個別に動作させる必要がなくなり、作業負担を減らすことができる。このように負担を減らすことができるため、多くの利用者のケアを少ないスタッフで対応することが可能になる。
【0057】
また、ベッドシステム1を利用する利用者が、例えば、毎週同じ曜日、同じ時刻に視聴しているテレビ番組がある場合、当該テレビ番組開始の時刻をベッド10Bの記憶部103、及びテレビ装置40の記憶部403に予め記憶し、この記憶した開始の時刻の前、例えば、テレビ番組開始の時刻の5分前に、自動的にベッド10Bが姿勢変更動作をし、テレビ装置40が表示部42の移動動作をするようにしてもよい。この場合、テレビ番組開始の時刻と共に、テレビ番組のチャンネルを記憶部403に記憶しておき、当該開始の時刻になった場合に、表示部42の移動動作が開始されると共に、テレビ装置40の電源が自動でONの状態になり、チャンネルを合わせて利用者がいつも視聴しているテレビ番組が表示部42に表示されるようにしてもよい。
【0058】
(第4実施形態)
第4実施形態は、ベッドシステムにカメラ装置が追加され、カメラ装置と、ベッドと、が通信可能であり、ボタン25aの入力ではなく、カメラ装置で撮影した画像の解析結果に基づいてベッドシステムを動作するように構成されている点が第1実施形態と異なっている。このため、当該異なる構成、及び処理について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、これらについては詳細な説明は省略する。
【0059】
図11は、ベッドシステム1の構成の一例を示す図である。
図11に示すように、ベッドシステム1は、ベッド10と、操作装置20と、テーブル装置30と、カメラ装置50と、を含む。ベッド10と操作装置20とは、ケーブル2により接続される。ベッド10と、テーブル装置30と、は、例えば、Bluetoothにより無線接続される。ベッド10と、カメラ装置50とは、ネットワーク3により接続される。ネットワーク3は、例えば、ローカルエリアネットワークである。
【0060】
図12は、カメラ装置50の構成の一例を示す図である。
図12に示すように、カメラ装置50は、制御部501、通信部502、撮影部503、及び記憶部504を含む。記憶部504は、画像解析部504A、及び学習モデル部504Bを含む。
【0061】
制御部501は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御部501は、撮影した画像の解析等を行う。本実施形態では、制御部501は、ベッド10が配置される部屋内の変化を解析する。通信部502は、ベッド10の制御部101に情報を送受信するためのインタフェースである。撮影部503は、ベッド10が配置される部屋内を撮影する。
【0062】
記憶部504は、例えば、ハードディスクドライブである。画像解析部504Aは、撮影部503が撮影する撮影画像から部屋内の変化を解析するためのプログラム、データ等を記憶する。学習モデル部504Bは、例えば、部屋内に配膳車が存在する画像パターン(第1状態情報)等を記憶する。制御部201は、画像解析部205に記憶されるプログラム等を用いた画像解析により、部屋内の配膳車の有無を検知することができる。制御部501は、部屋内に配膳車を検知した場合、利用者の食事が開始されることを示す食事開始情報をベッド10に出力する。
【0063】
なお、本実施形態では、カメラ装置50が画像解析を行う場合で説明したが、これに限るものではない。例えば、ベッド10の制御部101がカメラ装置50で撮影した画像を取得し、解析するようにしてもよい。また、例えば、カメラ装置50で撮影した画像をネットワークに接続された解析サーバに送信し、当該解析サーバが画像を解析し、ベッド10がネットワークを介して解析サーバから解析結果を受信するようにしてもよい。
【0064】
次に、利用者が食事をするために、例えば、スタッフにより、ベッド10が配置された部屋に配膳車が運搬された場合のベッドシステム1の処理について説明する。
図13は、ベッドシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ベッド10と、テーブル装置30と、は、例えば、Bluetoothにより通信可能に接続されている。
【0065】
カメラ装置50の制御部501は、食事準備開始か否かを判定する(ST301)。制御部501は、部屋内を常時撮影し、配膳車が部屋内に運搬された場合、撮影画像に基づいて、配膳車が部屋内にあることを解析した場合、利用者の食事の準備が開始されたことを判定する。食事準備開始でないと判定した場合(ST301:NO)、処理はステップST301に戻る。
【0066】
食事準備開始であると判定した場合(ST301:YES)、制御部501は、ベッド10の姿勢及びテーブル装置30の配置を確認する(ST302)。具体的には、撮影画像に基づいて、ベッド10がどのような姿勢にあるか、テーブル装置30はベッド10に対してどのような位置にあり、テーブル31の高さは、ベッド10の上面に対してどの程度の距離であるか等を確認する。
【0067】
次に、制御部501は、動作させても干渉しないか否かを判定する(ST303)。より詳細には、ベッド10を第1姿勢に動作させると共に、テーブル装置30のテーブル31を第1高さまで動作させる場合、ベッド10上の利用者がベッド10と、テーブル31と、により挟まれてしまうか否かが判定される。例えば、テーブル31がベッド10上で所定の高さ以上の位置にあるか否かで判定される。テーブル31が所定の高さ以上である場合、干渉しないと判定され、所定の高さより低い場合、干渉すると判定される。
【0068】
干渉しないと判定した場合(ST303:YES)、制御部501は、第1動作情報(第1情報)をベッド10に送信する(ST304)。第1動作情報は、ベッド10を第1姿勢に動作させた後、テーブル31を第1高さに動作させるように指示する情報である。
【0069】
ベッド10の制御部101は、第1動作情報を受信すると、ベッド10を第1姿勢となるように動作させる(ST305)。ベッド10の第1姿勢への動作が完了した後、第1動作情報をテーブル装置30の制御部301へ送信する。テーブル装置30の制御部301は、第1動作情報を受信すると、テーブル31を第1高さに動作させる(ST306)。そして、処理が終了する。
【0070】
一方、干渉すると判定した場合(ST303:NO)、制御部501は、第2動作情報(第1情報)をベッド10に送信する(ST307)。第2動作情報は、テーブル31を第1高さに動作した後、ベッド10を第1姿勢となるように動作させるように指示する情報である。
【0071】
ベッド10の制御部101は、第2動作情報を受信すると、第2動作情報をテーブル装置30の制御部301へ送信する。第2動作情報を受信すると、制御部301は、テーブル31を第1高さに動作させる(ST308)。制御部301は、テーブル31を第1高さに動作させた後、ベッド10の制御部101へ動作の完了を示す完了情報を送信する。制御部101は、完了情報を受信すると、ベッド10を第1姿勢となるように動作させる(ST309)。そして、処理が終了する。
【0072】
なお、干渉すると判定した場合(ST303:NO)、テーブル31の動作と、ベッド10の動作を入れ替えても干渉が解消されないときには、カメラ装置50の制御部501は、例えば、配膳車が存在する部屋のスタッフ等の端末装置にアラートを送信するようにしてもよい。
【0073】
このように構成されたベッドシステム1においても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。つまり、ベッドシステム1は、カメラ装置50で撮影したベッド10が配置された部屋内の画像の解析結果に基づいて、ベッドシステム1は、ベッド10と、ベッド10の周辺に配置されるテーブル装置30と、を連動して動作させることができる。つまり、ベッドシステム1は、ベッド10の姿勢を利用者が食事をするのに丁度良い姿勢に自動的に動作させることができると共に、テーブル装置30のテーブル31の高さを利用者が食事しやすい位置に自動的に動作させることができる。
【0074】
また、ベッドシステム1によると、カメラ装置50のベッド10が配置された部屋内の画像の解析結果に基づいて、ベッド10、及びテーブル装置30を動作させる場合に、ベッド10上の利用者がテーブル31に挟まれるような事態を回避することができる。
【0075】
なお、上記第4実施形態は、食事準備開始であるか否かの判定が、カメラ装置50の撮影する画像に基づいて、行われる場合で説明したが、これに限るものではなく、近接センサを用いて、食事準備開始であるか否かの判定を行うようにしてもよい。例えば、近接センサをベッドシステム1が配置される部屋の配膳車が停止される位置に配置し、または、ベッドシステム1が配置される部屋の入口に配置する。さらに、近接センサと、ベッドシステム1と、を通信可能に接続する。そして、近接センサが配膳車を検知した場合、近接センサは、配膳車が検知されたことを示す検知情報をベッドシステム1の制御部101に送信する。この検知情報を受信したか否かに基づいて、制御部101は、食事準備開始か否かを判定するようにしてもよい。
【0076】
(第5実施形態)
第5実施形態は、ベッドシステムにカメラ装置が追加され、カメラ装置と、ベッドと、が通信可能であり、ボタン25aの入力ではなく、カメラ装置で撮影した画像の解析結果に基づいてベッドシステムを動作するように構成されている点が第3実施形態と異なっている。このため、当該異なる構成、及び処理について説明する。なお、第3実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、これらについては詳細な説明は省略する。
【0077】
図14は、ベッドシステム1の構成の一例を示す図である。
図14に示すように、ベッドシステム1は、ベッド10Cと、操作装置20と、テレビ装置40と、カメラ装置50と、を含む。ベッド10Cと操作装置20とは、ケーブル2により接続される。ベッド10Cと、テレビ装置40と、は、例えば、Bluetoothにより無線接続される。ベッド10Cと、カメラ装置50とは、ネットワーク4により接続される。ネットワーク4は、例えば、ローカルエリアネットワークである。
【0078】
カメラ装置50の構成は、
図12に示すカメラ装置50の構成と同一である。しかし、本実施形態では、カメラ装置50は、学習モデル部504Bに利用者がテレビ装置40を利用する場合の動作パターンが記憶されており、当該動作パターンに基づいて、利用者がテレビ装置40の視聴を開始する動作を判定できるようになっている。動作パターンは、例えば、利用者がテレビ装置40のリモコン装置を掴む動作(第1状態情報が示す状態)が考えられる。
【0079】
次に、利用者がテレビ装置40の視聴を行う場合のベッドシステム1の処理について説明する。
図15は、ベッドシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ベッド10Cと、テレビ装置40と、は、例えば、Bluetoothにより通信可能に接続されている。
【0080】
カメラ装置50の制御部501は、視聴動作開始か否かを判定する(ST401)。制御部501は、部屋内を常時撮影し、視聴者が、例えば、リモコン装置を掴んだ場合、撮影画像に基づいて、リモコン装置を掴んだ動作であることを解析した場合、利用者のテレビ装置40の視聴動作が開始されたことを判定する。視聴動作開始でないと判定した場合(ST401:NO)、処理はステップST401に戻る。
【0081】
視聴動作開始であると判定した場合(ST401:YES)、制御部501は、ベッド10の姿勢及び表示部42の配置を確認する(ST402)。具体的には、撮影画像に基づいて、ベッド10がどのような姿勢にあるか、表示部42がベッド10に対してどのような位置にあるか等を確認する。
【0082】
次に、制御部501は、動作させても干渉しないか否かを判定する(ST403)。より詳細には、ベッド10を第1姿勢に動作させると共に、テレビ装置40の表示部42を位置情報が示す位置まで動作させる場合、周囲の器具、装置等にぶつかる可能性があるか否かが判定される。
【0083】
干渉しないと判定した場合(ST403:YES)、制御部501は、視聴動作開始情報(第1情報)をベッド10Cに送信する(ST404)。ベッド10Cの制御部101は、視聴動作開始情報を受信すると、ベッド10を第1姿勢となるように動作させる(ST405)。このとき、ベッド10の制御部101は、現状のベッド10Cの姿勢から、まず、第1高さACT109、及び第2高さACT111を動作させ、次に、背ACT105及び膝ACT107を第1姿勢となるように動作させる。つまり、まず、高さ、次に、背角度・膝角度の順に動作させる。このように、ベッド10Cの姿勢を第1姿勢となるように動作させた後、制御部101は、視聴動作開始情報をテレビ装置40に送信する。
【0084】
視聴動作開始情報を受信すると、テレビ装置40の制御部401は、表示部42を位置情報が示す位置に移動させる(ST406)。制御部401は、位置情報記憶部403Aに記載されている位置情報を読みたし、当該位置に表示部42が位置するように、アーム部駆動制御部405に指示を出す。当該指示を受信したアーム部41は、表示部42を当該位置まで動作させる。そして、処理は終了する。
【0085】
このように構成されたベッドシステム1においても、第3実施形態と同様な効果を奏することができる。つまり、ベッドシステム1は、カメラ装置50で撮影したベッド10Cが配置された部屋内の画像の解析結果に基づいて、ベッドシステム1は、ベッド10と、ベッド10の周辺に配置されるテレビ装置40と、を連動して動作させることができる。つまり、ベッドシステム1は、ベッド10Cの姿勢を利用者がテレビ装置40を視聴するのに丁度良い姿勢に自動的に動作させることができると共に、テレビ装置40の表示部42を利用者が視聴しやすい位置に自動的に動作させることができる。
【0086】
なお、干渉すると判定した場合(ST403:NO)、処理が終了する場合で説明したが、カメラ装置50の制御部501は、例えば、対象となるベッド10Cが存在する部屋のスタッフ等の端末装置にアラートを送信した後、処理を終了するようにしてもよいのは、第4実施形態の場合と同様である。
【0087】
(第6実施形態)
第6実施形態は、ベッドシステムにカメラ装置が追加され、カメラ装置と、ベッドと、が通信可能であり、ボタン25aの入力ではなく、カメラ装置で撮影した画像の解析結果に基づいてベッドシステムを動作するように構成されている点が第1実施形態と異なっている。このため、当該異なる構成、及び処理について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、これらについては詳細な説明は省略する。本実施形態では、ベッドシステム1は、ベッド10、操作装置20、テーブル装置30またはテレビ装置40等の備品、及びカメラ装置50を含む。なお、備品は、ベッド10の周囲に存在すると共に、第1部品を動作可能な装置であればよい。第1部品は、備品がテーブル装置30であれば、テーブル31であり、備品がテレビ装置40であれば、表示部42である。
【0088】
カメラ装置50の構成は、
図12に示すカメラ装置50の構成と同一である。しかし、本実施形態では、カメラ装置50は、学習モデル部504Bにベッド10の画像、及び姿勢変化の動作パターン、並びに備品の画像、及び動作パターンが記憶されており、当該画像パターンに基づいて、ベッド10の周囲に備品が存在するか否か等を判定できるようになっている。
【0089】
次に、ベッド10が動作を行う場合のベッドシステム1の処理について説明する。
図16は、ベッドシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ベッド10と、備品と、は、例えば、Bluetoothにより通信可能に接続されている。
【0090】
カメラ装置50の制御部501は、ベッド10が動作したか否かを判定する(ST501)。動作は、例えば、姿勢の変化である。制御部501は、部屋内を常時撮影し、ベッド10が動作した場合、撮影画像に基づいて、ベッド10が動作したことを解析した場合、ベッド10の動作が開始されたことを判定する。動作開始でないと判定した場合(ST501:NO)、処理はステップST501に戻る。
【0091】
動作開始であると判定した場合(ST501:YES)、制御部501は、ベッド10の周囲に備品があるか否かを確認する(ST502)。具体的には、撮影画像に基づいて、ベッド10の周囲に予め登録した備品の画像パターンと合致するものがあるか否かを確認する。
【0092】
備品があると判定した場合(ST502:YES)、制御部501は、ベッド10の姿勢、及び備品の位置を確認する(ST503)。次に、制御部501は、ベッドが動作すると備品に干渉するか否かを判定する(ST504)。例えば、制御部501は、ベッド10の姿勢変化の動作パターンに基づいて、ベッド10の姿勢変化の動作を予測すると共に、備品の動作パターンに基づいて、第1部品の動作を予測し、予測した動作が行われた場合に、ベッド10、備品、または、他の器具等と干渉が生じるか否かを判定する。
【0093】
次に、制御部501は、干渉を回避できるか否かを判定する(ST505)。例えば、備品がテーブル装置30であれば、テーブル31を所定の高さに動作させることにより、ベッド10と、の干渉が回避できるか否かが判定される。
【0094】
干渉を回避できると判定した場合(ST505:YES)、制御部501は、ベッドの動作を停止させる(ST506)。制御部501は、動作回避情報(第1情報)をベッド10に送信する。動作回避情報は、ベッド10に動作を一時停止させ、備品に所定の動作を行わせた後、ベッド10の動作を実行させるように指示する情報である。例えば、テーブル装置30であれば、テーブル31の高さを所定cm上側に動作させ、動作させた後、動作の完了をベッド10に送信する処理を実行させる指示である。ベッド10の制御部101は、動作回避情報を受信すると、受信した動作回避情報をテーブル装置30の制御部301に送信する。
【0095】
次に、備品の第1部品が動作する(ST507)。例えば、備品がテーブル装置30であれば、テーブル31が所定cm上側に動作される。このように、第1部品が動作した後、備品は、動作完了を示す情報をベッド10に送信する。これにより、ベッド10は、一時停止していた動作を行う(ST508)。そして、処理が終了する。
【0096】
なお、ベッド10の周囲に備品がないと判定された場合(ST502:NO)、ベッドが動作しても備品に干渉しないと判定された場合(ST504:NO)、及び干渉を回避できると判定された場合(ST505:YES)、ベッド10の制御部101は、カメラ装置50からの影響を受けずに、ベッド10の動作を行う(ST508)。
【0097】
このように構成されたベッドシステム1においては、カメラ装置50で撮影したベッド10の画像の解析結果に基づいて、ベッド10と、ベッド10の周辺に配置される備品と、を連動して動作させることができる。例えば、ベッドシステム1は、ベッド10が動作する場合に、備品の第1部品を動作させることにより、ベッド10が備品に干渉する事態を回避させることができる。
【0098】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ベッドシステムに含まれる処理部、制御回路、可動部、ボトム、備品、及びカメラ装置などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0099】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0100】
その他、本発明の実施形態として上述したベッドシステムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのベッドシステムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0101】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0102】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0103】
(付記1)
電動式のベッドと、前記ベッドの周辺に配置され、前記ベッドと通信可能な備品と、を備えるベッドシステムであって、
前記ベッドは、
複数のボトムと、
前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、
第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、
を有し、
前記備品は、
第1部品と、
前記第1部品を動作させる第2駆動部と、
前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1部品が前記第1姿勢に応じた位置となるように前記第2駆動部を動作させる第2制御部と、
を有する、ベッドシステム。
【0104】
(付記2)
さらに、前記ベッドと通信可能に接続された操作装置を備え、
前記操作装置は、
前記ベッドを前記第1姿勢に動作させるボタン、
を有し、
前記ボタンが入力された場合、前記操作装置から前記ベッドに前記第1情報が送信される、
付記1に記載のベッドシステム。
【0105】
(付記3)
さらに、前記ベッドと通信可能に接続され、前記利用者を含むベッド周辺を撮影すると共に、撮影した画像を解析可能なカメラ装置を備え、
前記カメラ装置は、
前記ベッドの利用者を含む前記ベッドの状態を規定する第1状態示す第1状態情報を記憶する対応情報記憶部と、
前記撮影した画像の解析結果が前記第1状態であると判定された場合、前記第1情報を前記ベッドに送信する第3制御部と、
を有する、
付記1に記載のベッドシステム。
【0106】
(付記4)
前記第1部品は、テーブルであり、
前記第2制御部は、前記第1情報を受信した場合、前記テーブルを予め設定された高さになるように前記第2駆動部を制御する、
付記1~3のいずれか1つに記載のベッドシステム。
【0107】
(付記5)
前記第1部品は、表示部であり、
前記第2制御部は、前記第1情報を受信した場合、前記表示部が予め設定された位置に位置するように前記第2駆動部を制御する、
付記1~3のいずれか1つに記載のベッドシステム。
【0108】
(付記6)
周辺に配置され、第1部材を有する備品と通信可能な電動式のベッドであって、
複数のボトムと、
前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、
第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、
を備え、
前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1姿勢に対して予め設定された位置となるように前記備品の前記第1部材が動作される、
ベッド。
【0109】
(付記7)
複数のボトムと、前記ボトムを動作させる複数の第1駆動部と、第1情報を受信した場合、前記第1情報に応じた第1姿勢となるように前記複数の第1駆動部をそれぞれ動作させる第1制御部と、を有する電動式のベッドと通信可能であり、前記ベッドの周辺に配置される備品であって、
第1部品と、
前記第1部品を動作させる第2駆動部と、
前記ベッドが前記第1情報を受信した場合、前記第1姿勢に対して予め設定された位置となるように前記第2駆動部を動作させる第2制御部と、
を備える備品。
【符号の説明】
【0110】
1…ベッドシステム、10,10A,10B,10C…ベッド、20…操作装置、30,30A…テーブル装置、31…テーブル、40…テレビ装置、41…アーム部、42…表示部、50…カメラ装置、101,301,401,501…制御部、103,303,403…記憶部