(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179622
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電解液生成装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/461 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098608
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕喜
(72)【発明者】
【氏名】牧野 道彦
(72)【発明者】
【氏名】米原 典彦
(72)【発明者】
【氏名】福島 直人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 史拓
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA01
4D061DA04
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB39
4D061GC20
(57)【要約】
【課題】電極間距離を安定化し、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる電解液生成装置を提供する。
【解決手段】第1電極板を備える本体部材と、第2電極板を備える蓋部材と、前記本体部材と前記蓋部材との間に設けられ前記第1電極板及び前記第2電極板により被電解液を電解する電解槽と、を備え、前記本体部材と前記蓋部材とは螺合して結合され、前記蓋部材の外周には、ウォームホイールが形成され、前記本体部材には、前記ウォームホイールに螺合され前記蓋部材を回動可能なウォームギアを備える、電解液生成装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極板を備える本体部材と、第2電極板を備える蓋部材と、前記本体部材と前記蓋部材との間に設けられ前記第1電極板及び前記第2電極板により被電解液を電解する電解槽と、を備え、
前記本体部材と前記蓋部材とは螺合して結合され、
前記蓋部材の外周には、ウォームホイールが形成され、
前記本体部材には、前記ウォームホイールに螺合され前記蓋部材を回動可能なウォームギアを備える、
電解液生成装置。
【請求項2】
前記本体部材は、前記電解槽に被電解液を流入させる入口継手と、前記電解槽から電解液または前記被電解液を流出させる出口継手とが接続され、平板状に形成された第1底部と、雌ねじ部とを備え、
前記蓋部材は、平板状に形成された第2底部と、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部とを備え、
前記第1底部には前記第1電極板が設けられ、前記第2底部には前記第2電極板が設けられている、
請求項1に記載の電解液生成装置。
【請求項3】
前記蓋部材は、前記ウォームホイールに沿って形成され前記第1電極板及び前記第2電極板の距離を示す目盛を備える、
請求項1に記載の電解液生成装置。
【請求項4】
前記電解槽は、前記第1底部及び前記第2底部により囲まれるように形成されており、
前記蓋部材は、前記電解槽を水密に塞ぐOリングを備える、
請求項2に記載の電解液生成装置。
【請求項5】
前記本体部材は、前記本体部材を貫通して前記第1電極板に電気的に接続される端子を備え、
前記蓋部材は、前記蓋部材を貫通して前記第2電極板に電気的に接続される端子を備える、
請求項2または3に記載の電解液生成装置。
【請求項6】
前記ウォームギアを回動させる操作ハンドルモータを備え、
前記操作ハンドルモータを駆動することで、前記第1電極板と前記第2電極板の距離を変更する制御部を備える、
請求項2または3に記載の電解液生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電解液生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、原水の導電率に応じて電極間の距離を制御し、電極間の位置を可変することにより、広範囲の導電率の水を電解することのできる電解液生成装置の技術を開示する。電極間の距離は、モーター駆動によりギアが回転し、軸を介して、絶縁が施されたバネで連結された電極が移動し、電極間距離が可変することにより制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、電極間距離を安定化し、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる電解液生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における電解液生成装置は、第1電極板を備える本体部材と、第2電極板を備える蓋部材と、前記本体部材と前記蓋部材との間に設けられ前記第1電極板及び前記第2電極板により被電解液を電解する電解槽と、を備え、前記本体部材と前記蓋部材とは螺合して結合され、前記蓋部材の外周には、ウォームホイールが形成され、前記本体部材には、前記ウォームホイールに螺合され前記蓋部材を回動可能なウォームギアを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示における電解液生成装置は、ウォームギアの連結により、蓋部材側からは動かすことができないため、作業者が不用意に蓋部材を触っても電極間距離がずれることがない。よって、電極間距離を安定化し、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる。そして、このように電極間の距離を安定させた上で、被電解液の導電率に合わせて電極間の電圧を最適化することにより、水道水のみならず、例えば食塩水のような、導電率が水道水よりも高い被電解液であっても、電圧と塩素の発生効率のバランスを取って電解を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】実施の形態2にかかる電解液生成装置の要部を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、モーター駆動によりギアが回転し、軸を介して、絶縁が施されたバネで連結された電極が移動し、電極間距離が可変するという技術があった。しかしながら、従来の技術では、電極間距離を安定化させる機構がないため、電極間距離に意図しないずれが発生する可能性がある、と言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、電極間距離を安定化し、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる電解液生成装置を提供する。
【0009】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(実施の形態1)
[1-1.構成]
図1は、電解液生成装置1の斜視図である。
図2は、電解液生成装置1を上方から見た平面図である。
図3は、電解液生成装置1を下方から見た平面図である。
図4は、
図3のIV-IV断面図である。
図5は、本体部材3の斜視図である。
図6は、蓋部材5の斜視図である。
【0011】
電解液生成装置1は、互いに螺合する本体部材3及び蓋部材5を備える。蓋部材5は後述する雄ねじ部55を備え、本体部材3は後述する雌ねじ部33を備える。雄ねじ部55と雌ねじ部33とが螺合することで、本体部材3と蓋部材5とが一体になり電解液生成装置1が構成される。
【0012】
[1-1-1.本体部材の構成]
本体部材3は、
図1、
図2及び
図3を参照して、側面に延出する支持部材12を備え、支持部材12に設けられたウォームギア11を備える。ウォームギア11は、操作ハンドル15を備える。操作ハンドル15が回動することにより、ウォームギア11も回動する。ウォームギア11は、後述するウォームホイール13と螺合するように設けられている。
【0013】
本体部材3には、
図1、
図3及び
図5に示すように、被電解液が流入する入口継手7と、電解液または被電解液が流出する出口継手9とが接続される。入口継手7及び出口継手9は、クイックファスナー16により、本体部材3に水密に接続される。入口継手7及び出口継手9には、被電解液が流れるチューブを接続可能である。なお、出口継手9から被電解液が流入し、入口継手7から電解液または被電解液が流出する構成であってもよい。
【0014】
本体部材3は、
図3、
図4及び
図5に示すように、平板状の第1面部3Aを底として凹状に形成されている。第1面部3Aには、後述する端子63が配置されている。本体部材3は配線等が通る切欠き17を備える。
【0015】
本体部材3は、
図3及び
図5に示すように、第1面部3Aの裏側にあたる位置に、第1底部3Bを備える。第1底部3Bには、第1電極板21Aが設けられている。
【0016】
本体部材3は、
図4及び
図5に示すように、雌ねじ部33を備え、雌ねじ部33を内面とし、第1底部3Bを内底とする円筒状に形成されている。
【0017】
本体部材3は、
図4に示すように、第1面部3Aと第1底部3Bとを貫通する第1孔61を備える。本体部材3は、第1孔61に挿通される電極棒65を備える。電極棒65は第1電極板21Aと電気的に接続されており、Oリング60で水密に封止され、ナット67及びワッシャー69により固定されている。電極棒65と電気的に接続するように端子63は配置されている。
【0018】
本体部材3は、第1面部3Aを平板状の底として凹状に形成されているため、第1面部3Aと第1底部3Bとの間の厚さが薄くなっている。これによれば、電解液生成装置1を軽量化できる。
【0019】
[1-1-1.蓋部材の構成]
蓋部材5は、
図1、
図2、及び
図6に示すように、上部にウォームホイール13を備え、ウォームギア11と嵌合するように配置されている。ウォームホイール13は、蓋部材5の外周に形成されている。操作ハンドル15が回動されることでウォームギア11が回動し、ウォームホイール13は回動される。これにより、蓋部材5は、本体部材3に対して上下動できる。
【0020】
蓋部材5は、
図1及び
図4に示すように、第2面部5Aを底として凹状に形成されている。第2面部5Aには、後述する端子73が配置されている。
【0021】
蓋部材5は、
図2及び
図6に示すように、第2面部5Aの裏側にあたる位置に、第2底部5Bを備える。第2底部5Bには、第2電極板21Bが設けられている。
【0022】
蓋部材5は、
図4及び
図6に示すように、雌ねじ部33と螺合する雄ねじ部55を備える。蓋部材5は、本体部材3の円筒状の形状に嵌合するように、円筒状に形成されている。
【0023】
蓋部材5は
図4に示すように、第2面部5Aと第2底部5Bとを貫通する第2孔71を備える。蓋部材5は、第2孔71に挿通される電極棒75を備える。電極棒75は第2電極板21Bと電気的に接続されており、Oリング70で水密に封止され、ナット77及びワッシャー79により固定されている。電極棒75と電気的に接続するように端子73は配置されている。
【0024】
蓋部材5は、第2面部5Aを平板状の底として凹状に形成されているため、第2面部5Aと第2底部5Bとの間の厚さが薄くなっている。これによれば、電解液生成装置1を軽量化できる。
【0025】
蓋部材5は、第2底部5Bに、例えば4つの突起部57を備える。突起部57は、蓋部材5が締まる方向へ動いたときに、第2電極板21Bと第1電極板21Aとが接触することを防止できる。なお、突起部57については、4つ以外であってもかまわない。
【0026】
図4に示すように、蓋部材5の雄ねじ部55と、本体部材3が備える雌ねじ部33とが螺合することで、第2底部5Bと第1底部3Bとの間に電解槽Sが形成される。蓋部材5は、
図4に示すように、雄ねじ部55よりも上方にOリング40を備え、Oリング40により電解槽Sを水密に封止できる。
【0027】
蓋部材5は、
図1及び2を参照して、円形のウォームホイール13に沿うように3つの目盛M1、M2、M3が形成された円形部材18を備える。円形部材18は、蓋部材5の上部に嵌合されている。目盛M1、M2、M3は、第1電極板21Aと第2電極板21Bとの距離である電極間距離を示す。例えば、
図1に示す位置に目盛M1があるとき、電極間距離が1mmであることを示す。
図1に示す位置に目盛M2があるとき、電極間距離が2mmであることを示し、目盛M3があるとき、電極間距離が3mmであることを示す。なお、円形部材18と蓋部材5とは、一体に形成されていてもよい。
【0028】
[1-2.動作]
被電解液は、入口継手7から電解槽Sに流入する。この被電解液は、水であっても、食塩を融解させた食塩水であってもよい。
【0029】
被電解液は、電解槽Sにおいて、電極棒65及び端子63を介して第1電極板21Aに、電極棒75及び端子73を介して第2電極板21Bに通電することにより電解され、電解液が生成される。
【0030】
被電解液は、その組成により電気伝導率が異なる。第1電極板21Aと第2電極板21Bとの距離と、これらの電極板間に印加する電圧を変更することで、種々の被電解液に対応することができる。被電解液と、目的とする電解液の組成に応じて、作業者が操作ハンドル15を回動することで電極間距離を変更し、設定する。
【0031】
目盛M1、M2、M3があるため、電極間距離の設定が簡便になる。また、ウォームギア11はセルフロックの機能を有するため、蓋部材5に触れても、ウォームホイール13が回動し電極間距離が意図しない距離に変更されてしまうことを防止できる。
【0032】
[1-3.効果等]
以上説明したように、電解液生成装置1は、第1電極板21Aを備える本体部材3と、第2電極板21Bを備える蓋部材5と、本体部材3と蓋部材5との間に設けられ第1電極板21A及び第2電極板21Bにより被電解液を電解する電解槽Sと、を備え、本体部材3と蓋部材5とは螺合して結合され、蓋部材5の外周には、ウォームホイール13が形成され、本体部材3には、ウォームホイール13に螺合され蓋部材5を回動可能なウォームギア11を備える。
【0033】
これによれば、ウォームギア11の連結により、蓋部材5側からは動かすことができないため、作業者が不用意に蓋部材5を触っても電極間距離がずれることがない。よって、電極間距離を安定化し、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる。そして、このように電極間の距離を安定させた上で、被電解液の導電率に合わせて電極間の電圧を最適化することにより、水道水のみならず、例えば食塩水のような、導電率が水道水よりも高い被電解液であっても、電圧と塩素の発生効率のバランスを取って電解を行うことができる。
【0034】
また、本体部材3は、電解槽Sに被電解液を流入させる入口継手7と、電解槽Sから電解液または被電解液を流出させる出口継手9と、平板状に形成された第1底部3Bと、雌ねじ部33とを備え、蓋部材5は、平板状に形成された第2底部5Bと、雌ねじ部33に螺合する雄ねじ部55とを備え、第1底部3Bには第1電極板21Aが設けられ、第2底部5Bには第2電極板21Bが設けられていてもよい。
【0035】
これによれば、第1電極板21A及び第2電極板21Bが平板上の面部に設けられているので、簡便な構造で一対の電極を略平行に配置することができ、電極間距離が安定化する。
【0036】
蓋部材5は、ウォームホイール13に沿って形成され第1電極板21A及び第2電極板21Bの距離を示す目盛M1、M2、M3を備えてもよい。
【0037】
これによれば、電極間距離を目視確認が可能な形態で安定化し、目盛M1、M2、M3と蓋部材5と連結したウォームホイール13により、被電解液に最適な電極間距離の誤設定が低減されるので、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる。
【0038】
また、電解槽Sは、第1底部3B及び第2底部5Bにより囲まれるように形成されており、蓋部材5は、電解槽Sを水密に塞ぐOリング40を備えてもよい。
【0039】
これによれば、雌ねじ部33と雄ねじ部55との螺合する部分だけでなく、Oリング40によっても電解槽Sを封止できるため、水密性が向上する。
【0040】
また、本体部材3は、本体部材3を貫通して第1電極板21Aに電気的に接続される端子63を備え、蓋部材5は、蓋部材5を貫通して第2電極板21Bに電気的に接続される端子73を備えてもよい。
【0041】
これによれば、本体部材3側からの端子63から引き出された配線と、蓋部材5側からの端子73から引き出された配線とが絡まらず、配策が容易になる。
【0042】
(実施の形態2)
以下、
図7を用いて実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図7は、実施の形態2にかかる電解液生成装置100の要部を示すブロック図である。
実施の形態2にかかる電解液生成装置100は、少なくとも、制御部200と、操作ハンドル15を駆動する操作ハンドルモータ220を備える点で、実施の形態1にかかる電解液生成装置1と異なる。
図7に示すように、チューブ231から被電解液が電解槽Sに流れ込む。チューブ231は、
図1等に示した入口継手7に接続される。電解槽Sが備える第2電極板21B及び第1電極板21Aには、電解のための電力を供給する電源部213が接続される。
電解された被電解液は、チューブ235から排出される。チューブ235は
図1等に示した出口継手9に接続される。
また、電解液生成装置100は、操作ハンドルモータ220の駆動源となる電源部211を備える。
【0043】
[2-2.動作]
図7を参照して、制御部200は、操作ハンドルモータ220の駆動量、特に回動量を制御する。制御部200は、被電解液の種類、被電解液の流量、電解の種々のパラメータに基づいて、操作ハンドルモータ220を駆動し電極間距離を変更することができる。
その他の点については、実施の形態1にかかる電解液生成装置1と同様の作用である。
【0044】
[2-3.効果]
以上説明したように、電解液生成装置100は、ウォームギア11を回動させる操作ハンドルモータ220を備え、操作ハンドルモータ220を駆動することで、第1電極板21Aと第2電極板21Bの距離を変更する制御部200を備える。
【0045】
これによれば、電極間距離を自動で調整することができる。
【0046】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する例示として、上記実施の形態1及び2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1及び2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0047】
実施の形態1では、目盛の一例として、3つの目盛M1、M2、M3を説明した。目盛は、電極間距離を示すものであればよい。したがって3つの目盛M1、M2、M3に限定されず、例えばより多くの目盛を設けてもよい。
【0048】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0049】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0050】
(技術1)第1電極板を備える本体部材と、第2電極板を備える蓋部材と、前記本体部材と前記蓋部材との間に設けられ前記第1電極板及び前記第2電極板により被電解液を電解する電解槽と、を備え、前記本体部材と前記蓋部材とは螺合して結合され、前記蓋部材の外周には、ウォームホイールが形成され、前記本体部材には、前記ウォームホイールに螺合され前記蓋部材を回動可能なウォームギアを備える、電解液生成装置。
これによれば、ウォームギアの連結により、蓋部材側からは動かすことができないため、作業者が不用意に蓋部材を触っても電極間距離がずれることがない。よって、電極間距離を安定化し、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる。そして、このように電極間の距離を安定させた上で、被電解液の導電率に合わせて電極間の電圧を最適化することにより、水道水のみならず、例えば食塩水のような、導電率が水道水よりも高い被電解液であっても、電圧と塩素の発生効率のバランスを取って電解を行うことができる。
【0051】
(技術2)前記本体部材は、前記電解槽に被電解液を流入させる入口継手と、前記電解槽から電解液または前記被電解液を流出させる出口継手とが接続され、平板状に形成された第1底部と、雌ねじ部とを備え、前記蓋部材は、平板状に形成された第2底部と、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部とを備え、前記第1底部には前記第1電極板が設けられ、前記第2底部には前記第2電極板が設けられている、技術1に記載の電解液生成装置。
これによれば、第1電極板及び第2電極板が平板上の面部に設けられているので、簡便な構造で一対の電極を略平行に配置することができ、電極間距離が安定化する。
【0052】
(技術3)前記蓋部材は、前記ウォームホイールに沿って形成され前記第1電極板及び前記第2電極板の距離を示す目盛を備える、技術1または2に記載の電解液生成装置。
これによれば、電極間距離を目視確認が可能な形態で安定化し、目盛と蓋部材と連結したウォームホイールにより、被電解液に最適な電極間距離の誤設定が低減されるので、意図しない塩素濃度での衛生水の生成を抑制できる。
【0053】
(技術4)前記電解槽は、前記第1底部及び前記第2底部により囲まれるように形成されており、前記蓋部材は、前記電解槽を水密に塞ぐOリングを備える、技術2から3のいずれかに記載の電解液生成装置。
これによれば、雌ねじ部と雄ねじ部との螺合する部分だけでなく、Oリングによっても電解槽を封止できるため、水密性が向上する。
【0054】
(技術5)前記本体部材は、前記本体部材を貫通して前記第1電極板に電気的に接続される端子を備え、前記蓋部材は、前記蓋部材を貫通して前記第2電極板に電気的に接続される端子を備える、技術1から4のいずれかに記載の電解液生成装置。
これによれば、本体部材側からの端子から引き出された配線と、蓋部材側からの端子から引き出された配線とが絡まらず、配策が容易になる。
【0055】
(技術6)前記ウォームギアを回動させる操作ハンドルモータを備え、前記操作ハンドルモータを駆動することで、前記第1電極板と前記第2電極板の距離を変更する制御部を備える、技術1から5のいずれかに記載の電解液生成装置。
これによれば、電極間距離を自動で調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明に係る電解液生成装置は、様々な被電解液に対応する電解装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1、100 電解液生成装置
3 本体部材
3A 第1面部
3B 第1底部
5 蓋部材
5A 第2面部
5B 第2底部
7 入口継手
9 出口継手
11 ウォームギア
13 ウォームホイール
15 操作ハンドル
21A 第1電極板
21B 第2電極板
33 雌ねじ部
40 Oリング
63 端子
55 雄ねじ部
61 第1孔
71 第2孔
73 端子
M1、M2、M3 目盛
S 電解槽