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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179631
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20241219BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G15/20 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098622
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】長谷 岳誠
(72)【発明者】
【氏名】吉浦 有信
(72)【発明者】
【氏名】山下 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中本 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】岩間 元孝
【テーマコード(参考)】
2H033
2H270
【Fターム(参考)】
2H033AA20
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA25
2H033BA30
2H033BB03
2H033BB13
2H033BB14
2H033BB18
2H033BB21
2H033BB29
2H033BB30
2H033BE00
2H033CA01
2H033CA28
2H033CA36
2H033CA37
2H270KA54
2H270KA55
2H270LA60
2H270LA63
2H270MC03
2H270MC09
2H270MC44
2H270MD10
2H270MD17
2H270MD22
2H270MD29
2H270MH05
2H270MH06
2H270PA36
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD02
(57)【要約】
【課題】ウォームアップ動作においてADF読取速度を通常の速度より低速モードへ切り替えることなく印刷を開始できるようにする。
【解決手段】原稿を自動で搬送する自動原稿送り装置102と、原稿の画像を読取るスキャナ103と、記録媒体に形成されたトナー画像を加熱加圧する定着装置18とを有する画像形成装置100において、定着装置18のウォームアップ中に自動原稿送り装置102が動作したとき、自動原稿送り装置102の原稿搬送速度に応じて、定着装置18のウォームアップ時間を変更可能にしたことを特徴とする。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を自動で搬送する自動原稿送り装置と、記録媒体に形成されたトナー画像を加熱加圧する定着装置とを有する画像形成装置において、前記定着装置のウォームアップ中に前記自動原稿送り装置が動作したとき、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて、前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
原稿を自動で搬送する自動原稿送り装置と、記録媒体に形成されたトナー画像を加熱加圧する定着装置とを有する画像形成装置において、前記定着装置のウォームアップ中に前記自動原稿送り装置が動作したとき、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて、前記定着装置における前記記録媒体の搬送速度を変更可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記定着装置の温度がウォームアップ開始前に所定温度よりも低い場合にのみ、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にし、
前記定着装置の温度がウォームアップ開始前に所定温度よりも高い場合は、ウォームアップ完了後に前記定着装置を作動させて印刷を開始することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録媒体の排紙先がフィニッシャの場合にのみ、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にし、
前記記録媒体の排紙先がフィニッシャではない場合は、ウォームアップ完了後に前記定着装置を作動させて印刷を開始することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項5】
前記自動原稿送り装置が、原稿搬送速度と消費電力が低い第1作動モードと、原稿搬送速度と消費電力が高い第2作動モードの少なくとも2つの作動モードを有し、
前記第1作動モードよりも前記第2作動モードで前記ウォームアップ時間を長くすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、特に、消費電力が異なる少なくとも2つの作動モードを有する自動原稿送り装置を備える複合機(MFP)などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス向け複合機(MFP)は、コピーやプリンタによる印刷だけでなく、自動原稿送り装置(ADF)による自動原稿読取りや、フィニッシャによる後処理等の機能も備えている。一方、MFPの電源事情は、日本国内であれば通常は100Vであって、1か所の電源の上限が1500Wであることが多い。
【0003】
このため、通常は、1か所の電源につき所定の電力(国内は1500W)以下で、本体と周辺機等に電力を供給するようにしている。しかしながら、ADFやフィニッシャは印刷と同時に動作する場合があり、定着装置で必要な電力に対して配分電力が不足することがある。
【0004】
特許文献1(特開2005-24899号公報)の発明は、定着装置の温度が低い場合のウォームアップ動作において、定着装置への供給電力を引き上げるため、ADFを消費電力小の低速作動モードへ切り替えるようにしている。しかしながら、読取速度が印刷速度よりも遅い場合は、読取完了後に作像開始となるのでジョブ終了までの待ち時間が長くなるという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ウォームアップ動作においてADF読取速度を通常の速度より低速モードへ切り替えることなく印刷を開始できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、原稿を自動で搬送する自動原稿送り装置と、原稿の画像を読取るスキャナと、記録媒体に形成されたトナー画像を加熱加圧する定着装置とを有する画像形成装置において、前記定着装置のウォームアップ中に前記自動原稿送り装置が動作したとき、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて、前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ウォームアップ動作においてADF読取速度を通常の速度より低速作動モードへ切り替えることなく印刷を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1B】画像形成装置のブロック図である。
図2】画像形成装置で使用する定着装置の概略構成図である。
図3】画像形成装置の配分電力を示すもので、(a)ADF低速度・ウォームアップ中、(b)ADF高速度・ウォームアップ中、(c)ADF低速度・印刷中、(d)ADF高速度・印刷中の各配分電力を示す図である。
図4A】画像形成装置のウォームアップから印刷開始までのフローチャートであって、ADF読取速度に応じてウォームアップ時間を変更する場合のフローチャートである。
図4B】画像形成装置のウォームアップから印刷開始までのフローチャートであって、ADF読取速度に応じて印刷開始後1~5枚目までの印刷速度を変更するフローチャートである。
図4C】画像形成装置のウォームアップから印刷開始までのフローチャートであって、ウォームアップ開始前の定着装置温度とADF読取速度に応じてウォームアップ時間を変更するフローチャートである。
図4D】画像形成装置のウォームアップから印刷開始までのフローチャートであって、印刷ジョブの排紙先に応じてウォームアップ時間を変更するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置の一例として、電子写真方式のMFPの実施形態について説明する。図1Aは、本実施形態に係るMFP100の概略構成図である。また図1Bは、MFP100のブロック図である。このMFP100は、本体101と、自動原稿送り装置(ADF)102、画像読取手段としてのスキャナ103、後処理装置(フィニッシャ)104から構成されている。本体101とスキャナ103は、一体として構成されてもよいし、別体として構成されてもよい。
【0010】
MFP100は、操作パネルを備え、操作パネルで、記録紙設定、コピー画質、スキャナ設定などを変更可能となっている。さらに、MFP100は、図1Bに示すように外部の例えばパーソナルコンピュータ(PC)から送信された印刷ジョブを受信して印刷することができる。
【0011】
MFP100は、図1Bに示すようにコントローラ、エンジン制御部、紙搬送、画像形成部、定着装置18、スキャナ103、ADF102、フィニッシャ104を有する。コントローラからの信号によって、プリンタドライバで設定された印刷モードに従った印刷が実行される。ADF102は、図1Aに示すように原稿をセットする原稿給紙トレイ110、原稿給紙トレイ110から原稿をピックアップするピックアップローラ111、原稿が排出される排紙トレイ112を含んで構成される。
【0012】
スキャナ103は、図1Aに示すように両矢印で示す左右方向に移動可能なキャリッジ109、キャリッジ109に内蔵されてコンタクトガラス113を通して原稿に光を照射するLED等の光源114、複数の反射ミラー115、原稿からの光を受光し、電気信号に変換する光電変換素子(CCDセンサ)116、電気信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータなどを含んでいる。フィニッシャ104は、画像形成が終了した記録紙に対する後工程として、ステープラ、パンチ、紙折り機能などを有している。
【0013】
ステープラは、本体101から排出された記録紙を、印刷ジョブ情報に基づく指示に従い所定の枚数毎に纏めて綴ることができる。また、パンチは、画像形成装置100から排出された記録紙を、印刷ジョブ情報に基づく指示に従い、1枚又は所定の枚数ごとに所定の場所に孔をあけることができる。
【0014】
本体101内の画像形成部は、記録紙P上にトナー画像を形成するものであって、第一乃至第四の四つの像担持体としての感光体1(a~d)を備える。さらに、本体101内の画像形成部は、四つの感光体1の上方に、ベルト部材として中間転写ベルト3を備えるベルト装置である中間転写装置60を備える。
【0015】
四つの感光体1(a~d)上には、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。本実施形態の四つの感光体1(a~d)には、それぞれブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像およびイエロートナー像がそれぞれ形成される。なお、図1Aに示した感光体1(a~d)はドラム状に形成されているが、感光体としては複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体を用いることもできる。
【0016】
第一乃至第四の感光体1(a~d)に対向して中間転写体としての中間転写ベルト3が配置されており、図1Aに示す状態では、四つの感光体1(a~d)は、中間転写ベルト3の表面に接触している。図1Aに示す中間転写ベルト3は、二次転写対向ローラ4、テンションローラ5、バックアップローラ6、入口ローラ7に巻き掛けられている。これらの支持ローラのうちの一つである二次転写対向ローラ4が駆動源によって駆動される駆動ローラとして構成され、この二次転写対向ローラ4の駆動により中間転写ベルト3が図1A中の矢印A方向に回転駆動される。
【0017】
中間転写ベルト3は、多層構造、単層構造のいずれでもよいが、多層構造であればベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなるものが好ましい。また、単層であればPVDF、PC、ポリイミド等の材質を用いるものがよい。
【0018】
感光体1へのトナー像の形成と、各トナー像の中間転写ベルト3への転写は、四つの感光体1(a~d)において実質的にすべて同一であり、形成されるトナー像の色が異なるだけである。このため、四つの感光体1(a~d)のうち、中間転写ベルト3の表面移動方向最上流側に配置されたイエロー用感光体1dへのイエロートナー像の形成と、中間転写ベルト3への転写についてのみ説明する。
【0019】
イエロー用感光体1dは、図1A中の時計方向に回転駆動され、このときイエロー用感光体1d表面に除電装置からの光が照射され、イエロー用感光体1dの表面電位が初期化される。初期化されたイエロー用感光体1dの表面は帯電装置8によって所定の極性(本実施形態ではマイナス極性)に一様に帯電される。
【0020】
このように帯電されたイエロー用感光体1dの表面に、露光装置から出射する光変調されたレーザビームが照射され、イエロー用感光体1dの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1Aに示したMFP100では、レーザビームを出射するレーザ書き込み装置よりなる露光装置が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0021】
イエロー用感光体1dに形成された静電潜像は、イエロー用の現像装置によってブラックトナー像として可視像化される。一方、中間転写ベルト3の内側には、中間転写ベルト3を挟んでイエロー用感光体1dに対向した位置にイエロー用転写ローラ11dが配置されている。
【0022】
このイエロー用転写ローラ11dが中間転写ベルト3の裏面に接触し、イエロー用感光体1dと中間転写ベルト3との適正な転写ニップが形成される。イエロー用転写ローラ11dには、イエロー用感光体1d上に形成されたトナー像のトナー帯電極性とは逆極性(本実施形態ではプラス極性)の転写電圧が印加される。
【0023】
これにより、イエロー用感光体1dと中間転写ベルト3との間に転写電界が形成され、イエロー用感光体1d上のブラックトナー像が、イエロー用感光体1dと同期して回転駆動される中間転写ベルト3上に静電的に転写される。ブラックトナー像を中間転写ベルト3に転写した後のイエロー用感光体1d表面に付着する転写残トナーは、イエロー用のクリーニング装置によって除去され、イエロー用感光体1dの表面が清掃される。
【0024】
同様にして、他の三つの感光体1(c、b、a)には、マゼンタトナー像、シアントナー像およびブラックトナー像がそれぞれ形成され、その各色のトナー像は、イエロートナー像の転写された中間転写ベルト3上に順次重ねて静電転写される。
【0025】
MFP100は、四色のトナーを使うフルカラーモードと黒単色のみを使う黒単色モードの二種類の駆動モードがある。フルカラーモード時には、中間転写ベルト3と四つの感光体1(a~d)が接触して、四色のトナー像が中間転写ベルト上に転写される。
【0026】
一方、黒単色モードでは、黒用感光体1aのみが中間転写ベルト3に接触し、ブラックトナーのみが中間転写ベルト3に転写される。このとき、シアン用、マゼンタ用、及び、イエロー用の三つの感光体1(b~d)と中間転写ベルト3とは接触しておらず、接離機構により三つの一次転写ローラ11(b~d)が感光体1(b~d)から離間する。その際、シアン用、マゼンタ用、及び、イエロー用の三つの感光体1(b~d)から中間転写ベルト3を確実に離間させるために、バックアップローラ6を移動させて、中間転写ベルト3のプロファイルを変化させる。
【0027】
本体101の下部には、図1Aに示すように、紙搬送を担う給紙装置14が配置されている。給紙装置14は、給紙ローラ15を備え、給紙ローラ15の回転によって、記録媒体である記録紙Pが図1A中の上方向に送り出される。送り出された記録紙Pは、紙搬送を担うレジストローラ対16に突き当たり、一旦停止する。
【0028】
中間転写ベルト3における二次転写対向ローラ4に巻き掛けられた部分と、これに対向配置された二次転写部材である二次転写ローラ17とは接触する。この接触部によって二次転写ニップを形成する。
【0029】
レジストローラ対16に突き当たった記録紙Pは、所定のタイミングで二次転写ニップに搬送される。このとき、二次転写ローラ17には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト3上に重ねて転写されたトナー像が記録紙Pに二次転写される。
【0030】
トナー像が二次転写された記録紙Pは、さらに上方に搬送されて定着装置18を通り、このとき記録紙P上のトナー像が定着装置18での熱と圧力との作用により定着される。定着装置18を通過した記録紙Pは、排紙部に設けられた排紙ローラ対19によりMFP100の外に排出され、装置の上面部である排紙トレイ112にスタックされる。トナー像を記録紙Pに転写した後の中間転写ベルト3には多少のトナーが転写残トナーとして残留するが、この転写残トナーはベルトクリーニング装置によって中間転写ベルト3から除去される。
【0031】
●定着装置
次に、本実施形態の定着装置18について説明する。図2は、本実施形態の定着装置18を示す模式図である。
【0032】
本実施形態の定着装置18は、無端状の定着ベルト181と、定着ベルト181を介して対向配置されるニップ形成部材としてのニップ形成プレート184及び加圧ローラ182と、定着ベルト181を加熱する加熱手段としての2つの加熱源183とを備えている。ニップ形成プレート184は、定着ベルト181の内周面に接するように配置され、加圧ローラ182との間に定着ベルト181を挟持することで、ニップ形成プレート184のニップ形成面に接する定着ベルト部分と加圧ローラとの間に定着ニップNを形成する。
【0033】
定着ベルト181は、ニッケルやSUSなどの金属ベルトや、ポリイミドなどの樹脂材料を用いた樹脂ベルトなどからなるベルト状もしくはフィルム状の無端状部材である。定着ベルト181の表層は、PFAまたはPTFEなどからなる離型層を有し、トナーが付着しにくいように離型性を持たせる。
【0034】
定着ベルト181の基材と表層との間には、シリコーンゴムなどからなる弾性層を設けてもよい。弾性層を設けない場合には、熱容量が小さく、定着性を向上させることができる一方、定着ベルト表面の微小な凹凸が画像上に現れて、画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が発生する不具合が生じ得る。
【0035】
このような不具合を改善するには、例えば100μm以上の弾性層を設けるのが好ましい。弾性層の変形によって、定着ベルト表面の微小な凹凸が吸収され、ユズ肌画像が改善されるからである。
【0036】
加熱源183は、定着ベルト181の内周面側に配置され、輻射熱によって定着ベルト181を加熱する。本実施形態の加熱源183は、ハロゲンヒータで構成されるが、ヒータの種類やヒータの数などは任意である。例えば、ハロゲンヒータに代えて、IH(Induction Heating)の構成を採用してもよいし、抵抗発熱体、カーボンヒータなどを採用してもよい。
【0037】
加圧ローラ182は、芯金182aの周囲を弾性ゴム層182bで覆った弾性ローラであり、ニップ形成プレート184のニップ形成面よりも表面層の硬度が低いものである。加圧ローラ182の弾性ゴム層182bは、ソリッドゴムでも良いが、スポンジゴムを用いるのが好ましい。
【0038】
スポンジゴムの方が、断熱性が高まり、定着ベルト181の熱が加圧ローラ182側に奪われにくくなるので、望ましい。また、加圧ローラ182は、離型性を得るために表面に離型層(PFAまたはPTFE層)が設けてある。
【0039】
加圧ローラ182は、定着装置18の筐体に軸支され、MFP本体に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達されて回転駆動される。定着ベルト181は、定着ニップNにおいて加圧ローラ182から回転駆動力が伝達され、加圧ローラ182の回転に伴って連れ回り回転し、ニップ部以外では両端部で保持部材(フランジ)にガイドされ、走行する。
【0040】
このとき、定着ベルト181は、その内周面をニップ形成プレート184のニップ形成面に摺動させながら回転する。ニップ形成プレート184のニップ形成面と定着ベルト181の内周面との間には、摺動性を向上させるための摺動シート等の摺動性向上部材を介在させてもよい。
【0041】
ニップ形成プレート184は、ステー部材185上に固定され、支持されている。ステー部材185は、ニップ形成プレート184が加圧ローラ182からの圧力を受けて撓むのを抑制して、定着ベルト181の幅方向に一様な定着ニップNを形成するための機能も備える。
【0042】
加圧ローラ182からの圧力をステー部材185で受けることでトナーを溶融定着させるに必要な定着ニップNでの面圧を得ることができる。また、このステー部材185は両端部で保持部材に保持固定され位置決めされている。
【0043】
このステー部材185は鉄ないしはステンレスを曲げ加工等を実施することで形成され、厚みが2~4mm程度の鉄板やSUS板を用いるため熱容量が大きい。そのため、本実施形態では、加熱源183とステー部材185との間に、反射部材186が備わっており、加熱源183からの輻射熱などによりステー部材185が加熱されて無駄なエネルギーを消費することが抑制されている。なお、この反射部材186を備える代わりに、ステー部材185の表面に断熱処理もしくは鏡面処理を行ってもよい。
【0044】
本実施形態におけるニップ形成プレート184のニップ形成面は実質的に平面で構成されている。ニップ形成プレート184のニップ形成面は、加圧ローラ182の弾性ゴム層182bよりも硬度が高いため、加圧ローラ182の弾性ゴム層182bは、ニップ形成プレート184のニップ形成面に沿って弾性変形する。
【0045】
したがって、本実施形態の定着ニップNは、ニップ形成プレート184のニップ形成面(平面)に沿って、実質的に平坦なものとなる。なお、ニップ形成面は、完全な平面である必要はなく、従来の2つのローラによって形成される曲面形状の定着ニップよりも曲率が十分に小さければ、凸状又は凹状の僅かな曲面形状をもつようにしてもよい。
【0046】
本実施形態では、上記構成の定着装置18を用いることで、定着ベルト側の構造の低熱容量性を実現し、短時間で効率よく加熱が行われる。本実施形態では、ウォームアップ動作を行なって定着ベルト181を規定の定着温度にまで昇温させてから、画像形成動作を開始する。本実施形態の定着装置18では、定着ベルト側の構造を低熱容量化しているので、定着ベルト181を短時間で定着温度にまで昇温させることができ、ウォームアップ時間の短縮化を図ることができる。
【0047】
加熱源183の通電量は、定着ベルト181の表面温度をサーモパイル187で検知し、フィードバックした温度と目標温度との差分値に応じて決定される。また、印刷開始時、ウォームアップ開始時においては、予め決められた通電量を入力する場合もある。加熱源の定格電力は1200Wであり、電源電圧が100V、常時通電した場合には12Aの電流が流れ、消費電力は1200Wとなる。
【0048】
●配分電力
MFP100は、図1Bに示すコントローラ、エンジン制御部、紙搬送、画像形成部、定着装置18、スキャナ103、ADF102、フィニッシャ104の各部において電力を消費し、それら各部に所定の電力が配分される。定着装置18の消費電力量が最も多いが、ADF102の作動速度やフィニッシャ使用の有無によってMFP100の最大消費電力が変動する。以下、ADF102への配分電力について説明する。ADF読取解像度、ADF読取速度、作動モード、配分電力は表1のとおりである。表1の上段の作動モード(ADF読取解像度600dpi、ADF読取速度300mm/s)は、スキャン、コピーのどちらでも使用される。上段の作動モードは100Wが配分される。
【0049】
【表1】
【0050】
表1の下段の作動モード(ADF読取解像度300dpi、ADF読取速度600mm/s)は、コピーモードでは使用されない。下段の作動モードは、原稿をスキャンして保存又は送信する場合にのみ使用される。下段の作動モードは、高速度であるため150Wが配分される。
【0051】
図3に、MFP100における各装置に配分する電力の一例を示す。日本国内で販売されているMFPの場合、MFP100全体の最大消費電力は1500Wであることが多い。
【0052】
図3(a)は低速度・ウォームアップ中における配分電力の一例を示すもので、ADF読取解像度600dpi、ADF読取速度300mm/sの場合を示している。この場合ADF102へ100Wが配分される。図3(a)ではADF:100W、定着装置:1200W、その他(定着装置駆動、制御装置など):100Wである。この場合、最大消費電力は1400Wである。
【0053】
図3(b)は高速度・ウォームアップ中における配分電力の他の例を示すもので、ADF読取解像度300dpi、読取速度600mm/sの場合を示している。この場合ADF102へ150Wが配分される。図3(b)では、ADF:150W、定着装置:1200W、その他(定着装置駆動、制御装置):100Wである。最大消費電力は1450Wである。
【0054】
図3(c)は、低速度・印刷中における配分電力の一例を示すもので、ADF読取解像度600dpi、読取速度300mm/sの場合を示している。この場合ADF102へ100Wが配分される。図3(c)では、ADF:100W、フィニッシャ:100W、定着装置:1000W、その他(紙搬送、現像装置、転写装置、ファン、制御装置):300Wである。最大消費電力は1500Wである。
【0055】
加熱源183の定格電力は1200Wであるが、この場合は1000Wを上限電力として制限される。加熱源183が1000Wに制限された場合でも、規定の印刷速度、印刷品質(定着性)で印刷可能であるように設計されている。
【0056】
図3(d)は、高速度・印刷中における配分電力で、ADF読取解像度300dpi、ADF読取速度600mm/sの場合を示している。この場合ADF102へ150Wが配分される。図3(d)では、ADF:150W、フィニッシャ:100W、定着装置:1000W、その他(紙搬送、現像装置、転写装置、ファン、制御装置):300Wである。最大消費電力は1500Wである。
【0057】
加熱源183の定格電力は1200Wであるが、この場合は950Wを上限電力として制限される。950Wに制限された場合でも、規定の印刷品質(定着性)で印刷可能であるように設計されているが、印刷速度を低下させるか、或いはウォームアップタイムを延長することが必要となる場合がある。
【0058】
●フローチャート
図4A図4Dのフローチャートを参照して、本発明の各実施形態を説明する。
<実施形態1>
図4Aは実施形態1のフローチャートを示すもので、ADF読取速度に応じてウォームアップ時間を変更する場合のフローチャートである。マシンが省エネモード、電源オフから復帰信号を受信すると、定着装置18のウォームアップを開始する(ステップS11)。
【0059】
ステップS12でADF102が動作する(読取開始)。コピージョブの場合は、ADF読取解像度は自動で設定される。すなわち、コピージョブではADF解像度:600dpi、ADF読取速度300mm/sに自動設定される。高解像度(600dpi)・低速度(300mm/s)でコピー画質をよくすることができ、また画像データ(スキャンしたデータ)を保存してデータ容量を小さくする必要性がないためである。コピージョブではウォームアップを延長せず(ステップS13⇒ステップS15)、ウォームアップ完了後にコピー印刷を開始する(ステップS16)。
【0060】
プリンタジョブの場合、PCからプリンタジョブが送信されて印刷のみ実行される場合と、PCからプリンタジョブが送信されて印刷が実行され、同時に原稿スキャンが独立に動作(スキャン・コピー)する場合がある。スキャンではユーザが解像度を選択可能である。すなわち、ユーザは、例えば、ADF解像度:300dpi、ADF読取速度600mm/sと、ADF解像度:600dpi、ADF読取速度300mm/sの2つの作動モードから、いずれか1の作動モードを選択可能である。
【0061】
電力消費の大きいADF読取速度600mm/s、ADF解像度:300dpiのモードでは、図3(d)に示す通り、印刷時の定着装置18への配分電力を950Wにせざるを得ない(合計1500W)。定着装置18の必要最大電力は1000Wなので、50Wだけ不足することになる。そこで、ステップS13⇒ステップS14に移動し、ウォームアップ時間を延長することで50Wの電力不足を補いつつ定着装置18を蓄熱する。
【0062】
このように、印刷時における定着装置18の必要電力と配分電力を予測し、ADF読取速度に応じてウォームアップ時間を決定する。こうすることで、コピーや、使用頻度が高く電力消費が小さい(100W)読取解像度600dpi(速度300mm/s)のスキャンにおいて、ウォームアップ時間を短縮することが可能となる。
【0063】
なお、プリンタジョブと、スキャン(解像度:300dpi、ADF読取速度600mm/s)が、互いに独立して同時に動作する場合は、ステップS14でウォームアップ時間延長となる。しかしながら、このようにプリンタジョブとスキャン(解像度:300dpi、ADF読取速度600mm/s)が同時に動作する確率は低い。したがって、プリンタジョブのウォームアップ時間がステップS14で延長される確率も低い。ユーザの待ち時間は限定的であるから、特に問題となることはない。
【0064】
<実施形態2>
図4Bは実施形態2のフローチャートを示すもので、ADF読取速度に応じて、印刷開始後1~5枚目までの印刷速度を変更するフローチャートである。前述した図4AのステップS11⇒S12⇒S13と同様に、ステップS21⇒S22⇒S23の順に進行する。
【0065】
ステップS23でADF読取速度600mm/sと判定された場合、図3(d)に示す通り、印刷時の定着装置18への配分電力が950Wとなる。この配分電力950Wは、必要最大電力1000Wに対して50W不足する。
【0066】
このため、ステップS24でウォームアップ完了が判断された後に、ステップS25で印刷開始となるが、印刷開始後1~5枚目までの印刷速度を80%に減速して印刷する(ステップS26)。このように印刷速度を減速することで、ウォームアップ時間延長なしで、前述した50Wの電力不足による定着不良(低温定着不良)を防止する。
【0067】
6枚目からは印刷速度100%で印刷し、ユーザの待ち時間を短縮する。1~5枚目までの減速印刷によって定着装置18に十分畜熱することができるので、ウォームアップ時間延長を不要化して6枚目から印刷速度100%で印刷可能となる。
【0068】
印刷速度の減速割合は80%に限定されるものではない。また減速印刷枚数も1~5枚目までに限定されるものではない。80%前後の減速割合であっても、また減速印刷枚数5枚前後であっても、前述した50Wの電力不足による定着不良(低温定着不良)を防止できればよい。印刷速度ないし減速割合は、記録紙の搬送速度や、記録紙を搬送する搬送モータの回転速度から算出することができる。
【0069】
このように、印刷時における定着装置18の必要電力と配分電力を予測し、ADF読取速度に応じて印刷速度を決定する。こうすることで、表1のADF作動モードが「スキャン・コピー」と「スキャン」のどちらであっても、ウォームアップ時間を延長することなく、且つ、ADF読取速度を変更(高速⇒低速)することなく、定着温度低下を防止することが可能となる。したがって、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0070】
一方、ステップS23でADF読取速度≠600mm/s(低速度)と判定された場合、ステップS27でウォームアップ完了が判定された後、印刷が開始される(ステップS23)。このステップS27、S28は図4AのステップS15、S16と同じである。
【0071】
このときの印刷速度は100%の速度である。ADFが低速度であるから、図3(c)のようにADF102の配分電力は100Wであり、定着装置18の配分電力は1000Wである。したがって、100%の印刷速度が可能である。
【0072】
<実施形態3>
図4Cは実施形態3のフローチャートを示すもので、ウォームアップ開始前の定着装置温度とADF読取速度に応じて、ウォームアップ時間を変更するフローチャートである。ウォームアップ開始前のステップS31において、「定着装置温度T≦60℃?」の判定がNo、すなわち定着装置18が既に蓄熱されていると判定されれば、ステップS31⇒S36⇒S37とバイパスして印刷が開始される。定着装置温度Tは、ウォームアップを開始しようとした時にサーモパイル187で検知した温度である。
【0073】
この印刷時の必要最大電力は低下し、表1のADF作動モードが「スキャン・コピー」と「スキャン」のどちらであっても、ウォームアップ時間を延長することなく、且つ、ADF読取速度を変更(高速⇒低速)することなく、定着温度低下を防止することが可能となる。したがって、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0074】
一方、ウォームアップ開始前のステップS31において、定着装置18の温度が例えば60℃以下であると判定されると、ステップS32⇒S33⇒S34⇒S35⇒S36⇒S37の順に進行する。これらステップは、前述した図4AのステップS11⇒S12⇒S13⇒S14⇒S15⇒S16と同様である。なお、ステップS31の温度は60℃に限定されるものではなく、マシン構成に対応して変更可能である。
【0075】
<実施形態4>
図4Dは実施形態4のフローチャートを示すもので、印刷ジョブの排紙先に応じて、ウォームアップ時間を変更するフローチャートである。印刷ジョブの排紙先がフィニッシャ排紙の場合は、フィニッシャ電力100Wを消費する。これに対して、フィニッシャが動作しない本体排紙の場合は、フィニッシャ電力100Wが不要である。
【0076】
このため、ADF読取速度が電力消費の大きい600mm/sであっても、不要となる100Wの余裕があるから、定着装置18への配分電力を減らす必要がない。このため、本体排紙の場合は、ウォームアップ時間を短縮することができ、ステップS41⇒ステップS46を経由してステップS47で印刷を開始することができる。したがって、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0077】
印刷ジョブの排紙先がフィニッシャ排紙の場合、フィニッシャ電力100Wを消費するので、ADF読取速度が電力消費の大きい600mm/sの場合、図3(d)に示すように定着装置18の配分電力を950Wに低減する。これにより、MFP100全体の消費電力を最大限の1500W以内に抑制する。このように、定着装置18の配分電力を950Wに低減した状態で定着装置18のウォームアップを開始し(ステップS42)、ADF102の読取りを開始する(ステップS43)。
【0078】
以後、ステップS42⇒S43⇒S44⇒S45⇒S46⇒S47の順に進行する。これらステップは、前述した図4AのステップS11⇒S12⇒S13⇒S14⇒S15⇒S16や、図4CのステップS32⇒S33⇒S34⇒S35⇒S36⇒S37と同様である。
【0079】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、ADF読取速度は300mm/sと600mm/sの間に400mm/sを加えて三段階としてもよいし、また300mm/s未満や600mm/s超などを加えて四段階以上にすることも可能である。そして、これら複数段階の原稿搬送速度に応じて定着装置18のウォームアップ時間を延長可能に構成することもできる。
【0080】
また、ADF102における原稿搬送速度とは、1)原稿が原稿給紙トレイ110からスキャナ103へ搬送される速度、2)原稿がスキャナ103を通過する速度(ADF読取速度)、3)原稿がスキャナ103から排紙トレイ112に搬送される速度の3区間における速度が含まれ、これら1)2)3)の速度が異なる場合がある。本発明においては、1)2)3)のうち、2)の速度(ADF読取速度)に応じてウォームアップ時間を変更する動作について説明したが、1)の速度、または3)の速度に応じて変更してもよい。
【0081】
1)の速度に応じてウォームアップ時間を変更する動作について説明する。
1)原稿が原稿給紙トレイ110からスキャナ103へ搬送される速度を、2)原稿がスキャナ103を通過する速度(ADF読取速度)よりも速くすることで、原稿給紙トレイ110から排紙トレイ112までの搬送時間を短縮することができる。
【0082】
例えば、2)原稿がスキャナ103を通過する速度(ADF読取速度)が300mm/sである場合、1)原稿が原稿給紙トレイ110からスキャナ103へ搬送される速度を500mm/sとする。2)原稿がスキャナ103を通過する速度(ADF読取速度)が600mm/sである場合、1)原稿が原稿給紙トレイ110からスキャナ103へ搬送される速度を800mm/sとする。
【0083】
この場合、1)原稿が原稿給紙トレイ110からスキャナ103へ搬送される速度が最も速く、消費電力も大きくなるため、1)原稿が原稿給紙トレイ110からスキャナ103へ搬送される速度に応じてウォームアップ時間を変更することが望ましい。3)の速度に応じて変更する場合も、1)の速度に応じて変更する場合と同様の動作となる。
【0084】
<付記>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
<第1態様>
第1態様は、原稿を自動で搬送する自動原稿送り装置と、原稿の画像を読取るスキャナと、記録媒体に形成されたトナー画像を加熱加圧する定着装置とを有する画像形成装置において、前記定着装置のウォームアップ中に前記自動原稿送り装置が動作したとき、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて、前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にしたことを特徴とする画像形成装置である。
<第2態様>
第2態様は、原稿を自動で搬送する自動原稿送り装置と、原稿の画像を読取るスキャナと、記録媒体に形成されたトナー画像を加熱加圧する定着装置とを有する画像形成装置において、前記定着装置のウォームアップ中に前記自動原稿送り装置が動作したとき、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて、前記定着装置における前記記録媒体の搬送速度を変更可能にしたことを特徴とする画像形成装置である。
<第3態様>
第3態様は、前記定着装置の温度がウォームアップ開始前に所定温度よりも低い場合にのみ、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にし、前記定着装置の温度がウォームアップ開始前に所定温度よりも高い場合は、ウォームアップ完了後に前記定着装置を作動させて印刷を開始することを特徴とする第1態様の画像形成装置である。
<第4態様>
第4態様は、前記記録媒体の排紙先がフィニッシャの場合にのみ、前記自動原稿送り装置の原稿搬送速度に応じて前記定着装置のウォームアップ時間を変更可能にし、
前記記録媒体の排紙先がフィニッシャではない場合は、ウォームアップ完了後に前記定着装置を作動させて印刷を開始することを特徴とする第1態様の画像形成装置である。
<第5態様>
第5態様は、前記自動原稿送り装置が、原稿搬送速度と消費電力が低い第1作動モードと、原稿搬送速度と消費電力が高い第2作動モードの少なくとも2つの作動モードを有し、前記第1作動モードよりも前記第2作動モードで前記ウォームアップ時間を長くすることを特徴とする第1態様から第4態様のいずれか1の態様の画像形成装置である。
【符号の説明】
【0085】
1(a~d):感光体 3:中間転写ベルト
4:二次転写対向ローラ 5:テンションローラ
6:バックアップローラ 7:入口ローラ
8:帯電装置 11(a~d):一次転写ローラ
14:給紙装置 15:給紙ローラ
16:レジストローラ対 17:二次転写ローラ
18:定着装置 19:排紙ローラ対
60:中間転写装置 100:画像形成装置
101:本体 102:自動原稿送り装置(ADF)
103:スキャナ 104:後処理装置(フィニッシャ)
109:キャリッジ 110:原稿給紙トレイ
111:ピックアップローラ 112:排紙トレイ
113:コンタクトガラス 114:光源
115:反射ミラー 116:光電変換素子(CCDセンサ)
181:定着ベルト 182:加圧ローラ
182a:芯金 182b:弾性ゴム層
183:加熱源 184:ニップ形成プレート
185:ステー部材 186:反射部材
187:サーモパイル N:定着ニップ
P:記録紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2005-24899号公報
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D