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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179633
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/018
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098624
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】523229067
【氏名又は名称】株式会社MAコミュニケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 英作
(72)【発明者】
【氏名】ザイミンリゥ
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB21
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】商品又は役務の提供を受ける権利の一次流通と二次流通における利便性を向上させること。
【解決手段】ブロックチェーン管理部51は、ブロックチェーンネットワークBCNに、NFTの発行、譲渡、その対価の支払い等に関する情報を、ブロックチェーン技術を用いて管理させる。権利管理部52は、商品等に対する対価の支払いを条件として商品等の提供を提供者から提供される権利であって、現在において行使できない未発売の商品の購入権や将来のある日時にサービスを提供される権利をNFTとして発行して管理させる。対価配分部54は、仮想通貨の支払いを条件としてNFT(即ち権利)が譲渡されると、仮想通貨をロイヤリティとして提供者Pに配分する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1対価の支払いを条件として商品又は役務の提供を提供者から提供される権利であって現在において行使できない当該権利を管理させる権利管理手段と、
第2対価の支払いを条件として前記権利が譲渡されると、当該第2対価の一部を提供者対価として前記提供者に配分する対価配分手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記対価配分手段は、前記第2対価及び前記第1対価の差に基づいて前記提供者対価を決定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2対価の支払いを条件として前記権利の譲渡を行うための取引所を提供する取引所提供手段、
をさらに備える、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記権利の所有者及び前記第2対価の支払いをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理させる台帳管理部、
をさらに備える、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンサートやイベントの入場チケット等について、譲渡が行われた場合に適切に管理するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開特開2014-32649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1の技術を含む従来の技術においては、コンサートやイベントの主催者から入場チケットが販売される一次流通ののち、インターネット上のフリーマーケットやオークションで譲渡される二次流通をなされることが前提となっている。
ここで、このような入場チケット等にプレミアが付き、高額で取引されることが多々ある。即ち、従来、コンサートやイベントの主催者が販売する入場チケットの価格と比較して、高い金額での二次流通が行われている。一次流通における金額と、二次流通の金額は、例えば数倍といった乖離があることもある。
【0005】
即ち、現在において、最終的な入場チケットの利用者がそのコンサートやイベントに見出した価値の大半を、二次流通を行った者が得るという構造となってしまっている。一方、コンサートやイベントの主催者が、一次流通の時点で価格を向上させることは、最終的な入場チケットの利用者の反感を買う可能性がある。このように、コンサートやイベントの主催者は、板挟みの状態である。
【0006】
ここで、上述のコンサートやイベントの入場チケットは、そのチケットを保有することで、入場が可能になるといういわば権利書であり、有体物である。一方、レストランの予約等においては、口頭や電子メール、SNS(Social Network Service)等で提供者及び購入者の間で約定をされたものは、明確な権利として公開の場で認識されているものではなく、当事者間のみで有効なものである。
その為、その権利自体を二次流通させることができないと同時にその権利の対価も当事者間で同意されたものでしかなく、二次流通市場に適さないものである。
このような、権利についても、上述と同様に提供者が対価を受け取ることが容易ではない。提供者は、その金額の合意はなされているものの、その金員の受領はあくまで権利の行使時になる為、資金回収リスクを常に抱える状態となっていた。
【0007】
このような、一次流通と二次流通の構造は、各種各様な商品の販売や役務の提供等においても基本的に同様である。
【0008】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、商品又は役務の提供を受ける権利の一次流通と二次流通における利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
第1対価の支払いを条件として商品又は役務の提供を提供者から提供される権利であって現在において行使できない当該権利を管理させる権利管理手段と、
第2対価の支払いを条件として前記権利が譲渡されると、当該第2対価の一部を提供者対価として前記提供者に配分する対価配分手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品又は役務の提供を受ける権利の一次流通と二次流通における利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図2の情報処理システムに含まれる図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0014】
本サービスは、商品又は役務(以下、「商品等」と呼ぶ)の提供を受ける権利の一次流通を行う提供者及び二次流通を行う購入者の間における、権利の譲渡及びその譲渡の対価を管理することで、権利の正当性を担保するとともに、対価の適切な配分を支援するものである。
【0015】
また、本サービスでは、ブロックチェーン技術が用いられている。具体的には例えば、イーサリアムを用いた仮想通貨の授受や、NFT(Non-Fungible Token)の発行や授受が行われる。
なお、本サービスの実現が可能な各種機能が発揮されれば、イーサリアムやブロックチェーンに限らず、所定の分散型台帳技術を採用してもよい。即ち、詳しくは後述するが、図4におけるブロックチェーンを管理するための制御処理を実行させるブロックチェーン管理部51は、分散型台帳を管理させる機能を提供する手段を有すれば足りる。
【0016】
まず、図1の本サービスにおける商品等の提供の流れの例の概要を説明する。
ここで、前提として、図1においては、提供者Pにより将来販売される商品等を二点鎖線で図示するとともにこれらを「商品等G-u」と呼び、実際に販売開始後の商品等を実線で図示するとともにこれらを「商品等G-r」と呼ぶ。また、以下、商品等G-u及びG-rを個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて「商品等G」と呼ぶ。
【0017】
図1の例においては、まず、提供者Pが、将来において未発売の商品等G-uを提供される権利を購入者U1に所定額の仮想通貨V1で譲渡することで、一次流通が行われる。その後、購入者U1は購入した権利を所定額の第2通貨V2で他の購入者U2に譲渡することで、二次流通が行われる。その後、購入者U2は、購入した権利を行使することで、提供者Pから発売後の商品等G-rの提供を受ける。
【0018】
このように、「提供者P」とは、商品等の提供を受ける権利の一次流通を行う者である。ここで、商品等の提供、即ち、商品又は役務の提供とは、商品の製造や販売、役務の提供を含む概念である。例えば、商品のメーカや、小売店、コンサートやイベントの主催者や、レストランの経営者は、提供者Pの一例である。
また、「購入者」とは、提供者や他の購入者から商品等の提供を受ける権利を購入する者である。即ち、購入者は、二次流通として、提供者から商品等の提供を受ける権利を他の購入者に所定対価で譲渡することができる。
なお、図1の例においては、二次流通は購入者U1及びU2の2名による1ステップだけ発生していたが、実際には購入者(及びその候補者)はn人(nは2以上の整数値)存在し、複数ステップの二次流通が行われてよい。
【0019】
以下、図1に示すステップST1乃至ST5の流れに沿って、より詳細に説明する。
ステップST1において、提供者Pは、未発売の商品等G-uを、NFT(Non-Fungible Token)と紐づけてNFTマーケットプレイスNMPに出品する。
ここで、このNFTを保有する者は、将来に提供者Pから発売後の商品等G-rの提供を受けることが出来る。即ち、本サービスにおけるNFTは、所定の仮想通貨の支払いを条件として商品等G-rを提供者から提供される権利であって現在において行使できない権利であるといえる。
【0020】
ここで、購入者U1は、NFTマーケットプレイスNMPに出品されたNFT、即ち、現時点で未発売の商品等G-uを将来において提供される権利に興味を持ったとする。
この場合、ステップST2-1において、購入者U1は、NFTマーケットプレイスNMPに出品されたNFT、即ち、未発売の商品等G-uの提供を受ける権利を購入する。
その対価として、ステップST2-2において、購入者U1は、所定額の仮想通貨V1を支払う。
その結果、ステップST2-3において、提供者Pは、所定額の仮想通貨V1を受け取ることができる。
このようにして、提供者Pにより所定額の仮想通貨V1で出品されたNFTは、所定額の仮想通貨V1の支払いを条件として、購入者U1に譲渡される。
【0021】
なお、仮想通貨V1の額は、二次流通が無い場合における商品等Gの提供を受けるための価格(いわゆる、通常の現実世界における商品等G-rの定価等)であってもよく、その一部(いわゆる、頭金等)であってもよい。
ステップST2-2の仮想通貨V1が、二次流通が無い場合における商品等Gの価格そのものである場合、NFTを保有する者は、後述のステップST5-1及び5-2において権利行使する際に追加の対価を支払うことなく、商品等G-rの提供を受けることが出来る。
また例えば、ステップST2-2の仮想通貨V1が、二次流通が無い場合における商品等G-rの価格の一部である場合、NFTを保有する者は、後述のステップST5-1及び5-2において権利行使する際に追加の対価を支払うことで、商品等G-rの提供を受けることが出来る。
【0022】
このようにして、提供者Pは、出品したNFTが購入者U1に購入されることにより、商品等G-rの提供前において、商品等G-rの提供のための所定対価の一部又は全部を受け取ることが出来る。即ち、提供者Pは、商品等G-rの提供のための所定対価を回収しそびれるリスクが解消される。
なお、以下の説明においては、ステップST2-2の仮想通貨V1が、二次流通が無い場合における商品等G-rの価格そのものであるものとして説明する。
【0023】
次に、ステップST3において、購入者U1は、NFTをNFTマーケットプレイスNMPに出品する。
即ち例えば、購入者U1は、将来的に商品等G-rの提供をされる必要がなくなった場合、NFTをNFTマーケットプレイスNMPに出品することが出来る。
このとき、商品等G-rを将来に提供される権利の価値が向上している場合、購入者U1は、NFTを購入するために必要な仮想通貨V2を、自身が購入するときに支払った仮想通貨V1よりも高く設定することが出来る。
【0024】
購入者U2は、NFTマーケットプレイスNMPに出品されたNFT、即ち、現時点で未発売の商品等G-uを将来において提供される権利に興味を持ったとする。
この場合、ステップST4-1において、購入者U2は、NFTマーケットプレイスNMPに出品されたNFT、即ち、未発売の商品等G-uを将来において提供される権利を購入する。
その対価として、ステップST4-2において、購入者U2は、所定額の仮想通貨V2を支払う。
【0025】
その結果、ステップST4-3において、購入者U1は、所定額の仮想通貨V2のうちの一部である仮想通貨V2-aを受け取る。
また、ステップST2-4において、提供者Pは、所定額の仮想通貨V2のうちの一部であって、仮想通貨V2-aを除いた分である仮想通貨V2-bをロイヤリティとして受け取る。
即ち、購入者U2が支払った仮想通貨V2は、購入者U1及び提供者Pに配分される。
【0026】
このようにして、購入者U1により出品されたNFTは、所定額の仮想通貨V2の支払いを条件として、購入者U2に譲渡される。このように、販売前の商品等G-uと紐づいたNFTの売買により、商品等G-rが発売される前において、商品等G-rの提供を受ける権利に価値が付与されて、譲渡が可能となる。
このとき、提供者Pは、NFTの譲渡の対価として支払われた仮想通貨V2の一部をロイヤリティとして受け取ることが出来る。これにより、従来、発売された後に、二次流通の金額として評価された商品等G-rの価値を提供者Pが実感するとともに、その利益を得ることが出来る。これにより、提供者Pの努力は報われる良いフィードバックが生まれ、産業の発達に寄与するのである。
【0027】
ステップST5-1において、商品等Gが発売された後、NFTを所有している購入者U2は、提供者Pに対して商品等Gの提供を受ける権利を行使することが出来る。
即ち例えば、購入者U2が、商品等G-rの提供を希望する場合、提供者Pは、自身が所有する端末(例えば、後述の提供者端末2)において所定操作を行うことにより、購入者U2がNFTを所有していることを確認する。
そして、ステップST5-2において、購入者U2がNFTを所有していることを確認した提供者Pは、商品等G-rを、購入者U2に提供する。このようにして、購入者U2は、購入者U1から二次流通により購入したNFTに基づいて権利行使して、商品等G-rの提供を受けることが出来るようになる。
なお、このとき、商品等G-rの提供に際して、購入者U2が自身が所有する端末(例えば、後述の購入者端末3-2)を用いて、所定操作を行うことにより、NFTに基づいて権利行使積みである旨を、NFTに紐づけて管理してもよい。これにより、提供者Pは、権利を行使済みのNFTに対して、再度権利行使してしまうことを防ぐことができる。
一方で、NFT自体は消滅しないようにすることで、購入者U2は使用済みのNFTを商品等G-rの提供を受けた証拠として、引き続き所有することが出来る。
【0028】
次に、図2を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0029】
図2においては、図1に示す情報処理システムのより一般的な例を示している。
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、提供者端末2と、購入者端末3-1乃至3-nと、ブロックチェーンノード4-1乃至4-m(mは3以上の整数値)を含むように構成されている。
サーバ1、提供者端末2、購入者端末3-1乃至3-n、及びブロックチェーンノード4-1乃至4-mは、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0030】
サーバ1は、本サービスの提供者により管理される情報処理装置である。サーバ1は、提供者端末2、購入者端末3-1乃至3-n、及びブロックチェーンノード4-1乃至4-mと適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0031】
提供者端末2は、提供者Pが操作する情報処理装置である。提供者端末2は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。なお、提供者Pは複数存在してもよく、複数の提供者Pは、夫々提供者端末2を有していてもよいが、図2においては1台の提供者端末2のみを図示している。
【0032】
購入者端末3-1乃至3-nは、購入者U1乃至Unの夫々が操作する情報処理装置でる。即ち、図1においては、2人の購入者U1及びU2を図示していたが、n人の購入者U1乃至Unが本サービスを利用してもよい。なお、n人の購入者U1乃至Unの夫々は、上述の複数の提供者Pの夫々のいずれかによる商品等G-uに紐づいたNFTを購入することができる。即ち、あるNFTに注目した時、購入者U1乃至Unのうち実際にそのNFTを購入していない者は、潜在的な購入者である。
【0033】
ブロックチェーンノード4-1乃至4-mは、ブロックチェーンに係る情報処理として、ブロックの生成や、ブロックの記憶を行う情報処理装置である。ブロックチェーンノード4-1乃至4-mは、相互にインターネット等の所定のネットワークNWを介して通信することでブロックチェーンネットワークBCNを構成する。
【0034】
図3は、図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0036】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0037】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0038】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば図2のユーザ端末2や管理者端末3)との間で通信を行う。
【0039】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0040】
なお、図示はしないが、図2のユーザ端末2も、図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、ユーザ端末2のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0041】
このような図3のサーバ1を含む図2の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、上述の図1の本サービスを実現するための各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザに対して上述の本サービスを提供することができる。
【0042】
図4は、図2の情報処理システムに含まれる図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
なお、以下の図4の説明においては、図1と同様に購入者U1及びU2がNFT(即ち権利)を売買するものとする。そこで、図4においては、購入者端末3-1乃至3-nのうち、購入者端末3-1及び3-2のみが図示されている。
【0043】
図4に示すように、図1に示すステップST1乃至ST5の発売前の商品等G-uに紐づくNFTの発行からNFTの購入ののち権利行使による商品等の提供までの処理に際し、サーバ1のCPU11においては、ブロックチェーン管理部51と、権利管理部52と、取引所提供部53と、対価配分部54とが機能する。
【0044】
ブロックチェーン管理部51は、ブロックチェーンネットワークBCNに、NFTの発行、譲渡、その対価の支払い等に関する情報を、ブロックチェーン技術を用いて管理させる。
【0045】
権利管理部52は、商品等Gに対する支払額V1の支払いを条件として提供者Pから商品等G-rを提供される権利であって、現在において行使できない未発売の商品の購入権や将来のある日時にサービスを提供される権利をNFTとして発行して管理させる。
具体的には例えば、権利管理部52は、ブロックチェーン管理部51を介して、提供者端末2の提供者Pによる操作に基づいて、商品等G-uに紐づくNFTの発行することで商品等G-rの提供を受ける権利を管理する。
【0046】
取引所提供部53は、提供者P、購入者U1及び購入者U2との間において、の支払いを条件とした、NFT(即ち権利)の譲渡を行うための取引所であるNFTマーケットプレイスNMPを提供する。
例えば、NFTマーケットプレイスNMPは、ウェブサイトとして提供される。
【0047】
具体的には例えば、取引所提供部53は、購入者端末3-1及び3-2(並びに他の購入者端末)に、NFT(即ち権利)の価格として、仮想通貨V1が提示されたウェブサイトを提供する。
NFTマーケットプレイスNMPのウェブページを確認した購入者U-1は、購入者端末3-1を操作して、NFT(即ち権利)を購入することが出来る。
この場合、取引所提供部53は、権利管理部52等と協働して、上述の図1のステップST2に対応するように、NFT(即ち権利)の譲渡と、仮想通貨V1の支払い及び受取をさせる。
このようにして、提供者Pから購入者U1へのNFTの譲渡とその対価としての仮想通貨V1の支払いが行われる。
【0048】
また例えば、購入者U1はNFTをNFTマーケットプレイスNMPに仮想通貨V2の価格(即ち対価)で出品することができる。
具体的には例えば、取引所提供部53は、購入者端末3-2(並びに他の購入者端末)に、NFT(即ち権利)の価格として、仮想通貨V2が提示されたウェブサイトを提供する。
そして、NFTマーケットプレイスNMPのウェブページを確認した購入者U-2は、購入者端末3-2を操作して、NFT(即ち権利)を購入することが出来る。
この場合、取引所提供部53は、権利管理部52等と協働して、上述のステップST4に対応するように、NFT(即ち権利)の譲渡と、仮想通貨V2の支払い、配分、及び受取をさせる。
【0049】
対価配分部54は、仮想通貨V2の支払いを条件としてNFT(即ち権利)が譲渡されると、仮想通貨V2の一部である仮想通貨V2-bをロイヤリティとして提供者Pに配分する。
このような配分は、配分部54によってブロックチェーン管理部51を介して、ブロックチェーンネットワークBNCに設定された、スマートコントラクトにより実現される。
【0050】
このとき、配分は以下のようなものとすることが出来る。
即ち例えば対価配分部54は、購入者U1と購入者U2との間の売買における対価である仮想通貨V2と、提供者Pから商品等G-rの提供を受けるための対価である仮想通貨V1との差、即ち、二次流通市場での価格上昇分に基づいて決定されるように配分する。
具体的には例えば、価格が上昇した場合(仮想通貨V1<仮想通貨V2)、仮想通貨V2と仮想通貨V1の差に比例する額の仮想通貨V2-bをロイヤリティとすることができる。また例えば、価格が変動しない場合や、価格が下降した場合(仮想通貨V1≧仮想通貨V2)、仮想通貨V2-bはゼロとすることができる。
このようにして、購入者U1から購入者U2へのNFTの譲渡とその対価として仮想通貨V2-aの支払い、さらには、提供者Pへの仮想通貨V2-bの配分が行われる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0052】
即ち例えば、図1乃至図4における説明においては、ブロックチェーン技術を用いてNFTや仮想通貨の支払いを行うものとしたが、所定の分散型台帳技術を用いて管理してもよい。
【0053】
また、図2に示すシステム構成、及び図3に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0054】
また、図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した各種処理を全体として実行できる機能が図2の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図4の例に限定されない。
【0055】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図4に限定されず、任意でよい。
例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、ユーザ端末2側、又は図示せぬ他の情報処理装置に移譲してもよい。
例えば、上述の実施形態では、ユーザインターフェースは、所定のウェブサイトのウェブページとされていたため図4のような機能的構成が採用されている。例えば、ユーザインターフェースをユーザ端末2にインストールされるアプリケーションソフトウェアにより構成した場合には、サーバ1に存在する機能ブロックの少なくとも一部がユーザ端末2に移譲されることもある。
【0056】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0057】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0058】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0059】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0060】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、図4の情報処理システム)は、
第1対価(例えば、商品又は役務に対する支払額V1やその一部)の支払いを条件として商品又は役務の提供を提供者から提供される権利であって現在において行使できない当該権利(例えば、未発売の商品の購入権、将来のある日時にサービスを提供される権利)を管理させる(例えば、NTFとして発行させる)権利管理手段(例えば、権利管理部52)と、
第2対価(例えば、権利の売買時の支払額V2)の支払いを条件として前記権利が譲渡されると、当該第2対価の一部を提供者対価(例えば、ロイヤリティ)として前記提供者に配分する対価配分手段(例えば、対価配分部54)と、
を備える。
【0061】
前記対価配分手段は、前記第2対価及び前記第1対価の差(例えば、二次流通市場での価格上昇分)に基づいて(例えば、上昇した場合上昇分の所定割合や、下降した場合無し)前記提供者対価を決定する、
ことができる。
【0062】
前記第2対価の支払いを条件として前記権利の譲渡を行うための取引所を提供する取引所提供手段(例えば、取引所提供部53)、
をさらに備えることができる。
【0063】
前記権利の所有者及び前記第2対価の支払いをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて管理させる台帳管理部(例えば、ブロックチェーン管理部51)、
をさらに備えることができる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・サーバ、2・・・提供者端末、3、3-1乃至3-n・・・購入者端末、4、4-1乃至4-m・・・ブロックチェーンノード、BCN・・・ブロックチェーンノード、11・・・CPU、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、51・・・ブロックチェーン管理部、52・・・権利管理部、53・・・取引所提供部、54・・・対価配分部
図1
図2
図3
図4