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特開2024-179644鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラム
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  • 特開-鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179644
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20241219BHJP
   E02D 27/12 20060101ALI20241219BHJP
   E02D 27/34 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/08
E02D27/12 Z
E02D27/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098650
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓
(72)【発明者】
【氏名】阿形 淳
(72)【発明者】
【氏名】妙中 真治
(72)【発明者】
【氏名】日下 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】久積 和正
(72)【発明者】
【氏名】柳 悦孝
(72)【発明者】
【氏名】内藤 彩乃
【テーマコード(参考)】
2D046
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2D046CA01
2D046DA11
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を簡便に評価することができ、幾度もの仕様変更に対して迅速に対応できる。
【解決手段】土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価する鋼管杭の耐震性能の評価方法であって、鋼管杭の基準化径厚比と、杭の特性値から構成される指標(1)を乗じて用いる鋼管杭の耐震性能の評価方法を提供する。ここで、指標(1)において、β(上バー)は無次元化した杭の特性値(m単位で無次元化)、Dは鋼管杭の外径、tは鋼管杭の板厚、σは鋼管杭の降伏点、Eは鋼管杭のヤング率、a、bは定数である。
[数1]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価する鋼管杭の耐震性能の評価方法であって、
前記鋼管杭の基準化径厚比と、杭の特性値から構成される指標(1)を乗じて用いる鋼管杭の耐震性能の評価方法。
ここで、指標(1)において、
β(上バー)は無次元化した杭の特性値(m単位で無次元化)、Dは前記鋼管杭の外径、tは前記鋼管杭の板厚、σは前記鋼管杭の降伏点、Eは前記鋼管杭のヤング率、a、bは定数である。
【数1】
【請求項2】
数式(2)で定義される前記鋼管杭の終局状態までの変形性能μを評価し、
前記指標(1)と前記数式(2)を使用した数式(3)を用いる、請求項1に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
ここで、δは終局状態の杭頭水平変位、δは杭体降伏時の杭頭水平変位、c、d、eは定数である。
【数2】
【請求項3】
前記数式(3)において、
定数aは、-3≦a≦1の範囲を満たし、
定数bは、0.5≦b≦3.5の範囲を満たす、請求項2に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
【請求項4】
前記数式(3)において、
定数cは、0.80≦c≦0.97の範囲を満たし、
定数dは、-0.21≦d≦-0.16の範囲を満たし、
定数eは、-0.2≦e≦0.2の範囲を満たす、請求項2に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
【請求項5】
数式(4)で定義される前記鋼管杭の終局状態までの耐力性能λを評価し、
前記指標(1)と前記数式(4)を使用した数式(5)を用いる、請求項1に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
ここで、Pは終局状態の水平耐力、Pは杭体降伏時の水平耐力、c、d、eは定数である。
【数3】
【請求項6】
前記数式(5)において、
定数aは、-1≦a≦3の範囲を満たし、
定数bは、0.5≦b≦3.5の範囲を満たす、請求項5に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
【請求項7】
前記数式(5)において、
定数cは、0.92≦c≦1.07の範囲を満たし、
定数dは、-0.06≦d≦-0.03の範囲を満たし、
定数eは、-0.06≦e≦0.06の範囲を満たす、請求項5に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
【請求項8】
前記指標(1)を使用した数式(6)を用いて前記鋼管杭の終局状態までのエネルギー吸収分担割合Epileを評価する、請求項1に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
ここで、c、d、eは定数である。
【数4】
【請求項9】
前記数式(6)において、
定数aは、-3≦a≦1の範囲を満たし、
定数bは、0.5≦b≦3.5の範囲を満たす、請求項8に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
【請求項10】
前記数式(6)において、
定数cは、29.47≦c≦34.73の範囲を満たし、
定数dは、-0.10≦d≦-0.06の範囲を満たし、
定数eは、-4.5≦e≦4.5の範囲を満たす、請求項8に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法。
【請求項11】
請求項2乃至10のいずれか1項に記載の鋼管杭の耐震性能の評価方法をコンピュータで実行する演算プログラムであって、
杭の特性値β(上バー)、前記鋼管杭の外径D、板厚t、降伏点σ、ヤング率Eを用いて前記指標(1)を計算するステップと、
前記数式(2)~前記数式(6)のいずれか一つ以上の計算式に基づき前記鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価するステップと、を実行する、演算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管杭は土木構造物や建築構造物の基礎杭として用いられる。近年の地震の激甚化および過去の地震に伴う基礎杭被害を踏まえて、実務設計において鋼管杭の終局状態までの耐震性能を扱うニーズが増えており、簡便に予測可能な評価方法が求められている。
【0003】
従来、気中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能は、例えば非特許文献1に示される参考数式(1)によって変形性能、参考数式(2)によって耐力性能が簡便に評価できることが知られている。すなわち、非特許文献1では、気中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を鋼材のパラメータを用いて数式表現している。
ここで、参考数式(1)、(2)において、θ95:最大耐力後に最大耐力の95%まで耐力低下した際の回転角(rad)、θpc:弾性限界回転量(rad)、Hmax:最大水平耐力(kN)、Hal:短期許容水平力(kN)、D:鋼管杭の外径(mm)、t:板厚(mm)、σ:杭の降伏点(N/mm)、E:杭のヤング率(N/mm)、(D/t)×(σ/E):基準化径厚比である。
【0004】
【数1】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】津田惠吾,松井千秋、「一定軸力と変動水平力を受ける円形鋼管柱の弾塑性性状」、日本建築学会構造系論文集、第505号、pp.131-138、1998.3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した非特許文献1に示されるような従来の鋼管杭の耐震性能の評価方法では、以下のような課題があった。
上記の非特許文献1は、気中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を鋼材のパラメータを用いて数式表現した評価式を用いる評価方法であって、土中における評価にはなっていない。すなわち、杭基礎としての鋼管杭の耐震性能を評価する場合には、実際の鋼管杭の使用環境である土中において、杭頭に水平力(地震力)を受ける場合を考える必要がある。
土中では気中とは異なり、鋼管杭と地盤が力学的に相互に影響し合う複雑な挙動を示すことから、従来では実験や詳細な数値解析によってのみしか鋼管杭の終局状態までの耐震性能を予測できない問題があった。このような実験や詳細な数値解析による評価方法では、実務設計における幾度もの仕様変更に迅速に対応することが困難であった。そのため、杭と地盤の仕様に応じた鋼管杭の終局状態までの耐震性能を簡便に予測可能な評価方法が望まれている。
【0007】
本発明は、上述する問題点を鑑みてなされたもので、土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を杭と地盤の仕様から決まる簡便な指標を用いて予測することができ、幾度もの仕様変更に対して迅速に対応できる鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る鋼管杭の耐震性能の評価方法の態様1は、土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価する鋼管杭の耐震性能の評価方法であって、前記鋼管杭の基準化径厚比と、杭の特性値から構成される指標(1)を乗じて用いることを特徴としている。
ここで、指標(1)において、β(上バー)は無次元化した杭の特性値(m単位で無次元化)、Dは前記鋼管杭の外径、tは前記鋼管杭の板厚、σは前記鋼管杭の降伏点、Eは前記鋼管杭のヤング率、a、bは定数である。
【0009】
【数2】
【0010】
(2)本発明の態様2は、態様1の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、数式(2)で定義される前記鋼管杭の終局状態までの変形性能μを評価し、前記指標(1)と前記数式(2)を使用した数式(3)を用いることを特徴としてもよい。ここで、δは終局状態の杭頭水平変位、δは杭体降伏時の杭頭水平変位、c、d、eは定数である。
【0011】
【数3】
【0012】
(3)本発明の態様3は、態様2の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記数式(3)において、定数aは、-3≦a≦1の範囲を満たし、定数bは、0.5≦b≦3.5の範囲を満たすことが好ましい。
【0013】
(4)本発明の態様4は、態様2又は態様3の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記数式(3)において、定数cは、0.80≦c≦0.97の範囲を満たし、定数dは、-0.21≦d≦-0.16の範囲を満たし、定数eは、-0.2≦e≦0.2の範囲を満たすことが好ましい。
【0014】
(5)本発明の態様5は、態様1の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、数式(4)で定義される前記鋼管杭の終局状態までの耐力性能λを評価し、前記指標(1)と前記数式(4)を使用した数式(5)を用いることを特徴としてもよい。ここで、Pは終局状態の水平耐力、Pは杭体降伏時の水平耐力、c、d、eは定数である。
【0015】
【数4】
【0016】
(6)本発明の態様6は、態様5の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記数式(5)において、定数aは、-1≦a≦3の範囲を満たし、定数bは、0.5≦b≦3.5の範囲を満たすことが好ましい。
【0017】
(7)本発明の態様7は、態様5又は態様6の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記数式(5)において、定数cは、0.92≦c≦1.07の範囲を満たし、定数dは、-0.06≦d≦-0.03の範囲を満たし、定数eは、-0.06≦e≦0.06の範囲を満たすことが好ましい。
【0018】
(8)本発明の態様8は、態様1の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記指標(1)を使用した数式(6)を用いて前記鋼管杭の終局状態までのエネルギー吸収分担割合Epileを評価することを特徴としてもよい。ここで、c、d、eは定数である。
【0019】
【数5】
【0020】
(9)本発明の態様9は、態様8の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記数式(6)において、定数aは、-3≦a≦1の範囲を満たし、定数bは、0.5≦b≦3.5の範囲を満たすことが好ましい。
【0021】
(10)本発明の態様10は、態様8又は態様9の鋼管杭の耐震性能の評価方法において、前記数式(6)において、定数cは、29.47≦c≦34.73の範囲を満たし、定数dは、-0.10≦d≦-0.06の範囲を満たし、定数eは、-4.5≦e≦4.5の範囲を満たすことが好ましい。
【0022】
(11)本発明に係る演算プログラムの態様11は、態様2から態様10のいずれか一つの鋼管杭の耐震性能の評価方法をコンピュータで実行する演算プログラムであって、杭の特性値β(上バー)、前記鋼管杭の外径D、板厚t、降伏点σ、ヤング率Eを用いて前記指標(1)を計算するステップと、前記数式(2)~数式(6)のいずれか一つ以上の計算式に基づき前記鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価するステップと、を実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラムによれば、土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を簡便に予測することができ、幾度もの仕様変更に対して迅速に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態の評価値を設定するための解析に用いた解析モデルを示す図である。
図2】変形性能について本実施形態による評価値と解析値を示した図である。
図3】耐力性能について本実施形態による評価値と解析値を示した図である。
図4】鋼管杭のエネルギー吸収分担割合について本実施形態による評価値と解析値を示した図である。
図5】変形性能を従来の鋼材のみの指標で評価した場合の図である。
図6】耐力性能を従来の鋼材のみの指標で評価した場合の図である。
図7】鋼管杭のエネルギー吸収分担割合を従来の鋼材のみの指標で評価した場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態による鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラムについて、図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施形態による鋼管杭の耐震性能の評価方法は、土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を数式表現(評価式)し、この評価式を使用して耐震性能を評価する方法である。
【0027】
ここで、「終局状態」とは、鋼管杭の局部座屈により上部構造を支持できなくなり始める状態と定義する。具体的には、非特許文献2(「建築基礎構造設計指針、2019」、日本建築学会)に記載の既往の圧縮軸力を受ける円形鋼管の座屈実験結果およびスパイラル鋼管の短柱圧縮実験結果における最大荷重時の鋼管ひずみの下限値であり、局部座屈発生ひずみを安全側に評価するとされている限界ひずみεが鋼管杭外縁に生じた時点を終局状態とする。なお、限界ひずみεは、鋼管杭の外径D(mm)と板厚t(mm)を用いた数式(7)で表される。
【0028】
【数6】
【0029】
(指標)
土中においては鋼管杭と地盤が力学的に複雑に影響し合うことから、鋼管杭の終局状態までの耐震性能の評価に当たっては、鋼管杭の特性に加え、地盤の特性を適切に考慮することが有効である。本実施形態による鋼管杭の耐震性能の評価方法は、鋼管杭の特性を表すパラメータである基準化径厚比(数式(8))と鋼管杭と地盤の両者の特性を考慮したパラメータ(数式(9))である杭の特性値β(上バー)を累乗演算で取り入れた指標(1)を用いる。
ここで、β(上バー)は無次元化した杭の特性値(m単位で無次元化)、σは鋼管杭の降伏点(N/mm)、Eは鋼管杭のヤング率(N/mm)、kは水平地盤反力係数(N/mm)、Iは鋼管杭の断面二次モーメント(mm)、a、bは定数である。
【0030】
【数7】
【0031】
【数8】
【0032】
β(上バー)を構成する水平地盤反力係数kの算定に当たっては公知の方法を用いることができる。例えば、日本建築学会の「建築基礎構造設計指針」(一般社団法人 日本建築学会:建築基礎構造設計指針,p178~p283,2019年)、日本道路協会の「道路橋示方書・同解説 IV下部構造編」(公益社団法人 日本道路協会:道路橋示方書・同解説 IV下部構造編,p226~p316,2017年)、鉄道総合技術研究所の「鉄道構造物等設計標準・同解説 基礎構造物」(公益財団法人 鉄道総合技術研究所:鉄道構造物等設計標準・同解説 基礎構造物,p247~p330,2012年)、日本港湾協会の「港湾の施設の技術上の基準・同解説(中巻)」(公益社団法人 日本港湾協会:港湾の施設の技術上の基準・同解説(中巻),p675~p744,2018年),Francis(フランシス)の式(Francis,A.J.:Analysis of Pile Groups with Flexural Resistance,Journal of the Soil Mechanics and Foundations Division,ASCE,Vol.90,Issue3,pp.10-32,1964)、岸田・中井の方法(岸田英明,中井正一:地盤の破壊を考慮した杭の水平抵抗,日本建築学会論文報告集,第281号,pp.41-55,1979.7)、その他各団体(国土交通省,土木学会,地盤工学会など)の提示する方法などがある。
【0033】
[算定方法の例示:岸田・中井の方法]
水平地盤反力係数kの算定の一例として、上記岸田・中井の方法(岸田英明,中井正一:地盤の破壊を考慮した杭の水平抵抗,日本建築学会論文報告集,第281号,pp.41-55,1979.7)の算定方法を使用すると、以下のように算定できる。
【0034】
水平地盤反力係数kをFrancisの提案による数式(10)で与え、地盤の変形係数Eは数式(11)で評価する。
【0035】
【数9】
【0036】
ここで、k:水平地盤反力係数(kN/m)、E:地盤の変形係数(kN/m)、D:鋼管杭の外径(m)、N:地盤のN値、E:鋼管杭のヤング率(kN/m)、I:鋼管杭の断面二次モーメント(m)、ν:地盤のポアソン比である。
【0037】
[算定方法の例示:建築基礎構造設計指針の方法]
また、上記建築基礎構造設計指針の算定方法を使用すると、以下のように算定できる。
【0038】
水平地盤反力係数kを数式(12)、(13)、(14)で与え、地盤の変形係数Eは数式(15)で評価する。
【0039】
【数10】
【0040】
ここで、kh0:基準水平地盤反力係数(kN/m)、k:水平地盤反力係数(kN/m)、E:地盤の変形係数(kN/m)、D:鋼管杭の外径(m)、D:鋼管杭の外径の基準値(=0.01m)、y:杭の水平変位(m)、y:杭の基準水平変位(=0.01m)、N:地盤のN値である。
【0041】
これにより、鋼管杭と地盤の相互の力学的影響を適切に評価することが可能となる。そして、非常に簡便な指標(1)を用いた数式によって土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能(後述する変形性能μ、耐力性能λ、鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epile)の予測を可能とした評価方法である。
【0042】
(終局状態の変形性能μ)
土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能のうち、終局状態の変形性能μは、数式(2)で定義でき、この数式(2)及び上記指標(1)を用いた数式(3)(以下、評価式(3)とする)によって簡便に予測できる。
ここで、δは終局状態の杭頭水平変位(mm)、δは杭体降伏時の杭頭水平変位(mm)、c、d、eは定数である。
【0043】
【数11】
【0044】
評価式(3)の各定数a、b、c、d、eにおいて、それぞれ-3≦a≦1、0.5≦b≦3.5、0.80≦c≦0.97、-0.21≦d≦-0.16、-0.2≦e≦0.2の範囲を満たすことで、地盤の不確実性、施工誤差などその他の影響があった場合においても終局状態の変形性能μを適切に評価することができる。
なお、評価式(3)では、a=-1、b=2、c=0.89、d=-0.19、e=0であることが最も好ましい。
【0045】
(終局状態の耐力性能λ)
土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能のうち、終局状態の耐力性能λは、数式(4)で定義でき、この数式(4)及び上記指標(1)を用いた数式(5)(以下、評価式(5)とする)によって簡便に予測できる。
ここで、Pは終局状態の水平耐力(kN)、Pは杭体降伏時の水平耐力(kN)、c、d、eは定数である。
【0046】
【数12】
【0047】
評価式(5)の各定数a、b、c、d、eにおいて、それぞれ-1≦a≦3、0.5≦b≦3.5、0.92≦c≦1.07、-0.06≦d≦-0.03、-0.06≦e≦0.06の範囲を満たすことで、地盤の不確実性、施工誤差などその他の影響があった場合においても終局状態の耐力性能λを適切に評価することができる。
なお、評価式(5)では、a=1、b=2、c=0.99、d=-0.05、e=0であることが最も好ましい。
【0048】
(終局状態の鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epile
土中においては地震エネルギーを鋼管杭と地盤の両者で吸収するが、土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能のうち、終局状態の鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epile(全エネルギー(鋼管杭のエネルギー吸収量と地盤のエネルギー吸収量の総和)に占める鋼管杭のエネルギー吸収割合)(%)は、上記指標(1)を用いた数式(6)(以下、評価式(6)とする)によって簡便に予測できる。ここで、c、d、eは定数である。
【0049】
【数13】
【0050】
評価式(6)の各定数a、b、c、d、eにおいて、それぞれ-3≦a≦1、0.5≦b≦3.5、29.47≦c≦34.73、-0.10≦d≦-0.06、-4.5≦e≦4.5の範囲を満たすことで、地盤の不確実性、施工誤差などその他の影響があった場合においても終局状態の鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを適切に評価することができる。
なお、評価式(6)では、a=-1、b=2、c=32.00、d=-0.08、e=0であることが最も好ましい。
【0051】
上述した鋼管杭の耐震性能の評価方法は、演算プログラムによってコンピュータで実行されてもよい。すなわち、演算プログラムは、杭の特性値β(上バー)、鋼管杭の外径D、板厚t、降伏点σ、ヤング率Eを用いて上述した指標(1)を計算するステップと、数式(2)~数式(6)のいずれか一つ以上の計算式に基づき鋼管杭の耐震性能を評価するステップと、を実行する。
【0052】
上述した鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラムでは、鋼管杭の特性に加え、地盤の特性を適切に考慮した指標(1)、すなわち鋼材と地盤のパラメータを用いて数式表現した有効的な指標(1)を使用した評価方法であるので、実際の使用環境である土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を精度よく、かつ迅速に予測することができる。
【0053】
そして、鋼管杭と地盤の仕様から決まる簡便な指標(1)を用いた評価式(3)、評価式(5)、評価式(6)によって、土中における鋼管杭の終局状態までの変形性能μ、耐力性能λ、および鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを簡便に予測することができる。鋼管杭の終局状態までの耐震性能を考慮した実務設計においても、本実施形態の評価方法を用いることで、幾度もの仕様変更に対しても迅速に対応することができる。
【0054】
次に、上述した実施形態の鋼管杭の耐震性能の評価方法における各評価式について、さらに具体的に説明する。すなわち、ここでは、以下の解析を行うことで、鋼管杭の特性を表すパラメータである基準化径厚比(D/t)・(σ/E)と、鋼管杭と地盤の両者の特性を考慮したパラメータである杭の特性値β(上バー)と、を累乗演算で取り入れた上記指標(1)を用いることで、簡便な数式(評価式)で評価できることを見出した。
【0055】
図1は、解析を行う鋼管杭10の解析モデル1を示す図である。
解析は、解析モデル1を使用し、鋼管杭10の杭頭10aの水平変位(図1に示す矢印F)を漸増させる静的プッシュオーバー解析で行った。鋼管杭10は、梁要素11(Fiberモデル)、地盤はばね要素12でモデル化している。鋼管杭10は深度方向に200mm間隔で分割して節点を設け、それぞれの節点に地盤ばね12を接続した。鋼管杭10の杭長Hは、半無限長の長い杭の条件になるように十分に長い100mに設定した。杭頭10aは回転固定条件とし、杭下端10bは水平ピンローラー13による境界条件とした。
【0056】
地盤ばねの水平地盤反力-水平変位関係と塑性水平地盤反力度は、岸田・中井の提案方法(岸田英明,中井正一:地盤の破壊を考慮した杭の水平抵抗、日本建築学会論文報告集、第281号,pp.41-55,1979.7)で評価している。これは水平地盤反力pの初期剛性である水平地盤反力係数kをFrancisの提案(Francis,A.J.:Analysis of Pile Groups with Flexural Resistance,Journal of the Soil Mechanics and Foundations Division,ASCE,Vol.90,Issue3,pp.10-32,1964)による数式(10)で与え、塑性水平地盤反力度pに達した点を折れ点とするバイリニア型の評価方法である。地盤の変形係数Eは、数式(11)で評価している。塑性水平地盤反力度pは、数式(16)のように、各深度において数式(17)と数式(18)の値を比較して小さい方を採用している。地盤の内部摩擦角φは、数式(19)に示す大崎の式(大崎順彦:「東京地盤図」,技報堂出版,pp.18-19,1959)で評価している。静止土圧係数Kは、数式(20)に示すヤーキーの式で評価している。
【0057】
【数14】
【0058】
【数15】
【0059】
【数16】
【0060】
【数17】
【0061】
ここで、k:水平地盤反力係数(kN/m)、E:地盤の変形係数(kN/m)、D:鋼管杭の外径(m)、N:地盤のN値、E:鋼管杭のヤング率(kN/m)、I:鋼管杭の断面二次モーメント(m)、ν:地盤のポアソン比(砂質土として0.33で仮定)、p:水平地盤反力(kN/m)、p:塑性水平地盤反力度(kN/m)、γ’:地盤の有効単位体積重量(kN/m)、z:深度(m)、K:静止土圧係数(=1-sinφとした)、K:主働土圧係数(=(1-sinφ)/(1+sinφ))、φ:内部摩擦角(°)、α、β:くさびの角度(砂質土としてα=φ/2、β=π/4+φ/2)である。
【0062】
このような解析モデル1の条件において、異なる4ケースの鋼管杭の外径(D=400mm,800mm,1200mm,1600mm)、異なる3ケースの径厚比(D/t=25,50,75)、異なる3ケースの地盤N値(5,10,15)のそれぞれを組み合わせた全36ケースで解析を行った。このように36ケースで解析することで、一般的な鋼管杭の使用範囲を広く網羅する検討とした。そして、このような36ケースの解析の結果として得られた変形性能μ、耐力性能λ、および鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを解析値とし、それぞれにおける評価式を求める。
【0063】
図2は、本実施形態による評価値と解析値による変形性能μを示した図である。図2において、横軸を上述した指標(1)とし、縦軸を変形性能μとしている。図2に示す36個のプロットは、36ケースの解析値を示している。図2において、曲線は最小二乗法による累乗型の近似式であり、指標(1)により土中における鋼管杭の終局状態までの変形性能μが概ね一意的に評価されている。そのため、本実施形態では、図2で算出した近似式を変形性能μを定義するための評価式(上記評価式(3))とした。
【0064】
図3は、本実施形態による評価値と解析値による耐力性能λを示した図である。図3において、横軸を上述した指標(1)とし、縦軸を耐力性能λとしている。図3に示す36個のプロットは、36ケースの解析値を示している。図3において、曲線は最小二乗法による累乗型の近似式であり、指標(1)により土中における鋼管杭の終局状態までの耐力性能λが概ね一意的に評価されている。そのため、本実施形態では、図3で算出した近似式を耐力性能λを定義するための評価式(上記評価式(5))とした。
【0065】
図4は、本実施形態による評価値と解析値による鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを示した図である。図4において、横軸を上述した指標(1)とし、縦軸を鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epile(%)としている。図4に示す36個のプロットは、36ケースの解析値を示している。図4において、曲線は最小二乗法による累乗型の近似式であり、指標(1)により土中における鋼管杭の終局状態までの鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileが概ね一意的に評価されている。そのため、本実施形態では、図4で算出した近似式を鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを定義するための評価式(上記評価式(6))とした。
【0066】
ここで、評価式(3)、評価式(5)、評価式(6)の定数の数値範囲は、解析値を包含する範囲としている。また、評価式(3)、評価式(5)、評価式(6)の最も好ましい数値は、評価値と解析値との最小二乗法による残差が最小となる数値としている。
【0067】
図2に示すように、変形性能μによる評価式(3)は、例えば指標(1)が0.06より大きい範囲で変形性能をわずかに低く見積もる傾向があり、0.02~0.03の範囲で変形性能をわずかに高く見積もる傾向がある。このような傾向を考慮して、評価式(3)の定数a,b,c,d,eの値を設定できる。すなわち、評価式(3)の定数a、b、c、d、eは、それぞれ-3≦a≦1、0.5≦b≦3.5、0.80≦c≦0.97、-0.21≦d≦-0.16、-0.2≦e≦0.2の範囲に設定できる。さらに、定数a、b、c、d、eの最も好ましい値は、それぞれa=-1、b=2、c=0.89、d=-0.19、e=0に設定できる。このように評価式(3)の定数a,b,c,d,eの値として最も好ましい数値を用いた場合は、指標(1)がどのような範囲であっても平均的に良い精度で変形性能を評価できる。
【0068】
図3に示すように、耐力性能λによる評価式(5)は、例えば指標(1)が0.007より大きい範囲で耐力性能をわずかに低く見積もる傾向があり、0.0008~0.0025の範囲で変形性能をわずかに高く見積もる傾向がある。このような傾向を考慮して、評価式(5)の定数a,b,c,d,eの値を設定できる。すなわち、評価式(5)の定数a、b、c、d、eは、それぞれ-1≦a≦3、0.5≦b≦3.5、0.92≦c≦1.07、-0.06≦d≦-0.03、-0.06≦e≦0.06の範囲に設定できる。さらに、各定数a、b、c、d、eの最も好ましい値は、それぞれa=1、b=2、c=0.99、d=-0.05、e=0に設定できる。このように評価式(5)の定数a、b、c、d、eの値として最も好ましい数値を用いた場合は、指標(1)がどのような範囲であっても平均的に良い精度で耐力性能を評価できる。
【0069】
図4に示すように、鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileによる評価式(6)の定数a、b、c、d、eは、それぞれ-3≦a≦1、0.5≦b≦3.5、29.47≦c≦34.73、-0.10≦d≦-0.06、-4.5≦e≦4.5の範囲に設定できる。さらに、各定数a、b、c、d、eの最も好ましい値は、それぞれa=-1、b=2、c=32.00、d=-0.08、e=0に設定できる。このように評価式(6)の定数a、b、c、d、eの値として最も好ましい数値を用いた場合は、指標(1)がどのような範囲であっても平均的に良い精度で鋼管杭のエネルギー吸収分担割合を評価できる。
【0070】
次に、上述した実施形態による鋼管杭の耐震性能の評価方法の効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
【0071】
(実施例)
実施例は、上述した実施形態の鋼管杭の耐震性能の評価方法の妥当性を検証した一例である。実施例では、土中における鋼管杭の終局状態までの変形性能μ、耐力性能λ、および鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileについて、従来の指標と実施形態の指標(上記指標(1))で評価したものを図化し、従来と実施形態のそれぞれを評価した。ここで、本実施例では、実施形態の指標(上記指標(1))で評価した図として、上述した実施形態で説明した図2図4を使用する。
【0072】
図5図7は、土中における鋼管杭の終局状態までの耐震性能を、従来指標で評価した場合を図化したものである。図5は、変形性能μを従来の鋼材のみの指標で評価した場合の図である。図6は、耐力性能λを従来の鋼材のみの指標で評価した場合の図である。図7は、鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを従来の鋼材のみの指標で評価した場合の図である。図5図7は、それぞれ横軸を鋼管杭の特性を表すパラメータである基準化径厚比(D/t)・(σ/E)とし、縦軸を図5において変形性能μとし、図6において耐力性能λとし、図7において鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileとした図である。
【0073】
土中における鋼管杭の終局状態までの変形性能μについて、従来と実施形態のそれぞれの指標で評価する。図5に示すように、従来の鋼材の指標で評価した場合には、地盤の影響を考慮できていないことから、横軸の一つの値に対して、縦軸の変形性能が一意的に定まらないことがわかる。
これに対して、図2に示すように、実施形態による指標(上記指標(1))で評価した場合には、横軸の一つの値に対して、縦軸の変形性能が一意的に定まって対応していることから、変形性能μを評価するための評価式(3)の妥当性を確認できた。
【0074】
次に、土中における鋼管杭の終局状態までの耐力性能λについて、従来と実施形態のそれぞれの指標で評価する。図6に示すように、従来の鋼材の指標で評価した場合には、地盤の影響を考慮できていないことから、横軸の一つの値に対して、縦軸の耐力性能が一意的に定まらないことがわかる。
これに対して、図3に示すように、実施形態による指標(上記指標(1))で評価した場合には、横軸の一つの値に対して、縦軸の耐力性能が一意的に定まって対応していることから、耐力性能λを評価するための評価式(5)の妥当性を確認できた。
【0075】
次に、土中における鋼管杭の終局状態までの鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epile(%)について、従来と実施形態のそれぞれの指標で評価する。図7に示すように、従来の鋼材の指標で評価した場合には、地盤の影響を考慮できていないことから、横軸の一つの値に対して縦軸の鋼管杭のエネルギー吸収分担割合が一意的に定まらないことがわかる。
これに対して、図4に示すように、実施形態による指標(上記指標(1))で評価した場合には、横軸の一つの値に対して、縦軸の鋼管杭のエネルギー吸収分担割合が一意的に定まって対応していることから、鋼管杭のエネルギー吸収分担割合Epileを評価するための評価式(6)の妥当性を確認できた。
【0076】
以上、本発明による鋼管杭の耐震性能の評価方法、および演算プログラムの実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【0077】
なお、単位については、上記に示す単位も含めて、構成する指標間で統一すれば別の単位系であっても構わない。例えば、単位について「N/mm」と「MPa」のような単位系だけでなく、「mm」と「m」のような統一も含む。また、異なる指標間(例えば「D」と「t」の間など)のみならず、同一指標間(「あるD」と「別のD」の間)でも対応を取ったものであればよい。
【0078】
また、本実施形態の鋼管杭の終局状態までの耐震性能の評価方法を実現するべく、コンピュータに対し、下記各ステップS1、S2を実行するための演算プログラムを供給し、そのコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納された前記演算プログラムに従って鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価することができる。ここで、演算プログラムは、杭の特性値β(上バー)、鋼管杭の外径D、板厚t、降伏点σ、ヤング率Eを用いて上述した指標(1)を計算する第1ステップS1と、上述した数式(2)~数式(6)のいずれか一つ以上の計算式に基づき鋼管杭の終局状態までの耐震性能を評価する第2ステップS2と、を実行する。
【0079】
また、上記の場合においては、演算プログラム自体が本実施形態の機能を実現することになる。その演算プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝播させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネット等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体(光ファイバ等の優先回線や無線回線等)を用いることができる。
【0080】
さらに、上記の演算プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかる演算プログラムを格納した記憶媒体を構成することもできる。かかる記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等の各種記録媒体を用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7