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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179653
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20241219BHJP
   F16K 49/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F16K31/06 305U
F16K49/00 A
F16K31/06 305K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098661
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
【テーマコード(参考)】
3H066
3H106
【Fターム(参考)】
3H066AA01
3H066BA37
3H106DA04
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC18
3H106DD05
3H106EE44
3H106GA01
3H106GB01
3H106GC19
3H106GC23
(57)【要約】
【課題】コイルを効率良く冷却すること。
【解決手段】電磁弁11とマニホールドベース12との間には、コイル51から生じる熱を吸熱するペルチェ素子85が介在されている。ペルチェ素子85によって吸熱された熱は、マニホールドベース12に放熱される。コイル51から生じる熱は、磁気フレーム56の第2延在壁56c及び伝熱部材87を介してペルチェ素子85の第1面85aから吸熱される。そして、ペルチェ素子85によって吸熱された熱が、ペルチェ素子85の第2面85bからマニホールドベース12に放熱される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディに形成された流路を切り換える弁体、及び前記弁体を移動させるソレノイドを備えている電磁弁と、
前記電磁弁が設置されるマニホールドベースと、を備え、
前記ソレノイドは、
コイルと、
固定鉄心と、
前記コイルに電力が供給されることで前記固定鉄心に発生する吸引力により前記固定鉄心に吸着されるプランジャと、
前記プランジャを前記固定鉄心から離間する方向へ付勢するプランジャばねと、を備え、
前記電磁弁は、前記プランジャの移動に伴い前記弁体が移動することにより、前記流路を切り換える電磁弁マニホールドであって、
前記マニホールドベースは、金属製であり、
前記電磁弁と前記マニホールドベースとの間には、前記コイルから生じる熱を吸熱するペルチェ素子が介在されており、
前記ペルチェ素子によって吸熱された熱は、前記マニホールドベースに放熱されることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記ソレノイドは、前記コイルの周囲で前記固定鉄心及び前記プランジャと協働して磁路を形成する磁気フレームを備え、
前記ペルチェ素子は、前記磁気フレームと熱的に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記磁気フレームと前記ペルチェ素子との間には、弾性変形可能な伝熱部材が介在されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項4】
前記マニホールドベースは、
前記ペルチェ素子が設置される素子設置面を有する基部と、
前記基部における前記素子設置面とは反対側に位置する面から突出する板状の複数のフィンと、を有していることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項5】
前記マニホールドベースは、前記電磁弁からの流体を外部へ排出する排出流路を有し、
前記排出流路から外部へ排出された流体が隣り合うフィン同士の間を流れることを特徴とする請求項4に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項6】
前記マニホールドベースは、前記電磁弁からの流体を外部へ排出する排出流路を有し、
前記各フィンには、前記排出流路の一部が貫通していることを特徴とする請求項4に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項7】
前記コイルに対して通電制御を行う制御回路を備え、
前記制御回路は、前記コイルへの通電と同期して前記ペルチェ素子への通電も行うことを特徴とする請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁マニホールドは、電磁弁と、マニホールドベースと、を備えている。マニホールドベースには、電磁弁が設置されている。電磁弁は、弁体、及びソレノイドを備えている。弁体は、電磁弁のボディに形成された流路を切り換える。ソレノイドは、弁体を移動させる。ソレノイドは、コイルと、固定鉄心と、プランジャと、プランジャばねと、を備えている。プランジャは、コイルに電力が供給されることで固定鉄心に発生する吸引力により固定鉄心に吸着される。プランジャばねは、プランジャを固定鉄心から離間する方向へ付勢する。そして、電磁弁は、プランジャの移動に伴い弁体が移動することにより、ボディの流路を切り換える。
【0003】
ところで、電磁弁の弁体の応答性を良好なものとするためには、固定鉄心に発生する吸引力を大きくする必要がある。固定鉄心に発生する吸引力を大きくするためには、コイルに供給される電力を大きくする必要がある。コイルに供給される電力が大きくなるほど、コイルから生じる熱が増大する。そこで、例えば特許文献1では、電磁弁全体を空冷することにより電磁弁を冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-113572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、電磁弁全体を空冷することにより電磁弁を冷却するだけでは、コイルが十分に冷却され難い。したがって、コイルを効率良く冷却することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための各態様を記載する。
[態様1]
ボディに形成された流路を切り換える弁体、及び前記弁体を移動させるソレノイドを備えている電磁弁と、
前記電磁弁が設置されるマニホールドベースと、を備え、
前記ソレノイドは、
コイルと、
固定鉄心と、
前記コイルに電力が供給されることで前記固定鉄心に発生する吸引力により前記固定鉄心に吸着されるプランジャと、
前記プランジャを前記固定鉄心から離間する方向へ付勢するプランジャばねと、を備え、
前記電磁弁は、前記プランジャの移動に伴い前記弁体が移動することにより、前記流路を切り換える電磁弁マニホールドであって、
前記マニホールドベースは、金属製であり、
前記電磁弁と前記マニホールドベースとの間には、前記コイルから生じる熱を吸熱するペルチェ素子が介在されており、
前記ペルチェ素子によって吸熱された熱は、前記マニホールドベースに放熱されることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【0007】
[態様2]
前記ソレノイドは、前記コイルの周囲で前記固定鉄心及び前記プランジャと協働して磁路を形成する磁気フレームを備え、
前記ペルチェ素子は、前記磁気フレームと熱的に結合されていることを特徴とする[態様1]に記載の電磁弁マニホールド。
【0008】
[態様3]
前記磁気フレームと前記ペルチェ素子との間には、弾性変形可能な伝熱部材が介在されていることを特徴とする[態様2]に記載の電磁弁マニホールド。
【0009】
[態様4]
前記マニホールドベースは、
前記ペルチェ素子が設置される素子設置面を有する基部と、
前記基部における前記素子設置面とは反対側に位置する面から突出する板状の複数のフィンと、を有していることを特徴とする[態様1]~[態様3]のいずれか1つに記載の電磁弁マニホールド。
【0010】
[態様5]
前記マニホールドベースは、前記電磁弁からの流体を外部へ排出する排出流路を有し、
前記排出流路から外部へ排出された流体が隣り合うフィン同士の間を流れることを特徴とする[態様4]に記載の電磁弁マニホールド。
【0011】
[態様6]
前記マニホールドベースは、前記電磁弁からの流体を外部へ排出する排出流路を有し、
前記各フィンには、前記排出流路の一部が貫通していることを特徴とする[態様4]に記載の電磁弁マニホールド。
【0012】
[態様7]
前記コイルに対して通電制御を行う制御回路を備え、
前記制御回路は、前記コイルへの通電と同期して前記ペルチェ素子への通電も行うことを特徴とする[態様1]~[態様6]のいずれか1つに記載の電磁弁マニホールド。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、コイルを効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態における電磁弁マニホールドを示す断面図である。
図2図2は、電磁弁マニホールドの正面図である。
図3図3は、電磁弁マニホールドの一部分を拡大して示す断面図である。
図4図4は、電磁弁マニホールドの一部分を拡大して示す断面図である。
図5図5は、変更例における電磁弁マニホールドを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、電磁弁マニホールドに具体化した一実施形態を図1図4にしたがって説明する。
<電磁弁マニホールドの概略構成>
図1及び図2に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11と、マニホールドベース12と、を備えている。図2に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11を複数備えている。複数の電磁弁11は、マニホールドベース12に対して、一方向に並んだ状態でマニホールドベース12に載置されている。なお、以下の説明では、複数の電磁弁11が並んでいる一方向を「複数の電磁弁11の並設方向」と記載する。このように、マニホールドベース12には、複数の電磁弁11が設置されている。
【0016】
<電磁弁>
図1に示すように、電磁弁11は、ボディ13を備えている。ボディ13は、弁ボディ14と、ハウジング15と、を有している。弁ボディ14は、長四角ブロック状である。弁ボディ14は、樹脂製である。したがって、弁ボディ14は、非磁性材料により形成されている。弁ボディ14は、マニホールドベース12に対向する対向面14aを有している。対向面14aは、平坦面状である。
【0017】
ハウジング15は、四角筒状である。ハウジング15は、樹脂製である。したがって、ハウジング15は、非磁性材料により形成されている。ハウジング15は、弁ボディ14の長手方向の第1端に連結されている。
【0018】
図3に示すように、ボディ13は、弁孔16を有している。弁孔16は、弁ボディ14に形成されている。弁孔16は、円孔状である。弁孔16の軸方向は、弁ボディ14の長手方向に一致している。
【0019】
弁孔16は、第1孔17、第2孔18、第3孔19、及び第4孔20を有している。第1孔17、第2孔18、第3孔19、及び第4孔20は、孔径がそれぞれ異なっている。第1孔17、第2孔18、第3孔19、及び第4孔20は、弁ボディ14におけるハウジング15とは反対側の端面からハウジング15に向けてこの順で配置されるとともに弁ボディ14の長手方向にそれぞれ延びている。第2孔18は、第1孔17よりも孔径が小さい。第3孔19は、第2孔18よりも孔径が小さい。第4孔20は、第2孔18及び第3孔19よりも孔径が大きく、且つ、第1孔17よりも孔径が小さい。
【0020】
第1孔17と第2孔18とは、第1段差面21によって接続されている。第1段差面21は、弁ボディ14の長手方向に対して直交する方向に延びる環状である。第2孔18と第3孔19とは、第2段差面22によって接続されている。第2段差面22は、弁ボディ14の長手方向に対して直交する方向に延びる環状である。第3孔19と第4孔20とは、第3段差面23によって接続されている。第3段差面23は、弁ボディ14の長手方向に対して直交する方向に延びる環状である。また、第1孔17における第2孔18とは反対側の端部は、雌ねじ孔24になっている。
【0021】
ボディ13は、供給ポート25、出力ポート26、及び排出ポート27を有している。供給ポート25、出力ポート26、及び排出ポート27は、弁ボディ14に形成されている。供給ポート25、出力ポート26、及び排出ポート27は、弁ボディ14の長手方向にこの順に並んで弁ボディ14に形成されている。供給ポート25は、弁ボディ14の長手方向において、出力ポート26よりもハウジング15とは反対側に位置している。排出ポート27は、弁ボディ14の長手方向において、出力ポート26よりもハウジング15寄りに位置している。本実施形態の電磁弁11は、3ポート電磁弁である。
【0022】
供給ポート25、出力ポート26、及び排出ポート27それぞれの第1端は、弁孔16に連通している。供給ポート25及び出力ポート26の第1端は、第1孔17に連通している。排出ポート27の第1端は、第2孔18に連通している。供給ポート25、出力ポート26、及び排出ポート27それぞれの第2端は、弁ボディ14の対向面14aに開口している。
【0023】
電磁弁11は、弁体28を備えている。弁体28は、弁孔16内に収容されている。弁体28は、弁孔16内を弁孔16の軸方向へ往復動可能である。本実施形態の弁体28は、ポペット弁である。
【0024】
電磁弁11は、プラグ29を備えている。プラグ29は、弁ボディ14に取り付けられている。プラグ29は、弁孔16におけるハウジング15とは反対側の端部を閉塞している。プラグ29は、円板状の端壁29aと、円筒状の周壁29bと、を有している。周壁29bは、端壁29aの外周部から延びている。周壁29bは、弁孔16の内周面に沿って延びている。プラグ29は、雄ねじ29cを有している。雄ねじ29cは、端壁29aの外周面に形成されている。雄ねじ29cは、雌ねじ孔24に螺合可能に構成されている。プラグ29は、雄ねじ29cが雌ねじ孔24に螺合されることにより、弁ボディ14の弁孔16に取り付けられている。プラグ29の端壁29aは、弁孔16におけるハウジング15とは反対側の端部を閉塞している。
【0025】
周壁29bは、供給ポート25における第1孔17への開口周囲を通過して、出力ポート26における第1孔17への開口周囲まで延びている。周壁29bの内側は、第1孔17に連通している。周壁29bにおける供給ポート25と対向する部分には、連通孔29hが形成されている。
【0026】
電磁弁11は、円環状の第1シール部材31を備えている。第1シール部材31は、周壁29bの外周面に装着されている。第1シール部材31は、第1孔17の内周面における供給ポート25と出力ポート26との間の部分と周壁29bの外周面との間をシールする。そして、第1シール部材31によって、第1孔17の内周面における供給ポート25と出力ポート26との間の部分と周壁29bの外周面との間を介した供給ポート25と出力ポート26との間の流体の洩れが規制されている。
【0027】
電磁弁11は、円環状の第2シール部材32を備えている。第2シール部材32は、周壁29bの外周面に装着されている。第2シール部材32は、第1孔17の内周面における供給ポート25よりも出力ポート26とは反対側の部分と周壁29bの外周面との間をシールする。そして、第2シール部材32によって、第1孔17の内周面における供給ポート25よりも出力ポート26とは反対側の部分と周壁29bの外周面との間を介した供給ポート25からの流体の洩れが規制されている。
【0028】
電磁弁11は、円環状の第1弁座33を備えている。第1弁座33は、プラグ29に設けられている。第1弁座33は、周壁29bの先端面から突出している。第1弁座33は、弁ボディ14の軸方向において第1段差面21と対向している。
【0029】
電磁弁11は、円環状の第2弁座34を備えている。第2弁座34は、弁ボディ14に設けられている。第2弁座34は、第1段差面21から第1弁座33に向けて突出している。第1弁座33及び第2弁座34は、弁ボディ14の軸方向で互いに向き合っている。第1孔17における第1弁座33と第2弁座34との間は、弁室35になっている。
【0030】
弁体28は、円柱状の軸部36と、円環状の大径部37と、を有している。大径部37は、軸部36の外周面から突出している。軸部36は、第4孔20から第3孔19及び第2孔18を通過して第1孔17内に突出している。軸部36の一部分は、プラグ29の周壁29b内に入り込んでいる。軸部36の外径は、第3孔19の孔径よりも僅かに小さい。軸部36の外周面は、弁体28が弁孔16の軸方向に移動する際に、第3孔19の内周面に摺接する。したがって、第3孔19の内周面は、弁体28が弁孔16の軸方向に移動する際に、弁体28における弁孔16の軸方向への移動をガイドするガイド面として機能している。
【0031】
弁体28は、弁部38を有している。弁部38は、ゴム製である。弁部38は、円環状である。弁部38は、大径部37の外周面を覆うように大径部37に装着されている。弁部38は、弁孔16の軸方向で第1弁座33及び第2弁座34の間に配置されている。したがって、弁部38は、弁室35内に収容されている。弁部38は、第1弁座33及び第2弁座34に対して接離可能になっている。
【0032】
電磁弁11は、軸部材39を備えている。軸部材39は、軸部36におけるプラグ29側の端面に取り付けられている。軸部材39は、プラグ29の周壁29b内に配置されている。軸部材39は、圧入部40と、大径部41と、軸部42と、を有している。大径部41は、圧入部40の外径よりも大径である。軸部42は、大径部41における圧入部40とは反対側の部位に連続している。そして、軸部材39は、圧入部40が、軸部36におけるプラグ29側の端面に形成された圧入孔36hに圧入されることにより、軸部36に取り付けられている。軸部材39は、弁体28と一体的に移動可能である。大径部41の外径は、周壁29bの内径よりも僅かに小さい。
【0033】
周壁29b内において、大径部41とプラグ29の端壁29aとの間はばね収容室43になっている。ばね収容室43には、弁体ばね44が収容されている。弁体ばね44は、大径部41とプラグ29との間に介在されている。弁体ばね44は、弁部38が第1弁座33から離間する方向へ軸部材39及び弁体28を付勢している。
【0034】
大径部41の外周面にはパッキン45が装着されている。パッキン45は、プラグ29の連通孔29hよりもプラグ29の端壁29a寄りに位置している。そして、パッキン45によって、大径部41の外周面と周壁29bの内周面との間を介した供給ポート25からばね収容室43への流体の洩れが規制されている。
【0035】
図4に示すように、ハウジング15は、端壁15aと、周壁15bと、を有している。周壁15bは、端壁15aの外周部から筒状に延びている。周壁15bの軸線は、弁孔16の軸線に一致している。端壁15aには、挿通孔15cが形成されている。挿通孔15cの軸線は、周壁15bの軸線に一致している。
【0036】
<ソレノイド>
電磁弁11は、ソレノイド50を備えている。ソレノイド50は、コイル51と、固定鉄心52と、プランジャ53と、プランジャばね54と、を備えている。固定鉄心52及びプランジャ53は、磁性材製である。ソレノイド50は、筒状のボビン55を備えている。ボビン55は、樹脂製である。したがって、ボビン55は、非磁性材料により形成されている。ボビン55は、ハウジング15内に収容されている。ボビン55には、コイル51が巻回されている。ボビン55の軸線は、ハウジング15の周壁15bの軸線に一致している。
【0037】
ソレノイド50は、磁気フレーム56を備えている。磁気フレーム56は、磁性材製である。磁気フレーム56は、ハウジング15に一体化されている。磁気フレーム56は、端壁56aと、第1延在壁56bと、第2延在壁56cと、を有している。端壁56aは、平板状である。端壁56aは、ハウジング15の端壁15aの内面に沿って延びている。端壁56aには、雌ねじ孔56dが形成されている。雌ねじ孔56dは、挿通孔15cの内側に位置している。雌ねじ孔56dの軸線は、挿通孔15cの軸線に一致している。
【0038】
第1延在壁56b及び第2延在壁56cは、長細平板状である。第1延在壁56b及び第2延在壁56cは、端壁56aから互いに平行に延びている。第1延在壁56b及び第2延在壁56cの長手方向は、周壁15bの軸方向に一致している。第1延在壁56b及び第2延在壁56cは、ボビン55及びコイル51の外側を通過している。第1延在壁56bは、ハウジング15の周壁15bに埋設されている。したがって、第1延在壁56bは、ハウジング15の周壁15bによって覆われている。第2延在壁56cは、ハウジング15の周壁15bによって覆われることなく外部へ露出している。各電磁弁11は、第2延在壁56cがマニホールドベース12側に位置する状態で、マニホールドベース12に対して配置されている。
【0039】
固定鉄心52は、ハウジング15内に収容されている。固定鉄心52は、軸部52aと、環状のフランジ部52bと、を有している。フランジ部52bは、軸部52aの端部から軸部52aの軸方向に対して直交する方向に突出している。軸部52aは、ボビン55の内側に対してハウジング15の端壁15a側から挿入されている。軸部52aの軸方向の長さは、ボビン55の軸方向の長さよりも短い。軸部52aにおけるフランジ部52bとは反対側の端面は平坦面状である。そして、軸部52aにおけるフランジ部52bとは反対側の端面は、プランジャ53が吸着される吸着面52eになっている。したがって、固定鉄心52は、プランジャ53が吸着される吸着面52eを有している。フランジ部52bの外周面には、雄ねじ52cが形成されている。雄ねじ52cは、磁気フレーム56の雌ねじ孔56dに螺合されている。
【0040】
プランジャ53は、柱状である。プランジャ53は、ボビン55の内側から弁ボディ14の弁孔16内に突出している。プランジャ53は、固定鉄心52よりも弁ボディ14寄りに位置している。プランジャ53の軸線は、固定鉄心52の軸部52aの軸線と一致している。プランジャ53における固定鉄心52側の端面53aは平坦面状である。プランジャ53の端面53aは、固定鉄心52の吸着面52eに面接触可能である。プランジャ53における固定鉄心52とは反対側の端面53bは、弁体28に接離可能である。
【0041】
ソレノイド50は、筒状の磁性コア57を備えている。磁性コア57は、磁気フレーム56の第1延在壁56b及び第2延在壁56c各々の先端側の内側に配置されている。磁性コア57は、プランジャ53の軸方向において、ボビン55よりも弁ボディ14寄りに位置している。磁性コア57の外周面は、第1延在壁56bの内面における先端側の部位、及び第2延在壁56cの内面における先端側の部位それぞれに接触している。プランジャ53は、磁性コア57の内側を通過している。
【0042】
プランジャ53の外周面における固定鉄心52とは反対側の端部には、環状の鍔部53fが突出している。鍔部53fは、弁孔16の第4孔20の内側に位置している。プランジャばね54は、磁性コア57とプランジャ53の鍔部53fとの間に介在されている。プランジャばね54の第1端は、磁性コア57の端面に支持されている。プランジャばね54の第2端は、プランジャ53の鍔部53fに支持されている。プランジャばね54は、プランジャ53の端面53aが固定鉄心52の吸着面52eに対して離間する方向へプランジャ53を付勢している。したがって、プランジャばね54は、プランジャ53を固定鉄心52から離間する方向へ付勢する。プランジャばね54の付勢力は、弁体ばね44の付勢力よりも大きい。
【0043】
電磁弁11は、カバー60を備えている。カバー60は、ハウジング15を覆うように弁ボディ14に取り付けられている。電磁弁11は、制御基板61を備えている。制御基板61は、カバー60内に収容されている。制御基板61は、コイル51に電気的に接続されている。そして、図示しない外部制御機器からの電力が制御基板61を介してコイル51に供給される。
【0044】
制御基板61は、制御回路62を有している。したがって、電磁弁マニホールド10は、制御回路62を備えている。制御回路62は、外部制御機器から制御基板61を介したコイル51への電力の供給を制御する。したがって、制御回路62は、コイル51に対して通電制御を行う。
【0045】
<マニホールドベース>
図1及び図2に示すように、マニホールドベース12は、四角ブロック状である。マニホールドベース12は、金属製である。マニホールドベース12は、例えば、アルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属によって形成されている。
【0046】
マニホールドベース12は、流路ブロック部70と、ヒートシンク部71と、を有している。図1に示すように、流路ブロック部70は、弁ボディ14が載置される載置面70aを有している。流路ブロック部70の載置面70aには、弁ボディ14が載置されている。流路ブロック部70の載置面70aと弁ボディ14の対向面14aとは互いに向き合っている。
【0047】
マニホールドベース12は、供給流路72、出力流路73、及び排出流路74を有している。供給流路72は、供給主流路72aと、複数の供給分配流路72bと、を有している。供給主流路72a及び各供給分配流路72bは、流路ブロック部70に形成されている。供給主流路72aは、流路ブロック部70の内部を複数の電磁弁11の並設方向に延びている。供給主流路72aには、図示しない流体供給源からの流体が流れている。各供給分配流路72bは、各電磁弁11に対応して1つずつ設けられている。各供給分配流路72bの第1端は、供給主流路72aに連通している。そして、各供給分配流路72bには、供給主流路72aを流れる流体がそれぞれ分配される。各供給分配流路72bの第2端は、流路ブロック部70の載置面70aに開口している。そして、各供給分配流路72bの第2端は、各電磁弁11の供給ポート25にそれぞれ連通している。供給主流路72aを流れる流体は、各供給分配流路72bを介して各電磁弁11の供給ポート25に供給される。
【0048】
出力流路73は、流路ブロック部70に複数形成されている。各出力流路73は、各電磁弁11に対応して1つずつ設けられている。各出力流路73の第1端は、流路ブロック部70の載置面70aに開口している。そして、各出力流路73の第1端は、各電磁弁11の出力ポート26にそれぞれ連通している。各出力流路73の第2端は、図示しない配管等を介して図示しない流体圧機器にそれぞれ接続されている。
【0049】
排出流路74は、複数の排出個別流路74aと、排出集合流路74bと、を有している。各排出個別流路74a及び排出集合流路74bは、流路ブロック部70に形成されている。排出集合流路74bは、流路ブロック部70の内部を複数の電磁弁11の並設方向に延びている。各排出個別流路74aは、各電磁弁11に対応して1つずつ設けられている。各排出個別流路74aの第1端は、流路ブロック部70の載置面70aに開口している。そして、各排出個別流路74aの第1端は、各電磁弁11の排出ポート27にそれぞれ連通している。各排出個別流路74aの第2端は、排出集合流路74bに連通している。そして、各電磁弁11の排出ポート27から排出される流体は、各排出個別流路74aを介して排出集合流路74bに排出される。
【0050】
図1及び図2に示すように、マニホールドベース12は、基部80と、複数のフィン81と、を有している。基部80及び複数のフィン81は、ヒートシンク部71を構成している。基部80及び複数のフィン81は、流路ブロック部70と一体形成されている。したがって、ヒートシンク部71は、流路ブロック部70と一体形成されている。
【0051】
図2に示すように、基部80は、平板状である。基部80は、複数の電磁弁11の並設方向に延びている。基部80の厚み方向の一方の面は、素子設置面80aになっている。したがって、基部80は、素子設置面80aを有している。素子設置面80aは、段差面80bを介して流路ブロック部70の載置面70aに連続している。素子設置面80aは、載置面70aよりも電磁弁11から離間した位置に配置されている。
【0052】
複数のフィン81は、平板状である。複数のフィン81は、基部80における素子設置面80aとは反対側に位置する面から突出している。複数のフィン81は、各々の厚み方向が一致した状態で、基部80における素子設置面80aとは反対側に位置する面から突出している。各フィン81の厚み方向は、複数の電磁弁11の並設方向に一致している。各フィン81は、各電磁弁11に対応した位置に1つずつ配置されている。各フィン81は、基部80の厚み方向で各電磁弁11と重なる位置にそれぞれ配置されている。
【0053】
図1及び図2に示すように、各フィン81には、貫通孔81hが形成されている。図1に示すように、各貫通孔81hの第1端は、排出集合流路74bに連通している。各貫通孔81hの第2端は、各フィン81における流路ブロック部70とは反対側の端面に開口している。そして、各電磁弁11の排出ポート27から排出される流体は、各排出個別流路74a、排出集合流路74b、及び各貫通孔81hを介して外部へ排出される。したがって、各貫通孔81hは、電磁弁11からの流体を外部へ排出する排出流路74の一部を構成している。そして、各フィン81には、排出流路74の一部が貫通している。
【0054】
電磁弁マニホールド10は、設置対象82に対して設置されている。電磁弁マニホールド10は、断熱材83を備えている。電磁弁マニホールド10は、マニホールドベース12が断熱材83を介して設置対象82に載置されることにより、設置対象82に対して設置されている。したがって、マニホールドベース12と設置対象82との間には、断熱材83が介在されている。
【0055】
<ペルチェ素子>
図4に示すように、電磁弁11とマニホールドベース12との間には、ペルチェ素子85が介在されている。ペルチェ素子85は、平板状である。ペルチェ素子85は、リード線86を介して制御基板61に電気的に接続されている。制御回路62は、コイル51への通電と同期してペルチェ素子85への通電も行う。制御基板61からコイル51への電力の供給が行われると、制御基板61からリード線86を介したペルチェ素子85への電力の供給も同期して行われる。一方で、制御基板61からコイル51への電力の供給が停止されると、制御基板61からリード線86を介したペルチェ素子85への電力の供給も同期して停止される。
【0056】
ペルチェ素子85は、例えば、P型半導体とN型半導体とが電気的に接続されることで構成されている。そして、ペルチェ素子85は、制御基板61から電力が供給されると、ペルチェ素子85の第1面85aが吸熱面として作用するとともにペルチェ素子85の第2面85bが放熱面として作用する。このようなペルチェ素子85は既に公知である。
【0057】
ペルチェ素子85は、素子設置面80aに設置されている。したがって、素子設置面80aには、ペルチェ素子85が設置される。ペルチェ素子85は、ペルチェ素子85の第2面85bが素子設置面80aに面接触した状態で素子設置面80aに設置されている。
【0058】
磁気フレーム56とペルチェ素子85との間には、伝熱部材87が介在されている。伝熱部材87は、弾性変形可能に構成されている。伝熱部材87は、例えば、ゴム部材である。伝熱部材87は、ペルチェ素子85の第1面85aに対して、例えば、接着剤等によって接合されている。ペルチェ素子85は、伝熱部材87を介して磁気フレーム56の第2延在壁56cの外面と熱的に結合されている。したがって、ペルチェ素子85は、磁気フレーム56と熱的に結合されている。
【0059】
コイル51から生じる熱は、磁気フレーム56の第2延在壁56c及び伝熱部材87を介してペルチェ素子85に伝達される。ペルチェ素子85は、制御基板61から電力が供給されている状態では、コイル51から生じる熱を、磁気フレーム56の第2延在壁56c及び伝熱部材87を介して第1面85aから吸熱する。したがって、ペルチェ素子85は、コイル51から生じる熱を吸熱する。そして、ペルチェ素子85によって吸熱された熱は、第2面85bからマニホールドベース12に放熱される。
【0060】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
制御回路62におけるコイル51に対する通電制御が行われて、制御基板61からコイル51へ電力が供給されると、コイル51が励磁される。コイル51が励磁されると、コイル51の周囲で固定鉄心52、磁気フレーム56、磁性コア57、及びプランジャ53を通過する環状の磁路が形成される。したがって、磁気フレーム56は、コイル51の周囲で固定鉄心52及びプランジャ53と協働して磁路を形成する。すると、コイル51の励磁作用により固定鉄心52に吸引力が発生する。そして、固定鉄心52に発生する吸引力がプランジャばね54の付勢力に打ち勝って、プランジャ53が固定鉄心52に向けて移動し、プランジャ53の端面53aが固定鉄心52の吸着面52eに吸着した状態となる。したがって、プランジャ53は、コイル51に電力が供給されることで固定鉄心52に発生する吸引力により固定鉄心52に吸着される。
【0061】
このプランジャ53の移動に伴い、軸部材39及び弁体28が、弁体ばね44の付勢力によって、弁部38が第1弁座33から離間する方向へ移動し、弁部38が第2弁座34に着座する。これにより、供給ポート25と出力ポート26とが、連通孔29h、周壁29bの内側、及び弁室35を介して連通し、出力ポート26と排出ポート27との連通が遮断される。したがって、弁体28は、供給ポート25と出力ポート26との連通を許容し、且つ、出力ポート26と排出ポート27との連通を遮断する第1切換状態となる。そして、流体供給源からの流体が、供給流路72、供給ポート25、連通孔29h、周壁29bの内側、弁室35、出力ポート26、及び出力流路73を介して流体圧機器に供給される。
【0062】
一方、制御基板61からコイル51への電力の供給が停止すると、コイル51の励磁作用により発生する固定鉄心52の吸引力が消滅する。そして、プランジャばね54の付勢力によって、プランジャ53の端面53aが固定鉄心52の吸着面52eから離間する方向へプランジャ53が移動する。さらに、プランジャばね54の付勢力が弁体ばね44の付勢力に打ち勝つことで、プランジャ53の端面53bが弁体28の軸部36に当接しながら、弁体28及び軸部材39を押圧する。そして、弁部38が第2弁座34から離間する方向へ移動して、弁部38が第1弁座33に着座する。これにより、出力ポート26と排出ポート27とが、弁室35及び第2孔18を介して連通し、供給ポート25と出力ポート26との連通が遮断される。したがって、弁体28は、供給ポート25と出力ポート26との連通を遮断し、且つ、出力ポート26と排出ポート27との連通を許容する第2切換状態となる。そして、流体圧機器からの流体が、出力流路73、出力ポート26、弁室35、第2孔18、排出ポート27、及び排出流路74を介して外部に排出される。
【0063】
このように、ソレノイド50は、弁体28を移動させる。弁体28は、ボディ13に形成された流路を切り換える。電磁弁11は、プランジャ53の移動に伴い弁体28が移動することにより、ボディ13に形成された流路を切り換える。
【0064】
ところで、このような電磁弁マニホールド10においては、電磁弁11の弁体28の応答性を良好なものとするためには、固定鉄心52に発生する吸引力を大きくする必要がある。固定鉄心52に発生する吸引力を大きくするためには、コイル51に供給される電力を大きくする必要がある。コイル51に供給される電力が大きくなるほど、コイル51から生じる熱が増大する。
【0065】
このとき、制御回路62におけるコイル51に対する通電制御が行われており、コイル51から熱が生じているときに、制御回路62におけるペルチェ素子85に対する通電制御が行われる。よって、コイル51から生じる熱が、磁気フレーム56の第2延在壁56c及び伝熱部材87を介してペルチェ素子85の第1面85aから吸熱される。そして、ペルチェ素子85によって吸熱された熱が、ペルチェ素子85の第2面85bからマニホールドベース12の基部80に放熱される。基部80に放熱された熱は、各フィン81に伝達されて各フィン81から外部へ放熱される。その結果、コイル51が効率良く冷却される。
【0066】
制御基板61からコイル51への電力の供給が停止すると、制御基板61からペルチェ素子85への電力の供給も停止される。すると、ペルチェ素子85の第1面85aからの吸熱が行われなくなる。このとき、各フィン81が排出流路74を流れる流体によって冷却される。したがって、マニホールドベース12に蓄積されている熱がマニホールドベース12から放熱される。
【0067】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)電磁弁11とマニホールドベース12との間には、コイル51から生じる熱を吸熱するペルチェ素子85が介在されている。ペルチェ素子85によって吸熱された熱は、マニホールドベース12に放熱される。これによれば、コイル51から生じる熱がペルチェ素子85によって吸熱されるとともに、ペルチェ素子85によって吸熱された熱が、マニホールドベース12に放熱されるため、コイル51を効率良く冷却することができる。
【0068】
(2)ペルチェ素子85は、磁気フレーム56と熱的に結合されている。これによれば、コイル51から生じる熱が磁気フレーム56を介してペルチェ素子85に効率良く伝達されるため、ペルチェ素子85によってコイル51から生じる熱を効率良く吸熱することができる。
【0069】
(3)磁気フレーム56とペルチェ素子85との間には、弾性変形可能な伝熱部材87が介在されている。これによれば、磁気フレーム56とペルチェ素子85との間で生じる寸法公差を伝熱部材87が弾性変形することにより吸収することができる。したがって、磁気フレーム56とペルチェ素子85とを伝熱部材87を介して確実に熱的に結合させることができるため、コイル51から生じる熱を磁気フレーム56を介してペルチェ素子85にさらに効率良く伝達させることができる。その結果、ペルチェ素子85によってコイル51から生じる熱をさらに効率良く吸熱することができる。
【0070】
(4)マニホールドベース12は、ペルチェ素子85が設置される素子設置面80aを有する基部80と、基部80における素子設置面80aとは反対側に位置する面から突出する板状の複数のフィン81と、を有している。これによれば、ペルチェ素子85によって吸熱された熱が、基部80及び各フィン81に伝達されて各フィン81から外部へ放熱される。このように、基部80における素子設置面80aとは反対側に位置する面から板状のフィン81が複数突出している構成は、マニホールドベース12の放熱面積を確保する上で好適な構成である。したがって、マニホールドベース12の放熱性の向上を図ることができるため、コイル51をさらに効率良く冷却することができる。
【0071】
(5)各フィン81には、排出流路74の一部が貫通している。これによれば、各フィン81が排出流路74を流れる流体によって冷却されるため、マニホールドベース12の放熱性の向上をさらに図ることができる。したがって、コイル51をさらに効率良く冷却することができる。
【0072】
(6)制御回路62は、コイル51への通電と同期してペルチェ素子85への通電も行う。これによれば、制御回路62におけるコイル51に対する通電制御が行われており、コイル51から熱が生じているときに、制御回路62におけるペルチェ素子85に対する通電制御が行われる。したがって、ペルチェ素子85に対する消費電力を極力抑えつつも、コイル51を効率良く冷却することができる。
【0073】
(7)マニホールドベース12と設置対象82との間には、断熱材83が介在されている。これによれば、設置対象82からの熱がマニホールドベース12に伝達されてしまうことを抑制することができる。
【0074】
(8)ペルチェ素子85によってコイル51を効率良く冷却することができるため、電磁弁11において使用温度範囲を拡大することができる。また、ペルチェ素子85によってコイル51を効率良く冷却することができるため、例えば、弁体28を高速で移動させる際のコイル51の蓄熱作用を抑制することができる。したがって、長時間に亘って弁体28を高速で移動させることが可能となる。
【0075】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0076】
図5に示すように、各フィン81に貫通孔81hが形成されていなくてもよい。排出流路74は、排出口88を有している。排出口88は、流路ブロック部70に形成されている。排出口88の第1端は、排出集合流路74bに連通している。排出口88の第2端は、流路ブロック部70における各フィン81に対向する面に開口している。そして、各電磁弁11の排出ポート27から排出される流体は、各排出個別流路74a、排出集合流路74b、及び排出口88を介して外部へ排出される。排出口88から外部へ排出された流体は、隣り合うフィン81同士の間を流れる。このように、電磁弁マニホールド10は、排出流路74から外部へ排出される流体が隣り合うフィン81同士の間を流れる構成であってもよい。これによれば、排出流路74から外部へ排出された流体が隣り合うフィン81同士の間を流れることにより、フィン81から放熱した熱がフィン81同士の間で滞留してしまうことを抑制することができる。したがって、マニホールドベース12の放熱性の向上をさらに図ることができるため、コイル51をさらに効率良く冷却することができる。
【0077】
・実施形態において、磁気フレーム56の第2延在壁56cが、ハウジング15の周壁15bによって覆われていてもよい。そして、ペルチェ素子85が、伝熱部材87を介してハウジング15の周壁15bの外面と熱的に結合されていてもよい。この場合であっても、コイル51から生じる熱は、磁気フレーム56の第2延在壁56c、ハウジング15の周壁15b、及び伝熱部材87を介してペルチェ素子85に伝達される。
【0078】
・実施形態において、磁気フレーム56とペルチェ素子85との間に伝熱部材87が介在されていなくてもよい。
・実施形態において、各フィン81の厚み方向が、複数の電磁弁11の並設方向に一致しておらず、各フィン81の厚み方向が、例えば、弁ボディ14の長手方向に一致していてもよい。この場合、各フィン81には、フィン81の厚み方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、電磁弁11からの流体が各フィン81の貫通孔内を流れるように構成されていてもよい。この場合、各フィン81に形成される貫通孔は、排出流路74の一部を構成している。したがって、各フィン81には、排出流路74の一部が貫通している。
【0079】
・実施形態において、マニホールドベース12は、複数のフィン81を有していない構成であってもよい。要は、マニホールドベース12は、ペルチェ素子85によって吸熱された熱を放熱することが可能な構成であればよい。
【0080】
・実施形態において、制御回路62は、コイル51への通電と、ペルチェ素子85への通電とを別々に行うようにしてもよい。
・実施形態において、電磁弁マニホールド10は、ペルチェ素子85への電力の供給が、コイル51への電力の供給源とは別の供給源から行われる構成であってもよい。
【0081】
・実施形態において、伝熱部材87は、例えば、弾性変形可能に構成された金属部材であってもよい。
・実施形態において、電磁弁11の数は特に限定されるものではない。
【0082】
・実施形態において、電磁弁11は、例えば、ボディ13に出力ポート及び排出ポートがそれぞれ2つずつ形成された5ポート電磁弁であってもよい。例えば、電磁弁11が5ポート電磁弁である場合、弁体28は、スプール弁である。要は、電磁弁11は、3ポート電磁弁に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0083】
10…電磁弁マニホールド、11…電磁弁、12…マニホールドベース、13…ボディ、28…弁体、50…ソレノイド、51…コイル、52…固定鉄心、53…プランジャ、54…プランジャばね、56…磁気フレーム、62…制御回路、74…排出流路、80…基部、80a…素子設置面、81…フィン、85…ペルチェ素子、87…伝熱部材。
図1
図2
図3
図4
図5