(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179666
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】収容箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/52 20060101AFI20241219BHJP
B65D 81/36 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65D5/52 Z
B65D81/36 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098679
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大野 綾音
(72)【発明者】
【氏名】西村 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】永井口 梨恵
【テーマコード(参考)】
3E013
3E060
【Fターム(参考)】
3E013CA10
3E013CB11
3E013CC04
3E060AA03
3E060BC04
3E060CB02
3E060CC02
3E060CC18
3E060CC52
3E060CE04
3E060CE14
3E060CE18
3E060CE28
3E060DA30
3E060EA14
(57)【要約】
【課題】容器の底に溜まった液体の取り出しの容易化を図ることができる収容箱を提供する。
【解決手段】本発明の収容箱10は、使用時に水を超える粘度を有する酸化染毛剤組成物が充填されるボトル容器と、該ボトル容器を収容する外箱11を含んで構成される。外箱11の上板11fには、ボトル容器を傾斜して倒立支持するための第1孔20を形成可能な第1開封補助線としての第1ミシン目21が形成されており、第1孔20の内径は、ボトル容器を挿通できる縦幅L1と横幅L2を有し、横幅L2の長さは縦幅L1を超える長さを有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に水を超える粘度を有する液体が充填される容器と、該容器を収容する外箱を含む収容箱において、
前記外箱には、前記容器を傾斜して倒立支持するための第1孔を形成可能な第1開封補助線が形成されており、
前記第1孔の内径は、前記容器を挿通できる縦幅と横幅を有し、前記横幅の長さは前記縦幅を超える長さを有する収容箱。
【請求項2】
前記縦幅の長さに対する前記横幅の長さの比は、1.1以上である請求項1に記載の収容箱。
【請求項3】
前記第1開封補助線が切り取られた際、前記外箱と連接される第1舌片が形成され、該第1舌片は、前記容器が前記第1孔に挿通され、前記容器を傾斜して倒立支持した際、第1折込線を介し下方に折り込まれる請求項1に記載の収容箱。
【請求項4】
前記収容箱は、前記第1開封補助線の一部を含むように又は前記第1開封補助線の内側に、前記容器を直立して正立状態で支持できる第2孔を形成可能な第2開封補助線が形成されている請求項1に記載の収容箱。
【請求項5】
前記第2開封補助線が切り取られた際、前記外箱と連接される第2舌片が形成され、該第2舌片は、前記容器が前記第2孔に挿通され、前記容器を直立して正立支持した際、第2折込線を介し下方に折り込まれる請求項4に記載の収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時に水を超える粘度を有する液体が充填される容器と、該容器を収容する外箱を含む収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体を充填する容器と、該容器を収容する外箱を含む収容箱において、外箱を土台として利用し、外箱に容器を安定して直立して正立状態で支持するための孔を形成できる開封補助線が形成されている収容箱が知られている。
【0003】
従来より、特許文献1,2に開示される収容箱が知られている。特許文献1は、箱の内部に収容されていた容器を差込み起立させることができる差込穴を該箱に開口する開封補助線が設けられている容器起立機能付き箱について開示する。特許文献2は、パンク修理液と充填する容器と、外壁面のうち任意の外壁面に容器を直立させた状態で保持する容器保持孔に対応するミシン目を具備するパンク修理液用容器の梱包箱について開示する。かかる箱の構成により、容器を安定に直立状態で保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-21789号公報
【特許文献2】特開2013-215896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、容器に充填される液体が染毛剤等の粘度が高い液体の場合、使用により容器内の残量が少なくなると、容器の底に溜まった液体の取り出しに時間がかかる等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する各態様を記載する。
態様1の収容箱では、使用時に水を超える粘度を有する液体が充填される容器と、該容器を収容する外箱を含む収容箱において、前記外箱には、前記容器を傾斜して倒立支持するための第1孔を形成可能な第1開封補助線が形成されており、前記第1孔の内径は、前記容器を挿通できる縦幅と横幅を有し、前記横幅の長さは前記縦幅を超える長さを有する収容箱であることを特徴とする。
【0007】
態様2は、態様1に記載の収容箱において、前記縦幅の長さに対する前記横幅の長さの比は、1.1以上である。
態様3は、態様1又は2に記載の収容箱において、前記第1開封補助線が切り取られた際、前記外箱と連接される第1舌片が形成され、該第1舌片は、前記容器が前記第1孔に挿通され、前記容器を傾斜して倒立支持した際、第1折込線を介し下方に折り込まれる。
【0008】
態様4は、態様1~3のいずれか一態様に記載の収容箱において、前記収容箱は、前記第1開封補助線の一部を含むように又は前記第1開封補助線の内側に、前記容器を直立して正立状態で支持できる第2孔を形成可能な第2開封補助線が形成されている。
【0009】
態様5は、態様4に記載の収容箱において、前記第2開封補助線が切り取られた際、前記外箱と連接される第2舌片が形成され、該第2舌片は、前記容器が前記第2孔に挿通され、前記容器を直立して正立支持した際、第2折込線を介し下方に折り込まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容器の底に溜まった液体の取り出しの容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態の収容箱の斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の収容箱の平面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の収容箱の正面図である。
【
図5】
図5は、第2舌片を下に折り込んだ際の収容箱の斜視図である。
【
図6】
図6は、第2舌片を下に折り込んだ収容箱にボトル容器を正立状態で支持した際の平面図である。
【
図7】
図7は、第2舌片を下に折り込んだ収容箱にボトル容器を正立状態で支持した際の正面図である。
【
図8】
図8は、第1舌片を下に折り込んだ際の収容箱の斜視図である。
【
図9】
図9は、第1舌片を下に折り込んだ収容箱に櫛型ノズルを装着したボトル容器を傾斜して倒立支持した際の平面図である。
【
図10】
図10は、第1舌片を下に折り込んだ収容箱に櫛型ノズルを装着したボトル容器を傾斜して倒立支持した際の正面図である。
【
図13】
図13は、別例として、第1舌片を下に折り込んだ収容箱に櫛型ノズルを装着したボトル容器を傾斜して倒立支持した際の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を具体化した一実施形態の収容箱10について説明する。
図1,4に示されるように、本実施形態の収容箱10は、外箱11と該外箱11内に収容される2剤式の酸化染毛剤セット12から構成される。
【0013】
(酸化染毛剤セット12)
図3,4に示されるように、2剤式の酸化染毛剤セット12は、第1剤を収容するチューブ容器13、保存時に内部に液体としての第2剤14を収容するボトル容器15、及び吐出ノズルとしての櫛型ノズル16から構成される。第1剤及び第2剤14から使用時に水を超える粘度を有する液体としての酸化染毛剤組成物が調製される。
【0014】
ボトル容器15は、第2剤14を収容する円筒部15aと、上端部に縮径された肩部の中央に吐出口としての開口部15bを有する有底円筒状に成形されている。ボトル容器15は、保存時は開口部15bに蓋体17が装着されている。
【0015】
櫛型ノズル16は、使用時にボトル容器15に装着するための開口が形成されている装着部16aと複数の平板状の櫛歯19を配列してなる櫛部16bから構成される。櫛型ノズル16の内部は、図示しない通液路が形成されている。各櫛歯19の先端部の各側面には、それぞれ吐出口19aが形成され、内部の通液路と連通している。櫛型ノズル16は、使用時に装着部16aを介してボトル容器15の開口部15bに装着された後、開口より流入した酸化染毛剤組成物を、通液路を通じて吐出口19aより外部に吐出させる。
【0016】
第1剤は、公知の成分、例えば酸化染料、アルカリ剤、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、溶媒等を混合することにより適宜調製される。第2剤14は、公知の成分、例えば酸化剤、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、溶媒等を混合することにより適宜調製される。
【0017】
使用時に第1剤と第2剤14とを混合することにより混合物としての酸化染毛剤組成物が調製される。混合物の粘度は、使用時において25℃における水を超える粘度を有すればよい。混合物の粘度の上限は、本発明の収容箱10の目的の観点から重力により壁面流下する粘度であることが好ましい。より具体的には、1mPa・s以上50000mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以上20000mPa・s以下がより好ましい。なお、粘度は、例えばB型粘度計を用い、25℃及び1分間の測定条件で求めることができる。
【0018】
(外箱11)
図1~4に示されるように、外箱11は、前後に一対の相対向する長壁11a,11bと左右に一対の相対向する短壁11c,11dとからなる4枚の側壁を有する。外箱11は、さらに4枚の側壁の下端部を閉塞する底板11eと上端部を閉塞する上板11fにより四角箱状に形成される。
【0019】
図1,2に示されるように、外箱11の上板11fの略中央には、使用時に開口される第1孔20を形成可能な第1開封補助線としての第1ミシン目21が形成されている。第1ミシン目21は、半円弧状部21aと、該半円弧状部21aの端部からそれぞれ外箱11の長手方向に平行に伸びる2本の直線部21b,21cとからなる。2本の直線部21b,21cのもう一方の端部には、直線状の第1折込線22が折れ線加工により形成されている。第1折込線22は、2本の直線部21b,21cの端部を繋ぐように外箱11の短手方向に平行に形成されている。
【0020】
第1孔20は、半円弧状部21aに沿って切り取って開口される半円状部20aと、2本の直線部21b,21cの間に開口される四角状部20bとによりトンネル形状に開口される。第1ミシン目21が全て切り取られた際、第1折込線22を介して外箱11と連接される切り取り片としての第1舌片23が形成される。第1舌片23は、第1孔20と同じ形状を有する。
【0021】
第1孔20の内径は、外箱11の短手方向と平行な縦幅L1と長手方向と平行な横幅L2を有する。横幅L2は、ボトル容器15を傾斜して倒立して支持する際のボトル容器15の傾斜方向と同一である。
【0022】
縦幅L1は、ボトル容器15を直立して正立状態で支持するために、ボトル容器15の円筒部15aの水平断面の外径と同一又は外径以上の長さを有することが好ましい。縦幅L1の長さの上限は、ボトル容器15を安定に直立して正立状態で支持するために、ボトル容器15の円筒部15aの水平断面の外径の1.2倍以下が好ましく、1.1倍以下がより好ましい。
【0023】
横幅L2の長さの下限は、ボトル容器15を傾斜して倒立支持する観点から、縦幅L1を超える長さを有する。縦幅L1の長さに対する横幅L2の長さの比の下限は、ボトル容器15を安定に傾斜して倒立支持する観点から、倒立させるボトル容器15及びそれに挿着されるノズルの全体の長さ、重さ、形状等を考慮し、適宜設定される。具体的には、1.1以上が好ましく、1.3以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。縦幅L1の長さに対する横幅L2の長さの比の上限は、ボトル容器15を傾斜して支持する観点から、倒立させるボトル容器15及びそれに挿着されるノズルの全体の長さ、重さ、形状等を考慮し、適宜設定される。具体的には、3以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。
【0024】
第1舌片23の表面上には、外箱11の短手方向と平行な直線状の第2折込線24が折れ線加工により形成されている。第2折込線24は、第1ミシン目21の直線部21bの略中央の点であるP点及び直線部21cの略中央の点であるQ点を結ぶように形成される。
【0025】
第1開封補助線としての第1ミシン目21のうち、半円弧状部21aと該半円弧状部21aの端部から直線部21bのP点及び直線部21cのQ点までのミシン目により第2開封補助線としての第2ミシン目25が構成される。半円弧状部21aに沿って開口される半円状部26aと、該半円弧状部21aの端部から直線部21bのP点及び直線部21cのQ点までの間に開口される四角状部26bとによりトンネル形状の第2孔26が開口される。第2孔26は、第1孔20の一部をなす。
【0026】
第2ミシン目25が切り取られた際、第2折込線24を介して外箱11と連接される切り取り片としての第2舌片27が形成される。第2舌片27は、第2孔26と同じ形状を有するとともに、第1舌片23の一部を構成する。
【0027】
第2孔26の内径は、外箱11の短手方向と平行な縦幅L1と長手方向と平行な横幅L3を有する。縦幅L1は、第1孔20の短手方向の長さと同一である。横幅L3の長さの下限は、ボトル容器15を直立して正立状態で支持するために、ボトル容器15の円筒部15aの水平断面の外径と同一又は外径以上の長さを有することが好ましい。また、横幅L3の長さの上限は、ボトル容器15を安定に直立して正立状態で支持するために、ボトル容器15の円筒部15aの水平断面の外径の1.2倍以下が好ましく、1.1倍以下がより好ましい。
【0028】
(収容箱10の使用方法)
まず、外箱11内に収容される2剤式の酸化染毛剤セット12を取り出す。
図5に示されるように、第2ミシン目25が切り取られるとともに、第2折込線24が山折りに折り込まれることにより、第2折込線24を介して第2舌片27が下方へ折り込まれる。それにより、上板11f上に第2孔26が開口される。
【0029】
図6,7に示されるように、ボトル容器15は、蓋体17が取り外された状態で第2孔26に差し込まれ、外箱11に対して直立して正立支持される。ボトル容器15は、外箱11に対して直立して正立支持された状態で、ボトル容器15内にチューブ容器13から第1剤が投入される。ボトル容器15は、外箱11から取り外された後、再び蓋体17が取り付けられる。その後、ボトル容器15内で第1剤と第2剤14が振とう混合され、所定の粘度を有する混合物としての酸化染毛剤組成物が調製される。その後、ボトル容器15の開口に櫛型ノズル16が装着され、製品の常法に従い毛髪に塗布される。
【0030】
次に、
図8に示されるように、第1ミシン目21の残りの部分が全て切り取られるとともに、第1折込線22が山折りに折り込まれることにより、第1折込線22を介して第1舌片23が下方へ折り込まれる。それにより、上板11f上に第1孔20が開口される。その際、第1舌片23上に形成されている第2折込線24は、山折りから谷折りに折り返される。第1舌片23は、外箱11内において、第2折込線24を谷折りの折り目とする凹みが形成されることにより、第2折込線24を境界として第2舌片27と残りの部分との間で段差が形成される。染毛処理によりボトル容器15内の酸化染毛剤組成物の残量が少なくなった場合、下記に示されるように、ボトル容器15は、第1孔20に傾斜して倒立支持される。
【0031】
図9,10に示されるように、ボトル容器15は、第1孔20に挿通された後、櫛型ノズル16の各櫛歯19の先端が、下方に折り込まれた第1舌片23の上面に対向するように配される。そして櫛型ノズル16の各櫛歯19の先端が、第2折込線24の段差部分に当接する。また、ボトル容器15が、倒立傾斜された際、円筒部15aの下方に位置する外周面は、第1孔20の半円弧状部21aと当接する。櫛型ノズル16が装着されたボトル容器15は、第1孔20内において、外箱11の長手方向に沿って傾斜して倒立支持される。ボトル容器15内の酸化染毛剤組成物の残渣28は、重力によりボトル容器15の開口部15b方向へ流下する。
【0032】
次に、本実施形態の収容箱10の作用について説明する。
収容箱10は、外箱11の上板11fにボトル容器15を挿通できる縦幅L1と横幅L2の大きさを有する第1孔20が形成されている。第1孔20は、横幅L2の長さが縦幅L1を超える長さを有するように構成した。
【0033】
使用によりボトル容器15内の酸化染毛剤組成物の残量が少なくなった場合、ボトル容器15が櫛型ノズル16側から第1孔20内に挿通される。そして、ボトル容器15は、第1孔20内において長さの長い横幅方向に沿って倒れ掛かる。さらに、第1孔20の半円弧状部21aとボトル容器15の円筒部15aの外周面とが当接することにより、ボトル容器15は、傾斜した倒立状態で安定に支持される。外箱11に傾斜した倒立状態で支持されたボトル容器15内の酸化染毛剤組成物の残渣28は、重力によりボトル容器15の開口部15b方向へ内壁面を伝って流下する。
【0034】
本実施形態の収容箱10の効果について説明する。
(1)本実施形態の外箱11の上板11fには、ボトル容器15を挿通して、傾斜した倒立状態で支持される第1孔20が形成されている。該第1孔20の内径は、縦幅L1と横幅L2の大きさを有し、横幅L2の長さが縦幅L1を超える長さを有するように構成されている。ボトル容器15が傾斜した倒立状態で第1孔20に支持されると、ボトル容器15内の酸化染毛剤組成物の残渣28は、重力によりボトル容器15の開口部15b方向へ内壁面を伝って流下される。したがって、ボトル容器15を第1孔20に挿通して、傾斜した倒立状態で支持した後、放置するのみでボトル容器15の底面部分に溜まった酸化染毛剤組成物の残渣28を開口部15b付近に近づけることができる。よって、本実施形態の外箱11の構成により、ボトル容器15内の内容物の取り出しの容易化を図ることができる。
【0035】
特に、ボトル容器15に充填される液体の粘度が高い場合であっても、ボトル容器15を逆さにした状態で長時間手で持ち続けたり、無理やり容器の開口部を下に向けて振る必要がない。ボトル容器15を外箱11の第1孔20に傾斜した倒立状態で放置するのみで、周りを汚染することがなく、ボトル容器15の底面部分に溜まった液体を容易に取り出すことができる。また、最後まで内容物を使い切ることができるため、内容量の適正化に寄与できる。
【0036】
(2)例えば、内容物が入った状態のボトル容器15を垂直に倒立状態で外箱11に支持し、放置した場合、ボトル容器15内の内容物が知らない間に容器外に流出したり、外箱11内を大きく汚染する可能性がある。第1孔20の形状によりボトル容器15は、外箱11に傾斜した倒立状態で支持される。そのため、内容物のボトル容器15外への流出、外箱11内の汚染を低減できる。また、傾斜させる角度を調節したり、開口部15b付近に肩部の構成を設けることにより、通常の内容物の取り出しに影響を与えることなく、倒立時における内容物のボトル容器15外の流出、外箱11内の汚染をより低減できる。
【0037】
(3)第1孔20の縦幅L1の長さに対する横幅L2の長さの比が1.1以上である場合、第1孔20によりボトル容器15を外箱11に傾斜した倒立状態で支持することが容易になる。
【0038】
(4)ボトル容器15を外箱11に傾斜した倒立状態で支持する際、吐出口19aを有する櫛歯19を外箱11内に折り込まれる第1舌片23の外側表面上に配置した。それにより、ボトル容器15を外箱11に傾斜した倒立状態で支持した際、内容物がボトル容器15外に流出した場合であっても、内容物を第1舌片23上で受け止めることができる。よって、外箱11内の汚染をより低減できる。
【0039】
(5)第1舌片23は、第1ミシン目21が切り取られることにより形成された際、第1折込線22を介して外箱11と連接している。そのため、外箱11からの廃棄物の分離を低減できる。
【0040】
(6)ボトル容器15は、第1孔20よりも面積が小さい第2孔26に差し込まれることにより、外箱11に対して直立して安定して正立支持できる。そのため、ボトル容器15の使用時、製剤の容器内への投入時等、容器の転倒を防止することができる。
【0041】
(7)第2舌片27は、ボトル容器15が第2孔26に挿通されて、直立して正立支持された際、第2折込線24を介して下方へ折り込まれている。そのため、下方へ折り込まれた第2舌片27は、第2折込線24を軸とした水平方向への戻り圧により、ボトル容器15を直立してより安定的に正立支持することができる。
【0042】
(8)第2舌片27は、第2ミシン目25が切り取られることにより形成された際、第2折込線24を介して外箱11と連接している。そのため、外箱11からの廃棄物の分離を低減できる。
【0043】
(9)第1舌片23は、第2舌片27の一部を含むように構成した。したがって、第2ミシン目25を切り取ることにより第2孔26を形成した場合、すでに第1ミシン目21の一部が切り取られて第1孔20の一部が開口されている。そのため、第2孔26を形成した後の新たに一から第1孔20を形成する場合と比べて、第1孔20の形成作業を効率的に行うことができる。また、限られた上板11f内におけるスペースを有効に利用しながら第1孔20及び第2孔26を形成できる。
【0044】
(10)ボトル容器15を外箱11に傾斜した倒立状態で支持する際、第1舌片23上の第2折込線24と複数の櫛歯19の配列方向が一致するように、櫛歯19の先端を第2折込線24の段差部分に当接するように配置した。したがって、傾斜した倒立状態にあるボトル容器15が第1孔20から外れにくくなり、ボトル容器15を傾斜した倒立状態でより安定に支持できる。また、櫛歯19の先端部分の第1孔20内における位置決めが容易となるため、ボトル容器15を外箱11に傾斜した倒立状態で支持する際の操作性を向上できる。
【0045】
(11)ボトル容器15を外箱11に傾斜した倒立状態で支持する際、第1孔20の半円弧状部21aに、ボトル容器15の外周面が沿うように支持した。したがって、ボトル容器15を第1孔20に傾斜した倒立状態でより安定に支持することができる。
【0046】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
・外箱11を構成する素材は、特に限定されず、例えば紙製、合成樹脂製、それらを複数組み合わせた積層構造等が挙げられる。また、素材の一部にアルミニウム等の金属層が積層されてもよく、又は金属蒸着等の処理が施されてもよい。
【0047】
第1舌片の外側表面側は、合成樹脂層が被覆されていることが好ましい。かかる構成により、内容物としての液体が第1舌片23上に付着した場合であっても、液体による素材の破れ、軟弱化、汚染等を低減することができる。
【0048】
・上記実施形態において、液体が充填されるボトル容器15を傾斜して倒立支持することにより容器の底面部分に溜まった液体の取り出しの容易化を図った。ボトル容器は、使用時に水を超える粘度を有する液体が充填されていればよい。例えば、保存時は粘度が低い液体であり、使用時に他の剤と混合されることにより粘度が高い液体が調製されてもよい。また、粉末の組成物を外箱11内に包装し、使用時に水等の溶媒と混合することにより、粘度が高い液体が調製されてもよい。
【0049】
・外箱11の上板11fには、第1開封補助線としての第1ミシン目21の一部を含むように、第2孔26を形成可能な第2開封補助線としての第2ミシン目25が形成されている。第1ミシン目21とは別の箇所に、第2ミシン目25を形成してもよい。
【0050】
図11に示されるように、第1開封補助線の内側に第2開封補助線を形成した収容箱29が例示される。かかる構成は、外箱11の上板11f上に第1孔30を形成可能な第1開封補助線としての第1ミシン目31がコの字状に形成されている。第1ミシン目31が切り取られた際、外箱11と第1折込線32を介して連接される第1舌片33が形成される。第1ミシン目31の内側にボトル容器15の円筒部15aの水平断面の外径と略同一の第2孔34を形成可能な第2開封補助線としての第2ミシン目35が形成されている。第2ミシン目35が切り取られた際、外箱11と第2折込線36を介して連接される第2舌片37が形成される。さらに第1舌片33上に第3折込線38が形成されてもよい。第1舌片33が第1折込線32を介して下へ折り込まれ、第3折込線38が谷折りに折り込まれる。ボトル容器15を傾斜して倒立支持する際、櫛歯19の先端が第3折込線38上に当接される。
【0051】
かかる構成においても、第2孔34においてボトル容器15を直立して正立状態で支持することができ、さらに第1孔30においてボトル容器15を傾斜して倒立支持することができる。
【0052】
・
図12に示されるように、観音開きの扉のように切り取ることができる第1開封補助線と第2開封補助線を上板11f上に形成した収容箱39を採用してもよい。かかる構成は、外箱11の上板11f上に第1孔40を形成可能な第1開封補助線としての第1ミシン目41が工の字状に形成されている。第1ミシン目41が切り取られた際、第1孔40の一方の端部側にある第1折込線42を介して外箱11と連接される第1舌片43が形成される。もう一方の端部側にある第1折込線44を介して外箱11と連接される第1舌片45が形成される。ボトル容器15を直立して正立状態で支持する際、左右どちらかの第1舌片を下へ折り込むことにより第2孔を形成することができる。第1ミシン目41を全て切り込み、2枚の第1舌片43,45が第1折込線42,44を介して下に折り込まれることにより第1孔40を形成することができる。
【0053】
・上記実施形態においては、櫛型ノズル16が装着されたボトル容器15は、第1孔20に挿通された後、櫛型ノズル16の各櫛歯19の先端が、下方に折り込まれた第1舌片23の上面に対向するように配した。それにより、櫛型ノズル16が装着されたボトル容器15は、第1孔20内において、外箱11の長手方向に沿って傾斜して倒立支持した。しかしながら、第1孔20内におけるボトル容器15の傾斜方向は、外箱11に安定にボトル容器15を傾斜して倒立支持できれば、いずれの方向に傾斜させてもよい。
【0054】
図13に示されるように、例えば
図10のボトル容器15の傾斜方向と反対方向、つまり下方に折り曲げられた第1舌片23と略平行方向にボトル容器15を傾斜させてもよい。かかる構成においても、第1孔20内においてボトル容器15は、外箱11に安定に傾斜して倒立支持できる。
【0055】
・第1孔20及び第2孔26の上板11f上における位置は、ボトル容器15を支持することができれば、上板11f上のどの位置に形成されてもよい。また、第1孔20及び第2孔26の形状は、ボトル容器15を支持することができれば、特に限定されない。かかる形状は、より安定にボトル容器15を支持する観点から、ボトル容器15との接触部分に応じて第1孔20及び第2孔26を成形することが好ましい。
【0056】
・第1孔20及び第2孔26を開封するための指を入れる開口溝がその近傍に形成されてもよい。なお、開口溝は、ボトル容器の支持に直接寄与しない場合、第1孔20又は第2孔26の内径の長さに含めないものとする。
【0057】
・収容箱10は、第1舌片23及び第2舌片27が外箱11から切り取られるように構成してもよい。
・収容箱10は、第1孔20及び第1舌片23が形成されて、第2孔26及び第2舌片27の構成が省略されてもよい。
【0058】
・上記実施形態において、第1開封補助線を破線切り込みによるミシン目により構成した。しかしながら、第1開封補助線は、切り取りにより開封可能な構成であれば特に限定されない。例えば折れ線、薄層化、開封部の糊付け又はシール封鎖等により形成してもよい。
【0059】
・本実施形態が適用される分野は、特に限定されず、液体が充填される容器と、該容器を収容する外箱を含む収容箱を含む構成であれば適用できる。また、内容物の種類も、特に限定されず、化粧料組成物、医薬部外品、皮膚外用剤、食品、医薬品、化学品等であってもよい。
【0060】
化粧料組成物、医薬部外品、又は皮膚外用剤としては、特に限定されないが、例えばクレンジング剤、美容液、洗顔料、化粧水、乳液、パック用化粧料、ボディーソープ、ボディーケア、デオドラント化粧料、賦香用化粧料、抗シワ用化粧料、抗アクネケア用組成物、ハンドケア用化粧料、日焼け止め剤、ファンデーション、マニキュア、除光液等の皮膚用化粧用組成物、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、育毛剤、染毛剤、脱色剤、脱染剤、パーマネント剤、整髪剤等の頭皮又は毛髪用化粧用組成物、洗口液、マウススプレー等の口腔用組成物等が含まれるものとする。食品の具体例としては、特に限定されないが、例えば飲料、スープ、ゼリー、調味料等が挙げられる。
【0061】
・内容物の剤型としては、使用時に水を超える粘度を有する液体であるが、本発明において、液体には、乳液状、ゲル状、ゼリー状等の重力により壁面を流下可能な剤型も液体に含まれるものとする。
【0062】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記収容箱の使用方法であって、前記第1開封補助線の切り取りにより第1孔が形成された後、水を超える粘度を有する液体の残液を含む容器を第1孔に挿通し、傾斜して倒立支持し、前記残液を容器の開口部付近に移動させる収容箱の使用方法。
【0063】
(ロ)前記第1開封補助線の切り取り前に、前記第2開封補助線の切り取りにより第2孔が形成され、該第2孔に前記容器が直立して正立状態で支持される前記収容箱の使用方法。
【0064】
(ハ)前記液体は、化粧料組成物である前記収容箱。
(ニ)前記第1舌片の外側表面は、合成樹脂層が被覆されている前記収容箱。
【符号の説明】
【0065】
L1…縦幅
L2,L3…横幅
10,29,39…収容箱
11…外箱
11f…上板
12…酸化染毛剤セット
15…ボトル容器
20,30,40…第1孔
21,31,41…第1ミシン目
22,32,42,44…第1折込線
23,33,43,45…第1舌片
24,36…第2折込線
25,35…第2ミシン目
26,34…第2孔
27,37…第2舌片