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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179671
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】シート後処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/06 20060101AFI20241219BHJP
   B65H 45/14 20060101ALI20241219BHJP
   B65H 45/18 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65H37/06
B65H45/14
B65H45/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098695
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】岸本 正尚
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA03
3F108BA09
3F108CC02
3F108CD01
3F108GA01
3F108GB04
(57)【要約】
【課題】折り機能の有無が容易に切り替え可能なシート後処理装置を提供する。
【解決手段】シート後処理装置20は、シートに後処理を施す後処理部22と、シートを搬送するための複数のモーター28を有する駆動ユニット26とを備える。後処理部22は、オプションユニット取付部24を有する。オプションユニット取付部24には、シートに折りを施す折り機能を持つ折りユニット30と、折り機能を持たない標準ユニット39と、のいずれかが取り付け可能である。オプションユニット取付部24に折りユニット30が取り付けられている場合には、駆動ユニット26bに、正回転駆動が可能な正回転モーター51の他に、正回転駆動および逆回転駆動が可能な正逆回転モーター52が少なくとも1つ設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置にて画像形成が行われたシートが搬入される搬入口と、
前記搬入口から搬入された前記シートを搬送する第1搬送レーンと、
前記シートに後処理を施す後処理部と、
前記シートを搬送するための複数のモーターを有する駆動ユニットと、
を備え、
前記後処理部は、オプションユニット取付部を有し、
前記オプションユニット取付部には、前記シートに折りを施す折り機能を持つ折りユニットと、前記折り機能を持たない標準ユニットと、のいずれかが取り付け可能であり、
前記オプションユニット取付部に前記標準ユニットが取り付けられている場合には、前記駆動ユニットの前記モーターは、正回転駆動が可能な正回転モーターであり、
前記オプションユニット取付部に前記折りユニットが取り付けられている場合には、前記駆動ユニットに、前記正回転モーターの他に、正回転駆動および逆回転駆動が可能な正逆回転モーターが少なくとも1つ設けられること
を特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】
前記折りユニットは、前記シートを前記第1搬送レーン上で搬送する第1ローラー対と、前記シートに第1の折りを施す第2ローラー対と、前記シートに第2の折りを施す第3ローラー対と、前記第1の折りおよび前記第2の折りが施された前記シートが搬送される折りシート搬送レーンと、を備え、
前記第1ローラー対は、第1ローラーと、第2ローラーとを備え、
前記第2ローラー対は、前記第2ローラーと、第3ローラーとを備え、
前記第3ローラー対は、前記第3ローラーと、第4ローラーとを備える、請求項1に記載のシート後処理装置。
【請求項3】
前記シートの搬送方向を反転することが可能な反転搬送部が少なくとも1つ設けられており、
前記オプションユニット取付部に前記折りユニットが取り付けられている場合、前記反転搬送部は、前記駆動ユニットに設けられた前記正逆回転モーターによって駆動されて、
前記正逆回転モーターが逆回転駆動することにより、前記反転搬送部によって前記シートの搬送方向が反転されて、前記シートが前記第2ローラー対および前記第3ローラー対に導かれ、
前記オプションユニット取付部に前記標準ユニットが取り付けられている場合、前記反転搬送部は、前記駆動ユニットに設けられた前記正回転モーターによって駆動されて、前記シートを一方向にのみ搬送する、請求項2に記載のシート後処理装置。
【請求項4】
前記標準ユニットは、前記折りユニットと同じ構造の前記第1ローラー対および前記第2ローラー対を備える、請求項2に記載のシート後処理装置。
【請求項5】
前記標準ユニットは、前記駆動ユニットの前記モーターの駆動力が入力される駆動入力位置と、他のユニットへ前記標準ユニットから駆動力が伝えられる駆動出力位置とが同一の位置である、請求項1に記載のシート後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シート後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シート後処理装置が開示されている。特許文献1のシート後処理装置置は、折り機能を有しており、シートに2つの折り目を付けることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-119433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシート後処理装置では、シートに折り目を付けるにあたって、シートのスイッチバックが行われる。シートをスイッチバックさせるためには、シートを搬送させるローラーを駆動するモーターが、正回転駆動および逆回転駆動が可能な正逆回転モーターである必要がある。しかしながら、折り機能を持たないシート後処理装置では、正逆回転モーターが設けられていない。そのため、折り機能を持たないシート後処理装置に対して折り機能を追加することは困難である。したがって折り機能が必要な場合には、折り機能を持たないシート後処理装置全体を、折り機能を持つシート後処理装置に交換する必要があり、特許文献1のシート後処理装置では折り機能の有無を切り替えるためのコストが大きい。
【0005】
上記の問題点に鑑み、本開示は、折り機能の有無が容易に切り替え可能なシート後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面によれば、シート後処理装置は、搬入口と、第1搬送レーンと、後処理部と、駆動ユニットと、を備える。搬入口には、画像形成装置にて画像形成が行われたシートが搬入される。第1搬送レーンは、搬入口から搬入されたシートを搬送する。後処理部は、シートに後処理を施す。駆動ユニットは、シートを搬送するための複数のモーターを有する。後処理部は、オプションユニット取付部を有する。オプションユニット取付部には、シートに折りを施す折り機能を持つ折りユニットと、折り機能を持たない標準ユニットと、のいずれかが取り付け可能である。オプションユニット取付部に標準ユニットが取り付けられている場合には、駆動ユニットのモーターは、正回転駆動が可能な正回転モーターである。オプションユニット取付部に折りユニットが取り付けられている場合には、駆動ユニットに、正回転モーターの他に、正回転駆動および逆回転駆動が可能な正逆回転モーターが少なくとも1つ設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一局面のシート後処理装置によれば、折り機能の有無が容易に切り替え可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】シート後処理装置を含む複合機を示す図である。
図2】折りユニットにおいてシートが第1搬送レーン上を搬送される状態を示す図である。
図3】シートに第1の折りが施される状態を示す図である。
図4】シートに第2の折りが施される状態を示す図である。
図5】シートが折りシート搬送レーンへ搬送される状態を示す図である。
図6】標準ユニットにおいてシートが第1搬送レーン上を搬送される状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
まず、図1を参照して、シート後処理装置20の構成について説明する。図1はシート後処理装置20を含む複合機10を示す図である。複合機10は、画像形成装置12と、シート後処理装置20とを有する。画像形成装置12は、紙などのシートに対して画像形成を行う。
【0011】
シート後処理装置20は画像形成装置12に取り付けられる装置である。シート後処理装置20は、シート後処理装置20と画像形成装置12との間に配置される搬入口13を備えている。画像形成装置12にて画像形成が行われたシートは、搬入口13からシート後処理装置20へ搬入される。
【0012】
シート後処理装置20は、後処理部22と、駆動ユニット26とを備える。後処理部22は、シートに対してパンチング、ステープル針の取付け、折りなどの後処理を施す。後処理部22は、オプションユニット取付部24を有する。
【0013】
オプションユニット取付部24は、シート後処理装置20に求められる機能に応じて、必要な機能を備えたオプションユニットを選択して取り付け可能な箇所である。図1のオプションユニット取付部24には、折りユニット30と、標準ユニット39のいずれかが取り付け可能である。
【0014】
折りユニット30は、シートに折りを施す折り機能を持つユニットである。一方、標準ユニット39は、折り機能を持たないユニットである。
【0015】
駆動ユニット26は、シート後処理装置20においてシートを搬送するための複数のモーター28を有するユニットである。駆動ユニット26には、正回転駆動が可能な正回転モーター51が少なくとも1つ設けられる。オプションユニット取付部24に標準ユニット39が取り付けられている場合には、駆動ユニット26のモーター28は全て正回転モーター51である。
【0016】
一方、オプションユニット取付部24に折りユニット30が取り付けられている場合には、駆動ユニット26に、正回転モーター51の他に、正回転駆動および逆回転駆動が可能な正逆回転モーター52が少なくとも1つ設けられる。
【0017】
図1のシート後処理装置20においては、折り機能が必要ない場合にはオプションユニット取付部24に標準ユニット39が取り付けられる。そしてシート後処理装置20に折り機能が追加される場合には、標準ユニット39が折りユニット30に交換され、また、駆動ユニット26に必要な数の正逆回転モーター52が設けられる。
【0018】
以上のように、図1のシート後処理装置20においては、シート後処理装置20全体が取り換えられなくとも、オプションユニット取付部24に取り付けられるユニットが交換され、正逆回転モーター52が設けられるだけで折り機能が追加される。したがって折り機能の有無を切り替えが容易であり、また、折り機能の有無を切り替えるためにかかるコストが低減される。
【0019】
次に図1図2図3図4図5を参照して、シート後処理装置20の折りユニット30においてシート15に折りが施されることについて説明する。図2は、折りユニット30においてシート15が第1搬送レーン16上を搬送される状態を示す図である。図3は、シート15に第1の折り15aが施される状態を示す図である。図4は、シート15に第2の折り15bが施される状態を示す図である。
【0020】
まず、画像形成装置12にて画像形成が行われたシート15は、搬入口13からシート後処理装置20へ搬入される。搬入口13から搬入されたシート15は、第1搬送レーン16で搬送される。
【0021】
第1搬送レーン16で搬送されるシート15は、後処理部22を通過する。後処理部22において、シート15に対してパンチング、ステープル針の取付け、折りなどの後処理が行われる。
【0022】
オプションユニット取付部24に折りユニット30が取り付けられている場合、シート15に折りが施される。折りユニット30内のシート15はまず、図2に示されているように、第1搬送レーン16上を搬送される。
【0023】
折りユニット30は、第1ローラー対31と、第2ローラー対32と、第3ローラー対33と、折りシート搬送レーン36とを備える。
【0024】
また折りユニット30には、第2搬送レーン35と、第1ガイド41と、反転搬送部42と、第2ガイド43と、保持ローラー対45と、第3搬送レーン46が設けられている。
【0025】
各ローラー対はそれぞれ、2つのローラーで構成される。ローラー対を構成する2つのローラーのうち1つが駆動ユニット26から駆動力を受けて回転し、もう1つのローラーが、駆動力を受けて回転するローラーと接触して従動的に回転するとよい。なおローラー対を構成する2つのローラーが両方とも駆動力を受けて回転してもよい。
【0026】
第1ローラー対31は、シート15を挟み込みながら、シート15を第1搬送レーン16上で搬送する。第1ローラー対31は、第1ローラー31aと、第2ローラー31bとを備える。図2の第1ローラー31aは第1搬送レーン16の上方に配置されている。第2ローラー31bは第1搬送レーン16の下方に配置されている。
【0027】
第2ローラー対32は、シート15に第1の折り15aを施す。第2ローラー対32は、第1搬送レーン16と交差する第2搬送レーン35を挟み込む位置に配置されている。なお図2の第2搬送レーン35は第1搬送レーン16に対して下方に交差している。
【0028】
第2ローラー対32は、第2ローラー31bと、第3ローラー32aとを備える。すなわち第2ローラー31bは、第1ローラー対31を構成する2つのローラーのうちの1つと、第2ローラー対32を構成する2つのローラーのうちの1つとを兼ねる。図2において第2ローラー31bは第2搬送レーン35の右方に配置されている。また第3ローラー32aは第2搬送レーン35の左方に配置されている。
【0029】
第3ローラー対33は、シート15に第2の折り15bを施す。第3ローラー対33は、第2搬送レーン35と交差する折りシート搬送レーン36を挟み込む位置に配置されている。なお図2の折りシート搬送レーン36は第2搬送レーン35に対して左方に交差している。また折りシート搬送レーン36は、第1の折り15aおよび第2の折り15bが施されたシート15が搬送されるレーンである。
【0030】
第3ローラー対33は、第3ローラー32aと、第4ローラー33aとを備える。すなわち第3ローラー32aは、第2ローラー対32を構成する2つのローラーのうちの1つと、第3ローラー対33を構成する2つのローラーのうちの1つとを兼ねる。図2において第3ローラー32aは折りシート搬送レーン36の上方に配置されている。また第4ローラー33aは折りシート搬送レーン36の下方に配置されている。
【0031】
以上のように、第1ローラー31aと、第2ローラー31bと、第3ローラー32aと、第4ローラー33aとの4つのローラーで、第1ローラー対31、第2ローラー対32、第3ローラー対33の3つのローラー対が構成される。3つのローラー対を構成するためには通常、6つのローラーが必要であるが、図2の折りユニット30においては必要なローラーの数が削減されている。したがって、複数のローラー対が必要となる折りユニット30において、ローラーの数が少なく済むため、折りユニット30を含むシート後処理装置20の小型化が可能となる。またシート後処理装置20の製造コストが低減される。
【0032】
第1ガイド41は、第1搬送レーン16と第2搬送レーン35とが交差する位置の上方で、第2ローラー対32と向かい合うように配置されている。第1ガイド41は第2搬送レーン35に向けて突き出る突起を有している。また第1ガイド41は第2搬送レーン35に向かう方向へ移動することができる。第1ガイド41が第2搬送レーン35に向かう方向へ移動すると、第1搬送レーン16上のシート15に第1ガイド41の突起が押し当てられて、シート15のうち第1ガイド41に接触した部分が第2搬送レーン35へ導かれる。
【0033】
反転搬送部42は、シート15の反転方向を反転することが可能なユニットである。図2の反転搬送部42は、第1搬送レーン16上のシート15を挟み込むローラー対を含んでいる。
【0034】
シート後処理装置20には反転搬送部42が少なくとも1つ設けられるとよい。図2には反転搬送部42が1つだけ設けられているが、シート15に対して施される折りの種類に応じて、2つ以上の反転搬送部42が設けられてもよい。
【0035】
オプションユニット取付部24に折りユニット30が取り付けられている場合、反転搬送部42は、駆動ユニット26に設けられた正逆回転モーター52によって駆動される。
【0036】
なお、第1ローラー対31などの、搬送方向を反転する必要のないローラー対は、正回転駆動のみが可能な正回転モーター51によって駆動されるとよい。
【0037】
反転搬送部42の正逆回転モーター52は、図2においては正回転駆動している。正逆回転モーター52が正回転駆動している場合、反転搬送部42はシート15を第1ローラー対31と同じ方向に搬送する。
【0038】
第2ガイド43は、第2搬送レーン35と折りシート搬送レーン36とが交差する位置の右方で、第3ローラー対33と向かい合うように配置されている。第2ガイド43は折りシート搬送レーン36に向けて突き出る突起を有している。第2ガイド43は折りシート搬送レーン36に向かう方向へ移動することができる。第2搬送レーン35にシート15が存在するときに第2ガイド43が折りシート搬送レーン36に向かう方向へ移動すると、シート15に第2ガイド43の突起が押し当てられる。するとシート15のうち第2ガイド43に接触した部分が折りシート搬送レーン36へ導かれる。
【0039】
保持ローラー対45は、第2搬送レーン35と交差する第3搬送レーン46を挟み込む位置に配置されている。なお図2の第3搬送レーン46は、折りシート搬送レーン36よりも下方、すなわち第2搬送レーン35と折りシート搬送レーン36とが交差する位置よりも第1搬送レーン16から離れた位置で、第2搬送レーン35と交差している。図2の第3搬送レーン46は第2搬送レーン35に対して左右に延びている。また図2の第3搬送レーン46は折りシート搬送レーン36の搬送方向と反対側へ向かうほど、すなわち右方へ向かうほど、第1搬送レーン16から離れるように、右下方向へ傾斜している。図2の保持ローラー対45は、第2搬送レーン35と第3搬送レーン46とが交差する位置から右下方向に離れた位置に配置されている。
【0040】
シート15に折りが施される場合、正逆回転モーター52が逆回転駆動することにより、反転搬送部42によってシート15の搬送方向が反転されて、シート15が第2ローラー対32および第3ローラー対33に導かれる。
【0041】
反転搬送部42によってシート15の搬送方向が反転されると、図3に示されているように、第1ローラー対31と反転搬送部42は互いに逆方向にシート15を搬送しようとする。
【0042】
具体的には、第1ローラー対31はシート15を図中左方へ搬送しようとするのに対し、反転搬送部42はシート15を図中右方へ搬送しようとする。したがってシート15の搬送方向上流側(図中右側)は左方へ、搬送方向下流側(図中左側)は右方へ向かう力を受ける。したがってシート15は、搬送方向上流側からも、搬送方向下流側からも、シート15を第1搬送レーン16と第2搬送レーン35とが交差する位置へ向わせる力を受ける。
【0043】
そして反転搬送部42によってシート15の搬送方向が反転されるとともに、第1ガイド41が第2搬送レーン35に向かう方向へ移動する。第1搬送レーン16と第2搬送レーン35とが交差する位置へ向わせる力を受けているシート15は、第1ガイド41に接触した部分が第2搬送レーン35に導かれる。
【0044】
図3に示されているように、シート15のうち第2搬送レーン35に導かれた部分が、第2ローラー対32によって挟み込まれることにより、シート15に第1の折り15aが施される。
【0045】
そして図4に示されているように、第1の折り15aの部分は第2搬送レーン35および第3搬送レーン46を通って、保持ローラー対45に挟み込まれる。保持ローラー対45は、第1の折り15aの部分を、第3搬送レーン46に沿って搬送する。保持ローラー対45が第1の折り15aの部分を搬送するため、シート15の搬送方向上流端が第1ローラー対31を通過した後は、反転搬送部42と保持ローラー対45とによって、シート15の搬送方向下流側が第2搬送レーン35に導かれる。
【0046】
そして、シート15の搬送方向上流端が、第2搬送レーン35と折りシート搬送レーン36とが交差する位置に到達すると、第2ガイド43が折りシート搬送レーン36に向かう方向へ移動する。
【0047】
すると、シート15のうち第2ガイド43に接触した部分が折りシート搬送レーン36へ導かれる。図4に示されているように、折りシート搬送レーン36へ導かれた部分が、第3ローラー対33によって挟み込まれることにより、シート15に第2の折り15bが施される。
【0048】
図5に示されているように、シート15のうち第2の折り15bが施された部分は折りシート搬送レーン36上を搬送される。第2の折り15bが施された部分が折りシート搬送レーン36上を搬送されていくにつれて、やがて第1の折り15aの部分、および搬送方向下流端も折りシート搬送レーン36へ導かれる。したがって最終的に、第1の折り15aおよび第2の折り15bが施されたシート15が折りシート搬送レーン36上を搬送される。
【0049】
シート15は折りシート搬送レーン36によって折りユニット30の外部まで搬送され、後処理部22によって折り以外の後処理、例えばパンチングやステープル針の取り付けが行われる。後処理部22を通過したシート15は、シート後処理装置20の外部へと排紙される。
【0050】
なおシート15が折りシート搬送レーン36上を搬送されるとき、図5に示されているように保持ローラー対45によるシート15の搬送方向が反転されてもよい。例えば保持ローラー対45に、反転搬送部42とは別の正逆回転モーター52が接続されていてもよい。
【0051】
次に図6を参照して、図1のオプションユニット取付部24に標準ユニット39が取り付けられている場合について説明する。図6は、標準ユニット39においてシート15が第1搬送レーン16上を搬送される状態を示す図である。
【0052】
図6に示されているように、標準ユニット39は、折りユニット30と同様に第1ローラー対31および第2ローラー対32を備える。標準ユニット39の第1ローラー対31および第2ローラー対32は、折りユニット30の第1ローラー対31および第2ローラー対32と同じ構造であることが好ましい。
【0053】
標準ユニット39が折りユニット30と同じ構造の第1ローラー対31および第2ローラー対32を備えていると、標準ユニット39と折りユニット30とで構造の共通部分が多くなる。すなわち、オプションユニット取付部24に取り付けられるユニットは、折り機能の有無に関わらず共通部分が多いため、折り機能の有無に関わらず他のユニットとの接続関係が共通する。したがってユーザーがオプションユニット取付部24に標準ユニット39と折りユニット30のいずれかを取り付ける際、どちらも同じ感覚で取り付けることができる。したがって、折り機能の有無の切り替えが容易である。
【0054】
また、オプションユニット取付部24に標準ユニット39が取り付けられている場合、反転搬送部42は、正回転モーター51によって駆動されるとよい。反転搬送部42が正回転モーター51によって駆動される場合、反転搬送部42はシート15を一方向にのみ搬送する。
【0055】
オプションユニット取付部24に標準ユニット39が取り付けられている場合と、折りユニット30が取り付けられている場合とで、反転搬送部42を駆動するモーターが、正回転モーター51と正逆回転モーター52のどちらかに切り替えられる。一方、正回転モーター51または正逆回転モーター52は、後処理部22とは別の駆動ユニット26に設けられる。正逆回転モーター52が必要な場合は、ユーザーは駆動ユニット26に正逆回転モーター52を設ければよく、反転搬送部42に手を加える必要がない。すなわちユーザーは、オプションユニット取付部24に折りユニット30が取り付けられている場合と、標準ユニット39が取り付けられている場合とで、反転搬送部42の構造を変化させる必要がない。したがって、折り機能の有無の切り替えが容易である。
【0056】
なお、標準ユニット39と折りユニット30とでは構造の共通部分が多いが、標準ユニット39と折りユニット30とで構造が異なる部分もある。例えば図6に示されている標準ユニット39には、折りシート搬送レーン36および第4ローラー33aが設けられていない。
【0057】
すなわち標準ユニット39では折りシート搬送レーン36が省略され、また、第3ローラー対33が簡略化されている。折りシート搬送レーン36が省略され、第3ローラー対33が簡略化されていることにより、標準ユニット39は折りユニット30よりも製造コストが低くなる。
【0058】
なお標準ユニット39において、折りユニット30に設けられる構造の一部が省略されている場合でも、省略された構造と他のユニットとの接続関係は維持されたままであることが好ましい。例えば図6に示されている標準ユニット39には第4ローラー33aが設けられていないが、第4ローラー33aの駆動源、例えば図1における駆動ユニット26のモーター28の駆動力は、標準ユニット39に入力されるとよい。
【0059】
そして標準ユニット39においては、駆動ユニット26のモーター28の駆動力が入力される駆動入力位置と、他のユニットへ標準ユニット39から駆動力が伝えられる駆動出力位置とが同一の位置であるとよい。
【0060】
標準ユニット39において駆動入力位置と駆動出力位置とが同一の位置であると、オプションユニット取付部24に折りユニット30が取り付けられるか、標準ユニット39が取り付けられるかによって、他のユニットの駆動力が変化することがない。
【0061】
例えば折りユニット30における第4ローラー33aの駆動力が、後処理部22においてパンチング処理を行う構造部分にも伝えられているとする。標準ユニット39において駆動入力位置と駆動出力位置とが同一の位置であれば、オプションユニット取付部24に標準ユニット39が取り付けられても、パンチング処理に支障は生じない。
【0062】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。但し、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本開示はシート後処理装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0064】
10 複合機
12 画像形成装置
13 搬入口
15 シート
15a 第1の折り
15b 第2の折り
16 第1搬送レーン
20 シート後処理装置
22 後処理部
24 オプションユニット取付部
26 駆動ユニット
28 モーター
30 折りユニット
31 第1ローラー対
31a 第1ローラー
31b 第2ローラー
32 第2ローラー対
32a 第3ローラー
33 第3ローラー対
33a 第4ローラー
35 第2搬送レーン
36 折りシート搬送レーン
39 標準ユニット
41 第1ガイド
42 反転搬送部
43 第2ガイド
45 保持ローラー対
46 第3搬送レーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6