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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179672
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】搬送装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20241219BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65H5/06 J
G03G15/00 460
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098696
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅彦
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
3F049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB08
2C061BB35
2C061CF06
2C061CF07
2C061HJ03
2C061HJ04
2C061HK06
2H072AA09
2H072AA17
2H072AA22
2H072AA29
2H072CA01
2H072CA06
2H072EA11
2H072EA15
2H072GA00
2H072JA02
3F049AA04
3F049AA10
3F049CA06
3F049DA12
3F049EA17
3F049EA24
3F049EA27
3F049LA01
3F049LB01
(57)【要約】
【課題】構造が簡素な搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置3は、搬送機構32と、搬出入機構33とを備える。搬送機構33は、記録媒体Sに画像を形成する画像形成部1の内外に向かって記録媒体Sを搬送する。搬出入機構33は、画像形成部1の外に向かって搬送する搬送機構32から記録媒体Sを搬出する動作に連動して、画像形成部1の内に向かって搬送する搬送機構32に記録媒体Sを搬入する動作を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部の内外に向かって前記記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記画像形成部の外に向かって搬送する前記搬送機構から前記記録媒体を搬出する動作に連動して、前記画像形成部の内に向かって搬送する前記搬送機構に前記記録媒体を搬入する動作を行う搬出入機構と
を備える、搬送装置。
【請求項2】
前記搬出入機構は、
前記記録媒体を前記搬送機構から搬出する搬出ローラーと、
前記記録媒体を前記搬送機構に搬入する搬入ローラーと、
前記搬出ローラー、および、前記搬入ローラーを連動して駆動させる駆動装置と
を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送機構は、
前記画像形成部の外に向かって前記記録媒体を搬送する外向き搬送体と、
前記外向き搬送体に前記記録媒体を吸着させる吸着装置と
を有する、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記吸着装置は、
前記搬出入機構が前記記録媒体を前記搬送機構から搬出するよりも強い力で、前記記録媒体を前記外向き搬送体に吸着させる、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記画像形成部に異常が発生した場合、前記搬出入機構が前記搬送機構から搬出している前記記録媒体の有無を検出する第1検出部と、
前記画像形成部に異常が発生した場合、前記搬出入機構が前記搬送機構に搬入している前記記録媒体の有無を検出する第2検出部と、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、前記吸着装置、および、前記外向き搬送体を制御し、前記第2検出部の検出結果に基づいて、前記駆動装置を制御する制御部と
をさらに備える、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1検出部が前記記録媒体を検出した場合、前記外向き搬送体を動作させ、
前記第1検出部が前記記録媒体を検出しなくなった場合、前記外向き搬送体を停止させるとともに、前記吸着装置を動作させる、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2検出部が前記記録媒体を検出した場合、前記駆動装置を動作させる、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記画像形成部と、
前記請求項1から請求項7の何れか一項に記載の搬送装置と
を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置、および、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光ドラム(感光体)に対する現像ローラーの押圧力を適正な値に保ちつつ現像ユニットのぐらつきを抑えるプロセスユニットがある。特許文献1のプロセスユニットは、第1押圧部材、および、第2押圧部材により、現像ローラーの押圧力を適正な値に保っている。このようなプロセスユニットを備える画像形成装置には、画像を形成した記録媒体に対して、乾燥などの処理を施せる処理装置が設けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5206781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のプロセスユニットは、第1押圧部材、および、第2押圧部材を採用したために複雑な構造となっている。したがって、記録媒体に画像を形成している最中にエラーが発生した場合、処理装置内の用紙を排出するとともに、新たな記録媒体の処理装置への搬入をスムーズに中止できないなどの問題が生じる。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、構造が簡素な搬送装置、および、構造が簡素な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、搬送装置は、搬送機構と、搬出入機構とを備える。搬送機構は、記録媒体に画像を形成する画像形成部の内外に向かって前記記録媒体を搬送する。搬出入機構は、前記画像形成部の外に向かって搬送する前記搬送機構から前記記録媒体を搬出する動作に連動して、前記画像形成部の内に向かって搬送する前記搬送機構に前記記録媒体を搬入する。
【0007】
本発明の他の局面によれば、画像形成装置は、前記画像形成部と、前記搬送装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の搬送装置および画像形成装置によれば、搬送装置の構造、および、画像形成装置の構造が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
図2図1の搬出入機構の概略図である。
図3】搬出ローラー、および、搬入ローラーを回転させる、駆動装置の概略図である。
図4】実施形態に係る搬送装置のブロック図である。
図5】実施形態に係る画像形成装置の動作を概略的に示す図である。
図6】実施形態に係る画像形成装置の動作を概略的に示す図であり、第1検出部および第2検出部がシートを検出した場合の搬送装置の動作を示す図である。
図7】実施形態に係る画像形成装置の動作を概略的に示す図であり、画像形成部に異常があり、かつ第1検出部および第2検出部がシートを検出しなくなった場合の搬送装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、実施形態に係る画像形成装置100の概略を説明する。図1は、実施形態に係る画像形成装置100の概略図である。
【0012】
画像形成装置100は、電子写真方式、またはインクジェット方式で記録媒体に画像を形成する機能を有する装置である。画像形成装置100には、例えば、プリンター、コピー機、またはMFP(Multi Function Printer)などがある。図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式のプリンターを例示している。
【0013】
画像形成装置100は、図1に示すように、画像形成部1と、後処理部2と、搬送装置3とを備える。
【0014】
画像形成部1は、画像データに基づいて、画像データに対応する画像をシートS(記録媒体の一例)に形成する。画像形成部1は、例えば、電子写真方式でトナー像をシートSに形成する。また、図示しないが、画像形成部1は、インクジェット方式でシートSに画像を形成してもよい。
【0015】
後処理部2は、画像が形成されたシートSに後処理を施す。後処理は、シートSにおいて画像を形成する位置、またはシートSに形成する画像の質などに対するユーザーの要求に応じて適宜定められる。後処理には、例えば、乾燥処理、またはシートSの反転処理、または複数のシートSを束ねる処理が含まれる。
【0016】
搬送装置3は、画像形成部1の内外、および、後処理部2の内外にシートSを搬送する。具体的には、搬送装置3は、画像形成部1で画像が形成されたシートSを後処理部2の内に搬送する。後処理部2の内に搬送されたシートSは、搬送装置3によって、画像形成部1の内に再び搬送される。以降において、説明の便宜上、画像形成部1から後処理部2を経由して画像形成部1にシートSが搬送されることを、上流から下流に向かってシートSが搬送されると称する。また、上流または下流の区別なく、シートSが搬送される方向を搬送方向と称する場合がある。
【0017】
図1から図4を参照して、搬送装置3の詳細について説明する。図2は、図1の搬出入機構33の概略図である。図3は、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333を回転させる、駆動装置334の概略図である。図4は、実施形態に係る搬送装置3のブロック図である。
【0018】
搬送装置3は、図1に示すように、後処理搬送機構31と、搬送機構32と、搬出入機構33と、第1検出部34と、第2検出部35と、制御部36とを有する。
【0019】
概略的には、後処理搬送機構31と、搬送機構32と、搬出入機構33とは、シートSを搬送する。後処理搬送機構31は、後処理部2の内に配置される。搬送機構32は、画像形成部1の内に配置される。搬出入機構33は、後処理搬送機構31と、搬送機構32との間でのシートSの受け渡しを行う。
【0020】
後処理搬送機構31は、第1搬送体311と、第2搬送体312とを含む。
【0021】
第1搬送体311は、搬出入機構33からシートSを受け取る。第1搬送体311は、ローラー31Rと、ベルト31Vとを有する。ローラー31Rは、ベルト31Vを回転させる。搬出入機構33からのシートSは、回転するベルト31Vに載せられる。ベルト31Vに載せられたシートSは、ベルト31Vの回転に合わせて、上流から下流に向かって後処理部2の内で搬送される。
【0022】
第2搬送体312は、後処理部2の内で搬送されたシートSを搬出入機構33に引き渡す。第2搬送体312は、一対のローラー31R、31Rを有する。シートSは、一対のローラー31R、31Rに挟み込まれる。挟み込まれたシートSは、一対のローラー31Rの回転に合わせて、上流から下流に向かって、後処理部2の内で搬送される。
【0023】
搬送機構32は、画像形成部1の内外に向かってシートSを搬送する。シートSは、搬送機構32によって、搬出入機構33に受け渡される。
【0024】
搬送機構32は、内向き搬送体321と、外向き搬送体322と、第1吸着装置323とを含む。
【0025】
内向き搬送体321は、画像形成部1の内に向かってシートSを搬送する。詳細には、内向き搬送体321は、搬出入機構33から受け取ったシートSを、画像形成部1の内に向かって搬送する。内向き搬送体321は、内向きローラー32Aと、内向きベルト32Bとを有する。内向きローラー32Aは、内向きベルト32Bを回転させる。搬出入機構33からのシートSは、回転する内向きベルト32Bに載せられる。ベルト31Vに載せられたシートSは、内向きベルト32Bの回転に合わせて、上流から下流に向かって画像形成部1の内で搬送される。
【0026】
外向き搬送体322は、画像形成部1の外に向かってシートSを搬送する。詳細には、外向き搬送体322は、画像形成部1の内で搬送したシートSを搬出入機構33に引き渡す。外向き搬送体322は、外向きローラー32Cと、外向きベルト32Dとを有する。外向きローラー32Cは、外向きベルト32Dを回転させる。シートSは、回転する外向きベルト32Dに載せられて画像形成部1の内で搬送される。外向きベルト32Dは、シートSにおいて画像が形成される面よりも小さいサイズの開口32Eが間隔をあけて設けられている。
【0027】
第1吸着装置323は、外向き搬送体322にシートSを吸着させる。これにより、第1吸着装置323は、シートSを搬送中の外向き搬送体322において、シートSが意図せぬ方向に移動するのを抑えられる。第1吸着装置323は、例えば、シートSを外向きベルト32Dの方向に吸引するファンである。このような第1吸着装置323は、外向きベルト32Dを挟んでシートSの反対側に配置されている。第1吸着装置323は、シートSの配置される空間から、外向きベルト32Dの開口32Eを通って第1吸着装置323に向かう風F1を発生させる。第1吸着装置323が発生させた風F1により、シートSが外向きベルト32Dに吸着される。第1吸着装置323は、本発明の「吸着装置」の一例である。
【0028】
搬出入機構33は、画像形成部1の外に向かって搬送する搬送機構32からシートSを搬出する動作(搬出動作)に連動して、画像形成部1の内に向かって搬送する搬送機構32にシートSを搬入する動作(搬入動作)を行う。このような搬出入機構33は、搬入動作および搬出動作を、一の駆動源で行える。したがって、複数の駆動源が必要な場合と比較して、搬出入機構33の構造が簡素になる。
【0029】
具体的に、搬出入機構33は、図1から図3に示すように、搬出ローラー331と、第2吸着装置332(図2参照)と、搬入ローラー333と、駆動装置334(図3参照)とを有する。
【0030】
搬出ローラー331は、シートSを搬送機構32から搬出する。図1に示すように、搬出ローラー331は、外向き搬送体322の下流に、シートSを橋渡しできる程度の間隔をあけて配置される。図2には、シートSにおける、画像が形成される面よりも小さいサイズの隙間33Gをあけて、3本の搬出ローラー331、331、331が搬送方向に沿って配置される。搬出ローラー331に引き渡されたシートSは、回転する搬出ローラー331に載って、画像形成部1から搬出される。画像形成部1から搬出されたシートSは、搬出ローラー331が第1搬送体311に引き渡す。
【0031】
第2吸着装置332は、図2に示すように、搬出ローラー331にシートSを吸着する。これにより、第2吸着装置332は、搬出ローラー331に搬送されるシートSが、意図しない方向に移動するのを抑えられる。具体的に、第2吸着装置332は、搬出ローラー331の方向にシートSを吸引するファンである。第2吸着装置332は、搬出ローラー331を挟んでシートSの反対側に配置されている。第2吸着装置332は、シートSの配置される空間から、隙間33Gを通って第2吸着装置332に向かう風F2を発生させる。第2吸着装置332の発生させた風F2により、シートSは、搬出ローラー331に吸着される。
【0032】
搬入ローラー333は、図1に示すように、シートSを搬送機構32に搬入する。具体的に、搬入ローラー333は、内向き搬送体321の上流に間隔をあけて配置されている。第2搬送体312から搬入ローラー333に引き渡されたシートSは、回転する搬入ローラー333に載って、内向き搬送体321に引き渡される。これにより、搬入ローラー333に載って搬送されるシートSは、画像形成部1に搬入される。
【0033】
駆動装置334は、図3に示すように、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333を連動して駆動させる。このようにすることで、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333は、一の駆動装置334により回転する。したがって、搬出入機構33の構造は、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333を駆動させるのに複数の駆動装置334が必要な場合と比較して簡素になる。
【0034】
具体的に、駆動装置334は、駆動源33Aと、第1伝達構造33Bと、第2伝達構造33Cとを含む。
【0035】
駆動源33Aは、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333の回転力を生じさせる。図3に例示する駆動源33Aは、回転軸33Rを有するモーターである。
【0036】
第1伝達構造33Bは、駆動源33Aの回転力を搬出ローラー331に伝達する構造である。図3には、互いに?み合う複数の歯車から構成される歯車列が、第1伝達構造33Bとして示されている。第1伝達構造33Bの歯車列は、回転軸33Rの回転力を搬出ローラー331に伝達する。したがって、搬出ローラー331は、回転軸33Rの回転に合わせて回転する。なお、第1伝達構造33Bは、歯車列に限らず、駆動源33Aの回転力を搬出ローラー331に伝達できればどのような構造であってもよい。
【0037】
第2伝達構造33Cは、駆動源33Aの回転力を搬入ローラー333に伝達する構造である。図3に示す第2伝達構造33Cは、第1伝達構造33Bと同様に、互いに?み合う複数の歯車から構成される歯車列である。第2伝達構造33Cの歯車列は、回転軸33Rの回転力を搬入ローラー333に伝達する。したがって、搬入ローラー333は、回転軸33Rの回転に合わせて回転する。なお、第2伝達構造33Cも、第1伝達構造33Bと同様に、歯車列に限らず、駆動源33Aの回転力を搬入ローラー333に伝達できればどのような構造であってもよい。
【0038】
以上のように、回転軸33Rの回転力は、第1伝達構造33Bおよび第2伝達構造33Cの両方に伝達される。このため、回転軸33Rが回転することで、搬入ローラー333が搬出ローラー331と連動して回転する。
【0039】
図1に示す画像形成部1は、画像を形成しているときに、異常が発生する場合がある。画像形成部1の異常は、画像形成部1が継続して動作できない状況の発生を含む。具体例としては、画像を形成するシートSの不足、インクまたはトナーの不足などが、画像形成部1の異常である。
【0040】
第1検出部34は、画像形成部1に異常が発生した場合、搬出入機構33が搬送機構32から搬出しているシートSの有無を検出する。詳細には、第1検出部34は、少なくともシートSの一部が、外向きベルト32Dから離れたことを検出するセンサーなどである。一の具体例として、第1検出部34は、外向きベルト32Dと、搬出ローラー331との間の空間における、シートSの有無を検出するセンサーである。また、他の具体例として、第1検出部34は、任意の位置でのシートSの有無を検出する位置検出用のセンサーと、位置検出用のセンサーの検出結果、および、画像形成装置100の各部の動作状況からシートSの位置を予測する演算装置との組み合わせである。
【0041】
第2検出部35は、画像形成部1に異常が発生した場合、搬出入機構33が搬送機構32に搬入しているシートSの有無を検出する。詳細には、第2検出部35は、後処理部2の内で搬送されているシートS、および、搬入ローラー333から内向きローラー32Aに引き渡されているシートSの有無を検出するセンサーである。第2検出部35は、第1検出部34で説明した、位置検出センサーと、演算装置との組み合わせでもよい。なお、第1検出部34、および、第2検出部35は、シートSの位置を検出できれば、位置検出用センサー、または、位置検出用センサーおよび演算装置の組み合わせに限らない。
【0042】
制御部36は、図4に示すように、後処理搬送機構31、搬送機構32、および搬出入機構33を制御する。好ましくは、制御部36は、第1検出部34の検出結果に基づいて、第1吸着装置323、および外向き搬送体322を制御する。加えて、制御部36は、第2検出部35の検出結果に基づいて、駆動装置334を制御する。したがって、第1吸着装置323、外向き搬送体322、および駆動装置334は、画像形成部1に異常が発生したときのシートSの位置に適した動作を行う。制御部36は、処理部361と、記憶部362とを有する。
【0043】
処理部361は、例えば、プロセッサーである。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部361は、記憶部362に記憶された制御プログラムを実行することによって、第1搬送体311、第2搬送体312、内向き搬送体321、外向き搬送体322、第1吸着装置323、駆動装置334、および第2吸着装置332を制御する。
【0044】
記憶部362は、制御プログラムを記憶する。記憶部362は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および/またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)によって構成される。記憶部362は、外部メモリーを含んでいてもよい。外部メモリーは、リムーバブルメディアである。記憶部362は、外部メモリーとして、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリー、および/またはSD(Secure Digital)カードを含んでもよい。
【0045】
制御部36の機能について、図4から図7を参照して説明する。図5は、実施形態に係る画像形成装置100の動作を概略的に示す図である。図6は、実施形態に係る画像形成装置100の動作を概略的に示す図であり、第1検出部34および第2検出部35がシートSを検出した場合の搬送装置3の動作を示す図である。図7は、実施形態に係る画像形成装置100の動作を概略的に示す図であり、画像形成部1に異常があり、かつ第1検出部34および第2検出部35がシートSを検出しない場合の搬送装置3の動作を示す図である。
【0046】
制御部36は、図4に示すように、第1搬送体311、第2搬送体312、内向き搬送体321、外向き搬送体322、および駆動源33Aを動作させる。これにより、図5に示すように、外向き搬送体322によって搬送されたシートSは、搬出ローラー331によって搬出され、第1搬送体311に引き渡される。第1搬送体311に引き渡されたシートSは、後処理部2の内で搬送された後、第2搬送体312から、搬入ローラー333を介して、内向き搬送体321に引き渡される。
【0047】
加えて、制御部36は、シートSを搬送機構32から搬出するよりも強い力で、シートSを外向き搬送体322に吸着させるように、第1吸着装置323と、第2吸着装置332とを制御する。具体的に、図5に示すように、制御部36は、第1吸着装置323の発生させる風F1の風量が、第2吸着装置332の発生させる風F2の風量よりも大きくなるように、第1吸着装置323、および、第2吸着装置332を制御する。この結果、外向き搬送体322から搬出ローラー331にシートSが引き渡されるときに、シートSに過剰な引張力が加わって、シートSが破損するのを防止できる。
【0048】
また、制御部36は、図6に示すように、第1検出部34がシートSを検出した場合、外向き搬送体322を動作させる。具体的に、制御部36は、外向きローラー32Cの回転を制御して、外向きベルト32Dを回転させる。これにより、外向きベルト32Dに載ったシートSは、画像形成部1の外に向かって搬送される。時間が経過すると、外向きベルト32Dに搬送されているシートSは、画像形成部1から搬出される。この結果、第1検出部34は、シートSを検出しなくなる。
【0049】
外向きベルト32Dによって画像形成部1から搬出されたシートSは、後処理部2の内に搬入される。そして、第1搬送体311、第2搬送体312、および駆動装置334を制御部36が動作させていれば、後処理部2の内で搬送されたシートSは、搬出入機構33に搬入される。この結果、第2検出部35がシートSを検出する。
【0050】
さらに、制御部36は、第2検出部35がシートSを検出した場合、駆動装置334を動作させる。具体的に、制御部36は、駆動源33Aに回転力を生じさせる制御を行う。これにより、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333が回転する。したがって、搬出ローラー331、および、搬入ローラー333に載ったシートSが後処理部2の外に向けて搬送される。よって、画像形成部1に異常が発生したときに、搬出入機構33に搬入されたシートSが搬出入機構33から搬出される。好ましくは、画像形成部1に異常が発生したとき、第1搬送体311、第2搬送体312、および内向き搬送体321を制御部36が動作させる。この結果、後処理部2の内にあったシートSが、後処理部2および搬出入機構33から搬出される。
【0051】
制御部36は、図7に示すように、第1検出部34がシートSを検出しなくなった場合、外向き搬送体322を停止させるとともに、第1吸着装置323を動作させる。具体的に、制御部36は、外向きローラー32Cの回転を停止させる制御を行って、外向きベルト32Dの回転を停止させる。加えて、制御部36は、第1吸着装置323に風F1を発生させる。外向きベルト32Dの回転が停止することで、新たなシートSが搬出ローラー331に引き渡されるのを防止できる。また、第1吸着装置323が風F1を発生させることで、外向き搬送体322に載ったシートSが搬出ローラー331に吸着される。この結果、搬出ローラー331に載ったシートSは、後処理部2に向かって移動できなくなる。
【0052】
上記にて説明した画像形成部1、および搬送装置3を備える画像形成装置100の構造は、簡素になる。
【0053】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、搬送装置および画像形成装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0055】
1 :画像形成部
3 :搬送装置
32 :搬送機構
33 :搬出入機構
34 :第1検出部
35 :第2検出部
100 :画像形成装置
322 :外向き搬送体
323 :第1吸着装置
333 :搬入ローラー
334 :駆動装置
S :シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7