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特開2024-179676ポンプユニット及び補助加圧ポンプユニット
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  • 特開-ポンプユニット及び補助加圧ポンプユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179676
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ポンプユニット及び補助加圧ポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 23/02 20060101AFI20241219BHJP
   F04D 13/16 20060101ALI20241219BHJP
   F04D 13/14 20060101ALI20241219BHJP
   A62C 35/60 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
F04B23/02 E
F04D13/16 Z
F04D13/14
A62C35/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098704
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢田 怜也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利造
(72)【発明者】
【氏名】林 徹也
(72)【発明者】
【氏名】木下 達也
【テーマコード(参考)】
2E189
3H071
3H130
【Fターム(参考)】
2E189CA08
2E189CB02
2E189CB08
2E189CB10
2E189CC02
3H071AA01
3H071BB03
3H071BB12
3H071CC47
3H071DD75
3H130AA03
3H130AB13
3H130AB23
3H130AB42
3H130AC01
3H130BA66J
3H130CA21
3H130CA29
3H130CB01
3H130DA02Z
3H130DB11Z
3H130DD01Z
3H130DF01X
(57)【要約】
【課題】落水を防止できるポンプユニット及び補助加圧ポンプユニットを提供すること。
【解決手段】ポンプユニット111は、複数のポンプケーシング141、最上段の前記ポンプケーシング141に設けられる吐出ケーシング145、及び、吐出ケーシング145に設けられた軸封部材146を有するポンプ部122と、停止水位よりも下に軸封部材146が位置してポンプ部122を固定する水槽126と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポンプケーシング、最上段の前記ポンプケーシングに設けられる吐出ケーシング、及び、前記吐出ケーシングに設けられた軸封部材を有するポンプ部と、
水位が安定する停止水位まで前記ポンプ部の停止後に更に給水されるとともに、前記停止水位よりも下に前記軸封部材が位置して前記ポンプ部を固定する水槽と、
を備えるポンプユニット。
【請求項2】
前記軸封部材は、前記水槽の吐水口空間よりも下方に配置される、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項3】
前記ポンプ部は、回転軸を有し、
前記ポンプ部に接続され、モータ軸を有するモータ部と、
前記回転軸及び前記モータ部を接続する継手と、を備える、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項4】
前記吐出ケーシングの二次側に設けられた逆止弁を備える、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のポンプユニットと、
前記吐出ケーシングの二次側の圧力が所定の圧力以下となったときに、前記ポンプ部を駆動する制御装置と、
を備える補助加圧ポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ部が液体に浸漬されるポンプユニット及び補助加圧ポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、液体を二次側に供給するポンプユニットが知られている。このようなポンプユニットは、様々な用途にて使用されており、用途の1つとして、自動消火設備に消火ポンプとしてポンプユニットを用いる技術も知られている。
【0003】
自動消火設備に用いられる消火ポンプは、例えば、火災時にスプリンクラー等へ水を供給する。例えば、自動消火設備は、配管内の圧力低下によって、消火ポンプを起動する。このとき、消火ポンプの駆動と火災報知器が連動して発報する自動消火設備においては、配管内の飽和蒸気圧量の変化や漏水での圧力低下により消火ポンプの誤作動が発生すると、火災報知器の誤発報が問題となる。そこで、自動消火設備として、配管内の圧力低下を防止し、消火ポンプの誤作動を防止するために、補助加圧ポンプユニットが消火ポンプの二次側に接続される構成も知られている。
【0004】
補助加圧ポンプユニットは、上述したような自動消火設備の動作特性上、始動頻度と始動時間が非常に少ない。このような補助加圧ポンプユニットには、一般的にプランジャーポンプ(例えば、特許文献1参照)、浸漬型ポンプ(例えば、特許文献2参照)、陸上多段ポンプ等が採用される。
【0005】
特に、浸漬型ポンプは、ポンプ部が水槽に一体に設けられることから、静音性が高く、また、据付面積を他のポンプよりも小さくできる。また、このような浸漬型ポンプは、特に、工作機械分野で用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5457229号公報
【特許文献2】特許第4094736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、自動消火設備に用いられる場合には、消火ポンプの二次側配管の圧力保持のため、浸漬型のポンプユニットは、ポンプ部の二次側に逆止弁を設ける必要がある。また、浸漬型のポンプユニットは、水槽の上部に、吐水口空間を確保する必要がある。このため、ポンプ部の軸封部や多段ケーシングの上部が吐水口空間に配置される。しかし、ポンプユニットは、気中に露出する軸封部やケーシング間から吸気する虞がある。そして、気中に露出する軸封部やケーシング間から吸気すると、ポンプユニットは、落水する虞がある。
【0008】
そして、落水が生じると、ポンプ内に空気が侵入するため、落水後に補助加圧ポンプユニットを運転すると、配管内に空気が送られる。配管内に存する空気量が増えると、エア噛みが発生し、自動消火設備の能力が不安定になる恐れがある。
【0009】
そこで、本発明は、落水を防止できるポンプユニット及び補助加圧ポンプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、ポンプユニットは、複数のポンプケーシング、最上段の前記ポンプケーシングに設けられる吐出ケーシング、及び、前記吐出ケーシングに設けられた軸封部材を有するポンプ部と、停止水位よりも下に前記軸封部材が位置して前記ポンプ部を固定する水槽と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、落水を防止できるポンプユニット及び補助加圧ポンプユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る消火設備の構成を示す説明図。
図2】同消火設備に用いられる補助加圧ポンプユニットの構成を示す斜視図。
図3】同補助加圧ポンプユニットの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るポンプユニット111の構成を、図1乃至図3を用いて説明する。なお、本実施形態においては、ポンプユニット111は、給水設備として消火設備100に用いられる補助加圧ポンプユニットの例を用いて説明する。このため、ポンプユニット111を、以下補助加圧ポンプユニット111として説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る消火設備100の構成を示す説明図、図2は、補助加圧ポンプユニット111の構成を示す斜視図、図3は補助加圧ポンプユニット111の構成を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、補助加圧ポンプユニット111は、建造物に設けられた消火設備100に用いられる。補助加圧ポンプユニット111は、消火設備100の配管6内の圧力が所定の圧力以下となった場合に、配管6内の圧力を増圧させるために用いられる。
【0016】
まず、消火設備100の構成について説明する。図1に示すように、消火設備100は、消火ポンプ装置1と、補助加圧装置2と、放水手段3と、火災報知器等を含む火災判断機器4と、給水源5と、消火設備100の各構成を流体的に接続する配管6と、を備える。消火設備100は、火災判断機器4や配管6内の圧力に基づいて火災を判断し、放水手段3から放水を行う自動消火設備である。
【0017】
消火ポンプ装置1は、例えば、ポンプユニット12と、吐出管13と、圧力タンク14と、制御盤18と、を備える。
【0018】
ポンプユニット12は、ポンプ21及びモータ22を備えている。ポンプ21は、吸込口及び吐出口を備えている。ポンプ21は、その内部に回転軸に固定されたインペラを収容する。ポンプ21は、増圧した水を二次側に吐出する。
【0019】
モータ22は、回転軸を回転可能に形成されている。モータ22は、回転軸を回転することで、ポンプ21のインペラを駆動する。モータ22は、制御盤18に接続される。
【0020】
吐出管13は、一端がポンプ21の吐出口に接続されるとともに、他端が配管6に接続される。吐出管13は、逆止弁13aを有する。
【0021】
圧力タンク14は、ポンプ21から吐出された所定の圧力の水を貯留可能に形成される。圧力タンク14は、例えば、吐出管13に設けられる。圧力タンク14は、例えば、圧力計と、圧力検出器33と、を備える。圧力計は、圧力タンク14内の圧力を検出する。圧力検出器33は、信号線を介して制御盤18に接続される。圧力検出器33は、圧力タンク14内の圧力値を制御盤18に送信する。なお、圧力検出器33は、吐出管13内の圧力を検出可能に、吐出管13に設けられる構成であってもよく、また、吐出管13以外の配管6に設けられる構成であってもよい。
【0022】
制御盤18は、内部に制御部を備えている。また、制御盤18は、入力装置と、記憶部と、報知部と、通信部と、端子部を備えている。制御盤18は、また、例えば、制御基板と、筐体と、を備えている。
【0023】
制御基板は、例えば、一枚の基板に、制御部、記憶部、通信部及び端子部が実装されることで構成される。筐体は、内部に制御基板を収容するとともに、外面の一部に入力装置及び報知部を配置する。また、筐体は、内部に電源トランス、電流測定用変流器、電磁接触器、配線用遮断器等の機器を収容する。
【0024】
制御部は、プロセッサであり、信号線を介して圧力検出器33に接続される。制御部は、例えば、マイコン、CPU等の処理回路であるが、これらに限定されず、記憶部に記憶された制御プログラムやパラメータ等の制御データに基づいて、モータ22を制御可能であれば、適宜設定できる。制御部は、入力装置、記憶部、報知部及び通信部と、バスライン等の信号線を介して電気的に接続される。
【0025】
制御部は、モータ22を駆動可能に形成されている。制御部は、火災と判断したときに、モータ22を駆動可能に形成されている。具体例として、制御部は、火災判断機器4から発報されたポンプユニット12の起動信号を受信すると、記憶部に記憶されたプログラムに準じてモータ22を駆動する。
【0026】
入力装置は、日時及び指令等の情報を入力可能に形成される。入力装置は、入力された情報を制御部に送信する。
【0027】
記憶部は、所謂メモリやストレージを含む。記憶部は、火災と判定するとともに、火災と判定したときに、モータ22を駆動するプログラム、特定の運転である点検運転を行うプログラム、また、これらプログラムを実行するための圧力、時間、モータ22を駆動する周波数等の各種パラメータを記憶する。
【0028】
また、記憶部は、例えば、複数のプログラムやパラメータのいずれかを書き換え不可として記憶してもよい。このような例では、例えば、記憶部は、特定のパラメータを、消火ポンプ装置1を製造したメーカで記憶された後、書き換えが不可に設定され、そして、他のパラメータを入力装置で入力された値に書き換え可能に設定される。
【0029】
記憶部は、制御部のカウンタ機能のカウンタメモリとして機能する。また、記憶部には、例えば、ポンプユニット12を起動する起動圧力、締切り運転時の締切揚程、並びに、火災発生時及び各点検運転におけるポンプユニット12の制御プログラム等が記憶されている。
【0030】
報知部は、ポンプユニット12の異常発生時に、制御部から送信された情報に基づいて、当該異常を外部に報知可能に形成されている。報知部は、例えば、情報を表示する表示部、点灯又は点滅することで情報を表示するランプ、音により外部に情報を報知する音響及び情報を表示するディスプレイを含む。
【0031】
通信部は、外部と情報を送受信可能に構成される。例えば、通信部は、制御部から送信された情報を無線又は有線により外部に出力する。例えば、通信部は、外部端末に情報を送信する。換言すると、制御部は、通信部を介して、インターネット、LAN等のネットワーク、無線通信技術、又は有線ケーブル等によりに、管理センターや外部端末に情報を送信する。
【0032】
補助加圧装置2は、放水手段3へ接続される配管6内の圧力が低下したときに、消火ポンプ装置1が始動する前に補助加圧装置2が自動運転し、配管6内の圧力を回復させる装置である。
【0033】
図1乃至図3に示すように、補助加圧装置2は、例えば、補助加圧ポンプユニット111と、補助加圧ポンプユニット111の二次側に設けられた圧力タンク112と、圧力タンク112に接続された圧力検出器113と、制御装置である制御盤115と、を備えている。
【0034】
補助加圧ポンプユニット111は、補助モータ(モータ部)121と、補助モータ121により駆動される補助ポンプ(ポンプ部)122と、補助モータ121及び補助ポンプ122を接続する継手123と、補助ポンプ122に接続される連結管124と、連結管124に接続される逆止弁125と、補助ポンプ122が配置される水槽126と、を備えている。補助加圧ポンプユニット111は、補助ポンプ122の一部が水槽126内の水に浸漬される浸漬式のポンプユニットである。
【0035】
補助モータ121は、制御盤115に電気的に接続される。補助モータ121は、水槽126上に配置される。補助モータ121は、直接的に、又は、補助ポンプ122を介して間接的に、水槽126に固定される。補助モータ121は、モータケーシング121aと、モータケーシング121a内に設けられた固定子121bと、固定子121bにより回転する回転子121cと、回転子121cに固定されたモータ軸121dと、モータ軸121dを軸支する軸受部材121eと、を備える。また、補助モータ121は、冷却用のファン121fを有する。
【0036】
補助ポンプ122は、例えば、吸い込み側である一次側が水槽126内の下方に配置され、吐き出し側である二次側が連結管124に接続される。補助ポンプ122は、多段ポンプである。補助ポンプ122は、複数のポンプケーシング141と、各ポンプケーシング141内に収容される複数のインペラ142と、各インペラ142が固定される回転軸143と、複数のポンプケーシング141の最下段に接続される吸込ケーシング144と、複数のポンプケーシング141の最上段に接続される吐出ケーシング145と、吐出ケーシング145に設けられた軸封部材146を備える。
【0037】
複数のポンプケーシング141は、重力方向、換言すると、水面垂直方向に積層される。複数のインペラ142は、回転軸143の回転に伴って各ポンプケーシング141内で回転することで、水を吸い込み、増圧させて二次側へ水を吐出する。
【0038】
回転軸143は、継手123を介してモータ軸121dに接続される。吸込ケーシング144は、最下段のポンプケーシング141に接続される。吸込ケーシング144は、例えば、ストレーナを有する。
【0039】
吐出ケーシング145は、最上段のポンプケーシング141に接続される。吐出ケーシング145は、一方向に延びて形成されるとともに、一端側がポンプケーシング141に接続され、他端が補助モータ121に接続される。吐出ケーシング145は、例えば、中途部に、水槽126に固定されるフランジ部145aを有し、フランジ部145aを介して水槽126にボルト等の締結部材145bにより固定される。
【0040】
吐出ケーシング145は、ポンプケーシング141に固定される一端側に軸封部材146が固定される。また、吐出ケーシング145は、一端側から他端側に向かって延び、水槽126内から水槽126外へと延設され、他端が水槽126外で開口する吐出口を有する吐出部145cを有する。このような吐出ケーシング145は、水槽126に固定された姿勢で、一端側に取り付けられた軸封部材146が水槽126の停止水位よりも下方に位置するように、一端側の高さ位置が規定される。即ち、水槽126に取り付けられた吐出ケーシング145は、軸封部材146が取り付けられた部位を含む一端側が、水槽126の停止水位よりも下方に位置する。
【0041】
軸封部材146は、例えば、メカニカルシールである。軸封部材146は、回転軸143及び吐出ケーシング145の間を密封する。
【0042】
継手123は、例えば、吐出ケーシング145のフランジ部145aよりも上方に配置され、モータ軸121d及び回転軸143を接続する。
【0043】
連結管124は、配管6に接続される。より具体的には、連結管124は、配管6の一部を構成する。
【0044】
逆止弁125は、連結管124に設けられる。逆止弁125は、補助ポンプ122の二次側から補助ポンプ122への水の移動を規制する。
【0045】
水槽126は、補助加圧ポンプユニット111の水源である。水槽126は、水槽本体151と、水槽本体151に設けられた給水口152と、給水口152に設けられたボールタップ153と、水槽本体151に設けられたオーバーフロー管154と、水位検出センサ155と、ドレン口156と、を備えている。
【0046】
水槽本体151は、例えば、矩形箱状に構成される。水槽本体151は、内部に所定量の水を貯留可能な容積を有する。水槽本体151の天板部は、フランジ部145aを介して吐出ケーシング145を固定可能に形成される。また、水槽本体151は、吐出ケーシング145、水位検出センサ155や各種構成品を固定する締結部材を挿通可能な開口が適宜形成される。水槽本体151は、吐出ケーシング145のフランジ部145aが固定されたときに、補助ポンプ(ポンプ部)122を停止水位よりも下に軸封部材146を位置して固定する。
【0047】
給水口152は、水槽本体151に設けられ、水槽本体151内に水を供給する。給水口152は、例えば、水槽本体151において重力方向に直交する方向に延びるとともに、水槽本体151内に配置される部位が90度ベントして重力方向に沿って下方に延びるベント管により形成される。
【0048】
ボールタップ153は、シャフト153a、シャフト153aの先端に設けられたボール153b、及び、ボール153bの変位によって給水口152を開閉する開閉弁153cと、を備える。ボールタップ153は、水面に浮かぶボール153bが上下し、水槽本体151内の水位が停止水位となるまで、開閉弁153cが開いて給水口152を開放するとともに、水槽本体151内の水位が停止水位となると、開閉弁153cが閉じて給水口152を閉塞する。即ち、ボールタップ153は、補助ポンプ(ポンプ部)122の停止後において、水槽本体151内の水位が安定する停止水位まで、水槽本体151に給水を行う。
【0049】
オーバーフロー管154は、水槽本体151に設けられる。オーバーフロー管154は、例えば、水槽本体151において重力方向に直交する方向に延びる。オーバーフロー管154は、給水口152よりも下方であって、且つ、停止水位よりも上方に設けられる。また、例えば、オーバーフロー管154は、水槽本体151の奥行き方向で給水口152とずれて配置される。
【0050】
水位検出センサ155は、水槽本体151内の水位を検出する。水位検出センサ155は、検出した水位の情報を信号として制御盤115に出力する。例えば、水位検出センサ155は、異なる水位を検出可能に、複数の電極を有する。
【0051】
ドレン口156は、水槽本体151の下端側に設けられる。ドレン口156は、手動開閉弁156aを有し、開閉可能に形成される。
【0052】
圧力タンク112は、連結管124に設けられる。圧力タンク112は、アキュムレータである。
【0053】
圧力検出器113は、信号線を介して制御盤115に接続される。圧力検出器113は連結管124内の圧力を検出可能に、連結管124に設けられる。なお、圧力検出器113は、連結管124以外の配管6に設けられる構成であってもよい。
【0054】
補助ポンプ122の起動圧力は、消火ポンプ装置1のポンプユニット12の起動圧力よりも高く設定される。また、補助ポンプ122の停止圧力は、消火ポンプ装置1の締切り圧力よりも低く設定される。
【0055】
例えば、圧力検出器113で検出した圧力が起動圧力以下と判断すると、補助ポンプ122が起動する。また、補助ポンプ122の運転中に圧力検出器113で検出した圧力が停止圧力以上と判断すると、補助ポンプ122が停止する。
【0056】
スプリンクラー211は、配管6から分岐して接続され、各フロアに配設された配設管211aと、配設管211aに設けられたフロア毎に複数設けられたスプリンクラヘッド211bと、を備える。また、スプリンクラー211は、配設管211a及びスプリンクラヘッド211bの間に水量(流量)及び圧力の検出が可能な検出器を備えていてもよい。
【0057】
スプリンクラヘッド211bは、例えば、火災時の熱により開口し放水することで、建造物のフロアに放水可能な放水口を有している。また、スプリンクラヘッド211bは、例えば、同一フロアに設けられたスプリンクラヘッド211bのいずれかが開となり放水した場合に、同一フロア内に設けられた他のスプリンクラヘッド211bも開となり連動して放水可能に形成されている。
【0058】
流水検知器314は、配管6内に所定の流量又は流速の水が流れた場合に、内部に設けられたスイッチが作動し、制御盤18にポンプユニット12の起動信号を発報する。
【0059】
給水源5は、消火用の水槽である。給水源5は、消火ポンプ装置1の一次側に設けられる。
【0060】
配管6は、消火ポンプ装置1の二次側に設けられ、スプリンクラー211に接続される。配管6には、流水検知器314が設けられる。配管6は、末端又は中途部においてスプリンクラー211により閉鎖される。
【0061】
このように構成された消火設備100に用いられる補助加圧ポンプユニット111によれば、制御盤115は、吐出ケーシング145の二次側の圧力として、圧力検出器113で検出された圧力が起動圧力以下となると、補助ポンプ122を起動して、配管6内の圧力を増圧させることができる。これにより、消火設備100は、火災発生時以外において、消火ポンプ装置1が作動する圧力まで配管6内の圧力が低下を防止し、消火ポンプ装置1の誤作動を防止することができる。
【0062】
また、補助加圧ポンプユニット111は、浸漬ポンプであり、そして、補助ポンプ122の吐出ケーシング145及び軸封部材146を水槽本体151の停止水位よりも下方に配置される。このため、補助ポンプ122のポンプケーシング141、吐出ケーシング145の軸封部材146が設けられる一端側及び軸封部材146は、補助加圧ポンプユニット111の停止時に、水槽本体151の水に軸封部材146が浸漬されることになる。
【0063】
このため、長期間に渡って補助加圧ポンプユニット111が停止していたとしても、軸封部材146や各ケーシング141、145間から補助ポンプ122内に吸気されることが無いため、落水することを防止できる。
【0064】
このため、補助加圧ポンプユニット111の起動時に、空気が配管6内に送られることが防止できる。
【0065】
上述したように、一実施形態に係る補助加圧ポンプユニット111によれば、浸漬ポンプとするとともに、停止水位よりも下方に軸封部材146を配置することで、吐出ケーシング145への空気の侵入を防止できる
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、ポンプユニット111の例として、消火設備100に用いる補助加圧ポンプユニット111を説明したがこれに限定されない。即ち、ポンプユニット111は、補助ポンプ(ポンプ部)122のポンプケーシング141、吐出ケーシング145の一端側、及び、軸封部材146を水槽本体151の停止水位よりも低い位置に設ける構成であれば、消火設備100以外に用いることができる。例えば、ポンプユニット111は、工作機械用に用いられる構成であってもよく、また、他の用途に用いられる構成であってもよい。
【0066】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0067】
100…消火設備、1…消火ポンプ装置、2…補助加圧装置、3…放水手段、4…火災判断機器、5…給水源、6…配管、12…ポンプユニット、13…吐出管(配管)、13a…逆止弁、14…圧力タンク、18…制御盤、21…ポンプ、22…モータ、33…圧力検出器、111…補助加圧ポンプユニット(ポンプユニット)、112…圧力タンク、113…圧力検出器、115…制御盤、121…補助モータ(モータ部)、121a…モータケーシング、121b…固定子、121c…回転子、121d…モータ軸、121e…軸受部材、121f…ファン、122…補助ポンプ(ポンプ部)、123…継手、124…連結管、125…逆止弁、126…水槽、141…ポンプケーシング、142…インペラ、143…回転軸、144…吸込ケーシング、145…吐出ケーシング、145a…フランジ部、145b…締結部材、145c…吐出部、146…軸封部材、151…水槽本体、152…給水口、153…ボールタップ、153a…シャフト、153b…ボール、153c…開閉弁、154…オーバーフロー管、155…水位検出センサ、156…ドレン口、156a…手動開閉弁、211…スプリンクラー、211a…配設管、211b…スプリンクラヘッド、314…流水検知器。
図1
図2
図3