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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017969
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】印刷物の集約装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/02 20060101AFI20240201BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65H31/02
B65H37/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120962
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】504025918
【氏名又は名称】株式会社ユウコス
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道井 博夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 仁
(72)【発明者】
【氏名】片山 栄二
【テーマコード(参考)】
3F054
3F108
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054BA02
3F054BJ05
3F108GA10
3F108GB06
(57)【要約】
【課題】1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断することにより作製された複数枚の印刷物を、人の手を要することなく1つに集約することができる、印刷物の集約装置を提供する。
【解決手段】1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断する裁断部と、該裁断部で裁断されることにより作製された複数枚の印刷物を一方向に1枚ずつ2以上の所定数並べて該一方向と異なる方向に排出する排出部とを備えた裁断装置の、前記排出部から排出される印刷物を1つの山に集約する装置であって、前記裁断装置の排出部から並んだ状態で排出される前記所定数の印刷物を収容する収容部42と、前記印刷物が前記排出部から排出される方向と異なる所定の方向に、前記収容部に隣接して設けられた集約部43と、前記収容部に前記印刷物が予め決められた数、収容される毎に、前記収容部に収容された複数の印刷物を、1山の集約物として前記集約部に搬送する搬送機構425とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断する裁断部と、該裁断部で裁断されることにより作製された複数枚の印刷物を一方向に1枚ずつ2以上の所定数並べて該一方向と異なる方向に排出する排出部とを備えた裁断装置の、前記排出部から排出される印刷物を1つの山に集約する装置であって、
前記裁断装置の排出部から並んだ状態で排出される前記所定数の印刷物を収容する収容部と、
前記印刷物が前記排出部から排出される方向と異なる所定の方向に、前記収容部に隣接して設けられた集約部と、
前記収容部に前記印刷物が予め決められた数、収容される毎に、前記収容部に収容された複数の印刷物を、1山の集約物として前記集約部に搬送する搬送機構と
を備えることを特徴とする、印刷物の集約装置。
【請求項2】
前記印刷物は矩形のものであり、
前記所定の方向は、前記印刷物が前記排出部から排出される方向と直交する方向である
ことを特徴とする、請求項1に記載の印刷物の集約装置。
【請求項3】
前記搬送機構が、
前記収容部において、前記排出部から並んだ状態で排出される印刷物を相互に異なる高さで支持する支持機構と、
前記異なる高さで支持された印刷物を、該印刷物のうちの1つ印刷物の下方又は上方に移動させて1山に重ね合わせて前記集約部に搬送する搬送部と
を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷物の集約装置。
【請求項4】
前記搬送機構が、
前記収容部に収容された印刷物を、前記集約部に近い側に位置する印刷物から順に、1枚ずつ該集約部に搬送する搬送部
を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷物の集約装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はがき等の印刷物を集約する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
年賀状、暑中見舞い、挨拶状などを個人や会社で作製する際に、自らが所有するプリンタを用いて1枚ずつはがきに文字や図柄などのデザインを印刷する代わりに、インターネットのサイト等を通じ、はがきに印刷するデザインを指定したうえで、印刷会社等の専門業者に必要な数のはがきの作製を依頼する場合がある。
【0003】
専門業者で同じデザインのはがきを複数、作製する際には、印刷機、裁断機、及び搬送機構を有する専用の装置が用いられる。こうした装置では、はがきの数倍の面積を有する大判の印刷用紙に印刷機で同じデザインを複数、割り付け印刷し、印刷済みの用紙を裁断機により所定の位置で裁断したあと、搬送機構で集積場所へと搬送する(例えば特許文献1、2)。例えば、100枚のはがきを作製する際には、印刷機を用いてはがきの4倍の大きさを有する印刷用紙に、それを格子状に4分割した領域のそれぞれに同じデザインを印刷し、裁断機を用いて裁断したあと、搬送機構で集積場所に搬送するという工程を25回繰り返す。搬送機構では、まず、1枚の印刷用紙から裁断された4枚のはがきのうち集積場所に近い側に位置する2枚のはがきを先に集積場所に搬送し、続いて集積場所に遠い側に位置する2枚のはがきを集積場所に搬送して、先に搬送した2枚のはがきの上にそれぞれ重ね合わせる。つまり、集積場所では2つの山ができる。25枚の印刷用紙の全てについて印刷、裁断、及び搬送を完了すると、集積場所に100枚のはがきが各50枚の2つの山に集積される。作業者はそれらを取り出して1つに集約し、結束したり包装したりして出荷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7-35067号公報
【特許文献2】特開2021-144171号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"自動帯掛機 UP-320", [online], 株式会社ユウコス, [2022年7月21日検索], インターネット<URL:http://www.ucos.co.jp/products/89/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の装置では、集積場所に積み上げられた2つのはがきの山を作業者が取り出して1つに集約する必要がある。このように作業者の手作業を必要とする工程が含まれると、作業者が集積場所からはがきの山を取り出す作業中に落下させてしまうなどのミスが発生しうる。また、そうしたミスによってはがきを紛失してしまうなどの問題が生じうる。
【0007】
ここでは、同じデザインのはがきを複数、作製する場合を例に説明したが、これに限らず、印刷用紙に複数の異なるデザインを割付印刷して裁断することにより複数のはがきを作製したり、はがき以外の印刷物を作製したりする場合にも上記同様の問題があった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断することにより作製された複数枚の印刷物を、人の手を要することなく1つに集約することができる、印刷物の集約装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明は、1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断する裁断部と、該裁断部で裁断されることにより作製された複数枚の印刷物を一方向に1枚ずつ2以上の所定数並べて該一方向と異なる方向に排出する排出部とを備えた裁断装置の、前記排出部から排出される印刷物を1つの山に集約する装置であって、
前記裁断装置の排出部から並んだ状態で排出される前記所定数の印刷物を収容する収容部と、
前記印刷物が前記排出部から排出される方向と異なる所定の方向に、前記収容部に隣接して設けられた集約部と、
前記収容部に前記印刷物が予め決められた数、収容される毎に、前記収容部に収容された複数の印刷物を、1山の集約物として前記集約部に搬送する搬送機構と
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る印刷物の集約装置は、搬送装置の排出部から1枚ずつ並んだ状態で排出される複数の印刷物を収容する収容部と、搬送装置の排出部から印刷物が排出される方向と異なる所定の方向に収容部に隣接して設けられた集約部と、該収容部に収容された印刷物を該集約部に搬送する搬送機構とを備えている。前記印刷物は、典型的には矩形の印刷物であり、その場合、前記所定の方向は印刷物が排出される方向と略直交する方向である。ただし、本発明において対象とする印刷物は、矩形以外の形状(三角形、六角形、円形等)であってもよく、その場合、前記所定の方向は、1枚ずつ並んだ状態にある複数の印刷物を当該方向に移動させることによって1つの山に重ね合わせることが可能な適宜の方向とすることができる。
【0011】
本発明に係る印刷物の集約装置では、予め決められた枚数の印刷物が収容部に収容される毎に、搬送機構によって、それらの印刷物が1山の集積物として集約部に搬送される。従来、搬送装置の排出部に排出される所定数の印刷物を並んだ状態のまま収容部で集積していたため、最終的に所定数の山として集積された印刷物を作業者が手作業で1つに集約する必要があったが、本発明に係る印刷物の集約装置を用いることにより、裁断装置から排出される印刷物を、人の手を要することなく1つに集約することができる。
【0012】
本発明に係る印刷物の集約装置では、前記搬送機構が、
前記収容部において、前記排出部から並んだ状態で排出される印刷物を相互に異なる高さで支持する支持機構と、
前記異なる高さで支持された印刷物を、該印刷物のうちの1つ印刷物の下方又は上方に移動させて1山に重ね合わせて前記集約部に搬送する搬送部と
を備えた構成を採ることができる。
【0013】
上記態様の印刷物の集約装置では、搬送機構によって収容部に収容された印刷物を1山に重ね合わせて集約部に搬送することができる。
【0014】
あるいは、本発明に係る印刷物の集約装置では、前記搬送機構が、
前記収容部に収容された印刷物を、前記集約部に近い側に位置する印刷物から順に、1枚ずつ該集約部に搬送する搬送部
を備えた構成を採ることもできる。
【0015】
上記態様の印刷物の集約装置では、収容部に収容される印刷物を搬送部によって1枚ずつ集約部へと搬送し、集約部でそれらを重ね合わせて1つの山として集約することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る印刷物の集約装置を用いることにより、1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断することにより作製された複数枚の印刷物を、人の手を要することなく1つに集約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る印刷物の集約装置の一実施形態を含む印刷システムの構成を説明する図。
図2】本実施形態の印刷物の集約装置の各部の動作を説明する図。
図3】本実施形態の印刷物の集約装置の要部構成図。
図4】本実施形態の印刷物の集約装置における搬送部の構造を説明する図。
図5】本実施形態の印刷物の集約装置において収容部に2枚の印刷物が収容された状態を示す図。
図6】本実施形態の印刷物の集約装置における集約部の構造を説明する図。
図7】本実施形態の印刷物の集約装置における鉛直移動部材の構造を説明する図。
図8】本実施形態の印刷物の集約装置における結束部の側面図。
図9】本実施形態の印刷物の集約装置における結束部を集約部側から見た図。
図10】本実施形態の印刷物の集約装置において収容部に1枚の印刷物が収容された状態を示す図。
図11】本実施形態の印刷物の集約装置における収容部の変形例。
図12】多角形の印刷物を集約する構成の例。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る印刷物の集約装置の実施形態について、以下、図面を参照して説明する。本実施形態の印刷物の集約装置(以下、単に「集約装置」ともいう。)は、印刷物作成システムの一部として組み込まれている。
【0019】
図1に、本実施形態の印刷物作成システム1の全体の構成を示す。この印刷物作成システム1は、はがき、名刺など、同じデザインの印刷物を大量に作成するために用いられる。本実施形態の印刷物作成システム1は、印刷装置2、裁断装置3、集約装置4、及びこれらの動作を制御する制御部5を備えている。予め、使用者が、印刷物の大きさ、印刷枚数、使用する印刷用紙の大きさ、一つに結束する印刷物の数などの条件を制御部5に設定しておく。
【0020】
印刷装置2は、最終的に作成しようとする印刷物(例えばはがき)の大きさの数倍(例えば4倍)の大きさの印刷用紙に、同じデザインを複数、割付印刷する装置である。例えば、はがきの4倍の大きさの印刷用紙を用いて1000枚のはがきを印刷する際には、250枚の印刷用紙を印刷装置2の給紙トレイにセットしておき、制御部5による制御の下で、印刷用紙を1枚ずつセットし、印刷用紙を4分割した領域のそれぞれに同じデザインを割付印刷する、という処理を250枚の印刷用紙のそれぞれに対して順次行う。以下、集約する印刷物がはがきである場合を例に説明するが、はがき以外の各種の印刷物についても本実施形態の印刷物作成システム1を用いることができる。
【0021】
割付印刷後の印刷用紙は、1枚ずつ裁断装置3へと送られ、複数に裁断される。裁断装置3では、制御部5に設定された条件に基づいて印刷用紙の裁断箇所を決定し、割付印刷された印刷用紙を複数に裁断する。裁断装置3の排出部は印刷用紙の一辺と平行に設けられている。裁断装置3は、印刷用紙を複数の印刷物に裁断した後、該裁断によって分割された複数の印刷物のうち、最も排出部側(集約装置4側)に位置し、一列に並ぶ複数の印刷物を最初に排出部から排出する。その後、排出部に近い順から、一列に並ぶ複数の印刷物を順次、排出していく。
【0022】
印刷装置2及び裁断装置3は、従来用いられているものと同様の構造を有するものであるため、詳細な説明を省略し、本実施形態において特徴的な構成である集約装置4について、以下、説明する。
【0023】
集約装置4は、印刷物受入部41、収容部42、集約部43、及び結束部44を備えている。図2に、印刷物受入部41、収容部42、集約部43、及び結束部44における印刷物の集約工程を模式的に示す。印刷物受入部41では、裁断装置3で裁断された印刷物を受け入れる。収容部42では、印刷物受入部41の搬送路を通過した印刷物を収容する。集約部43では、収容部42に収容された印刷物を1山に集約する。結束部44では、集約部43で1山に集約された印刷物を結束する。
【0024】
図3に、集約装置4(結束部44を除く部分)の構成を示す。なお、図3等では集約装置4を構成する各部を図示するために外部筐体等を省略している。
【0025】
印刷物受入部41には、棒状の軸部材413に4つのローラ(2つの内側ローラ411と2つの外側ローラ412)を取り付けてなるローラセットが、搬送路の上下に配置されている。ローラセットは搬送路の上下に1つずつ配置されたものを1組として、搬送路に沿って3組配置されている。搬送路の下側に位置する3つのローラセットの軸部材413は、ベルト414でモータ415の回転軸に連結されており、モータ415の動作によって、それら3つのローラセットの軸部材413が同じ速度で回転する。また、搬送路の上側に位置する3つのローラセットに設けられたローラは、それぞれと対をなす(搬送路の下側に位置する)ローラと印刷物を介して接触し、該下側に位置するローラの回転と同じ速度で回転する。
【0026】
搬送路に沿って配置された3組のローラセットでは、搬送路の外側部分(両端部)に位置するローラ(外側ローラ412)の径よりも、搬送路の内側部分(中央寄り)に位置するローラ(内側ローラ411)の径の方がわずかに大きくなっている。内側ローラ411と外側ローラ412は同じ速度で回転するため、搬送路を移動する印刷物は、外側ローラ412よりも内側ローラ411によって、より高速で搬送される。その結果、複数の印刷物が搬送路の中央から外側へと搬送され、収容部42に到達するまでに複数の印刷物の間に隙間が形成される。
【0027】
収容部42は、印刷物受入部41の搬送路の出口に設けられている。印刷物受入部41の搬送路を通過した印刷物は順次、収容部42に進入する。収容部42は、底面部材421、枠部材422、押さえ部材423、支持部材424、及び印刷物搬送部425を有している。
【0028】
底面部材421は、印刷物を収容する空間の底面を形成する矩形板状の部材であり、印刷物受入部41から印刷物が進入する経路に直交する方向に延びる2つの溝4261、4262が形成されている。枠部材422は、底面部材421の四辺のうち、印刷物受入部41と反対側の一辺、及び集約部43と反対側の一辺から上方に立設された板状の部材である。押さえ部材423は、2枚の矩形板状の部材(一方の板状部材4231と他方の板状部材4232)を組み合わせて一体的に構成され、底面部材421の上方に配置された部材であり、搬送路と反対側の端部の近傍に、枠部材422の長辺に平行な軸周りに回動可能に固定されている。一方の板状部材4231は、底面部材421のうち印刷物受入部41から遠い側に該底面部材421と略平行に配置されている。また、他方の板状部材4232は、上記一方の板状部材4231の、印刷物受入部41側の一辺のうちの集約部43から遠い側の約半分の部分から、該印刷物受入部41側に向かって斜め上方に立ち上がるように設けられている。他方の板状部材4232の裏面側には、ソレノイドが配置されている。このソレノイドについては後述する。支持部材424は、底面部材421のうち、集約部43及び印刷物受入部41に近い側に、該底面部材421と平行に設けられた矩形板状の小片である。
【0029】
印刷物搬送部425は、底面部材421の下方に配置されている。図4に示すように、印刷物搬送部425は、レール4251、ソレノイド4252、モータ4253、円盤部材4254、及び印刷物押出部材4255を備えている。ソレノイド4252は、レール4251に沿って移動する本体42521と、該本体42521の上面から突出する柱状部材42522を有しており、柱状部材42522は上下動可能である。柱状部材42522の上端には、円盤部材4254を介して印刷物押出部材4255が取り付けられている。印刷物押出部材4255には、第1押出片42551と第2押出片42552が設けられている。第1押出片42551は、柱状部材42522が上部位置にあるときに溝4261よりも上方に位置し、柱状部材42522が下部位置にあるときに溝4261よりも下方に位置する。また、第2押出片42552は、柱状部材42522が上部位置にあるときに溝4262よりも上方に位置し、柱状部材42522が下部位置にあるときに溝4262よりも下方に位置する。モータ4253は、レール4251に沿って本体42521を移動させる駆動源である。ソレノイド4252は、集約部43に向かって移動する際には、柱状部材42522を上部位置に移動させて第1押出片42551と第2押出片42552をそれぞれ溝4261、4262よりも上方に位置させ、反対側に移動する際には、柱状部材42522を下部位置に移動させて第1押出片42551と第2押出片42552をそれぞれ溝4261、4262よりも下方に位置させる。
【0030】
印刷物受入部41を通過した複数の印刷物は、1列に並んだ状態のままわずかに離間した状態で収容部42に進入する。図5にハッチングを付して示すように、これらのうち、集約部43から遠い側に進入した印刷物71は、押さえ部材423の上記他方の板状部材4232によって下方にガイドされ、底面部材421と押さえ部材423の上記一方の板状部材4231の間の空間に進入する。一方、集約部43に近い側に進入した印刷物72は、押さえ部材423の上記一方の板状部材4231の上方に進入し、該印刷物の後端(印刷物受入部41に近い側)の一辺は支持部材424で支持される。これによって、集約部43に近い側に進入した印刷物72と遠い側に進入した印刷物71が高さ方向に異なる位置で収容される。
【0031】
印刷物受入部41を通過した複数の印刷物が予め決められた数、収容部42に収容されると、集約部43から遠い側のレール4251の端部に位置するソレノイド4252がレール4251に沿って集約部43側の端部まで移動する。この予め決められた数は、例えば裁断装置3における1枚の印刷用紙の裁断によって作製される印刷物の数とすることができる。具体的には、例えば、1枚の用紙の4つの領域に同じデザインを割付印刷して裁断する場合には、予め決められた数は4であり、印刷物受入部41を通過した2枚の印刷物が2度、収容部42収容される毎に、上記動作を繰り返す。
【0032】
このとき、柱状部材42522は上部位置にあり、第1押出片42551と第2押出片42552はそれぞれ溝4261、4262から上方に突出しており、第1押出片42551と第2押出片42552によって、まず、集約部43から遠い側に収容されている印刷物71が集約部43側に向かって押し出され、集約部43に近い側に収容されている印刷物72の下方に進入し、両者が上下に重ね合わされる。その後、第1押出片42551と第2押出片42552の更なる移動によって上下に重ね合わされた印刷物71、72が同時に集約部43へと搬送される。
【0033】
印刷物71、72を集約部43に搬送すると、ソレノイド4252は柱状部材42522を下部位置に移動し、集約部43から遠ざかる側の端部まで移動する(元の位置に戻る)。溝4261、4262から第1押出片42551と第2押出片42552が突出したままの状態でソレノイド4252を往復移動させると、ソレノイド4252が元の位置に戻るまでの間、印刷物71、72を収容部42に搬送することができない。これに対し、本実施形態では、印刷物71、72を集約部43に搬送する際にのみ、溝4261、4262から上方に第1押出片42551と第2押出片42552を突出させ、ソレノイド4252が元の位置に戻る間は第1押出片42551と第2押出片42552を溝4261、4262よりも下方に位置させるため、ソレノイド4252が元の位置に戻る際に第1押出片42551と第2押出片42552によって収容部42内に印刷物71、72を収容する動作を阻害する心配がなく、収容部42に連続して印刷物71、72を搬送することができる。
【0034】
集約部43の構造について、図3及び図6を参照して説明する。集約部43は、底面部材431、該底面部材431を上部位置と下部位置の間で移動させる鉛直移動機構432、該底面部材431の背面側(結束部44と反対側)に位置する背面部材433、該背面部材433を初期位置(印刷物が集約される位置)と結束部44の間で移動させる水平移動機構434、該底面部材431の正面側(結束部44の側)に位置する規制部材435、及び、底面部材431を挟んで収容部42側に位置する第1側壁部材4361と、その反対側に位置する第2側壁部材4362とを備えている。なお、図6では底面部材431を図示するために第2側壁部材4362を省略している。
【0035】
底面部材431は複数の小径の孔が設けられた矩形板状の部材である。鉛直移動機構432は、図7に示すような外観を有しており、底面部材431の下面を支持する円盤部材4321、該円盤部材4321を支持する弾性部材を収容した第1支持部4322、該第1支持部4322に連結された棒状部材である第2支持部4323、及び該第2支持部4323を上下動させるモータ4324を備えている。モータ4324によって第2支持部4323(及びそれに連結されている第1支持部4322と円盤部材4321)を上下動させることにより、該円盤部材4321に支持されている底面部材431を上下に移動させる。
【0036】
背面部材433は、底面部材431の四辺のうち、結束部44と反対側に位置する一辺に沿って設けられた板状の部材である。背面部材433の下端は、下部位置にあるときの底面部材431とほぼ同じ高さに位置している。水平移動機構434は、2つの軸部材4341(図3等では軸部材4341の端部のみを図示)と、背面部材433を挟んで両側でそれぞれ該2つの軸部材4341の両端部に渡されたベルト4342(図3等では手前側のベルト4342のみ図示)、一方の軸部材4341を回転させるモータ4343を有している。背面部材433の下端部はベルト4342の往復運動と同期して、搬送路441に沿って水平方向(結束部44に向かう方向及びその反対方向)に移動する。
【0037】
規制部材435は、水平面と該水平面の一端から延びる鉛直面を有するL字状の部材であり、底面部材431が上部位置にあるときに鉛直面の下端が該底面部材431に当接(又は近接)する。
【0038】
集約部43では、始動時には底面部材431が上部位置に配置された状態になっている。底面部材431が上部位置にある状態で、底面部材431の先端(ベルトコンベアにより搬送される方向)側の一辺に規制部材435の端部が当接している。規制部材435、背面部材433、第1側壁部材4361、及び第2側壁部材4362によって、収容部42から印刷物が投入される領域が規定される。収容部42から柱状部材42522によって押し出された印刷物71、72は、底面部材431のこの領域に搬送されて1山に集約される。
【0039】
底面部材431上に予め決められた枚数(例えば100枚)の印刷物が集約されると、制御部5による制御の下で、鉛直移動機構432は底面部材431を上部位置から下部位置に移動させる。底面部材431が下部位置に移動すると、底面部材431上に集約された印刷物の上面が規制部材435の下端よりも下方に位置し、結束部44側が解放される。その後、第1側壁部材4361と第2側壁部材4362の間に形成された搬送路441に沿って、水平移動機構434が背面部材433を結束部44側に移動させる。背面部材433で押し出されることにより底面部材431上に集約された印刷物が結束部44へと移動する。
【0040】
図8は、結束部44の側面図、図9は結束部44を手前(集約部43側)から見た図である。結束部44は、集約部43からの搬送路441、結束機構442、結束テープ収容部443、荷受部444、ストッパー部材445、及びプレス部材446を備えている。ストッパー部材445とプレス部材446はいずれも、図示しない駆動機構の動作によって上部位置(搬送路441から退避した位置。図9参照)と下部位置(搬送路441上又は集約印刷物73上の位置。図8参照)の間を往復移動する。
【0041】
集約部43で集約された印刷物(集約印刷物73)は、集約部43の背面部材433によって搬送路441上を搬送される。集約印刷物73の搬送開始時には、ストッパー部材445とプレス部材446はいずれも上部位置にある。背面部材433によって搬送路441を搬送される集約印刷物73の先端が所定の結束位置に近づくと、まず、ストッパー部材445は上部位置から下部位置(搬送路441上)に降下する。背面部材433は、下部位置にあるストッパー部材445に当接する位置まで集約印刷物73を搬送すると停止し、集約部43の元の位置(図3に示す位置)に戻る。集約印刷物73の先端がストッパー部材445に当接する位置まで搬送されることで、集約印刷物73の長手方向の中央が結束機構442に位置する。続いて、プレス部材446が上部位置から下部位置へと移動し、集約印刷物73の上面を押さえる。これによって集約印刷物73が結束位置で不動に保持される。結束機構442は、結束テープ収容部443に収容された結束テープにより集約印刷物73を結束する。結束機構442には、例えば非特許文献1に記載された装置など、従来知られたものと同様のものを用いることができるため、詳細な説明を省略する。集約印刷物73を結束すると、ストッパー部材445、及びプレス部材446はそれぞれ上部位置に移動して搬送路441から退避する。
【0042】
結束機構442により結束された結束印刷物731は結束機構442内にそのまま留まる。その後、上記同様にして次の集約印刷物73が搬送されると、集約印刷物73によって結束印刷物731が搬送路441から押し出され、荷受部444に収容される。背面部材433は、集約印刷物73が結束印刷物731を搬送路441から押し出した状態で一旦停止する。その後、ストッパー部材445が下部位置に移動し、背面部材433は再び前進して集約印刷物73をストッパー部材445に当接させる。その後、上記同様にプレス部材446で集約印刷物73の上面を押さえて結束機構442で結束する。こうした一連の動作が、全ての印刷物について繰り返される。
【0043】
従来の印刷システムでは、印刷装置2において1枚の印刷用紙に同じデザインを複数、割付印刷し、それを裁断装置3で裁断し、該裁断装置3の排出部に近い側に一列に並ぶ複数の印刷物を順に排出し、該複数の印刷物をそれぞれ集積していた。その結果、裁断装置3から並んで排出される数と同数の印刷物の山が集積されていた。そのため、最終的には、作業者が、それら複数の山として集積された印刷物を1つの山に集約して結束したり包装したりしなければならなかった。このように作業者の手作業を必要とする工程が含まれると、作業者が複数の山として集積された印刷物を取り出したり重ねたりする作業中に、印刷物落下させてしまうなどのミスが発生したり、また、そうしたミスによってはがきを紛失してしまったりする可能性があった。
【0044】
これに対し、本実施形態の印刷物作成システム1では、裁断装置3から従来同様に排出される、一列に並んだ複数の印刷物を、印刷物受入部41を通じて収容部42に収容し、該収容部42において、1つの山として重ね合わせた状態で集約部43へと搬送する。このように、本実施形態の印刷物作成システム1では、印刷装置2で印刷され裁断装置3で裁断されることによって作製された複数の印刷物を集約部43において1つの山として集約するため、人の手を介して印刷物を1つの山に集約する必要がない。また、本実施形態の印刷物作成システム1は、集約印刷物73を集約部43から結束部44に搬送して結束する機構を有するため、印刷用紙への割付印刷から印刷物の結束までの工程を全て自動で、人の手を介することなく行うことができる。また、予め1つに結束する印刷物の数を設定しておくことによって、作製する全ての印刷物を適宜の数の印刷物毎に結束して荷受部444に収容することができる。
【0045】
複数の印刷物を作製しようとする際に受注する印刷物の数は、必ずしも1枚の印刷用紙に割付印刷される印刷物の数の整数倍であるとは限らない。例えば、55枚のはがきを受注し、はがきの4倍の大きさの印刷用紙に同じデザインを4つ割付印刷する場合に、14枚の印刷用紙から56枚のはがきを作製することも可能であるが、その場合、印刷用紙に無駄が生じる。そのため、こうした端数(ここでは3枚)が生じる場合には、端数分を1枚ずつ印刷することが多い。上記の例の場合には、13枚の印刷用紙から52枚のはがきを作製し、はがきと同じ大きさの3枚の印刷用紙から各1枚ずつはがきを作製する。
【0046】
上記のように、異なる大きさの印刷用紙に印刷を行う場合、多くの印刷装置2では中央基準で端数分のはがきが印刷される。中央基準とは、印刷用紙の大きさを問わず、その中心が一致するように給紙して印刷を行うことをいう。印刷装置2において中央基準で印刷された印刷用紙は、中央基準のままで裁断装置3に搬送される。裁断装置3では、複数のはがきを割付印刷した大判の印刷用紙については上記同様に裁断及び排出する一方、端数分のはがきは裁断せず排出部の中央から排出する。
【0047】
図10に、本実施形態の印刷物の集約装置4において、端数分の印刷物74(はがき)を受け入れ及び集約する様子を示す。図3を参照して説明した押さえ部材423のうち、他方の板状部材4232(搬送路に向かって上方に傾斜した板状部材)の裏面の端部(搬送路の外側)には、図4で説明したソレノイド4252と同じものが配置されている。端数分の印刷物74を集約する際には、ソレノイドの上面から柱状部材を上動させて他方の板状部材4232を上方に押し上げる。一方の板状部材4231と他方の板状部材4232は一体的に構成され、搬送路と反対側の枠部材422の長辺に平行な軸周りに回動可能に設けられているため、他方の板状部材4232が上方に押し上げられると、押さえ部材423全体が上方に持ち上げられ、底面部材421と押さえ部材423の間の空間が上方に拡張される。
【0048】
裁断装置3の排出部の中央から排出された印刷物74は印刷物受入部41の搬送路の中央を通って収容部42に進入する。搬送路の中央から収容部42に進入した印刷物74の先端側は、先に説明した印刷物71(集約部43から遠い側に搬送された印刷物)と同様に、押さえ部材423の他方の板状部材4232(傾斜した板状部材)の傾斜に沿って底面部材421と押さえ部材423の間の空間に導かれる。一方、印刷物74の後端側は、先に説明した印刷物72(集約部43に近い側に搬送された印刷物)と同様に、支持部材424によって支持される。
【0049】
上記の通り、端数分の印刷物74を受け入れる際には押さえ部材423全体がソレノイドの柱状部材によって上方に押し上げられ、押さえ部材423と底面部材421の間の空間が拡張されているため、後端側が支持部材424で支持された状態で、印刷物74を湾曲させることなく収容することができる。その後、収容部42により収容された印刷物74は、第1押出片42551と第2押出片42552によって押し出され、集約部43へと送られる。なお、第1押出片42551と第2押出片42552は、2枚の印刷物71、72を搬送する場合とは異なり、印刷物74の移動範囲に相当する範囲(集約部43から遠い側の端部から、収容部42の集約部43側の端部までの範囲)のみを往復移動する。つまり、ソレノイド4252の本体42521の移動範囲が小さくなり、ソレノイド4252の移動に要する時間が短縮される。
【0050】
このように、本実施形態の印刷物の集約装置4では、裁断装置3から複数枚の印刷物71、72が並んだ状態で排出される場合と、中央基準で1枚の印刷物74のみが排出される場合の両方に対して同じ構成で印刷物を集約するため、両者を連続して短時間で処理することができる。ここでは中央基準の場合について説明したが、1枚の印刷物が搬送路の一方の側に沿って排出される場合は、印刷物71又は72と同様に搬送すればよい。
【0051】
次に、本発明に係る印刷物の集約装置の別の実施形態について説明する。この実施形態の印刷物の集約装置は、上記実施形態の印刷物の集約装置4の収容部42の構成のみを変更したものであり、それ以外の各部の構成は上記実施形態と同じであるため、この実施形態については印刷物の集約装置の収容部82についてのみ説明する。また、上記実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付して適宜、説明を省略する。
【0052】
図11に、収容部82の構成を示す。この収容部82は、上記実施形態の収容部42と同様に、印刷物受入部41の搬送路の出口に設けられており、印刷物受入部41の搬送路を通過した印刷物が順次、収容部82に進入する。収容部82は、印刷物搬送部821と枠部材422を有している。
【0053】
印刷物搬送部821は、印刷物を収容する空間の底部を形成すると同時に、該空間に収容された印刷物を集約部43に向かって搬送する機能を有する。印刷物搬送部821は、複数の棒材8211と該棒材を回転させるモータ(図示略)を備えており、例えば、印刷物受入部41のローラセットと同様に、モータの回転軸と棒材8211をベルトで連結した構成を有するものを用いることができる。あるいは、棒材8211に変えて平板板状の部材を用い、ベルトコンベア状に印刷物を移動させる構成を採ることもできる。
【0054】
複数の棒材8211は、モータを駆動源として、それらの上面が集約部43側に移動する方向に所定の速度で回転する。これらの棒材は、その回転軸(長軸)が、印刷物が収容部42に搬送される方向と垂直になる向きからわずかに(例えば3~10度)傾けて配置されている(図11における傾きθ)。このように傾いた状態で棒材8211を配置すると、その上に載置された印刷物も、該棒材8211の回転に沿った方向に搬送される。これにより、搬送中の印刷物の、印刷物受入部41側の一辺が、収容部42の内壁に押し当てられながら搬送され、該一辺が位置合わせされた状態で集約部43へと送られる。
【0055】
上記実施形態の収容部42では、印刷物受入部41を通過した複数の印刷物が予め決められた数、収容部42に収容される毎に、第1押出片42551と第2押出片42552によって、まず、集約部43から遠い側に収容されている印刷物71を集約部43側に向かって押し出し、続いて集約部43に近い側に収容されている印刷物72の下方に進入させて両者を上下に重ね合わせ、該上下に重ね合わされた印刷物71、72を同時に集約部43に搬送した。これに対し、この実施形態の収容部82では、印刷物受入部41から印刷物が収容されると直ちに、印刷物搬送部821によって集約部43へと搬送される。従って、本実施形態の収容部82を備えた印刷物の集約装置では、集約部43に1枚ずつ、印刷物が積み重ねられていく。
【0056】
上記実施形態の収容部42では、第1押出片42551と第2押出片42552を移動させて該収容部42に収容した印刷物を集約部43に搬送し、続いてソレノイド4252を元の位置に戻す構成であり、ソレノイド4252を往復運動させる必要がある。これに対し、この実施形態の収容部82では常時、一方向に棒材8211を回転させるのみでよく、駆動機構をより簡素に構成することができる。
【0057】
上記実施形態は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
【0058】
上記実施形態では、裁断装置3から1枚又は2枚の印刷物が並んで排出される場合について説明したが、3枚以上の印刷物が並んで排出される場合にも本発明を適用することができる。具体的には、収容部42において、それら3枚以上の印刷物を互いに異なる高さで支持する支持部材を設けるなどしておき、該異なる高さで支持された印刷物を第1押出片42551と第2押出片42552によって順に集約部43に向かって移動させることで上下に重ね合わせて集約部43に搬送する構成を採ることができる。別の実施形態として説明した収容部82については、裁断装置3から並んで排出される印刷物の数に関わらず同じ構成のものを用いることができる。
【0059】
上記実施形態では、印刷装置2、裁断装置3、及び集約装置4を備えた印刷物作成システム1としたが、必ずしも印刷装置2を備える必要はなく、例えば、割付印刷済みの印刷用紙を1つに集約しようとする際には、裁断装置3と集約装置4のみを備えた構成を採ることができる。また、上記実施形態では、同じデザインを複数、割付印刷したものを1つの集約する場合について説明したが、必ずしも同じデザインである必要はなく、例えば、複数種類のデザインが印刷されたはがきを1組として、1乃至複数組を1つの山に集約する場合など、印刷用紙の複数の領域に異なるデザインが印刷されたものを裁断し、1つに集約する際にも本発明に係る印刷物の集約装置を用いることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、制御部5に予め設定された条件に基づいて各部が動作する場合を説明したが、制御部5による制御の下で動作する代わりに(あるいはそれと並行して)、各部に配置されたセンサによる検出結果に応じて動作するような構成を採ることもできる。例えば、所定の位置に配置したセンサによって該箇所を通過する印刷物の枚数を計数した結果を用いて、予め決められた枚数に達したか否かを判定したり、集約部43などに重量センサを配置し、収容部42や集約部43に集約された印刷物の重量から印刷物の数を求めたり、あるいは集約部43の所定高さにセンサを配置し、該集約部43に集約された印刷物が該センサにより検知される高さに達したことに基づいて予め決められた枚数に達したと判定するような構成、等を採ることができる。
【0061】
上記実施形態では、印刷装置2と裁断装置3から集約装置4にはがきを搬送する際に、搬送方向とはがきの長手方向が同じになるように構成したため、収容部42から集約部43にはがきを搬送する方向と、集約部43から結束部44にはがきを搬送する方向が直交するように各部を配置し、はがきの短辺に平行な方向に結束テープを巻回したが、この配置を変更することが可能である。具体的には、印刷装置2と裁断装置3から集約装置4にはがきを搬送する際に、搬送方向とはがきの短手方向が同じになるように構成すれば、収容部42から集約部43にはがきを搬送する方向と、集約部43から結束部44にはがきを搬送する方向が同じになるように各部を配置することができる。
【0062】
上記実施形態では、印刷物受入部41から収容部42に搬送される複数の印刷物を、該搬送方向に垂直な方向に移動させて集約部43に集約したが、必ずしも搬送方向に垂直な方向に搬送しなくてもよい。その一例を図12に示す。
【0063】
図12の例は、六角形の印刷物を集約するものである。印刷物受入部41では、上記実施例と同様に、複数(図12では3枚)の印刷物を並べて搬送する。収容部42では、これら複数の印刷物を、その一辺に垂直な方向に並べて収容し、該垂直な方向に搬送する。この搬送には、上記2つの実施形態のいずれを用いてもよい。このように、複数の多角形の印刷物を集約する場合には、収容部42で該多角形の一辺に垂直な方向に並べて該複数の印刷物を収容し、収容部42と該垂直な方向に並ぶ集約部43へと搬送することによって1つに山に集約することができる。
【0064】
[態様]
上述した例示的な実施形態が以下の態様の具体例であることは、当業者には明らかである。
【0065】
(第1項)
本発明の一態様に係る印刷物の集約装置は、1枚の印刷済み用紙を複数枚に裁断する裁断部と、該裁断部で裁断されることにより作製された複数枚の印刷物を一方向に1枚ずつ2以上の所定数並べて該一方向と異なる方向に排出する排出部とを備えた裁断装置の、前記排出部から排出される印刷物を1つの山に集約する装置であって、
前記裁断装置の排出部から並んだ状態で排出される前記所定数の印刷物を収容する収容部と、
前記印刷物が前記排出部から排出される方向と異なる所定の方向に、前記収容部に隣接して設けられた集約部と、
前記収容部に前記印刷物が予め決められた数、収容される毎に、前記収容部に収容された複数の印刷物を、1山の集約物として前記集約部に搬送する搬送機構と
を備えることを特徴とする。
【0066】
第1項に係る印刷物の集約装置では、予め決められた枚数の印刷物が収容部に収容される毎に、搬送機構によって、それらの印刷物が1山の集約物として集約部に搬送される。従来、搬送装置の排出部に排出される所定数の印刷物を並んだ状態のまま収容部で集約していたため、最終的に所定数の山として集約された印刷物を作業者が手作業で1つに集約する必要があったが、第1項に係る印刷物の集約装置を用いることにより、裁断装置から排出される印刷物を、人の手を要することなく1つに集約することができる。
【0067】
(第2項)
第2項に係る印刷物の集約装置は、第1項に係る印刷物の集約装置において、
前記印刷物は矩形のものであり、
前記所定の方向は、前記印刷物が前記排出部から排出される方向と直交する方向である。
【0068】
1枚の印刷用紙に割付印刷することにより作製される印刷物の多くは矩形のものであり、その場合には、第2項に記載のように、前記所定の方向を、印刷物が排出部から排出される方向と直交する方向にするとよい。
【0069】
(第3項)
第3項に係る印刷物の集約装置は、第1項又は第2項に係る印刷物の集約装置において、前記搬送機構が、
前記収容部において、前記排出部から並んだ状態で排出される印刷物を相互に異なる高さで支持する支持機構と、
前記異なる高さで支持された印刷物を、該印刷物のうちの1つ印刷物の下方又は上方に移動させて1山に重ね合わせて前記集約部に搬送する搬送部と
を備えることを特徴とする。
【0070】
第3項に係る印刷物の集約装置では、搬送機構によって収容部に収容された印刷物を1山に重ね合わせて集約部に搬送することができる。
【0071】
(第4項)
第4項に係る印刷物の集約装置は、第1項又は第2項に係る印刷物の集約装置において、前記搬送機構が、
前記収容部に収容された印刷物を、前記集約部に近い側に位置する印刷物から順に、1枚ずつ該集約部に搬送する搬送部
を備えることを特徴とする。
【0072】
第4項に係る印刷物の集約装置では、収容部に収容される印刷物を搬送部によって1枚ずつ集約部へと搬送し、集約部でそれらを重ね合わせて1つの山として集約することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…印刷物作成システム
2…印刷装置
3…裁断装置
4…集約装置
41…印刷物受入部
411…内側ローラ
412…外側ローラ
413…軸部材
414…ベルト
415…モータ
42…収容部
421…底面部材
422…枠部材
423…押さえ部材
4231…一方の板状部材
4232…他方の板状部材
424…支持部材
425…印刷物搬送部
4251…レール
4252…ソレノイド
42521…本体
42522…柱状部材
4253…モータ
4254…円盤部材
4255…印刷物押出部材
42551…第1押出片
42552…第2押出片
4261、4262…溝
43…集約部
431…底面部材
432…鉛直移動機構
4321…円盤部材
4322…第1支持部
4323…第2支持部
4324…モータ
433…背面部材
434…水平移動機構
4341…軸部材
4342…ベルト
4343…モータ
435…規制部材
4361…第1側壁部材
4362…第2側壁部材
44…結束部
441…搬送路
442…結束機構
443…結束テープ収容部
444…荷受部
445…ストッパー部材
446…プレス部材
5…制御部
71、72、74…印刷物
73…集約印刷物
731…結束印刷物
82…収容部
821…印刷物搬送部
8211…棒材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12