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特開2024-179691印刷装置、その制御方法及び印刷システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179691
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】印刷装置、その制御方法及び印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06F3/12 303
G06F3/12 332
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098731
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 智也
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ06
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HQ17
(57)【要約】
【課題】プルプリント機能を有しない印刷装置を用いて留め置き印刷を実行可能にする。
【解決手段】印刷サーバ及び印刷装置を含む印刷システムが提供される。印刷サーバは、印刷ジョブの保留状態の解除を印刷サーバに要求する解除要求機能を印刷装置が有するとの判定に基づいて、印刷ジョブを保留状態で保持する保持部と、印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて、印刷ジョブの保留状態を解除する解除部と、保留状態が解除された印刷ジョブを印刷装置へ送信する送信部と、を備える。印刷装置は、解除要求機能を印刷装置が有しないにも関わらず、印刷装置が解除要求機能を有することを印刷サーバに通知する通知部と、印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて印刷ジョブの保留状態が解除された後に、印刷サーバから印刷ジョブを取得する取得部と、取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷部と、を備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷サーバ及び印刷装置を含む印刷システムであって、
前記印刷サーバは、
印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有するとの判定に基づいて、前記印刷ジョブを保留状態で保持する保持手段と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて、前記印刷ジョブの保留状態を解除する解除手段と、
保留状態が解除された前記印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記印刷装置は、
前記解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知手段と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得手段と、
前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷手段と、を備える、印刷システム。
【請求項2】
前記印刷装置は、ユーザを前記印刷装置にログインさせるログイン機能を有しない、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知するかどうかを設定するための設定手段をさらに備え、
前記通知手段は、
前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知すると設定されていることに基づいて、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知し、
前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知すると設定されていないことに基づいて、前記印刷装置が前記解除要求機能を有しないことを前記印刷サーバに通知する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記保持手段は、前記解除要求機能を前記印刷装置が有しないとの判定に基づいて、前記印刷ジョブを保留状態で保持しない、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷装置は、前記印刷装置が取得可能な印刷ジョブがあるかどうかを前記印刷サーバに問い合わせる問い合わせ手段をさらに備え、
前記印刷サーバは、前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された場合に、前記問い合わせ手段からの問い合わせに対して、前記印刷装置が取得可能な印刷ジョブがあることを応答する応答手段をさらに備える、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷ジョブの保留状態を解除するための前記要求を送信する前記装置は、ユーザを前記装置にログインさせるログイン機能を有する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記通知手段は、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを、インターネットプリンティングプロトコルに準拠するメッセージを用いて前記印刷サーバに通知する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
印刷装置であって、
印刷サーバによって保持されている印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知手段と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得手段と、
前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷手段と、を備える、印刷装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項8に記載の印刷装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
印刷装置の制御方法であって、
印刷サーバによって保持されている印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知工程と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得工程と、
前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷工程と、を有する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、その制御方法及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド経由で印刷ジョブを投入し、印刷装置に印刷ジョブを送信するクラウドプリントサービスが普及し始めている(特許文献1)。一部のクラウドプリントサービスは、印刷ジョブを保留状態で保持し、ユーザからの追加の指示に応じて印刷装置に印刷を実行させる印刷方式を実行可能である。このような印刷方式は、留め置き印刷と呼ばれうる。一部の印刷装置は、印刷サーバに保持された印刷ジョブの保留状態を解消することを要求するプルプリント機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-133489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一部の印刷サーバは、プルプリント機能を有する印刷装置を指定した印刷ジョブに対してのみ留め置き印刷を実行可能である。このような印刷サーバでは、プルプリント機能を有しない印刷装置を用いて留め置き印刷を実行できない。本発明の一部の側面によれば、プルプリント機能を有しない印刷装置を用いて留め置き印刷を実行可能にするための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態によれば、印刷サーバ及び印刷装置を含む印刷システムであって、前記印刷サーバは、印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有するとの判定に基づいて、前記印刷ジョブを保留状態で保持する保持手段と、前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて、前記印刷ジョブの保留状態を解除する解除手段と、保留状態が解除された前記印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する送信手段と、を備え、前記印刷装置は、前記解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知手段と、前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得手段と、前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷手段と、を備える、印刷システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
上記実施形態により、プルプリント機能を有しない印刷装置を用いて留め置き印刷が実行可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一部の実施形態の印刷システムの構成例を説明するブロック図。
図2】一部の実施形態のコンピュータのハードウェア構成例を説明するブロック図。
図3】一部の実施形態の印刷装置のハードウェア構成例を説明するブロック図。
図4】一部の実施形態のバッジリリースの動作例を説明するシーケンス図。
図5】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図6】一部の実施形態の印刷ジョブのリストの変化例を説明する図。
図7】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図8】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図9】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図10】一部の実施形態で表示される画面例を説明する模式図。
図11】一部の実施形態のモバイルリリースの動作例を説明するシーケンス図。
図12】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図13】一部の実施形態の印刷ジョブのリストの変化例を説明する図。
図14】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図15】一部の実施形態で使用されるメッセージ例を説明する図。
図16】一部の実施形態の印刷装置の動作例を説明するフロー図。
図17】一部の実施形態で表示される画面例を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
[印刷システムの構成例]
図1を参照して、一部の実施形態に係る印刷システム100の構成例について説明する。印刷システム100は、例えば、印刷サーバ101と、情報処理装置102と、印刷装置103と、印刷装置104と、モバイル端末105とを含む。印刷システム100の各構成要素の個数は図1の例に限られない。例えば、印刷システム100は、印刷装置103と印刷装置104との一方を含まなくてもよい。また、印刷システム100は、図1に示されていない構成要素を有していてもよい。
【0010】
印刷システム100の各構成要素は、ネットワーク106に接続されている。印刷サーバ101は、ネットワーク106を通じて、情報処理装置102と、印刷装置103と、印刷装置104と、モバイル端末105とのそれぞれと通信可能であってもよい。印刷サーバ101とこれらの他の装置との通信は、インターネットプリンティングプロトコル(IPP)に準拠するメッセージを用いて行われてもよい。ネットワーク106は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(例えば、インターネット)、セルラーネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせであってもよく、例えばインターネットであってもよい。ネットワーク106は、無線区間を含んでもよいし、有線区間を含んでもよい。
【0011】
印刷サーバ101は、情報処理装置102によって生成された印刷ジョブに従って、何れかの印刷装置(例えば、印刷装置103)に印刷ジョブを送信するプリントサービスを提供する。例えば、印刷サーバ101は、論理プリンタを情報処理装置102に提供し、論理プリンタに対する印刷ジョブを受け付ける。論理プリンタとは、印刷サーバ101によって提供される仮想的な印刷装置(例えば、プリンタオブジェクト)のことである。論理プリンタは、クラウドプリンタとも呼ばれうる。論理プリンタと対比して、印刷装置103のような物理的な印刷装置は、物理プリンタとも呼ばれうる。
【0012】
印刷サーバ101は、ネットワーク106に接続されたオンプレミス環境内のサーバであってもよいし、クラウドコンピューティング環境(以下、単にクラウドと表す)内のサーバであってもよい。クラウド内の印刷サーバ101によって提供されるプリントサービスは、クラウドプリントサービス(以下、CPSと呼ぶ)と呼ばれてもよい。クラウドプリントサービスの一例として、マイクロソフト社が提供するUniversal Print(登録商標)がある。以下の説明において、印刷サーバ101がクラウド内にある場合について説明する。しかし、印刷サーバ101がオンプレミス環境内にある場合についても以下の説明が同様に当てはまる。
【0013】
情報処理装置102は、情報処理装置102のユーザに印刷機能を提供する。情報処理装置102は、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよいし、スマートフォンであってもよいし、他のデバイスであってもよい。情報処理装置102は、同一のLANに接続された物理プリンタを出力先として指定してもよいし、印刷サーバ101によって提供される論理プリンタを出力先として指定してもよい。論理プリンタが出力先として指定された場合に、論理プリンタに関連付けられた物理プリンタ(例えば、印刷装置103)が印刷(例えば、排紙)を行う。CPSを利用する情報処理装置102は、クライアントやクライアント端末と呼ばれてもよい。論理プリンタに印刷ジョブを投入することによって行われる印刷は、クラウドプリントやリモートプリント、リモート印刷とも呼ばれうる。
【0014】
印刷装置103は、印刷ジョブに従って印刷を行う印刷機能を有する。印刷は、紙などのシート状の記録媒体に対する印刷であってもよいし、立体物の成形(いわゆる3次元印刷)であってもよい。印刷方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよいし、熱転写方式であってもよいし、他の方式であってもよい。
【0015】
印刷装置103は、ログイン機能をさらに有してもよい。ログイン機能とは、ユーザを印刷装置にログインさせる機能のことであってもよい。ログイン機能を有する印刷装置103は、ユーザを認証し、認証に成功したユーザに応じた処理を提供してもよい。例えば、印刷装置103は、ユーザにユーザ名及びパスワードの入力を要求してもよい。
【0016】
印刷装置103は、留め置き印刷をサポートする。留め置き印刷とは、情報処理装置102から印刷サーバ101へ送信された印刷ジョブが印刷サーバ101において保留状態で保持され、ユーザからの追加の指示に応じて印刷装置103が印刷を開始する印刷方式のことであってもよい。印刷装置103は、留め置き印刷をサポートするためにプルプリント機能を有する。プルプリント機能とは、ユーザからの指示に応じて、印刷サーバ101に保持されている印刷ジョブの保留状態の解除を印刷サーバ101に要求する機能のことであってもよい。プルプリント機能は、解除要求機能と呼ばれてもよい。以下の説明において、ユーザが印刷装置103を操作することによって行われる印刷ジョブの保留状態の解除をバッジリリースと表す。バッジリリースは、ローカルリリースや直接リリース、プリンタリリースなどと呼ばれてもよい。印刷サーバ101は、印刷装置103からの要求に基づいて、印刷ジョブの保留状態を解除する。他のユーザが投入した印刷ジョブの印刷を開始できないようにするために、印刷装置103は、ユーザが印刷装置103にログインしていることを条件として、ユーザにバッジリリースを実行可能にしてもよい。
【0017】
印刷サーバ101は、バッジリリースに加えて又はこれに代えて、印刷装置103とは異なる装置(例えば、モバイル端末105)からの要求に基づいて、印刷ジョブの保留状態を解除してもよい。以下の説明において、印刷装置103とは異なる装置からの要求に基づく保留状態の解除をモバイルリリースと表す。モバイルリリースは、リモートリリースや間接リリースなどと呼ばれてもよい。
【0018】
印刷装置103は、主要な機能として、スキャナ機能とファクス機能との少なくとも一方をさらに含んでもよい。このように複数の主要機能を有する印刷装置は、複合機(MFP:multifunction Peripheral)と呼ばれてもよい。
【0019】
印刷装置104は、印刷装置103と同様に、印刷機能を有する。一方、印刷装置104は、印刷装置103とは異なり、ログイン機能及びプルプリント機能を有しない。印刷装置104は、主要な機能として印刷機能のみを有する専用機(SFP:Single Function Printer)であってもよい。
【0020】
モバイル端末105は、モバイルリリースを実行するための機能をモバイル端末105のユーザに提供する。モバイル端末105は、ラップトップコンピュータであってもよいし、スマートフォンであってもよいし、他のデバイスであってもよい。例えば、モバイルリリースを実行するための機能を提供するアプリケーションがモバイル端末105にインストールされていてもよい。モバイル端末105は、ユーザをモバイル端末105にログインさせるログイン機能を有してもよい。モバイル端末105は、ユーザがモバイル端末105にログインしていることを条件として、ユーザにモバイルリリースを実行可能にしてもよい。
【0021】
典型的なシナリオにおいて、情報処理装置102を用いて印刷装置103に対する留め置き印刷を行ったユーザは、自身のモバイル端末105をともに印刷装置103の付近に向かう。その後、ユーザは、モバイル端末105にログインする。ユーザは、モバイル端末105を使用してモバイルリリースを実行することによって、印刷装置103に印刷を開始させる。この例ではモバイルリリースがモバイル端末105を用いて実行されるが、モバイルリリースはモバイル利用を想定していない装置(例えば、デスクトップコンピュータ)を用いて実行されてもよい。モバイル端末105は、印刷サーバ101に印刷ジョブを投入するために使用されてもよい。
【0022】
[コンピュータのハードウェア構成例]
図2を参照して、一部の実施形態に係るコンピュータ200のハードウェア構成例について説明する。コンピュータ200は、印刷サーバ101として使用されてもよいし、情報処理装置102として使用されてもよいし、モバイル端末105として使用されてもよい。コンピュータ200は、図2に示される構成要素を有してもよい。
【0023】
中央演算処理ユニット(CPU)201は、コンピュータ200の全体的な動作を制御する汎用処理回路である。ランダムアクセスメモリ(RAM)202は、揮発性のメモリ回路であり、CPU201による処理のためのワークエリア等の一時記憶領域として使用される。リードオンリメモリ(ROM)203は、不揮発性のメモリ回路であり、CPU201の処理で使用されるプログラムやデータを記憶する。記憶装置204は、不揮発性の記憶装置であり、CPU201の処理で使用されるプログラムやデータを記憶する。記憶装置204は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。記憶装置204は、二次記憶装置とも呼ばれうる。コンピュータ200による動作は、記憶装置204からRAM202に読み出されたプログラムをCPU201が実行することによって実現されてもよい。
【0024】
入力インタフェース(I/F)205は、入力装置210との間で信号を交換するためのI/Fである。入力装置210は、コンピュータ200のユーザから入力を取得する装置である。入力装置210は、例えばキーボード、タッチパネル、マイク、マウス、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。出力I/F206は、出力装置220との間で信号を交換するためのI/Fである。出力装置220は、コンピュータ200のユーザへ情報を提供する装置である。出力装置220は、例えばディスプレイ、スピーカ、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。ネットワークI/F207は、コンピュータ200の外部の装置と通信するためのI/Fである。CPU201、RAM202、ROM203、記憶装置204、入力I/F205、出力I/F206、及びネットワークI/F207のそれぞれはシステムバス208に接続されている。図2の例では、入力装置210及び出力装置220がコンピュータ200とは別個の装置として示されている。これに代えて、コンピュータ200が入力装置210及び出力装置220を含んでもよい。
【0025】
[印刷装置のハードウェア構成例]
図3(a)を参照して、一部の実施形態に係る印刷装置103のハードウェア構成例について説明する。印刷装置103は、図3(a)に示される構成要素を有してもよい。CPU301は、印刷装置103の全体的な動作を制御する汎用処理回路である。RAM302は、揮発性のメモリ回路であり、CPU301による処理のためのワークエリア等の一時記憶領域として使用される。ROM303は、不揮発性のメモリ回路であり、CPU301の処理で使用されるプログラムやデータを記憶する。記憶装置304は、不揮発性の記憶装置であり、CPU301の処理で使用されるプログラムやデータ(例えば、印刷ジョブ、画像データ、設定情報)を記憶する。記憶装置304は、例えばHDDやSSDであってもよい。記憶装置304は、二次記憶装置とも呼ばれうる。印刷装置103による動作は、記憶装置304からRAM302に読み出されたプログラムをCPU301が実行することによって実現されてもよい。
【0026】
プリンタI/F305は、プリンタエンジン320との間で信号を交換するためのI/Fである。プリンタエンジン320は、プリンタI/F305を通じて制御部310から供給された信号(例えば、画像信号や印刷コマンド)に基づいて印刷を行う。印刷は、トナーを紙に転写して定着させる電子写真方式の印刷であってもよいし、紙にインクを吐出することによって印刷するインクジェット方式の印刷であってもよいし、3次元印刷であってもよい。
【0027】
スキャナI/F306は、スキャナエンジン330との間で信号を交換するためのI/Fである。スキャナエンジン330は、原稿を読み取ることによって得られた信号(例えば、画像信号)を、スキャナI/F306を通じて制御部310に供給する。CPU301は、スキャナエンジン330から供給された画像信号を処理し、これによって得られた記録画像信号をプリンタエンジン320に供給してもよい。また、CPU301は、スキャナエンジン330から供給された画像信号に基づいて画像データを生成し、これを外部の装置へ送信してもよい。
【0028】
操作部I/F307は、操作部340との間で信号を交換するためのI/Fである。操作部340は、印刷装置103のユーザから入力を取得し、印刷装置103のユーザへ情報を提供する装置である。操作部340は、例えば表示パネル(例えば、液晶ディスプレイ)、スピーカ、タッチパネル、キーボード、ボタン、タッチスクリーン、又はこれらの任意の組み合わせで構成されてもよい。
【0029】
ネットワークI/F308は、印刷装置103の外部の装置と通信するためのI/Fである。CPU301、RAM302、ROM303、記憶装置304、プリンタI/F305、スキャナI/F306、操作部I/F307、及びネットワークI/F308によって制御部310が構成される。制御部310に含まれる各構成要素はシステムバスに接続されている。認証部309は、印刷装置103を使用するユーザを認証する。例えば、認証部309は、操作部340を用いて入力されたユーザ名及びパスワードに基づいてユーザを認証してもよい。これに代えて又はこれに加えて、認証部309は、センサを用いて取得されたユーザの生体情報(例えば、指紋、虹彩、顔の形状など)に基づいてユーザを認証してもよい。これに代えて又はこれに加えて、認証部309は、ユーザが有する個人識別カードから情報を読み出すことによってユーザを認証してもよい。
【0030】
図3(b)を参照して、一部の実施形態に係る印刷装置104のハードウェア構成例について説明する。印刷装置104は、図3(b)に示される構成要素を有してもよい。印刷装置104は、スキャナI/F306、操作部I/F307、認証部309、スキャナエンジン330、及び操作部340を有しない点で印刷装置103とは異なり、他の点で印刷装置103と同様であってもよい。
【0031】
[バッジリリースの全体的な処理シーケンス]
図4を参照して、バッジリリースが実行される処理に関する印刷システム100の全体的な動作を説明する。バッジリリースはログイン機能及びプルプリント機能を有する印刷装置に対して印刷が指示された場合に実行可能であってもよい。印刷装置103はログイン機能及びプルプリント機能を有するため、ユーザは、印刷装置103に対して印刷を指示した場合に、バッジリリースを実行可能である。一方、印刷装置104はログイン機能を有しないため、ユーザは、印刷装置104に対して印刷を指示した場合に、バッジリリースを実行可能でない。以下では、印刷装置103に対して印刷が指示される場合について説明する。
【0032】
S401で、印刷装置103は、印刷装置103の能力情報を印刷サーバ101へ送信する。印刷サーバ101は、この能力情報を受信する。能力情報は、印刷装置103がサポートする機能を表す情報を含んでもよい。図4の動作において、S401で送信される能力情報は、印刷装置103がプルプリント機能を有することを示す情報を含むとする。能力情報に基づいて、印刷サーバ101は、印刷装置103がプルプリント機能を有すると判定する。
【0033】
印刷装置103がプルプリント機能を有することを示す情報は、図5に示されるメッセージ500を用いて送信されてもよい。メッセージ500は、IPPに準拠するUpdate-Output-Device-Attributes Requestオペレーションを表す。メッセージ500では、属性「pull-print-supported」が「True」であることによって、印刷装置103がプルプリント機能を有することが示される。メッセージ500を受信したことに応じて、印刷サーバ101は、図5に示されるメッセージ501を応答してもよい。メッセージ501は、IPPに準拠するUpdate-Output-Device-Attributes Responseオペレーションを表す。
【0034】
S402で、印刷サーバ101は、情報処理装置102からの要求に応じて、印刷サーバ101に登録されている1つ以上の印刷装置に対応する仮想プリンタのプリンタ情報を情報処理装置102へ送信する。情報処理装置102は、このプリンタ情報を受信する。印刷サーバ101に登録されている1つ以上の印刷装置は、印刷装置103を含む。
【0035】
S403で、情報処理装置102のユーザ(以下の説明において、Smithであるとする)は、情報処理装置102に対して、印刷サーバ101によって提供される仮想プリンタに対して印刷対象物(例えば、文書)を印刷することを指示する。この時点で、ユーザによって指定される仮想プリンタは、印刷装置103のみに関連付けられていてもよいし、印刷装置103を含む複数の印刷装置に関連付けられてもよい。仮想プリンタが複数の印刷装置に関連付けられている場合に、ユーザは、どの印刷装置で印刷を実行するかを後から指定可能であってもよい。
【0036】
S404で、情報処理装置102(例えば、その印刷アプリケーションやオペレーティングシステム)は、ユーザからの指示に従って印刷ジョブを生成し、この印刷ジョブを印刷サーバ101へ送信する。印刷サーバ101は、この印刷ジョブを受信する。
【0037】
S405で、印刷サーバ101は、S404で受信した印刷ジョブに識別番号を割り振り、印刷ジョブを印刷サーバ101のストレージ(例えば、記憶装置204)に保存する。また、印刷サーバ101は、印刷サーバ101に保持されている印刷ジョブを管理するためのジョブリストを更新する。
【0038】
印刷サーバ101は、印刷装置103がプルプリント機能を有するとの判定に基づいて、S404で受信した印刷ジョブを留め置き印刷によって処理する。具体的に、印刷サーバ101は、S404で受信した印刷ジョブを保留状態で保持する。印刷ジョブを留め置き印刷によって処理することは、ユーザから留め置き印刷を指定されたことにさらに基づいてもよい。例えば、印刷サーバ101は、ユーザから留め置き印刷を指定されていない場合に、印刷ジョブを留め置き印刷によって処理しなくてもよい。
【0039】
一方、印刷サーバ101は、印刷装置103がプルプリント機能を有しないとの判定に基づいて、S404で受信した印刷ジョブを留め置き印刷によって処理しない。具体的に、印刷サーバ101は、S404で受信した印刷ジョブを保留状態で保持しない。この場合に、印刷ジョブは、ユーザからの追加の指示によらずに、印刷装置103によって処理される(すなわち、印刷ジョブに従う印刷が実行される)。
【0040】
図6を参照して、S405における更新後のジョブリスト600の一例を説明する。S405において、新たに取得された印刷ジョブの「job-id」に「3」が割り振られたとする。そこで、印刷サーバ101は、この印刷ジョブの「job-state」及び「job-state-reason」を、「pending-hold」及び「job-fetchable-by-user,job-release-wait」にそれぞれ設定する。これによって、この印刷ジョブが保留状態であることが示される。ジョブリスト600では、同じユーザ(Smith)によって過去に投入され、保留状態にある印刷ジョブ(「job-id」が「2」である印刷ジョブ)も管理されている。ジョブリスト600では、別のユーザ(Alice)によって過去に投入され、保留状態にある印刷ジョブ(「job-id」が「1」である印刷ジョブ)も管理されている。印刷サーバ101は、印刷ジョブをユーザのクラウドアカウント名に関連付けて管理してもよい。例えば、Smithのクラウドアカウント名は「RobertSmith@example.com」である。クラウドアカウント名は、印刷ジョブとともに情報処理装置102から印刷サーバ101へ送信されてもよい。
【0041】
S406で、ユーザ(Smith)は、印刷サーバ101によって保持されている印刷ジョブに従う印刷を印刷装置103に実行させるために、印刷装置103にログインする。例えば、ユーザは、印刷装置103の操作部340を使用して、ユーザ名及びパスワードを入力する。
【0042】
S407で、印刷装置103は、ログイン処理を行う。具体的に、印刷装置103は、S406でユーザによって入力された情報が自身に記憶されている情報と一致するかどうかを判定することによって、ユーザを認証する。ユーザの認証に成功した場合に、印刷装置103は、印刷装置103を使用する権限をユーザが有するかどうかをさらに判定してもよい。その後、印刷装置103は、S406でユーザによって入力されたユーザ名に基づいて、ユーザのクラウドアカウント名を特定してもよい。ユーザ名とクラウドアカウント名との関連付けは事前に設定され、印刷装置103の記憶装置304に記憶されていてもよい。例えば、印刷装置103は、ユーザ(Smith)のクラウドアカウント名が「RobertSmith@example.com」であることを特定する。
【0043】
ユーザがログインに成功したことに応じて、S408で、印刷装置103は、印刷装置103にログイン中のユーザに関連付けられた印刷ジョブのリストを印刷サーバ101に要求する。印刷装置103にログイン中のユーザに関連付けられた印刷ジョブは、このユーザによって投入され保留状態である印刷ジョブを含む。この要求は、図7に示されるメッセージ700を用いて送信されてもよい。メッセージ700は、IPPに準拠するGet-Jobs Requestオペレーションを表す。メッセージ700では、属性「my-jobs」が「True」であることによって、属性「Requesting-user-name」又は属性「Requesting-user-uri」によって指定されたユーザに関する印刷ジョブのリストを要求することが示される。メッセージ700では、属性「Requesting-user-name」にユーザ名である「Smith」が指定され、属性「Requesting-user-uri」にこのユーザのクラウドアカウント名である「RobertSmith@example.com」が指定されている。メッセージ700では、属性「Requesting-user-name」と属性「Requesting-user-uri」との両方が指定されているか、これらの一方のみが指定されてもよい。これに代えて又はこれに加えて、メッセージ700は、印刷サーバ101がユーザを一意に識別するための他の情報を含んでもよい。
【0044】
S409で、印刷サーバ101は、S408で指定されたユーザに関連付けられた印刷ジョブのリストを印刷装置103に応答する。例えば、印刷サーバ101は、ジョブリスト600から、属性「Requesting-user-uri」に指定された「RobertSmith@example.com」に関連付けられた印刷ジョブ(「job-id」が「2」又は「3」である印刷ジョブ)の情報を抽出することによって、応答するリストを生成する。このリストの応答は、図7に示されるメッセージ701を用いて送信されてもよい。メッセージ701は、IPPに準拠するGet-Jobs Responseオペレーションを表す。メッセージ701は、「job-id」が「2」又は「3」である印刷ジョブの情報を含む。
【0045】
S410で、印刷装置103は、S409で受信したリストの情報を操作部340に表示する。S411で、ユーザは、リストに示される1つ以上の印刷ジョブ(この例では2つの印刷ジョブ)から印刷を実行したい印刷ジョブを指定し、印刷開始を指示する。
【0046】
S412で、印刷装置103は、S410でユーザによって指定された印刷ジョブ(例えば、「job-id」が「2」である印刷ジョブ)の情報を印刷サーバ101に要求する。印刷サーバ101は、この要求を受信する。この要求は、図8に示されるメッセージ800を用いて送信されてもよい。メッセージ800は、IPPに準拠するFetch-Job Requestオペレーションを表す。メッセージ800では、属性「job-id」によって、要求する印刷ジョブが示される。メッセージ800の属性「Requesting-user-uri」は、印刷装置103にログイン中のユーザのクラウドアカウント名を示す。
【0047】
印刷サーバ101は、S412で受信した要求に応じて、要求された印刷ジョブに関する情報を応答する。印刷装置103は、この応答を受信する。この応答は、図8に示されるメッセージ801を用いて送信されてもよい。メッセージ801は、IPPに準拠するFetch-Job Responseオペレーションを表す。
【0048】
S413で、印刷装置103は、S410でユーザによって指定された印刷ジョブ(例えば、「job-id」が「2」である印刷ジョブ)を印刷サーバ101に要求する。印刷サーバ101は、この要求を受信する。この要求は、図9に示されるメッセージ900を用いて送信されてもよい。メッセージ900は、IPPに準拠するAcknowledge-Job Requestオペレーションを表す。メッセージ900では、属性「job-id」によって、要求する印刷ジョブが示される。メッセージ900の属性「Requesting-user-uri」は、印刷装置103にログイン中のユーザのクラウドアカウント名を示す。
【0049】
S414で、印刷サーバ101は、印刷装置103によって指定された印刷ジョブの待機状態を解除する。具体的に、印刷サーバ101は、図6に示されるように、ジョブリスト600をジョブリスト601に更新する。ジョブリスト601では、「job-id」が「2」である印刷ジョブの「job-state」及び「job-state-reason」が「processing」及び「none」にそれぞれ更新されている。その後、印刷サーバ101は、S413で受信した要求に対して確認応答を送信する。印刷装置103は、この確認応答を受信する。この確認応答は、図9に示されるメッセージ901を用いて送信されてもよい。メッセージ901は、IPPに準拠するAcknowledge-Job Responseオペレーションを表す。
【0050】
S415で、印刷サーバ101は、印刷装置103によって指定された印刷ジョブを印刷装置103へ送信する。印刷装置103は、この印刷ジョブを受信する。S416で、印刷装置103は、受信した印刷ジョブに従って印刷を実行する(例えば、排紙処理を行う)。
【0051】
図10を参照して、バッジリリースにおいて印刷装置103の操作部340に表示される画面の例について説明する。S407で、印刷装置103は、操作部340に画面1000を表示することによって、印刷装置103にログインすることをユーザに促す。その後、ユーザ(Smith)が印刷装置103にログインしたことに応じて、印刷装置103は、操作部340に画面1001を表示する。画面1001では、Smithがログイン中であることが示される。
【0052】
画面1001の「ジョブリスト」をユーザが選択したことに応じて、印刷装置103は、S408(ジョブリストの要求)を実行する。印刷装置103は、この要求に応じて取得された印刷ジョブのリストを含む画面1002を生成し、操作部340に表示する。画面1002は、印刷装置103にログイン中のユーザ(Smith)に関連付けられた印刷ジョブのリストを含む。
【0053】
[モバイルリリースの全体的な処理シーケンス]
図11を参照して、モバイルリリースが実行される処理に関する印刷システム100の全体的な動作を説明する。モバイルリリースは、プルプリント機能を有すると印刷サーバ101が認識している印刷装置に対して印刷が指示された場合に実行可能であってもよい。印刷装置103はプルプリント機能を有するため、ユーザは、印刷装置103に対して印刷を指示した場合に、モバイルリリースを実行可能である。一方、印刷装置104はプルプリント機能を有しない。しかし、後述するように、印刷装置104は、プルプリント機能を有しないにも関わらず、プリント機能を有することを印刷サーバ101に通知する。この結果、印刷サーバ101は、印刷装置104がプルプリント機能を有すると認識する。そのため、ユーザは、印刷装置104に対して印刷を指示した場合であっても、モバイルリリースを実行可能である。以下では、印刷装置103に対して印刷が指示される場合について説明する。印刷装置104に対して印刷が指示される場合についても同様の説明が当てはまる。
【0054】
S401~S405の動作は図4と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。図11の動作が印刷装置104によって実行される場合に、S401において、印刷装置104は、プルプリント機能を有しないにも関わらず、プルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知する。
【0055】
S1001で、ユーザ(Smith)は、印刷サーバ101によって保持されている印刷ジョブに従う印刷を印刷装置103に実行させるために、モバイル端末105(例えば、モバイルリリースを提供するアプリケーション)にログインする。例えば、ユーザは、モバイル端末105の入力装置210を使用して、クラウドアカウント名(RobertSmith@example.com)及びパスワードを入力する。
【0056】
S1102で、モバイル端末105は、ログイン処理を行う。具体的に、モバイル端末105は、S1101でユーザによって入力された情報が自身に記憶されている情報と一致するかどうかを判定することによって、ユーザを認証する。ユーザの認証に成功した場合に、モバイル端末105は、印刷装置103を使用する権限をユーザが有するかどうかをさらに判定してもよい。
【0057】
ユーザがログインに成功したことに応じて、S1103で、モバイル端末105は、モバイル端末105にログイン中のユーザに関連付けられた印刷ジョブのリストを印刷サーバ101に要求する。モバイル端末105にログイン中のユーザに関連付けられた印刷ジョブは、このユーザによって投入され保留状態である印刷ジョブを含む。この要求は、図7に示されるメッセージ700を用いて送信されてもよい。メッセージ700に関する説明は上述の説明と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。
【0058】
S1104で、印刷サーバ101は、S1103で指定されたユーザに関連付けられた印刷ジョブのリストをモバイル端末105に応答する。S1104の処理は上述のS409の処理と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。
【0059】
S1105で、モバイル端末105は、S1104で受信したリストの情報を出力装置220に表示する。このリストは、図10の画面1002と同様に、モバイル端末105にログイン中のユーザ(Smith)に関連付けられた印刷ジョブの情報のみを含む。S1106で、ユーザは、リストに示される1つ以上の印刷ジョブ(この例では2つの印刷ジョブ)から印刷を実行したい印刷ジョブを指定し、印刷開始を指示する。
【0060】
S1107で、モバイル端末105は、S1106でユーザによって指定された印刷ジョブ(例えば、「job-id」が「2」である印刷ジョブ)の保留状態を解除することを印刷サーバ101に要求する。印刷サーバ101は、この要求を受信する。この要求は、図12に示されるメッセージ1200を用いて送信されてもよい。メッセージ1200は、IPPに準拠するRelease-Job Requestオペレーションを表す。メッセージ1200では、属性「job-id」によって、保留状態を解除する印刷ジョブが示される。メッセージ1200の属性「Requesting-user-uri」は、モバイル端末105にログイン中のユーザのクラウドアカウント名を示す。メッセージ1200の属性「job-release-type」は、メッセージ1200を作成したアプリケーションの識別子を示す。メッセージ1200が属性「job-release-type」を含むことによって、保留状態の解除要求が印刷装置とは異なる装置(この例では、モバイル端末105)によって行われたことが示される。属性「job-release-type」の値は、印刷システム100において認識されるどのような値であってもよい。
【0061】
S1108で、印刷サーバ101は、モバイル端末105によって指定された印刷ジョブの待機状態を解除する。具体的に、印刷サーバ101は、図13に示されるように、ジョブリスト600をジョブリスト1300に更新する。ジョブリスト1300では、「job-id」が「2」である印刷ジョブの「job-state」及び「job-state-reason」が「pending」及び「job-fetchable」にそれぞれ更新されている。これらの属性値は、「job-id」が「2」である印刷ジョブを印刷装置が取得可能であることを示す。その後、印刷サーバ101は、S1107で受信した要求に対して確認応答を送信する。モバイル端末105は、この確認応答を受信する。この確認応答は、図12に示されるメッセージ1201を用いて送信されてもよい。メッセージ1201は、IPPに準拠するRelease-Job Responseオペレーションを表す。
【0062】
S1109で、印刷装置103は、イベント確認要求を印刷サーバ101へ送信する。印刷サーバ101は、このイベント確認要求を受信する。イベント確認要求とは、印刷装置103に関連するイベントが発生したかどうかの問い合わせのことであってもよい。印刷装置103に関連するイベントは、印刷装置103が取得可能な印刷ジョブがあることを含んでもよい。すなわち、印刷装置103は、印刷装置103が取得可能な印刷ジョブがあるかどうかを印刷サーバ101に問い合わせる。印刷装置103は、イベント確認要求を印刷サーバ101へ定期的に送信してもよい。イベント確認要求は、図14に示されるメッセージ1400を用いて送信されてもよい。メッセージ1400は、IPPに準拠するGet-Notification Requestオペレーションを表す。
【0063】
この時点で、「job-id」が「2」である印刷ジョブの保留状態が、印刷装置103とは異なる装置(この例では、モバイル端末105)からの要求に基づいて解除されている。そこで、印刷サーバ101は、印刷装置103が取得可能な印刷ジョブがあることを応答する。印刷装置103は、この応答を受信する。この応答は、図14に示されるメッセージ1401を用いて送信されてもよい。メッセージ1401は、IPPに準拠するGet-Notification Responseオペレーションを表す。
【0064】
印刷装置103が取得可能な印刷ジョブがある場合に、S1110で、印刷装置103は、印刷装置103が取得可能な印刷ジョブのリストを印刷サーバ101に要求する。印刷サーバ101はこの要求を受信する。この要求は、図15に示されるメッセージ1500を用いて送信されてもよい。メッセージ1500は、IPPに準拠するGet-Jobs Requestオペレーションを表す。メッセージ1500では、属性「my-jobs」が「False」であることによって、すべてのユーザに関する印刷ジョブの情報を要求することが示される。また、メッセージ1500では、属性「which-jobs」が「fetchable」であることによって、印刷装置103が取得可能な状態である印刷ジョブの情報を要求することが示される。印刷サーバ101は、S1110の要求に対して、メッセージ701を応答する。
【0065】
S1111で、印刷装置103は、S1110で取得したリストに含まれる印刷ジョブ(例えば、「job-id」が「2」である印刷ジョブ)を印刷サーバ101に要求する。印刷サーバ101は、この要求を受信する。この要求は、図8のメッセージ800(すなわち、Fetch-Job Requestオペレーション)によって行われてもよい。
【0066】
S1112で、印刷サーバ101は、印刷装置103によって指定された印刷ジョブを印刷装置103へ送信する。印刷装置103は、この印刷ジョブを受信する。S1113で、印刷装置103は、受信した印刷ジョブに従って印刷を実行する(例えば、排紙処理を行う)。
【0067】
[印刷装置の動作例]
図16を参照して、印刷装置103の制御部310が印刷装置103の能力情報を印刷サーバ101に通知するように印刷装置103を制御する制御方法の例を説明する。図16の方法の各工程は、印刷装置103のCPU301が印刷装置103のメモリ(例えば、RAM302)に読み込まれたプログラムを実行することによって行われてもよい。これに代えて、図16の方法の一部又は全部の工程は、ASICのような専用の集積回路によって行われてもよい。図16の方法は、印刷装置103が起動したことに応じて開始されてもよい。
【0068】
S1601で、印刷装置103は、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知すると設定されているかどうかを判定する。以下の説明において、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知することをプルプリント通知と表す。印刷装置103がプルプリント通知を行うと設定されていることを、プルプリント通知が有効であると表す。印刷装置103がプルプリント通知を行わないと設定されていることを、プルプリント通知が無効であると表す。印刷装置103は、プルプリント通知が有効であると判定された場合(S1601で「YES」)に処理をS1602に遷移し、それ以外の場合(S1601で「NO」、例えばプルプリント通知が無効であると判定された場合)に処理をS1603に遷移する。
【0069】
プルプリント通知の設定は、印刷装置103のメモリ(例えば、RAM202)に記憶されていてもよい。プルプリント通知のデフォルト値は有効であっても無効であってもよい。印刷装置103は、起動時に、以前にユーザによって設定されたプルプリント通知の設定値を使用してもよいし、デフォルト値を使用してもよい。
【0070】
プルプリント通知の設定は、印刷装置103のユーザによって変更可能であってもよい。図17(a)を参照して、プルプリント通知の設定を行うための画面1700の例について説明する。画面1700は、例えば印刷装置103の操作部340に表示されてもよい。
【0071】
画面1700は、プルプリント通知を有効にするためのONボタンと、プルプリント通知を無効にするためのOFFボタンとを含む。印刷装置103は、印刷装置103のユーザが操作部340を用いてONボタンを選択したことに応じて、プルプリント通知を有効にする。印刷装置103は、印刷装置103のユーザが操作部340を用いてOFFボタンを選択したことに応じて、プルプリント通知を無効にする。
【0072】
画面1700は、ユーザが印刷装置103のログイン機能を有効にするかどうかを設定するためにさらに使用されてもよい。画面1700は、ログイン機能を有効にするためのONボタンと、ログイン機能を無効にするためのOFFボタンとを含む。印刷装置103は、印刷装置103のユーザが操作部340を用いてONボタンを選択したことに応じて、ログイン機能を有効にする。印刷装置103は、印刷装置103のユーザが操作部340を用いてOFFボタンを選択したことに応じて、ログイン機能を無効にする。ログイン機能が有効である場合に、印刷装置103は、ユーザが印刷装置103にログインした場合にのみ、ユーザに印刷装置103を使用可能にしてもよい。
【0073】
画面1700は、ユーザのアカウント情報を登録又は編集する画面1701に遷移するためにさらに使用されてもよい。画面1700は、画面1701に遷移するためのユーザ登録設定ボタンを含む。画面1701では、ユーザのアカウント情報を登録又は編集するために使用される。アカウント情報は、ユーザごとに、印刷装置103にログインするためのユーザ名と、印刷装置103にログインするためのパスワードと、クラウドアカウント名と、を含んでもよい。クラウドアカウント名は、上述のように、バッジリリースに使用されてもよい。
【0074】
S1602で、印刷装置103は、プルプリント通知が有効であると判定された場合に、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知する。この通知は、図4又は図11のS401に対応してもよい。上述のように、印刷装置103がプルプリント機能を有することの通知は、図5に示されるメッセージ500を用いて送信されてもよい。メッセージ500は、IPPに準拠するUpdate-Output-Device-Attributes Requestオペレーションを表す。
【0075】
S1602で、印刷装置103は、プルプリント通知が無効であると判定された場合に、印刷装置103がプルプリント機能を有しないことを印刷サーバ101に通知する。印刷装置103がプルプリント機能を有しないことの通知は、図5に示されるメッセージ510を用いて送信されてもよい。メッセージ510は、IPPに準拠するUpdate-Output-Device-Attributes Requestオペレーションを表す。メッセージ510では、属性「pull-print-supported」が「False」であることによって、印刷装置103がプルプリント機能を有しないことが示される。これに代えて、印刷装置103がプルプリント機能を有しないことの通知は、図5に示されるメッセージ520を用いて送信されてもよい。メッセージ520は、IPPに準拠するUpdate-Output-Device-Attributes Requestオペレーションを表す。メッセージ520では、属性「pull-print-supported」を含まないことによって、印刷装置103がプルプリント機能を有しないことが示される。
【0076】
S1604で、印刷装置103は、プルプリント通知の設定が変更されたかどうかを判定する。印刷装置103は、プルプリント通知の設定が変更されたと判定された場合(S1604で「YES」)に処理をS1601に遷移し、それ以外の場合(S1604で「NO」)にS1604を繰り返す。プルプリント通知の設定が変更されたと判定された場合に、印刷装置103は、変更後の設定に基づいて、印刷装置103がプルプリント機能を有するかどうかを印刷サーバ101に通知する。
【0077】
図16の動作では、プルプリント通知を有効にするかどうかと、ログイン機能を有効にするかどうかとを個別に設定することが可能である。そのため、印刷装置103は、ログイン機能を有効にするかどうかの設定によらず、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知すると設定されていることに基づいて、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知する。一方、印刷装置103は、ログイン機能を有効にするかどうかの設定によらず、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知しないと設定されていることに基づいて、印刷装置103がプルプリント機能を有することを印刷サーバ101に通知しない。プルプリント通知が有効であり、ログイン機能が有効である場合に、ユーザは、バッジリリース及びモバイルリリースのいずれも実行可能である。プルプリント通知が有効であり、ログイン機能が無効である場合に、ユーザは、バッジリリース及びモバイルリリースのいずれも実行可能でない。プルプリント通知が無効であり、ログイン機能が有効である場合に、ユーザは、バッジリリースを実行可能でなく、モバイルリリースを実行可能である。プルプリント通知が無効であり、ログイン機能が無効である場合に、ユーザは、バッジリリース及びモバイルリリースのいずれも実行可能でない。
【0078】
図16の制御方法は、印刷装置104によって実行されてもよい。この場合に、図16の方法の各工程は、印刷装置104のCPU301が印刷装置104のメモリ(例えば、RAM302)に読み込まれたプログラムを実行することによって行われてもよい。これに代えて、図16の方法の一部又は全部の工程は、ASICのような専用の集積回路によって行われてもよい。図16の方法は、印刷装置103が起動したことに応じて開始されてもよい。
【0079】
上述のように、印刷装置104は、プルプリント機能を有しない。そのため、バッジリリースに関する図4の方法において、印刷装置104は、S412で、印刷ジョブの保留状態を解除することを印刷サーバ101に要求できない。しかし、印刷装置104は、プルプリント機能を有しないにも関わらず、プリント機能を有することを印刷サーバ101に通知可能である。この結果、印刷サーバ101は、印刷装置104がプルプリント機能を有すると認識する。そのため、ユーザは、印刷装置104に対して印刷を指示した場合であっても、モバイルリリースを実行可能である。
【0080】
印刷装置104におけるプルプリント通知の設定は、ユーザによって変更可能であってもよい。図17(b)を参照して、プルプリント通知の設定を行うための画面1710の例について説明する。画面1710は、例えば印刷装置104とは別の装置(例えば、情報処理装置102やモバイル端末105)の表示部に表示されてもよい。印刷装置104は、画面1710を別の装置に表示させるために、RUI(Remote User Interface)を提供可能であってもよい。これに代えて、印刷装置104は、画面1710を表示するための表示部を備えてもよい。
【0081】
画面1710によるプルプリント通知の設定方法は、画面1700と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。印刷装置104はログイン機能を有しないため、画面1710はログイン機能を有効にするためのグラフィカルオブジェクトを含まない。
【0082】
上述の例では、印刷装置104は、ログイン機能を有しないことに起因してプルプリント機能を有しない。印刷装置104は、ユーザ認証機能を有しないことに起因してログイン機能を有しなくてもよいし、ユーザ名及びパスワードを入力するための操作部を有しないことに起因してログイン機能を有しなくてもよい。
【0083】
<他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0084】
<実施形態のまとめ>
[項目1]
印刷サーバ及び印刷装置を含む印刷システムであって、
前記印刷サーバは、
印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有するとの判定に基づいて、前記印刷ジョブを保留状態で保持する保持手段と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて、前記印刷ジョブの保留状態を解除する解除手段と、
保留状態が解除された前記印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記印刷装置は、
前記解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知手段と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得手段と、
前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷手段と、を備える、印刷システム。
[項目2]
前記印刷装置は、ユーザを前記印刷装置にログインさせるログイン機能を有しない、項目1に記載の印刷システム。
[項目3]
前記印刷装置は、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知するかどうかを設定するための設定手段をさらに備え、
前記通知手段は、
前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知すると設定されていることに基づいて、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知し、
前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知すると設定されていないことに基づいて、前記印刷装置が前記解除要求機能を有しないことを前記印刷サーバに通知する、項目1又は2に記載の印刷システム。
[項目4]
前記保持手段は、前記解除要求機能を前記印刷装置が有しないとの判定に基づいて、前記印刷ジョブを保留状態で保持しない、項目1乃至3の何れか1項に記載の印刷システム。
[項目5]
前記印刷装置は、前記印刷装置が取得可能な印刷ジョブがあるかどうかを前記印刷サーバに問い合わせる問い合わせ手段をさらに備え、
前記印刷サーバは、前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された場合に、前記問い合わせ手段からの問い合わせに対して、前記印刷装置が取得可能な印刷ジョブがあることを応答する応答手段をさらに備える、項目1乃至4の何れか1項に記載の印刷システム。
[項目6]
前記印刷ジョブの保留状態を解除するための前記要求を送信する前記装置は、ユーザを前記装置にログインさせるログイン機能を有する、項目1乃至5の何れか1項に記載の印刷システム。
[項目7]
前記通知手段は、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを、インターネットプリンティングプロトコルに準拠するメッセージを用いて前記印刷サーバに通知する、項目1乃至6の何れか1項に記載の印刷システム。
[項目8]
印刷装置であって、
印刷サーバによって保持されている印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知手段と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得手段と、
前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷手段と、を備える、印刷装置。
[項目9]
コンピュータを項目8に記載の印刷装置の各手段として機能させるためのプログラム。
[項目10]
印刷装置の制御方法であって、
印刷サーバによって保持されている印刷ジョブの保留状態の解除を前記印刷サーバに要求する解除要求機能を前記印刷装置が有しないにも関わらず、前記印刷装置が前記解除要求機能を有することを前記印刷サーバに通知する通知工程と、
前記印刷装置とは異なる装置からの要求に基づいて前記印刷ジョブの保留状態が解除された後に、前記印刷サーバから前記印刷ジョブを取得する取得工程と、
前記取得された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷工程と、を有する、制御方法。
【0085】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0086】
101 印刷サーバ、102 情報処理装置、103 印刷装置、104 印刷装置、105 モバイル端末
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