(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179700
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ロック装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20241219BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20241219BHJP
H01R 13/703 20060101ALI20241219BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20241219BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/639 Z
H01R13/703
B60L53/16
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098747
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】杉山 義高
【テーマコード(参考)】
5E021
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC36
5E021FC38
5E021FC40
5E021HC24
5E021KA15
5E021MA19
5E021MA23
5E021MB06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】配線を簡素化することが可能なロック装置を提供すること。
【解決手段】ロック装置1は、ロックピン11と、駆動部13と、検知ピン16と、ロック検知部14と、移動検知部19と、を備える。ロックピン11は、充電用インレット520に差し込まれた充電コネクタ600の先端部分614が、インレット520の挿入孔522と係合した係合状態から非係合状態に移動することを規制するロック位置P1と、先端部分614の移動の規制を解除するアンロック位置P2の間を移動可能である。駆動部13は、ロックピン11をロック位置P1とアンロック位置P2の間で移動させる。検知ピン16は、充電コネクタ600のインレット520への差し込みの際に先端部分614によって押し込み位置Q1に移動する。ロック検知部14は、ロックピン11のロック位置P1への移動を検知する。移動検知部19は、検知ピン16の押し込み位置Q1への移動を検知する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電用インレットに差し込まれた充電コネクタの係合部が、前記インレットの被係合部と係合した係合状態から非係合状態に移動することを規制するロック位置と、前記係合部の移動の規制を解除するアンロック位置の間を移動可能なロック部材と、
前記ロック部材を前記ロック位置と前記アンロック位置の間で移動させる駆動部と、
前記充電コネクタの前記インレットへの差し込みの際に前記係合部によって所定位置に移動する移動部材と、
前記ロック部材の前記ロック位置への移動を検知するロック検知部と、
前記移動部材の前記所定位置への移動を検知する移動部材検知部と、を備えた、
ロック装置。
【請求項2】
前記移動部材検知部は、移動部材検知スイッチを有し、
前記移動部材は、前記所定位置へ移動することによって前記移動部材検知スイッチを操作する第1操作部を有する、
請求項1に記載のロック装置。
【請求項3】
前記ロック検知部は、ロック検知スイッチを有し、
前記ロック部材は、前記アンロック位置から前記ロック位置へ移動することによって前記ロック検知スイッチを操作する第2操作部を有し、
前記移動部材検知スイッチと前記ロック検知スイッチは、直列接続され、
前記充電コネクタが前記インレットに差し込まれた状態において、前記移動部材検知スイッチのオンおよび前記ロック検知スイッチのオンを示す信号、前記移動部材検知スイッチのオフおよび前記ロック検知スイッチのオンを示す信号、または、前記ロック検知スイッチのオフを示す信号のうちいずれか1つの信号を外部に出力する出力部を更に備えた、
請求項2に記載のロック装置。
【請求項4】
前記ロック部材の移動方向は、前記移動部材の移動方向に対して垂直であり、
前記移動部材の移動方向に沿って視た場合、前記ロック位置における前記ロック部材は、前記移動部材と重なっており、
前記係合部は、前記充電コネクタが前記インレットに差し込まれた状態において、前記移動部材に当接する当接部分を有し、
前記当接部分は、前記充電コネクタが前記インレットに差し込まれ、前記ロック部材が前記ロック位置に移動した状態において、前記ロック部材と前記移動部材の間に配置されている、
請求項1に記載のロック装置。
【請求項5】
前記ロック部材の移動方向は、前記移動部材の移動方向と平行であり、
前記インレットの被係合部は、突起が形成された壁部を有し、
前記充電コネクタの前記係合部は、前記突起に係合する爪部を有し、
前記ロック部材は、前記充電コネクタが前記インレットに差し込まれた状態において、かつ、前記ロック位置において、前記爪部を挟んで前記壁部の反対側に配置され、
前記移動部材が挿通される移動部材挿通孔が形成され、前記駆動部、前記ロック検知部、および前記移動部材検知部を収納するハウジングを備え、
前記移動部材には、前記ロック部材が挿通されるロック部材挿通孔が形成されている、
請求項1に記載のロック装置。
【請求項6】
前記ロック部材の移動方向は、前記移動部材の移動方向と平行であり、
前記係合部は、前記充電コネクタが前記インレットに差し込まれた状態において前記移動部材に当接する当接部分を有し、
前記当接部分は、前記充電コネクタが前記インレットに差し込まれた状態において前記移動部材の移動方向に沿って前記移動部材と並んで配置されており、
前記ロック位置において前記ロック部材は、前記移動部材および前記当接部分と、前記移動部材の移動方向に対して垂直な方向に並んで配置されている、
請求項1に記載のロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの普及が進んでいる。これらの車両では、バッテリの残量が減ると充電施設においてバッテリの充電が行われる。
【0003】
バッテリの充電は、充電施設から延びる給電ケーブルを車体の給電口(インレット)に接続することによって行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1に示す車両用充電インレットには、車両充電中に充電コネクタがインレットから抜けないようにロックするロック装置が設けられている。充電コネクタをインレットに差し込むとロック装置が作動し、ロックピンが充電コネクタの係合部(穴部)に挿入され、ロック位置に移動する。これによって充電コネクタのインレットからの抜けが防止される。
【0005】
ここで、充電コネクタの係合部が破損していた場合、ロックピンがロック位置にあっても充電コネクタをインレットから抜くことが可能な状態となる。そのため、特許文献1に示す車両用充電インレットでは、ロックピンの動作を検知する検知部と充電コネクタの故障を検知する検知部の双方がオンの状態でなければ充電を開始しないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2013/061401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の示す車両用充電コネクタでは、充電コネクタの故障を検知する検知部がインレット側に配置され、ロックピンの動作を検知する検知部がインレット外のアクチュエータ側に配置されており、配線が複雑になっていた。
【0008】
本発明の目的は、配線を簡素化することが可能なロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様にかかるロック装置は、ロック部材と、駆動部と、移動部材と、ロック検知部と、移動部材検知部と、を備える。ロック部材は、充電用インレットに差し込まれた充電コネクタの係合部が、インレットの被係合部と係合した係合状態から非係合状態に移動することを規制するロック位置と、係合部の移動の規制を解除するアンロック位置の間を移動可能である。駆動部は、ロック部材をロック位置とアンロック位置の間で移動させる。移動部材は、充電コネクタのインレットへの差し込みの際に係合部によって所定位置に移動する。ロック検知部は、ロック部材のロック位置への移動を検知する。移動部材検知部は、移動部材の所定位置への移動を検知する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、配線を簡素化することが可能なロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1のロック装置が配置された車両の一部および充電コネクタを示す斜視図。
【
図2】充電コネクタが車両のインレットに差し込まれた状態を示す側面模式図。
【
図3】実施形態1のロック装置が配置された車両の一部および充電コネクタを車両側から視た斜視図。
【
図4】充電コネクタの先端部分が破損した場合において充電コネクタが車両のインレットに差し込まれた状態を示す側面模式図。
【
図6】第1ハウジング部を取り除いた状態のロック装置を示す斜視図。
【
図7】(a)ロック装置のラック部材、ロックピン、検知ピン、ピン支持部等を示す斜視図、(b)X1方向側から視たピン本体とロックピンの配置関係を示す図。
【
図9】スイッチ押圧部が移動検知スイッチに当接して移動検知スイッチが押圧された状態を示す図。
【
図10】(a)(b)ロック検知スイッチと移動検知スイッチの電気的な接続を示す図。
【
図11】充電が開始されるまでの車体側の制御動作を説明するためのフロー図。
【
図12】実施形態2のロック装置が配置された車両の一部および充電コネクタを示す斜視図。
【
図13】充電コネクタが車両のインレットに差し込まれた状態を示す側面模式図。
【
図14】充電コネクタの係合爪が破損した場合において充電コネクタが車両のインレットに差し込まれた状態を示す側面模式図。
【
図16】第2ハウジング部を取り除いたロック装置の斜視図
【
図18A】ロックピンがアンロック位置に配置され、検出部材が非押し込み位置に配置された状態を示す図。
【
図18B】ロックピンがロック位置に配置され、検出部材が押し込み位置に配置された状態を示す図。
【
図19】(a)充電コネクタの回動部近傍を示す斜視図、(b)係合爪によって検知部材が押し込まれている状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる実施形態のロック装置について図面を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態のロック装置は、車体の給電口に接続した充電コネクタ(対象物の一例)をロックするために用いることができる。ロック装置は、一般的に車体の給電口付近に設けられているが、充電コネクタをロックし、充電コネクタが車体の給電口から脱落を防止することが可能であれば、その配置場所が限定されるものではない。ロック装置は、充電コネクタが車体の給電口から脱落を防止できるのであれば、充電コネクタ自体をロックするものでなくてもよく、充電コネクタに連結している部材をロックしてもよい。詳しくは後述するが、ロック装置はロックピンを突出させ、充電コネクタの移動を規制することによって、充電コネクタが給電口(インレット)から取り外されることを防止する。なお、ロック装置は、フューエルリッドのロック装置などの、ピンの前進により対象物の移動を抑制するロック装置として用いることもできる。
【0014】
(実施形態1)
(ロック装置1の概要)
図1は、実施形態1のロック装置1が配置された車両500の一部および充電コネクタ600を示す斜視図である。
図2は、充電コネクタ600が車両500のインレット520に差し込まれた状態を示す側面模式図である。
図2に示すように、例えば駆動源としてバッテリを備えた車両500には、外部電源によって車両500のバッテリを充電可能な充電システムが搭載されている。車両500の側面501には、インレット520が配置されている。
【0015】
図3は、実施形態1のロック装置1が配置された車両の一部および充電コネクタを車両側から視た斜視図である。側面501は二点鎖線で示し、図において側面501の奥側の構成を実線で描いている。
【0016】
充電コネクタ600は、インレット520に差し込まれる挿入部610を有する。挿入部610は、インレット520と電気的に接続されるコネクタ側接続部611と、コネクタ側接続部611を囲むように配置された突起部612(係合部)と、を有する。
【0017】
インレット520は、
図1および
図2に示すように、インレット側接続部521と、挿入孔522(被係合部)と、を有する。充電コネクタ600がインレット520に差し込まれた状態において、インレット側接続部521は、コネクタ側接続部611と電気的に接続される。充電コネクタ600がインレット520に差し込まれた状態において、挿入孔522に突起部612が挿入される。
【0018】
図2および
図3に示すように、車両500のインレット520の上方には、ロック装置1が配置されている。ロック装置1は、一例として、そのロックピン11が上下方向に沿って移動するように配置されている。ロック装置1の配置は、これに限らず、ロックする対象物に合わせて場所および姿勢を適宜変更すればよい。
【0019】
給電する際に、充電コネクタ600が、インレット520に挿入されると、ロックピン11は、突起部612の一部に設けられたロック孔613に挿入される。ロックピン11がロック孔613に挿入された状態では、突起部612が、挿入孔522から抜けることが防止される。このように、挿入孔522に挿入された状態(係合状態)から、挿入孔522から抜けた状態(非係合状態)への突起部612の移動を規制するロックピン11の位置がロック位置P1として示されている。
【0020】
また、充電コネクタ600をインレット520から取り外す際には、ロックピン11は、上方向に移動し、ロック孔613から抜去される。このように、挿入孔522に挿入された状態(係合状態)から、挿入孔522から抜けた状態(非係合状態)への突起部612の移動の規制を解除するロックピン11の位置がアンロック位置P2(二点鎖線)として示されている。
【0021】
ここで、突起部612のうち、インレット520への挿入方向におけるロック孔613を含む先端部分614(当接部分)が欠損している場合、ロックピン11がロック位置P1に配置されている状態であっても充電コネクタ600をインレット520から抜くことができるため好ましくない。そのため、ロック装置1には、先端部分614の破損を検出する検知ピン16(移動部材)が設けられている。検知ピン16は、インレット520に形成された貫通孔523に挿通されている。貫通孔523は、インレット520の挿入孔522の底部にインレット520の挿入孔522とは反対の外側まで貫通するように形成されている。貫通孔523は、後述するX方向に沿って形成されている。検知ピン16は、インレット520の挿入孔522とは反対の外側からインレット520の挿入孔522の底部に設けられた貫通孔523に向かって突出している。
【0022】
図2に示すように、充電コネクタ600がインレット520に差し込まれると、充電コネクタ600の先端部分614が検知ピン16を移動させる。検知ピン16が先端部分614によって押し込まれた位置が、押し込み位置Q1(所定位置)として示されている。
【0023】
一方、充電コネクタ600の先端部分614が破損している場合は、
図4に示すように、充電コネクタ600をインレット520に差し込んだ場合でも、先端部分614によって押すことができないため、検知ピン16が移動しない。検知ピン16が押し込まれていない位置を非押し込み位置Q2として示されている。このように、充電コネクタ600をインレット520に差し込んだ場合でも検知ピン16が非押し込み位置Q2から押し込み位置Q1に移動しないことによって先端部分614の破損を検出することができる。
【0024】
(ロック装置1の構成)
次に、ロック装置1について説明する。ロック装置1のロックピン11の移動方向をZ方向とし、Z方向のうちアンロック位置P2からロック位置P1への移動方向をZ1とし、ロック位置P1からアンロック位置P2への移動方向をZ2とする。検知ピン16の移動方向をX方向とし、X方向のうち検知ピン16(移動部材)が先端部分614によって押し込まれる方向をX1とし、X1方向の反対をX2方向とする。X方向はZ方向に対して垂直な方向である。X1方向は、インレット520に充電コネクタ600を差し込む方向ともいえ、X2方向は、インレット520から充電コネクタ600を引き抜く方向ともいえる。また、Z方向およびX方向に垂直な方向をY方向とする。Y方向は、
図2における紙面に垂直な方向である。Y方向のうち
図2の紙面手前方向をY1方向とし、
図2の紙面奥行き方向をY2方向とする。なお、本明細書で、垂直との記載は、厳密な意味で垂直でなくてもよく、誤差を含むものであり、社会通念上垂直と認識できるものであればよい。また、本明細書で、平行との記載は、厳密な意味で平行でなくてもよく、誤差を含むものであり、社会通念上垂直と認識できるものであればよい。
【0025】
図5は、ロック装置1の斜視図である。ロック装置1は、ロックピン11と、ロックピン11が挿通されるハウジング12と、ハウジング12に移動可能に支持された検知ピン16と、を備える。
【0026】
ハウジング12は、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とを有する。第1ハウジング部21は一面が開口した箱状である。第1ハウジング部21は、Z1方向側の面が開口している。第2ハウジング部22は、板状であり、第1ハウジング部21の開口を塞ぐように配置されている。第2ハウジング部22のX1方向側の面には、車両のコントローラと電気的に接続するためのコネクタ部23が設けられている。
【0027】
図6は、第1ハウジング部21を取り除いたロック装置1をZ2方向側から視た斜視図である。
【0028】
ロック装置1は、
図5および
図6に示すように、上述したロックピン11(ロック部材)と、上述したハウジング12と、駆動部13と、ロック検知部14と、エマージェンシーケーブル15と、検知ピン16(移動部材)と、ピン支持部17と、付勢部材18と、移動検知部19(移動部材検知部)と、出力部20(後述する
図10)と、を有する。
【0029】
ロックピン11は、
図2に示すように、対象物の移動を規制するロック位置P1と対象物の移動の規制を解除するアンロック位置P2との間をZ方向に移動可能である。駆動部13は、ロックピン11をロック位置P1とアンロック位置P2との間で移動させる。ロック検知部14は、ロックピン11のロック位置P1への移動を検知する。エマージェンシーケーブル15は、オペレータによって引っ張られてロックピン11をロック位置P1からアンロック位置P2まで移動してロックを解除するために設けられている。検知ピン16は、充電コネクタ600の先端部分614の破損を検知するために設けられている。ピン支持部17は、ハウジング12に検知ピン16をX方向に移動可能に支持する。移動検知部19は、検知ピン16が押し込み位置Q1に移動したことを検知する。出力部20は、ロック検知部14と移動検知部19による検知結果を車両のコントローラ81に出力する。
【0030】
(駆動部13)
駆動部13は、
図6に示すように、モータ30と、第1伝達ギヤ31と、第2伝達ギヤ32と、第3伝達ギヤ33と、第4伝達ギヤ34と、第5伝達ギヤ35と、ラック部材36と、を有する。モータ30は、出力軸30aがY方向に沿うように配置されている。
【0031】
第1伝達ギヤ31は、出力軸30aに固定されている。第1伝達ギヤ31は、出力軸30aの回転とともに回転する。第1伝達ギヤ31は、斜歯ギヤである。
【0032】
第2伝達ギヤ32は、第1伝達ギヤ31と噛み合っている。第2伝達ギヤ32は、回転可能にハウジング12に支持されている。第2伝達ギヤ32の回転軸は、Y方向と平行である。第2伝達ギヤ32は、斜歯ギヤである。第2伝達ギヤ32は、第1伝達ギヤ31のX2方向側に配置されている。
【0033】
第3伝達ギヤ33は、第2伝達ギヤ32と同軸に配置されている。第3伝達ギヤ33は、回転可能にハウジング12に支持されている。第3伝達ギヤ33は、斜歯ギヤである。第3伝達ギヤ33は、第2伝達ギヤ32よりもハウジング12の外側(Y1方向側)に配置されている。第3伝達ギヤ33は、第2伝達ギヤ32と繋がっている。第3伝達ギヤ33は、第2伝達ギヤ32の回転とともに回転する。
【0034】
第4伝達ギヤ34は、第3伝達ギヤ33と噛み合っている。第4伝達ギヤ34は、回転可能にハウジング12に支持されている。第4伝達ギヤ34は、第3伝達ギヤ33のモータ30の反対側(X2方向側)に配置されている。
【0035】
第5伝達ギヤ35は、第4伝達ギヤ34と同軸に配置されている。第5伝達ギヤ35は、回転可能にハウジング12に支持されている。第5伝達ギヤ35は、斜歯ギヤである。第5伝達ギヤ35は、第4伝達ギヤ34よりもハウジング12の内側(Y2方向側)に配置されている。第5伝達ギヤ35は、第4伝達ギヤ34と繋がっている。第5伝達ギヤ35は、第4伝達ギヤ34の回転とともに回転する。
【0036】
ラック部材36は、第5伝達ギヤ35と噛み合っており、第5伝達ギヤ35の回転によってZ方向に移動する。
図7(a)は、ラック部材36、ロックピン11、ロック検知部14、検知ピン16、および移動検知部19を示す斜視図である。
図8は、
図7(a)をZ1方向側から視た図である。ラック部材36は、ハウジング12の内側において、ロックピン11の端11aと嵌合する。
【0037】
ラック部材36は、
図7および
図8(a)に示すように、本体部41と、スイッチ押圧部42(第2操作部)と、ラックギヤ43と、を有する。本体部41は、外形が略直方体状の部材である。スイッチ押圧部42は、
図6に示すように、本体部41からY2方向側に突出している。ラック部材36が第5伝達ギヤ35の回転によってZ1方向に移動すると、スイッチ押圧部42よって、ロック検知部14のロック検知スイッチ14aを押圧する。ラックギヤ43は、
図6および
図7(a)に示すように、本体部41のX1方向側の面に配置されている。ラックギヤ43は、Z方向に沿って配置されている。ラックギヤ43の山部は、Y方向に対して傾斜しており、第5伝達ギヤ35と噛み合っている。
【0038】
モータ30が駆動して出力軸30aが回転すると、第1伝達ギヤ31が回転する。第1伝達ギヤ31の回転によって、第1伝達ギヤ31と噛み合っている第2伝達ギヤ32が回転する。第2伝達ギヤ32の回転によって、第2伝達ギヤ32と同軸であって繋がっている第3伝達ギヤ33が回転する。第3伝達ギヤ33の回転によって、第3伝達ギヤ33と噛み合っている第4伝達ギヤ34が回転する。第4伝達ギヤ34の回転によって、第4伝達ギヤ34と同軸であって繋がっている第5伝達ギヤ35が回転する。第5伝達ギヤ35の回転によって、ラック部材36がZ方向に移動し、ラック部材36と嵌合しているロックピン11もZ方向に移動する。
【0039】
(ロック検知部14)
ロック検知部14は、
図6に示すように、第2ハウジング部22に固定されている。ロック検知部14は、スイッチ押圧部42と第2ハウジング部22との間に配置されている。ロック検知部14は、ロック検知スイッチ14aを有する。ロック検知スイッチ14aは、Z2方向を向いて配置されている。アンロック位置P2からロック位置P1に向かってラック部材36とともにロックピン11が移動すると、ラック部材36によってロック検知スイッチ14aが押圧される。これによって、ロックピン11がロック位置P1に移動したことを検知できる。
【0040】
(エマージェンシーケーブル15)
エマージェンシーケーブル15は、ラック部材36に係合している。
図3および
図6に示すように、エマージェンシーケーブル15は、ハウジング12の外側に延びている。エマージェンシーケーブル15をオペレータがZ2方向に引っ張ることによって、ラック部材36をZ2方向に向かって移動させることができる。これにより、ラック部材36と嵌合しているロックピン11もZ2方向に移動し、ロックピン11をアンロック位置P2に移動させることができる。
【0041】
(検知ピン16、ピン支持部17、付勢部材18)
図9は、ロック装置1の底面図である。
図4および
図9に示すように、検知ピン16は、X方向に沿って配置されている。検知ピン16は、充電コネクタ600のインレット520への押し込み方向に沿って配置されている。検知ピン16は、第2ハウジング部22の外面22aの外側(Z1方向側)に配置されている。外面22aは、Z1方向に対して垂直であって、Z1方向側を向いている面である。
【0042】
ピン支持部17は、
図5に示すように、検知ピン16をX方向に移動可能にハウジング12に支持する。ピン支持部17は、第1支持部51と、第2支持部52と、を有する。第1支持部51は、外面22aからZ1方向に向かって配置されている。第1支持部51は、一対の第1側壁51aと、第1貫通孔形成壁51bと、を有する。一対の第1側壁51aは、Y方向において対向して配置されている。第1側壁51aの各々は、Y方向に対して垂直に配置されている。第1貫通孔形成壁51bは、一対の第1側壁51aのX2方向側の端の間を繋ぐ。第1貫通孔形成壁51bは、X方向に対して垂直に配置されている。第1貫通孔形成壁51bには、X方向に貫通した貫通孔が形成されている。一対の第1側壁51aのうちY2方向側の第1側壁51aには、切り欠き51cが形成されている。切り欠き51cには、後述する移動検知スイッチ19aが挿入されている。第1貫通孔形成壁51bと外面22aの間には、隙間が形成されている。この隙間には、
図5に示すように、後述するスイッチ押圧部63のX1方向側の端63dが挿入可能である。
【0043】
第2支持部52は、外面22aからZ1方向に向かって配置されている。第2支持部52は、第1支持部51よりもX1方向側に配置されている。第2支持部52は、一対の第2側壁52aと、第2貫通孔形成壁52bと、を有する。一対の第2側壁52aは、Y方向において対向して配置されている。第2側壁52aの各々は、Y方向に対して垂直に配置されている。一対の第2側壁52aは、
図9に示すように、一対の第1側壁51aのY方向における外側に配置されている。一対の第2側壁52aは、一対の第1側壁51aのX1方向側の端部と対向するように配置されている。第2貫通孔形成壁52bは、一対の第2側壁52aのX1方向側の端の間を繋ぐ。第2貫通孔形成壁52bは、X方向に対して垂直に配置されている。第2貫通孔形成壁52bは、第1貫通孔形成壁51bとX方向において対向して配置されている。
【0044】
第1貫通孔形成壁51bの貫通孔と、第2貫通孔形成壁52bの貫通孔にロックピン11が挿入されている。
図7(a)および
図8では、第1支持部51は省略されている。
【0045】
検知ピン16は、
図8に示すように、ピン本体61と、規制部62と、スイッチ押圧部63(第1操作部)と、を有する。ピン本体61は、X方向に延伸した形状である。ピン本体61は例えば円柱状である。ピン本体61は、第1貫通孔形成壁51bの貫通孔および第2貫通孔形成壁52bの貫通孔に挿入されている。ピン本体61は、X方向に沿って配置されている。
図7(b)は、X1方向側から視たピン本体61とロックピン11の配置関係を示す図である。
図7(b)に示すように、ロックピン11がロック位置P1に配置されている状態において、X方向に沿って視てピン本体61はロックピン11と重なっている。
【0046】
規制部62は、
図7(a)に示すように、ピン本体61に配置されている。規制部62は、
図5に示すように、第1貫通孔形成壁51bと第2貫通孔形成壁52bの間に配置されている。規制部62は、ピン本体61から外面22a側方向(Z2方向)に延びる。規制部62は、
図9に示すように、一対の第1側壁51aの間に配置されている。
【0047】
ロック装置1は、検知ピン16を非押し込み位置Q2に向かってX2方向側に付勢する付勢部材18を有する。付勢部材18は、ピン本体61の周囲に配置されている。付勢部材18は、例えばコイルバネである。付勢部材18は、
図5に示すように、規制部62と第2支持部52の間に配置されている。付勢部材18は、X2方向側の端が規制部62に当接し、X1方向側の端が第2支持部52に当接する。規制部62は、付勢部材18によってX2方向側に向かって付勢されているが、第1支持部51の第1貫通孔形成壁51bに当接することによってX2方向側への移動が規制される。このように、付勢部材18によって規制部62とともにピン本体61もX2方向側に付勢されているため、検知ピン16は非押し込み位置Q2に向かって付勢されている。
【0048】
スイッチ押圧部63は、
図8に示すように、規制部62の外面22a側(Z2方向側)に配置されている。スイッチ押圧部63は、略板状である。スイッチ押圧部63は、外面22aと対向して配置されている。スイッチ押圧部63は、規制部62とともに、第1貫通孔形成壁51bと第2貫通孔形成壁52bの間に配置されている。スイッチ押圧部63は、規制部62とともに一対の第1側壁51aの間に配置されている。スイッチ押圧部63は、Y2方向側の端に押圧面63aを有する。押圧面63aは、移動検知部19の移動検知スイッチ19aを押圧する。押圧面63aは、X1方向への移動に伴って移動検知スイッチ19aを徐々に押圧するようにX2方向側の端に傾斜面を有する。傾斜面は、X2方向に向かうに従ってY1方向側に向かうように傾斜している。スイッチ押圧部63は、規制部62からX2方向側に突出した端63dを有する。規制部62が第1貫通孔形成壁51bに当接した状態において、端63dは、
図5に示すように、第1貫通孔形成壁51bと外面22aとの間の隙間に挿入される。
【0049】
(移動検知部19)
移動検知部19は、検知ピン16の移動を検知する。移動検知部19は、
図5に示すように、外面22aに固定されている。移動検知部19は、一対の第1側壁51aのY2方向側に配置されている。移動検知部19は、移動検知スイッチ19a(移動部材検知スイッチ)を有する。移動検知スイッチ19aは、Y1方向側に向かって切り欠き51cからピン本体61側に向かって突出して配置されている。
【0050】
ピン本体61がX1方向側に移動すると、移動検知スイッチ19aがスイッチ押圧部63の押圧面63aに押され、移動検知スイッチ19aが押圧された状態となる。
図9は、スイッチ押圧部63が移動検知スイッチ19aに当接し、移動検知スイッチ19aが押圧された状態を示す。
図9では、検知ピン16が押し込み位置Q1に配置された状態が実線で示され、非押し込み位置Q2に配置された状態が二点鎖線で示されている。
【0051】
図2に示すように、充電コネクタ600がインレット520に挿入されると、先端部分614が破損していない場合、先端部分614によって検知ピン16がX1方向に押されて、押し込み位置Q1に移動する。押し込み位置Q1に移動すると、検知ピン16のスイッチ押圧部63によって移動検知スイッチ19aが押圧される。これによって先端部分614が破損していないことがわかる。一方、充電コネクタ600がインレット520に挿入された際に移動検知スイッチ19aが押圧されない場合、検知ピン16が押し込まれていないため、先端部分614が破損していると判断することができる。
【0052】
(出力部20)
図10(a)は、ロック検知スイッチ14aと、移動検知スイッチ19aの電気的な接続を示す図である。ロック検知スイッチ14aと移動検知スイッチ19aは電気的に直列接続されている。出力部20は、第1端子71と、第2端子72と、を有する。出力部20は、コネクタ部23に設けられている。出力部20から車両のコントローラ81に信号が出力される。
【0053】
第1端子71は、ロック検知スイッチ14aの一方の端子と接続されている。ロック検知スイッチ14aの他方の端子は、第1抵抗73の一方の端子と接続されている。第1抵抗73の他方の端子は、移動検知スイッチ19aの一方の端子と接続されている。移動検知スイッチ19aの他方の端子は、第2端子72と接続されている。第2抵抗74は、移動検知スイッチ19aと並列に配置されている。第2抵抗74の一方の端子は、第1抵抗73の他方の端子と接続されており、第2抵抗74の他方の端子は、第2端子72に接続されている。
【0054】
図10(a)では、ロック検知スイッチ14aは押圧された状態(オン状態)であり、移動検知スイッチ19aは押圧された状態(オン状態)である。第1抵抗73の抵抗値をR1(Ω)とし、第2抵抗74の抵抗値をR2(Ω)とし、第1端子71から第2端子72にI(A)の電流を流すと、
図10(a)の状態では、第2抵抗74側ではなく移動検知スイッチ19a側に電気が流れるため、第1端子71と第2端子72の間には、I×R1(V)の電圧が生じる。I×R1(V)の電圧を第1電圧値とする。
【0055】
図10(b)では、ロック検知スイッチ14aは押圧された状態(オン状態)であり、移動検知スイッチ19aは押圧されていない状態(オフ状態)である。この場合、移動検知スイッチ19a側には電気が流れず、第2抵抗74側に電気が流れるため、第1端子71と第2端子72の間にはI×(R1+R2)(V)の電圧が生じる。I×(R1+R2)(V)の電圧を第2電圧値とする。また、ロック検知スイッチ14aが押圧されていない状態(オフ状態)では、第1端子71から第2端子72に電流を流しても、電圧が生じず、0(V)となる。この0(V)を第3電圧値とする。
【0056】
このように、第1端子71と第2端子72には、同一の電流であってもロック検知スイッチ14aと移動検知スイッチ19aの状態によって、0ボルトも含めた3種類の異なる第1電圧から第3電圧値が出力される。
【0057】
これらの電圧値(信号)は、車両500に設けられているコントローラ81に入力される。コントローラ81は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサは、記憶装置に記憶されているプログラムに従って車両の充電の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読取り可能な記録媒体の一例である。コントローラ81は、取得したデータに基づいて、車両500を制御するための信号を出力する。
【0058】
コントローラ81は、第1電圧と第2電圧の間の値となる第1閾値と、第1電圧と第3電圧の間の値となる第2閾値を記憶している。コントローラ81は、第1端子71と第2端子72の間に印加される電圧と、第1閾値および第2閾値を比較することによって、第1電圧値と第2電圧値と第3電圧値のいずれが第1端子71と第2端子72の間に出力されているかを判断し、ロック検知スイッチ14aのオン・オフ状態と移動検知スイッチ19aのオン・オフ状態を判断することができる。
【0059】
第1端子71と第2端子72の間に第2電圧値が出力されていると判断した場合、コントローラ81は、ロック検知スイッチ14aがオン状態であり、移動検知スイッチ19aがオフ状態であると判断できる。これにより、コントローラ81は、ロックピン11はロック位置P1に移動しているが、先端部分614が破損しており、充電コネクタ600がロックできていない状態である可能性があると判断できる。
【0060】
第1端子71と第2端子72の間に第1電圧値が出力されていると判断した場合、コントローラ81は、ロック検知スイッチ14aがオン状態であり、移動検知スイッチ19aがオン状態であると判断できる。これにより、コントローラ81は、ロックピン11はロック位置P1に移動し、先端部分614も正常であるため、充電コネクタ600がロックされていると判断できる。
【0061】
第1端子71と第2端子72の間に第3電圧値が出力されていると判断した場合、コントローラ81は、ロック検知スイッチ14aがオフ状態であると判断できる。これにより、ロックピン11がロック位置P1に移動しておらず、充電コネクタ600はロックピン11によるロック状態ではないと判断できる。
【0062】
コントローラ81には、接続検知部82からの信号が入力される。充電コネクタ600の信号端子とインレット520の信号端子が接続されて構成された信号線のうち1本が充電コネクタ600のインレット520への接続検知用に利用されている。このため、充電コネクタ600とインレット520の互いに対応する信号端子が接続検知部82を構成する。充電コネクタ600がインレット520に接続されると、信号端子同士の導通によってコントローラ81に接続を示す信号が出力される。
【0063】
(充電開始の際の制御動作)
次に、充電開始の際の制御動作について説明する。
図11は、オペレータが充電スタンド側の充電開始の操作をしてから、充電が開始されるまでの車両500側の制御動作を説明するためのフロー図である。
【0064】
はじめに、オペレータが充電コネクタ600をインレット520に挿入し、充電コネクタ600が装備されている充電スタンド側の充電開始ボタンを操作する。
【0065】
ステップS11において、コントローラ81は、充電コネクタ600とインレット520が接続されたか否かを検知する。オペレータによって充電コネクタ600がインレット520に差し込まれると、接続検知部82からの接続を示す信号がコントローラ81に入力され、コントローラ81は、充電コネクタ600がインレット520に接続されたと判断する。一方、接続を示す信号がコントローラ81に入力されるまで、コントローラ81は、充電開始の際の制御を待機状態とする。
【0066】
充電コネクタ600がインレット520に接続されたと判断されると、ステップS12において、コントローラ81は、モータ30に駆動信号を出力し、モータ30を所定量駆動する。
【0067】
次に、ステップS13において、コントローラ81は、ロック検知スイッチ14aがオン状態であるか否かを判定する。ロック検知スイッチ14aがオン状態であると判断した場合、制御はステップS14に進む。具体的には、出力部20からの電圧が第1電圧値または第2電圧値の場合に、コントローラ81は、ロック検知スイッチ14aがオン状態になっていると判断する。これにより、ロックピン11が充電コネクタ600のロック孔613に挿入され、ロック位置P1に配置されていると判断することができる。
【0068】
一方、ステップS13において、ロック検知スイッチ14aがオン状態ではないと判断した場合、制御はステップS15に進む。ステップS15において、コントローラ81は、例えば充電コネクタ600が設けられた給電装置のディスプレイ、または車両500のディスプレイにロック異常信号を出力する。これにより、ディスプレイが、充電コネクタ600がロックされていない旨の表示を行い、オペレータに報知することができる。
【0069】
ステップS14において、コントローラ81は、移動検知スイッチ19aがオン状態になっているか否かを判定する。移動検知スイッチ19aがオン状態であると判断した場合、制御はステップS16に進み、ステップS16において、コントローラ81は、車両500の充電を開始する。
【0070】
一方、ステップS14において、移動検知スイッチ19aがオン状態ではないと判断した場合、制御はステップS17に進む。ステップS17において、コントローラ81は、例えば充電コネクタ600が設けられた給電装置のディスプレイ、または車両500のディスプレイに充電コネクタ異常信号を出力する。これにより、ディスプレイが、充電コネクタ600が破損している旨の表示を行い、オペレータに報知することができる。
【0071】
(特徴等)
ロックピン11の移動を検知するロック検知部14と先端部分614(係合部)の破損を検知する移動検知部19の双方ともロック装置1に設けられており、インレット520側には設けられていないため、検知のための配線がロック装置1側からのみとなり、配線を簡素化することができる。また、インレット520側からの検知のための配線がなくなったことで、他の部材との干渉を考慮する必要がなく、車体デザインの自由度を向上することができる。
【0072】
検知ピン16が押し込まれるとスイッチ押圧部63によって移動検知スイッチ19aが押圧されるため、先端部分614によって検知ピン16が移動したことを検知でき、先端部分614が破損していないと判定することができる。
【0073】
移動検知スイッチ19aとロック検知スイッチ14aを直列接続することにより、移動検知スイッチ19aとロック検知スイッチ14aの各々からオンまたはオフの信号を出力するよりも配線を簡潔にすることができる。また、移動検知スイッチ19aとロック検知スイッチ14aの各々から別々に検知結果が入力されるよりも制御をシンプルにすることができる。
【0074】
ロックピン11と検知ピン16は、ロック装置1として一体品となっていることから、例えばインレット520内に検知ピンがあるときと比べて、ロックピン11と検知ピン16の位置関係が寸法誤差などで位置ズレすることなく、また、組付け時における位置決めも簡単である。
【0075】
(実施形態2)
次に、実施形態2のロック装置101について説明する。
図12は、実施形態2のロック装置101が配置された車両700の一部および充電コネクタ800を示す斜視図である。
図13は、充電コネクタ800が車両700のインレット720に差し込まれた状態を示す側面模式図である。例えば駆動源としてバッテリを備えた車両700には、外部電源によって車両700のバッテリを充電可能な充電システムが搭載されている。
図12および
図13に示すように、車両700の側面701には、インレット720が配置されている。側面701には、インレット720に隣接して係合爪挿入孔730が形成されている。インレット720の周囲を覆う壁部750には、係合爪挿入孔730に対向するように係合突起740(突起)が配置されている。
【0076】
充電コネクタ800は、挿入部810と、回動部820と、爪操作部830と、を有する。挿入部810は、インレット720に挿入される。回動部820は、挿入部810に隣接して配置されている。回動部820は、係合爪821(爪部)を有する。係合爪821は、回動部820の挿入部810側の部分である。回動部820は、爪操作部830の操作によって回動可能に構成されている。回動部820は、挿入部810に向かう矢印A1方向と、挿入部810から離間する矢印A2方向に回動可能である。回動部820は、例えば、矢印A1方向に向かって図示しない付勢部材によって付勢されている。オペレータによって爪操作部830が押されると、回動部820が矢印A2方向に移動する。
【0077】
充電コネクタ800をインレット720に差し込む際、挿入部810をインレット720に向かって、回動部820を係合爪挿入孔730に向かって差し込むと、回動部820の係合爪821が係合突起740に当接される。図示しない付勢部材による回動部820の付勢力に逆らって更に差し込むと、係合爪821が係合突起740を乗り越え、係合爪821が係合突起740を係合する。
【0078】
一方、充電コネクタ800をインレット720から取り外す際には、爪操作部830を抑えることによって、
図13に示すように、回動部820が矢印A2方向に回動し係合爪821の係合突起740との係合が解除される(二点鎖線で示す回動部820参照)。これにより、充電コネクタ800をインレット720から取り外すことができる。
【0079】
本実施形態2のロック装置101は、
図12および
図13に示すように、係合爪挿入孔730に対向するように配置されている。ロック装置101は、ロックピン111を
図13では左右方向に移動させる。
【0080】
図13では、ロック装置101は、係合爪821が係合突起740に係合した状態において、回動部820の上側のロック位置P1(実線)にロックピン111を移動させる(
図13では右方向))ことによって、爪操作部830の操作による回動部820のA2方向への回動を規制する。ロック位置P1では、ロックピン111は、回動部820を挟んで壁部750の反対側に配置されている。充電コネクタ800をインレット720から取り外す際には、ロックピン11をロック位置P1よりも左側のアンロック位置P2(二点鎖線)に移動(
図13では左方向)させ、回動部820の回動の規制を解除する。
【0081】
実施形態1と同様に、係合爪821が破損している場合、ロックピン111がロック位置P1に配置されている状態であっても充電コネクタ800をインレット720から抜くことができるため好ましくない。そのため、ロック装置101には、係合爪821の破損を検出する検知部材116(移動部材の一例)が設けられている。検知部材116は、係合爪挿入孔730に突出している。
【0082】
図13に示すように、充電コネクタ800がインレット720に差し込まれると、係合爪821が検知部材116をロック装置101側に押し込む。検知部材116が係合爪821によって押し込まれた位置が、押し込み位置Q1として示されている。
【0083】
一方、充電コネクタ800の係合爪821が破損している場合は、
図14に示すように、充電コネクタ800をインレット720に差し込んだ場合でも、係合爪821によって押すことができないため、検知部材116が移動しない。検知部材116が押し込まれていない位置が非押し込み位置Q2として示されている。このように、検知部材116が非押し込み位置Q2から押し込み位置Q1へ移動しないことによって係合爪821の破損を検出することができる。なお、検知部材116と回動部820の形状については後段にて詳述する。
【0084】
(ロック装置101の構成)
次に、ロック装置101について説明する。
図13においてロック装置101のロックピン11の移動方向をX方向とし、X方向のうちアンロック位置P2からロック位置P1への移動方向をX2とし、ロック位置P1からアンロック位置P2への移動方向をX1とする。X方向に対して垂直な方向であって
図13の紙面に垂直な方向をY方向とする。Y方向のうち
図13の紙面手前方向をY1方向とし、
図13の紙面奥行き方向をY2方向とする。X方向とY方向に対して垂直な方向をZ方向とする。Z方向のうち紙面下方向をZ1とし、紙面上方向をZ2とする。
【0085】
図15は、ロック装置1の斜視図である。ロック装置1は、ロックピン111と、ロックピン111が挿通されるハウジング112と、ハウジング112に移動可能に支持された検知部材116と、を備える。
【0086】
ハウジング112は、第1ハウジング部121と第2ハウジング部122とを有する。第1ハウジング部121は一面が開口した箱状である。第1ハウジング部121は、Z2方向側の面が開口している。第2ハウジング部122は、板状であり、第1ハウジング部121の開口を塞ぐように配置されている。本実施形態2では、ロック装置101を車両のコントローラと電気的に接続するためのコネクタ部は省略されている。
【0087】
図16は、第2ハウジング部122を取り除いたロック装置101をZ2方向側から視た斜視図である。
図17は、
図16のBB間におけるロック装置101の断面図である。
【0088】
ロック装置101は、
図15および
図16に示すように、上述したロックピン111と、上述したハウジング112と、駆動部113と、ロック検知部114と、エマージェンシーケーブル115と、検知部材116と、付勢部材118と、移動検知部119と、を有する。ハウジング112は、駆動部113と、ロック検知部114と、移動検知部119と、を収納する。
【0089】
ロックピン111は、
図13に示すように、対象物の移動を規制するロック位置P1から対象物の移動の規制を解除するアンロック位置P2までX方向に沿って移動可能である。駆動部113は、ロックピン111をロック位置P1とアンロック位置P2との間をX方向に沿って移動させる。ロック検知部114は、ロックピン111のロック位置P1への移動を検知する。エマージェンシーケーブル115は、オペレータによって引っ張られ、ロックピン111をロック位置P1からアンロック位置P2まで移動してロックを解除するために設けられている。検知部材116は、充電コネクタ800の係合爪821の破損を検知するために設けられている。移動検知部119は、検知部材116が押し込み位置Q1に移動したことを検知する。
【0090】
(駆動部113)
駆動部113は、
図16に示すように、モータ130と、第1伝達ギヤ131と、第2伝達ギヤ132と、第3伝達ギヤ133と、第4伝達ギヤ134と、ラック部材136と、を有する。モータ130は、出力軸130aがY方向に沿うように配置されている。
【0091】
第1伝達ギヤ131は、出力軸130aに固定されている。第1伝達ギヤ131は、出力軸130aの回転とともに回転する。第1伝達ギヤ131は、斜歯ギヤである。
【0092】
第2伝達ギヤ132は、第1伝達ギヤ131と噛み合っている。第2伝達ギヤ132は、回転可能にハウジング112に支持されている。第2伝達ギヤ132の回転軸は、Z方向と平行である。第2伝達ギヤ132は、斜歯ギヤである。第2伝達ギヤ132は、第1伝達ギヤ131のX2方向側に配置されている。
【0093】
第3伝達ギヤ133は、第2伝達ギヤ132と同軸に配置されている。第3伝達ギヤ133は、回転可能にハウジング112に支持されている。第3伝達ギヤ133は、斜歯ギヤである。第3伝達ギヤ133は、第2伝達ギヤ132のZ2方向側に配置されている。第3伝達ギヤ133は、第2伝達ギヤ132と繋がっている。第3伝達ギヤ133は、第2伝達ギヤ132の回転とともに回転する。
【0094】
第4伝達ギヤ134は、第3伝達ギヤ133と噛み合っている。第4伝達ギヤ134は、回転可能にハウジング112に支持されている。第4伝達ギヤ134は、第3伝達ギヤ133のX2方向側に配置されている。
【0095】
ラック部材136は、
図16に示すように、本体部141と、スイッチ押圧部142(第2操作部)と、ラックギヤ143と、を有する。本体部141は、X方向に移動可能にハウジング12に支持されている。本体部141は、
図17に示すように、ロックピン111の端111aに嵌合する。スイッチ押圧部142は、
図16に示すように、本体部141からY1方向側に突出している。ラック部材136が第4伝達ギヤ134の回転によってX2方向に移動すると、スイッチ押圧部142は、ロック検知部114のロック検知スイッチ114aを押圧する。スイッチ押圧部142は、X2方向への移動に伴ってロック検知スイッチ114aを徐々に押圧するために、X2方向側の端に傾斜部を有する。傾斜部は、X2方向に向かうに従ってY2方向側に位置するように傾斜している。ラックギヤ143は、本体部141のY2方向側の面に配置されている。ラックギヤ143は、X方向に沿って配置されている。ラックギヤ43の山部は、Z方向に対して傾斜しており、第4伝達ギヤ134と噛み合っている。
【0096】
(ロック検知部114)
ロック検知部114は、
図16に示すように、第2ハウジング部122に固定されている。ロック検知部114は、スイッチ押圧部142のY1側に配置されている。ロック検知部114は、ロック検知スイッチ114aを有する。ロック検知スイッチ114aは、Y2方向を向いて配置されている。
【0097】
図18Aは、ロックピン111がアンロック位置P2に配置され、検知部材116が非押し込み位置Q2に配置された状態を示す図である。
図18Aは、駆動部113、ロック検知部114,検知部材116、および移動検知部119をZ2方向側から視た図である。
図18Bは、
図18Aに示す状態からロックピン111がロック位置P1に配置され、検知部材116が押し込み位置Q1に配置された状態を示す図である。
【0098】
アンロック位置P2からロック位置P1に向かってラック部材136とともにロックピン111が移動すると、ラック部材136のスイッチ押圧部142によってロック検知スイッチ114aが押圧される。これによって、ロックピン111がロック位置P1に移動したことを検知できる。
【0099】
(エマージェンシーケーブル115)
エマージェンシーケーブル115は、ラック部材136に係合している。エマージェンシーケーブル115は、ハウジング112の外側に延びている。エマージェンシーケーブル15をオペレータがX1方向に引っ張ることによって、ラック部材136をX1方向に向かって移動させることができる。これにより、ロック位置P1に配置されているロックピン111をX1方向に移動し、ロックピン11をアンロック位置P2に移動させることができる。
【0100】
(検知部材116、付勢部材118)
検知部材116は、
図16に示すように、本体部161と、規制部162と、スイッチ押圧部163(第1操作部)と、を有する。本体部161は、X方向に延伸した形状である。本体部161は、例えば円柱状である。本体部161は、
図17に示すように、第1ハウジング部121のX2方向側の側壁121aに設けられた貫通孔121c(移動部材挿通孔)に、X方向に移動可能に挿入されている。本体部161には、
図17に示すように、X方向に沿って貫通孔161a(ロック部材挿通孔)が形成されており、この貫通孔にロックピン111がX方向に移動可能に挿入されている。本体部161は、
図15および
図17に示すように、X2方向側に外面161bを有する。外面161bには、X1方向側に向かって凹んだ凹部161cが形成されている。外面161bのうち凹部161cを挟んでロックピン111の反対側の当接部分161dに、充電コネクタ800の係合爪821が当接してX1方向に本体部161は押し込まれる(
図13参照)。
【0101】
図19(a)は、充電コネクタ800の回動部820近傍を示す斜視図である。
図19(a)に示すように、回動部820は、先端側に、係合爪821と、爪支持部822と、を有する。爪支持部822は、係合爪821を支持する。爪支持部822は、爪操作部830と接続されている。係合爪821は、爪支持部822の挿入部810側に配置されている。本実施形態では、例えば、X方向に沿って視て、爪支持部822は略T字形状に形成されており、係合爪821は、爪支持部822のT字の下端に配置されており、回動部820全体としても略T字形状に形成されている。一方、上述した凹部161cは、回動部820のうち爪支持部822が挿入可能な形状に形成されている。本実施形態では、凹部161cは、爪支持部822に対応してX方向に沿って視て略T字形状に形成されている。なお、凹部161cは、爪支持部822が嵌り込むことが可能な形状であればよく、本実施形態のような略T字形状に限られるものではない。また、回動部820も略T字形状に限られるものではない。
【0102】
図19(b)は、係合爪821によって検知部材116がX1方向に押し込まれている状態を示す斜視図である。係合爪821は当接部分161dに当接し、爪支持部822は凹部161cに対向する。
【0103】
ここで、係合爪821が破損している場合、回動部820に当接部分161dと当接する部分がなく、
図14に示すように、爪支持部822が凹部161cに嵌まり込むため、本体部161を含む検知部材116は、X1方向側に押し込まれない。
【0104】
このように、検知部材116に凹部161cが設けられていることによって、爪支持部822のみでは検知部材116を押し込むことが出来ないため、回動部820のうち係合突起740と当接する係合爪821のみが破損した場合であっても、係合爪821が破損していると判断することができる。
【0105】
規制部162は、ハウジング12の内側であって、本体部161のX1方向側の端に配置されている。規制部162は、本体部161の外周から外側に向かって突出している。規制部162は本実施形態では円環状に形成されているが、検知部材116がハウジング112から抜けることを規制できれば、形状は特に限定されない。
【0106】
図17に示す付勢部材118は、検知部材116をX2方向側に向かって付勢しているが、規制部162が側壁121aに当接することによって、検知部材116がハウジング112から抜けることが規制される。付勢部材118は、例えばコイルバネである。付勢部材118のX1方向側の端は、第1ハウジング部121の底面121bからZ2方向側に向かって突出した突出壁123に当接している。付勢部材118のX2方向側の端は、検知部材116の本体部161に当接している。これによって、付勢部材118は、検知部材116を非押し込み位置Q2に向かって付勢する。なお、
図16および
図17では、検知部材116が押し込み位置Q1に配置されている状態を示している。
【0107】
スイッチ押圧部163は、
図16に示すように、規制部162からY1方向側に突出している。スイッチ押圧部163は、略板状である。スイッチ押圧部163は、移動検知部119の移動検知スイッチ119aを押圧する。スイッチ押圧部163は、X1方向への移動に伴って移動検知スイッチ119aを徐々に押圧するようにX1方向側の端に傾斜部を有する。傾斜部は、X1方向に向かうに従ってY2方向側に向かうように傾斜している。
【0108】
(移動検知部119)
移動検知部119は、検知部材116の移動を検知する。移動検知部119は、第1ハウジング部121の底面121bに固定されている。移動検知部119は、検知部材116のY1方向側に配置されている。移動検知部119は、移動検知スイッチ119a(移動部材検知スイッチ)を有する。移動検知スイッチ119aは、Y2方向側に向かって配置されている。
【0109】
本体部161が係合爪821に押されて
図18Aの状態からX1方向側に移動すると、
図18Bに示すように、移動検知スイッチ119aの先端がスイッチ押圧部163によって押圧される。
【0110】
図13に示すように、充電コネクタ800がインレット720に挿入されると係合爪821が破損していない場合、係合爪821によって検知部材116がX1方向に押されて、押し込み位置Q1に移動する。押し込み位置Q1に移動すると、検知部材116のスイッチ押圧部163によって移動検知スイッチ119aが押圧される。これによって係合爪821が破損していないことがわかる。一方、充電コネクタ800がインレット720に挿入された際に移動検知スイッチ119aが押圧されない場合、検知部材116が押し込まれていないため、係合爪821が破損していると判断することができる。検知部材116の移動方向はロックピン111の移動方向と平行である。
【0111】
なお、ロック検知スイッチ114aと移動検知スイッチ119aは、実施形態1と同様に直接接続されており、コントローラ81によるスイッチのオンまたはオフの判断も実施形態1と同様であるため、説明を省略する。また、実施形態2における充電開始の際の制御動作も実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0112】
(特徴等)
ロックピン111の移動を検知するロック検知部114と係合爪821の破損を検知する移動検知部119の双方ともロック装置101に設けられており、インレット720側には設けられていないため、検知のための配線がロック装置101側からのみとなり、配線を簡素化することができる。また、インレット720側からの検知のための配線がなくなったことで、他の部材との干渉を考慮する必要がなく、車体デザインの自由度を向上することができる。
【0113】
検知部材116が押し込まれるとスイッチ押圧部163によって移動検知スイッチ119aが押圧されるため、係合爪821によって検知部材116が移動したことを検知でき、係合爪821が破損していないと判定することができる。
【0114】
移動検知スイッチ119aとロック検知スイッチ114aを直列接続することにより、移動検知スイッチ119aとロック検知スイッチ114aの各々からオンまたはオフの信号を出力するよりも配線を簡潔にすることができる。また、移動検知スイッチ119aとロック検知スイッチ114aの各々から別々に検知結果が入力されるよりも制御をシンプルにすることができる。
【0115】
ロックピン111と検知部材116は、ロック装置1として一体品となっていることから、例えばインレット720内に検知部材があるときと比べて、ロックピン111と検知部材116の位置関係が寸法誤差などで位置ズレすることなく、また、組付け時における位置決めも簡単である。
【0116】
(他の実施の形態)
以上、本開示の一実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0117】
(A)
上記実施形態1では、第1伝達ギヤ31、第2伝達ギヤ32、第3伝達ギヤ33、第4伝達ギヤ34、および第5伝達ギヤ35が設けられているが、このような構成に限らなくてもよく。モータ30の駆動力によってラック部材36を移動できればよい。上記実施形態2では、第1伝達ギヤ131、第2伝達ギヤ132、第3伝達ギヤ133、および第4伝達ギヤ134が設けられているが、このような構成に限らなくてもよく。モータ130の駆動力によってラック部材136を移動できればよい。
【0118】
(B)
上記実施形態1における図では、ロックピン11が上下方向に移動し、検知ピン16が水平に移動しているが、これに限らなくてもよい。例えば、ロックピン11が水平方向に移動し、検知ピン16が上下方向に移動してもよく、また、ロックピン11および検知ピン16の双方が同一平面内で移動してもよい。
【0119】
(C)
上記実施形態2における図では、ロックピン111および検知部材116は水平方向に移動しているが、これに限らず、例えば上下方向に移動してもよい。
【0120】
(D)
上記実施形態1,2では、ロック異常信号および充電コネクタ異常信号をディスプレイに出力して、ディスプレイにロック異常または充電コネクタ異常を表示させているが、これに限らず、音または光などでロック異常または充電コネクタ異常をオペレータに報知してもよい。
【0121】
(E)
上記実施形態1,2では、スイッチ押圧部によってロック検知スイッチおよび移動検知スイッチを押圧することで、各スイッチの状態がオン状態であると判断しているが、これに限らず、例えばスイッチ押圧部がロック検知スイッチおよび移動検知スイッチと接触することによってオン状態であると判断してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明のロック装置は、配線を簡素化することが可能な効果を有し、プラグインハイブリッド車や電気自動車等の給電ケーブルをロックする装置等として有用である。
【符号の説明】
【0123】
1 :ロック装置
11 :ロックピン
13 :駆動部
14 :ロック検知部
16 :検知ピン
19 :移動検知部
520 :インレット
600 :充電コネクタ
614 :先端部分