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特開2024-179742エレベータの昇降式作業台及びこの作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179742
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】エレベータの昇降式作業台及びこの作動方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20241219BHJP
   B66B 9/04 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B66B7/00 J
B66B9/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098828
(22)【出願日】2023-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 稔
(72)【発明者】
【氏名】下村 祐輝
【テーマコード(参考)】
3F301
3F305
【Fターム(参考)】
3F301BA01
3F301CA07
3F305DA04
3F305DA21
(57)【要約】
【課題】エレベータの据付工事の作業工数を大きく減らすことができ、かつ、昇降行程の長さに関わらずに使用することができるエレベータの昇降式作業台及びこの作動方法を提供する。
【解決手段】昇降式作業台10は、ガイドレール2に案内されつつ昇降路1内を昇降するものであって、搭乗部11と、搭乗部11を支持する上部架台13と、上部架台13の下方に位置する下部架台15と、上下方向に伸縮可能で、上部架台13及び下部架台15を作動的に連結する伸縮部14とを備え、上部架台13及び下部架台15のそれぞれは、ガイドレールの適宜の高さ位置に所在するガイドレール回りの部材としてのガイドレール支持具3に係合する第1状態と、ガイドレール支持具3を回避する第2状態とに変更可能な係合爪を備える係合装置131,151を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路の壁面に取り付けられるガイドレールに案内されつつ昇降路内を昇降するエレベータの昇降式作業台であって、
人が作業のために搭乗する搭乗部と、
搭乗部を支持する上部架台と、
上部架台の下方に位置する下部架台と、
上下方向に伸縮可能で、上部架台及び下部架台を作動的に連結する伸縮部とを備え、
上部架台及び下部架台のそれぞれは、ガイドレールの適宜の高さ位置に所在するガイドレール回りの部材に係合することにより、上部架台又は下部架台を下降しないように固定する第1状態と、当該部材を回避することにより、当該部材に当たることなく上部架台又は下部架台の昇降を可能とする第2状態とに変更可能な係合爪を備える係合装置を備える
エレベータの昇降式作業台。
【請求項2】
昇降路の壁面に取り付けられるガイドレールに案内されつつ昇降路内を昇降するエレベータの昇降式作業台であって、
人が作業のために搭乗する搭乗部と、
搭乗部を支持する上部架台と、
上部架台の下方に位置する下部架台と、
上下方向に伸縮可能で、上部架台及び下部架台を作動的に連結する伸縮部とを備え、
上部架台及び下部架台のそれぞれは、ガイドレールを把持することにより、上部架台又は下部架台を下降しないように固定する第1状態と、ガイドレールを把持解除することにより、上部架台又は下部架台の昇降を可能とする第2状態とに変更可能な把持装置を備える
エレベータの昇降式作業台。
【請求項3】
係合爪は、直線往復運動又は回転往復運動して第1状態と第2状態とに切り替わるように構成される
請求項1に記載のエレベータの昇降式作業台。
【請求項4】
伸縮部が収縮した状態で、上部架台の係合爪及び下部架台の係合爪が1つの当該部材の異なる箇所に係合するように構成される
請求項1に記載のエレベータの昇降式作業台。
【請求項5】
当該部材は、ガイドレールを昇降路の壁面に取り付けてガイドレールを支持するガイドレール支持具である
請求項1に記載のエレベータの昇降式作業台。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のエレベータの昇降式作業台の作動方法であって、
下部架台を下降しないように固定する操作と、
伸縮部を伸長することにより、上部架台を上昇させる操作と、
上部架台を下降しないように固定する操作と、
伸縮部を収縮することにより、下部架台を上昇させる操作とを、この順序で繰り返す
エレベータの昇降式作業台の作動方法。
【請求項7】
上部架台を下降しないように固定する高さ位置まで上昇させる途中で、又は、上部架台を下降しないように固定した後に、該当箇所にガイドレール支持具を設置する作業を行うための、又は、ガイドレールを上へと継ぎ足す作業を行うための、上昇停止期間を設ける
請求項6に記載のエレベータの昇降式作業台の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降路内を昇降可能でエレベータの据付工事で使用されるエレベータの昇降式作業台及びこの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの据付工事は、昇降路の下から上まで足場を組んで行っており、昇降行程が長くなるほど、作業者の移動負担が増大し、作業工数がかかってしまうという問題がある。そこで、工事用のゴンドラを使用し、あるいは、本設のかご枠に床を取り付けたものを作業台として使用し、電動で作業者を必要な高さ位置に移動させて作業を行うという工法が使用されてきている。これらの工法は、作業工数を減らすだけでなく、各現場の据付工事で機材を使い回しすることができるという利点がある。
【0003】
しかし、ゴンドラ工法の場合、足場工法に比べると作業工数は減るものの、ゴンドラを設置するのにある程度の作業工数がかかってしまうという問題がある。ゴンドラを吊るための梁を昇降路の頂部に仮設置する作業が必要な場合はなおさらである。また、かご枠工法の場合、前提として、足場工法やゴンドラ工法を使用してガイドレールの設置を完了させておく必要があり、一部であっても足場工法やゴンドラ工法を使用するためにある程度の作業工数がかかってしまうという問題がある。
【0004】
この点、特許文献1に記載された工法は、本設の油圧ジャッキを使用して作業台を昇降させて作業を行うという工法であり、足場工法を全く使用しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-179469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された工法は、作業台の可動域が油圧ジャッキの伸縮量により定まり、昇降行程が長いエレベータには適用できないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、エレベータの据付工事の作業工数を大きく減らすことができ、かつ、昇降行程の長さに関わらずに使用することができるエレベータの昇降式作業台及びこの作動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係るエレベータの昇降式作業台は、
昇降路の壁面に取り付けられるガイドレールに案内されつつ昇降路内を昇降するエレベータの昇降式作業台であって、
人が作業のために搭乗する搭乗部と、
搭乗部を支持する上部架台と、
上部架台の下方に位置する下部架台と、
上下方向に伸縮可能で、上部架台及び下部架台を作動的に連結する伸縮部とを備え、
上部架台及び下部架台のそれぞれは、ガイドレールの適宜の高さ位置に所在するガイドレール回りの部材に係合することにより、上部架台又は下部架台を下降しないように固定する第1状態と、当該部材を回避することにより、当該部材に当たることなく上部架台又は下部架台の昇降を可能とする第2状態とに変更可能な係合爪を備える係合装置を備える
エレベータの昇降式作業台である。
【0009】
第2の本発明に係るエレベータの昇降式作業台は、
昇降路の壁面に取り付けられるガイドレールに案内されつつ昇降路内を昇降するエレベータの昇降式作業台であって、
人が作業のために搭乗する搭乗部と、
搭乗部を支持する上部架台と、
上部架台の下方に位置する下部架台と、
上下方向に伸縮可能で、上部架台及び下部架台を作動的に連結する伸縮部とを備え、
上部架台及び下部架台のそれぞれは、ガイドレールを把持することにより、上部架台又は下部架台を下降しないように固定する第1状態と、ガイドレールを把持解除することにより、上部架台又は下部架台の昇降を可能とする第2状態とに変更可能な把持装置を備える
エレベータの昇降式作業台である。
【0010】
ここで、第1の本発明に係るエレベータの昇降式作業台の一態様として、
係合爪は、直線往復運動又は回転往復運動して第1状態と第2状態とに切り替わるように構成される
との構成を採用することができる。
【0011】
また、第1の本発明に係るエレベータの昇降式作業台の他態様として、
伸縮部が収縮した状態で、上部架台の係合爪及び下部架台の係合爪が1つの当該部材の異なる箇所に係合するように構成される
との構成を採用することができる。
【0012】
また、第1の本発明に係るエレベータの昇降式作業台の別の態様として、
当該部材は、ガイドレールを昇降路の壁面に取り付けてガイドレールを支持するガイドレール支持具である
との構成を採用することができる。
【0013】
また、本発明に係るエレベータの昇降式作業台の作動方法は、
上記いずれかのエレベータの昇降式作業台の作動方法であって、
下部架台を下降しないように固定する操作と、
伸縮部を伸長することにより、上部架台を上昇させる操作と、
上部架台を下降しないように固定する操作と、
伸縮部を収縮することにより、下部架台を上昇させる操作とを、この順序で繰り返す
エレベータの昇降式作業台の作動方法である。
【0014】
ここで、本発明に係るエレベータの昇降式作業台の作動方法の一態様として、
上部架台を下降しないように固定する高さ位置まで上昇させる途中で、又は、上部架台を下降しないように固定した後に、該当箇所にガイドレール支持具を設置する作業を行うための、又は、ガイドレールを上へと継ぎ足す作業を行うための、上昇停止期間を設ける
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る昇降式作業台は、ガイドレールに案内されつつ自身で昇降路内を昇降する自走式となる。このため、本発明によれば、エレベータの据付工事の作業工数を大きく減らすことができ、かつ、昇降行程の長さに関わらずに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1(a)は、ガイドレールのうちガイドレール支持具により支持される部分の斜視図である。図1(b)は、同部分の平面図である。
図2図2は、実施形態1に係る昇降式作業台であって、伸長した状態の正面図である。
図3図3は、実施形態1に係る昇降式作業台であって、伸長した状態の側面図である。
図4図4は、実施形態1に係る昇降式作業台であって、収縮した状態の正面図である。
図5図5(a)は、実施形態1に係る昇降式作業台の上部架台の係合装置であって、係合爪がガイドレール支持具に上方から係合する第1状態の側面図である。図5(b)は、同第1状態の平面図である。図5(c)は、係合爪がガイドレール支持具を回避する第2状態の側面図である。図5(d)は、同第2状態の平面図である。
図6図6(a)は、実施形態1に係る昇降式作業台の下部架台の係合装置であって、係合爪がガイドレール支持具に上方から係合する第1状態の側面図である。図6(b)は、同第1状態の平面図である。図6(c)は、係合爪がガイドレール支持具を回避する第2状態の側面図である。図6(d)は、同第2状態の平面図である。
図7図7(a)~(c)は、実施形態1に係る昇降式作業台の作動方法の説明図である。
図8図8(a)~(c)は、図7の続きの説明図である。
図9図9(a)~(c)は、図8の続きの説明図である。
図10図10は、実施形態2に係る昇降式作業台であって、伸長した状態の正面図である。
図11図11は、実施形態2に係る昇降式作業台であって、収縮した状態の正面図である。
図12図12は、実施形態3に係る昇降式作業台であって、伸長した状態の正面図である。
図13図13は、実施形態3に係る昇降式作業台であって、収縮した状態の正面図である。
図14図14(a)は、実施形態3に係る昇降式作業台の上部架台及び下部架台の把持装置であって、ガイドレールを把持した状態の側面図である。図14(b)は、ガイドレールを把持解除した状態の側面図である。
図15図15は、他実施形態1に係る昇降式作業台の要部の斜視図である。
図16図16は、他実施形態2に係る昇降式作業台の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<エレベータの概略構成>
以下、各実施形態に係るエレベータの昇降式作業台について説明するが、まずはこれに先立ち、エレベータの概略構成について説明する。
【0018】
エレベータは、昇降路と、かごと、かごの駆動機構とを備える。昇降路は、階層を有する建物内において上下方向に延びる。昇降路の対向する2つの壁面には、1対のガイドレールが上下方向に延びるように取り付けられる。かごは、上下左右の4箇所に取り付けられるガイド体がガイドレールを摺動することにより、ガイドレールに案内されつつ昇降路内を昇降する。かごの駆動機構は、かごの昇降及び指定された階床への停止を行う。
【0019】
図1に示すように、ガイドレール2は、平面視でT字状を有し、基部20と、突出部21とを備える。基部20は、上下方向に延びる帯板状であり、昇降路1の壁面1aと所定の間隔を有して平行に配置される。突出部21は、上下方向に延びる帯板状であり、一側部にて基部20の中央部に接続され、基部20から直交方向に突出する。
【0020】
突出部21は、接続部22と、ガイド部23とを備える。接続部22は、基部20とガイド部23とを接続する。接続部22は、ガイド部23よりも幅狭であり、突出部21において括れ部となる。ガイド部23は、かごのガイド体が摺接し、ガイド体を上下方向に直線移動するように案内する。ガイド部23は、2つのガイド面24,24と、先端面25とを備える。2つのガイド面24,24は、ガイド部23の厚み方向に位置する面であり、平行又は先端側が幅狭となるテーパ状に対向する。先端面25は、2つのガイド面24,24の先端縁間に位置する面であり、平面又は円弧面等の曲面である。
【0021】
なお、かごのガイド体は、ガイド部23の2つのガイド面24,24又はガイド部23の2つのガイド面24,24及び先端面25の3つの面に接触する断面コ字状の樹脂製のガイドシューである。あるいは、かごのガイド体は、ガイド部23の2つのガイド面24,24又はガイド部23の2つのガイド面24,24及び先端面25の3つの面に接触する複数のローラを備えるローラガイドである。以下、ガイド体という表現を用いるときは、これらのガイド体と同様の構成である。
【0022】
ガイドレール2は、ガイドレール支持具3を介して昇降路1の壁面1aに取り付けられる。ガイドレール支持具3は、昇降路1の壁面1aに上下方向に所定の間隔を有して配置される。また、ガイドレール2は、適宜の長さを有し、2本のガイドレール2,2の端部同士が目板等のガイドレール連結具(図示しない)を介して連結されることにより、継ぎ足され、上下方向に延伸される。ガイドレール支持具3の高さ位置及び上下のガイドレール2,2の継ぎ目の高さ位置は、昇降路1の対向する2つの壁面1a,1aに取り付けられる1対のガイドレール2,2の双方において同一である。
【0023】
ガイドレール支持具3は、壁ブラケット30と、レールブラケット32と、レールクリップ35とを備える。
【0024】
壁ブラケット30は、縦面部30aと、平面部30bとを備える。一例として、壁ブラケット30は、アングル材を用いて構成される。縦面部30aは、昇降路1の壁面1aに当接し、たとえばアンカーボルト31を用いて昇降路1の壁面1aに固定される。平面部30bは、縦面部30aの上縁から水平方向に張り出す。平面部30bは、孔を有する。
【0025】
レールブラケット32は、平面部32aと、縦面部32cとを備える。一例として、レールブラケット32は、アングル材を用いて構成される。平面部32aは、壁ブラケット30の平面部30bの上に載置される。平面部32aは、長孔32bを有する。長孔32bは、たとえばボルト及びナットで構成される締結具33の軸部よりも幅広で、昇降路1の壁面1aと直交する方向に長尺に形成される。これにより、壁ブラケット30の平面部30bの孔とレールブラケット32の平面部32aの長孔32bとに締結具33が挿通された状態で、レールブラケット32は、壁ブラケット30に対し、昇降路1の壁面1aに沿う方向と昇降路1の壁面1aと直交する方向の直交2方向において位置調整可能となる。レールブラケット32が位置調整されてレールブラケット32の芯出しが完了すると、締結具33による締結後、たとえばレールブラケット32の側縁部にてレールブラケット32と壁ブラケット30とが溶接され(溶接部34)、レールブラケット32が壁ブラケット30に固定される。
【0026】
縦面部32cは、平面部32aの先端縁から鉛直方向に立ち上がる。これにより、縦面部32cの上縁は、平面部32aの上面よりも高い位置にある。なお、縦面部32cの上縁は、水平方向に沿った縁であり、平面部32aの上面は、水平面に沿った面である。
【0027】
レールクリップ35は、ボルト及びナットで構成される締結具36を介してレールブラケット32の縦面部32cに取り付けられる。レールクリップ35は、たとえば板材で構成される。ガイドレール2の基部20がレールブラケット32の縦面部32cの外面に当接し、レールクリップ35がガイドレール2の基部20の外面に当接した状態で、締結具36により締結され、ガイドレール2がレールブラケット32に固定される。
【0028】
<エレベータの昇降式作業台の実施形態1>
次に、実施形態1に係るエレベータの昇降式作業台について説明する。なお、エレベータの昇降式作業台(以下、略して「作業台」という)とは、エレベータの据付工事において、昇降路1内を昇降させて、ガイドレール2の設置工事、本設(実際にエレベータの構成として使用される)の装置(主ロープ、巻上機、カウンターウェイト等)の設置工事、乗場回りの工事、昇降路1内の電気設備の設置工事、機械室の工事など、据付工事の初期段階の工事を施工する工法に用いられる装置のことをいう。
【0029】
図2図4に示すように、作業台10は、搭乗部11と、昇降作動部12とを備える。また、昇降作動部12は、上部架台13と、伸縮部14と、下部架台15とを備える。
【0030】
搭乗部11は、作業者が作業のために搭乗する部分である。搭乗部11は、本設の縦枠110と、本設の下横枠111と、本設又は仮設の上横枠112と、本設の床113と、本設又は仮設のガイド体114とを備える。
【0031】
本設の縦枠110、下横枠111及び床113、そして、本設である場合の上横枠112及びガイド体114は、本設のかごの構成要素である。仮設である場合の上横枠112及びガイド体114は、構成としては、本設の上横枠及びガイド体と同じであるが、据付工事における適宜のタイミングで取り外される。
【0032】
上部架台13は、搭乗部11の下方に位置し、搭乗部11を支持する。一例として、上部架台13は、搭乗部11の下横枠111にボルト結合される。なお、図例では、下横枠111にガイド体114が(主に本設として)取り付けられるが、下横枠111及び上部架台13が接近することで、ガイド体114の取付スペースを確保できない場合、下横枠111にガイド体114は取り付けられない。その代わりに、あるいは、下横枠111にガイド体114が取り付けられるとしても、上部架台13にガイド体が取り付けられるようにしてもよい。
【0033】
上部架台13は、1対のガイドレール2,2間に収まる横長の構成であり、水平に配置される。上部架台13は、少なくとも両端部に内部空間を有する主材130を備える。一例として、主材130は、リップ溝形鋼(C形鋼)であり、溝が下を向くように配置される。上部架台13は、両端部に係合装置131,131を備えるが、これについては後述する。
【0034】
下部架台15は、上部架台13の下方に位置し、上部架台13と平行に配置される。下部架台15は、上部架台13と同様、1対のガイドレール2,2間に収まる横長の構成であり、水平に配置される。下部架台15は、少なくとも両端部に内部空間を有する主材150を備える。一例として、主材150は、上部架台13と同様、リップ溝形鋼(C形鋼)であり、溝が下を向くように配置される。ただし、主材150は、上部架台13の主材130よりも幅広である。下部架台15は、上部架台13と同様、両端部に係合装置151,151を備えるが、これについては後述する。下部架台15には、搭乗部11のガイド体114と同様、ガイド体154が取り付けられる。
【0035】
伸縮部14は、上下方向に伸縮可能で、上部架台13及び下部架台15を作動的に連結する。図例では、伸縮部14は、油圧シリンダである。油圧シリンダは、ロッドと、シリンダケースとを備える。ロッドは、次第に径が小さくなっていく多段式であり、伸縮ストロークが大きい。ロッドの先端部は、上部架台13(のたとえば中央部)に取り付けられる。シリンダケースは、収縮した状態のロッドを収容する。シリンダケースは、上端部にて下部架台15(のたとえば中央部)に取り付けられる。これにより、伸縮部14が収縮した状態において、上部架台13及び下部架台15を近接させることができる。
【0036】
図5に示すように、上部架台13の係合装置131は、係合爪132と、アクチュエータ133とを備える。係合爪132は、アクチュエータ133と作動的に連結され、ガイドレール支持具3に上方から係合することにより(言い換えれば、ガイドレール支持具3に下方から係止されることにより)、上部架台13を下降しないように固定する第1状態(図5(a)、(b))と、ガイドレール支持具3を回避することにより、ガイドレール支持具3に当たることなく上部架台13の昇降を可能とする第2状態(図5(c)、(d))とに切り替わるように構成される。
【0037】
より詳しく説明すると、係合装置131は、係合爪132が主材130の端から主材130の長手方向(昇降路1の壁面1aと直交する方向)に突出するように、主材130の端部の内部空間に配置される(ただし、主材130の端部の外面に配置されるものであってもよい。)。アクチュエータ133は、直動式であり、主材130の長手方向(昇降路1の壁面1aと直交する方向)に作動する。これにより、係合爪132は、主材130の長手方向(昇降路1の壁面1aと直交する方向)に直線往復運動する。係合爪132(の先端部)は、ガイドレール支持具3のうちレールブラケット32の縦面部32cの上縁に上方から係合する。一例として、係合爪132は、二股に形成され、一方の爪部がレールブラケット32の縦面部32cの上縁のうちガイドレール2の一方の側部側に係合し、他方の爪部がレールブラケット32の縦面部32cの上縁のうちガイドレール2の他方の側部側に係合し、2つの爪部がガイドレール2の両側に位置する構成である。ただし、爪部は、いずれかの1つであってもよい。
【0038】
図6に示すように、下部架台15の係合装置151は、係合爪152と、アクチュエータ153とを備える。係合爪152は、アクチュエータ153と作動的に連結され、ガイドレール支持具3に上方から係合することにより(言い換えれば、ガイドレール支持具3に下方から係止されることにより)、下部架台15を下降しないように固定する第1状態(図6(a)、(b))と、ガイドレール支持具3を回避することにより、ガイドレール支持具3に当たることなく下部架台15の昇降を可能とする第2状態(図6(c)、(d))とに切り替わるように構成される。
【0039】
より詳しく説明すると、係合装置151は、係合爪152が主材150の端から主材150の長手方向(昇降路1の壁面1aと直交する方向)に突出するように、主材150の端部の内部空間に配置される(ただし、主材150の端部の外面に配置されるものであってもよい。)。アクチュエータ153は、直動式であり、主材150の長手方向と直交する方向(昇降路1の壁面1aに沿う方向)に作動する。係合爪152は、1対設けられ、一方の係合爪152の基端部がアクチュエータ153の一端部に取り付けられ、他方の係合爪152の基端部がアクチュエータ153の他端部に取り付けられる。これにより、係合爪152は、鉛直軸回りに回転往復運動する。係合爪152(の先端部)は、ガイドレール支持具3のうちレールブラケット32の平面部32aの上面に上方から係合する。一例として、一方の係合爪152がレールブラケット32の平面部32aの上面のうちガイドレール2の一方の側部側に係合し、他方の係合爪152がレールブラケット32の平面部32aの上面のうちガイドレール2の他方の側部側に係合し、2つの係合爪152,152がガイドレール2の両側に位置する構成である。ただし、係合爪152は、いずれかの1つであってもよい。
【0040】
上部架台13の係合装置131と異なり、下部架台15の係合装置151において、係合爪152を回転往復運動させるのは、直線往復運動だと、係合爪152がレールブラケット32の縦面部32cに当たってしまうからである。係合爪152の先端部をレールブラケット32の側方からアプローチさせることで、係合、離脱が可能となる。
【0041】
また、上部架台13の係合爪132及び下部架台15の係合爪152を1つのガイドレール支持具3の異なる箇所に係合させるのは、同じ箇所だと、係合爪132,152同士が当たってしまうからである。係合爪132,152の係合箇所を異ならせることで、それぞれの係合、離脱が可能となり、1つのガイドレール支持具3に上部架台13及び下部架台15の両方を係合、固定させることが可能となる。
【0042】
なお、図示しないが、作業者が搭乗部11に搭乗した状態で、伸縮部14及び係合装置131,151の作動を操作することができるよう、搭乗部11には、伸縮部14の油圧シリンダの油圧源及び配管系が載置され、かつ、油圧シリンダの作動操作部と、係合装置131,151の作動操作部とが配置される。
【0043】
実施形態1に係る作業台10の構成は、以上のとおりである。次に、この作動方法について説明する。
【0044】
基本操作は、i)下部架台15を下降しないように固定する操作(図2参照)と、ii)伸縮部14を伸長することにより、上部架台13及びこの結果として搭乗部11を上昇させる操作(図2参照)と、iii)上部架台13を下降しないように固定する操作(図2参照)と、iv)伸縮部14を収縮することにより、下部架台15を上昇させる操作(図4参照)とを、この順序で繰り返すという、尺取虫のような挙動で作業台10を上方に移動させていく、というものである。
【0045】
そして、この基本操作に対し、上部架台13を下降しないように固定する高さ位置まで上昇させる途中で、又は、上部架台13を下降しないように固定した後に、該当箇所にガイドレール支持具3を設置する作業を行うための、又は、ガイドレール2を上へと継ぎ足す作業を行うための、上昇停止期間を設け、ガイドレール2の設置工事を施工する、というものである。
【0046】
より詳しく説明すると、まず、作業者は、図7(a)に示すように、昇降路1内にて、1本目のガイドレール2Aに対し、芯出し作業を含むガイドレール支持具3の設置作業を行うとともに、1本目のガイドレール2Aに対する2本目のガイドレール2Bの連結作業を行う。なお、図中、各階床の床面の位置をFLとして表している。
【0047】
次に、作業者は、図7(b)に示すように、1本目のガイドレール2Aの箇所で作業台10の組立作業を行う。次に、作業者は、搭乗部11に搭乗した後、図7(c)に示すように、伸縮部14を伸長し、搭乗部11を2本目のガイドレール2Bに対するガイドレール支持具3の設置作業に適した高さ位置まで上昇させ、停止させた後、2本目のガイドレール2Bに対し、芯出し作業を含むガイドレール支持具3の設置作業を行う。
【0048】
次に、作業者は、図8(a)に示すように、さらに伸縮部14を伸長し、上部架台13を2本目のガイドレール2Bに対するガイドレール支持具3の高さ位置まで上昇させ、停止させた後、係合装置131を作動させる。このとき、上昇時に係合装置131の係合爪132がガイドレール支持具3に当たらないよう、係合爪132を第2状態にしておく必要があり、また、係合装置131の作動時に係合爪132がガイドレール支持具3に当たらないよう、上部架台13を若干上方に停止させる必要がある(以下、同様)。
【0049】
次に、作業者は、図8(b)に示すように、伸縮部14を収縮させ、下部架台15を2本目のガイドレール2Bに対するガイドレール支持具3の高さ位置まで上昇させ、停止させた後、係合装置151を作動させる。このとき、上昇時に係合装置151の係合爪152がガイドレール支持具3に当たらないよう、係合爪152を第2状態にしておく必要があり、また、係合装置151の作動時に係合爪152がガイドレール支持具3に当たらないよう、下部架台15を若干上方に停止させる必要がある(以下、同様)。
【0050】
次に、作業者は、図8(c)に示すように、2本目のガイドレール2Bに対する3本目のガイドレール2Cの連結作業を行う。あるいは、2本目のガイドレール2Bの上端部の高さ位置が遠い場合は、搭乗部11を連結作業に適した高さ位置まで上昇させ、停止させた後に行う。
【0051】
次に、作業者は、図9(a)に示すように、伸縮部14を伸長し、搭乗部11を3本目のガイドレール2Cに対するガイドレール支持具3の設置作業に適した高さ位置まで上昇させ、停止させた後、3本目のガイドレール2Cに対し、芯出し作業を含むガイドレール支持具3の設置作業を行う。
【0052】
次に、作業者は、図9(b)に示すように、さらに伸縮部14を伸長し、上部架台13を3本目のガイドレール2Cに対するガイドレール支持具3の高さ位置まで上昇させ、停止させた後、係合装置131を作動させる。次に、作業者は、図9(c)に示すように、伸縮部14を収縮させ、下部架台15を、3本目のガイドレール2Cに対するガイドレール支持具3の高さ位置まで上昇させ、停止させた後、係合装置151を作動させる。
【0053】
そして、これらの操作を繰り返すことにより、ガイドレール2を上へと順番に継ぎ足すように連結し、昇降路1内の最上箇所まで設置する。
【0054】
以上のとおり、実施形態1に係る作業台10は、ガイドレール2に案内されつつ自身で昇降路1内を昇降する自走式となる。このため、実施形態1に係る作業台10によれば、足場工法やゴンドラ工法が全く不要となり、この結果として、エレベータの据付工事の作業工数を大きく減らすことができる。しかも、実施形態1に係る作業台10によれば、ガイドレール2を設置しながらいくらでも進んでいくことができるため、昇降行程の長さに関わらずに使用することができる。
【0055】
<エレベータの昇降式作業台の実施形態2>
次に、実施形態2に係るエレベータの昇降式作業台について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
【0056】
図10及び図11に示すように、異なる点は、伸縮部14の形態である。伸縮部14は、伸縮リンク140と、伸縮装置141とを備える。伸縮リンク140は、各リンクが平行状態を維持したまま平行四辺形の形状が変化することで、上下方向に伸縮可能となる多節リンクである。伸縮装置141は、油圧シリンダである。油圧シリンダは、ロッドと、シリンダケースとを備える。ロッドは、次第に径が小さくなっていく多段式であり、伸縮ストロークが大きい。ロッドの先端部は、1つのリンクに取り付けられる。シリンダケースは、収縮した状態のロッドを収容する。シリンダケースは、基端部にて別のリンクに取り付けられる。
【0057】
伸縮リンク140である場合、伸縮部14が収縮した状態において、上部架台13及び下部架台15を近接させることは難しい。このため、上部架台13の係合爪132及び下部架台15の係合爪152を1つのガイドレール支持具3に係合させるためには、後述する別の工夫が必要となる。そこで、実施形態2では、上部架台13を固定するガイドレール支持具3の下方に、下部架台15を固定するための別のガイドレール支持具3が必要となる。実施形態1では、1本のガイドレール2に対し、1つのガイドレール支持具3が設置されるが、1本のガイドレール2に対し、2つ又は3つ以上のガイドレール支持具3が設置される場合、実施形態2に係る作業台10を使用することができる。
【0058】
なお、実施形態2では、伸縮部14が収縮した状態において、上部架台13及び下部架台15はある程度離間しており、上部架台13回りに比較的スペースがあるため、上部架台13にガイド体134が取り付けられる。
【0059】
このように、実施形態2に係る作業台10も、実施形態1に係る作業台10が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0060】
<エレベータの昇降式作業台の実施形態3>
次に、実施形態3に係るエレベータの昇降式作業台について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
【0061】
図12図14に示すように、異なる点は、係合装置の一形態として、把持装置136,156が採用される点である。把持装置136,156は、ガイドレール支持具3に係合するのではなく、ガイドレール2(のガイド部23)を把持する。把持装置136,156であれば、ガイドレール支持具3の設置箇所及び設置個数に関わらず、ガイドレール2の任意の箇所を把持することができ、上部架台13及び下部架台15を任意の高さ位置に固定することができる。
【0062】
一例として、把持装置136,156は、荷重Fが下方に作用すると、楔138,158が本体部137,157のテーパ状の溝内で上動し、ガイドレール2(のガイド部23)を挟持することにより、上部架台13又は下部架台15を下降しないように固定する第1状態(図14(a))となり、力Fが上方に作用すると、楔138,158が下動し、ガイドレール2(のガイド部23)を挟持解除することにより、上部架台13又は下部架台15の昇降を可能とする第2状態(図14(b))に切り替わるという構造である。
【0063】
このように、実施形態4に係る作業台10も、実施形態1に係る作業台10が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0065】
たとえば、上記実施形態1において、上部架台13の係合爪132は、直線往復運動し、下部架台15の係合爪152は、回転往復運動(揺動運動といってもよい)するものである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。図15に示すように、両方が直線往復運動するものであってもよい。あるいは、両方が回転往復運動(ないし揺動運動)するものであってもよい。あるいは、上部架台の係合爪が回転往復運動(ないし揺動運動)し、下部架台の係合爪が直線往復運動するものであってもよい。
【0066】
また、上記実施形態1、2において、係合爪132,係合爪152は、ガイドレール支持具3のうちレールブラケット32に係合する。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。係合爪は、ガイドレール支持具3のうち壁ブラケット30に係合するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態1、2において、係合爪132,係合爪152は、ガイドレール支持具3に係合する。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。係合爪は、たとえば、上述の目板等のガイドレール連結具(たとえば目板の上端面)に係合するようにしてもよい。要は、係合爪が係合する対象は、ガイドレール支持具やガイドレール連結具を含む、ガイドレールの適宜の高さ位置に所在するガイドレール回りの何らかの部材であって、十分な係合代を有する部材であれば、任意に選択することができる。この場合、上部架台の係合爪及び下部架台の係合爪の両方がガイドレール支持具に係合するパターン、及び、両方がガイドレール連結具に係合するパターンのみならず、上部架台の係合爪がガイドレール支持具及びガイドレール連結具のいずれか一方に係合するとともに、下部架台の係合爪がいずれか他方に係合するパターンというように、上部架台の係合爪及び下部架台の係合爪が異種の部材に係合するようにしてもよい。
【0068】
また、伸縮部の形態は、公知となっている各種の伸縮装置を採用することができる。なお、実施形態1において、実施形態2に係る伸縮部14を採用する場合、伸縮部14が収縮した状態において、上部架台13及び下部架台15はある程度離間する。このため、図16に示すように、延伸棒155を介在させて係合爪152の高さ位置を上げるようにすればよい。
【0069】
また、上記実施形態3において、把持装置136,156は、楔型の把持装置である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。把持装置は、公知となっている各種の把持装置(クランプ装置)を採用することができる。
【0070】
また、上記各実施形態においては、ガイドレール支持具3の高さ位置及び上下のガイドレール2,2の継ぎ目の高さ位置は、昇降路1の対向する2つの壁面1a,1aに取り付けられる1対のガイドレール2,2の双方において同一である。そして、これにより、係合装置131,151及び把持装置136,156は、上部架台13及び下部架台15の左右端部で同じ高さ位置に設けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。これらの高さ位置は、左右で高さ方向にずれていてもよい。
【0071】
また、上記各実施形態においては、ガイドレール2を新設しつつ作業台10を上昇させる作動方法について説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。作業台10は、ガイドレール2の設置を終えた後で、昇降路1内において高さ位置が異なる箇所における作業を行うために、作業台10を下降させることも当然行われる。この場合、上昇とは逆の順序で操作を行う。
【0072】
また、「直線」、「中央」、「端部」、「側部」、「同じ」、「同一」、「平行」、「鉛直」、「水平」、「直交」、「上下」、といった形状、部位、状態又は方向を特定する用語は、本発明において、そのもののほか、それに近いないし類するという意味の「略」の概念も含むものである。また、「上方」、「下方」とは、鉛直方向に限定されず、鉛直方向に対して傾斜する方向も含むものである。
【0073】
また、一部は上述したとおり、物理的に干渉するものでない限り、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に適用すること、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に係る技術要素と置換すること、以上に記載した技術要素同士を組み合わせること等は、当然に可能であり、これは、本発明が当然に意図するところである。
【符号の説明】
【0074】
1…昇降路、1a…壁面、2…ガイドレール、20…基部、21…突出部、22…接続部、23…ガイド部、24…ガイド面、25…先端面、3…ガイドレール支持具、30…壁ブラケット、30a…縦面部、30b…平面部、31…アンカーボルト、32…レールブラケット、32a…平面部、32b…長孔、32c…縦面部、33…締結具、34…溶接部、35…レールクリップ、36…締結具、10…昇降式作業台、11…搭乗部、110…縦枠、111…下横枠、112…上横枠、113…床、114…ガイド体、12…昇降作動部、13…上部架台、130…主材、131…係合装置、132…係合爪、133…アクチュエータ、134…ガイド体、136…把持装置(クランプ装置)、137…本体部、138…楔、14…伸縮部、140…伸縮リンク、141…伸縮装置、15…下部架台、150…主材、151…係合装置、152…係合爪、153…アクチュエータ、154…ガイド体、155…延伸棒、156…把持装置(クランプ装置)、157…本体部、158…楔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図16