(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179744
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像処理装置、補正方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/60 20060101AFI20241219BHJP
H04N 1/48 20060101ALI20241219BHJP
H04N 1/50 20060101ALI20241219BHJP
H04N 1/407 20060101ALI20241219BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20241219BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20241219BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241219BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241219BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20241219BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H04N1/60
H04N1/48
H04N1/50
H04N1/407 780
H04N1/04 101
H04N1/04 107B
G03G15/04 111
G03G21/00 510
G03G15/00 303
G03G15/01 S
G03G15/01 112
B41J2/525
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098846
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】都能 礼子
【テーマコード(参考)】
2H270
2H300
5C072
5C077
【Fターム(参考)】
2H270KA68
2H270LA19
2H270LA20
2H270LA22
2H270LB02
2H270LB06
2H270LD03
2H270MA10
2H270MA11
2H270MB04
2H270MB14
2H270MB15
2H270MB17
2H270MB25
2H270MB29
2H270MB32
2H270MB33
2H270MB36
2H270MB40
2H270MB41
2H270MB43
2H270RA01
2H270RA14
2H270RB06
2H270RC10
2H270RC11
2H270RC12
2H270RC14
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC05
2H270ZC08
2H300EB04
2H300EB07
2H300EH15
2H300EH38
2H300EJ09
2H300FF05
2H300FF20
2H300GG12
2H300GG14
2H300QQ28
2H300RR31
2H300RR50
2H300SS02
2H300SS04
2H300SS12
2H300TT03
2H300TT04
5C072AA05
5C072BA19
5C072CA05
5C072CA07
5C072EA05
5C072RA18
5C072UA18
5C072XA01
5C072XA05
5C077LL19
5C077MM03
5C077MM27
5C077PP15
5C077PP32
5C077PP33
5C077TT06
(57)【要約】
【課題】光源の発光光量のバラつきに起因する影響を抑制可能な画像処理装置、及び補正方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置100は、画像読取部2を用いて、Yの基準画像に対応する基準画像データを取得する第1取得処理部61と、前記基準画像データに含まれるRGB値のうちのB値と前記基準画像に対応する基準値との比に基いて決定された基準補正値を取得する第2取得処理部62と、画像読取部2を用いて、画像形成部3の調整に用いられる互いに濃度が異なる複数のYの調整用画像に対応する複数の調整用画像データを取得する第3取得処理部64と、前記調整用画像データ各々を、当該調整用画像データに対応する前記調整用画像と前記基準画像との濃度差に応じて修正された前記基準補正値を用いて補正する補正処理部65と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RGBのうちの第1色の光を射出する第1光源を含む第2光源を用いて、原稿の画像に対応するRGB形式の画像データを出力する画像読取部と、
CMYのうち前記第1色の光を吸収する第2色の基準画像に対応する予め定められた基準値と前記画像読取部を用いて取得される前記基準画像に対応する基準画像データに含まれるRGB値のうち前記第1色に対応する値との比に基づいて決定された補正係数を取得する第1取得処理部と、
前記画像読取部を用いて、少なくともCMYの画像形成剤を用いてシートに画像を形成する画像形成部の調整に用いられる互いに濃度が異なる複数の前記第2色の調整用画像に対応する複数の調整用画像データを取得する第2取得処理部と、
前記調整用画像データ各々を、当該調整用画像データに対応する前記調整用画像と前記基準画像との濃度差に応じて修正された前記補正係数を用いて補正する補正処理部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記画像形成部と、
前記画像形成部を用いて、前記シートに複数の前記調整用画像を形成する形成処理部と、
を備える請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正処理部によって補正された前記調整用画像データ各々に基づいて、前記画像形成部を調整する調整処理部を備える、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
RGBのうちの第1色の光を射出する第1光源を含む第2光源を用いて、原稿の画像に対応するRGB形式の画像データを出力する画像読取部を備える画像処理装置で実行される補正方法であって、
CMYのうち前記第1色の光を吸収する第2色の基準画像に対応する予め定められた基準値と前記画像読取部を用いて取得される前記基準画像に対応する基準画像データに含まれるRGB値のうち前記第1色に対応する値との比に基づいて決定された補正係数を取得する第1取得ステップと、
前記画像読取部を用いて、少なくともCMYの画像形成剤を用いてシートに画像を形成する画像形成部の調整に用いられる互いに濃度が異なる複数の前記第2色の調整用画像に対応する複数の調整用画像データを取得する第2取得ステップと、
前記調整用画像データ各々を、当該調整用画像データに対応する前記調整用画像と前記基準画像との濃度差に応じて修正された前記補正係数を用いて補正する補正ステップと、
を含む補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、及び補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取部と、画像形成部とを備える複合機などの画像処理装置が知られている。例えば、前記画像読取部は、青色光源を含む白色光源を用いて原稿の画像を読み取り、読み取られた原稿の画像に対応するRGB形式の画像データを出力する。また、前記画像形成部は、CMYKのトナーを用いて、シートに画像を形成する。
【0003】
前記画像処理装置では、前記画像形成部を調整する調整処理が実行されることがある。具体的に、前記調整処理では、前記画像形成部が用いられて、CMYKの各色に対応する互いに濃度が異なる複数のカラーパッチが形成された調整用シートが出力される。また、前記調整処理では、前記画像読取部が用いられて、前記調整用シートに含まれる前記カラーパッチ各々に対応する調整用画像データが取得される。そして、前記調整処理では、取得された複数の前記調整用画像データに基づいて、前記画像形成部が調整される。
【0004】
また、前記青色光源の発光光量のバラつきに起因する影響を抑制するために、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるRGB値のうちのB値を補正する前記画像処理装置が関連技術として知られている(特許文献1参照)。具体的に、前記関連技術に係る前記画像処理装置では、前記画像読取部が用いられて、前記画像読取部の調整に用いられる予め定められた調整用原稿に含まれるC(シアン)の基準画像に対応する基準画像データが取得される。そして、前記関連技術に係る前記画像処理装置では、取得された前記基準画像データに含まれるB値と前記基準画像に対応する基準値との比が用いられて、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値が補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度が高くなるほど、当該カラーパッチにおけるB(青)の光の吸収量が多くなり、前記青色光源の発光光量のバラつきに起因する当該カラーパッチに対応する前記調整用画像データに含まれるB値のバラつきは大きくなる。しかしながら、前記関連技術に係る前記画像処理装置では、単一の値が用いられて、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値が補正される。そのため、前記関連技術に係る前記画像形成装置では、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値を当該カラーパッチの濃度に応じて補正することができない。
【0007】
本発明の目的は、光源の発光光量のバラつきに起因する影響を抑制可能な画像処理装置、及び補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像処理装置は、画像読取部と、第1取得処理部と、第2取得処理部と、補正処理部とを備える。前記画像読取部は、RGBのうちの第1色の光を射出する第1光源を含む第2光源を用いて、原稿の画像に対応するRGB形式の画像データを出力する。前記第1取得処理部は、CMYのうち前記第1色の光を吸収する第2色の基準画像に対応する予め定められた基準値と前記画像読取部を用いて取得される前記基準画像に対応する基準画像データに含まれるRGB値のうち前記第1色に対応する値との比に基づいて決定された補正係数を取得する。前記第2取得処理部は、前記画像読取部を用いて、少なくともCMYの画像形成剤を用いてシートに画像を形成する画像形成部の調整に用いられる互いに濃度が異なる複数の前記第2色の調整用画像に対応する複数の調整用画像データを取得する。前記補正処理部は、前記調整用画像データ各々を、当該調整用画像データに対応する前記調整用画像と前記基準画像との濃度差に応じて修正された前記補正係数を用いて補正する。
【0009】
本発明の他の局面に係る補正方法は、RGBのうちの第1色の光を射出する第1光源を含む第2光源を用いて、原稿の画像に対応するRGB形式の画像データを出力する画像読取部を備える画像処理装置で実行され、第1取得ステップと、第2取得ステップと、補正ステップとを含む。前記第1取得ステップでは、CMYのうち前記第1色の光を吸収する第2色の基準画像に対応する予め定められた基準値と前記画像読取部が用いられて取得される前記基準画像に対応する基準画像データに含まれるRGB値のうち前記第1色に対応する値との比に基づいて決定された補正係数が取得される。前記第2取得ステップでは、前記画像読取部が用いられて、少なくともCMYの画像形成剤を用いてシートに画像を形成する画像形成部の調整に用いられる互いに濃度が異なる複数の前記第2色の調整用画像に対応する複数の調整用画像データが取得される。前記補正ステップでは、前記調整用画像データ各々が、当該調整用画像データに対応する前記調整用画像と前記基準画像との濃度差に応じて修正された前記補正係数が用いられて補正される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光源の発光光量のバラつきに起因する影響を抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のADF及び画像読取部の構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられるテーブルデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される補正値設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される調整処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像形成装置100の構成]
まず、
図1、及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。
【0014】
画像形成装置100は、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。画像形成装置100は、本発明の画像処理装置の一例である。なお、本発明は、スキャナー、ファクス装置、及びコピー機などの画像処理装置に適用可能である。
【0015】
図1、及び
図2に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、シート搬送部4、操作表示部5、記憶部6、及び制御部7を備える。
【0016】
ADF1は、画像読取部2によって画像が読み取られる原稿を搬送する。
【0017】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。
【0018】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式に従って、シート搬送部4によって搬送されるシートにカラー、又はモノクロの画像を形成する。画像形成部3は、CMYKのトナー(本発明の画像形成剤の一例)を用いてシートに画像を形成する。なお、画像形成部3は、CMYのトナーを用いてシートに画像を形成してもよい。また、画像形成部3は、インクジェット方式に従って、シート搬送部4によって搬送されるシートに画像を形成してもよい。この場合、画像の形成に用いられるインクが、本発明の画像形成剤の他の一例である。
【0019】
図1に示されるように、画像形成部3は、複数の画像形成ユニット11~14、光走査装置15、中間転写ベルト16、二次転写ローラー17、定着装置18、及び排紙トレイ19を備える。画像形成ユニット11は、Y(イエロー)のトナーを用いて中間転写ベルト16にトナー像を形成する。画像形成ユニット12は、C(シアン)のトナーを用いて中間転写ベルト16にトナー像を形成する。画像形成ユニット13は、M(マゼンタ)のトナーを用いて中間転写ベルト16にトナー像を形成する。画像形成ユニット14は、K(ブラック)のトナーを用いて中間転写ベルト16にトナー像を形成する。複数の画像形成ユニット11~14は、それぞれ感光体ドラム、帯電ローラー、現像装置、一次転写ローラー、及びドラム清掃部を備える。光走査装置15は、画像形成ユニット11~14各々の前記感光体ドラムの表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。中間転写ベルト16には、画像形成ユニット11~14各々の前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像が転写される。二次転写ローラー17は、中間転写ベルト16の表面に転写されたトナー像をシート搬送部4によって搬送されるシートに転写する。定着装置18は、二次転写ローラー17によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。排紙トレイ19には、定着装置18によってトナー像が定着されたシートが排出される。
【0020】
シート搬送部4は、画像形成部3によって画像が形成されるシートを搬送する。例えば、シート搬送部4は、A4縦サイズのシートを搬送する。
【0021】
操作表示部5は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。操作表示部5は、表示部、及び操作部を備える。前記表示部は、制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記表示部は、液晶ディスプレーである。前記操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部7に各種の情報を入力する。例えば、前記操作部は、タッチパネルである。
【0022】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリーである。なお、記憶部6は、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)であってもよい。
【0023】
制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。なお、制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0024】
図2に示されるように、制御部7は、CPU21、ROM22、及びRAM23を備える。CPU21は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM22は、CPU21に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM23は、CPU21が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU21は、ROM22に予め格納された各種の制御プログラムを実行することにより、画像形成装置100を統括的に制御する。なお、制御部7は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されていてもよい。
【0025】
[ADF1、及び画像読取部2の構成]
次に、
図2、及び
図3を参照しつつ、ADF1、及び画像読取部2の構成について説明する。
【0026】
図3に示されるように、ADF1は、原稿載置部31、複数の搬送ローラー32、原稿ガイド33、及び排紙部34を備える。
【0027】
原稿載置部31には、画像読取部2により画像が読み取られる原稿が載置される。原稿載置部31に載置された原稿は、ADF1の筐体内部に形成された搬送路へ搬送される。
【0028】
複数の搬送ローラー32は、前記搬送路に搬送された原稿を画像読取部2による画像の読取位置を経由して排紙部34へ搬送する。
【0029】
原稿ガイド33は、搬送ローラー32によって搬送される原稿を前記読取位置へ案内する。
【0030】
排紙部34には、前記読取位置を通過した原稿が排出される。
【0031】
図3に示されるように、画像読取部2は、原稿台41、読取ユニット42、ミラー43、ミラー44、光学レンズ45、及びCCD46を備える。
【0032】
原稿台41は、画像読取部2の各構成要素を収容する箱状の筐体の上部に設けられる。
図3に示されるように、原稿台41は、第1コンタクトガラス41A、及び第2コンタクトガラス41Bを備える。第1コンタクトガラス41Aは、平板状に形成されたガラスであって、その上面に原稿が載置される。第2コンタクトガラス41Bは、読取ユニット42からADF1によって搬送される原稿へ向けて射出される光を透過する。
【0033】
ADF1は、第1コンタクトガラス41Aに対して開閉可能に取り付けられている。これにより、ADF1は、第1コンタクトガラス41Aに載置される原稿に対する原稿カバーとして機能する。
【0034】
読取ユニット42は、第1コンタクトガラス41A、及び第2コンタクトガラス41Bの下側に設けられる。読取ユニット42は、ステッピングモーター等の駆動部を有する不図示の移動機構によって、副走査方向(
図3における紙面左右方向)へ移動可能に構成されている。
図3に示されるように、読取ユニット42は、白色光源51、及びミラー52を備える。
【0035】
白色光源51は、白色光を射出する。白色光源51は、
図2に示される青色光源53、及び黄色蛍光体54を含む。青色光源53は、RGBのうちのB(青)の光を射出する。青色光源53は、前記副走査方向に直交する主走査方向(
図3における紙面奥行き方向)に沿って配列された複数の青色LEDである。黄色蛍光体54は、青色光源53から射出されるB(青)の光を受光して、RGBのうちR(赤)の光、及びG(緑)の光を射出する。青色光源53から射出されるB(青)の光、並びに黄色蛍光体54から射出されるR(赤)の光、及びG(緑)の光により、白色光源51から射出される白色光が構成される。画像読取部2は、白色光源51を用いて原稿の画像を読み取り、読み取られた原稿の画像に対応するRGB形式の画像データを出力する。B(青)は、本発明の第1色の一例である。また、青色光源53は、本発明の第1光源の一例である。また、白色光源51は、本発明の第2光源の一例である。
【0036】
白色光源51は、第1コンタクトガラス41A、又は第2コンタクトガラス41Bへ向けて前記主走査方向の1ライン分の白色光を射出する。白色光源51から射出された白色光は、第1コンタクトガラス41A、又は第2コンタクトガラス41Bを透過して、第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿、又はADF1によって搬送される原稿に照射される。ミラー52は、白色光源51から射出されて原稿で反射された光をミラー43へ反射する。
【0037】
画像読取部2では、第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿から画像データが読み取られる場合、読取ユニット42が前記副走査方向に沿って移動される。これにより、白色光源51から原稿に照射される白色光が前記副走査方向に沿って走査される。また、画像読取部2では、ADF1によって搬送される原稿から画像データが読み取られる場合、読取ユニット42が第2コンタクトガラス41Bの下方の位置に配置される。これにより、白色光源51から射出される白色光が第2コンタクトガラス41Bを透過して、ADF1によって搬送される原稿に照射される。
【0038】
ミラー43は、読取ユニット42のミラー52で反射された光をミラー44へ反射する。ミラー44は、ミラー43で反射された光を光学レンズ45へ反射する。光学レンズ45は、ミラー44で反射された光を集光してCCD46へ入射させる。
【0039】
CCD46は、前記主走査方向に沿って配列された複数の光電変換素子を有するイメージセンサーである。CCD46は、受光した光の光量に応じた電気信号を出力する。画像読取部2では、白色光源51から射出されて原稿で反射された光がミラー52、ミラー43、ミラー44、及び光学レンズ45を経由してCCD46に入射される。これにより、CCD46から原稿の画像に対応するアナログの電気信号が出力される。CCD46から出力されるアナログの電気信号は、不図示のAFE(アナログフロントエンド)回路によってデジタルの電気信号(画像データ)に変換されて、制御部7に入力される。
【0040】
画像形成装置100では、画像形成部3を調整する調整処理が実行される。具体的に、前記調整処理では、画像形成部3が用いられて、CMYKの各色に対応する互いに濃度が異なる複数のカラーパッチが形成された調整用シートが出力される。また、前記調整処理では、画像読取部2が用いられて、前記調整用シートに含まれる前記カラーパッチ各々に対応する調整用画像データが取得される。そして、前記調整処理では、取得された複数の前記調整用画像データに基づいて、画像形成部3が調整される。例えば、前記調整処理では、ハーフトーン処理における各色のトナーのドット面積率が調整される。
【0041】
例えば、前記調整用シートには、C(シアン)の濃度が10%(パーセント)から10%(パーセント)刻みで100%(パーセント)までの10個のC(シアン)の前記カラーパッチが形成される。C(シアン)の前記カラーパッチ各々は、C(シアン)のトナーのみによって形成された矩形状の画像である。例えば、10個のC(シアン)の前記カラーパッチは、シート搬送部4によって搬送されるA4縦サイズのシートにおいて、当該シートの長手方向に沿って並ぶように形成される。
【0042】
また、前記調整用シートには、M(マゼンタ)の濃度が10%(パーセント)から10%(パーセント)刻みで100%(パーセント)までの10個のM(マゼンタ)の前記カラーパッチが形成される。M(マゼンタ)の前記カラーパッチ各々は、M(マゼンタ)のトナーのみによって形成された矩形状の画像である。例えば、10個のM(マゼンタ)の前記カラーパッチは、シート搬送部4によって搬送されるA4縦サイズのシートにおいて、当該シートの長手方向に沿って並ぶように形成される。
【0043】
また、前記調整用シートには、Y(イエロー)の濃度が10%(パーセント)から10%(パーセント)刻みで100%(パーセント)までの10個のY(イエロー)の前記カラーパッチが形成される。Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々は、Y(イエロー)のトナーのみによって形成された矩形状の画像である。例えば、10個のY(イエロー)の前記カラーパッチは、シート搬送部4によって搬送されるA4縦サイズのシートにおいて、当該シートの長手方向に沿って並ぶように形成される。
【0044】
また、前記調整用シートには、K(ブラック)の濃度が10%(パーセント)から10%(パーセント)刻みで100%(パーセント)までの10個のK(ブラック)の前記カラーパッチが形成される。K(ブラック)の前記カラーパッチ各々は、K(ブラック)のトナーのみによって形成された矩形状の画像である。例えば、10個のK(ブラック)の前記カラーパッチは、シート搬送部4によって搬送されるA4縦サイズのシートにおいて、当該シートの長手方向に沿って並ぶように形成される。
【0045】
ところで、青色光源53の発光光量のバラつきに起因する影響を抑制するために、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるRGB値のうちのB値を補正する画像処理装置が関連技術として知られている。具体的に、前記関連技術に係る画像処理装置では、画像読取部2が用いられて、画像読取部2の調整に用いられる予め定められた調整用原稿に含まれるC(シアン)の第1基準画像に対応する第1基準画像データが取得される。そして、前記関連技術に係る画像処理装置では、取得された前記第1基準画像データに含まれるB値と前記第1基準画像に対応する第1基準値との比が用いられて、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値が補正される。
【0046】
ここで、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度が高くなるほど、当該カラーパッチにおけるB(青)の光の吸収量が多くなり、青色光源53の発光光量のバラつきに起因する当該カラーパッチに対応する前記調整用画像データに含まれるB値のバラつきは大きくなる。しかしながら、前記関連技術に係る画像処理装置では、単一の値が用いられて、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値が補正される。そのため、前記関連技術に係る画像処理装置では、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値を当該カラーパッチの濃度に応じて補正することができない。
【0047】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、青色光源53の発光光量のバラつきに起因する影響を抑制可能である。
【0048】
[制御部7の構成]
以下、
図2を参照しつつ、制御部7の構成についてより詳細に説明する。
【0049】
図2に示されるように、制御部7は、第1取得処理部61、第2取得処理部62、形成処理部63、第3取得処理部64、補正処理部65、及び調整処理部66を含む。
【0050】
具体的に、制御部7のROM22には、CPU21を上述の各機能部として機能させるための動作制御プログラムが予め格納されている。そして、CPU21は、ROM22に格納された前記動作制御プログラムを実行することにより、上述の各機能部として機能する。
【0051】
なお、前記動作制御プログラムは、CD、DVD、及びフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。また、上述の各機能部の一部、又は全部は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものでもよい。また、前記動作制御プログラムは、複数のプロセッサーを制御部7に含まれる各機能部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0052】
第1取得処理部61は、画像読取部2を用いて、CMYのうちB(青)の光を吸収するY(イエロー)の第2基準画像に対応する第2基準画像データを取得する。Y(イエロー)は、本発明の第2色の一例である。
【0053】
例えば、画像形成装置100には、画像読取部2の調整に用いられる前記調整用原稿が予め備え付けられている。前記調整用原稿には、C(シアン)の前記第1基準画像、Y(イエロー)の前記第2基準画像、及びM(マゼンタ)の第3基準画像が含まれる。例えば、前記調整用原稿は、A4サイズの原稿である。
【0054】
前記第1基準画像は、前記調整用原稿の短手方向に長尺なC(シアン)単色の帯状画像である。前記第1基準画像は、予め定められた第1基準濃度で形成される。
【0055】
前記第2基準画像は、前記調整用原稿の短手方向に長尺なY(イエロー)単色の帯状画像である。前記第2基準画像は、予め定められた第2基準濃度で形成される。
【0056】
前記第3基準画像は、前記調整用原稿の短手方向に長尺なM(マゼンタ)単色の帯状画像である。前記第3基準画像は、予め定められた第3基準濃度で形成される。
【0057】
例えば、第1取得処理部61は、操作表示部5において予め定められた第1操作が受け付けられた場合に、ユーザーに対して、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aへの前記調整用原稿の載置を促す旨の第1メッセージを操作表示部5に表示させる。前記第1メッセージには、ユーザーに対して、前記調整用原稿を、当該調整用原稿の短手方向と前記主走査方向とが平行になる姿勢で載置するよう指示する旨のメッセージが含まれる。
【0058】
そして、第1取得処理部61は、前記第1メッセージの後に、操作表示部5において予め定められた実行操作が受け付けられた場合に、画像読取部2を用いて原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿の画像を読み取る画像読取処理を実行する。これにより、画像読取部2により、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿(前記調整用原稿)に含まれる前記第2基準画像が読み取られ、読み取られた前記第2基準画像に対応する前記第2基準画像データが出力される。
【0059】
第2取得処理部62は、第1取得処理部61によって取得される前記第2基準画像データに含まれるRGB値のうちB(青)に対応するB値と、前記第2基準画像に対応する予め定められた第2基準値との比に基づいて決定された基準補正値(本発明の補正係数の一例)を取得する。第2取得処理部62は、本発明の第1取得処理部の一例である。
【0060】
ここで、前記第2基準値は、予め定められた基準光量を射出する青色光源53を含む画像読取部2を用いて前記第2基準画像データを取得した場合の、当該第2基準画像データに含まれるB値である。例えば、前記基準光量は、青色光源53の仕様書に基づいて決定される。
【0061】
具体的に、前記比は、第1取得処理部61によって取得される前記第2基準画像データに含まれるB値に対する、前記第2基準値の割合である。つまり、前記比は、前記第2基準値を、前記第2基準画像データに含まれるB値で除算することによって取得される。また、前記基準補正値は、前記比に予め定められた係数を乗算することによって取得される値である。例えば、前記係数は「1.0」である。なお、前記係数は、「1.0」に限られなくてよい。また、前記比に基づく前記基準補正値の決定方法は、以上に述べた方法に限られなくてよい。また、前記基準補正値は、予め決定されて記憶部6などの記憶装置に格納されていてもよい。この場合、第2取得処理部62は、前記記憶装置から前記基準補正値を読み出すことにより、前記基準補正値を取得すればよい。前記記憶装置は、画像形成装置100の外部に設けられていてもよい。また、前記基準補正値が前記記憶装置から読み出される場合、制御部7は、第1取得処理部61を含んでいなくてもよい。
【0062】
形成処理部63は、画像形成部3を用いて、シートに複数のY(イエロー)の前記カラーパッチを形成する。Y(イエロー)の前記カラーパッチは、本発明の調整用画像の一例である。
【0063】
例えば、形成処理部63は、操作表示部5において予め定められた第2操作が受け付けられた場合に、画像形成部3を用いて、シート搬送部4によって搬送されるシートにCMYKの各色に対応する複数の前記カラーパッチを形成し、当該複数の前記カラーパッチが形成されたシート(前記調整用シート)を出力する。
【0064】
第3取得処理部64は、画像読取部2を用いて、複数のY(イエロー)の前記カラーパッチに対応する複数の前記調整用画像データを取得する。第3取得処理部64は、本発明の第2取得処理部の一例である。
【0065】
例えば、第3取得処理部64は、形成処理部63によって前記調整用シートが出力された場合に、ユーザーに対して、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aへの当該調整用シートの載置を促す旨の第2メッセージを操作表示部5に表示させる。前記第2メッセージには、ユーザーに対して、前記調整用シートを、当該調整用原稿の短手方向と前記主走査方向とが平行になる姿勢で載置するよう指示する旨のメッセージが含まれる。
【0066】
そして、第3取得処理部64は、前記第2メッセージの後に、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられた場合に、前記画像読取処理を実行する。これにより、画像読取部2により、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿(前記調整用シート)に含まれるCMYKの各色に対応する複数の前記カラーパッチが読み取られ、読み取られた前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データが出力される。
【0067】
補正処理部65は、Y(イエロー)の前記カラーパッチに対応する前記調整用画像データ各々を、当該調整用画像データに対応するY(イエロー)の前記カラーパッチと前記第2基準画像との濃度差に応じて修正された前記基準補正値を用いて補正する。なお、以下においては、濃度差に応じて修正された前記基準補正値を、「補正値」と呼称する。
【0068】
例えば、画像形成装置100では、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度と、当該濃度と前記第2基準濃度との差に応じて定められた修正値との対応関係を示すテーブルデータTD10(
図4参照)が、予め記憶部6に格納されている。
【0069】
例えば、補正処理部65は、第2取得処理部62によって前記基準補正値が取得された場合に、テーブルデータTD10を用いて、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記補正値を取得する。具体的に、補正処理部65は、前記基準補正値に対して、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度に対応する前記修正値を乗算することにより、当該濃度に対応する前記補正値を取得する。そして、補正処理部65は、取得されたY(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記補正値を、記憶部6に格納する。
【0070】
また、補正処理部65は、第3取得処理部64によって複数のY(イエロー)の前記カラーパッチに対応する複数の前記調整用画像データが取得された場合に、記憶部6からY(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記補正値を読み出す。そして、補正処理部65は、取得されたY(イエロー)の前記調整用画像データごとに、当該前記調整用画像データに対応する前記補正値を用いて、当該前記調整用画像データを補正する。具体的に、補正処理部65は、前記調整用画像データに対して前記補正値を乗算することにより、当該調整用画像データを補正する。
【0071】
なお、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記修正値は、
図4に示されたものに限られず、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度と前記第2基準濃度との関係に基づいて設定されたものであればよい。
【0072】
調整処理部66は、補正処理部65によって補正されたY(イエロー)の前記調整用画像データ各々に基づいて、画像形成部3を調整する。
【0073】
例えば、調整処理部66は、補正処理部65によって補正されたY(イエロー)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるY(イエロー)のトナーのドット面積率を調整する。
【0074】
また、調整処理部66は、第3取得処理部64によって取得されたC(シアン)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるC(シアン)のトナーのドット面積率を調整する。
【0075】
また、調整処理部66は、第3取得処理部64によって取得されたM(マゼンタ)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるM(マゼンタ)のトナーのドット面積率を調整する。
【0076】
また、調整処理部66は、第3取得処理部64によって取得されたK(ブラック)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるK(ブラック)のトナーのドット面積率を調整する。
【0077】
なお、調整処理部66は、補正処理部65によって補正されたY(イエロー)の前記調整用画像データ各々に基づいて、画像形成ユニット11の前記現像装置の現像ローラーに印加される現像バイアス電圧を調整してもよい。
【0078】
[補正値設定処理]
以下、
図5を参照しつつ、画像形成装置100において制御部7により実行される補正値設定処理の手順の一例とともに、本発明の補正方法の一部について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部7により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記補正値設定処理は、操作表示部5において前記第1操作が受け付けられた場合に実行される。
【0079】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部7は、ユーザーに対して、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aへの前記調整用原稿の載置を促す旨の前記第1メッセージを操作表示部5に表示させる。
【0080】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部7は、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられたか否かを判定する。
【0081】
ここで、制御部7は、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられたと判定すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられていなければ(S12のNo側)、制御部7は、ステップS12で前記実行操作の受け付けを待ち受ける。
【0082】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部7は、画像読取部2を用いて原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿の画像を読み取る前記画像読取処理を実行する。ここで、ステップS11~ステップS13の処理は、制御部7の第1取得処理部61により実行される。
【0083】
これにより、画像読取部2により、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿(前記調整用原稿)に含まれる前記第2基準画像が読み取られ、読み取られた前記第2基準画像に対応する前記第2基準画像データが制御部7に出力される。
【0084】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部7は、ステップS13の処理によって出力された前記第2基準画像データに含まれるB値と、前記第2基準画像に対応する前記第2基準値との前記比に基づいて決定された前記基準補正値を取得する。ここで、ステップS14の処理は、本発明の第1取得ステップの一例であって、制御部7の第2取得処理部62により実行される。
【0085】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部7は、ステップS14の処理によって取得された前記基準補正値、及びテーブルデータTD10(
図4参照)を用いて、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記補正値を取得する。ここで、ステップS15の処理は、制御部7の補正処理部65により実行される。
【0086】
具体的に、制御部7は、ステップS14の処理によって取得された前記基準補正値に対して、Y(イエロー)の前記カラーパッチの濃度に対応する前記修正値を乗算することにより、当該濃度に対応する前記補正値を取得する。
【0087】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部7は、ステップS15の処理によって取得されたY(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記補正値を、記憶部6に格納する。ここで、ステップS16の処理は、制御部7の補正処理部65により実行される。
【0088】
[調整処理]
次に、
図6を参照しつつ、画像形成装置100において制御部7により実行される前記調整処理の手順の一例とともに、本発明の補正方法の残部について説明する。なお、前記調整処理は、操作表示部5において前記第2操作が受け付けられた場合に実行される。
【0089】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部7は、画像形成部3を用いて、シート搬送部4によって搬送されるシートにCMYKの各色に対応する複数の前記カラーパッチを形成し、当該複数の前記カラーパッチが形成されたシート(前記調整用シート)を出力する。ここで、ステップS21の処理は、制御部7の形成処理部63により実行される。
【0090】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部7は、ユーザーに対して、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41AへのステップS21の処理によって出力された前記調整用シートの載置を促す旨の前記第2メッセージを操作表示部5に表示させる。
【0091】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部7は、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられたか否かを判定する。
【0092】
ここで、制御部7は、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられたと判定すると(S23のYes側)、処理をステップS24に移行させる。また、操作表示部5において前記実行操作が受け付けられていなければ(S23のNo側)、制御部7は、ステップS23で前記実行操作の受け付けを待ち受ける。
【0093】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部7は、画像読取部2を用いて原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿の画像を読み取る前記画像読取処理を実行する。ここで、ステップS22~ステップS24の処理は、本発明の第2取得ステップの一例であって、制御部7の第3取得処理部64により実行される。
【0094】
これにより、画像読取部2により、原稿載置部31、又は第1コンタクトガラス41Aに載置された原稿(前記調整用シート)に含まれるCMYKの各色に対応する複数の前記カラーパッチが読み取られ、読み取られた前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データが制御部7に出力される。
【0095】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部7は、ステップS24の処理によって出力されたY(イエロー)の前記調整用画像データ各々を、当該調整用画像データに対応する前記補正値を用いて補正する。ここで、ステップS25の処理は、本発明の補正ステップの一例であって、制御部7の補正処理部65により実行される。
【0096】
具体的に、制御部7は、記憶部6からY(イエロー)の前記カラーパッチの濃度各々に対応する前記補正値を読み出す。そして、制御部7は、取得されたY(イエロー)の前記調整用画像データごとに、当該前記調整用画像データに対応する前記補正値を用いて、当該前記調整用画像データを補正する。具体的に、制御部7は、前記調整用画像データに対して前記補正値を乗算することにより、当該調整用画像データを補正する。
【0097】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部7は、ステップS24の処理によって出力されたCMKの各色に対応する複数の前記調整用画像データ、及びステップS25の処理によって補正されたYに対応する複数の前記調整用画像データに基づいて、画像形成部3を調整する。ここで、ステップS26の処理は、制御部7の調整処理部66により実行される。
【0098】
具体的に、制御部7は、ステップS25の処理によって補正されたY(イエロー)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるY(イエロー)のトナーのドット面積率を調整する。
【0099】
また、制御部7は、ステップS24の処理によって出力されたC(シアン)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるC(シアン)のトナーのドット面積率を調整する。
【0100】
また、制御部7は、ステップS24の処理によって出力されたM(マゼンタ)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるM(マゼンタ)のトナーのドット面積率を調整する。
【0101】
また、制御部7は、ステップS24の処理によって出力されたK(ブラック)の前記調整用画像データ各々に基づいて、ハーフトーン処理におけるK(ブラック)のトナーのドット面積率を調整する。
【0102】
このように、画像形成装置100では、Y(イエロー)の前記調整用画像データ各々が、当該調整用画像データに対応するY(イエロー)の前記カラーパッチと前記第2基準画像との濃度差に応じて修正された前記基準補正値(前記補正値)が用いられて補正される。これにより、Y(イエロー)の前記カラーパッチ各々に対応する前記調整用画像データに含まれるB値を当該カラーパッチの濃度に応じて補正することが可能である。従って、青色光源53の発光光量のバラつきに起因するY(イエロー)の前記調整用画像データに含まれるB値のバラつきを抑制可能である。
【0103】
なお、白色光源51は、青色光源53に替えて、R(赤)(本発明の第1色の他の一例)の光を射出する赤色光源(本発明の第1光源の他の一例)を含んでいてもよい。この場合、CMYのうちR(赤)の光を吸収するC(シアン)が、本発明の第2色の他の一例である。
【0104】
また、白色光源51は、青色光源53に替えて、G(緑)(本発明の第1色の他の一例)の光を射出する緑色光源(本発明の第1光源の他の一例)を含んでいてもよい。この場合、CMYのうちG(緑)の光を吸収するM(マゼンタ)が、本発明の第2色の他の一例である。
【符号の説明】
【0105】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 シート搬送部
5 操作表示部
6 記憶部
7 制御部
11 画像形成ユニット
12 画像形成ユニット
13 画像形成ユニット
14 画像形成ユニット
15 光走査装置
16 中間転写ベルト
17 二次転写ローラー
18 定着装置
19 排紙トレイ
41 原稿台
42 読取ユニット
43 ミラー
44 ミラー
45 光学レンズ
46 CCD
51 白色光源
52 ミラー
53 青色光源
54 黄色蛍光体
61 第1取得処理部
62 第2取得処理部
63 形成処理部
64 第3取得処理部
65 補正処理部
66 調整処理部
100 画像形成装置