(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179759
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電波状況可視化装置、電波状況可視化方法、及び、電波状況可視化プログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 29/08 20060101AFI20241219BHJP
H04B 17/318 20150101ALI20241219BHJP
【FI】
G01R29/08 B
H04B17/318
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098882
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】梶山 晋弘
(72)【発明者】
【氏名】徳満 健太
(72)【発明者】
【氏名】田島 悠紀子
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 倖太
(57)【要約】
【課題】電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援する。
【解決手段】電波状況可視化装置30は、個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報310を取得する環境情報取得部31と、当該環境要因との関係に基づく当該来状況を表す到来状況情報320を取得する到来状況情報取得部32と、取得された環境情報310と到来状況情報320とを表す画像330を生成する生成部33と、画像330を表示装置40に出力する出力部34と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得する到来状況情報取得手段と、
取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成する生成手段と、
前記画像を表示装置に出力する出力手段と、
を備える電波状況可視化装置。
【請求項2】
前記生成手段は、実際の空間を、仮想現実、拡張現実、あるいは複合現実により表した前記画像を生成する、
請求項1に記載の電波状況可視化装置。
【請求項3】
前記環境情報を変更するための入力情報を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記環境情報取得手段は、前記入力情報に基づいて前記環境情報を変更し、
前記到来状況情報取得手段は、前記入力情報に基づいて変更された前記環境情報から算出される前記到来状況情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の電波状況可視化装置。
【請求項4】
前記環境情報は、電波の発生源の位置、電波の発生源から出力される電波の強さ、及び電波の到来を阻害する阻害要因の少なくともいずれかを表す、
請求項1または請求項2に記載の電波状況可視化装置。
【請求項5】
前記生成手段は、個々の場所に関する前記到来状況に応じて個々の場所に関する前記画像を表す態様を変更し、前記阻害要因を所定の態様により表した前記画像を生成する、
請求項4に記載の電波状況可視化装置。
【請求項6】
前記環境情報は、前記阻害要因として、障害物の存在状況を表す情報、植生の状況を表す情報、及び天候に関する情報の少なくともいずれかを含む、
請求項4に記載の電波状況可視化装置。
【請求項7】
前記到来状況情報は、電波の強度、及び電波の品質の少なくもいずれかを表す、
請求項1または請求項2に記載の電波状況可視化装置。
【請求項8】
前記到来状況情報取得手段は、特定の場所における前記到来状況の測定値を取得し、前記測定値を用いて、前記特定の場所とは異なる場所における前記到来状況を算出する、
請求項1または請求項2に記載の電波状況可視化装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得し、
前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得し、
取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成し、
前記画像を表示装置に出力する、
電波状況可視化方法。
【請求項10】
個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得する環境情報取得処理と、
前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得する到来状況情報取得処理と、
取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成する生成処理と、
前記画像を表示装置に出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるための電波状況可視化プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波状況可視化装置、電波状況可視化方法、及び、電波状況可視化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、警察や消防等における無線通信など、無線通信は様々な場所において行われており、無線通信が利用可能な場所を容易に特定できるように電波の到来状況を可視化する技術が期待されている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、電波の到来状況を視覚的に把握するための無線測定システムが開示されている。このシステムは、カメラ装置と、複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置と、を備える。このシステムは、複数のアンテナ素子の少なくとも一部において受信された同期信号のチャネル推定結果に基づいて、当該同期信号の到来角度毎の電波伝搬特性を示す情報を生成する信号処理装置を備える。そしてこのシステムは、各到来角度に応じた角度範囲をカメラ装置によって撮像した画像データと電波伝搬特性を示す情報とを合成して表示装置へ出力する画像処理装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
個々の場所における電波の到来状況は、例えば、電波の伝搬に影響を及ぼす障害物の存在状況等を含む様々な環境要因に依存する。そして現時点で電波の到来状況が悪く無線通信を行うことが困難な場所であっても、上述した障害物を移動させることなどの施策を行うことによって、電波の到来状況を改善することができる。即ち、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することが課題である。上述した特許文献1は、このような課題を解決するのに十分であるとは言えない。
【0006】
本発明の主たる目的は、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電波状況可視化装置は、個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得する到来状況情報取得手段と、取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成する生成手段と、前記画像を表示装置に出力する出力手段と、を備える。
【0008】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る電波状況可視化方法は、情報処理装置によって、個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得し、前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得し、取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成し、前記画像を表示装置に出力する。
【0009】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る電波状況可視化プログラムは、個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得する環境情報取得処理と、前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得する到来状況情報取得処理と、取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成する生成処理と、前記画像を表示装置に出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる。
【0010】
更に、本発明は、係る電波状況可視化プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示に係る電波状況可視化装置10の構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示に係る電波状況可視化装置10が、環境情報161及び到来状況情報164を管理端末21の表示画面210に表示する表示態様の第1の例を表す図である。
【
図3】本開示に係る電波状況可視化装置10が、環境情報161及び到来状況情報164を管理端末21の表示画面210に表示する表示態様の第2の例を表す図である。
【
図4】本開示に係る電波状況可視化装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本開示に係る電波状況可視化装置30の構成を示すブロック図である。
【
図6】本開示に係る電波状況可視化装置30の動作を示すフローチャートである。
【
図7】本開示に係る電波状況可視化装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本開示に係る電波状況可視化装置10の構成を示すブロック図である。電波状況可視化装置10は、対象とする領域における、無線通信で使用する電波の到来状況を可視化する装置である。電波状況可視化装置10は、管理端末21と、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。電波状況可視化装置10は、また、1以上の測定機器22と、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている場合がある。
【0015】
管理端末21は、電波状況可視化装置10の利用者が使用する、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置であり、表示装置の一例である。管理端末21は、利用者による入力操作を受け付け、利用者によって入力された情報を電波状況可視化装置10に対して入力する。管理端末21は、表示画面210を備え、電波状況可視化装置10から出力された情報を表示画面に表示する。表示画面210は、所定の場所に設置されたモニターに備えられてもよいし、ヘッドマウントディスプレイやスマートグラスのような機器に備えられてもよい。
【0016】
測定機器22は、特定の場所に設置された、無線通信で使用する電波の到来状況を測定可能なセンサであり、電波の到来状況測定値220を電波状況可視化装置10に送信する。電波の到来状況測定値220は、測定機器22が設置された場所における、例えば電波の強度、通信品質(S(Signal)/N(Noise)比)等を含む。
【0017】
電波状況可視化装置10は、例えばサーバ等の情報処理装置である。電波状況可視化装置10は、例えば、クラウドコンピューティングの環境において、サービスを提供するサーバとして構築された装置でもよい。
【0018】
電波状況可視化装置10は、環境情報取得部11、到来状況情報取得部12、生成部13、出力部14、受付部15、記憶部16を備える。環境情報取得部11、到来状況情報取得部12、生成部13、出力部14、受付部15は、順に、環境情報取得手段、到来状況情報取得手段、生成手段、出力手段、受付手段の一例である。
【0019】
記憶部16は、例えば、
図7を参照して後述するRAM(Random Access Memory)あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部16は、電波状況可視化装置10と通信可能な1以上の外部の装置に備えられてもよい。記憶部16は、環境情報161、到来状況情報164、到来状況算出基準167、入力情報168を記憶している。記憶部16に記憶されたこれらの情報については後述する。
【0020】
環境情報取得部11は、電波の到来状況を可視化する対象領域における個々の場所における電波の到来状況と関係がある(電波の到来状況に影響を及ぼす)環境要因を表す環境情報161を、例えば、電波状況可視化装置10と通信可能に接続された外部の装置から取得する。但し、電波の到来状況を可視化する対象領域は、利用者による管理端末21に対する入力操作等を介して指定されることとする。環境情報取得部11は、例えば、利用者による管理端末21への入力操作を介して、環境情報161を取得してもよい。環境情報取得部11は、取得した環境情報161を記憶部16に格納する。
【0021】
環境情報161は、例えば、発生源情報162及び阻害要因情報163の少なくともいずれかを含む。発生源情報162は、例えば、電波の発生源の位置、及び、電波の発生源から出力される電波の強さの少なくともいずれかを表す。電波の発生源は、例えば、携帯電話の基地局、及び、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント等を含む。阻害要因情報163は、電波の到来を阻害する要因を表し、阻害要因として、例えば、障害物(建造物)の存在状況(存在する場所、材質、形状等を含む)を表す情報、植生の状況を表す情報、及び天候に関する情報の少なくともいずれかを含む。
【0022】
電波の到来を阻害する度合いは、例えば、障害物(建造物)の材質や形状等に依存する。電波の到来を阻害する度合いは、例えば、季節によって変化する植物の葉の状態等に依存し、葉の量が多くなるほど、その度合いも大きくなる。電波の到来を阻害する度合いは、例えば、降水量が多くなるほど、その度合いも大きくなる。
【0023】
到来状況情報取得部12は、環境情報161によって示される環境要因との関係に基づく(環境要因による影響を受けた)、対象とする領域における個々の場所における電波の到来状況を表す到来状況情報164を取得する。到来状況情報取得部12は、取得した到来状況情報164を記憶部16に格納する。
【0024】
到来状況情報164は、例えば、対象領域における個々の場所における電波の強度165及び電波の品質166の少なくともいずれかを含む。電波の品質166は、例えば、電波のS/N比等により表される。
【0025】
到来状況情報取得部12は、対象領域における個々の場所に関して、例えば、環境情報161と到来状況算出基準167とに基づいて、到来状況情報164を生成してもよい。但し、到来状況算出基準167は、例えば、環境情報161に含まれる発生源情報162及び阻害要因情報163から、到来状況情報164に含まれる電波の強度165及び電波の品質166を算出するための既存技術に基づく算出式を表す。到来状況算出基準167は、例えば、利用者によって電波状況可視化装置10に与えられてもよいし、電波状況可視化装置10が通信可能な外部の装置から取得してもよい。
【0026】
到来状況情報取得部12は、また、個々の場所における電波の強度165及び電波の品質166を算出する際に、複数の障害物の個々に関して、電波の強度165及び電波の品質166への影響の度合いを表す値を算出してもよい。
【0027】
到来状況情報取得部12は、また、測定機器22から受信した到来状況測定値220を踏まえて、電波の強度165及び電波の品質166を算出してもよい。到来状況情報取得部12は、例えば、電波の強度165及び電波の品質166に関して、到来状況算出基準167を用いて算出した値と到来状況測定値220とを比較し、算出した値が到来状況測定値220に近づくように、到来状況算出基準167が表す算出式に含まれるパラメータの値を調整してもよい。これにより、到来状況情報取得部12は、測定機器22が設置された特定の場所とは異なる場所における電波の強度165及び電波の品質166をより正確に算出することができる。
【0028】
生成部13は、環境情報取得部11によって取得された環境情報161と、到来状況情報取得部12によって取得された到来状況情報164とを表す画像を生成する。生成部13は、対象とする領域の実際の空間を、例えば、仮想現実(Virtual Reality:VR)、拡張現実(Augmented Reality:AR)、あるいは複合現実(Mixed Reality:MR)により表した画像を生成してもよい。
【0029】
出力部14は、生成部13によって生成された画像を管理端末21の表示画面210に表示する。
【0030】
図2は、本開示に係る電波状況可視化装置10が環境情報161及び到来状況情報164を管理端末21の表示画面210に表示する表示態様の第1の例を表す図である。
【0031】
図2に示す例において、生成部13は、対象領域内の各場所における、電波発生源から発せられた電波の強度165及び電波の方向を矢印により表した画像を生成する。
図2に例示する画像において、矢印の太さが太いほど電波の強度165が強いことを表す。
図2に例示する通り、電波の強度165を示す矢印の太さは、電波発生源からの距離が遠くなるほど細く(即ち、電波の強度165が弱く)なる。
図2に例示する画像において、電波発生源から出る矢印の太さは、発生源情報162によって表される、電波発生源から出力される電波の強度165を表している。また、
図2に例示する通り、各障害物において電波発生源が位置する方向とは反対側の方向の近辺では、各障害物によって電波の到来が阻害されることによって電波の強度165が大きく低下し、各障害物から離れると、各障害物の近辺よりも電波の強度165が強くなる。
【0032】
生成部13は、
図2に例示する矢印に、到来状況情報取得部12によって算出された、その場所における電波の強度165及び電波の品質166の少なくともいずれかを示す値を表示してもよい。生成部13は、また、
図2に例示する矢印に、到来状況情報取得部12によって算出された、複数の障害物の個々に関する電波の強度165及び電波の品質166への影響の度合いを表す値を表示してもよい。
【0033】
図3は、本開示に係る電波状況可視化装置10が環境情報161及び到来状況情報164を管理端末21の表示画面210に表示する表示態様の第2の例を表す図である。
【0034】
図3に示す例において、生成部13は、対象とする領域内の各場所における、電波発生源から発せられた電波の強度165を表示する輝度により表した画像を生成する。
図3に例示する画像において、輝度が小さい(黒に近い)ほど電波の強度165が強いことを表す。
図2に例示する画像において、電波発生源の近辺の輝度は、発生源情報162によって表される、電波発生源から出力される電波の強度165を表している。
図3に例示する各場所における電波の強度165は、
図2と同様の傾向を示している。
【0035】
生成部13は、
図3に示す例においても、
図2に示す例の場合と同様に、到来状況情報取得部12によって算出された、個々の場所における電波の強度165及び電波の品質166の少なくともいずれかを示す値を表示してもよい。生成部13は、また、
図2に示す例の場合と同様に、到来状況情報取得部12によって算出された、個々の場所における、複数の障害物の個々に関する電波の強度165及び電波の品質166への影響の度合いを表す値を表示してもよい。
【0036】
生成部13は、電波発生源から発せられた電波の強度165を表示する輝度により表した画像を生成する場合、
図3とは異なる態様で画像を生成してもよい。生成部13は、例えば、輝度が大きい(白に近い)ほど電波の強度165が強いことを表す画像を生成してもよい。生成部13は、あるいは、電波の強度165の違いを表示する色によって表す画像を生成してもよい。生成部13は、例えば、電波の強度165が強い場所ほど赤く表示し、電波の強度165が弱い場所ほど青く表示するようにしてもよい。
【0037】
尚、
図2及び
図3は、環境情報161及び到来状況情報164を管理端末21の表示画面210に表示する表示態様の一例を表し、生成部13は、これとは異なる表示態様により環境情報161及び到来状況情報164を表した画面を生成してもよい。
【0038】
また、
図2及び
図3に例示する電波の強度165は、本実施形態の説明のために模式的に示したものであり、実際には、各場所における電波の強度165は、
図2及び
図3に例示する電波の強度165とは異なる場合がある。
【0039】
生成部13は、例えば、環境情報161と到来状況情報164とを表す仮想現実による画像を生成する場合、発生源情報162によって表される電波発生源を表す画像を生成し、阻害要因情報163によって表される障害物(阻害要因)を表す画像を生成する。生成部13は、その際、電波発生源と障害物とを区別するための情報を、生成する画像に付加してもよい。生成部13は、例えば、
図2及び
図3に例示する様に、「電波発生源」という文字を画像における電波発生源の部分に表示し、「障害物」という文字を画像における障害物の部分に表示した画像を生成してもよい。生成部13は、あるいは、電波発生源と障害物とを異なる色で表示した画像を生成してもよい。
【0040】
生成部13は、例えば、環境情報161と到来状況情報164とを表す拡張現実あるいは複合現実による画像を生成する場合、
図1に図示しないカメラによって対象領域が撮像された画像に対して、電波発生源と障害物とを区別するための情報を付加してよい。生成部13は、仮想現実による画像を生成する場合と同様に、例えば、「電波発生源」という文字をカメラによる撮像画像における電波発生源の部分に表示し、「障害物」という文字をカメラによる撮像画像における障害物の部分に表示した画像を生成してもよい。生成部13は、あるいは、カメラによる撮像画像に含まれる電波発生源と障害物とを異なる色で表示した画像を生成してもよい。
【0041】
受付部15は、管理端末21に対する利用者による入力操作を介して入力された、環境情報161を変更することを表す入力情報168を管理端末21から受け付ける。受付部15は受け付けた入力情報168を記憶部16に格納する。
【0042】
入力情報168は、例えば、電波発生源の設置場所を変更すること、あるいは、電波発生源からの電波の出力強度を変更すること等を含む。この場合、環境情報取得部11は入力情報168に基づいて、発生源情報162を変更する。
【0043】
入力情報168は、例えば、電波の到来を阻害する障害物の設置場所を変更すること、あるいは、素材や形状などが異なる障害物に変更すること等を含む。入力情報168は、あるいは、植生である障害物に関して、現在とは異なる季節における植生の状態(葉の量など)に変更することを含む。入力情報168は、あるいは、対象とする領域の天候を、現在とは異なる状態に変更する(晴天から雨天への変更、降水量の変更等)ことを含む。これらの場合、環境情報取得部11は入力情報168に基づいて、阻害要因情報163を変更する。
【0044】
環境情報取得部11によって、上述した入力情報168に基づく環境情報161の変更が行われた場合、到来状況情報取得部12は、変更された環境情報161と到来状況算出基準167とに基づいて、到来状況情報164を更新する。生成部13は、更新された環境情報161と到来状況情報164とを表す画像を生成する。そして、出力部14は生成部13により生成された画像を管理端末21の表示画面210に表示する。
【0045】
また、生成部13は、例えば複合現実により表した画像を生成する場合に、電波発生源及び各障害物に関して、カメラにより撮像された実際の画像を、その設置場所や形状等を変更可能な仮想的な画像に差し替えた画像を生成してもよい。この場合、受付部15は、複合現実の空間において、電波発生源及び各障害物の設置場所あるいは形状等を変更する、利用者による入力操作に合わせて、その変更内容を表す入力情報168をリアルタイムで受け付ける。環境情報取得部11は、当該入力操作に合わせて、環境情報161をリアルタイムで変更し、到来状況情報取得部12は、変更された環境情報161と到来状況算出基準167とに基づいて、到来状況情報164をリアルタイムで更新する。この場合、利用者は、複合現実により表された空間において、電波発生源及び各障害物の設置場所あるいは形状等を変更しながら、各場所における電波の強度165及び電波の品質166等がどのように変化するのかをリアルタイムで確認することができる。このように、生成部13は、仮想現実、拡張現実、複合現実において、利用者による入力情報168に従って障害物を移動させ、障害物が移動した後の電波の到来状況を可視化することもできる。
【0046】
次に
図2のフローチャートを参照して、本開示に係る電波状況可視化装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0047】
環境情報取得部11は、電波の到来状況を可視化する対象領域に関して、環境情報161を取得する(ステップS101)。対象領域内に測定機器22が存在しない場合(ステップS102でNo)、処理はステップS104へ進む。対象領域内に測定機器22が存在する場合(ステップS102でYes)、到来状況情報取得部12は、測定機器22から到来状況測定値220を取得する(ステップS103)。
【0048】
到来状況情報取得部12は、環境情報161と到来状況算出基準167と到来状況測定値220と(S103で取得した場合)に基づいて、到来状況情報164を算出する(ステップS104)。生成部13は、環境情報161と到来状況情報164とを表す画像を生成する(ステップS105)。出力部14は、生成された画像を管理端末21の表示画面210に表示する(ステップS106)。
【0049】
受付部15が環境情報161を変更するための入力情報168を受け付けた場合(ステップS107でYes)、環境情報取得部11は、入力情報168に基づいて環境情報161を変更し(ステップS108)、処理はステップS104へ戻る。受付部15が環境情報161を変更するための入力情報168を受け付けていない場合(ステップS107でNo)、全体の処理は終了する。
【0050】
本開示に係る電波状況可視化装置10は、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することができる。その理由は、電波状況可視化装置10は、電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報161と、当該環境要因との関係に基づく電波の到来状況を表す到来状況情報164を取得し、環境情報161と到来状況情報164とを表す画像を生成して、その画像を表示画面210に表示するからである。
【0051】
以下に、本開示に係る電波状況可視化装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0052】
個々の場所における電波の到来状況は、例えば、電波の伝搬に影響を及ぼす障害物の存在状況等を含む様々な環境要因に依存する。そして現時点で電波の到来状況が悪く無線通信を行うことが困難な場所であっても、上述した障害物を移動させることなどの施策を行うことによって、電波の到来状況を改善することができる。即ち、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することが課題である。
【0053】
このような課題に対して、本開示に係る電波状況可視化装置10は、個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報161を取得する。電波状況可視化装置10は、環境要因との関係に基づく到来状況を表す到来状況情報164を取得する。電波状況可視化装置10は、取得された環境情報161と到来状況情報164とを表す画像を生成し、生成した画像を管理端末21に出力する。即ち、電波状況可視化装置10は、各場所における電波の到来状況を可視化することに加えて、電波の到来状況に影響を及ぼす環境要因も合わせて可視化する。これにより、電波状況可視化装置10は、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することができる。
【0054】
また、本開示に係る電波状況可視化装置10は、環境情報161を変更するための入力情報168を受け付け、入力情報168に基づいて環境情報161を変更し、入力情報168に基づいて変更された環境情報161から算出される到来状況情報164を取得する。これにより、電波状況可視化装置10は、環境情報161を変更することによって電波の強度165及び電波の品質166がどのように変化するのかを利用者に提示できるので、電波の到来状況を改善するための施策の策定をより適切に支援することができる。
【0055】
また、本開示に係る電波状況可視化装置10は、電波の発生源の位置、電波の発生源から出力される電波の強さ、及び電波の到来を阻害する阻害要因の少なくともいずれかを表す、環境情報を取得する。そして、電波状況可視化装置10は、個々の場所に関する到来状況に応じて個々の場所に関する画像を表す態様を変更し、当該阻害要因を所定の態様により表した画像を生成する。これにより、電波状況可視化装置10は、電波の到来状況及び電波の到来状況に影響を及ぼす要因を、利用者にわかりやすく提示することができるので、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することができる。
【0056】
また、本開示に係る生成部13は、電波の到来状況に影響を及ぼす環境情報を利用者が容易に把握できるようにすることにとどまらず、電波の到来状況を改善するための施策を生成し、出力部14を介して利用者に提示するようにしてもよい。但しこの場合、環境情報161と到来状況情報164とから改善施策を生成するための基準が、利用者などによって電波状況可視化装置10に与えられていることとする。尚、当該基準は、例えば、環境情報161と到来状況情報164と改善施策との関係を学習した学習モデルとして生成されてもよい。
【0057】
また、本開示に係る電波状況可視化装置10は、特定の場所における到来状況測定値220を取得し、到来状況測定値220を用いて、その特定の場所とは異なる場所における電波の到来状況を算出する。即ち、電波状況可視化装置10は、電波の到来状況を算出する際に到来状況測定値220を活用することによって、電波の到来状況をより正確に算出することができる。
【0058】
<第2の実施形態>
図5は、本開示に係る電波状況可視化装置30の構成を示すブロック図である。
【0059】
本実施形態に係る電波状況可視化装置30は、環境情報取得部31、到来状況情報取得部32、生成部33、出力部34を備えている。環境情報取得部31、到来状況情報取得部32、生成部33、出力部34は、順に、環境情報取得手段、到来状況情報取得手段、生成手段、出力手段の一例である。
【0060】
環境情報取得部31は、個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報310を取得する。環境情報310は、例えば、電波状況可視化装置10に係る環境情報161と同様な情報である。環境情報取得部31は、例えば、電波状況可視化装置10に係る環境情報取得部11と同様に動作する。
【0061】
到来状況情報取得部32は、当該環境要因との関係に基づく当該到来状況を表す到来状況情報320を取得する。到来状況情報320は、例えば、電波状況可視化装置10に係る到来状況情報164と同様な情報である。到来状況情報取得部32は、例えば、電波状況可視化装置10に係る到来状況情報取得部12と同様に動作する。
【0062】
生成部33は、取得された環境情報310と到来状況情報320とを表す画像330を生成する。画像330は、例えば、電波状況可視化装置10に係る生成部13によって生成される画像と同様な画像である。生成部33は、例えば、電波状況可視化装置10に係る生成部13と同様に動作する。
【0063】
出力部34は、画像330を表示装置40に出力する。表示装置40は、例えば、電波状況可視化装置10と通信可能に接続された管理端末21と同様な装置である。出力部34は、例えば、電波状況可視化装置10に係る出力部14と同様に動作する。
【0064】
次に
図6のフローチャートを参照して、本開示に係る電波状況可視化装置30の動作(処理)について詳細に説明する。
【0065】
環境情報取得部31は、環境情報310を取得する(ステップS201)。到来状況情報取得部32は、到来状況情報320を取得する(ステップS202)。生成部33は、環境情報310と到来状況情報320とを表す画像330を生成する(ステップS203)。出力部34は、画像330を表示装置40に出力し(ステップS204)、全体の処理は終了する。
【0066】
本開示に係る電波状況可視化装置30は、電波の到来状況を改善するための施策の策定を適切に支援することができる。その理由は、電波状況可視化装置30は、電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報310と、当該環境要因との関係に基づく電波の到来状況を表す到来状況情報320を取得し、環境情報310と到来状況情報320とを表す画像330を生成して、画像330を表示装置40に出力するからである。
【0067】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1、及び、
図5に示した電波状況可視化装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1、及び、
図5において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・環境情報取得部11及び31、
・到来状況情報取得部12及び32、
・生成部13及び33、
・出力部14及び34、
・受付部15、
・記憶部16における記憶制御機能。
【0068】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図7を参照して説明する。
【0069】
図7は、本開示に係る電波状況可視化装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図7は、
図1及び
図5に示した電波状況可視化装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。但し、上述した電波状況可視化装置における各部は、複数の情報処理装置900に分散して設けられてもよいし、その少なくとも一部の機能がクラウドコンピューティングの環境を構成するサーバ等に設けられてもよい。
【0070】
図7に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0071】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。情報処理装置900は、また、上述した構成の一部を備えない場合もある。
【0072】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、
図7に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1及び
図5)における上述した構成、或いはフローチャート(
図2及び
図6)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0073】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0074】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0075】
尚、上述した各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。しかしながら、上述した各実施形態により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
【0076】
(付記1)
個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得する到来状況情報取得手段と、
取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成する生成手段と、
前記画像を表示装置に出力する出力手段と、
を備える電波状況可視化装置。
【0077】
(付記2)
前記生成手段は、実際の空間を、仮想現実、拡張現実、あるいは複合現実により表した前記画像を生成する、
付記1に記載の電波状況可視化装置。
【0078】
(付記3)
前記環境情報を変更するための入力情報を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記環境情報取得手段は、前記入力情報に基づいて前記環境情報を変更し、
前記到来状況情報取得手段は、前記入力情報に基づいて変更された前記環境情報から算出される前記到来状況情報を取得する、
付記1または付記2に記載の電波状況可視化装置。
【0079】
(付記4)
前記環境情報は、電波の発生源の位置、電波の発生源から出力される電波の強さ、及び電波の到来を阻害する阻害要因の少なくともいずれかを表す、
付記1または付記2に記載の電波状況可視化装置。
【0080】
(付記5)
前記生成手段は、個々の場所に関する前記到来状況に応じて個々の場所に関する前記画像を表す態様を変更し、前記阻害要因を所定の態様により表した前記画像を生成する、
付記4に記載の電波状況可視化装置。
【0081】
(付記6)
前記環境情報は、前記阻害要因として、障害物の存在状況を表す情報、植生の状況を表す情報、及び天候に関する情報の少なくともいずれかを含む、
付記4に記載の電波状況可視化装置。
【0082】
(付記7)
前記到来状況情報は、電波の強度、及び電波の品質の少なくもいずれかを表す、
付記1または付記2に記載の電波状況可視化装置。
【0083】
(付記8)
前記到来状況情報取得手段は、特定の場所における前記到来状況の測定値を取得し、前記測定値を用いて、前記特定の場所とは異なる場所における前記到来状況を算出する、
付記1または付記2に記載の電波状況可視化装置。
【0084】
(付記9)
情報処理装置によって、
個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得し、
前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得し、
取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成し、
前記画像を表示装置に出力する、
電波状況可視化方法。
【0085】
(付記10)
実際の空間を、仮想現実、拡張現実、あるいは複合現実により表した前記画像を生成する、
付記9に記載の電波状況可視化方法。
【0086】
(付記11)
前記環境情報を変更するための入力情報を受け付け、
前記入力情報に基づいて前記環境情報を変更し、
前記入力情報に基づいて変更された前記環境情報から算出される前記到来状況情報を取得する、
付記9または付記10に記載の電波状況可視化方法。
【0087】
(付記12)
前記環境情報は、電波の発生源の位置、電波の発生源から出力される電波の強さ、及び電波の到来を阻害する阻害要因の少なくともいずれかを表す、
付記9または付記10に記載の電波状況可視化方法。
【0088】
(付記13)
個々の場所に関する前記到来状況に応じて個々の場所に関する前記画像を表す態様を変更し、前記阻害要因を所定の態様により表した前記画像を生成する、
付記12に記載の電波状況可視化方法。
【0089】
(付記14)
前記環境情報は、前記阻害要因として、障害物の存在状況を表す情報、植生の状況を表す情報、及び天候に関する情報の少なくともいずれかを含む、
付記12に記載の電波状況可視化方法。
【0090】
(付記15)
前記到来状況情報は、電波の強度、及び電波の品質の少なくもいずれかを表す、
付記9または付記10に記載の電波状況可視化方法。
【0091】
(付記16)
特定の場所における前記到来状況の測定値を取得し、前記測定値を用いて、前記特定の場所とは異なる場所における前記到来状況を算出する、
付記9または付記10に記載の電波状況可視化方法。
【0092】
(付記17)
個々の場所における電波の到来状況と関係がある環境要因を表す環境情報を取得する環境情報取得処理と、
前記環境要因との関係に基づく前記到来状況を表す到来状況情報を取得する到来状況情報取得処理と、
取得された前記環境情報と前記到来状況情報とを表す画像を生成する生成処理と、
前記画像を表示装置に出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるための電波状況可視化プログラム。
【0093】
(付記18)
前記生成処理は、実際の空間を、仮想現実、拡張現実、あるいは複合現実により表した前記画像を生成する、
付記17に記載の電波状況可視化プログラム。
【0094】
(付記19)
前記環境情報を変更するための入力情報を受け付ける受付処理を、さらに前記コンピュータに実行させ、
前記環境情報取得処理は、前記入力情報に基づいて前記環境情報を変更し、
前記到来状況情報取得処理は、前記入力情報に基づいて変更された前記環境情報から算出される前記到来状況情報を取得する、
付記17または付記18に記載の電波状況可視化プログラム。
【0095】
(付記20)
前記環境情報は、電波の発生源の位置、電波の発生源から出力される電波の強さ、及び電波の到来を阻害する阻害要因の少なくともいずれかを表す、
付記17または付記18に記載の電波状況可視化プログラム。
【0096】
(付記21)
前記生成処理は、個々の場所に関する前記到来状況に応じて個々の場所に関する前記画像を表す態様を変更し、前記阻害要因を所定の態様により表した前記画像を生成する、
付記20に記載の電波状況可視化プログラム。
【0097】
(付記22)
前記環境情報は、前記阻害要因として、障害物の存在状況を表す情報、植生の状況を表す情報、及び天候に関する情報の少なくともいずれかを含む、
付記20に記載の電波状況可視化プログラム。
【0098】
(付記23)
前記到来状況情報は、電波の強度、及び電波の品質の少なくもいずれかを表す、
付記17または付記18に記載の電波状況可視化プログラム。
【0099】
(付記24)
前記到来状況情報取得処理は、特定の場所における前記到来状況の測定値を取得し、前記測定値を用いて、前記特定の場所とは異なる場所における前記到来状況を算出する、
付記17または付記18に記載の電波状況可視化プログラム。
【符号の説明】
【0100】
10 電波状況可視化装置
11 環境情報取得部
12 到来状況情報取得部
13 生成部
14 出力部
15 受付部
16 記憶部
161 環境情報
162 発生源情報
163 阻害要因情報
164 到来状況情報
165 電波の強度
166 電波の品質
167 到来状況算出基準
168 入力情報
21 管理端末
210 表示画面
22 測定機器
220 到来状況測定値
30 電波状況可視化装置
31 環境情報取得部
310 環境情報
32 到来状況情報取得部
320 到来状況情報
33 生成部
330 画像
34 出力部
40 表示装置
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース