(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179765
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電子機器の固定具
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20241219BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06F1/16 313C
G06F1/16 312A
H05K5/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098896
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】横田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】川崎 充
(72)【発明者】
【氏名】亀川 和義
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB08
4E360AB42
4E360AD20
4E360BA08
4E360BB22
4E360BC04
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA21
4E360EB01
4E360EC05
4E360ED03
4E360ED12
4E360GA07
4E360GA12
4E360GA51
4E360GA53
4E360GB46
(57)【要約】
【課題】電子機器を装着可能な対象部位が限定されることを抑制するとともに、電子機器の落下を抑制する。
【解決手段】電子機器200の固定具100は、電子機器200が嵌め込まれる枠状の本体部1と、本体部1を対象部位に取り付ける取付部材2と、を備える。本体部1には、電子機器200を挿入可能な挿入口3が形成されている。固定具100が対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の固定具であって、
前記電子機器が嵌め込まれる枠状の本体部と、
前記本体部を対象部位に取り付ける取付部材と、
を備え、
前記本体部には、前記電子機器を挿入可能な挿入口が形成されており、
前記固定具が前記対象部位に固定された状態において、前記挿入口は前記対象部位に向けて開口するように形成された、電子機器の固定具。
【請求項2】
前記本体部は、環状の枠部と、前記枠部に間隔をあけて設けられると共に互いに対向するように形成された第1側片部および第2側片部とを含み、
前記第1側片部および前記第2側片部は、前記枠部から離れる張出方向に張り出しており、
前記第1側片部および前記第2側片部の間の間隔は、前記張出方向に向かうにつれて、狭くなるように形成された、請求項1に記載の電子機器の固定具。
【請求項3】
前記枠部は、一対の長辺部と、一対の短辺部とを含み、
前記本体部は、一方の前記短辺部に形成された第1端片部と、他方の前記短辺部に形成されると共に前記第1端片部と対向する第2端片部とをさらに含み、
前記第1側片部は一方の前記長辺部に形成されており、
前記第2側片部は他方の前記長辺部に形成されており、
前記第1端片部および前記第2端片部は、前記張出方向に張り出すように形成されており、
前記張出方向において、前記第1側片部の端部と、前記第2側片部の端部と、前記第1端片部の端部と、前記第2端片部の端部とは、仮想平面上に位置する、請求項2に記載の電子機器の固定具。
【請求項4】
前記取付部材は、前記張出方向において前記第1端片部の端部に設けられると共に、前記第1端片部の端部から前記第2端片部から離れる方向に突出する、請求項3に記載の電子機器の固定具。
【請求項5】
前記第2端片部は、前記第1端片部と対向する内表面を有し、
前記内表面は、前記張出方向に向かうにつれて、前記第1端片部に近付くように形成された、請求項4に記載の電子機器の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェアラブルデバイス等の電子機器の固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な場面において、ウェアラブルデバイス等の電子機器(以下、単に「電子機器」と称する)が活用されている。これまでにも、ユーザが電子機器を携帯できるように、電子機器の固定具が提案されている。例えば、特表2011-501831号公報(特許文献1)は、USB(Universal Serial Bus)装置が挿入れるスリープを有したリストバンドを開示する。特開平11-18125号公報(特許文献2)は、受信機を装着可能なベルトホルダを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2011-501831号公報
【特許文献2】特開平11-18125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるリストバンドでは、電子機器を手首に装着することを前提としているため、他の部位への装着変更の自由度が小さい。また、特許文献2に開示されるベルトホルダでは、ベルトホルダがベルトに固定された状態において、受信機(電子機器)が当該受信機を挿入可能な開放面から落下する虞がある。
【0005】
本開示は、電子機器を装着可能な対象部位が限定されることを抑制するとともに、電子機器の落下を抑制することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従う電子機器の固定具は、電子機器が嵌め込まれる枠状の本体部と、本体部を対象部位に取り付ける取付部材と、を備える。本体部には、電子機器を挿入可能な挿入口が形成されている。固定具が対象部位に固定された状態において、挿入口は対象部位に向けて開口するように形成されている。
【0007】
好ましくは、本体部は、環状の枠部と、枠部に間隔をあけて設けられると共に互いに対向するように形成された第1側片部および第2側片部とを含む。第1側片部および第2側片部は、枠部から離れる張出方向に張り出している。第1側片部および第2側片部の間の間隔は、張出方向に向かうにつれて、狭くなるように形成されている。
【0008】
好ましくは、枠部は、一対の長辺部と、一対の短辺部とを含む。本体部は、一方の短辺部に形成された第1端片部と、他方の短辺部に形成されると共に第1端片部と対向する第2端片部とをさらに含む。第1側片部は一方の長辺部に形成されている。第2側片部は他方の長辺部に形成されている。第1端片部および第2端片部は、張出方向に張り出すように形成されている。張出方向において、第1側片部の端部と、第2側片部の端部と、第1端片部の端部と、第2端片部の端部とは、仮想平面上に位置する。
【0009】
好ましくは、取付部材は、張出方向において第1端片部の端部に設けられると共に、第1端片部の端部から第2端片部から離れる方向に突出する。
【0010】
好ましくは、第2端片部は、第1端片部と対向する内表面を有する。内表面は、張出方向に向かうにつれて、第1端片部に近付くように形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電子機器を装着可能な対象部位が限定されることを抑制できるとともに、電子機器の落下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1における電子機器の固定具を示す第1の図である。
【
図2】実施の形態1における電子機器の固定具を示す第2の図である。
【
図3】実施の形態1における電子機器の固定具を示す第3の図である。
【
図4】実施の形態1における電子機器の固定具の
図1中に示すIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】実施の形態2における電子機器の固定具を示す図である。
【
図6】実施の形態3における電子機器の固定具を示す第1の図である。
【
図7】実施の形態3における電子機器の固定具を示す第2の図である。
【
図8】実施の形態3における電子機器の固定具の本体部を示す第1の図である。
【
図9】実施の形態3における電子機器の固定具の本体部を示す第2の図である。
【
図10】実施の形態3における電子機器の固定具の本体部を示す第3の図である。
【
図11】実施の形態3における電子機器の固定具の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本開示に従う実施の形態および変形例について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0014】
[実施の形態1]
図1~
図4を参照して、実施の形態1における電子機器の固定具について説明する。
図1は、実施の形態1における電子機器の固定具を示す第1の図である。
図2は、実施の形態1における電子機器の固定具を示す第2の図である。
図3は、実施の形態1における電子機器の固定具を示す第3の図である。
図4は、実施の形態1における電子機器の固定具の
図1中に示すIV-IV線に沿った断面図である。
【0015】
実施の形態1における固定具100は、電子機器200を対象部位に固定するために用いられる。実施の形態1においては、対象部位は、留め針2を刺すことができる部位(例えば、帽子、服、またはカバン等の布地部分を有する部位等)である。
【0016】
固定具100は、電子機器200が嵌め込まれる枠状の本体部1と、本体部1を対象部位に取り付ける留め針2とを備える。留め針2は、本開示における「取付部材」の一例である。留め針2を対象部位に刺すことで、固定具100が対象部位に固定される。本体部1には、電子機器200を挿入可能な挿入口3が形成されている。電子機器200は、挿入口3から出し入れされる。固定具100が対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。そのため、電子機器200が嵌め込まれた固定具100が対象部位に固定された場合、対象部位により電子機器200の落下が抑制される。
【0017】
本体部1は、環状の枠部4と、第1側片部5と、第2側片部6と、第1端片部11と、第2端片部13とを含んでもよい。枠部4は、長辺部7と、長辺部8と、短辺部9と、短辺部10とを含んでもよい。長辺部7および長辺部8は、本開示における「一対の長辺部」の一例である。短辺部9および短辺部10は、本開示における「一対の短辺部」の一例である。第1側片部5と、第2側片部6と、第1端片部11と、第2端片部13とは、挿入口3を規定している。枠部4は、挿入口3と対向する側に窓部15を規定してもよい。窓部15において、電子機器200の一部が露出する。
【0018】
第1側片部5および第2側片部6は、枠部4に間隔をあけて設けられると共に互いに対向するように形成されている。より具体的には、第1側片部5は、長辺部7に形成されている。第2側片部6は、長辺部8に形成されている。第1側片部5および第2側片部6は、枠部4から離れる張出方向Aに張り出している。張出方向Aは、固定具100が対象部位に固定された状態において、枠部4から対象部位に向かう方向を示す。電子機器200が挿入口3に挿入されるときには、第1側片部5および第2側片部6は互いに離れる方向に押し広げられる。
【0019】
第1側片部5および第2側片部6の間の間隔は、張出方向Aに向かうにつれて、狭くなるように形成されてもよい。より具体的には、
図4に示すように、第1側片部5および第2側片部6の間の間隔L2が、第1側片部5および第2側片部6の間の間隔L1よりも短くてもよい。
図4に示す例では、第1側片部5および第2側片部6の湾曲度合いが張出方向Aに向かうにつれて大きくなることにより、第1側片部5および第2側片部6の間の間隔が張出方向Aに向かうにつれて、狭くなっている。第1側片部5および第2側片部6の間の間隔が張出方向Aに向かうにつれて狭くなることにより、第1側片部5および第2側片部6が電子機器200をホールドする力が大きくなり、電子機器200の落下が抑制される。
【0020】
第1端片部11および第2端片部13は、枠部4に間隔をあけて設けられると共に互いに対向するように形成されている。より具体的には、第1端片部11は、短辺部9に形成されている。第2端片部13は、短辺部10に形成されている。第1端片部11および第2端片部13は、枠部4から離れる張出方向Aに張り出している。第2端片部13が枠部4から離れる張出方向Aに張り出していることにより、電子機器200の落下が抑制される。
【0021】
第1端片部11には、支持部22が形成されている。支持部22は、第2端片部13から離れる方向に突出している。支持部22には、孔12が形成されている。孔12には、留め針2が通されている。留め針2は、第1端片部11の端部から第2端片部13から離れる方向に突出していることが好ましい。留め針2が第1端片部11の端部から第2端片部13から離れる方向に突出していることにより、ユーザが電子機器200を本体部1に嵌め込んだり、電子機器200を本体部1から取り外したりする際に留め針2が邪魔にならない。
【0022】
第2端片部13は、第1端片部11と対向する内表面14を有する。内表面14は、張出方向Aに向かうにつれて、第1端片部11に近付くように形成されてもよい。内表面14が張出方向Aに向かうにつれて第1端片部11に近付くように形成されていることにより、電子機器200が本体部1に嵌め込まれる際に、電子機器200が第2端片部13の長手方向Cに滑ることが抑制され、電子機器200が挿入口3から挿入方向Dへ導かれやすくなる。挿入方向Dは、挿入口3から窓部15に向かう方向である。したがって、内表面14が張出方向Aに向かうにつれて第1端片部11に近付くように形成されていることにより、ユーザは、容易に、電子機器200を本体部1に嵌め込むことができる。
【0023】
図2に示すように、張出方向Aにおいて、第1側片部5の端部と、第2側片部6の端部と、第1端片部11の端部と、第2端片部13の端部とは、仮想平面E上に位置することが好ましい。張出方向Aにおいて、第1側片部5の端部と、第2側片部6の端部と、第1端片部11の端部と、第2端片部13の端部とが仮想平面E上に位置することにより、本体部1の挿入口3側の張出方向Aの出っ張りが均等になる。そのため、本体部1を挿入口3を下にして机等の上に置いた場合に、本体部1の一部に負荷がかかることが抑制され、本体部1の破損が抑制される。
【0024】
また、張出方向Aにおいて、第1側片部5の端部と、第2側片部6の端部と、第1端片部11の端部と、第2端片部13の端部とは仮想平面E上に位置し、かつ、張出方向Aにおいて、孔12は第1端片部11の端部に形成されることが好ましい。すなわち、張出方向Aにおいて、第1側片部5の端部と、第2側片部6の端部と、第1端片部11の端部と、第2端片部13の端部とは仮想平面E上に位置し、かつ、留め針2が張出方向Aにおいて第1端片部11の端部に設けられることが好ましい。張出方向Aにおいて、第1側片部5の端部と、第2側片部6の端部と、第1端片部11の端部と、第2端片部13の端部とが仮想平面E上に位置し、かつ、留め針2が張出方向Aにおいて第1端片部11の端部に設けられることにより、固定具100が対象部位に沿うような状態で固定される。そのため、電子機器200の落下がより抑制される。また、固定具100が対象部位に固定されている場合でも、電子機器200を携帯しているユーザの美観を損ねない。
【0025】
第1端片部11と第1側片部5との間には、切り欠き部16が設けられてもよい。第1側片部5と第2端片部13との間には、切り欠き部17が設けられてもよい。第1端片部11と第2側片部6との間には、切り欠き部18が設けられてもよい。第2側片部6と第2端片部13との間には、切り欠き部19が設けられてもよい。電子機器200の外周面は、正面部201と、正面部201と対向する背面部202と、正面部201および背面部202と接する4つの側面部とを含む。4つの側面部のうち隣り合う側面部は湾曲面203,204,205,206で接続されている。切り欠き部16において、湾曲面203が露出する。切り欠き部17において、湾曲面204が露出する。切り欠き部18において、湾曲面205が露出する。切り欠き部19において、湾曲面206が露出する。
【0026】
切り欠き部16,17,18,19において湾曲面203,204,205,206が露出することにより、ユーザは電子機器200を本体部1に嵌め込むとき、または、電子機器200を本体部1から取り外すときに、無理な力を加えずとも電子機器200を出し入れすることができる。そのため、子供や老人など力の弱いユーザでも容易に電子機器200を出し入れすることができる。
【0027】
電子機器200にスピーカーが設けられている場合には、本体部1にはスピーカーを塞がないようにするための孔20が設けられてもよい。電子機器200に操作ボタンが設けられている場合には、電子機器200が本体部1に嵌め込まれた状態でユーザが操作ボタンを操作可能なように、本体部1に操作ボタンが露出する窓部21が設けられてもよい。
【0028】
このように、実施の形態1における固定具100によれば、留め針2を刺すことができる部位(例えば、帽子、服、またはカバン等の布地部分を有する部位等)であれば固定具100を当該部位に固定することができる。また、実施の形態1における固定具100によれば、固定具100が対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。そのため、電子機器200が嵌め込まれた固定具100が対象部位に固定された場合、対象部位により電子機器200の落下が抑制される。したがって、実施の形態1における固定具100は、電子機器200を装着可能な対象部位が限定されることを抑制できるとともに、電子機器200の落下を抑制することができる。そのため、実施の形態1における固定具100は、ユーザの電子機器200の使用場面に柔軟に対応することができる。
【0029】
[実施の形態2]
実施の形態1における固定具100は、挿入口3を覆う蓋を備えていなかった。これに対し、実施の形態2における固定具は、挿入口3の少なくとも一部を覆う蓋を備えている。実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。
【0030】
図5は、実施の形態2における電子機器の固定具を示す図である。実施の形態2における固定具100Aは、電子機器200(
図1参照)が嵌め込まれる枠状の本体部1Aと、本体部1Aを対象部位に取り付ける留め針2と、蓋30とを備える。本体部1Aには、電子機器200を挿入可能な挿入口3が形成されている。電子機器200は、挿入口3から出し入れされる。固定具100Aが対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。蓋30は、挿入口3の少なくとも一部を覆う。
【0031】
本体部1Aは、第1端片部11に替えて第1端片部11Aを含み、第2端片部13に替えて第2端片部13Aを含むが、その他の構成は本体部1と同じである。第1側片部5と、第2側片部6と、第1端片部11Aと、第2端片部13Aとは、挿入口3を規定している。
【0032】
第1端片部11Aには、切り欠き部32が設けられている。第2端片部13Aには、切り欠き部34が設けられている。切り欠き部32以外の構成においては、第1端片部11Aは第1端片部11と実質的に同一である。切り欠き部34以外の構成においては、第2端片部13Aは第2端片部13と実質的に同一である。
【0033】
蓋30は、爪31と、爪33とを含む。爪31は、切り欠き部32と係合するように形成されている。爪33は、切り欠き部34と係合するように形成されている。爪31と切り欠き部32とが係合し、かつ、爪33と切り欠き部34とが係合することにより、本体部1Aと蓋30とが係合し、蓋30により挿入口3の少なくとも一部が覆われる。なお、本体部1Aと蓋30との係合方法は、爪と切り欠き部とによる係合方法に限られない。
【0034】
蓋30には、電子機器200の充電器の充電端子を抜き差し可能な窓部35が設けられてもよい。蓋30に電子機器200の充電器の充電端子を抜き差し可能な窓部35が設けられることにより、電子機器200を充電するために電子機器200を固定具100Aから取り出す必要がない。そのため、ユーザの利便性が向上する。
【0035】
このように、実施の形態2における固定具100Aによれば、留め針2を刺すことができる部位(例えば、帽子、服、またはカバン等の布地部分を有する部位等)であれば固定具100Aを当該部位に固定することができる。また、実施の形態2における固定具100Aによれば、電子機器200が嵌め込まれた本体部1Aの挿入口3の少なくとも一部が蓋30で覆われる。そのため、実施の形態2における固定具100Aによれば、電子機器200の落下が抑制される。したがって、実施の形態2における固定具100Aは、電子機器200を装着可能な対象部位が限定されることを抑制するとともに、電子機器200の落下を抑制することができる。そのため、実施の形態2における固定具100Aは、ユーザの電子機器200の使用場面に柔軟に対応することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2においては、取付部材は留め針2であり、固定具100,100Aが取り付けられる対象部位は、例えば、帽子、服、またはカバン等であった。これに対し、実施の形態3においては、取付部材はベルトであり、固定具が取り付けられる対象部位は、人の腕または人の足等である。実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。
【0036】
図6~
図10を参照して、実施の形態3における電子機器の固定具について説明する。
図6は、実施の形態3における電子機器の固定具を示す第1の図である。
図7は、実施の形態3における電子機器の固定具を示す第2の図である。
図8は、実施の形態3における電子機器の固定具の本体部を示す第1の図である。
図9は、実施の形態3における電子機器の固定具の本体部を示す第2の図である。
図10は、実施の形態3における電子機器の固定具の本体部を示す第3の図である。
【0037】
図6および
図7を参照して、実施の形態3における固定具100Bは、電子機器200が嵌め込まれる枠状の本体部1Bと、本体部1Bを対象部位に取り付けるベルト51,52とを備える。ベルト51,52は、本開示における「取付部材」の一例である。ベルト51,52を対象部位に巻き付けることで、固定具100Bが対象部位に固定される。本体部1Bには、電子機器200を挿入可能な挿入口3が形成されている。電子機器200は、挿入口3から出し入れされる。固定具100Bが対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。そのため、電子機器200が嵌め込まれた固定具100Bが対象部位に固定された場合、対象部位により電子機器200の落下が抑制される。
【0038】
さらに
図8~
図10を参照して、本体部1Bは、第1端片部11に替えて第1端片部11Bを含み、第2端片部13に替えて第2端片部13Bを含むが、その他の構成は本体部1と同じである。第1側片部5と、第2側片部6と、第1端片部11Bと、第2端片部13Bとは、挿入口3を規定している。
【0039】
第1端片部11Bおよび第2端片部13Bは、枠部4に間隔をあけて設けられると共に互いに対向するように形成されている。より具体的には、第1端片部11Bは、短辺部9に形成されている。第2端片部13Bは、短辺部10に形成されている。第1端片部11Bおよび第2端片部13Bは、枠部4から離れる張出方向Aに張り出している。第1端片部11Bおよび第2端片部13Bが枠部4から離れる張出方向Aに張り出していることにより、電子機器200の落下が抑制される。
【0040】
第1端片部11Bの端部には、枠部41が形成されている。枠部41は、第1端片部11Bの端部から第2端片部13Bから離れる方向に突出している。枠部41により規定される挿入口42には、ベルト51(
図6,7参照)が通される。枠部41が第1端片部11Bの端部から第2端片部13Bから離れる方向に突出していることにより、ユーザは、容易に、電子機器200を本体部1Bに嵌め込んだり、電子機器200を本体部1Bから取り外したりすることができる。
【0041】
第2端片部13Bの端部には、枠部43が形成されている。枠部43は、第2端片部13Bの端部から第1端片部11Bから離れる方向に突出している。枠部43により規定される挿入口44には、ベルト52(
図6,7参照)が通される。枠部43が第2端片部13Bの端部から第1端片部11Bから離れる方向に突出していることにより、ユーザは、容易に、電子機器200を本体部1Bに嵌め込んだり、電子機器200を本体部1Bから取り外したりすることができる。
【0042】
図10において、第2端片部13Bは、第1端片部11Bと対向する内表面14Bを有する。内表面14Bは、張出方向Aに向かうにつれて、第1端片部11Bに近付くように形成されてもよい。内表面14Bが張出方向Aに向かうにつれて第1端片部11Bに近付くように形成されていることにより、電子機器200が本体部1Bに嵌め込まれる際に、電子機器200が第2端片部13Bの長手方向Fに滑ることが抑制され、電子機器200が挿入口3から挿入方向Dへ導かれやすくなる。したがって、内表面14Bが張出方向Aに向かうにつれて第1端片部11Bに近付くように形成されていることにより、ユーザは、容易に、電子機器200を本体部1Bに嵌め込むことができる。
【0043】
また、挿入口42は、張出方向Aにおいて第1端片部11Bの端部に形成され、かつ、挿入口44は、張出方向Aにおいて第2端片部13Bの端部に形成されることが好ましい。すなわち、ベルト51が張出方向Aにおいて第1端片部11Bの端部に設けられ、かつ、ベルト52が張出方向Aにおいて第2端片部13Bの端部に設けられることが好ましい。ベルト51が張出方向Aにおいて第1端片部11Bの端部に設けられ、かつ、ベルト52が張出方向Aにおいて第2端片部13Bの端部に設けられることにより、固定具100Bが対象部位に沿うような状態で固定される。そのため、電子機器200の落下がより抑制される。また、固定具100Bが対象部位に固定されている場合でも、電子機器200を携帯しているユーザの美観を損ねない。
【0044】
第1端片部11Bと第1側片部5との間には、切り欠き部16が設けられてもよい。第1側片部5と第2端片部13Bとの間には、切り欠き部17が設けられてもよい。第1端片部11Bと第2側片部6との間には、切り欠き部18が設けられてもよい。第2側片部6と第2端片部13Bとの間には、切り欠き部19が設けられてもよい。切り欠き部16において、湾曲面203が露出する。切り欠き部17において、湾曲面204が露出する。切り欠き部18において、湾曲面205が露出する。切り欠き部19において、湾曲面206が露出する。
【0045】
切り欠き部16,17,18,19において湾曲面203,204,205,206が露出することにより、ユーザは電子機器200を本体部1Bに嵌め込むとき、または、電子機器200を本体部1Bから取り外すときに、無理な力を加えずとも電子機器200を出し入れすることができる。そのため、子供や老人など力の弱いユーザでも容易に電子機器200を出し入れすることができる。
【0046】
このように、実施の形態3における固定具100Bによれば、ベルト51,52を巻き付けることができる部位(例えば、人の腕または人の足等)であれば固定具100Bを当該部位に固定することができる。また、実施の形態3における固定具100Bによれば、固定具100Bが対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。そのため、電子機器200が嵌め込まれた固定具100Bが対象部位に固定された場合、対象部位により電子機器200の落下が抑制される。したがって、実施の形態3における固定具100Bは、電子機器200を装着可能な対象部位が限定されることを抑制するとともに、電子機器200の落下を抑制することができる。そのため、実施の形態3における固定具100Bは、ユーザの電子機器200の使用場面に柔軟に対応することができる。
【0047】
また、実施の形態3における固定具100Bでは、取付部材が2本のベルト(ベルト51およびベルト52)で構成される。そのため、本体部1Bの挿入口3がベルトで覆われていないため、ユーザは容易に電子機器200を出し入れすることができる。
【0048】
なお、
図11に示す固定具100Cのように、取付部材は1本のベルトでもよい。
図11は、実施の形態3における電子機器の固定具の変形例を示す図である。固定具100Cは、取付部材として、ベルト51およびベルト52に替えてベルト53を備える。固定具100Cは、その他の点においては固定具100Bと同じである。ベルト53は、挿入口42および挿入口44に通されている。ベルト53を対象部位に巻き付けることで、固定具100Cが対象部位に固定される。
【0049】
固定具100Cによれば、固定具100Cが対象部位に固定された状態において、挿入口3は対象部位に向けて開口するように形成されている。また、本体部1Bの挿入口3の少なくとも一部はベルト53で覆われる。そのため、電子機器200が嵌め込まれた固定具100Cが対象部位に固定された場合、対象部位とベルト53とにより電子機器200の落下が抑制される。
【0050】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0051】
1,1A,1B 本体部、2 留め針、3,42,44 挿入口、4,41,43 枠部、5 第1側片部、6 第2側片部、7,8 長辺部、9,10 短辺部、11,11A,11B 第1端片部、12,20 孔、13,13A,13B 第2端片部、14,14B 内表面、15,21,35 窓部、16,17,18,19,32,34 切り欠き部、22 支持部、30 蓋、31,33 爪、51,52,53 ベルト、100,100A,100B,100C 固定具、200 電子機器、201 正面部、202 背面部、203,204,205,206 湾曲面、A 張出方向、C,F 長手方向、D 挿入方向、E 仮想平面、L1,L2 間隔。