(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179769
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】フォルダ、バスバー、モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 2/02 20060101AFI20241219BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20241219BHJP
H01G 4/228 20060101ALI20241219BHJP
H01G 9/06 20060101ALI20241219BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01G2/02 101E
H01G2/06 A
H01G2/02 101D
H01G4/228 G
H01G4/228 J
H01G9/06
H05K7/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098901
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000228578
【氏名又は名称】日本ケミコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】井手上 敬
(72)【発明者】
【氏名】黒須 満
(72)【発明者】
【氏名】本田 郁文
(57)【要約】
【課題】バスバーや電子部品の実装を容易にし、ノイズ耐性やインダクタンス抑制を実現する。
【解決手段】モジュール2は、バスバー配置部18の少なくとも一側部または両側部に部品配置部16-1、16-2を備えるフォルダ6と、バスバー7を含み、前記バスバー配置部18に正極バスバー片(正極部40)と負極バスバー片(負極部42)を交互に配置して露出させたバスバー7(正極バスバー8、負極バスバー10)と、前記部品配置部に配列された複数の電子部品4とを含んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーを配置するバスバー配置部を備え、このバスバー配置部に電子部品の正極リードを接続する正極バスバー片、および前記電子部品の負極リードを接続する負極バスバー片を露出させて交互に配置した、フォルダ。
【請求項2】
前記バスバー配置部の少なくとも一側部に部品配置部を備える、請求項1に記載のフォルダ。
【請求項3】
前記バスバー配置部にスリット部を備え、前記スリット部を通過させて電子部品リードを前記正極バスバー片または前記負極バスバー片に配置する、請求項1に記載のフォルダ。
【請求項4】
前記バスバー配置部の一方の側部に第1の部品配置部、前記バスバー配置部の他方の側部に第2の部品配置部を備え、前記第1の部品配置部および前記第2の部品配置部に配置した電子部品を、前記バスバー配置部を挟んで対向させ、前記電子部品の正極リードを共通の前記正極バスバー片、負極リードを共通の前記負極バスバー片に配置する、請求項1または請求項2に記載のフォルダ。
【請求項5】
前記バスバーは、前記正極バスバー片に連接されたバスバー側部を有する正極バスバーと、前記負極バスバー片に連接されたバスバー側部を有する負極バスバーを含み、前記正極バスバーの前記バスバー側部と前記負極バスバーの前記バスバー側部が重ねられて設置された、請求項1または請求項2に記載のフォルダ。
【請求項6】
前記バスバーは、前記正極バスバー片または前記負極バスバー片によって繋ぎ合わされて対向する第一バスバー側部および第二バスバー側部を含む、請求項1または請求項2に記載のフォルダ。
【請求項7】
前記バスバー配置部に前記正極バスバー片と前記負極バスバー片との間に設置されて絶縁する分離壁を備える、請求項1または請求項2に記載のフォルダ。
【請求項8】
正極バスバーと、
負極バスバーと、
前記正極バスバーに備えて電子部品の正極リードに接続される正極バスバー片と、
前記負極バスバーに備えて前記正極バスバー片と交互に配置され、前記電子部品の負極リードに接続される負極バスバー片と、
を含む、バスバー。
【請求項9】
前記正極バスバーを内側にして重ね合わせて前記負極バスバーが配置され、前記負極バスバーに備えた貫通孔から、前記正極バスバー片が露出した、請求項8に記載のバスバー。
【請求項10】
バスバー配置部の少なくとも一側部または両側部に部品配置部を備えるフォルダと、
バスバーと、
前記バスバー配置部に前記バスバーの正極バスバー片と負極バスバー片を交互に配置して露出させたバスバーと、
前記部品配置部に配列された複数の電子部品と、
を含む、モジュール。
【請求項11】
前記バスバー配置部の一側部に第1の部品配置部、前記バスバー配置部の他側部に第2の部品配置部を備え、前記第1の部品配置部および前記第2の部品配置部に配置した各電子部品を、前記バスバー配置部を挟んで対向配置させ、対向する前記電子部品の正極リードを共通の前記正極バスバー片、負極リードが共通の前記負極バスバー片に接続された、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
フォルダのバスバー配置部に正極バスバー片および負極バスバー片を露出させて交互に配置させてバスバーを設置する工程と、
前記フォルダの部品配置部に電子部品を配置するとともに、前記正極バスバー片に正極リード、前記負極バスバー片に負極リードを配置する工程と、
前記正極バスバー片に前記正極リード、前記負極バスバー片に前記負極リードを溶接する工程と、
を含む、モジュールの製造方法。
【請求項13】
前記バスバー配置部および前記部品配置部を含む前記フォルダの製造工程を含む、請求項12に記載のモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の電子部品を実装するフォルダ、バスバー、モジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサなどの複数の有極電子部品を用いる電子機器にあっては、正極バスバーおよび負極バスバーを備えて複数の電子部品を実装したモジュールが用いられている。
【0003】
この電子部品モジュールに関し、対向する正負一対のバスバーを備え、一定の間隔で配列する複数の配線部を並列に形成し、この配線部にコンデンサの正負の端子を交互に配列してコンデンサを接続する、バスバーとコンデンサの組付け構造が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子部品モジュールはたとえば、フォルダに正極バスバーおよび負極バスバーとともに複数の電子部品を実装した一部品を構成し、各種電子機器に実装される。このため、電子部品モジュールは、搭載先の電子機器から外形的ないし機能的な面での制約を受ける。
【0006】
特定の電子機器に対する電子モジュールの搭載空間や配置位置の制約を受ける場合には、電子部品の配置や筐体などに工夫が必要であるし、配線、電極配置、小型・軽量化、実装容易化などの対策が必要である。
【0007】
電気的特性については、電位変動の抑制、ノイズ耐性、インダクタンス抑制などの特性条件を充足することも必要である。
【0008】
そこで、本開示の目的は、上記課題に鑑み、バスバーや電子部品の実装を容易にし、ノイズ耐性やインダクタンス抑制を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本開示のフォルダによれば、バスバーを配置するバスバー配置部を備え、このバスバー配置部に電子部品の正極リードを接続する正極バスバー片、および前記電子部品の負極リードを接続する負極バスバー片を露出させて交互に配置されている。
【0010】
このフォルダにおいて、前記バスバー配置部の少なくとも一側部に部品配置部を備えてもよい。
【0011】
このフォルダにおいて、前記バスバー配置部にスリット部を備え、前記スリット部を通過させて電子部品リードを前記正極バスバー片または前記負極バスバー片に配置してもよい。
【0012】
このフォルダにおいて、前記バスバー配置部の一方の側部に第1の部品配置部、前記バスバー配置部の他方の側部に第2の部品配置部を備え、前記第1の部品配置部および前記第2の部品配置部に配置した電子部品を、前記バスバー配置部を挟んで対向させ、前記電子部品の正極リードを共通の前記正極バスバー片、負極リードを共通の前記負極バスバー片に配置してもよい。
【0013】
このフォルダにおいて、前記バスバーは、前記正極バスバー片に連接されたバスバー側部を有する正極バスバーと、前記負極バスバー片に連接されたバスバー側部を有する負極バスバーを含み、前記正極バスバーの前記バスバー側部と前記負極バスバーの前記バスバー側部が重ねられて設置されてもよい。
【0014】
このフォルダにおいて、前記バスバーは、前記正極バスバー片または前記負極バスバー片によって繋ぎ合わされて対向する第一バスバー側部および第二バスバー側部を含んでもよい。
【0015】
このフォルダにおいて、前記バスバー配置部に前記正極バスバー片と前記負極バスバー片との間に設置されて絶縁する分離壁を備えてもよい。
【0016】
上記目的を達成するため、本開示のバスバーによれば、正極バスバーと、負極バスバーと、前記正極バスバーに備えて電子部品の正極リードに接続される正極バスバー片と、前記負極バスバーに備えて前記正極バスバー片と交互に配置され、前記電子部品の負極リードに接続される負極バスバー片とを含む。
【0017】
このバスバーにおいて、前記正極バスバーを内側にして重ね合わせて前記負極バスバーが配置され、前記負極バスバーに備えた貫通孔から、前記正極バスバー片が露出されてもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本開示のモジュールによれば、バスバー配置部の少なくとも一側部または両側部に部品配置部を備えるフォルダと、バスバーと、前記バスバー配置部に前記バスバーの正極バスバー片と負極バスバー片を交互に配置して露出させたバスバーと、前記部品配置部に配列された複数の電子部品とを含む。
【0019】
このモジュールにおいて、前記バスバー配置部の一側部に第1の部品配置部、前記バスバー配置部の他側部に第2の部品配置部を備え、前記第1の部品配置部および前記第2の部品配置部に配置した各電子部品を、前記バスバー配置部を挟んで対向配置させ、対向する前記電子部品の正極リードを共通の前記正極バスバー片、負極リードが共通の前記負極バスバー片に接続されてもよい。
【0020】
上記目的を達成するため、本開示のモジュールの製造方法によれば、フォルダのバスバー配置部に正極バスバー片および負極バスバー片を露出させて交互に配置させてバスバーを設置する工程と、前記フォルダの部品配置部に電子部品を配置するとともに、前記正極バスバー片に正極リード、前記負極バスバー片に負極リードを配置する工程と、前記正極バスバー片に前記正極リード、前記負極バスバー片に前記負極リードを溶接する工程とを含む。
【0021】
このモジュールの製造方法において、前記バスバー配置部および前記部品配置部を含む前記フォルダの製造工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、次の何れかの効果が得られる。
<フォルダ>
(1) フォルダのバスバー配置部に配置されたバスバーの正極バスバー片および負極バスバー片が露出させて交互に配置されているので、部品配置部に配置した各電子部品の正極リードをフォルダから露出している正極バスバー片、その負極リードを負極バスバー片に配置して接続することができる。
【0023】
<バスバー>
(2) フォルダのバスバー配置部に配置されるバスバーは、正極バスバーおよび負極バスバーを含み、負極バスバーの対向するバスバー側部間に正極バスバーのバスバー側部が配置されるので、モジュールやフォルダ上のバスバーを堅牢化できるとともに、シールド性能を高めることができる。
【0024】
<モジュール>
(3) このモジュールによれば、バスバー配置部の少なくとも一側部または両側部にある部品配置部に電子部品が配置され、各電子部品の正極リードがバスバーの正極バスバー片、その負極リードがバスバーの負極バスバー片に接続され、複数の電子部品をフォルダ上で並列接続または直列接続されたモジュールを提供できる。
【0025】
<モジュールの製造方法>
(4) フォルダのバスバー配置部に正極バスバーおよび負極バスバーを配置し、バスバー配置部の少なくとも一側部または両側部にある部品配置部に電子部品を容易に配置でき、各電子部品の正極リードをバスバーの正極バスバー片、その負極リードを負極バスバー片に配置でき、バスバーと正極リードまたは負極リードの接続性を高め、製造工程の簡略化や迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1のAは、実施例に係る電子部品モジュールを示す斜視図であり、
図1のBは、電子部品の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、電子部品モジュールの等価回路を示す図である。
【
図3】
図3のAは、正極バスバーおよび負極バスバーを示す斜視図であり、
図3のBは、フォルダを除いた電子部品モジュールを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、フォルダの部品配置部に対する電子部品の装着、バスバーと電子部品の接続を示す斜視図である。
【
図5】
図5のAは、部品配置部の電子部品保持構造を示す部分断面図であり、
図5のBは、フォルダ上の電子部品リードの保持および接続構造を示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、フォルダ上の電子部品の配置を示す部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の一実施の形態に係るフォルダ、バスバー、電子部品モジュールはたとえば、
図1ないし
図6に示すように、複数の電子部品4、フォルダ6、バスバーを備える。
【0028】
本開示のフォルダはたとえば、フォルダ6に示すように、バスバー配置部18および部品配置部を備える。部品配置部はたとえば、バスバー配置部18の一方の側部に第1の部品配置部16-1、またはバスバー配置部18の他方の側部に第2の部品配置部16-2を備え、後述の実施例のように部品配置部16-1および部品配置部16-2の双方を備えてもよい。
【0029】
バスバーはたとえば、正極バスバー8および負極バスバー10を備え、正極バスバー8に正極バスバー片、負極バスバー10に負極バスバー片を備える。正極バスバー片および負極バスバー片は、バスバー配置部18から露出させて交互に配置されている。
【0030】
正極バスバー8および正極バスバー片と、負極バスバー10および負極バスバー片は、バスバー配置部18に形成された分離手段を以て分離され、両者間の絶縁が図られている。
【0031】
部品配置部に配置された複数の電子部品4の正極リード34-1は正極バスバー片に接続され、その負極リード34-2は負極バスバー片に接続され、各電子部品4が並列接続または直列接続されている。
【0032】
<一実施の形態の効果>
係る構成により、一実施の形態によれば、バスバーや電子部品の実装を容易にし、ノイズ耐性やインダクタンス抑制を実現できる。
【実施例0033】
<電子部品モジュール>
図1のAは、本開示の実施例に係る電子部品モジュール(以下単に「モジュール」と称する)を示している。
図1のAに示す構成は本開示のモジュールの一例であって、本開示が斯かる構成に限定されるものではない。
【0034】
実施例に係るモジュール2は複数の電子部品4、フォルダ6、バスバー7、正極端子部12および負極端子部14を備えている。
【0035】
各電子部品4はたとえば、コンデンサ、蓄電池、ダイオードなど、正極および負極を備える有極電子部品である。このモジュール2では、複数の電子部品4として9個の電子部品4が用いられる。
【0036】
フォルダ6はたとえば、絶縁材料の一例として絶縁性合成樹脂からなる整形体である。このフォルダ6は第1の部品配置部16-1、バスバー配置部18および第2の部品配置部16-2を備え、バスバー配置部18の一方の側部に部品配置部16-1、バスバー配置部18の他方の側部に部品配置部16-2が設置されている。
【0037】
バスバー7は正極バスバー8と負極バスバー10を含む。正極バスバー8を内側にして正極バスバー8に負極バスバー10が被せられ、正極バスバー8および負極バスバー10が重合状態で配置される。
【0038】
この実施の形態では、バスバー配置部18を挟んで一対の部品配置部16-1、16-2が形成されている。部品配置部16-1には5個の電子部品4が配置され、部品配置部16-2には4個の電子部品4が配置されている。
【0039】
正極バスバー8および/または負極バスバー10は、複数の電子部品4を接続するための導電部材であって、この導電部材には銅、アルミニウムなど、剛性の高い良導体材料を用いればよい。
【0040】
バスバー配置部18には既述したように、正極バスバー8を内側にして正極バスバー8に負極バスバー10が被せられ、正極バスバー8および負極バスバー10が重合状態で配置されている。バスバー配置部18には、正極バスバー8および負極バスバー10の終端部を包囲する包囲壁20が形成されている。バスバー配置部18と各部品配置部16-1、16-2との間を仕切る複数の仕切り壁22が立設され、各仕切り壁22を以て区画されている。包囲壁20および仕切り壁22は少なくとも、正極側と負極側を絶縁する絶縁手段の一例である。
【0041】
各仕切り壁22の両端部にはバスバー配置部18と部品配置部16-1、16-2とを分離して絶縁する複数の分離壁24が立設され、各分離壁24には電子部品4を係止させる係止部26が形成されている。分離壁24は正極側と負極側を絶縁する絶縁手段の一例である。
【0042】
この実施の形態では、部品配置部16-1には9個の電子部品4のうち、5個の電子部品4が平行方向に配列されて保持され、部品配置部16-2には4個の電子部品4が同様に配列されて保持されている。部品配置部16-1側の電子部品4と部品配置部16-2側の電子部品4は互いにリード側を向き合わせて配置されている。
【0043】
<電子部品4>
図1のBは、モジュール2に用いられる電子部品4を示している。各電子部品4は円筒状のケース部28を備えており、このケース部28の封口部30側の周面部には一様に湾曲凹部32が形成されている。湾曲凹部32は既述の係止部26と係合し、係止部26によってケース部28がフォルダ6上に位置決めされるとともに移動が阻止される。
【0044】
封口部30には正極リード34-1および負極リード34-2が引き出されている。このモジュール2に用いられる各電子部品4では、正極リード34-1および負極リード34-2が共に封口部30より先端部側を拡開させて屈曲させてある。正極リード34-1および負極リード34-2が同形状であり、中心線Oを中心に左右対象である。このため、ケース部28の底面部36には正極リード34-1と負極リード34-2との判別に供するため、極性判別マーク38が刻印などによって表示されている。この実施の形態では、極性判別マーク38として負極リード34-2の対応位置に負極性表示を形成している。
【0045】
<モジュール2の等価回路>
図2は、モジュール2の等価回路を示している。
【0046】
正極バスバー8は複数の正極部として5個の正極部40を備え、負極バスバー10は複数の負極部として5個の負極部42が形成され、正極部40および負極部42が交互に配置されている。正極部40は本開示の正極バスバー片の一例であり、負極部42は本開示の負極バスバー片の一例である。
【0047】
各正極部40および各負極部42にはリード接続位置に接続用突起44が形成されている。正極バスバー8の終端部には正極端子部12に接続される正極バスバー端子部46、負極バスバー10の終端部には負極端子部14に接続される負極バスバー端子部48が形成されている。
【0048】
各正極部40には各電子部品4の正極リード34-1、各負極部42には負極リード34-2が接続されている。これにより、各電子部品4は、正極バスバー8および負極バスバー10によって並列に接続されている。したがって、各電子部品4がたとえば、キャパシタであれば、正極バスバー端子部46および負極バスバー端子部48間から合成容量を取り出すことができる。
【0049】
<バスバー7>
図3のAは、バスバー7を示している。このバスバー7における正極バスバー8は、断面C字状のバスバーフレーム50-1を備え、このバスバーフレーム50-1の頂部に複数の正極部40と、負極バスバー10の負極配置部52とを交互に備えている。負極配置部52は、負極バスバー10の負極部42に対して絶縁間隔を備えた窓部であり、正極部40を貫通させる貫通孔の一例である。
【0050】
バスバーフレーム50-1には対向する第一バスバー側部50-11および第二バスバー側部50-12が備えられ、各第一バスバー側部50-11および第二バスバー側部50-12は複数の正極部40に連接されているとともに、複数の負極配置部52が形成されている。この実施の形態では第二バスバー側部50-12に正極バスバー端子部46が形成されているが、省略してもよい。また、第一バスバー側部50-11に正極バスバー端子部46を形成してもよい。
【0051】
負極バスバー10は、正極バスバー8と同様に断面C字状のバスバーフレーム50-2を備え、このバスバーフレーム50-2の頂部に複数の負極部42と、正極バスバー8の正極配置部54とを交互に備えている。正極配置部54は、正極バスバー8の正極部40を露出させるための窓部であり、負極部42を貫通させる貫通孔の一例である。
【0052】
バスバーフレーム50-2にはバスバーフレーム50-1と同様に対向する第一バスバー側部50-21および第二バスバー側部50-22が備えられ、第一バスバー側部50-21および第二バスバー側部50-22は複数の負極部42に連接されているとともに、複数の正極配置部54が形成されている。この実施の形態では第二バスバー側部50-22に負極バスバー端子部48が形成されているが、省略してもよい。また、第一バスバー側部50-21に負極バスバー端子部48を形成してもよい。
【0053】
バスバーフレーム50-2側の第一バスバー側部50-21および第二バスバー側部50-22の対向間隔は、バスバーフレーム50-1側の第一バスバー側部50-11および第二バスバー側部50-12の対向間隔より広く設定されている。したがって、バスバーフレーム50-2側の第一バスバー側部50-21および第二バスバー側部50-22の対向間隔内に絶縁間隔を含んで、バスバーフレーム50-1側の第一バスバー側部50-11および第二バスバー側部50-12が設置される。
【0054】
このようにバスバー7には、正極部40と負極部42とが交互に配置され、正極部40は隣り合う負極部42の間に配置されている。
【0055】
<正極バスバー8および負極バスバー10の重畳形態と電子部品4の接続>
図3のBは、フォルダ6を除いたモジュール2であって、重合状態に配置された正極バスバー8および負極バスバー10と電子部品4の接続を示している。
【0056】
正極バスバー8および負極バスバー10は、正極バスバー8を内側、負極バスバー10を外側に配置して重ねられた重畳構造を構成する。この重畳構造において、正極バスバー8の負極配置部52に負極部42が配置され、負極バスバー10の正極配置部54に正極部40が配置される。したがって、各正極部40と各負極部42は、同一高さで露出して交互に配置される。この実施の形態では、各バスバーフレーム50-1、50-2の第一バスバー側部50-11、50-21および第二バスバー側部50-12、50-22が同一高さに設定され、負極配置部52、正極配置部54の切り込み深さを調整し、正極部40と負極部42の間に絶縁間隔が設定される。
【0057】
そして、正極部40には接続位置に備えた接続用突起44に電子部品4の正極リード34-1が接続される。同様に、負極部42には接続位置に備えた接続用突起44に電子部品4の負極リード34-2が接続される。
【0058】
図3のBに示すように、フォルダ6を除いたモジュール2において、電子部品4の正極リード34-1が正極バスバー8の各正極部40と溶接され、電子部品4の負極リード34-2が負極バスバー10と溶接されていれば、各電子部品4と重合状態の正極バスバー8および負極バスバー10が一体化され、フォルダ6を離れて自立可能である。
【0059】
<フォルダ6の部品配置部16-1、16-2およびバスバー配置部18と電子部品4の保持構造>
図4は、フォルダ6の部品配置部16-1、16-2、バスバー配置部18および電子部品4を示している。
【0060】
フォルダ6の各部品配置部16-1、16-2には、電子部品4のケース部28を嵌合させる嵌合凹部56が形成されている。この嵌合凹部56の平行縁部に一対の第1の保持片58-1、58-2が間隔を設けて形成され、これら保持片58-1、58-2の対向側に各保持片58-1、58-2より幅の大きい第2の保持片60が形成されている。保持片58-1、58-2の間隔部には隣接する嵌合凹部56側の保持片60が形成されている。
【0061】
嵌合凹部56には長方形状の透孔部62が形成されている。この透孔部62には電子部品4のケース部28が露出するので、このケース部28を透孔部62側から操作可能であるとともに、電子部品4の熱放出が可能である。
【0062】
バスバー配置部18には正極バスバー8の正極部40と負極部42との間に介在して両者間を絶縁する分離壁24が形成されているから、正極部40と負極部42は分離壁24を以て絶縁されている。
【0063】
既述したように、バスバー配置部18には各部品配置部16-1、16-2を仕切る仕切り壁22が形成されており、この仕切り壁22で各電子部品4の封口部30と部品配置部16-1、16-2とが仕切られる。この仕切り壁22により、電子部品4と正極部40および負極部42との絶縁が図られる。部品配置部16-1側の仕切り壁22と部品配置部16-2側の仕切り壁22の間には分離壁24が介在し、両者が一体化されている。
【0064】
そして、仕切り壁22には電子部品4の正極リード34-1および負極リード34-2を通過させるスリット部64が形成されている。このスリット部64は、挿入される正極リード34-1および負極リード34-2をスリット部64の最深部に案内するための傾斜面を備えている。
【0065】
<フォルダ6の部品配置部16-1、16-2に対する電子部品4の装着>
図5のAは、フォルダ6の部品配置部16-1、16-2に対する電子部品4の装着状態およびその装着工程を示している。
【0066】
保持片58-1、58-2と保持片60の入口側の間隔は、電子部品4の幅(この場合、直径幅)より僅かに狭く設定されている。
【0067】
電子部品4のケース部28を保持片58-1、58-2および保持片60の間に位置づけ、矢印で示す方向に加圧すると、保持片58-1、58-2および保持片60が持つフォルダ材質の弾性で広がり、嵌合凹部56に電子部品4のケース部28を挿入させることができる。
【0068】
電子部品4の湾曲凹部32は係止部26に合致させ、係止部26を摺動させて電子部品4を嵌合凹部56に滑り込ませる。
【0069】
したがって、各嵌合凹部56には挿入される電子部品4のケース部28は嵌合凹部56への嵌合と保持片58-1、58-2と保持片60の間にあるフォルダ素材の弾性を以て保持される。
【0070】
<フォルダ6に対する電子部品4のリード保持構造>
図5のBは、フォルダ6のリード保持構造を示している。
【0071】
嵌合凹部56に電子部品4が適正に挿入されると、電子部品4は、湾曲凹部32と係止部26の係合によって位置付けられる。このとき、正極リード34-1がスリット部64を通過させて正極バスバー8の正極部40に導かれて接続用突起44に接触させることができるとともに、負極リード34-2がスリット部64を通過させて負極バスバー10の負極部42に導かれて接続用突起44に接触させることができる。
【0072】
<フォルダ6上のバスバーフレーム50-1、50-2間の絶縁保持構造>
図5のBに示すように、フォルダ6には正極部40と負極部42との間には複数の分離壁24が立設されており、隣接する一対の分離壁24と一体に複数の分離壁25が形成されている。各分離壁25は、フォルダ6の厚み方向に突出する対向して形成され、分離壁24と交差方向に形成されている。
【0073】
一方の各分離壁25は、バスバーフレーム50-1の第二バスバー側部50-12と、バスバーフレーム50-2の第二バスバー側部50-22との間に配置され、バスバーフレーム50-1、50-2間に介在して両者を絶縁するとともに、フォルダ6にバスバーフレーム50-1、50-2を保持させている。図示しないが、他方の各分離壁25も、バスバーフレーム50-1の第一バスバー側部50-11と、バスバーフレーム50-2の第一バスバー側部50-21との間に配置され、バスバーフレーム50-1、50-2間に介在して両者を絶縁するとともに、フォルダ6にバスバーフレーム50-1、50-2を保持させている。
【0074】
<フォルダ6の部品形態>
図6は、モジュール2のフォルダ6に配置された正極部40、負極部42および電子部品4を示している。
【0075】
このモジュール2において、各電子部品4の幅(たとえば、直径)をWφ、その中心をO1、隣合う電子部品4の間隔をdi(≧0)、その中心をO2とすれば、中心O1-O2間距離Wfは、式1で表すことができる。
Wf=Wi/2=(Wφ+di)/2 ・・・式1
各部品配置部16-1、16-2には中心O1-O2間距離Wfを単位として各電子部品4が配列されている。
【0076】
この式1において、di=0とすれば、式1は式2で表すことができる。
Wf=Wφ/2 ・・・式2
この場合、各部品配置部16-1、16-2には電子部品4の2分の1幅(=Wφ/2)を単位として各電子部品4が配列される。
【0077】
この実施の形態において、部品配置部16-1側の電子部品4-1A、4-1Bと、部品配置部16-2側の電子部品4-2Cについて見ると、部品配置部16-1側の各中心O1に、部品配置部16-2側の各中心O2を合致させてある。つまり、電子部品4-1A、4-1B間の中心O2に、電子部品4-2Cの中心O1が合致し、中心O1-O2間距離Wfを単位として電子部品4-1A、4-1Bと電子部品4-2Cとが変位して配置されている。
【0078】
また、di=0とすれば、電子部品4-1A、4-1Bと電子部品4-2Cは、少なくとも、電子部品4の2分の1幅を単位として各電子部品4の配列が可能である。
【0079】
<モジュール2の製造>
モジュール2の製造には、電子部品取得工程、リード整形工程、フォルダ製造工程、バスバー製造工程、モジュール組立工程などが含まれる。
【0080】
電子部品取得工程: この電子部品取得工程では、モジュール2を構成するための電子部品4の選択またはその製造を以て所望の電子部品4を取得する。
【0081】
リード整形工程: 有極性の電子部品4において、正極リード34-1、負極リード34-2の長さや形状が相違している場合、モジュール2に適するように、正極リード34-1および負極リード34-2の長さを統一し、同一形状に整形する。この整形形状は、既述したので割愛する。
【0082】
フォルダ製造工程: 所定の電子部品4を用いたモジュール2を実現するため、このモジュール2に適した構成として、部品配置部16-1、16-2およびバスバー配置部18を備えるフォルダ6を製造する。このフォルダ6は絶縁性合成樹脂を用いて整形すればよい。
【0083】
バスバー製造工程: フォルダ6と同様に、所定の電子部品4を用いたモジュール2を実現するため、このモジュール2に適した構成として、正極バスバー8および負極バスバー10を銅板やアルミニウム板を用いて整形加工によって製造する。これらの形状については、既述したので割愛する。
【0084】
モジュール組立工程: このモジュール組立工程には、正極バスバー8および負極バスバー10の装着工程、電子部品4の装着工程、リード溶接工程が含まれる。正極バスバー8および負極バスバー10の装着工程では、正極バスバー8を内側にして正極バスバー8および負極バスバー10を重合させ、正極部40および負極部42を露出させて交互に配置した重合状態にする。この重合状態にある正極バスバー8および負極バスバー10をフォルダ6の背面側からバスバー配置部18に装着する。
【0085】
正極バスバー8および負極バスバー10の装着の後、フォルダ6の部品配置部16-1に5個の電子部品4、部品配置部16-2に4個の電子部品4を装着する。この場合、部品配置部16-1への5個の電子部品4は同一の極性配列とし、各電子部品4の正極リード34-1は正極バスバー8の正極部40、負極リード34-2は負極バスバー10の負極部42に配置する。
【0086】
部品配置部16-2への4個の電子部品4は反転させて同一の極性配列とし、同様に、各電子部品4の正極リード34-1を正極バスバー8の正極部40、負極リード34-2は負極バスバー10の負極部42に配置する。
【0087】
この電子部品4の装着の後、正極部40に各電子部品4の正極リード34-1を溶接し、負極部42に各電子部品4の負極リード34-2を溶接する。この溶接にはたとえば、レーザ溶接を用いる。
【0088】
このような工程を経て
図1のAに示すモジュール2を製造することができる。この製造方法では、フォルダ6上で9個の電子部品4が正極バスバー8および負極バスバー10との溶接によって並列接続されている。
【0089】
<実施例の効果>
この一実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0090】
(1) フォルダ6にはバスバー配置部18の一方の側部に部品配置部16-1、その他方の側部に部品配置部16-2が形成されており、バスバー配置部18に正極バスバー8および負極バスバー10が実装され、各部品配置部16-1、16-2に電子部品4が実装されるので、モジュール2の厚みは電子部品4のたとえば、直径幅より僅かに大きい程度でモジュール2の大型化を抑制でき、フォルダ6への正極バスバー8および負極バスバー10や電子部品4の実装の容易化を図ることができる。
【0091】
(2) バスバー配置部18に実装された正極バスバー8の正極部40と、負極バスバー10の負極部42は一列に配列されて交互に配置され、正極部40には正極リード34-1、負極部42には負極リード34-2が最短距離で接続できるので、各相間のインダクタンスの増加を抑制できるとともに、負極側のグランドに対する陽極側の電位変動を抑制でき、ノイズを抑制できる。したがって、ノイズおよびインダクタンスを抑制したモジュール2を実現できる。
【0092】
(3) フォルダ6にはバスバー配置部18に正極バスバー8の第一バスバー側部50-11と負極バスバー10の第一バスバー側部50-21、正極バスバー8の第二バスバー側部50-12と負極バスバー10の第二バスバー側部50-22のそれぞれが重ねられて実装され、部品配置部16-1、16-2には各電子部品4を平面状に実装できるので、モジュール2の小型化とともに軽量化を図ることができ、フォルダ6への電子部品4の実装を容易化できる。
【0093】
(4) バスバー配置部18には正極バスバー8の第一バスバー側部50-11と負極バスバー10の第一バスバー側部50-21、正極バスバー8の第二バスバー側部50-12と負極バスバー10の第二バスバー側部50-22のそれぞれが重ねられて実装され、正極部40と負極部42とがバスバー配置部18から露出させて交互に配置されているので、正極部40と正極リード34-1、負極部42と負極リード34-2の溶接接続が容易に行える。
【0094】
(5) 各部品配置部16-1、16-2とバスバー配置部18を仕切る仕切り壁22には正極リード34-1、負極リード34-2を通過させるスリット部64が形成され、このスリット部64の壁部は外部方向に拡開する傾斜面となっているので、実装の際、各電子部品4の正極リード34-1、負極リード34-2は位置決めかつ案内されてスリット部64を通して接続すべき正極部40または負極部42に配置させることができる。
【0095】
(6) 正極バスバー8の正極部40、負極バスバー10の負極部42は平面状に配置されて分離壁24で絶縁されているので、正極部40に対する正極リード34-1、負極部42に対する負極リード34-2を個別にまたは同時に溶接などにより接続することができる。
【0096】
(7) バスバー配置部18に重合状態で配置された正極バスバー8を内側にして負極バスバー10から正極部40および負極部42が列状態で配置されているので、バスバー配置部18を挟んで複数の電子部品4の正極リード34-1、負極リード34-2を揃えて配置できるので、電子部品4の実装を効率化できるとともに、モジュール2の小型化を図ることができる。
【0097】
(8) 重合状態にある正極バスバー8および負極バスバー10からバスバー配置部18に露出させた正極部40と負極部42は分離壁24によって分離されて絶縁されているので、各電子部品4の正極リード34-1および負極リード34-2がバスバー上で非接触状態に維持されるので、接続の信頼性を高めることができる。
【0098】
(9) 正極バスバー8を内側にして正極バスバー8および負極バスバー10をバスバー配置部18の同一位置に設置しているので、モジュール2におけるバスバーの占有面積を削減することができる。
【0099】
(10) 対向する負極バスバー10の第一バスバー側部50-21と第二バスバー側部50-22の間に正極バスバー8の第一バスバー側部50-11および第二バスバー側部50-12が配置されているので、負極バスバー10を接地電位に保持すれば、負極バスバー10で正極バスバー8をシールドすることができ、正極側の電圧変動に起因して正極側から放出されるノイズを抑制することができる。
【0100】
(11) フォルダ6のバスバー配置部18には、包囲壁20、仕切り壁22および分離壁24を以て隣り合う正極部40および負極部42が個別に区分されるので、各正極部40および負極部42を包囲壁20、仕切り壁22および分離壁24の区分内に設置するだけで、正極バスバー8および負極バスバー10をフォルダ6の所定位置に位置決めできるとともに、正極バスバー8および負極バスバー10を非接触でフォルダ6に保持することができる。
【0101】
(12) バスバー配置部18の配置された正極バスバー8および負極バスバー10に、各部品配置部16-1、16-2に配置された電子部品4の正極リード34-1および負極リード34-2を接続すると、フォルダ6が各電子部品4と正極バスバー8および負極バスバー10との間に把持状態で電子部品4と正極バスバー8および負極バスバー10に固定されてフォルダ6と一体化でき、モジュール2の堅牢性を高めることができる。
【0102】
(13) 各電子部品4の底面部36にある極性判別マーク38を以て各電子部品4の配置の相違や統一性を判別でき、各部品配置部16-1、16-2に実装された電子部品4の左右方向、正極リード34-1および負極リード34-2と正極部40および負極部42との接続の不備などを容易に判別でき、モジュール2の信頼性を高めることができる。
【0103】
(14) 部品配置部16-1および部品配置部16-1の各電子部品4の正極リード34-1を共通の正極部40、それらの負極リード34-2を共通の負極部42に接続すれば、対向する各電子部品4を横幅の少なくとも二分の一ずつ変位させて規則的に配置することができ、部品配置部16-1側の各電子部品4の配置形態の共通化と、部品配置部16-2側の各電子部品4の配置形態の共通化を図ることができ、モジュール2の各電子部品4の配置の統一化や法則性を図ることができる。このため、モジュール2上の電子部品4の配置や接続の確認が容易になり、モジュール2の信頼性を高めることができる。
【0104】
〔他の実施の形態〕
本開示のフォルダ、モジュールおよびその製造方法には次の変形が含まれる。
【0105】
(1) 電子部品4はキャパシタを例示したが、キャパシタに代え、電解コンデンサ、バッテリなどの蓄電デバイス、ダイオード、トランジスタなど、他の有極性電子部品であってもよく、場合によっては抵抗などの無極性電子部品を含んでもよい。
【0106】
(2) フォルダ6は、バスバー配置部18の一方の側部に第1の部品配置部16-1、その他方の側部に第2の部品配置部16-2を備えているが、少なくともバスバー配置部18の一方の側部に第1の部品配置部16-1または第2の部品配置部16-2の何れかまたは双方を備えてもよい。
【0107】
(3) フォルダ6は、絶縁性合成樹脂を以て絶縁構造を実現しているが、導体材料でフォルダ6を形成し、その表面に絶縁層を形成して絶縁構造を実現してもよい。
【0108】
(4) 正極バスバー8および/または負極バスバー10は良導体として銅、アルミニウムを例示したが、銀などの他の良導体を用いてもよい。
【0109】
(5) 電子部品4と正極バスバー8および/または負極バスバー10との接続に溶接を例示しているが、ハンダ、導電性接着剤を用いてもよい。
【0110】
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施の形態等について説明した。本開示の技術は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または本開示の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
本開示のフォルダ、バスバー、モジュールおよびその製造方法によれば、フォルダにバスバー配置部および部品配置部を備え、バスバー配置部にはバスバーの正極バスバー片および負極バスバー片を露出させて交互に配置され、部品配置部に配置した各電子部品の正極リードをフォルダから露出している正極バスバー片、その負極リードを負極バスバー片に配置して接続することができ、バスバーや電子部品の実装を容易にし、ノイズ耐性やインダクタンス抑制を図ることができる。