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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179786
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】液体制汗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20241219BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241219BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241219BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/194 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K8/365
A61Q15/00
A61K8/02
A61K8/26
A61K8/19
A61P17/00
A61K9/08
A61K9/12
A61K47/10
A61K47/40
A61K47/18
A61K33/00
A61K33/06
A61K31/19
A61K31/194
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098921
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川俣 亮介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英里香
(72)【発明者】
【氏名】馬場 恵理子
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA12
4C076AA25
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD37
4C076DD50
4C076EE39
4C076FF68
4C083AB221
4C083AB222
4C083AB311
4C083AB312
4C083AB331
4C083AB332
4C083AB351
4C083AB352
4C083AB361
4C083AB362
4C083AC102
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC472
4C083AC542
4C083AD252
4C083AD532
4C083CC17
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE11
4C083EE50
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA05
4C086HA16
4C086HA17
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA63
4C086NA10
4C086NA14
4C086ZA89
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA83
4C206NA10
4C206NA14
4C206ZA89
(57)【要約】
【課題】制汗効果及びその持続性、塗布後における肌のつっぱり感のなさ、皮膚刺激性のなさ、並びに製剤の外観に優れる液体制汗剤組成物の提供。
【解決手段】
(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれかと、(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれかと、(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩と、を含むことを特徴とする液体制汗剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれかと、
(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれかと、
(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩と、
を含むことを特徴とする液体制汗剤組成物。
【請求項2】
前記(C)の含有量に対する前記(B)の含有量の質量比[(B)/(C)]が、0.9以上50以下である、請求項1に記載の液体制汗剤組成物。
【請求項3】
前記(A)の含有量が、液体制汗剤組成物の全量に対して10質量%以上15質量%以下であり、
前記(B)の含有量が、液体制汗剤組成物の全量に対して0.45質量%以上3質量%以下であり、
前記(C)の含有量が、液体制汗剤組成物の全量に対して0.1質量%以上0.7質量%以下である、請求項1又は2に記載の液体制汗剤組成物。
【請求項4】
ロールオンタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである、請求項1又は2に記載の液体制汗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体制汗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クロルヒドロキシアルミニウム等の制汗効果を有する制汗成分を配合した制汗剤組成物が広く使用されている。当該クロルヒドロキシアルミニウムは、汗腺をプラグで塞ぐことによって制汗効果を奏する。
近年、発汗量の増加に伴う、クロルヒドロキシアルミニウムの汗腺からの溶出に起因した制汗効果の低下を改善する目的で、硫酸イオンを併用した制汗剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
しかし、上記特許文献1を含む従来の制汗剤組成物においては、剃毛処理に伴って剥がれ易くなった角質や、汗腺から分泌される汗や皮脂が結びついて形成された角栓によって、クロルヒドロキシアルミニウム由来のプラグの形成が不十分となり、制汗効果やその持続性が低下することが懸念されている。
したがって、制汗効果及びその持続性に優れた液体制汗剤組成物は、未だ満足できるものは提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/085059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、制汗効果及びその持続性、塗布後における肌のつっぱり感のなさ、皮膚刺激性のなさ、並びに製剤の外観に優れる液体制汗剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体制汗剤組成物は、(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれかと、(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれかと、(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩と、を含む。
【0007】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1>
(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれかと、
(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれかと、
(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩と、
を含むことを特徴とする液体制汗剤組成物である。
<2>
前記(C)の含有量に対する前記(B)の含有量の質量比[(B)/(C)]が、0.9以上50以下である、前記<1>に記載の液体制汗剤組成物である。
<3>
前記(A)の含有量が、液体制汗剤組成物の全量に対して10質量%以上15質量%以下であり、
前記(B)の含有量が、液体制汗剤組成物の全量に対して0.45質量%以上3質量%以下であり、
前記(C)の含有量が、液体制汗剤組成物の全量に対して0.1質量%以上0.7質量%以下である、前記<1>又は前記<2>に記載の液体制汗剤組成物である。
<4>
ロールオンタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである、前記<1>から前記<3>のいずれかに記載の液体制汗剤組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、制汗効果及びその持続性、塗布後における肌のつっぱり感のなさ、皮膚刺激性のなさ、並びに製剤の外観に優れる液体制汗剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(液体制汗剤組成物)
本発明の液体制汗剤組成物は、(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれかと、(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれかと、(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩とを含み、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
本明細書において、前記「(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれか」は、「(A)」又は「(A)成分」と称されることがあり、前記「(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれか」は、「(B)」又は「(B)成分」と称されることがあり、前記「(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩」は、「(C)」又は「(C)成分」と称されることがある。
【0010】
<(A)ハロゲン化アルミニウム水和物又はその錯体、及びハロゲン化アルミニウムから選択される少なくともいずれか>
前記(A)成分は、主に、制汗効果を付与するために含有される。
【0011】
前記(A)成分としては、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム水和物、及びハロゲン化アルミニウム水和物の錯体から選択される少なくともいずれかである限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
前記ハロゲン化アルミニウムとしては、例えば、塩化アルミニウムなどが挙げられる。
前記ハロゲン化アルミニウム水和物としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、ブロモヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウムなどが挙げられる。
前記ハロゲン化アルミニウム水和物の錯体としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム/プロピレングリコール錯体、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体などが挙げられる。
これらの中でも、制汗効果に優れる点で、クロルヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/プロピレングリコール錯体、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0012】
前記(A)成分は、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
前記(A)成分の市販品としては、例えば、商品名で、Aluminum(III)Chloride(東京化成工業株式会社製、塩化アルミニウム)、クロルヒドロキシアルミニウム50%水溶液(多木化学株式会社製、クロルヒドロキシアルミニウム)、REHYDROL II(ELEMENTIS社製、クロルヒドロキシアルミニウム/プロピレングリコール錯体)、Reach AZO-956G(ELEMENTIS社製、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体)などが挙げられる。
【0013】
前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果及び肌のつっぱり感のなさの点から、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、6質量%以上15質量%以下が好ましく、10質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記(A)成分の含有量が、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、6質量%以上であると制汗効果が良好であるため好適である。
前記(A)成分の含有量が、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、15質量%以下であると、肌のつっぱり感のなさが良好であるため好適である。
【0014】
<(B)α-ヒドロキシ酸、α-ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、α-ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩、α-ヒドロキシ酸のアミン塩、及びα-ヒドロキシ酸のアンモニウム塩から選択される少なくともいずれか>
前記(B)成分は、主に、制汗効果を付与するために含有される。
なお、本明細書において、「アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、及びアンモニウム塩」は、単に「塩」と称されることがある。
【0015】
前記α-ヒドロキシ酸としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
【0016】
前記グリコール酸の塩としては、例えば、グリコール酸ナトリウム、グリコール酸カリウム、グリコール酸アンモニウム、グリコール酸カルシウム、グリコール酸マグネシウム、グリコール酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などが挙げられる。
前記乳酸の塩としては、例えば、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸アンモニウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などが挙げられる。
前記リンゴ酸の塩としては、例えば、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、リンゴ酸アンモニウム、リンゴ酸カルシウム、リンゴ酸マグネシウム、リンゴ酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などが挙げられる。
前記酒石酸の塩としては、例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸AMP、酒石酸カルシウム、酒石酸マグネシウム、酒石酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などが挙げられる。
前記クエン酸の塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などが挙げられる。
【0017】
これらの中でも、制汗効果及びその持続性に優れる観点から、グリコール酸、乳酸、グリコール酸ナトリウム、グリコール酸カリウム、グリコール酸アンモニウム、グリコール酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸アンモニウム、乳酸の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩が好ましい。
【0018】
前記(B)成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(B)成分の市販品としては、例えば、商品名で、グリピュア70(デュポン株式会社製、グリコール酸)、GLYCOS TM Clear 70(アゼリスジャパン株式会社製、グリコール酸)、医薬部外品原料規格 乳酸(小松屋株式会社製、乳酸)、日本薬局方 90% 乳酸(昭和化工株式会社製、乳酸)、DL-リンゴ酸(昭和化工株式会社製、リンゴ酸)、酒石酸(昭和化工株式会社製、酒石酸)、医薬部外品原料規格 クエン酸(小松屋株式会社製、クエン酸)、クエン酸(昭和化工株式会社製、クエン酸)などが挙げられる。
【0019】
前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果及びその持続性に優れる点、並びに皮膚刺激性のなさに優れる点から、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.25質量%以上5.00質量%以下が好ましく、0.45質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
前記(B)成分の含有量が、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.25質量%以上であると、制汗効果及びその持続性が良好であるため好適である。
前記(B)成分の含有量が、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、5.00質量%以下であると、皮膚刺激性のなさが良好であるため好適である。
【0020】
<(C)アルミニウム塩を除く水溶性無機塩>
前記(C)成分は、主に、制汗効果を付与するために含有される。
【0021】
前記(C)成分としては、アルミニウム塩を除く水溶性無機塩である限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、塩酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、制汗効果及びその持続性に優れる点から、硫酸塩が好ましい。
【0022】
前記水溶性無機塩における対イオンとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン)、バリウムイオン、マグネシウムイオンなどが挙げられる。
これらの中でも、前記水溶性無機塩における対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンが好ましい。
【0023】
前記硫酸塩の具体例としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
前記重炭酸塩の具体例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどが挙げられる。
前記塩酸塩の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化バリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、長時間に及ぶ発汗により発汗量が増加した場合であっても、汗に溶出しにくい強固なプラグを素早く形成することができ、制汗効果及びその持続性が向上する点で、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記(C)成分は、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分の市販品としては、例えば、商品名で、中性無水芒硝(日本化学工業株式会社製、無水硫酸ナトリウム)、無水硫酸ナトリウム(富田製薬株式会社)、硫酸マグネシウム(無水)(富士フィルム和光純薬株式会社製)、炭酸ナトリウム(高杉製薬株式会社製)、塩化ナトリウム(純正化学株式会社製)などが挙げられる。
【0025】
前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果及びその持続性に優れる点、並びに製剤の外観が優れる点から、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.7質量%以下がより好ましい。
前記(C)成分の含有量が、前記液体制汗剤組成物の全量に対して0.01質量%以上であると、制汗効果及びその持続性が良好となるため好適である。
前記(C)成分の含有量が、前記液体制汗剤組成物の全量に対して1.0質量%以下であると、製剤の外観が良好となるため好適である。
【0026】
<質量比[(B)/(C)]>
本明細書において、前記(C)成分の含有量に対する前記(B)成分の含有量の質量比[(B)/(C)]は、「質量比[(B)/(C)]」と称されることがある。
前記質量比[(B)/(C)]としては、特に制限はなく目的に応じて適宜設定することができるが、制汗効果の持続性、及び製剤の外観の点から、0.9以上50以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。
前記質量比[(B)/(C)]が0.9以上50以下であると、製剤の外観が良好となるため好適である。
【0027】
<その他の成分>
前記液体制汗剤組成物は、前記(A)成分~前記(C)成分の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を配合することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、殺菌成分、消臭成分、液状油、固形油、多価アルコール、界面活性剤、キレート剤、酸化防止剤、前記(C)成分以外のpH調整剤、植物エキス、清涼化剤、色素、香料、粘度調整剤、水又は溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記殺菌成分は、主に、デオドラント効果及び防腐性を付与するために含有される。
前記殺菌成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、サリチル酸、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウムなどが挙げられる。これらの中でも、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウムが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
前記殺菌成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して0.001質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.01質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0030】
前記消臭成分は、主に、デオドラント効果を付与するために含有される。
前記消臭成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化亜鉛、緑茶乾溜エキス、ミョウバン、シクロデキストリンなどが挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記消臭成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0032】
前記液状油は、主に、基剤として、また感触(つるつる感及びしっとり感)を付与するために含有される。
前記液状油としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステル油、エーテル油、シリコーン油、鉱油、植物油などが挙げられる。これらの中でも、エステル油、エーテル油、シリコーン油が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記液状油の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0034】
前記固形油は、主に、基剤として、また感触(しっとり感)を付与するために含有される。
前記固形油としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キャンデリラ蝋、カルナウバ蝋、ビーズワックス、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ヒマ硬などが挙げられる。これらの中でも、ヒマ硬、パラフィンが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
前記固形油の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0036】
前記多価アルコールは、主に、感触(つるつる感及びしっとり感)を付与するために含有される。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、グリセリン、ポリエチレングリコールが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記多価アルコールの含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0038】
前記界面活性剤は、主に、難溶性成分を可溶化させるため、また安定性を向上させるために含有される。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記界面活性剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0040】
前記キレート剤は、主に、着色を防止し、安定性を向上させるために含有される。
前記キレート剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、フェナントロリン、ビピリジン、クラウンエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンジアミン四酢酸が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記キレート剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
【0042】
前記酸化防止剤は、主に、安定性を向上させるために含有される。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。これらの中でも、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
前記酸化防止剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
【0044】
前記pH調整剤は、主に、安定性を向上させるために含有される。
前記pH調整剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
前記pH調整剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0046】
前記植物エキスは、主に、デオドラント効果及び保湿効果を付与し、使用感及び安定性を向上させるために含有される。
前記植物エキスとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ローズマリーエキス、ユーカリエキス、クララエキス、クワエキス、オトギリソウエキス、キョウニンエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、柿渋エキス、ハッカ油、ペパーミント油などが挙げられる。これらの中でも、ローズマリーエキス、ユーカリエキスが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
前記植物エキスの含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.001質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.01質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
【0048】
前記清涼化剤は、主に、使用感を向上させるために含有される。
前記清涼化剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メントール、乳酸メンチル、サリチル酸メチル、カンファー、チモールなどが挙げられる。これらの中でも、メントール、乳酸メンチルが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記清涼化剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
【0050】
前記色素及び前記香料としては、特に制限はなく、公知の色素及び香料の中から、目的に応じて適宜選択することができる。
前記香料としては、例えば、特開2002-128658号公報の段落[0065]~[0071]に記載された香料A~D、特開2003-73249号公報の段落[0076]~[0088]に記載のA~E、又は特願2019-023940号公報の段落[0016]~[0023]に記載の1~4から適宜選択することができる。
【0051】
前記色素及び前記香料の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.001質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
【0052】
前記粘度調整剤は、主に、前記液体制汗剤組成物の粘度を調整するために含有される。
前記粘度調整剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
【0053】
前記粘度調整剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体制汗剤組成物の全量に対して、0.05質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.7質量%以下がより好ましい。
【0054】
前記水又は溶剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製水、イオン交換水、純粋などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水又は溶剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
【0055】
-pH-
前記液体制汗剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果及び剤の外観の点から、3.5~6.0が好ましい。
【0056】
-粘度-
前記液体制汗剤組成物の粘度としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果の点から、25℃において、1.0mPa・s~2,000mPa・sが好ましい。
前記粘度は、前記液体制汗剤組成物を25℃に調温し、例えば、BM型粘度計(No.1ローター又はNo.2ローターを使用)にセットし、ローターを回転数60rpmで回転させ、ローターの回転開始から1分間後に測定することができる。
【0057】
-剤型-
前記液体制汗剤組成物の剤型は、水分に溶解した状態で肌に塗布されることが効果発現に有効であり、また高密着に塗布でき、高い効果が発現できる点から、液状タイプであることが好ましい。
【0058】
前記液状タイプとしては、例えば、ロールオンタイプ、ミストタイプ、ローションタイプなどが挙げられる。
これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオンタイプが好ましい。
【0059】
前記液体制汗剤組成物をロールオンタイプとする場合は、前記液体制汗剤組成物と、当該液体制汗剤組成物を充填した塗布ボールを有するロールオン容器とからなる制汗剤製品とすることが好ましい。前記ロールオンタイプの製剤は、前記液体制汗剤組成物が公知のロールオン容器に収容され、前記ロールオン容器にその一部が露出した状態、かつ、回転可能にホルダーで保持された状態のボールに前記液体制汗剤組成物を付着させ、使用時に前記ボールを肌に付着させることにより、前記液体制汗剤組成物を肌に塗布することができる。
また、前記液体制汗剤組成物は、当該液体制汗剤組成物をボトル容器に充填し、ローション製剤にも好適に用いることができる。
【0060】
-容器-
液状タイプに用いることができる容器としては、例えば、ロールオン容器、ローション用ボトル容器、ミスト用トリガー型スプレー容器などが挙げられる。これらの中でも、肌への塗りやすさの点から、ロールオン容器が好ましい。前記ロールオン容器は、前記液体制汗剤組成物を肌に高密着に塗布でき、制汗効果を発現できる点で好適に使用できる。
【0061】
前記ロールオン容器としては、前記液体制汗剤組成物を充填できるものであれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005-186997号公報に記載された容器;ボトル(材質:HDPEナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:直径約33mm、高さ:約87mm、株式会社吉野工業所製)、リング(材質:LLDPEナチュラル、外径:約26mm、高さ:約18mm、株式会社吉野工業所製)、ボール(材質:PPホワイト、直径:約20mm、株式会社吉野工業所製)からなる容器などが挙げられる。
【0062】
前記ローション用ボトル容器としては、前記液体制汗剤組成物を充填できるものであれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル(商品名:TOMIII-50、材質:HDPEナチュラル、満注内容量:約34mL、胴径:直径約42mm×29mm(オーバル)、高さ:約88mm、竹本容器株式会社製)、中栓(商品名:TOキャップ用ノズルA、材質:PEナチュラル、外径:約12mm、高さ:約13mm、竹本容器株式会社製)、キャップ(商品名:TOMIIIキャップ、材質:PPホワイト、外径:直径約37mm×25mm(オーバル)、高さ:約24mm、竹本容器株式会社製)からなる容器などが挙げられる。
【0063】
前記ミスト用トリガー容器としては、前記液体制汗剤組成物を充填できるものであれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル(商品名:PH-100、材質:PEナチュラル、満注内容量:約100mL、胴径:直径約40mm、高さ:約120mm、かみむら化学株式会社製)、トリガー(商品名:Z-305、スプレー孔部の平均径:0.45mm、株式会社三谷バルブ製)からなる容器などが挙げられる。
【0064】
<液体制汗剤組成物の製造方法>
前記液体制汗剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、更に必要に応じて、前記その他の成分、及び水(液体制汗剤組成物の全体が100質量%となるように残量配合)を混合して製造することができる。前記液体制汗剤組成物を製造するにあたり、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記その他の成分は、それぞれ単独で調製に用いられてもよく、2種以上の成分を含む混合物の状態で調製に用いられてもよい。
【0065】
前記液体制汗剤組成物の製造方法の具体例としては、水に前記(C)成分を投入して均一溶解させた後、前記(A)成分を投入し、均一に溶解する。その後、前記(B)成分や前記その他の成分を均一に溶解させて投入し、混合及び均一に溶解して液体制汗剤組成物を得る方法などが挙げられる。
【0066】
前記制汗剤組成物を調製する装置としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断と全体混合できる複数の撹拌羽根(プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた撹拌装置などが挙げられる。
【0067】
-用途-
本発明の液体制汗剤組成物は、制汗効果及びその持続性が良好であるため、化粧料、医薬品、医薬部外品等に幅広く用いることができ、制汗剤、防臭剤、制汗防臭剤、デオドラント剤により好適に用いることができる。
【実施例0068】
以下に実施例、及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0069】
表1~表4に示す、実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は質量%で示し、全て純分換算した値である。
【0070】
(実施例1~19及び比較例1~3)
<液体制汗剤組成物の作製>
下記表1~表4に示す組成からなる、実施例1~19及び比較例1~3の液体制汗剤組成物を常法により調製した。具体的には、水に前記(C)成分を投入して均一溶解させた後、前記(A)成分を投入し、均一に溶解した。その後、前記(B)成分や前記その他の成分を均一に溶解させて投入し、混合及び均一に溶解して液体制汗剤組成物を得た。
得られた各液体制汗剤組成物40mLを、下記仕様のロールオン容器に充填して、ロールオンタイプの制汗剤とした。
【0071】
<ロールオン容器>
<<ボトル>>
・株式会社吉野工業所製
材質:HDPE ナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:約33mm、高さ:約87mm
<<リング>>
・株式会社吉野工業所製
材質:LLDPE ナチュラル、外径:約26mm、高さ:約18mm
<<ボール>>
・株式会社吉野工業所製
材質:PP ホワイト、直径:約20mm
【0072】
次に、得られたロールオンタイプの各液体制汗剤組成物について、以下のようにして評価・判定した。結果を表1~表4に示す。
【0073】
<制汗効果の評価>
専門パネラー9名に対し、前腕内側部の1.5cm四方に試料として各液体制汗剤組成物を30μL塗布し、38℃、相対湿度40%環境下において15分間馴化した。その後、発汗計(商品名:SKN-2000、株式会社西澤電機計器製作所製)を用いて試料塗布部、及び試料未塗布部の発汗量を測定し、下記式から制汗率を求めた。専門パネラー9名の平均値の結果から、下記評価基準に基づいて、「制汗効果」を評価した。
(式)制汗率(%)=[無塗布部位の発汗量(mg/min)-試料塗布側の発汗量(mg/min)]/無塗布部位の発汗量(mg/min)×100
-判定基準-
◎:制汗効果が高い(制汗率が、50%以上)
○:制汗効果がやや高い(制汗率が、30%以上50%未満)
△:制汗効果がやや低い(制汗率が、10%以上30%未満)
×:制汗効果が低い(制汗率が、10%未満)
【0074】
<制汗効果の持続性の評価>
専門パネラー9名に対し、腋窩に各液体制汗剤組成物を0.4g塗布し、乾燥させた後、高温条件下(38℃、40%RH環境下)で、エアロバイク(登録商標)による運動を30分間実施した。その後、3時間経った後に、再び同温湿度環境下に入り、エアロバイク(登録商標)による運動を30分間実施した。下記評価基準に基づいて、「制汗効果の持続性」を評価した。
-評価基準-
◎:制汗効果の持続性効果が高い(「制汗効果の持続性が良い」と回答した人数が、8名以上)
○:制汗効果の持続性効果がやや高い(「制汗効果の持続性が良い」と回答した人数が、5名以上7名以下)
△:制汗効果の持続性効果がやや低い(「制汗効果の持続性が良い」と回答した人数が、3名以上4名以下)
×:制汗効果の持続性効果が低い(「制汗効果の持続性が良い」と回答した人数が、2名以下)
【0075】
<肌のつっぱり感のなさ>
専門パネラー9名に対し、腋窩に各液体制汗剤組成物を0.4g塗布し、乾燥させた後、下記評価基準に基づいて、「肌のつっぱり感のなさ」を評価した。
-評価基準-
◎:肌のつっぱり感がない(「肌のつっぱり感がない」と回答した人数が、8名以上)
○:肌のつっぱり感がややない(「肌のつっぱり感がない」と回答した人数が、5名以上7名以下)
△:肌のつっぱり感がややある(「肌のつっぱり感がない」と回答した人数が、3名以上4名以下)
×:肌のつっぱり感がある(「肌のつっぱり感がない」と回答した人数が、2名以下)
【0076】
<剤の外観>
各液体制汗剤組成物をガラスバイアル瓶に50g入れ、室温(25℃)下で外観を観察し、下記評価基準に基づいて、「剤の外観」を評価した。なお、サンプル数は5点であり、各サンプルで評価結果が異なる場合は、それらの中で最も劣る評価結果を採用した。
-評価基準-
◎:剤の外観が良い(透明の液状である)
○:剤の外観がやや良い(半透明の液状である)
△:剤の外観がやや悪い(白濁した液状である)
×:剤の外観が悪い(析出物が沈殿した液状である)
【0077】
<皮膚刺激性>
専門パネラー9名(敏感肌パネラー)に対して、前腕内側部に各液体制汗剤組成物を0.4g塗布した後、下記評価基準に基づいて「皮膚への刺激のなさ」を評価した。
-評価基準-
◎:「皮膚への刺激がない」と回答した人数が、8名以上
○:「皮膚への刺激がない」と回答した人数が、6名以上7名以下
△:「皮膚への刺激がない」と回答した人数が、4名以上5名以下
×:「皮膚への刺激がない」と回答した人数が、3名以下
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
実施例、及び比較例で使用した各成分の詳細について、下記表5に示す。
【0083】
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の液体制汗剤組成物は、制汗効果及びその持続性、塗布後における肌のつっぱり感のなさ、皮膚刺激性のなさ、並びに製剤の外観に優れるため、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品等に適用することができ、制汗剤、防臭剤、制汗防臭剤、デオドラント剤などに好適に用いることができる。