(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179807
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】処理装置、処理プログラム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241219BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20241219BHJP
B64U 101/64 20230101ALN20241219BHJP
【FI】
B65G61/00 520
B64U10/13
B64U101:64
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098950
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】510255521
【氏名又は名称】ナビコムアビエーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】平塚 弘司
(72)【発明者】
【氏名】清水 達徳
(72)【発明者】
【氏名】船坂 直哉
(57)【要約】
【課題】
落下した荷物の位置を把握することが可能な処理装置を提供すること。
【解決手段】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出し、前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する、ための処理を実行するように構成された処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出し、
前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、
通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する、
ための処理を実行するように構成された処理装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記荷物を収容する容器に設けられたセンサからセンサ情報を受信し、
前記センサ情報から前記容器が、前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記センサ情報に基づいて、前記容器が地表に到達したことを検出する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記容器が前記地表に到達した際に、前記電波を受信するアンテナが前記地表に対して鉛直上方に離間して位置すると、前記位置情報を送信する、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記センサは、前記容器の加速度を検出する、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項6】
前記センサは、前記容器が前記地表に到達した際の衝撃を検出する、
請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
前記センサは、水面上における前記容器の揺れを検出する、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサが搭載された基板を具備し、
前記基板は前記容器の内側に固定されている、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記無人航空機に対する無線通信接続が切断されると、前記無人航空機による搬送状態から落下したと判断して前記位置情報を送信する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記無人飛行機に対する前記荷物を収容する容器の脱着を検出するセンサからセンサ情報を受信し、
前記センサ情報から前記容器が、前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項11】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置において前記少なくとも一つのプロセッサを、
無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出し、
前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、
通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する、
ように機能させる処理プログラム。
【請求項12】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置において前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出する段階と、
前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成する段階と、
通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する段階と、
を含む処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、落下した荷物の位置把握に利用可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ドローンを用いた物流に注目が集まっており、物流分野においてどのようにドローンを運用していくかが検討されていた。例えば、ドローンの効率的で長期間の運用を可能とするための技術研究がなされている。このような技術研究の一例として、特許文献1には、「ドローンを駐機させるために飛行ルートの適所に配置したドローンポートと、少なくとも前記ドローンポートに設置した充電装置とを備え、物流センターから配達物資をドローンでドローンポートに搬送し、該ドローンポートから配達者が配達するか、配達先から取りに来るようにしたことを特徴とするドローンポートシステム。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ドローンを一例とする無人航空機によって搬送される荷物が、搬送先以外の場所で落下した場合には、その位置を把握して当該荷物を回収する必要があるが、このような荷物の回収を考慮した技術開発は不十分であった。
【0005】
本開示は、上述した背景からなされたものであり、落下した荷物の位置を把握することが可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出し、前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する、ための処理を実行するように構成された処理装置。」が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置において前記少なくとも一つのプロセッサを、無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出し、前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する、ように機能させる処理プログラム。」が提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置において前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、無人航空機によって搬送される荷物が前記無人航空機による搬送状態から落下したことを検出する段階と、前記荷物の落下を検出すると、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を生成する段階と、通信回線を介して前記位置情報を位置管理装置に送信する段階と、を含む処理方法。」が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、無人航空機から落下した荷物の位置を把握することが可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供することができる。
【0010】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システムに係る位置情報取得の概要を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る搬送装置500の構成を概略的に示す概念図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係る搬送装置500の容器502の概要を概略的に示す概念図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る搬送装置500の処理装置100及び容器502の構成を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係る処理装置100の構成の例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に係る処理装置100、サーバ装置200、GPS衛星300、及び地球局400との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態に係る処理装置100において実行される処理フローを示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態の変形例に係る処理システム1aの構成を概略的に示す概念図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態の変形例に係る処理システム1bの構成を概略的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0013】
1.本開示に係る処理システム1の概要
本開示に係る処理システム1は、一例としては、無人航空機の一例であるドローンによって搬送される荷物が落下した際に、その落下位置を把握するために用いられる。特に、当該処理システム1においては、例えば、当該荷物を収容する容器に設けられたセンサからのセンサ情報(信号)に基づき、当該荷物及び容器の落下が検出され、当該落下があったことを契機として、荷物の位置情報が送信されることになる。具体的に、処理システム1においては、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波が当該容器に設けられた処理装置によって受信され、当該電波に基づいて位置情報が当該処理装置によって生成される。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る位置情報取得の概要を概略的に示す図である。具体的に、
図1には、荷物を収容する容器がドローンから落下して海面に到達した場合に、荷物の落下位置を示す位置情報をサーバ装置に送信する場合が示されている。
図1によれば、先ず、荷物を収容する容器がドローンから落して海面に到達する。その際に、当該容器に設けられた処理装置(図示せず)において、当該落下が検出される。その後、当該処理装置において、GPS衛星から放射された電波が受信される。そして、当該処理装置において、電波から位置情報が生成され、通信衛星、及び地球局を経由して位置管理装置であるサーバ装置に当該位置情報が送信されることとなる。本開示に係る処理システムは、ドローンによって搬送される荷物が落下した場合に、その位置情報を効率的に把握するために用いられる。
【0015】
また、本開示において、「無人航空機」とは、無人で遠隔操作又は自動制御により飛行することができる航空機のことを意味するにすぎない。例えば、「無人航空機」には、複数のプロペラを備えるドローン(マルチコプター)及びラジコン機が含まれる。以下の実施形態においては、「無人航空機」としてドローンを想定して説明する。
【0016】
また、本開示において、「地表」とは、地面、海面、湖面、河川の水面、及び池の水面を含む概念である。以下の実施形態においては、「地表」として海面を想定して説明する。しかしながら、本開示における荷物の落下先は、上記の地表に限定されず、建物の屋上も含まれる。また、荷物が建築物(建物、電線等)又は樹木等に引っかかっているような状態についても、本処理システム1は適用することが可能である。
【0017】
なお、本開示において、「第1」や「第2」等の記載がなされていたとしても、これらが付された二つの要素のみに限定されることを意味するわけではない。当然に、「第3」、「第4」及びそれ以上の複数の要素が含まれていてもよい。
【0018】
2.処理システム1の構成
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
図2によると、ドローンによって搬送される荷物を収容する容器に設けられる処理装置100、荷物の落下位置を管理する位置管理装置であるサーバ装置200、位置計測に利用される電波を発信するGPS衛星300A、及び衛星通信ネットワークを形成する通信衛星(宇宙局)300B並びに地上に設置された無線基地局である地球局400を備えている。そして、サーバ装置200と地球局400とは、衛星通信ネットワークとは異なる他の通信ネットワークを通じて通信可能に接続されている。当該他の通信ネットワークは、例えばインターネット等の情報通信網であってもよく、無線、有線又はそれらの組み合わせにより構成されてもよい。
【0019】
衛星通信ネットワークとして、特に好適に周回衛星であるイリジウム衛星通信を利用したネットワークが利用される。セルラー通信では基地局等の地上におけるインフラ設備が必須でありその通信範囲も制限されている。しかし、イリジウム衛星通信を利用することによって、セルラー通信ができないエリアでも処理装置100からの情報を受信することが可能である。さらに、静止衛星を利用した衛星電話の場合、衛星の方向が決められているため、処理装置100のアンテナの向きによっては通信が制限されたり、アンテナの向きを追尾させ、アンテナからの出力も上げる必要がある。しかし、66個の周回衛星を利用したイリジウム衛星通信の場合、アンテナの向きの追尾等の必要がなく、より簡単な構成で搭載することが可能である。
【0020】
なお、
図2の例では、GPS衛星300A、通信衛星300B、及び地球局400は、それぞれ1台しか記載されていないが、当然2台以上の各装置を含むことが可能である。また、サーバ装置200は単一のものとして記載されているが、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0021】
3.搬送装置500の構成
図3は、本開示の実施形態に係る搬送装置500の構成を概略的に示す概念図である。搬送装置500は、荷物を実際に搬送するドローン501、荷物を収容する容器502、ドローン501に容器502を吊るすためのロープ503、及びロープ503の途中に設けられた錘504を備える。
【0022】
ドローン501は、荷物を搬送するための無人航空機の一種である。ドローン501は、遠隔操作又は自動操縦によって所定の位置(荷物の搬送元)から他の所定の位置(荷物の搬送先)に移動する。ドローン501の寸法は、搬送する荷物の寸法及び重量に応じて適宜変更することになる。なお、ドローン501を遠隔操作する場合、当然のことながら、遠隔操作用の端末装置等が処理システム1に含まれてもよい。
【0023】
容器502は、搬送する荷物を収容し、外力から保護するための機能を有する。このため、容器502は比較的に強固な材料(例えば、カーボン)が選択されてもよいが、荷物の寸法並びに重量、及びドローン501の飛行経路並びに荷物のおろし方に応じて、最適な材料が適宜選択される。当然のことながら、容器502の形状は直方体に限定されず、搬送のしやすさなどが考慮されて他の立体形状が選択されてもよい。
【0024】
ロープ503は、一端がドローン501に固定されている。ドローン501との固定方法としては、フック等の係合部材(図示せず)を用いてもよく、ロープ503自体の一端をドローン501に直接縛るようにしてもよい。また、ロープ503は、途中から4つに分離し、他端が容器502の角において固定されている。容器502との固定方法としては、フック等の係合部材(図示せず)を用いてもよく、容器502を巻くようにして直接縛るようにしてもよい。ロープ503の寸法、材料については、荷物の寸法並びに重量、及びドローン501の飛行経路並びに荷物のおろし方に応じて、最適な材料が適宜選択される。なお、ロープ503を用いずに、容器502がドローン501に直接的に着脱自在に固定されてもよい。
【0025】
錘504は、ロープ503の途中に縛られて固定されている。特に、錘504は、ドローン501側に近い位置に固定されている。錘504が設けられる理由は、海面等の水面に容器502が落下した際に、容器502が水面に浮きつつ、容器502のロープ503が固定された面とは反対側の面(すなわち、裏面)が水面よりも上方に位置するようにするためである。ただし、荷物の寸法並びに重量、及びド荷物のおろし方に応じて、錘504の寸法、及び固定位置等は適宜変更されることになる。
【0026】
4.容器502の概要及び水面落下時の状態
図4は、本開示の実施形態に係る搬送装置500の容器502の概要を概略的に示す概念図である。
図5は、本開示の実施形態に係る搬送装置500の処理装置100及び容器502の構成を示す断面図である。特に、
図4及び
図5は、容器502がドローン501から落下して、地表の一例である海面Sに到達した状態を示している。
【0027】
図4に示すように、錘504が海中に沈み、容器502は海面Sにおいて浮いている。すなわち、容器502はドローン501による搬送状態とは上下が反転し、容器502の裏面(ロープ503が固定された面とは反対の面)が、海面Sから鉛直上方に離間して位置するような状態で浮いている。このような容器502の反転は、容器502及び錘504の落下時の空気抵抗、海面Sとの衝突の影響により、容器502の状態(地表に対する向き及び傾き等)が変化し、容器502と錘504の上下の位置関係が変わるためである。
【0028】
図5に示すように、容器502の内部空間512には、処理装置100を設置するための空間が確保されている。具体的には、容器502のロープ503が固定された面とは反対側の面の内側には、装置保護部材511が設けられており、処理装置100の搭載空間513が形成されている。このような装置保護部材511による搭載空間513の形成により、容器502に荷物が収容されても処理装置100が当該荷物によって破損することはなくなる。
【0029】
また、
図5に示すように、容器502の搭載空間513においては、容器502の内面に処理装置100が固定されている。より具体的には、処理装置100を構成する基板110が容器502の内面に、機械的な部材又は接着剤等の固着部材によって固定されている。そして、基板110には、後述するバッテリ111、プロセッサ112、メモリ113、通信インターフェイス114、及び衝撃センサ115が実装されている。
【0030】
特に、
図5に示すような状態においては、処理装置100を構成する通信インターフェイス114が鉛直方向の上側に位置する。このため、通信インターフェイス114を構成するアンテナが上空を向くことになり、GPS衛星300Aからの電波を受信しやすくなり、通信衛星300Bとの衛星通信の安定性も向上することができる。なお、GPS衛星300Aからの電波を受信しやすくするために、基板110及び基板110が固定された容器502の一部は、アクリルなどの電波を通しやすい部材で構成されてもよい。
【0031】
なお、基板110の設置位置は、容器502のロープ503が固定された面とは反対側の面の内側に限定されない。GPS衛星300Aから電波の受信及び通信衛星300Bとの通信接続が可能であれば、例えば、容器502の側面の内側に設置されてもよい。すなわち、装置保護部材511が容器502の側面の内側に設けられてることになる。また、基板110及び装置保護部材511を容器502の裏面(ロープ503が固定された面とは反対側の面)又は側面の外側に設けてもいい。この場合には、基板110及び装置保護部材511を一体化させ、容器502に対して着脱自在に設置できるようにしてもよい。
【0032】
5.処理装置100の構成
図6は、本開示の実施形態に係る処理装置100の構成の例を示すブロック図である。処理装置100は、
図6に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。処理装置100は、典型的には、センサ付きのGPS発信機が挙げられるが、当然GPS発信機のみには限られない。
【0033】
図6によると、処理装置100は、バッテリ111、プロセッサ112、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ113、通信処理回路114a及びアンテナ114bを含む通信インターフェイス114、衝撃センサ115を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0034】
バッテリ111は、処理装置100の電源であり、プロセッサ112、メモリ113、及び通信インターフェイス114が機能するために必要な電力を供給する部材である。なお、衝撃センサ115に駆動電力が必要な場合(例えば、アンプ内蔵型)、プロセッサ112は衝撃センサ115にも電力を供給してもよい。バッテリ111は、一次電池又は二次電池のいずれであってもよく、処理装置100の駆動頻度に応じて適宜変更してもよい。
【0035】
プロセッサ112は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ112は、特に、
図8の処理シーケンスで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、
図8において説明する。)。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0036】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ113は、特に、
図8の処理シーケンスで記載された各処理等を実行するプログラムを記憶する(処理の詳細は、
図8において説明する。)。
【0037】
通信インターフェイス114は、通信処理回路114a及びアンテナ114bを介して、GPS衛星300からの電波の受信、及び通信衛星300Bへの位置情報の送信をする通信部として機能する。通信処理回路114aは、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、GPS衛星300から電波を受信するための処理、及び位置情報を通信衛星300Bへ送信するための処理をする。
【0038】
衝撃センサ115は、例えば、圧電セラミックスを応用して加速度(衝撃)を電気信号に変換する電子部品である。すなわち、衝撃センサ115は、容器502に付加される加速度を検出するため、容器502が地表等に衝突した際の加速度(衝撃)の変化から、容器502の落下有無が判断可能になる。
【0039】
6.サーバ装置200の構成
図7は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。サーバ装置200は、
図7に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、サーバ装置200は単一の筐体に
図7に図示するものを備える必要はなく、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0040】
図7によると、サーバ装置200は、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、HDD等を含むメモリ211、CPU等から構成されるプロセッサ212及び通信インターフェイス213を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0041】
メモリ211は、RAM、ROM、不揮発性メモリ、HDDを含み、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。このようなプログラムは、プロセッサ212によってロードされ実行される。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212によって処理されている間、データの書き込み及び読み込みを実行するために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ211は、特に、受信した荷物(容器502)の位置情報から荷物の位置の解析、解析した結果である荷物の具体的な位置の表示を行うためのプログラムを記憶する。
【0042】
プロセッサ212は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ211に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御するための制御部として機能する。具体的には、プロセッサ212は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ211から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ212は、特に、受信した荷物の位置情報から荷物の位置の解析、解析した結果である荷物の具体的な位置の表示を行うための処理等を実行する。なお、プロセッサ212は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0043】
通信インターフェイス213は、通信処理回路及びアンテナを介して、地球局400、他のサーバ装置、又は端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、地球局400や他のサーバ装置、又は端末装置等から情報を送受信するための処理をする。本開示においては、特に、通信インターフェイス213を介して、位置情報が地球局400から受信される。
【0044】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0045】
7.処理システム1により実行される処理シーケンス
図8は、本開示の実施形態に係る処理装置100、サーバ装置200、GPS衛星300A、通信衛星300B、及び地球局400との間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、
図8は、ドローン501から容器502が落下してから、容器502の位置情報がサーバ装置200に到達するまでに、処理装置100、サーバ装置200、GPS衛星300A、通信衛星300B、及び地球局400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【0046】
先ず、ドローン501から容器502が落下する。当該落下については、ドローン501の操作によって意図的に行われる場合、及びドローン501の操作によらず意図しない場合が含まれる。ここで、ドローン501の操作によって落下が意図的に行われる場合とは、所定の位置(搬送先)にドローン501が到達し、ドローン501の操作によって容器502を離脱させる場合である。このような容器502の落下があった場合、処理装置100の衝撃センサ115が、容器502が海面Sに到達した際の衝撃(加速度)を検出し、容器502の落下検出が行われる(S21)。
【0047】
処理装置100において落下検出が行われると、GPS衛星300Aから常時送信されている電波(T21)が、通信インターフェイス114を介して処理装置100も受信することになる。例えば、衝撃センサ115による衝撃の検出が行われると、通信インターフェイス114に対してバッテリ111から給電が開始され、通信インターフェイス114の通信処理回路114aが駆動し、電波の受信が開始されてもよい。これにより、常時の電波受信によるバッテリ111の残量低下を防止することができる。
【0048】
次に、処理装置100のプロセッサ112は、受信した電波から位置情報を生成する(S22)。具体的に、処理装置100のプロセッサ112は、複数のGPS衛星300Aから時刻データが含まれた電波を受信し、各電波の時刻データに基づいて位置を割り出す。より具体的には、処理装置100のプロセッサ112は、GPS衛星300Aから電波が発信された時刻と通信インターフェイス114においてその電波を受信した時刻との差で到達にかかった時間を算出する。そして、処理装置100のプロセッサ112は、各GPS衛星300Aから送信される電波の到達にかかった時間から、容器502の位置を割り出すことになる。
【0049】
その後、処理装置100のプロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して、生成した位置情報を通信衛星300Bに送信する(T22)。ここで、位置情報の送信は、衛星通信ネットワークを利用して行われる。そして、通信衛星300Bに送信された位置情報は、衛星通信ネットワークを利用して地球局400に送信され(T23)、更にインターネット等の情報通信網を利用して地球局400からサーバ装置200に送信される(T24)。
【0050】
サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した位置情報(T24)に基づいて、荷物が落下した位置の位置管理処理を行う(S23)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に当該位置情報を記憶する。また、プロセッサ212は、メモリ211から所定のプログラムを読出し、当該位置情報と地図情報に基づいて、荷物の落下位置をディスプレイに表示させたり、又は他の端末装置にその情報を送信してもよい。これにより、荷物が所定の搬送先に確実に到達しているかを容易に把握することが可能になり、更には搬送先以外で落下した荷物の捜索が容易となり、荷物の回収が迅速に行えることになる。
【0051】
8.処理装置100において実行される処理フロー
以下、
図8に記載された落下検出(S21)、電波の受信(T21)、及び位置情報生成(S22)に係る処理において、処理装置100において実行される処理フローを具体的に説明する。
【0052】
図9は、本開示の実施形態に係る処理装置100において実行される処理フローを示す図である。具体的に、
図9は、荷物を収容する容器502がドローン501から落下した場合に、処理装置100において落下検出、及び位置情報の生成並びに送信をする場合の処理の概要を示す図である。当該処理フローは、主に処理装置100のプロセッサ112がメモリ113に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0053】
図9によると、プロセッサ112は、衝撃センサ115からセンサ情報として加速度を受信したかを判断する(S111)。プロセッサ112は、センサ情報を受信しない場合には、本フローを終了する(S111:No)。一方、プロセッサ112は、センサ情報を受信すると(S111:Yes)、受信したセンサ情報である加速度から容器502の落下の有無を判定する。すなわち、プロセッサ112は容器502の落下を検出することになる。具体的に、プロセッサ112は、加速度が所定の閾値を超えた場合には、容器502が海面Sに到達した衝撃が加速度として検出されたと判断し、容器502がドローン501から落下したものと判断する。一方、プロセッサ112は、加速度が所定の閾値以下の場合には、検出された加速度は容器502の衝突によるものではないと判断し、容器502の落下がなかったと判断する。この場合、プロセッサ112は、本フローを終了する(S112:No)。
【0054】
一方、容器502の落下が検出されると(S112:Yes)、プロセッサ112は、バッテリ111から通信インターフェイス114への電力供給を開始する(S113)。例えば、プロセッサ112は、バッテリ111と通信インターフェイス114との間のスイッチ回路をオン状態とし、バッテリ111から通信インターフェイス114に対して通電可能な状態にする処理を行ってもよい。
【0055】
次に、プロセッサ112は、複数のGPS衛星300Aから電波を受信したか否かを判断する(S114)。複数のGPS衛星300Aから電波を受信して位置情報の生成が可能になると(S114:Yes)、プロセッサ112は、受信した電波に基づいて、容器502の落下位置に係る位置情報を生成する(S115)。具体的に、プロセッサ112は、時刻データが含まれた複数の電波に基づいて、容器502の位置を割り出す。より具体的には、処理装置100のプロセッサ112は、GPS衛星300Aから電波が発信された時刻と通信インターフェイス114においてその電波を受信した時刻との差で到達にかかった時間を算出する。そして、処理装置100のプロセッサ112は、各GPS衛星300Aから送信される電波の到達にかかった時間から、容器502の位置を割り出すことになる。
【0056】
次に、プロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して、生成した位置情報を通信衛星300Bに送信する(S116)。ここで、位置情報の送信は、衛星通信ネットワークを利用して行われる。以上により、本処理フローが終了する。
【0057】
9.変形例
上記の実施形態においては、処理装置100は衛星通信ネットワークを介して位置情報をサーバ装置200に送信していたが、これに限定されない。例えば、
図10に示すように処理システム1aを構成して、処理装置100aが他のネットワークを利用してサーバ装置200に位置情報を送信するようにしてもよい。ここで、
図10は、本開示の実施形態の変形例に係る処理システム1aの構成を概略的に示す概念図である。
図10に示すように、処理システム1aは、処理装置100a、サーバ装置200、GPS衛星300A、通信衛星300B、及び地球局400を備えている。ここで、サーバ装置200、GPS衛星300A、通信衛星300B、及び地球局400については、上記の実施形態と同一であるため、その説明は省略する。
【0058】
処理装置100aは、衛星通信ネットワークに接続できるだけでなく、インターネット等の情報通信ネットワークにも接続が可能となっている。具体的に、処理装置100aは、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいた処理を可能とする通信処理回路、又はIEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいた処理を可能とする通信処理回路を備える通信インターフェイスを有している。これにより、処理装置100aは、インターネット回線等を利用して、位置情報をサーバ装置200に送信してもよい。
【0059】
上記の実施形態においては、容器502の落下を検出するために、衝撃センサ115のセンサ情報を利用していたが、これに限定されない。例えば、加速度センサ及びジャイロセンサからのセンサ情報に基づいて、容器502の落下の衝撃ではなく、容器502の落下自体を検出してもよい。このような場合には、容器502の落下箇所が地表に限定されず、例えば、樹木に容器502が引っかかった場合でも落下を検出することが可能となり、位置情報の送信が可能になる。また、容器502の落下先が水面である場合には、水検出センサを設けることにより、容器502の落下があったものと判断してもよい。更に、容器502が水面において上下する場合には、当該容器502の上下運動(例えば、波の動き)を検出し、容器502の落下があったものと判断してもよい。
【0060】
また、ドローン501と容器502とを接続するロープに脱着式(例えば、ピン型)の接合部を設け、接合部の脱着を検出するセンサを設けてもよい。すなわち、ドローン501に対する容器502の脱着を検出するセンサからのセンサ情報により、容器502の落下を検出してもよい。なお、当該センサは、ピンが外れることによって電流が流れなくなったことを検出する電気的なセンサであってもよいが、これに限定されず、当該脱着を検出することが可能であれば、一般的な公知のセンサを用いることができる。
【0061】
そして、センサを設けることなく、ドローン501との通信が不可能になった状態において、容器502の落下があったものと判断してもよい。例えば、
図11に示すように処理システム1bを構成して、処理装置100bがドローンと短距離通信を行えるようにしてもよい。ここで、
図11は、本開示の実施形態の変形例に係る処理システム1bの構成を概略的に示す概念図である。
図11に示すように、処理システム1bは、処理装置100b、サーバ装置200、GPS衛星300A、通信衛星300B、地球局400、ドローン501を備えている。ここで、サーバ装置200、GPS衛星300A、通信衛星300B、地球局400、及びドローン501については、上記の実施形態と同一であるため、その説明は省略する。
【0062】
処理装置100bは、衛星通信ネットワークに接続できるだけでなく、インターネット等の情報通信ネットワークにも接続が可能となっている。具体的に、処理装置100bは、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいた処理を可能とする通信処理回路、及びIEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいた処理を可能とする通信処理回路を備える通信インターフェイスを有している。これにより、処理装置100bは、短距離無線通信を利用してドローン501と情報の送受信が可能となる。当然のことながら、ドローン501にも短距離無線通信を可能とする通信インターフェイスが設けられている。
図11の場合においては、処理装置100bのプロセッサは、ドローン501との短距離無線通信が行えなくなったことを検出し、容器502がドローン501から落下したと判断する。
【0063】
なお、このような落下検出については、いろいろな方法を組み合わせることにより、落下検出の精度を上げてもよい。例えば、センサ情報による落下検出と、近距離無線通信の切断による落下検出を組合せ、落下に関する誤判定を低減させてもよい。
【0064】
本明細書で説明される処理及び手順は、本開示において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、端末装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0065】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【0066】
10.本開示の実施態様のまとめ
本開示の実施態様に係る処理装置は、少なくとも一つのプロセッサ112を具備する処理装置であって、少なくとも一つのプロセッサ112は、ドローン501によって搬送される荷物がドローン501による搬送状態から落下したことを検出し、当該荷物の落下を検出すると、GPS衛星300から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、通信回線を介して位置情報をサーバ装置200に送信する、ための処理を実行するように構成されている。このような構成により、荷物の落下検出を契機として当該荷物の位置情報が送信されることになり、荷物の落下場所を正確かつ迅速に把握することが可能になる。また、荷物の落下を検出した場合に、GPS衛星300からの電波の受信が開始されるため、処理装置における消費電力を低減することが可能となる。このため、バッテリ不足による位置情報の送信ができない状態の発生を低減することができる。
【0067】
上記構成において、少なくとも一つのプロセッサ112は、荷物を収容する容器502に設けられた衝撃センサ115からセンサ情報を受信し、センサ情報から、容器502がドローン501による搬送状態から落下したことを検出してもよい。この場合に、少なくとも一つのプロセッサ112は、センサ情報に基づいて、容器502が地表に到達したことを検出してもよい。そして、少なくとも一つのプロセッサ112は、容器502が海面S等の地表に到達した際に、電波を受信するアンテナ114bが当該地表に対して鉛直上方に離間して位置すると、当該位置情報を送信してもよい。このような構成により、容器502の落下をより精確に検出することができ、更には位置情報の送信も確実に行えることになる。
【0068】
上記構成において、衝撃センサ115は、容器502の加速度を検出してもよく、より具体的に容器502が当該地表に到達した際の衝撃を検出してもよい。また、衝撃センサ115に代えて、水面上における容器502の揺れを検出するセンサを用いてもよい。このような構成により、容器502の落下をより精確に検出することができる。
【0069】
上記構成において、処理装置は少なくとも一つのプロセッサ112が搭載された基板110を具備し、基板110は容器502の内側に固定されていてもよい。このような構成により、容器502の落下をより精確に検出することができ、更には位置情報の送信も確実に行えることになる。
【0070】
上記構成において、少なくとも一つのプロセッサ112は、ドローン501に対する無線通信接続が切断されると、ドローン501による搬送状態から落下したと判断して当該位置情報を送信してもよい。このような構成により、センサの搭載が不要となり、地表以外の場所への落下等に対しても対応が可能になる。
【0071】
上記構成において、少なくとも一つのプロセッサ112は、ドローン501に対する荷物を収容する容器502の脱着を検出するセンサからセンサ情報を受信し、当該センサ情報から容器502が、ドローン501による搬送状態から落下したことを検出してもよい。このような構成により、容器502の落下をより精確に検出することができる。
【0072】
本開示の実施態様に係る処理プログラムは、少なくとも一つのプロセッサ112を具備する処理装置100において少なくとも一つのプロセッサ112を、ドローン501によって搬送される荷物がドローン501による搬送状態から落下したことを検出し、当該荷物の落下を検出すると、GPS衛星300から受信した電波に基づいて位置情報を生成し、通信回線を介して当該位置情報をサーバ装置200に送信するように機能させてもよい。このような構成により、荷物の落下検出を契機として当該荷物の位置情報が送信されることになり、荷物の落下場所を正確かつ迅速に把握することが可能になる。また、荷物の落下を検出した場合に、GPS衛星300からの電波の受信が開始されるため、処理装置における消費電力を低減することが可能となる。このため、バッテリ不足による位置情報の送信ができない状態の発生を低減することができる。
【0073】
本開示の実施態様に係る処理方法は、少なくとも一つのプロセッサ112を具備する処理装置100において少なくとも一つのプロセッサ112により実行される処理方法であって、ドローン501によって搬送される荷物がドローン501による搬送状態から落下したことを検出する段階と、当該荷物の落下を検出すると、GPS衛星300から受信した電波に基づいて位置情報を生成する段階と、通信回線を介して当該位置情報をサーバ装置200に送信する段階と、を含んでもよい。このような構成により、荷物の落下検出を契機として当該荷物の位置情報が送信されることになり、荷物の落下場所を正確かつ迅速に把握することが可能になる。また、荷物の落下を検出した場合に、GPS衛星300からの電波の受信が開始されるため、処理装置における消費電力を低減することが可能となる。このため、バッテリ不足による位置情報の送信ができない状態の発生を低減することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 処理装置
200 サーバ装置
300 GPS衛星
400 地球局
500 搬送装置
501 ドローン
502 容器