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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179813
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】音楽提供システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20241219BHJP
   A61M 21/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20241219BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G10K15/04 302M
A61M21/02 J
A61B5/00 C
G10K15/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098964
(22)【出願日】2023-06-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】512068167
【氏名又は名称】株式会社ファーストスター・ヘルスケア
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】西川 久仁子
【テーマコード(参考)】
4C117
5D208
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XB06
4C117XB20
4C117XC11
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE18
4C117XE19
4C117XE24
4C117XE56
4C117XH12
4C117XJ13
4C117XJ23
4C117XR04
4C117XR20
5D208BA02
5D208BD02
5D208BD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの身体状況の改善のため、ユーザの生体情報に基づいて、より実効的な選曲を行うことができる音楽提供システムを提供する。
【解決手段】ユーザUから取得生体情報Ibに基づき、楽曲を選択して提供する選曲装置200と、選曲装置200によって提供された楽曲を出力する音楽出力装置300と、を備える音楽提供システム1であって、選曲装置は、楽曲を鑑賞したユーザUの生体情報の変化量を示す鑑賞効果情報が楽曲毎に登録される鑑賞効果情報記憶部と、生体情報取得装置100によって、ユーザUから取得した生体情報Ibから、ユーザUの生体情報の改善量を算出し、かつ、算出した改善量と、鑑賞効果情報登録手段によって登録された鑑賞効果情報とを突き合わせてユーザに提供する楽曲を選曲する選曲部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置によって取得された生体情報に基づき、楽曲を選択して提供する選曲装置と、前記選曲装置によって提供された楽曲を出力する音楽出力装置とを備えた音楽提供システムであって、
前記音楽提供システムは、楽曲を鑑賞したユーザの生体情報の変化量を示す鑑賞効果情報を楽曲ごとに登録する鑑賞効果情報登録手段を備え、さらに、
前記生体情報取得装置によって、ユーザから取得した生体情報から、ユーザの生体情報の改善量を算出するよう構成され、かつ、前記算出された改善量と、前記鑑賞効果情報登録手段によって登録された鑑賞効果情報とを突き合わせてユーザに提供する楽曲を選曲する選曲手段とを備えたことを特徴とする音楽提供システム。
【請求項2】
前記選曲手段は、ユーザから取得した生体情報の数値と、予め登録された理想生体情報の数値との差分を求めることで前記改善量を算出するよう構成され、さらに、前記理想生体情報の数値を、ユーザ周囲の環境要素を示す情報に基づき補正可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の音楽提供システム。
【請求項3】
音楽提供によるユーザの身体状況の改善度合いを評価する改善度合評価部をさらに備え、
前記改善度合評価部は、音楽出力後のユーザの生体情報の数値の変化量が、
前記鑑賞効果登録手段によって登録された鑑賞効果情報が示す生体情報の変化量と異なる場合、音楽出力後のユーザの生体情報の数値の変化量に基づき、鑑賞効果情報を更新するよう構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音楽提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽提供システムに関するものであり、特に、ユーザの生体情報に基づいて選曲を行う音楽提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽には、人の脳や自律神経に作用し、身体に様々な影響を及ぼすことが知られている。そこで、計測装置によって取得したユーザの生体情報に基づき選曲を行うことで、ユーザの身体状況に適した音楽を提供する種々のシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、脈拍センサによってユーザの心拍数を取得し、ユーザの心拍数が速くなるほど、ダウンテンポの曲を選択して再生するようにした音楽提供システムが開示されている。係る音楽提供システムによれば、ユーザの運動負荷率が高まるにつれて、テンポの遅い楽曲が提供される。その結果、ユーザは、楽曲のテンポで身体の負荷状況を知得できるため、適切な負荷(ペース)による運動を促すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-63265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の音楽提供システムは、計測装置によって取得したユーザの生体情報に基づき選曲を行うが、選曲対象となる楽曲が、それぞれ、ユーザの生体情報に与える影響については不明確である。したがって、取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザの身体に好影響を与える選曲を行うために、改善の余地が存在するものであった。
【0006】
また、近年、コロナ禍による人々の健康意識の高まりを受け、音楽が心身に与える健康効果や治療効果についても注目されているところであり、ユーザの身体状況の改善のため、より実効的な選曲を行うことができる音楽提供システムが望まれている。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ユーザの身体状況の改善のため、ユーザの生体情報に基づいて、より実効的な選曲を行うことができる音楽提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1の発明は、
ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置によって取得された生体情報に基づき、楽曲を選択して提供する選曲装置と、前記選曲装置によって提供された楽曲を出力する音楽出力装置とを備えた音楽提供システムであって、
前記音楽提供システムは、楽曲を鑑賞したユーザの生体情報の変化量を示す鑑賞効果情報を楽曲ごとに登録する鑑賞効果情報登録手段を備え、さらに、
前記生体情報取得装置によって、ユーザから取得した生体情報から、ユーザの生体情報の改善量を算出するよう構成され、かつ、前記算出された改善量と、前記鑑賞効果情報登録手段によって登録された鑑賞効果情報とを突き合わせてユーザに提供する楽曲を選曲する選曲手段とを備えたことを特徴とする音楽提供システムを提供する。
【0009】
上記第1の発明によれば、音楽提供システムは、ユーザから取得した生体情報から、ユーザの生体情報の改善量を算出するよう構成され、かつ、前記算出された改善量と、前記鑑賞効果情報登録手段によって登録された鑑賞効果情報とを突き合わせてユーザに提供する楽曲を選曲するため、ユーザの生体情報に基づき、選曲対象となる楽曲が、ユーザの生体情報に与える影響について加味した上で、その身体状況を改善するのに最適な楽曲を提供できる。これにより、ユーザの身体状況の改善のため、ユーザの生体情報に基づいて、より実効的な選曲を行うことができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、
前記選曲手段は、ユーザから取得した生体情報の数値と、予め登録された理想生体情報の数値との差分を求めることで前記改善量を算出するよう構成され、さらに、前記理想生体情報の数値を、ユーザ周囲の環境要素を示す情報に基づき補正可能に設けられたことを特徴とする。
【0011】
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、ユーザ周囲の環境要素を加味した選曲が可能となり、より実効的な選曲を行うことができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、
音楽提供によるユーザの身体状況の改善度合いを評価する改善度合評価部をさらに備え、
前記改善度合評価部は、音楽出力後のユーザの生体情報の数値の変化量が、
前記鑑賞効果登録手段によって登録された鑑賞効果情報が示す生体情報の変化量と異なる場合、音楽出力後のユーザの生体情報の数値の変化量に基づき、鑑賞効果情報を更新するよう構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記第3の発明によれば、上記第1または第2の発明の効果に加え、上記構成により、音楽を実際に鑑賞したユーザの生体情報の変化量を反映した選曲が可能となり、ユーザの趣向に合わせた、より実効的な選曲が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザの身体状況の改善のため、ユーザの生体情報に基づいて、より実効的な選曲を行うことができる音楽提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る音楽提供システム1の全体構成を示す模式的機能ブロック図である。
図2図2は、図1のユーザ情報データベースのデータ内容を示す図である。
図3図3は、図1の楽曲情報データベースのデータ内容を示す図である。
図4図4(a)、図4(b)は、選曲情報データベースに含まれる楽曲解析情報のデータ内容を示す図である。
図5図5は、鑑賞効果登録処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6(a)、図6(b)は、選曲情報データベースに含まれる鑑賞効果情報のデータ内容を示す図である。
図7図7は、音楽提供処理の処理の流れを示すプログラムである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態につき、詳細に説明を加える。まず、本発明の実施形態に係る音楽提供システム1の全体構成について、以下説明する。
【0017】
<音楽提供システムの全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る音楽提供システム1の全体構成を示す模式的機能ブロック図である。図1に示されるように、音楽提供システム1は、ユーザUから生体情報Ibを取得する生体情報取得装置100と、生体情報取得装置100によって取得された生体情報Ibに基づき、楽曲を選択して提供する選曲装置200と、選曲装置200によって提供された楽曲を出力する音楽出力装置300と、ユーザの操作を受け付け、各種情報の入出力が可能な操作端末400とを備えている。
【0018】
詳細は後述するが、この音楽提供システム1は、生体情報取得装置100によって、ユーザUから生体情報Ibを取得し、ユーザUから取得した生体情報Ibに基づき、選曲装置200がユーザUの身体状況の改善に最適な楽曲を選択して提供し、選曲装置200によって提供された楽曲を音楽出力装置300から出力する構成となっている。これにより、ユーザUの身体状況の改善のため、ユーザUの生体情報Ibに基づいて、より実効的な選曲を行うことができる。音楽提供システム1の各構成について、以下詳述する。また、ユーザUは、複数であってもよく、その場合、ユーザUごとに、生体情報取得装置100、音楽出力装置300、操作端末400が設けられてもよい。
【0019】
<生体情報取得装置>
生体情報取得装置100は、ユーザUから生体情報Ibを取得する。
ここで、本発明における生体情報Ibとは、生体(ユーザ)が有する生理学的、解剖学的情報を指し、例えば、電極およびまたはその他センサ、測定器具等により検知・測定可能な心拍数、脈拍、脈波、心電、筋電、呼吸数、脳波、体温、身長、体重、血圧等の情報を含むものである。
【0020】
生体情報取得装置100は、ユーザUの操作によって生体情報Ibの入力を受け付ける生体情報入力装置110と、ユーザUの身体を測定して生体情報Ibを取得する生体情報測定装置120とを備えている。
【0021】
生体情報入力装置110は、ユーザUの入力操作を受け付ける情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等である。あるいは、マイクロコンピュータが組み込まれた家庭用電化製品であってもよい(例えば、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、トイレ機器など)。生体情報入力装置110が入力を受け付ける入力項目として、例えば、ユーザの年齢、性別、体重、身体に関するアンケート等が入力可能に構成される。生体情報入力装置110に入力された生体情報Ibは、ユーザUの識別情報とともに、ネットワークNWを介して、後述する選曲装置200に送信される。なお、後述する操作端末400が、この生体情報入力装置110の役割を果たしてもよい。
【0022】
生体情報測定装置120は、ユーザの身体を測定して生体情報Ibを取得する電子測定機器であり、例えば、脈拍計、心電計、体温計、血圧計等であり、これらは、ユーザの身体に装着可能なウェアラブルデバイスであってもよい。さらには、マイクロ波、または、ミリ波レーダを使用して遠隔で心拍数や呼吸数を測定可能な非接触式バイタルセンサでもよい。生体情報測定装置120によって測定された生体情報Ibは、ユーザUの識別情報とともに、ネットワークNWを介して、後述する選曲装置2に送信される。なお、後述する操作端末120が、この生体情報入力装置110の役割を果たしてもよい。また、生体情報測定装置120は、生体情報Ibを取得可能なものであれば、マイクロコンピュータが組み込まれた家庭用電化製品であってもよい。
【0023】
<音楽出力装置>
音楽出力装置300は、後述する選曲装置300によって提供された楽曲を出力する機能を果たし、ネットワークNWを介して、選曲装置200から後述の楽曲演奏データを取得し、これを音楽として音声出力する。音楽出力装置200は、楽曲演奏データの処理機構と、例えば、スピーカー、イヤホン等の音声出力部を備える。なお、後述する操作端末400が、この音楽出力装置300の役割を果たしてもよい。
【0024】
<操作端末>
操作端末400は、例えばスマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット等の多機能情報処理端末(携帯端末)である。あるいは、マイクロコンピュータが組み込まれた家庭用電化製品であってもよい(例えば、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、トイレ機器など)。図示されていないが、操作端末400は、ユーザUからの各種操作を受け付ける操作部と、各種情報を表示可能な表示部、音声を出力可能な音声出力部等を備え、また、ネットワークNWを介して、クラウドCLからアプリケーションプログラムをダウンロードして実行可能となっている。すなわち、操作端末400は、所定のアプリケーションプログラムをダウンロードすることで、上述の生体情報入力装置110、生体情報測定装置120、音楽出力装置300の果たす機能を兼ね備えることも可能となっている。操作端末400に入力された操作情報は、ユーザUの識別情報とともに、ネットワークNWを介して、後述する選曲装置200に送信される。また、操作端末400は、ネットワークNWを介して、選曲装置200から各種情報を取得し、所定の画面表示や、音声(音楽含む)出力が可能となっている。
【0025】
<選曲装置>
選曲装置200は、演算処理を行うCPUと、演算処理に必要な情報を読み書き可能なメモリとを備えて構成された情報処理装置であり、メモリに記憶された各種制御プログラムに従ってCPUが動作することにより、図1中に機能ブロックとして記載された構成が実現される。例えば、選曲装置200は、パーソナルコンピュータ、サーバ装置等である。
【0026】
選曲装置200は、各種情報の処理を行う処理領域200aと、各種情報の記憶を行う記憶領域200bとを備えている。処理領域200aには、ユーザUに関する各種情報を示すユーザ情報を登録するためのユーザ情報登録部210、楽曲登録モードを実行する楽曲登録モード実行部220、音楽提供モードを実行する音楽提供モード実行部230と、を備えている。すなわち、選曲装置200は、ユーザUに提供する楽曲に関する情報を登録するモードである楽曲登録モードと、楽曲登録モードによって登録された楽曲の中から、ユーザUから取得した生体情報Ibに基づき選曲して、音楽を提供する音楽提供モードとを備えている。なお、ユーザUが携帯端末400を操作することで、楽曲登録モードと、音楽提供モードとを適宜切り替え可能に構成されているが、切り替え方法は、これに限定されない。ユーザUから生体情報Ibを取得すると、自動で、音楽提供モードに切り替わるよう構成されてもよい。
【0027】
各種情報の処理を行う処理領域200aと、各種情報の記憶を行う記憶領域200bとを備えている。処理領域200aには、ユーザ情報を登録するためのユーザ情報登録部210、楽曲登録モードを実行する楽曲登録モード実行部220、音楽提供モードを実行する音楽提供モード実行部230と、を備えている。
【0028】
また、記憶領域200bには、ユーザ情報を記憶するユーザ情報データベース240と、楽曲情報を記憶する楽曲情報データベース250と、選曲情報を記憶する選曲情報データベース260と、理想(あるいは、目標)とする生体情報の数値が記録された理想生体情報データベース270を備えている。
【0029】
ユーザ情報登録部210は、操作端末400によって入力操作を受け付け、入力された入力情報により、ユーザUのプロフィール等の登録情報(ユーザ情報)を取得する。取得されたユーザUの登録情報は、ユーザ情報データベース240に登録される。
【0030】
図2は、図1のユーザ情報データベース240のデータ内容を示す図である。
図2に示されるように、ユーザ情報として、例えば、複数のユーザUを一意に識別するためのユーザID、名前、年齢、音楽の演奏経験の有無や、鑑賞の習慣(例えば、週に何時間音楽を聴くか等)を示す音楽経験、身体に関するアンケートの回答情報、そのユーザIDから取得した過去の生体情報Ibの記録等が含まれる。ユーザ情報の登録は、例えば、操作端末400にダウンロードされたユーザ登録用アプリケーションの実行により、ユーザUが必要情報を操作端末400に入力操作することで、適宜可能となっている。また、生体情報Ibの記録は、ユーザUから生体情報Ibを取得する都度、取得した日時の情報とともに経時的にユーザ情報データベース240にユーザUごとの記録が行われる。
【0031】
<楽曲登録モード>
図1に戻り、楽曲登録モード実行部220は、ユーザUに提供する楽曲に係る情報を登録する楽曲登録モードを実行するプログラムである。すなわち、楽曲登録モードは、楽曲登録処理を実行する制御モードであり、楽曲登録処理は、例えば、操作端末400の所定操作により、実行開始される。楽曲登録モード実行部220は、楽曲情報登録部221と、楽曲解析部222と、鑑賞効果登録部223とを備えている。
【0032】
楽曲情報登録部221は、楽曲に関する各種情報を含む楽曲情報を登録する機能を果たすプロクラムであり、楽曲登録処理を実行する。なお、楽曲登録処理によって、登録される楽曲情報のデータ内容は、例えば、クラウドCLからネットワークNWを介して取得したり、読み書き可能なディスク媒体等から取得することができるよう構成されている。
【0033】
図3は、図1の楽曲情報データベース250のデータ内容を示す図である。
楽曲情報データベース250には、楽曲登録処理により、選曲対象となる複数の楽曲が登録(記憶)されており、図3に示されるように、楽曲情報として、例えば、複数の楽曲を一意に識別するための楽曲ID、楽曲のタイトル(曲名)、楽譜をデータ化した楽譜データ、楽曲演奏に必要な情報をデータ化した楽曲演奏データ等が含まれる。なお、より具体的には、楽譜データとは、例えば、楽譜を表す画像データや、MusicXMLデータ、JSONデータ、CSVデータであり、楽曲の小節、拍、調、コード、コードの機能、テンポ、演奏時間等の情報を含んでいる。また、楽曲演奏データとは、例えば、MIDIデータ、Audioデータ、動画データ等である。
【0034】
図1に戻り、楽曲解析部222は、楽曲情報データベース250に登録された楽曲を解析するプログラムである。楽曲解析部222は、楽曲情報データベース250に楽曲が新規登録されると、都度、楽曲情報データベース250から楽曲情報を取得して、取得した楽曲情報を解析することで、登録された楽曲の楽曲解析情報を作成する。楽曲解析部222によって、楽曲情報データベース250に登録された楽曲ごとに作成された楽曲解析情報は、選曲情報データベース250の楽曲解析情報記憶部261に登録(記憶)される。
【0035】
図4(a)、図4(b)は、選曲情報データベース260に含まれる楽曲解析情報のデータ内容を示す図である。
より詳細には、図4(a)は、楽譜データを時系列で分析して得られる楽曲分析情報(時系列分析)を示しており、図4(b)は、楽譜データを全体で分析して得られる楽曲分析情報(全体)を示している。図4(a)に示されるように、楽譜データから、その楽曲の小節、拍、コード、前のコード、コードの機能TDS(主音Tonic,属音Dominant,
下属音Subdominant)、前のコードの機能、テンポ等の情報を、小節の拍ごとに細分化してデータ化する。これにより、後述する鑑賞効果登録部223が、小節の拍を単位として、すなわち、拍ごとに、取得したユーザUの生体情報Ibと紐づけた詳細なデータが作成可能となる。また、図4(b)に示されるように、楽曲全体のコードの出現頻度をデータ化する。これにより、楽曲全体のコードの出現頻度と、ユーザUの生体情報Ibを紐づけてデータ化することが可能となる。
【0036】
<鑑賞効果登録処理>
図1に戻り、鑑賞効果登録部223は、楽曲を鑑賞したユーザUの生体情報の変化を示す情報(以下、鑑賞効果情報という。)を、楽曲情報データベース250に登録された楽曲ごとに登録可能なプログラムである。鑑賞効果登録部223は、操作端末400の所定操作により、鑑賞効果情報を登録する鑑賞効果登録処理を実行する。
【0037】
図5は、鑑賞効果登録処理の流れを示すフローチャートである。
鑑賞効果登録処理が開始されると、鑑賞効果登録部223は、鑑賞効果の登録対象とする楽曲の楽曲情報を、楽曲情報データベース250から取得する(ステップS1)。ここで、鑑賞効果の登録対象とする楽曲は、例えば、ユーザUが、操作端末400の操作により、選択決定することができる。あるいは、選曲装置200が、所定のルールに基づき自動で決定してもよい。
【0038】
続いて、鑑賞効果登録部223は、音楽出力部233の処理により、音楽出力装置300から、鑑賞効果の登録対象とする楽曲を音声出力させる(ステップS2)。音声出力中~出力後まで、生体情報取得装置100によって、ユーザUの生体情報Ibを、所定の時間間隔で取得する(ステップS3)。
【0039】
次に、鑑賞効果の登録対象とする楽曲の音声出力が完了(演奏時間が終了)すると、ユーザUから取得した生体情報Ibに基づき、鑑賞効果情報を作成する(ステップS4)。作成された鑑賞効果情報は、選曲情報データベースの鑑賞効果情報記憶部262に記憶される。図6(a)、図6(b)は、選曲情報データベース260に含まれる鑑賞効果情報のデータ内容を示す図である。
より詳細には、図6(a)は、生体情報を時系列で分析して得られる鑑賞効果情報(時系列分析)を示しており、図6(b)は、生体情報を全体で分析して得られる鑑賞効果情報(全体)を示している。
【0040】
鑑賞効果情報は、楽曲の鑑賞効果を時系列で分析したデータと、全体で分析したデータがそれぞれ作成される。さらに、これらのデータ(情報)は、ユーザUごとのデータと、ユーザU全体のデータがそれぞれ作成される。ユーザU全体のデータの場合、各項目に記憶される数値(図6の場合、各行に示される数値)は、ユーザU全体の平均値となる。また、1つの楽曲につき、これらのデータは何度も登録でき、その際は、ユーザUごとのデータの場合は、各項目に記憶される数値は、今までの履歴を加味した平均値が算出されて記憶され、ユーザU全体のデータの場合についても、今までの履歴を加味した平均値が算出されて記憶される。
【0041】
図6(a)に示されるように、生体情報を時系列で分析して得られる鑑賞効果情報(時系列分析)のデータ内容は、例えば、鑑賞効果の登録対象とする楽曲の小節を単位として、生体情報Ibの各項目(例えば、脈拍、血圧、体温等)の数値が記録される。なお、より細かく、拍を単位として、数値が記録されてもよい。また、再生時間に基づき、所定の時間間隔で数値を記録させることもできる。また、係る記録方法は、ユーザUが、操作端末400の操作により、選択決定することができるよう構成されてもよい。なお、図示例においては、生体情報Ibの各項目は、脈拍、血圧、体温が示されているが、生体情報Ibの取得状況に応じて、1つの項目(例えば、脈拍のみ)でもよいし、より多くの項目でもよい。
【0042】
また、図6(b)に示されるように、生体情報を全体で分析して得られる鑑賞効果情報(時系列分析)のデータ内容は、鑑賞前(鑑賞開始直後でもよい)と、鑑賞後(鑑賞終了直後でもよい)の生体情報Ibの各項目を記録する。さらには、鑑賞前と鑑賞後の数値の差分を各項目について算出した鑑賞効果の数値を、生体情報Ibの各項目について算出して記録する。
【0043】
鑑賞効果登録部223は、鑑賞効果情報を作成すると、これを、鑑賞効果の登録対象とする楽曲の楽曲情報と紐づけて、ユーザUごとの鑑賞効果情報(時系列分析)、鑑賞効果情報(全体)、ユーザU全体の鑑賞効果情報(時系列分析)、鑑賞効果情報(全体)を、それぞれ、選曲情報データベースの鑑賞効果情報記憶部262に記憶(登録)する(ステップS5)。
【0044】
<楽曲提供モード>
図1に戻り、音楽提供モード実行部230は、音楽提供モードにおける音楽提供処理を実行するプログラムである。すなわち、音楽提供モードは、音楽提供処理を実行する制御モードであり、例えば、操作端末400の所定操作により、実行開始される。
【0045】
図7は、音楽提供処理の処理の流れを示すプログラムである。
音楽提供処理が開始されると、音楽提供モード実行部230は、ユーザUから生体情報Ibを取得し(ステップS11)、改善項目を決定する(ステップS12)。改善項目とは、ユーザUが改善すべき生体情報Ibの項目(例えば、脈拍、血圧、体温等)を指し、取得した生体情報Ibに含まれる項目が改善項目となる。すなわち、取得した生体情報Ibが、脈拍のみの情報だった場合、脈拍が改善項目として決定され、脈拍及び血圧の情報が含まれていた場合、脈拍及び血圧が改善項目として決定される。
【0046】
次に、生体情報解析部231によって、ユーザUから取得した生体情報Ibと、理想生体情報データベース270に含まれる理想生体情報とを比較する(ステップS12)。ここで、理想生体情報とは、身体状況の改善のため、理想とする生体情報の数値が記録されており、例えば、性別、年齢別に、生体情報Ibの各項目(例えば、脈拍、血圧、体温等)の理想(あるいは、目標)の数値が記録されている。
【0047】
生体情報解析部231は、このユーザUから取得した生体情報Ibと、理想生体情報データベース270に含まれる理想生体情報の数値を、改善項目ごとに比較することによって、改善項目ごとに、生体情報Ibの改善すべき数値の量を示す改善量を各項目について算出する(ステップS14)。この改善量は、ユーザUから取得した生体情報Ibの改善項目の各数値と、理想生体情報の対応する改善項目の各数値との差分で求めることができる。例えば、生体情報Ibに脈拍及び血圧の情報が含まれており、脈拍の数値が74、血圧の数値が120であった場合において、理想生体情報に含まれる脈拍の数値が70、血圧の数値が100のとき、改善量は、脈拍の項目が-4、血圧の項目が-20と算出される。
【0048】
次に選曲部232によって、ステップS14において算出された改善項目の改善量に基づき、選曲情報データベース260の鑑賞効果情報記憶部262の情報を参照することで、ユーザUに提供する出力候補の楽曲を決定する。より詳細には、算出された改善項目の改善量と、鑑賞効果情報の鑑賞効果を、楽曲ごとに突き合わせ、改善量に対して改善効果の数値が等しいか、あるいは最も近い楽曲を出力候補として決定する。すなわち、先の例では、改善量は、脈拍の項目が-4であったので、脈拍の鑑賞効果が-4か、-4が見つからなければ、-4に最も近い楽曲を出力候補として決定する(このとき、例えば、-3、-2、-1の順にデータ検索する)。このとき、選曲情報データベース260の鑑賞効果情報記憶部262の情報は、そのユーザUの鑑賞効果情報が存在する場合は、そのユーザUの鑑賞効果情報の数値が参照され、そのユーザUの鑑賞効果情報が存在しない場合、ユーザU全体の鑑賞効果情報の数値が参照される。なお、常に、ユーザU全体の鑑賞効果情報の数値が参照されるよう構成することもできる。
【0049】
ここで、選曲部232は、改善項目が複数存在する場合は、予め設定された改善項目の優先順位に従い、楽曲の出力候補を決定する。係る設定は、ユーザUが任意に設定してもよいし、予め、所定ルールに沿って自動設定されてもよい。なお、改善項目ごとに改善量に基づき、改善の重要性を評価(一例として、標準値からの偏差値を算出)して、改善項目の優先順位を決定してもよい。例えば、優先順位が、脈拍、血圧、体温の順で設定されていた場合は、まず、脈拍の鑑賞効果と改善量が、等しいか、あるいは最も近い楽曲が出力候補として決定されるが、脈拍の鑑賞効果と改善量が、等しいか、あるいは最も近い楽曲が複数見つかった場合は、次のステップとして、複数見つかった楽曲のうち、血圧の鑑賞効果と改善量が、等しいか、あるいは最も近い楽曲を出力候補として決定する。なお、このようにして、選曲部232は、楽曲の出力候補を、1つ決定するが、複数の楽曲を出力候補として決定してもよい。その場合、後述のステップによって、順番に出力候補の楽曲を音楽出力装置300から出力するよう構成できるが、その曲順は、単数あるいは複数の改善項目につき、改善量が、等しいか、あるいは最も近い順とすることができる。
【0050】
次に、音楽出力部233は、選曲部232によって、出力候補として決定された楽曲の楽曲情報を、楽曲情報データベース250から取得し、音楽出力装置300から、出力候補として決定された楽曲を音声出力する(ステップS16)。これにより、ユーザUの生体情報Ibに基づいて、より実効的な選曲を行い、ユーザUの身体状況を改善できる。なお、選曲部232が楽曲の出力候補を、複数決定していた場合は、楽曲の優先順位が高い順に、楽曲を音声出力するよう構成できる。
【0051】
続いて、音楽出力部233による音声出力装置300からの楽曲の音声出力が完了(演奏終了)すると、改善度合評価部233によって、ユーザUの身体状況の改善度合いを評価する。すなわち、音楽の鑑賞後に、ユーザUから生体情報Uを取得し、実際に、ユーザUの改善項目の数値がどの程度改善されたかを評価する。つまり、ユーザUの改善項目の数値(変化量)と、鑑賞効果情報の鑑賞効果(換言すれば、鑑賞効果情報が示す生体情報の変化量)との差分を求め、その大小を評価する。同時に、ユーザUの改善項目の数値と、理想生体情報の数値との差分も算出されてデータ分析のために記録される。このとき、ユーザUの改善項目の数値(変化量)が、鑑賞効果情報の鑑賞効果と異なる場合、あるいは、差分が所定値より大きい場合、出力した楽曲について、ユーザUの改善項目の数値(変化量)に基づき、そのユーザUの鑑賞効果情報を更新するよう構成できる。また、ユーザUの改善項目の数値(変化量)と、鑑賞効果情報の鑑賞効果との差分が所定値より大きい場合、そのユーザUについて、今回出力された楽曲を、次回の楽曲の出力候補から除外するよう構成することもできる。上記構成により、ユーザUの生体情報Ibに基づき、選曲対象となる楽曲が、ユーザの生体情報Ibに与える影響について加味した上で、その身体状況を改善するのに最適な楽曲を提供できる。これにより、ユーザUの身体状況の改善のため、ユーザUの生体情報Ibに基づいて、より実効的な選曲を行うことができる。また、音楽を実際に鑑賞したユーザの生体情報の変化量を反映した選曲が可能となり、ユーザの趣向に合わせた、より実効的な選曲が可能となる。
【0052】
その後、音楽提供終了か否かを判定し(ステップS18)、音楽提供終了であれば、音楽提供処理を終了する。また、音楽提供終了でない場合、ステップS11に戻り、音楽提供が続行される。なお、音楽提供終了の条件として、例えば、操作端末400の所定操作により、音楽提供モードが終了された、あるいは、ステップS17において、改善度合評価部233によって、ユーザUの改善項目の数値が、理想生体情報の数値と一致したことを条件とすることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明した。本件発明は、前記した実施形態の態様にのみ限定されない。技術的思想の範囲内で、適宜変更であることは言うまでも無い。
【0054】
<身体状況の評価による音楽提供>
上記実施形態においては、ユーザUから取得した生体情報Ibに基づき、選曲部232によって、楽曲の出力候補を決定する構成を説明したが、ユーザUの身体状況を下記の評価項目により評価して、その評価値に基づき、楽曲の出力候補を決定するよう構成することもできる。
【0055】
[評価項目1:怒り-敵意](Anger-Hostility:AH)
[評価項目2:混乱-当惑](Confusion-Bewilderment:CB)
[評価項目3:抑うつ-落ち込み](Depressi-Dejection:DD)
[評価項目4:疲労-無気力](Fatigue-Intertia:FI)
[評価項目5:緊張-不安](Anger-Hostility:AH)
【0056】
上記評価項目1~5は、例えば、ユーザUに対するアンケートを実施し、そのアンケート回答結果を点数付けすることで、それぞれの項目について、1~100の整数を範囲とする評価値を算出することができる。当該算出は、操作端末400にユーザUがアンケート回答を入力することで、選曲装置200が、入力情報を取得して算出するよう構成できる。また、鑑賞効果情報記憶部262には、その楽曲の鑑賞前後のアンケート回答をそれぞれ取得することで、上記評価項目1~5の変化を、鑑賞効果として登録(記憶)させるよう構成でき、理想生体情報データベース270には、理想の評価項目1~5の数値が記録される。これにより、選曲部232が音楽提供前のユーザUから取得した上記評価項目1~5に基づき、楽曲の出力候補を決定することができる。なお、その際、上記評価項目1~5が生体情報Ibの改善項目となり、それぞれにつき、改善量が算出される。選曲部232の選曲基準は、それぞれ改善量と鑑賞効果を加味して、改善度合いが最も良好となると推定される楽曲を選ぶよう構成されてもよい。
【0057】
<環境要素による補正>
音楽提供システム1による音楽提供の際、ユーザU周囲の環境要素を示す情報に基づき、理想生体情報データベース270に含まれる理想生体情報の数値に補正が加えられてもよい。環境要素を
示す情報として、例えば、天気(晴れ、雨、雲り等)、気圧、気温、場所(自室、台所、ホテル等)、騒音レベル(デシベル)等であり、係る情報は、例えば、操作端末400からの入力や、クラウドCL上の情報から、ネットワークNWを介して、選曲装置200が取得できるよう構成できる。例えば、天気が雨のときは、理想生体情報に含まれる脈拍、血圧の数値を-5%、体温を-3%減算して音楽提供処理を実行する。気温や騒音レベル(デシベル)が所定値よりも大きいときは、脈拍、血圧の数値を+5%、体温を+3%加算して音楽提供処理を実行する等により、ユーザU周囲の環境要素を加味した選曲が可能となり、より実効的な選曲を行うことができる。
【0058】
<その他>
生体情報Ibには、唾液中・血液中のコルチゾール、オキシトンシン、メラトニン等のホルモン、血液中のNK細胞等の情報が含まれてもよい。
【0059】
音楽提供システム1は、ユーザUが、自己の鑑賞効果情報(時系列分析)、鑑賞効果情報(全体分析)のデータ内容を操作端末400の画面表示により、参照できるように構成されてもよい。これにより、ユーザUは、その楽曲鑑賞が身体状況に及ぼす効果を確認でき、自己の身体状況の改善、分析に役立てることができる。また、操作端末400の操作によって、選曲装置200は、楽曲ごとに、鑑賞効果情報(時系列分析)、鑑賞効果情報(全体分析)を反映する(換言するならば、有効なものとして利用する)小節の範囲を設定(カスタマイズ)できるように構成されてもよい。これにより、楽曲全体だけでなく、楽曲の一部(例えば、サビ部分のみ)を音声出力する場合にも、良好に対応できる。
【符号の説明】
【0060】
1 音楽提供システム
100 生体情報取得装置
110 生体情報入力装置
120 生体情報測定装置
200 選曲装置
300 音楽出力装置
400 操作端末
U ユーザ
Ib 生体情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
[評価項目1:怒り-敵意](Anger-Hostility:AH)
[評価項目2:混乱-当惑](Confusion-Bewilderment:CB)
[評価項目3:抑うつ-落ち込み](Depressi-Dejection:DD)
[評価項目4:疲労-無気力](Fatigue-Inertia:FI)
[評価項目5:緊張-不安](Tension-Anxiety:TA
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから生体情報を取得する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置によって取得された生体情報に基づき、楽曲を選択して提供する選曲装置と、前記選曲装置によって提供された楽曲を出力する音楽出力装置とを備えた音楽提供システムであって、
前記選曲装置は、楽曲を鑑賞したユーザの生体情報の変化量を示す鑑賞効果情報を楽曲ごとに登録する鑑賞効果情報登録手段を備え、さらに、
前記生体情報取得装置によって、ユーザから取得した生体情報から、ユーザの生体情報の改善量を算出するよう構成され、かつ、前記算出された改善量と、前記鑑賞効果情報登録手段によって登録された鑑賞効果情報とを突き合わせてユーザに提供する楽曲を選曲する選曲手段とを備え、さらに、
楽曲の楽譜データを含む楽曲情報を登録する楽曲情報登録手段を備え、前記楽曲情報登録手段によって登録された楽曲情報に含まれる前記楽譜データから、楽曲の小節及び拍に関する情報を含む楽曲分析情報を作成するよう構成され、
前記鑑賞効果情報登録手段は、前記楽曲分析情報に基づき、楽曲の鑑賞時における小節または拍ごとにユーザの生体情報が記録されたデータと、楽曲の鑑賞前後のユーザの生体情報が記録されたデータとを前記鑑賞効果情報に含めて登録するよう構成され、
ユーザの操作端末に、前記鑑賞効果情報登録手段によって登録された前記鑑賞効果情報を表示して確認可能に構成されたことを特徴とする音楽提供システム。
【請求項2】
前記選曲装置は、前記登録された楽曲情報に含まれる楽曲ごとに、前記鑑賞効果情報を反映する小節の範囲を設定できるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の音楽提供システム。
【請求項3】
前記選曲装置は、前記生体情報取得装置から、生体情報とともにユーザの識別情報を取得し、
前記鑑賞効果情報登録手段は、ユーザから取得した識別情報に基づき、ユーザー毎と、ユーザー全体の生体情報が記録されたデータを、それぞれ前記鑑賞効果情報に含めて登録するように構成され、
前記選曲手段は、前記鑑賞効果情報登録手段によって登録された前記鑑賞効果情報に、前記生体情報取得装置が生体情報を取得したユーザの生体情報が記録されたデータが存在しない場合、ユーザー全体の生体情報が記録されたデータを使用して、ユーザに提供する楽曲を選曲するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の音楽提供システム。
【請求項4】
前記選曲手段は、ユーザから取得した生体情報の数値と、予め登録された理想生体情報の数値との差分を求めることで前記改善量を算出するよう構成され、さらに、前記理想生体情報の数値を、ユーザ周囲の環境要素を示す情報に基づき補正可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の音楽提供システム。
【請求項5】
音楽提供によるユーザの身体状況の改善度合いを評価する改善度合評価部をさらに備え、
前記改善度合評価部は、音楽出力後のユーザの生体情報の数値の変化量が、
前記鑑賞効果登録手段によって登録された鑑賞効果情報が示す生体情報の変化量と異なる場合、音楽出力後のユーザの生体情報の数値の変化量に基づき、鑑賞効果情報を更新するよう構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音楽提供システム。
【請求項6】
前記生体情報取得装置は、ユーザから複数の改善項目に係る生体情報を取得可能に構成されており、
前記選曲手段は、前記改善量を前記改善項目ごとに算出するよう構成され、前記改善項目ごとに算出された改善量に基づき、各改善項目の優先順位を決定し、決定された前記改善項目の優先順位に従って、ユーザに提供する楽曲を選曲するよう構成されたことを特徴とする請求項4に記載の音楽提供システム。