(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179815
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】入居管理システム、入居管理方法、および入居管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098973
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小浦 啓太郎
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】看介護施設への短期希望者の受け入れの可否を判断する入居管理システム、入居管理方法、および入居管理プログラムを提供する。
【解決手段】入居管理システムは、看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得する取得部211と、取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断する入居判断部214とを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得する取得部と、
取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断する入居判断部と
を備える入居管理システム。
【請求項2】
前記職員情報は、前記職員の勤務シフトに関するシフト情報を含む請求項1に記載の入居管理システム。
【請求項3】
前記希望者情報は、前記看介護施設への短期入居を希望する希望期間に関する期間情報を含む請求項2に記載の入居管理システム。
【請求項4】
前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能かどうかを判断するシフト判断部をさらに有し、
前記シフト判断部が、前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能であると判断したとき、前記入居判断部が、前記希望者の前記看介護施設への短期入居が可能であると判断する請求項3に記載の入居管理システム。
【請求項5】
前記シフト判断部が、前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアができないと判断したとき、前記職員情報に基づいて、前記勤務シフトを暫定的に変更する暫定変更部をさらに有する請求項4に記載の入居管理システム。
【請求項6】
前記入居判断部は、暫定的に変更された前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能であるとき、前記希望者の前記看介護施設への短期入居が可能であると判断する請求項5に記載の入居管理システム。
【請求項7】
前記希望者情報は、前記希望者に必要なケアに関するケア情報をさらに含み、
前記職員情報は、前記職員の属性に関する属性情報を含む請求項4に記載の入居管理システム。
【請求項8】
前記シフト判断部は、前記勤務シフトにおいて、前記希望者へのケアが可能な前記属性の職員が前記希望期間に勤務予定であるとき、前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能であると判断する請求項7に記載の入居管理システム。
【請求項9】
前記取得部は、前記看介護施設に関する施設情報をさらに取得し、
前記入居判断部は、取得した前記職員情報、前記希望者情報および前記施設情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断する請求項4に記載の入居管理システム。
【請求項10】
前記施設情報は、前記看介護施設が取得している加算要件に関する加算情報を含み、
前記シフト判断部は、前記勤務シフトにおいて、前記加算要件を満たしつつ、前記希望期間に前記希望者へのケアが可能であるとき、前記勤務シフトにおいて、前記希望期間の前記希望者へのケアが可能であると判断する請求項9に記載の入居管理システム。
【請求項11】
判断された前記看介護施設への短期入居の可否に関する可否情報を出力する出力部をさらに有する請求項1に記載の入居管理システム。
【請求項12】
看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得することと、
取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断することと
を含む処理をコンピューターが実行する入居管理方法。
【請求項13】
看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得することと、
取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断することと
を含む処理をコンピューターに実行させるための入居管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入居管理システム、入居管理方法、および入居管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国は、戦後の高度経済成長に伴う生活水準の向上、衛生環境の改善、および医療水準の向上等により、長寿命化が顕著となっている。このため、出生率の低下と相まって、高齢化率が高い高齢化社会になっている。このような高齢化社会では、病気、怪我、および加齢等により、介護や支援等のケアを必要とする被介護者の増加が想定される。
【0003】
介護サービス分野では、被介護者に対応する介護者の業務を支援するために、様々なシステムが導入されている。例えば、介護老人福祉施設、医療施設、等の看介護施設において、入居形態として、短期入居がある(例えば、特許文献1)。短期入居のサービスは、被介護者の家族(介護者)の身体的および精神的負担の軽減、介護者の用事、または、被介護者を施設に本格的に入居させる前の準備等のため、用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各看介護施設では、このような短期入居の希望者の受け入れの可否の判断が必要となる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわち、看介護施設への短期入居の希望者の受け入れの可否を判断する入居管理システム、入居管理方法、および入居管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0008】
(1)看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得する取得部と、取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断する入居判断部とを備える入居管理システム。
【0009】
(2)前記職員情報は、前記職員の勤務シフトに関するシフト情報を含む上記(1)に記載の入居管理システム。
【0010】
(3)前記希望者情報は、前記看介護施設への短期入居を希望する希望期間に関する期間情報を含む上記(2)に記載の入居管理システム。
【0011】
(4)前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能かどうかを判断するシフト判断部をさらに有し、前記シフト判断部が、前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能であると判断したとき、前記入居判断部が、前記希望者の前記看介護施設への短期入居が可能であると判断する上記(3)に記載の入居管理システム。
【0012】
(5)前記シフト判断部が、前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアができないと判断したとき、前記職員情報に基づいて、前記勤務シフトを暫定的に変更する暫定変更部をさらに有する上記(4)に記載の入居管理システム。
【0013】
(6)前記入居判断部は、暫定的に変更された前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能であるとき、前記希望者の前記看介護施設への短期入居が可能であると判断する上記(5)に記載の入居管理システム。
【0014】
(7)前記希望者情報は、前記希望者に必要なケアに関するケア情報をさらに含み、
前記職員情報は、前記職員の属性に関する属性情報を含む上記(4)に記載の入居管理システム。
【0015】
(8)前記シフト判断部は、前記勤務シフトにおいて、前記希望者へのケアが可能な前記属性の職員が前記希望期間に勤務予定であるとき、前記勤務シフトにおいて、前記希望者への前記希望期間のケアが可能であると判断する上記(7)に記載の入居管理システム。
【0016】
(9)前記取得部は、前記看介護施設に関する施設情報をさらに取得し、前記入居判断部は、取得した前記職員情報、前記希望者情報および前記施設情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断する上記(4)に記載の入居管理システム。
【0017】
(10)前記施設情報は、前記看介護施設が取得している加算要件に関する加算情報を含み、前記シフト判断部は、前記勤務シフトにおいて、前記加算要件を満たしつつ、前記希望期間に前記希望者へのケアが可能であるとき、前記勤務シフトにおいて、前記希望期間の前記希望者へのケアが可能であると判断する上記(9)に記載の入居管理システム。
【0018】
(11)判断された前記看介護施設への短期入居の可否に関する可否情報を出力する出力部をさらに有する上記(1)に記載の入居管理システム。
【0019】
(12)看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得することと、取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断することとを含む処理をコンピューターが実行する入居管理方法。
【0020】
(13)看介護施設に勤務する職員に関する職員情報と、前記看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報とを取得することと、取得された前記職員情報および前記希望者情報に基づいて、前記希望者の前記看介護施設への短期入居の可否を判断することとを含む処理をコンピューターに実行させるための入居管理プログラム。
【発明の効果】
【0021】
本発明の入居管理システム、入居管理方法、および入居管理プログラムでは、職員情報および希望者情報に基づいて、看介護施設への短期入居の可否が判断される。よって、看介護施設への短期入居の希望者の受け入れの可否を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態に係るシステム全体の概略構成を表す図である。
【
図2】
図1に示した情報処理端末の概略構成を表すブロック図である。
【
図3】
図1に示したサーバーの概略構成を表すブロック図である。
【
図4】
図3に示したストレージに格納される希望者情報の一例を表す図である。
【
図5】
図3に示したストレージに格納される職員情報の一例を表す図である。
【
図6】
図3に示したストレージに格納される勤務シフトの一例を表す図である。
【
図7】
図3に示したCPUの機能を示すブロック図である。
【
図8】
図3に示したサーバーが実行する職員情報の更新処理の一例を表すフローチャートである。
【
図9】
図3に示したサーバーが実行する勤務シフトの作成処理の一例を表すフローチャートである。
【
図10】
図3に示したサーバーが実行する短期入居の可否判断処理の一例を表すフローチャートである。
【
図11】変形例に係るサーバーが取得する施設情報の一例を表す図である。
【
図12】
図11に示した施設情報の更新処理の一例を表すフローチャートである。
【
図13】
図11に示した施設情報を用いて実行される短期入居の可否判断処理の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る入居管理システム、入居管理方法、および入居管理プログラムについて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0024】
<実施形態>
(システム10の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム10全体の概略構成を示す図である。
【0025】
図1に示すように、システム10は、情報処理端末100およびサーバー200によって構成される。情報処理端末100およびサーバー200は、ネットワークを介して相互に接続可能に構成されている。ここでは、サーバー200が、本発明の入居管理システムの一具体例に対応する。サーバー200および情報処理端末100により入居管理システムが構成されてもよい。
【0026】
システム10は、例えば、被介護者の短期入居を受け付ける看介護施設で使用される。看介護施設は、例えば、介護老人福祉施設または医療施設等である。システム10は、例えば、各看介護施設による、短期入居の希望者の受け入れ可否の判断に使用される。短期入居は、日帰りから30日間までの看介護施設の利用である。システム10は、看介護施設内に設置されてもよく、構成要素の一部または全部が看介護施設外(例えば、看介護施設を運営する法人の本部家屋等)に設置されてもよい。
【0027】
(情報処理端末100)
情報処理端末100は、例えば、看介護施設の経営者または管理者等のユーザーによって使用される端末であり、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレットPC、またはスマートフォン等である。
【0028】
図2は、情報処理端末100の概略構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、情報処理端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150、および操作表示部160を有する。各構成は、バス170を介して相互に通信可能に接続されている。
【0030】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
【0031】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0032】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0033】
ストレージ140は、HDD(Hard Disc Drive)、SDD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。例えば、ストレージ140には、ユーザーからの入力(指示等)を受け付けてサーバー200等の他の装置との間で各種情報を送受信したり、情報を操作表示部160に出力(表示)したりするためのアプリケーションがインストールされている。
【0034】
通信インターフェース150は、他の装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース150としては、有線または無線の各種規格による通信インターフェースが用いられる。
【0035】
操作表示部160は、例えば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報を表示すると共に、ユーザーからの各種入力を受け付ける。
【0036】
(サーバー200)
サーバー200は、単一のコンピューターにより構成されてもよく、多数のコンピューターによってクラウドサーバーとして仮想的に構成されてもよい。
【0037】
図3は、サーバー200の概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、サーバー200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、および操作表示部260を有する。各構成は、バス270を介して相互に通信可能に接続されている。
【0039】
CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、および操作表示部260の各構成は、情報処理端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。CPU210の具体的な機能については後述する。
【0040】
ストレージ240には、CPU210が各処理を実行するためのプログラムがインストールされる。このストレージ240には、さらに、看介護施設への短期入居を希望する希望者に関する希望者情報が格納される。希望者情報は、例えば、内部データベースとして記憶される。
【0041】
図4は、希望者情報の一例を表している。希望者情報は、例えば、希望者識別情報、期間情報、ケア情報および希望施設情報等を含んでいる。ストレージ240には、これらが互いに関連付けられて格納されている。希望者識別情報は、各希望者を識別するための情報である。希望者識別情報は、例えば、各希望者の氏名に関する情報を含んでいる。希望者識別情報は、希望者ID(identification)等に関する情報を含んでいてもよい。期間情報は、各希望者が短期入居を希望する希望期間に関する情報である。期間情報は、例えば、短期入居の開始希望日および終了希望日に関する情報を含んでいる。ケア情報は、各希望者に必要なケアに関する情報である。ケア情報には、例えば、希望者にケアを行う看介護施設の職員の属性に関する情報が含まれる。職員の属性は、例えば、職員の職種等である。職員の属性は、職員の性別、年齢、資格、在職年数および役職等であってもよい。希望施設情報は、各希望者が短期入居を希望する看介護施設に関する情報である。希望施設情報は、例えば、各希望者が短期入居を希望する看介護施設の名称に関する情報を含んでいる。希望施設情報は、希望者が短期入居を希望する看介護施設のID等に関する情報を含んでいてもよい。
【0042】
例えば、希望者「A」さんは、「施設a」に、3月4日から3月6日までの短期入居を希望している。「A」さんには、この期間内のいずれかの日に、機能訓練指導員によるケアが必要である。希望者情報には、各希望者の障害の有無、認知症の有無、または、各希望者が対象となる加算等に関する情報が含まれていてもよい。例えば、短期入居の申し込みがあったときに、希望者情報がストレージ240に格納(追加)される。短期入居の申し込みは、例えば、情報処理端末100により受け付けられる。
【0043】
ストレージ240には、さらに、各看介護施設に勤務する職員に関する職員情報が格納される。職員情報は、例えば、内部データベースとして記憶される。
【0044】
図5および
図6は、職員情報の一例を表している。職員情報は、例えば、職員識別情報、勤務施設情報、属性情報、休暇情報、勤務状態情報およびシフト情報等を含んでいる。ストレージ240には、これらが互いに関連付けられて格納されている。職員識別情報は、各職員を識別するための情報である。職員識別情報は、例えば、各職員の氏名に関する情報を含んでいる。職員識別情報は、職員ID等に関する情報を含んでいてもよい。勤務施設情報は、各職員が勤務する看介護施設に関する情報である。勤務施設情報は、例えば、各職員が勤務する看介護施設の名称に関する情報を含んでいる。勤務施設情報は、各職員が勤務する看介護施設のID等に関する情報を含んでいてもよい。属性情報は、各職員の属性に関する情報である。属性情報は、例えば、各職員の職種に関する情報を含んでいる。休暇情報は、各職員の休暇に関する情報である。休暇情報は、例えば、各職員が定期的に取得する休暇の曜日に関する情報を含んでいる。勤務状態情報は、例えば、各職員の勤務状態に関する情報である。勤務状態情報は、例えば、各職員の勤務可能な時間帯に関する情報を含んでいる。勤務状態情報は、各職員の勤務可能な日程または曜日等に関する情報を含んでいてもよい。シフト情報は、各職員の勤務シフトに関する情報である。シフト情報には、例えば、各看介護施設における月毎の勤務シフトが含まれる。
【0045】
例えば、職員「X」さんは、「施設a」に勤務しており、機能訓練指導員である。「X」さんの定期的な休暇は、土曜日および日曜日である。「X」さんは、早番、日勤および遅番での勤務および公休の取得が可能である。2023年2月の「X」さんの勤務シフトは、1日が早番、2日が公休、3日が遅番である。サーバー200は、職員情報に含まれる各職員の休暇および勤務状態等に基づいて、月毎に勤務シフトを作成する。サーバー200は、作成した勤務シフトをストレージ240に格納する。ストレージ240に格納された職員情報は、適宜、更新される。
【0046】
(CPU210の機能)
次に、CPU210の機能について説明する。
【0047】
図7は、CPU210の機能を示すブロック図である。CPU210は、取得部211、シフト判断部212、暫定変更部213、入居判断部214および出力部215として機能する。
【0048】
取得部211は、希望者情報および職員情報を取得する。希望者情報は、例えば、短期入居の希望期間に関する期間情報と、各希望者に必要なケアに関するケア情報とを含んでいる。職員情報は、各職員の属性に関する属性情報と、勤務シフトに関するシフト情報とを含んでいる。取得部211は、例えば、ストレージ240から読み出すことで、希望者情報および職員情報を取得する。
【0049】
シフト判断部212は、作成済の勤務シフトにおいて、短期入居の希望者へのケアが可能かどうかを判断する。シフト判断部212は、取得部211により取得された希望者情報および職員情報に基づいて、判断を行う。作成済の勤務シフトは、例えば、取得部211により取得された職員情報に含まれる勤務シフトである。例えば、作成済の勤務シフトにおいて、希望者の希望期間に、希望者へのケアが可能な属性の職員が勤務予定であるとき、シフト判断部212は、作成済の勤務シフトにおいて、希望者へのケアが可能であると判断する。作成済の勤務シフトにおいて、希望者の希望期間に、希望者へのケアが可能な属性の職員が勤務予定でないとき、作成済の勤務シフトにおいては、希望者へのケアができないと判断する。
【0050】
例えば、「施設a」に短期入居を希望している「A」さんは、入居希望期間(3月4日から3月6日まで)のいずれかの日に、機能訓練指導員のケアが必要である。作成済の勤務シフトでは、たとえば、この入居希望期間内に、「施設a」の職員であり、機能訓練指導員である「X」さん、または機能訓練指導員である他の職員が勤務予定である。このとき、シフト判断部212は、作成済の勤務シフトにおいて、「A」さんのケアが可能であると判断する。作成済の勤務シフトでは、たとえば、この入居希望期間内に、「X」さん、および機能訓練指導員である職員が勤務予定でない。このとき、シフト判断部212は、作成済の勤務シフトにおいて、「A」さんのケアができないと判断する。
【0051】
暫定変更部213は、シフト判断部212により、作成済の勤務シフトにおいては、希望者へのケアができないと判断されたとき、職員情報に基づいて、勤務シフトを暫定的に変更する。例えば、「A」さんの入居希望期間内に、「X」さん、または、機能訓練指導員である他の職員が勤務するように、勤務シフトの変更を図る。
【0052】
入居判断部214は、取得部211により取得された職員情報および希望者情報に基づいて、希望者の看介護施設への短期入居の可否を判断する。具体的には、シフト判断部212により、作成済の勤務シフトにおいて、希望者へのケアが可能であると判断されたとき、入居判断部214は、希望者の看介護施設への短期入居が可能であると判断する。さらに、シフト判断部212により、作成済の勤務シフトにおいては、希望者へのケアができないと判断されたときにも、入居判断部214は、希望者の看介護施設への短期入居が可能であると判断し得る。例えば、入居判断部214は、暫定変更部213により変更された勤務シフトにおいては、希望者へのケアが可能であるとき、希望者の看介護施設への短期入居が可能であると判断する。例えば、作成済の勤務シフトおよび暫定変更部213により変更された勤務シフトのどちらにおいても、希望者へのケアができないとき、入居判断部214は、希望者の看介護施設への短期入居が不可能であると判断する。
【0053】
出力部215は、入居判断部214により判断された看介護施設への短期入居の可否に関する可否情報を出力する。出力部215は、例えば、希望者情報と関連付けて、可否情報を出力する。出力部215は、例えば、情報処理端末100等の他の装置への送信、操作表示部260への表示、および画像形成装置(図示せず)による画像形成等により、可否情報を出力し得る。出力部215は、作成済の勤務シフトまたは暫定変更部213により変更された勤務シフトを出力してもよい。
【0054】
(システム10において実行される処理の概要)
次に、
図8、
図9および
図10に示したフローチャートを用いて、システム10において実行される処理の概要を説明する。本フローチャートに示される処理は、サーバー200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行され得る。
【0055】
図8は、職員情報の更新処理を表している。例えば、サーバー200が、職員情報の変更を受け付けたかどうかを判断する(ステップS101)。サーバー200は、職員情報の変更を受け付けたとき(ステップS101:YES)、職員情報を更新する(ステップS102)。この後、サーバー200は、更新した施設情報をストレージ240に格納する(ステップS103)。サーバー200は、職員情報の変更を受け付けないとき(ステップS101:NO)、変更を受け付けるまで、ステップS101の処理を繰りかえす。
【0056】
図9は、勤務シフトの作成処理を表している。例えば、サーバー200は、勤務シフトを作成するかどうかを判断する(ステップS111)。勤務シフトを作成すると判断しとき(ステップS111:YES)、サーバー200は、勤務シフトを作成する(ステップS112)。この後、サーバー200は、作成した勤務シフトをストレージ240に格納する(ステップS113)。サーバー200は、勤務シフトを作成しないと判断したとき(ステップS111:NO)、勤務シフトを作成すると判断するまで、ステップS111の処理を繰りかえす。サーバー200は、例えば、月に一度、所定のタイミングで、翌月の勤務シフトを作成する。
【0057】
図10は、短期入居の可否判断処理を表している。サーバー200は、まず、希望者情報および職員情報を取得する(ステップS201)。サーバー200は、例えば、ストレージ240から、更新済の希望者情報および職員情報を取得する。
【0058】
次に、サーバー200は、ステップS201で取得した希望者情報および職員情報に基づいて、作成済の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能かどうかを判断する(ステップS202)。サーバー200は、作成済の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能であると判断したとき(ステップS202:YES)、希望者の看介護施設への短期入居が可能であると判断する(ステップS206)。この後、サーバー200は、可否情報を出力し(ステップS207)、処理を終了する。
【0059】
サーバー200は、作成済の勤務シフトにおいては、希望者のケアができないと判断したとき(ステップS202:NO)、作成済の勤務シフトを暫定的に変更する(ステップS203)。この後、変更後の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能かどうかを判断する(ステップS204)。サーバー200は、変更後の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能であると判断したとき(ステップS204:YES)、ステップS206の処理に進む。
【0060】
サーバー200は、変更後の勤務シフトにおいても、希望者のケアができないと判断したとき(ステップS204:NO)、希望者の看介護施設への短期入居が不可能であると判断する(ステップS205)。この後、サーバー200は、ステップS207の処理に進む。
【0061】
(サーバー200およびシステム10の作用効果)
本実施形態に係るサーバー200およびシステム10では、職員情報および希望者情報に基づいて、看介護施設への短期入居の可否が判断される。よって、看介護施設への短期入居の希望者の受け入れの可否を判断することができる。以下、この作用効果について説明する。
【0062】
看介護施設では、入所者の死亡および入院等によって、空床が生じることがある。この空床を埋めるため、看介護施設は、短期入居者の募集を行う。しかし、短期入居者の受け入れには、作成済の勤務シフトの変更が必要となる場合がある。例えば、短期入居の希望者に、特定のケアが必要であるときには、このケアの実施が可能な職員を希望者の希望期間内に配置する必要がある。希望者個々の要望および状態等に応じて、看介護施設の職員等が勤務シフトの確認および変更等を行うと、短期入居者の受け入れに起因する看介護施設の職員等への負担が大きくなる。
【0063】
これに対し、サーバー200およびシステム10では、看介護施設への短期入居の希望者の受け入れの可否が判断されるので、看介護施設の職員等による勤務シフトの確認および変更等の作業が不要となる。よって、看介護施設の職員等への負担を軽減しつつ、短期入居者の受け入れが可能となる。
【0064】
また、サーバー200が、作成済の勤務シフトでのケアが可能かどうかを判断し、作成済の勤務シフトにおいて希望者へのケアができない場合には、勤務シフトを暫定的に変更する。これにより、サーバー200は、暫定的に変更された勤務シフトを出力することが可能となる。したがって、看介護施設の職員等は、この勤務シフトを利用して、短期入居者を受け入れることができる。即ち、勤務シフトの変更が必要な場合にも、看介護施設の職員等が、変更作業を行う必要がないので、看介護施設の職員等への負担が軽減される。
【0065】
さらに、サーバー200は、希望者に必要なケアを考慮して、短期入居の希望者の受け入れを判断することができる。これにより、各看介護施設は、短期入居者にも、質の高いケアを提供することが可能となる。
【0066】
<変形例>
図11は、変形例に係るシステム10が取得する施設情報の一例を表している。施設情報は、各看介護施設に関する情報であり、例えば、ストレージ240に格納されている。施設情報は、例えば、内部データベースとして記憶される。
【0067】
施設情報は、例えば、施設識別情報、入居者情報および加算情報等を含んでいる。ストレージ240には、これらが互いに関連付けられて格納されている。施設識別情報は、各看介護施設を識別するための情報である。施設識別情報は、例えば、各看介護施設の名称に関する情報を含んでいる。施設識別情報は、施設ID等に関する情報を含んでいてもよい。入居者情報は、各看介護施設に入居している入居者に関する情報である。入居者情報は、例えば、各看介護施設の入居者数に関する情報を含んでいる。入居者情報は、各入居者の要介護度、障害の有無、および認知症の有無等に関する情報を含んでいてもよい。加算情報は、各看介護施設が取得している加算要件に関する情報である。加算情報は、例えば、複数の加算要件各々の取得の有無に関する情報を含んでいる。施設情報は、各看介護施設の居室の空き状態等に関する情報を含んでいてもよい。
【0068】
例えば、「施設a」の入居者数は70名であり、「加算1」を取得している。「施設a」は、「加算2」、「加算3」および「加算4」等は未取得である。例えば、施設情報に変更があったときに、ストレージ240に格納された施設情報が更新される。例えば、情報処理端末100が、施設情報の変更を受け付ける。
【0069】
次に、
図12および
図13に示したフローチャートを用いて、変形例に係るシステム10において実行される処理の概要を説明する。本フローチャートに示される処理は、サーバー200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行され得る。
【0070】
図12は、施設情報の更新処理を表している。例えば、サーバー200が、施設情報の変更を受け付けたかどうかを判断する(ステップS301)。サーバー200は、施設情報の変更を受け付けたとき(ステップS301:YES)、施設情報を更新する(ステップS302)。この後、サーバー200は、更新した施設情報をストレージ240に格納する(ステップS303)。サーバー200は、施設情報の変更を受け付けないとき(ステップS301:NO)、変更を受け付けるまで、ステップS301の処理を繰りかえす。
【0071】
図13は、短期入居の可否判断処理のフローチャートである。サーバー200は、まず、希望者情報、職員情報および施設情報を取得する(ステップS401)。サーバー200は、例えば、ストレージ240から、更新済の希望者情報、職員情報および施設情報を取得する。
【0072】
次に、サーバー200は、ステップS401で取得した希望者情報、職員情報および施設情報に基づいて、作成済の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能かどうかを判断する(ステップS402)。このとき、サーバー200は、作成済の勤務シフトにおいて、各看介護施設が取得している加算要件を満たしつつ、希望者へのケアが可能かどうかを判断する。例えば、看介護施設が、入所者数に対する職員の人員配置が規定された加算要件を取得しているとき、短期入居者を受け入れると、即ち、入居者数が増えると、この加算要件が満たされなくなるおそれがある。具体的には、希望者が看介護施設に短期入居した際に、職員数が不足するおそれがある。このとき、サーバー200は、作成済の勤務シフトにおいて、希望者のケアができないと判断し(ステップS402:NO)、ステップS403の処理に進む。
【0073】
サーバー200は、作成済の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能であると判断したとき(ステップS402:YES)、希望者の看介護施設への短期入居が可能であると判断する(ステップS406)。この後、サーバー200は、可否情報を出力し(ステップS407)、処理を終了する。
【0074】
ステップS403の処理では、上記実施形態で説明したステップS303の処理と同様に、作成済の勤務シフトを暫定的に変更する。サーバー200は、例えば、希望者の入居期間内にも、取得済の加算要件が満たされるように、勤務シフトの変更を図る。この後、変更後の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能かどうかを判断する(ステップS404)。サーバー200は、変更後の勤務シフトにおいて、希望者のケアが可能であると判断したとき(ステップS404:YES)、希望者の看介護施設への短期入居が可能であると判断する(ステップS406)。サーバー200は、例えば、変更後の勤務シフトにおいて、各看介護施設が取得している加算要件を満たしつつ、希望者へのケアが可能であるとき、ステップS406の処理に進む。
【0075】
サーバー200は、変更後の勤務シフトにおいても、希望者のケアができないと判断したとき(ステップS404:NO)、希望者の看介護施設への短期入居が不可能であると判断する(ステップS405)。この後、サーバー200は、ステップS407の処理に進む。
【0076】
このような変形例に係るサーバー200およびシステム10では、職員情報、希望者情報および施設情報に基づいて、看介護施設への短期入居の可否が判断される。よって、看介護施設への短期希望者の受け入れの可否を判断することができる。また、このサーバー200およびシステム10では、取得済の加算要件を考慮して、短期入居の可否が判断されるので、看介護施設の職員等による加算要件の確認作業が不要となる。したがって、看介護施設の職員等への負担をより軽減することが可能となる。
【0077】
本発明は、上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0078】
例えば、情報処理端末100、およびサーバー200は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0079】
また、情報処理端末100、およびサーバー200は、それぞれ別の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0080】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。例えば、サーバー200において実行されるものとして説明した処理の少なくとも一部は、情報処理端末100やその他の装置によって実行されてもよい。また、情報処理端末100の機能をサーバー200に包含させることで、情報処理端末100を省略してもよい。
【0081】
また、上記の実施形態および変形例におけるフローチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分割の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割されることもできる。1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。また、複数のステップが同時に、または組み合わさって実行されてもよい。
【0082】
上述した実施形態および変形例に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0083】
100 情報処理端末、
110 CPU、
120 ROM、
130 RAM、
140 ストレージ、
150 通信インターフェース、
160 操作表示部、
170 バス、
200 サーバー、
210 CPU、
211 取得部、
212 シフト判断部、
213 暫定変更部、
214 入居判断部、
215 出力部、
220 ROM、
230 RAM、
240 ストレージ、
250 通信インターフェース、
260 操作表示部、
270 バス。