(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179826
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】集積回路装置及び発振器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20241219BHJP
H03B 5/32 20060101ALI20241219BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L27/04 E
H03B5/32 H
H03B5/32 A
H01L27/04 D
H01L21/82 L
H01L21/82 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099036
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宇野 智博
【テーマコード(参考)】
5F038
5F064
5J079
【Fターム(参考)】
5F038AZ08
5F038BE07
5F038BE09
5F038CA02
5F038CA05
5F038CA08
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5F064BB33
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5J079AA04
5J079BA02
5J079CA04
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5J079DA25
5J079DB04
5J079FA01
5J079FA05
5J079FA21
5J079FB20
5J079FB35
5J079FB38
5J079FB39
5J079FB48
5J079HA03
5J079HA07
5J079HA23
(57)【要約】
【課題】パッドとトランジスターとの間の寄生抵抗に起因してトランジスターに流れる電流が低下するおそれを低減することが可能な集積回路装置を提供すること。
【解決手段】電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている、集積回路装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、
前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、
温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、
前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、
前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、
平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている、集積回路装置。
【請求項2】
請求項1において、
平面視において、前記第1のゲート、前記第1のドレイン及び前記第1のソースは、前記第1パッド及び前記第2パッドと重なっている、集積回路装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1パッド及び前記第2パッドは、前記第1のゲートの長手方向である第1方向に沿って並んで配置されている、集積回路装置。
【請求項4】
請求項3において、
Nを2以上の整数として、
第2~第Nのトランジスターと、
第2~第Nのドレイン接続用ビア配線と、
第2~第Nのソース接続用ビア配線と、を含み、
前記第1~第Nのトランジスターは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並んで配置されており、
2以上N以下の各整数iに対して、
前記第iのトランジスターは、前記温度制御信号が入力される第iのゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第iのドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第iのソースと、を有し、
前記第iのドレイン接続用ビア配線は、前記第1パッドと前記第iのドレインとを電気的に接続するビア配線であり、
前記第iのソース接続用ビア配線は、前記第2パッドと前記第iのソースとを電気的に接続するビア配線であり、
平面視において、前記第iのドレインは前記第1パッドと重なり、前記第iのソースは前記第2パッドと重なっている、集積回路装置。
【請求項5】
請求項3において、
温度センサーと、
前記温度センサーからの信号を出力する第3パッドと、を含み、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1パッド及び前記第2パッドの一方と、前記第3パッドとが並んで配置されている、集積回路装置。
【請求項6】
請求項3において、
温度センサーと、
前記温度センサーからの信号が出力される第3パッドと、を含み、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記温度センサー、前記第3パッド及び前記第1のトランジスターが、この順に並んで配置されている、集積回路装置。
【請求項7】
請求項1において、
温度センサーを含み、
前記集積回路装置は、平面視で長方形であり、短辺である第1辺及び前記第1辺に対向する短辺である第2辺を有し、
前記温度センサーは、前記第2辺よりも前記第1辺に近い位置に配置されており、
前記第1のトランジスターは前記第1辺よりも前記第2辺に近い位置に配置されている、集積回路装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1パッドに前記電源電圧が供給され、
前記第2パッドに前記グラウンド電圧が供給され、
前記第1のトランジスターは、Nチャンネル型のMOSトランジスターである、集積回路装置。
【請求項9】
集積回路装置と、
前記集積回路装置によって温度制御される振動素子と、
前記振動素子を発振させる発振回路と、を備え、
前記集積回路装置は、
電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、
前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、
温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、
前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、
前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、
平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている、発振器。
【請求項10】
請求項9において、
前記集積回路装置、前記振動素子及び前記発振回路を収容する第1容器を備える、発振器。
【請求項11】
請求項10において、
前記第1容器は、基板と、前記基板の第1面に立設する壁部と、前記基板の第2面に立設する脚部とを有し、
前記基板の前記第1面と前記壁部とによって第1収容空間が形成されており、
前記基板の前記第2面と前記脚部とによって第2収容空間が形成されており、
前記集積回路装置、前記振動素子及び前記発振回路は、前記第1収容空間に収容されている、発振器。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1収容空間は気密封止され、前記第2収容空間は開放されている、発振器。
【請求項13】
請求項10において、
前記集積回路装置、前記振動素子及び前記発振回路を収容する第2容器を備え、
前記第2容器は、前記第1容器に収容されている、発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路装置及び発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電源パッドとグランドパッドとの間に接続される発熱トランジスターを含む発熱回路を有し、発熱トランジスターのソースの抵抗値がドレインの抵抗値よりも小さい構成とすることで、発熱トランジスターの寄生抵抗に起因する発熱性能の低下を抑制した集積回路装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の集積回路装置では、電源パッドと発熱トランジスターのドレインとの間の拡散層の寄生抵抗や発熱トランジスターのソースとグランドパッドとの間の拡散層の寄生抵抗に起因して発熱トランジスターに流れる電流が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る集積回路装置の一態様は、
電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、
前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、
温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、
前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、
前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、
平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている。
【0006】
本発明に係る発振器の一態様は、
集積回路装置と、
前記集積回路装置によって温度制御される振動素子と、
前記振動素子を発振させる発振回路と、を備え、
前記集積回路装置は、
電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、
前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、
温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、
前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、
前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、
平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態の集積回路装置の機能ブロック図。
【
図2】第1実施形態における発熱部の回路構成を示す図。
【
図3】集積回路装置のレイアウトの一例を示す平面図。
【
図4】第1実施形態における発熱部のレイアウトを示す図。
【
図5】第1実施形態の集積回路装置の領域A1の斜視図。
【
図6】第2実施形態における発熱部の回路構成を示す図。
【
図7】第2実施形態における発熱部のレイアウトを示す図。
【
図8】第2実施形態の集積回路装置の領域A1の斜視図。
【
図11】発振器が有する内側パッケージおよびその内部を示す断面図。
【
図12】発振器が有する電圧制御発振器を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.集積回路装置
1-1.第1実施形態
図1は、本実施形態の集積回路装置の機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の集積回路装置7は、発熱部71を含み、さらに温度センサー72を含んでもよい。
【0010】
外部接続用の電極であるパッド401,402,403,404を有している。パッド401,402,403,404は、ワイヤーボンディング実装用のパッドであってもよいし、フリップチップ実装用のパッドであってもよい。パッド401は、電源に接続され、電源電圧VDDが供給される。パッド402は、グラウンドに接続され、グラウンド電圧VSSが供給される。パッド403,404は、例えば、不図示の制御装置と接続される。そして、パッド403は、温度制御信号TCが入力され、パッド404は、温度センサー72からの出力信号である温度検出信号TSを出力する。
【0011】
発熱部71は、パッド401,402を介して電源とグラウンドとの間に接続されており、電源からグラウンドへと流れる電流によって発熱する。発熱部71は、温度制御信号TCの電圧レベルに応じて発熱量が変化する。このように、集積回路装置7は、発熱部71によって発熱する発熱IC(Integrated Circuit)である。
【0012】
温度センサー72は、パッド401,402を介して電源とグラウンドとの間に接続されており、集積回路装置7の温度を検出し、検出した温度に応じた電圧レベルの温度検出信号TSを出力する。集積回路装置7には発熱部71が内蔵されているため、温度センサー72は、発熱部71の発熱に応じて変化する集積回路装置7の内部の温度を検出することになる。温度センサー72は、例えば、ダイオードのPN接合の順方向電圧の温度依存性を利用したセンサーであってもよい。温度センサー72から出力される温度検出信号TSは、パッド404を介して集積回路装置7の外部に出力される。
【0013】
図2は、第1実施形態における発熱部71の回路構成を示す図である。
図2に示すように、発熱部71は、トランジスター75-1を含む。トランジスター75-1は、Nチャンネル型MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスターであり、ゲートGと、ドレインDと、ソースSとを有する。トランジスター75-1は、ゲートGに温度制御信号TCが入力され、ドレインDがパッド401に電気的に接続され、ソースSがパッド402に電気的に接続されている。実際には、トランジスター75-1のドレインDとパッド401との間には寄生抵抗RD-1が形成されており、トランジスター75-1のソースSとパッド402との間には寄生抵抗RS-1が形成されている。寄生抵抗RD-1,RS-1は、各配線層の抵抗やN+拡散層の抵抗等によって形成される。
【0014】
図2に示すように、発熱部71は、さらに、トランジスター75-2~75-Nを含んでもよい。Nは2以上の整数である。
【0015】
2以上N以下の各整数iに対して、トランジスター75-iは、Nチャンネル型MOSトランジスターであり、ゲートGと、ドレインDと、ソースSとを有する。トランジスター75-iは、ゲートGに温度制御信号TCが入力され、ドレインDがパッド401に電気的に接続され、ソースSがパッド402に電気的に接続されている。実際には、トランジスター75-iのドレインDとパッド401との間には寄生抵抗RD-iが形成されており、トランジスター75-iのソースSとパッド402との間には寄生抵抗RS-iが形成されている。寄生抵抗RD-i,RS-iは、各配線層の抵抗やN+拡散層の抵抗等によって形成される。
【0016】
すなわち、発熱部71は、N個のトランジスター75-1~75-Nがパッド401とパッド402との間に並列に接続された構成であって、トランジスター75-1~75-Nの各ゲートGに、温度制御信号TCが共通に入力されてもよい。
【0017】
トランジスター75-1~75-Nの各々は、Nチャンネル型MOSトランジスターであるので、ゲートGに入力される温度制御信号TCの電圧レベルが高いほどオン抵抗が小さくなり、ドレイン電流が大きくなる。トランジスター75-1~75-Nの各々の消費電力は、ドレイン電流の2乗とオン抵抗との積で表され、熱として放出される。したがって、温度制御信号TCの電圧レベルが高いほどトランジスター75-1~75-Nの各々の発熱量が大きくなる。
【0018】
ただし、寄生抵抗RD-1~RD-N,RS-1~RS-Nが大きいと、トランジスター75-1~75-Nのドレイン電流が小さくなり、トランジスター75-1~75-Nを含む発熱部71の発熱量が低下する。そこで、本実施形態では、集積回路装置7のレイアウトを工夫することにより、寄生抵抗RD-1~RD-N,RS-1~RS-Nを低減させて、発熱部71の発熱効率を向上させる。
【0019】
図3は、集積回路装置7のレイアウトの一例を示す平面図である。また、
図4は、発熱部71の詳細なレイアウトを示す図である。
図4では、パッド401,402も破線で示されている。また、
図5は、
図3に示す集積回路装置7の領域A1の斜視図である。
図3、
図4及び
図5では、視る方向を特定するために互いに直交する3方向であるX方向、Y方向及びZ方向が示されている。なお、
図4及び
図5では、
図2における整数Nが16である場合、すなわち、発熱部71が16個のトランジスター75-1~75-16を含む場合が例示されている。
【0020】
図3に示すように、集積回路装置7は、平面視で長方形であり、短辺である第1辺E1、第1辺E1に対向する短辺である第2辺E2、長辺である第3辺E3、及び、第3辺E3に対向する長辺である第4辺E4を有する。第1辺E1及び第2辺E2はY軸と平行であり、第3辺E3及び第4辺E4はX軸と平行である。
【0021】
集積回路装置7は、半導体基板400を有し、半導体基板400の上に各素子や各配線が積層されている。本実施形態では、半導体基板400はシリコン基板にリン(P)等の不純物が混入されて形成されるN型の半導体基板である。半導体基板400は矩形状であって、半導体基板400の4辺が、集積回路装置7の第1辺E1、第2辺E2、第3辺E3及び第4辺E4に相当してもよい。
【0022】
図3に示すように、トランジスター75-1のゲートG、ドレインD及びソースSの長手方向である第1方向と交差する第2方向において、パッド401及びパッド402の一方と、パッド404とが並んで配置されている。また、第2方向において、パッド401及びパッド402の他方と、パッド403とが並んで配置されている。
図3では、第1方向はY方向であり、第2方向はX方向であり、第2方向において、パッド401とパッド404とが並んで配置され、パッド402とパッド403とが並んで配置されている。ただし、第2方向において、パッド402とパッド404とが並んで配置され、パッド401とパッド403とが並んで配置されていてもよい。
【0023】
図3及び
図4に示すように、第2方向において、温度センサー72、パッド404及び発熱部71に含まれるトランジスター75-1~75-16が、この順に並んで配置されている。
【0024】
図3に示すように、温度センサー72は、第2辺E2よりも第1辺E1に近い位置に配置されている。具体的には、温度センサー72は、第1辺E1及び第3辺E3に沿って配置されている。また、
図3及び
図4に示すように、発熱部71に含まれるトランジスター75-1~75-16は、第1辺E1よりも第2辺E2に近い位置に配置されている。
【0025】
なお、パッド401とパッド404との間には、パッド401,402に対する静電気保護回路73が配置されており、パッド403と第1辺E1との間には、パッド403,404に対する静電気保護回路74が配置されている。
【0026】
また、
図3に示すように、発熱部71は領域A1に配置されており、平面視において、発熱部71の一部はパッド401と重なっており、発熱部71の他の一部はパッド402と重なっている。
【0027】
図4及び
図5に示すように、パッド401及びパッド402は、トランジスター75-1のゲートG、ドレインD及びソースSの長手方向である第1方向に沿って並んで配置されている。例えば、第1方向は、Y方向であってもよい。また、
図4に示すように、トランジスター75-1~75-16は、第1方向と交差する第2方向に並んで配置されている。例えば、第2方向は、X方向であってもよい。
【0028】
図5に示すように、領域A1において、半導体基板400にはP型のウェル410が形成されており、トランジスター75-1~75-16は、ウェル410に形成されている。トランジスター75-1~75-16の各ゲートGはポリシリコン層に形成されており、トランジスター75-1~75-16の各ドレインD及び各ソースSはN+拡散層に形成されている。トランジスター75-1~75-16の各ゲートGは、不図示のポリシリコン配線又はメタル配線によって、互いに電気的に接続されている。
【0029】
図4及び
図5に示すように、トランジスター75-1のドレインDとトランジスター75-2のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-3のドレインDとトランジスター75-4のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-5のドレインDとトランジスター75-6のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-7のドレインDとトランジスター75-8のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-9のドレインDとトランジスター75-10のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-11のドレインDとトランジスター75-12のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-13のドレインDとトランジスター75-14のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-15のドレインDとトランジスター75-16のドレインDとは同じ領域に形成されている。
【0030】
また、トランジスター75-2のソースSとトランジスター75-3のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-4のソースSとトランジスター75-5のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-6のソースSとトランジスター75-7のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-8のソースSとトランジスター75-9のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-10のソースSとトランジスター75-11のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-12のソースSとトランジスター75-13のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター75-14のソースSとトランジスター75-15のソースSとは同じ領域に形成されている。
【0031】
図4に示すように、集積回路装置7の平面視において、トランジスター75-1のドレインDはパッド401と重なり、トランジスター75-1のソースSはパッド402と重なっている。具体的には、集積回路装置7の平面視において、トランジスター75-1のゲートG、ドレインD及びソースSは、パッド401及びパッド402と重なっている。集積回路装置7の平面視においてパッド401とトランジスター75-1のドレインDとが重なる領域には、パッド401とトランジスター75-1のドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線421が形成されている。また、集積回路装置7の平面視においてパッド402とトランジスター75-1のソースSとが重なる領域には、パッド402とトランジスター75-1のソースSとを電気的に接続する複数のビア配線422が形成されている。
【0032】
同様に、2以上16以下の各整数iに対して、集積回路装置7の平面視において、トランジスター75-iのドレインDはパッド401と重なり、トランジスター75-iのソースSはパッド402と重なっている。具体的には、集積回路装置7の平面視において、トランジスター75-iのゲートG、ドレインD及びソースSは、パッド401及びパッド402と重なっている。集積回路装置7の平面視においてパッド401とトランジスター75-iのドレインDとが重なる領域には、パッド401とトランジスター75-iのドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線421が形成されている。また、集積回路装置7の平面視においてパッド402とトランジスター75-iのソースSとが重なる領域には、パッド402とトランジスター75-iのソースSとを電気的に接続する複数のビア配線422が形成されている。
【0033】
図5に示すように、パッド401,402は、例えば、最上層である第3配線層のメタル配線によって形成されている。また、平面視においてトランジスター75-1~75-16の各ドレインDと重なるように、例えば、第2配線層の各メタル配線411が形成されている。そして、1以上16以下の各整数jに対して、トランジスター75-jのドレインDとメタル配線411とを接続するように複数のビア配線431が形成されており、当該メタル配線411とパッド401とを接続するように複数のビア配線421が形成されている。したがって、集積回路装置7の平面視においてパッド401とトランジスター75-iのドレインDとが重なる領域には、複数のビア配線421と複数のビア配線431の一部とが形成されている。
【0034】
また、
図5に示すように、平面視においてトランジスター75-1~75-16の各ソースSと重なるように、例えば、第2配線層の各メタル配線412が形成されている。そして、1以上N以下の各整数jに対して、トランジスター75-iのソースSとメタル配線412とを接続するように複数のビア配線432が形成されており、当該メタル配線412とパッド402とを接続するように複数のビア配線422が形成されている。したがって、集積回路装置7の平面視においてパッド402とトランジスター75-iのソースSとが重なる領域には、複数のビア配線422と複数のビア配線432の一部とが形成されている。
【0035】
図3、
図4及び
図5のように構成されている集積回路装置7では、パッド401から、複数のビア配線421、メタル配線411及び複数のビア配線431によって形成される配線経路を介して、トランジスター75-1~75-16の各ドレインDへと電流が流れる。この電流が流れる配線経路は非常に短いので、この配線経路の寄生抵抗は非常に小さい。また、当該電流は、トランジスター75-1~75-16の各ドレインDから各ソースSへとそれらの短手方向に流れるので、トランジスター75-1~75-16の各ドレインDの寄生抵抗及び各ソースSの寄生抵抗も小さい。さらに、当該電流は、トランジスター75-1~75-16の各ソースSから、複数のビア配線432、メタル配線412及び複数のビア配線422によって形成される配線経路を介して、パッド402へと流れる。この電流が流れる配線経路は非常に短いので、この配線経路の寄生抵抗も非常に小さい。したがって、
図2に示した寄生抵抗RD-1~RD-16,RS-1~RS-16が低減されるので、トランジスター75-1~75-16に流れる電流が大きくなり、発熱部71の発熱効率が向上する。
【0036】
なお、第1実施形態において、パッド401は「第1パッド」の一例であり、パッド402は「第2パッド」の一例であり、パッド404は「第3パッド」の一例である。また、トランジスター75-1は「第1のトランジスター」の一例であり、トランジスター75-1のゲートG、ドレインD及びソースSは、それぞれ「第1のゲート」、「第1のドレイン」及び「第1のソース」の一例である。また、トランジスター75-2~75-Nは、「第2~第Nのトランジスター」の一例であり、2以上N以下の各整数iに対して、第iのトランジスター75-iのゲートG、ドレインD及びソースSは、それぞれ「第iのゲート」、「第iのドレイン」及び「第iのソース」の一例である。また、パッド401とトランジスター75-1のドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線421の各々は「第1のドレイン接続用ビア配線」の一例であり、パッド402とトランジスター75-1のソースSとを電気的に接続する複数のビア配線422の各々は「第1のソース接続用ビア配線」の一例である。また、2以上N以下の各整数iに対して、パッド401と第iのトランジスター75-iのドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線421の各々は「第iのドレイン接続用ビア配線」の一例であり、パッド402と第iのトランジスター75-iのソースSとを電気的に接続する複数のビア配線422の各々は「第iのソース接続用ビア配線」の一例である。
【0037】
以上に説明したように、第1実施形態の集積回路装置7によれば、パッド401から複数のビア配線421、複数のメタル配線411及び複数のビア配線431を経由してトランジスター75-1~75-NのドレインDへと非常に短い経路で電流が流れる。当該電流は、トランジスター75-1~75-NのドレインDからソースSへと短い経路で流れ、さらに、トランジスター75-1~75-NのソースSから複数のビア配線432、複数のメタル配線412及び複数のビア配線422を経由してパッド402へと非常に短い経路で流れる。そのため、パッド401からパッド402へと電流が流れる経路が短い。さらに、パッド401,402とトランジスター75-1~75-Nとの間で、パッド401,402と直交する方向に電流が流れるので、電流が流れる配線の断面積が大きくなる。したがって、第1実施形態の集積回路装置7によれば、パッド402,402とトランジスター75-1~75-Nとの間の寄生抵抗が小さくなり、これらの寄生抵抗に起因してトランジスター75-1~75-Nに流れる電流が低下するおそれを低減することができる。
【0038】
さらに、第1実施形態の集積回路装置7によれば、パッド401,402とトランジスター75-1~75-Nとの間で電流が流れる配線の断面積が大きいので、エレクトロマイグレーションにも強い。
【0039】
また、第1実施形態の集積回路装置7によれば、平面視でパッド401,402と重なる領域に、ドレインD及びソースSの面積が大きいトランジスター75-1~75-Nを配置することができるので、トランジスター75-1~75-Nを流れる電流を大きくすることができる。したがって、電流を十分に流すことが可能な小型の集積回路装置7を実現することができる。
【0040】
また、第1実施形態の集積回路装置7によれば、パッド401,402がトランジスター75-1のゲートGの長手方向である第1方向に沿って並んで配置され、第1方向と交差する第2方向において、パッド401,402とパッド404,403とがそれぞれ並んで配置されているので、パッド401,404と第3辺E3との間やパッド402,403と第4辺E4との間にデッドスペースが生じず、パッド401,402,403,404に対するボンディングを容易に行うことができる。
【0041】
また、第1実施形態の集積回路装置7では、温度センサーは第1辺E1に近い位置に配置され、トランジスター75-1~75-Nは第2辺E2に近い位置に配置され、第2方向において、温度センサー72、パッド404、静電気保護回路73及びトランジスター75-1~75-Nが、この順に並んで配置されている。すなわち、温度センサー72がトランジスター75-1~75-Nから離れた場所に配置されているので、トランジスター75-1~75-Nの発熱量の変化によって温度センサー72が検出する温度が急峻に変化しないようにすることができる。
【0042】
1-2.第2実施形態
以下、第2実施形態について、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、第1実施形態と同様の説明は省略又は簡略し、主として第1実施形態と異なる内容について説明する。
【0043】
第2実施形態の集積回路装置7の機能ブロック図は、
図1と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
【0044】
図6は、第2実施形態における発熱部71の回路構成を示す図である。
図6に示すように、発熱部71は、トランジスター76-1を含む。トランジスター76-1は、Pチャンネル型MOSトランジスターであり、ゲートGと、ドレインDと、ソースSとを有する。トランジスター76-1は、ゲートGに温度制御信号TCが入力され、ドレインDがパッド402に電気的に接続され、ソースSがパッド401に電気的に接続されている。実際には、トランジスター76-1のドレインDとパッド402との間には寄生抵抗RD-1が形成されており、トランジスター76-1のソースSとパッド401との間には寄生抵抗RS-1が形成されている。寄生抵抗RD-1,RS-1は、各配線層の抵抗やP+拡散層の抵抗等によって形成される。
【0045】
図6に示すように、発熱部71は、さらに、トランジスター76-2~76-Nを含んでもよい。Nは2以上の整数である。
【0046】
2以上N以下の各整数iに対して、トランジスター76-iは、Pチャンネル型MOSトランジスターであり、ゲートGと、ドレインDと、ソースSとを有する。トランジスター76-iは、ゲートGに温度制御信号TCが入力され、ドレインDがパッド402に電気的に接続され、ソースSがパッド401に電気的に接続されている。実際には、トランジスター76-iのドレインDとパッド402との間には寄生抵抗RD-iが形成されており、トランジスター76-iのソースSとパッド401との間には寄生抵抗RS-iが形成されている。寄生抵抗RD-i,RS-iは、各配線層の抵抗やP+拡散層の抵抗等によって形成される。
【0047】
すなわち、発熱部71は、N個のトランジスター76-1~76-Nがパッド401とパッド402との間に並列に接続された構成であって、トランジスター76-1~76-Nの各ゲートGに、温度制御信号TCが共通に入力されてもよい。
【0048】
トランジスター76-1~76-Nの各々は、Pチャンネル型MOSトランジスターであるので、ゲートGに入力される温度制御信号TCの電圧レベルが低いほどオン抵抗が小さくなり、ドレイン電流が大きくなる。トランジスター76-1~76-Nの各々の消費電力は、ドレイン電流の2乗とオン抵抗との積で表され、熱として放出される。したがって、温度制御信号TCの電圧レベルが低いほどトランジスター76-1~76-Nの各々の発熱量が大きくなる。
【0049】
ただし、寄生抵抗RD-1~RD-N,RS-1~RS-Nが大きいと、トランジスター76-1~76-Nのドレイン電流が小さくなり、トランジスター76-1~76-Nを含む発熱部71の発熱量が低下する。そこで、本実施形態では、集積回路装置7のレイアウトを工夫することにより、寄生抵抗RD-1~RD-N,RS-1~RS-Nを低減させて、発熱部71の発熱効率を向上させる。
【0050】
第2実施形態の集積回路装置7のレイアウトの一例を示す平面図は、
図3と同様であるので、その図示及び説明を省略する。
図7は、第2実施形態における発熱部71の詳細なレイアウトを示す図である。
図7では、パッド401,402も破線で示されている。また、
図8は、
図3に示す集積回路装置7の領域A1の斜視図である。
図3、
図7及び
図8では、視る方向を特定するために互いに直交する3方向であるX方向、Y方向及びZ方向が示されている。なお、
図7及び
図8では、
図6における整数Nが16である場合、すなわち、発熱部71が16個のトランジスター76-1~76-16を含む場合が例示されている。
【0051】
図3及び
図7に示すように、トランジスター76-1のゲートG、ドレインD及びソースSの長手方向である第1方向と交差する第2方向において、パッド401及びパッド402の一方と、パッド404とが並んで配置されている。また、第2方向において、パッド401及びパッド402の他方と、パッド403とが並んで配置されている。
図3では、第1方向はY方向であり、第2方向はX方向であり、第2方向において、パッド401とパッド404とが並んで配置され、パッド402とパッド403とが並んで配置されている。ただし、第2方向において、パッド402とパッド404とが並んで配置され、パッド401とパッド403とが並んで配置されていてもよい。
【0052】
図3及び
図7に示すように、第2方向において、温度センサー72、パッド404及び発熱部71に含まれるトランジスター76-1~76-16が、この順に並んで配置されている。
【0053】
図3及び
図7に示すように、発熱部71に含まれるトランジスター76-1~76-16は、第1辺E1よりも第2辺E2に近い位置に配置されている。
【0054】
図7及び
図8に示すように、パッド401及びパッド402は、トランジスター76-1のゲートG、ドレインD及びソースSの長手方向である第1方向に沿って並んで配置されている。例えば、第1方向は、Y方向であってもよい。また、
図7に示すように、トランジスター76-1~76-16は、第1方向と交差する第2方向に並んで配置されている。例えば、第2方向は、X方向であってもよい。
【0055】
図8に示すように、領域A1において、トランジスター76-1~76-16は、半導体基板400に形成されている。トランジスター76-1~76-16の各ゲートGはポリシリコン層に形成されており、トランジスター76-1~76-16の各ドレインD及び各ソースSはP+拡散層に形成されている。トランジスター76-1~76-16の各ゲートGは、不図示のポリシリコン配線又はメタル配線によって、互いに電気的に接続されている。
【0056】
図7及び
図8に示すように、トランジスター76-1のソースSとトランジスター76-2のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-3のソースSとトランジスター76-4のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-5のソースSとトランジスター76-6のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-7のソースSとトランジスター76-8のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-9のソースSとトランジスター76-10のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-11のソースSとトランジスター76-12のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-13のソースSとトランジスター76-14のソースSとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-15のソースSとトランジスター76-16のソースSとは同じ領域に形成されている。
【0057】
また、トランジスター76-2のドレインDとトランジスター76-3のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-4のドレインDとトランジスター76-5のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-6のドレインDとトランジスター76-7のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-8のドレインDとトランジスター76-9のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-10のドレインDとトランジスター76-11のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-12のドレインDとトランジスター76-13のドレインDとは同じ領域に形成されている。同様に、トランジスター76-14のドレインDとトランジスター76-15のドレインDとは同じ領域に形成されている。
【0058】
図7に示すように、集積回路装置7の平面視において、トランジスター76-1のドレインDはパッド402と重なり、トランジスター76-1のソースSはパッド401と重なっている。具体的には、集積回路装置7の平面視において、トランジスター76-1のゲートG、ドレインD及びソースSは、パッド402及びパッド401と重なっている。集積回路装置7の平面視においてパッド402とトランジスター76-1のドレインDとが重なる領域には、パッド402とトランジスター76-1のドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線422が形成されている。また、集積回路装置7の平面視においてパッド401とトランジスター76-1のソースSとが重なる領域には、パッド401とトランジスター76-1のソースSとを電気的に接続する複数のビア配線421が形成されている。
【0059】
同様に、2以上16以下の各整数iに対して、平面視において、トランジスター76-iのドレインDはパッド402と重なり、トランジスター76-iのソースSはパッド401と重なっている。具体的には、集積回路装置7の平面視において、トランジスター76-1のゲートG、ドレインD及びソースSは、パッド402及びパッド401と重なっている。集積回路装置7の平面視においてパッド402とトランジスター76-iのドレインDとが重なる領域には、パッド402とトランジスター76-iのドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線422が形成されている。また、集積回路装置7の平面視においてパッド401とトランジスター76-iのソースSとが重なる領域には、パッド401とトランジスター76-iのソースSとを電気的に接続する複数のビア配線421が形成されている。
【0060】
図8に示すように、平面視においてトランジスター76-1~76-16の各ソースSと重なるように、例えば、第2配線層の各メタル配線411が形成されている。そして、1以上N以下の各整数jに対して、トランジスター76-iのソースSとメタル配線411とを接続するように複数のビア配線431が形成されており、当該メタル配線411とパッド401とを接続するように複数のビア配線421が形成されている。したがって、集積回路装置7の平面視においてパッド401とトランジスター75-iのソースSとが重なる領域には、複数のビア配線421と複数のビア配線431の一部とが形成されている。
【0061】
また、
図8に示すように、パッド401,402は、例えば、最上層である第3配線層のメタル配線によって形成されている。また、平面視においてトランジスター76-1~76-16の各ドレインDと重なるように、例えば、第2配線層の各メタル配線412が形成されている。そして、1以上16以下の各整数jに対して、トランジスター76-jのドレインDとメタル配線412とを接続するように複数のビア配線432が形成されており、当該メタル配線412とパッド402とを接続するように複数のビア配線422が形成されている。したがって、集積回路装置7の平面視においてパッド402とトランジスター76-iのドレインDとが重なる領域には、複数のビア配線422と複数のビア配線432の一部とが形成されている。
【0062】
図3、
図7及び
図8のように構成されている集積回路装置7では、パッド401から、複数のビア配線421、メタル配線411及び複数のビア配線431によって形成される配線経路を介して、トランジスター76-1~76-16の各ソースSへと電流が流れる。この電流が流れる配線経路は非常に短いので、この配線経路の寄生抵抗は非常に小さい。また、当該電流は、トランジスター76-1~76-16の各ソースSから各ドレインDへとそれらの短手方向に流れるので、トランジスター76-1~76-16の各ソースSの寄生抵抗及び各ドレインDの寄生抵抗も小さい。さらに、当該電流は、トランジスター76-1~76-16の各ドレインDから、複数のビア配線432、メタル配線412及び複数のビア配線422によって形成される配線経路を介して、パッド402へと流れる。この電流が流れる配線経路は非常に短いので、この配線経路の寄生抵抗も非常に小さい。したがって、
図6に示した寄生抵抗RS-1~RS-16,RD-1~RD-16が低減されるので、トランジスター76-1~76-16に流れる電流が大きくなり、発熱部71の発熱効率が向上する。
【0063】
なお、第2実施形態において、パッド402は「第1パッド」の一例であり、パッド401は「第2パッド」の一例であり、パッド404は「第3パッド」の一例である。また、トランジスター76-1は「第1のトランジスター」の一例であり、トランジスター76-1のゲートG、ドレインD及びソースSは、それぞれ「第1のゲート」、「第1のドレイン」及び「第1のソース」の一例である。また、トランジスター76-2~76-Nは、「第2~第Nのトランジスター」の一例であり、2以上N以下の各整数iに対して、第iのトランジスター76-iのゲートG、ドレインD及びソースSは、それぞれ「第iのゲート」、「第iのドレイン」及び「第iのソース」の一例である。また、パッド402とトランジスター76-1のドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線422の各々は「第1のドレイン接続用ビア配線」の一例であり、パッド401とトランジスター76-1のソースSとを電気的に接続する複数のビア配線421の各々は「第1のソース接続用ビア配線」の一例である。また、2以上N以下の各整数iに対して、パッド402と第iのトランジスター76-iのドレインDとを電気的に接続する複数のビア配線422の各々は「第iのドレイン接続用ビア配線」の一例であり、パッド401と第iのトランジスター76-iのソースSとを電気的に接続する複数のビア配線421の各々は「第iのソース接続用ビア配線」の一例である。
【0064】
以上に説明したように、第2実施形態の集積回路装置7によれば、パッド401から複数のビア配線421、複数のメタル配線411及び複数のビア配線431を経由してトランジスター76-1~76-NのソースSへと非常に短い経路で電流が流れる。当該電流は、トランジスター76-1~76-NのソースSからドレインDへと短い経路で流れ、さらに、トランジスター76-1~76-NのドレインDから複数のビア配線432、複数のメタル配線412及び複数のビア配線422を経由してパッド402へと非常に短い経路で流れる。そのため、パッド401からパッド402へと電流が流れる経路が短い。さらに、パッド401,402とトランジスター76-1~76-Nとの間で、パッド401,402と直交する方向に電流が流れるので、電流が流れる配線の断面積が大きくなる。したがって、第2実施形態の集積回路装置7によれば、パッド402,402とトランジスター76-1~76-Nとの間の寄生抵抗が小さくなり、これらの寄生抵抗に起因してトランジスター76-1~76-Nに流れる電流が低下するおそれを低減することができる。
【0065】
さらに、第2実施形態の集積回路装置7によれば、パッド401,402とトランジスター76-1~76-Nとの間で電流が流れる配線の断面積が大きいので、エレクトロマイグレーションにも強い。
【0066】
また、第2実施形態の集積回路装置7によれば、平面視でパッド401,402と重なる領域に、ソースS及びドレインDの面積が大きいトランジスター76-1~76-Nを配置することができるので、トランジスター76-1~76-Nを流れる電流を大きくすることができる。したがって、電流を十分に流すことが可能な小型の集積回路装置7を実現することができる。
【0067】
また、第2実施形態の集積回路装置7によれば、パッド401,402がトランジスター76-1のゲートGの長手方向である第1方向に沿って並んで配置され、第1方向と交差する第2方向において、パッド401,402とパッド404,403とがそれぞれ並んで配置されているので、パッド401,404と第3辺E3との間やパッド402,403と第4辺E4との間にデッドスペースが生じず、パッド401,402,403,404に対するボンディングを容易に行うことができる。
【0068】
また、第2実施形態の集積回路装置7では、温度センサーは第1辺E1に近い位置に配置され、トランジスター76-1~76-Nは第2辺E2に近い位置に配置され、第2方向において、温度センサー72、パッド404、静電気保護回路73及びトランジスター76-1~76-Nが、この順に並んで配置されている。すなわち、温度センサー72がトランジスター76-1~76-Nから離れた場所に配置されているので、トランジスター76-1~76-Nの発熱量の変化によって温度センサー72が検出する温度が急峻に変化しないようにすることができる。
【0069】
2.発振器
2-1.発振器の構造
図9は、本実施形態の発振器を示す断面図である。
図10は、発振器を上面側から見た平面図である。
図11は、発振器が有する内側パッケージおよびその内部を示す断面図である。
図12は、発振器が有する電圧制御発振器を示す断面図である。
【0070】
図9および
図10に示す発振器1は、恒温槽型水晶発振器であり、外側パッケージ2と、内側パッケージ3と、制御IC4と、電圧制御発振器5と、を備える。内側パッケージ3、制御IC4及び電圧制御発振器5は、外側パッケージ2に収容されている。
【0071】
図9に示すように、外側パッケージ2は、外側ベース21と、外側リッド22と、を有 する。外側ベース21は、基板27と、基板27の上面の縁部から上側に向けて立設する枠状の壁部28と、基板27の下面の縁部から下側に向けて立設する枠状の脚部29と、を有する。基板27の上面と壁部28とによって収容空間S1としての外側ベース21の上面21aに開口する上側凹部211が形成され、基板27の下面と脚部29とによって収容空間S2としての外側ベース21の下面21bに開口する下側凹部212が形成されている。そのため、外側ベース21は、断面視において略H型となっている。
【0072】
上側凹部211は、上面21aに開口する第1上側凹部211aと、第1上側凹部211aの底面に開口し、第1上側凹部211aよりも開口が小さい第2上側凹部211bと、第2上側凹部211bの底面に開口し、第2上側凹部211bよりも開口が小さい第3上側凹部211cと、を有する。そして、第1上側凹部211aの底面に制御IC4が配置され、第3上側凹部211cの底面に内側パッケージ3が配置されている。
【0073】
外側リッド22は、上側凹部211の開口を塞ぐようにして、シールリング、低融点ガラス等の封止部材23を介して外側ベース21の上面21aに接合されている。これにより、収容空間S1としての上側凹部211が気密封止されている。そして、収容空間S1に、発熱ICである集積回路装置7、振動素子6及び発振IC8が収容されるとともに、制御IC4が収容されている。具体的には、後述するように、集積回路装置7、振動素子6及び発振IC8は内側パッケージ3に収容されており、収容空間S1には、内側パッケージ3と制御IC4とが収容されている。一方、収容空間S1としての下側凹部212は、開口が封止されておらず、外側パッケージ2の外部に開放されている。そして、収容空間S2に電圧制御発振器5が収容されている。
【0074】
外側ベース21には、第1上側凹部211aの底面に配置された複数の内部端子241と、第2上側凹部211bの底面に配置された複数の内部端子242と、下側凹部212の底面に配置された複数の内部端子243と、下面21bすなわち脚部29の頂面に配置された複数の外部端子244と、が配置されている。各内部端子241は、ボンディングワイヤーBW1を介して制御IC4と電気的に接続され、各内部端子242は、ボンディングワイヤーBW2を介して内側パッケージ3と電気的に接続され、各内部端子243は、導電性の接合部材B1を介して電圧制御発振器5と電気的に接続されている。
【0075】
これらの各端子241、242、243、244は、外側ベース21内に形成された内部配線25を介して適宜電気的に接続され、制御IC4、内側パッケージ3、電圧制御発振器5および外部端子244を電気的に接続している。内部配線25は、脚部29の内部を通って外部端子244に接続されている。そして、外部端子244において図示しない外部装置との接続が行われる。脚部29の側面には、外部端子244と接続された側面端子245が配置されている。側面端子245は、キャスタレーションである。そのため、半田Hが側面端子245に濡れ広がってフィレットを形成し、外部装置との機械的および電気的な接合がより強固なものとなる。ただし、これに限定されず、例えば、側面端子245を省略してもよい。
【0076】
図11に示すように、内側パッケージ3は、内側ベース31と、内側リッド32と、を有する。内側ベース31は、下面31bに開口する凹部311を有する。
【0077】
凹部311は、下面31bに開口する第1凹部311aと、第1凹部311aの底面に開口し、第1凹部311aよりも開口が小さい第2凹部311bと、第2凹部311bの底面に開口し、第2凹部311bよりも開口が小さい第3凹部311cと、を有する。そして、第1凹部311aの底面に振動素子6が配置され、第3凹部311cの底面に集積回路装置7及び発振IC8がX軸方向に並んで配置されている。
【0078】
内側リッド32は、凹部311の開口を塞ぐようにして、シールリング、低融点ガラス等の封止部材33を介して内側ベース31の下面31bに接合されている。これにより、凹部311が気密封止され、内側パッケージ3内に収容空間S3が形成される。そして、収容空間S3に振動素子6、集積回路装置7及び発振IC8が収容されている。
【0079】
このような収容空間S3は、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、収容空間S3の粘性抵抗が減り、振動素子6の振動特性が向上する。ただし、収容空間S3の雰囲気は、特に限定されない。
【0080】
内側ベース31には、第1凹部311aの底面に配置された複数の内部端子341と、第2凹部311bの底面に配置された複数の内部端子342、343と、内側ベース31の上面31aに配置された複数の外部端子344と、が配置されている。各内部端子341は、導電性の接合部材B2およびボンディングワイヤーBW3を介して振動素子6と電気的に接続され、各内部端子342は、ボンディングワイヤーBW4を介して集積回路装置7と電気的に接続され、各内部端子343は、ボンディングワイヤーBW5を介して発振IC8と電気的に接続されている。
【0081】
これらの各端子341、342、343、344は、内側パッケージ3内に形成された図示しない内部配線を介して適宜電気的に接続されており、振動素子6、集積回路装置7、発振IC8および外部端子344を電気的に接続している。このような内側パッケージ3においては、外部端子344を介してその内外が電気的に接続される。
【0082】
以上のような内側パッケージ3は、内側リッド32において、熱伝導率が十分に低い接合部材B3を介して第3上側凹部211cの底面に固定されている。
【0083】
図11に示すように、集積回路装置7は、能動面を下側(内側リッド32側)に向けて第3凹部311cの底面に配置され、ボンディングワイヤーBW4を介して複数の内部端子342と電気的に接続されている。発振IC8は、能動面を下側(内側リッド32側)に向けて第3凹部311cの底面に配置され、ボンディングワイヤーBW5を介して複数の内部端子343と電気的に接続されている。
【0084】
電圧制御発振器5は、入力電圧に応じて周波数が変化する発振信号を出力する発振器である。
図12に示すように、電圧制御発振器5は、パッケージ51と、パッケージ51に収容された振動素子55および発振IC59と、を有する。
【0085】
パッケージ51は、ベース52およびリッド53を有する。ベース52は、下面52bに開口する凹部521を有する。凹部521は、下面52bに開口する第1凹部521aと、第1凹部521aの底面に開口し、第1凹部521aよりも開口が小さい第2凹部521bと、第2凹部521bの底面に開口し、第2凹部521bよりも開口が小さい第3凹部521cと、を有する。そして、第1凹部521aの底面に振動素子55が配置され、第3凹部521cの底面に発振IC59が配置されている。
【0086】
リッド53は、凹部521の開口を塞ぐようにして、シールリング、低融点ガラス等の封止部材54を介してベース52の下面52bに接合されている。これにより、凹部521が気密封止され、パッケージ51内に収容空間S5が形成される。そして、収容空間S5に振動素子55および発振IC59が収容されている。収容空間S5は、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、収容空間S5の粘性抵抗が減り、振動素子55の振動特性が向上する。ただし、収容空間S5の雰囲気は、特に限定されない。
【0087】
ベース52には、第1凹部521aの底面に配置された複数の内部端子561と、第2凹部521bの底面に配置された複数の内部端子562と、ベース52の上面52aに配置された複数の外部端子564と、が配置されている。各内部端子561は、導電性の接合部材B4を介して振動素子55と電気的に接続され、各内部端子562は、ボンディングワイヤーBW6を介して発振IC59と電気的に接続されている。これらの各端子561、562、564は、ベース52内に形成された図示しない内部配線を介して適宜電気的に接続されており、振動素子55、発振IC59および外部端子564を電気的に接続している。このようなパッケージ51においては、外部端子564を介してその内外が電気的に接続される。
【0088】
振動素子55は、ATカット水晶振動素子である。ただし、振動素子55は、ATカット水晶振動素子でなくてもよく、例えば、SCカット水晶振動素子、BTカット水晶振動素子、音叉型水晶振動素子、弾性表面波共振子、その他の圧電振動素子、MEMS共振素子等であってもよい。
【0089】
発振IC59は、能動面を下側に向けて第3凹部521cの底面に配置され、ボンディングワイヤーBW6を介して複数の内部端子562と電気的に接続されている。
【0090】
図12に示すように、電圧制御発振器5は、導電性の接合部材B1を介して下側凹部212の底面に固定されている。また、接合部材B1を介して外部端子564と内部端子243とが電気的に接続されている。
【0091】
なお、外側パッケージ2は「第1容器」の一例であり、内側パッケージ3は「第2容器」の一例である。また、基板27の上面は「第1面」の一例であり、基板27の下面は「第2面」の一例である。また、収容空間S1は「第1収容空間」の一例であり、収容空間S2は「第2収容空間」の一例である。
【0092】
2-2.発振器の機能的構成
図13は、本実施形態の発振器1の機能ブロック図である。
図13において、
図9~
図12に示したのと同じ構成要素には同じ符号が付されている。
図13に示すように、本実施形態の発振器1は、制御IC4と、電圧制御発振器5と、振動素子6と、発熱ICである上記実施形態の集積回路装置7と、発振IC8とを含む。
【0093】
発振IC8は、発振回路81と、温度センサー82とを含み、制御IC4から電源電圧VOSCが供給されて動作する。発振回路81は、振動素子6の両端と電気的に接続されており、振動素子6の出力信号を増幅して振動素子6にフィードバックすることにより、振動素子6を発振させ、発振信号OSCOを出力する回路である。例えば、発振回路81は、増幅素子としてインバーターを用いた発振回路であってもよいし、増幅素子としてバイポーラトランジスターを用いた発振回路であってもよい。発振回路81から出力される発振信号OSCOは、制御IC4に入力される。
【0094】
温度センサー82は、温度を検出し、検出した温度に応じた電圧レベルを有する温度検出信号TS1を出力する感温素子である。温度センサー82は、発振IC8に内蔵されており、発振IC8の温度を検出する。温度センサー82から出力される温度検出信号TS1は、制御IC4に入力される。温度センサー82は、例えば、ダイオードのPN接合の順方向電圧の温度依存性を利用したセンサーであってもよい。
【0095】
前述の通り、集積回路装置7は、発熱部71と、温度センサー72とを含む。発熱部71は、前述の温度制御信号TCとして、制御IC4から出力される温度制御信号OVCが入力される。発熱部71は、温度制御信号OVCの電圧レベルに応じて発熱量が変化する。発熱部71の発熱量が大きいほど振動素子6の温度が高くなる。すなわち、振動素子6は、集積回路装置7によって温度制御される。実際には、制御IC4により、振動素子6の温度が目標となる設定温度で一定となるように発熱部71の発熱量が制御される。例えば、設定温度は、80℃等の固定値でもよいし、70℃以上125℃の範囲等の所定の範囲で任意に設定可能であってもよい。
【0096】
前述の通り、温度センサー72は、発熱部71の温度を検出し、検出した温度に応じた電圧レベルを有する温度検出信号TSを出力する。温度検出信号TSは、温度検出信号TS2として制御IC4に入力される。
【0097】
図11に示したように、振動素子6、集積回路装置7及び発振IC8は、内側パッケージ3に収容されており、振動素子6の温度が一定に保たれるように、制御IC4によって集積回路装置7の発熱が制御される。集積回路装置7が発熱源であり、集積回路装置7からの放射熱が振動素子6や発振IC8に伝わるため、振動素子6や発振IC8の温度と、集積回路装置7の温度との間に差が生じる。これに対して、振動素子6及び発振IC8は、集積回路装置7と離間して配置されており、集積回路装置7と振動素子6との熱的な距離が集積回路装置7と発振IC8との熱的な距離とほぼ同じであると見做すと、発振IC8の温度は振動素子6の温度に近いと言える。すなわち、集積回路装置7に内蔵されている温度センサー72が検出する温度よりも、発振IC8に内蔵されている温度センサー82が検出する温度の方が、振動素子6の温度に近い。そのため、制御IC4は、温度センサー82から出力される温度検出信号TS1に基づいて、集積回路装置7の発熱を制御する。ただし、振動素子6、集積回路装置7及び発振IC8の配置によっては、集積回路装置7の温度が発振IC8の温度よりも振動素子6の温度に近い場合もあり、その場合は、制御IC4は、温度センサー72から出力される温度検出信号TS2に基づいて、集積回路装置7の発熱を制御してもよい。
【0098】
制御IC4は、デジタル信号処理回路10、セレクター41、温度センサー42、A/D変換器43、D/A変換器44、フラクショナルN-PLL回路45、PLL(Phase Locked Loop)回路46、スイッチ回路47、電源回路48、インターフェース回路49、メモリー90及びレジスター94を含む。
【0099】
電源回路48は、発振器1の外部から供給される電源電圧VDDとグラウンド電圧VSSとに基づいて、電源電圧VDDよりも低い一定電圧である電源電圧VOSCを生成する。例えば、電源回路48は、バンドギャップリファレンス回路の出力電圧に基づいて一定電圧である電源電圧VOSCを生成する。電源電圧VOSCは、発振IC8に供給される。
【0100】
フラクショナルN-PLL回路45は、発振IC8から出力される発振信号OSCOが入力され、発振信号OSCOの周波数fOSCOを、分周比制御信号DIVCによって指示される分周比に応じた周波数fCK1に変換したクロック信号CK1を出力する。フラクショナルN-PLL回路45は、発振信号OSCOの位相と、分周比制御信号DIVCで指定される分周比でクロック信号CK1を分周した信号の位相とが一致するようにフィードバック制御することにより、クロック信号CK1を生成する。分周比制御信号DIVCはデルタシグマ変調されており、分周比制御信号DIVCで指定される分周比は、複数の整数分周比の間で切り替わり、平均化すると分数の分周比になる。したがって、周波数fCK1は周波数fOSCOの非整数倍である。フラクショナルN-PLL回路45は、分周比制御信号DIVCに応じて、周波数fOSCOとは異なり、かつ、外気温度によらずほぼ一定の周波数fCK1のクロック信号CK1を出力してもよい。
【0101】
PLL回路46は、フラクショナルN-PLL回路45から出力されるクロック信号CK1が入力され、クロック信号CK1の周波数fCK1と同じ周波数である周波数fCK2のクロック信号CK2を出力する。PLL回路46は、クロック信号CK1の位相と電圧制御発振器5から出力されるクロック信号CK2の位相とが一致するように、電圧制御発振器5の入力電圧をフィードバック制御することにより、クロック信号CK2を生成する。
【0102】
フラクショナルN-PLL回路45から出力されるクロック信号CK1は、その周波数fCK1が発振信号OSCOの周波数fOSCOの非整数倍であり、ジッターが大きい。これに対して、PLL回路46から出力されるクロック信号CK2は、その周波数fCK2がクロック信号CK1の周波数fCK1と同じであり、かつ、周波数安定性が高い振動素子55を用いた電圧制御発振器5から出力されるので、クロック信号CK1よりもジッターが小さい。
【0103】
スイッチ回路47は、レジスター94から出力されるスイッチ制御信号SWCの論理レベルに応じて、クロック信号CK1及びクロック信号CK2のいずれかを選択したクロック信号CKを出力する。クロック信号CKは、発振器1の外部に出力される。クロック信号CKは、外部装置100に供給されてもよいし、外部装置100とは異なる装置に供給されてもよい。例えば、発振器1の通常動作時は、クロック信号CKとしてジッターの小さいクロック信号CK2が選択され、クロック信号CK1の検査時に、クロック信号CKとしてクロック信号CK1が選択されてもよい。
【0104】
温度センサー42は、温度を検出し、検出した温度に応じた電圧レベルを有する温度検出信号TS3を出力する感温素子である。温度センサー42は、制御IC4に内蔵されており、制御IC4の温度を検出する。
図9に示したように、制御IC4は、外側リッド22に近い場所に配置されており、振動素子6と温度センサー42との距離は、振動素子6と発振IC8に含まれる温度センサー82との距離よりも大きく、制御IC4の温度は発振器1の外気の温度の影響を受けやすい。そのため、制御IC4の発熱量がほぼ一定であるとすると、温度センサー42は、発振器1の外気の温度変化を検出することができる。温度センサー72から出力される温度検出信号TS2は、制御IC4に入力される。温度センサー72は、例えば、ダイオードのPN接合の順方向電圧の温度依存性を利用したセンサーであってもよい。
【0105】
セレクター41は、発振IC8から出力される温度検出信号TS1、集積回路装置7から出力される温度検出信号TS2及び温度センサー42から出力される温度検出信号TS3のいずれか1つを選択して出力する。本実施形態では、セレクター41は、温度検出信号TS1,TS2,TS3を時分割に選択して周期的に出力する。
【0106】
A/D変換器43は、セレクター41から時分割に出力されるアナログ信号である温度検出信号TS1,TS2,TS3を、それぞれデジタル信号である温度コードDTS1,DTS2,DTS3に変換する。A/D変換器43は、温度検出信号TS1,TS2,TS3を抵抗分圧等によって電圧レベルを変換した後に、温度コードDTS1,DTS2,DTS3に変換してもよい。
【0107】
デジタル信号処理回路10は、温度制御回路11と、温度補償回路12とを含む。
【0108】
温度制御回路11は、集積回路装置7に内蔵されている発熱部71の動作を制御する制御信号を生成する。具体的には、温度制御回路11は、温度コードDTS1又は温度コードDTS2と、不揮発性のメモリー90に記憶されている温度制御データ91とに基づいて、発熱部71の発熱量を制御するための温度制御コードDOVCを出力する。例えば、温度制御データ91は、振動素子6の温度の目標となる設定温度の情報や、発熱部71の発熱量の制御のための利得の情報を含んでもよい。あるいは、振動素子6の温度の目標となる設定温度が外気温度によって変動する場合は、温度制御データ91は、温度コードDTS3と設定温度との関係を示す情報を含んでもよい。この場合、温度制御回路11は、温度コードDTS1又は温度コードDTS2、DTS3及び温度制御データ91に基づいて、温度制御コードDOVCを出力する。
【0109】
温度補償回路12は、発振IC8に内蔵されている発振回路81が振動素子6を発振させて生成される発振信号OSCOの周波数を温度補償する。具体的には、温度補償回路12は、温度コードDTS3と、メモリー90に記憶されている温度補償データ92とに基づいて、フラクショナルN-PLL回路45に、温度によらず周波数が一定となるクロック信号CK1を出力させるための分周比制御信号DIVCを出力する。例えば、温度補償データ92は、温度コードDTS3と発振信号OSCOの周波数との関係を示すテーブル情報であってもよいし、当該関係を示す数式の各次数の係数値の情報であってもよい。あるいは、温度補償データ92は、温度コードDTS3と発振信号OSCOの周波数との関係から算出される、温度コードDTS3とフラクショナルN-PLL回路45の分数分周比の値との関係を示す情報であってもよい。
【0110】
なお、温度制御回路11は、発熱部71の動作を制御する温度制御処理を行うハードウェア回路であってもよい。同様に、温度補償回路12は、発振信号OSCOの周波数を温度補償する温度補償処理を行うハードウェア回路であってもよい。あるいは、デジタル信号処理回路10は、CPU(Central Processing Unit)と、不揮発性のメモリーとを含み、CPUが、当該メモリーに記憶されている温度制御プログラムに基づいて、発熱部71の動作を制御する温度制御処理を行ってもよい。すなわち、CPUが、温度制御プログラムを実行することにより、温度制御回路11として機能してもよい。同様に、CPUが、メモリーに記憶されている温度補償プログラムに基づいて、発振信号OSCOの周波数を温度補償する温度補償処理を行ってもよい。すなわち、CPUが、温度補償プログラムを実行することにより、温度補償回路12として機能してもよい。
【0111】
D/A変換器44は、温度制御回路11から出力されるデジタル信号である温度制御コードDOVCを、アナログ信号である温度制御信号OVCに変換する。温度制御信号OVCは、集積回路装置7の発熱部71に供給される。
【0112】
インターフェース回路49は、発振器1と接続される外部装置100との間でデータ通信を行うための回路である。具体的には、インターフェース回路49は、外部装置100からの要求に応じて、メモリー90又はレジスター94に対するデータの書き込みや読み出しを行う。インターフェース回路49は、例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)バスに対応したインターフェース回路であってもよいし、SPI(Serial Peripheral Interface)バスに対応したインターフェース回路であってもよい。
【0113】
発振器1の製造時の検査工程において、外部装置100である検査装置は、インターフェース回路49を介して、スイッチ回路47にクロック信号CK1を選択させるためのスイッチ制御信号SWCを設定し、クロック信号CK1を検査してもよい。また、外部装置100である検査装置は、インターフェース回路49を介して、メモリー90に温度制御データ91及び温度補償データ92を書き込む。なお、温度制御データ91及び温度補償データ92は、発振器1の起動時に外部装置100がレジスター94に設定してもよい。
【0114】
以上に説明した本実施形態の発振器1によれば、発熱部71に十分な電流を流すことが可能な小型の集積回路装置7を用いることにより、集積回路装置7、振動素子6及び発振IC8を内側パッケージ3に収容可能である。そのため、振動素子6の温度制御を精度良く行って周波数精度の高いクロック信号CKを出力することができる小型の発振器1を実現することができる。
【0115】
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0116】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0117】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0118】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0119】
集積回路装置の一態様は、
電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、
前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、
温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、
前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、
前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、
平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている。
【0120】
この集積回路装置では、第1パッドに電源電圧が供給され、第2パッドにグラウンド電圧が供給される場合、第1パッドから第1のドレイン接続用ビア配線を経由して第1のトランジスターのドレインへと非常に短い経路で電流が流れる。当該電流は、第1のトランジスターのドレインからソースへと短い経路で流れ、さらに、第1のトランジスターのソースから第1のソース接続用ビア配線を経由して第2パッドへと非常に短い経路で流れる。そのため、第1パッドから第2パッドへと電流が流れる経路が短い。第2パッドに電源電圧が供給され、第1パッドにグラウンド電圧が供給される場合も、第2パッドから第1パッドへと電流が流れる経路が短い。さらに、第1パッド及び第2パッドと第1のトランジスターとの間で、第1のドレイン接続用ビア配線及び第1のソース接続用ビア配線により、第1パッド及び第2パッドと直交する方向に電流が流れるので、電流が流れる配線の断面積が大きくなる。したがって、この集積回路装置によれば、第1パッド及び第2バッドと第1のトランジスターとの間の寄生抵抗が小さくなり、第1パッド及び第2バッドとトランジスターとの間の寄生抵抗に起因して第1のトランジスターに流れる電流が低下するおそれを低減することができる。
【0121】
さらに、この集積回路装置によれば、第1パッド及び第2パッドと第1のトランジスターとの間で電流が流れる配線の断面積が大きいので、エレクトロマイグレーションにも強い。
【0122】
前記集積回路装置の一態様において、
平面視において、前記第1のゲート、前記第1のドレイン及び前記第1のソースは、前記第1パッド及び前記第2パッドと重なっていてもよい。
【0123】
この集積回路装置によれば、平面視で第1パッド及び第2パッドと重なる領域に、ドレイン及びソースの面積が大きい第1のトランジスターを配置することができるので、第1のトランジスターを流れる電流を大きくすることができる。したがって、電流を十分に流すことが可能な小型の集積回路装置を実現することができる。
【0124】
前記集積回路装置の一態様において、
前記第1パッド及び前記第2パッドは、前記第1のゲートの長手方向である第1方向に沿って並んで配置されていてもよい。
【0125】
前記集積回路装置の一態様は、
Nを2以上の整数として、
第2~第Nのトランジスターと、
第2~第Nのドレイン接続用ビア配線と、
第2~第Nのソース接続用ビア配線と、を含み、
前記第1~第Nのトランジスターは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並んで配置されており、
2以上N以下の各整数iに対して、
前記第iのトランジスターは、前記温度制御信号が入力される第iのゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第iのドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第iのソースと、を有し、
前記第iのドレイン接続用ビア配線は、前記第1パッドと前記第iのドレインとを電気的に接続するビア配線であり、
前記第iのソース接続用ビア配線は、前記第2パッドと前記第iのソースとを電気的に接続するビア配線であり、
平面視において、前記第iのドレインは前記第1パッドと重なり、前記第iのソースは前記第2パッドと重なっていてもよい。
【0126】
この集積回路装置によれば、第1パッドに電源電圧が供給され、第2パッドにグラウンド電圧が供給される場合、第1パッドから第iのドレイン接続用ビア配線を経由して第iのトランジスターのドレインへと非常に短い経路で電流が流れる。当該電流は、第iのトランジスターのドレインからソースへと短い経路で流れ、さらに、第iのトランジスターのソースから第iのソース接続用ビア配線を経由して第2パッドへと非常に短い経路で流れる。そのため、第1パッドから第2パッドへと電流が流れる経路が短い。第2パッドに電源電圧が供給され、第1パッドにグラウンド電圧が供給される場合も、第2パッドから第1パッドへと電流が流れる経路が短い。さらに、第1パッド及び第2パッドと第iのトランジスターとの間で、第iのドレイン接続用ビア配線及び第iのソース接続用ビア配線により、第1パッド及び第2パッドと直交する方向に電流が流れるので、電流が流れる配線の断面積が大きくなる。したがって、この集積回路装置によれば、第1パッド及び第2バッドと第iのトランジスターとの間の寄生抵抗が小さくなり、第1パッド及び第2バッドと第iのトランジスターとの間の寄生抵抗に起因して第iのトランジスターに流れる電流が低下するおそれを低減することができる。また、この集積回路装置によれば、第1パッドと第2パッドとの間で、N個のトランジスターによって大きな電流を流すことができる。
【0127】
さらに、この集積回路装置によれば、第1パッド及び第2パッドと第1のトランジスターとの間で電流が流れる配線の断面積が大きいので、エレクトロマイグレーションにも強い。
【0128】
前記集積回路装置の一態様は、
温度センサーと、
前記温度センサーからの信号を出力する第3パッドと、を含み、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1パッド及び前記第2パッドの一方と、前記第3パッドとが並んで配置されていてもよい。
【0129】
この集積回路装置によれば、第1方向において、第3パッドの配置に起因する、第1パッド及び第2パッドの近傍のデッドスペースが生じず、第1パッド及び第2パッドに対するボンディングを容易に行うことができる。
【0130】
前記集積回路装置の一態様は、
温度センサーと、
前記温度センサーからの信号が出力される第3パッドと、を含み、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記温度センサー、前記第3パッド及び前記第1のトランジスターが、この順に並んで配置されていてもよい。
【0131】
この集積回路装置によれば、温度センサーが第1のトランジスターから離れた場所に配置されるので、第1のトランジスターの発熱量の変化によって温度センサーが検出する温度が急峻に変化しないようにすることができる。
【0132】
前記集積回路装置の一態様は、
温度センサーを含み、
前記集積回路装置は、平面視で長方形であり、短辺である第1辺及び前記第1辺に対向する短辺である第2辺を有し、
前記温度センサーは、前記第2辺よりも前記第1辺に近い位置に配置されており、
前記第1のトランジスターは前記第1辺よりも前記第2辺に近い位置に配置されていてもよい。
【0133】
この集積回路装置によれば、温度センサーが第1のトランジスターから離れた場所に配置されるので、第1のトランジスターの発熱量の変化によって温度センサーが検出する温度が急峻に変化しないようにすることができる。
【0134】
前記集積回路装置の一態様において、
前記第1パッドに前記電源電圧が供給され、
前記第2パッドに前記グラウンド電圧が供給され、
前記第1のトランジスターは、Nチャンネル型のMOSトランジスターであってもよい。
【0135】
Nチャンネル型のMOSトランジスターは、Pチャンネル型のMOSトランジスターよりも、電流を流す能力が高いので、この集積回路装置によれば、第1のトランジスターに十分に電流を流すことができる。
【0136】
発振器の一態様は、
集積回路装置と、
前記集積回路装置によって温度制御される振動素子と、
前記振動素子を発振させる発振回路と、を備え、
前記集積回路装置は、
電源電圧及びグラウンド電圧の一方が供給される第1パッドと、
前記電源電圧及び前記グラウンド電圧の他方が供給される第2パッドと、
温度制御信号が入力される第1のゲートと、前記第1パッドに電気的に接続される第1のドレインと、前記第2パッドに電気的に接続される第1のソースと、を有する第1のトランジスターと、
前記第1パッドと前記第1のドレインとを電気的に接続するビア配線である第1のドレイン接続用ビア配線と、
前記第2パッドと前記第1のソースとを電気的に接続するビア配線である第1のソース接続用ビア配線と、を含み、
平面視において、前記第1のドレインは前記第1パッドと重なり、前記第1のソースは前記第2パッドと重なっている。
【0137】
この発振器によれば、第1のトランジスターに十分な電流を流すことが可能な集積回路装置により、振動素子の温度制御を精度良く行うことができるので、周波数精度の高い発振信号を出力することができる。
【0138】
前記発振器の一態様は、
前記集積回路装置、前記振動素子及び前記発振回路を収容する第1容器を備えてもよい。
【0139】
前記発振器の一態様において、
前記第1容器は、基板と、前記基板の第1面に立設する壁部と、前記基板の第2面に立設する脚部とを有し、
前記基板の前記第1面と前記壁部とによって第1収容空間が形成されており、
前記基板の前記第2面と前記脚部とによって第2収容空間が形成されており、
前記集積回路装置、前記振動素子及び前記発振回路は、前記第1収容空間に収容されていてもよい。
【0140】
前記発振器の一態様において、
前記第1収容空間は気密封止され、前記第2収容空間は開放されていてもよい。
【0141】
この発振器によれば、集積回路装置、振動素子及び発振回路が外気の影響を受けにくく、集積回路装置から放出される熱が振動素子に効率よく伝わるので、振動素子の温度制御を精度良く行うことができ、周波数精度の高い発振信号を出力することができる。
【0142】
前記発振器の一態様は、
前記集積回路装置、前記振動素子及び前記発振回路を収容する第2容器を備え、
前記第2容器は、前記第1容器に収容されていてもよい。
【0143】
この発振器によれば、集積回路装置から放出される熱が振動素子に効率よく伝わるので、振動素子の温度制御を精度良く行うことができ、周波数精度の高い発振信号を出力することができる。
【符号の説明】
【0144】
1…発振器、2…外側パッケージ、3…内側パッケージ、4…制御IC、5…電圧制御発振器、6…振動素子、7…集積回路装置、8…発振IC、10…デジタル信号処理回路、11…温度制御回路、12…温度補償回路、21…外側ベース、21a…上面、21b…下面、22…外側リッド、23…封止部材、25…内部配線、27…基板、28…壁部、29…脚部、31…内側ベース、31a…上面、31b…下面、32…内側リッド、33…封止部材、41…セレクター、42…温度センサー、43…A/D変換器、44…D/A変換器、45…フラクショナルN-PLL回路、46…PLL回路、47…スイッチ回路、48…電源回路、49…インターフェース回路、51…パッケージ、52…ベース、52a…上面、52b…下面、53…リッド、54…封止部材、55…振動素子、59…発振IC、71…発熱部、72…温度センサー、73…静電気保護回路、74…静電気保護回路、75-1~75-N…トランジスター、76-1~76-N…トランジスター、81…発振回路、82…温度センサー、90…メモリー、91…温度制御データ、92…温度補償データ、94…レジスター、100…外部装置、211…上側凹部、211a…第1上側凹部、211b…第2上側凹部、211c…第3上側凹部、212…下側凹部、241…内部端子、242…内部端子、243…内部端子、244…外部端子、245…側面端子、311…凹部、311a…第1凹部、311b…第2凹部、311c…第3凹部、341…内部端子、342…内部端子、343…内部端子、344…外部端子、400…半導体基板、401…パッド、402…パッド、403…パッド、404…パッド、410…ウェル、411…メタル配線、412…メタル配線、421…ビア配線、422…ビア配線、431…ビア配線、432…ビア配線、521…凹部、521a…第1凹部、521b…第2凹部、521c…第3凹部、561…内部端子、562…内部端子、564…外部端子、B1…接合部材、B2…接合部材、B3…接合部材、B4…接合部材、BW1…ボンディングワイヤー、BW2…ボンディングワイヤー、BW3…ボンディングワイヤー、BW4…ボンディングワイヤー、BW5…ボンディングワイヤー、BW6…ボンディングワイヤー、H…半田、S1…収容空間、S2…収容空間、S3…収容空間、S5…収容空間