(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179865
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】光送受信システム、光送受信方法、及び光送信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 10/50 20130101AFI20241219BHJP
H04B 10/60 20130101ALI20241219BHJP
【FI】
H04B10/50
H04B10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099119
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】永沼 友浩
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA01
5K102KA23
5K102KA40
(57)【要約】
【課題】光信号の伝送特性を向上させる光送受信システム、光送信装置、及び光受信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光送受信システムは、電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、光送信装置から光伝送路を介して入力される光信号を受信してデータ信号に変換する光受信装置とを有し、光送信装置が、データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある第1係数から、第1係数における振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、第1係数と第2係数とに基づき、光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、光受信装置が、ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って振幅レベルが減少する第3係数と、第2係数とは逆の特性を有する第4係数とに基づき、光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、
前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置とを有し、
前記光送信装置は、
前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づき、前記光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、
前記光受信装置は、
前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する第3係数と、前記第2係数とは逆の特性を有する第4係数とに基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する、
ことを特徴とする光送受信システム。
【請求項2】
電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、
前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記電気的なデータ信号に変換する光受信装置とを有し、
前記光送信装置は、
前記電気的なデータ信号に対して前記光送信装置内で生ずる損失を第1補償係数に基づき補償する第1補償部と、
前記第1補償部に対して前記第1補償係数を設定する第1設定部とを有し、
前記第1設定部は、前記光送信装置内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号の周波数帯域のうち、高周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づいて前記第1補償係数を生成し、
前記光受信装置は、
前記電気的なデータ信号に対して前記光伝送路内で生ずる損失を第2補償係数に基づき補償する第2補償部と、
前記第2補償部に対して前記第2補償係数を設定する第2設定部とを有し、
前記第2設定部は、前記光伝送路内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号を増幅するための第3係数と、前記第2係数とは逆の増幅特性に基づき前記電気的なデータ信号を増幅するための第4係数とに基づいて前記第2補償係数を生成する、
ことを特徴とする光送受信システム。
【請求項3】
電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、
前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置とを有し、
前記光送信装置は、
前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある送信側係数から、前記送信側係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数をn倍(n<1)に逓倍することにより、前記光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、
前記光受信装置は、
前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する受信側係数に基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する、
ことを特徴とする光送受信システム。
【請求項4】
電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置と、を有する光送受信システムにおける光送受信方法であって、
前記光送信装置が、
前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づき、前記光送信装置内で生ずる損失を補償し、
前記光受信装置が、
前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する第3係数と、前記第2係数とは逆の特性を有する第4係数とに基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する、
ことを特徴とする光送受信方法。
【請求項5】
光伝送路を介して入力される光信号を受信して電気的なデータ信号に変換する光受信装置に、前記電気的なデータ信号を前記光信号に変換して送信する光送信装置であって、
前記電気的なデータ信号に対して前記光送信装置内で生ずる損失を第1補償係数に基づき補償する第1補償部と、
前記第1補償部に対して前記第1補償係数を設定する第1設定部とを有し、
前記第1設定部は、前記光送信装置内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号の周波数帯域のうち、高周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づいて前記第1補償係数を生成し、
前記光受信装置は、
前記電気的なデータ信号に対して前記光伝送路内で生ずる損失を第2補償係数に基づき補償する第2補償部と、
前記第2補償部に対して前記第2補償係数を設定する第2設定部とを有し、
前記第2設定部は、前記光伝送路内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号を増幅するための第3係数と、前記第2係数とは逆の増幅特性に基づき前記電気的なデータ信号を増幅するための第4係数とに基づいて前記第2補償係数を生成する、
ことを特徴とする光送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は光送受信システム、光送受信方法、及び光送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコヒーレント光通信では、DSP(Digital Signal Processor)を用いて、光送信装置や光受信装置、光伝送路で発生する信号特性の低下要因を補償することで、光信号の信号品質の低下が抑制されている。信号特性の低下要因としては、例えば帯域特性に起因するシンボル間干渉、スキュー、波長分散などがある。
【0003】
補償を実施する際に用いる手法としては、光送信装置や光受信装置、光伝送路で発生する低下要因とは逆の特性を補償特性として主信号の信号特性に適用することで低下要因を相殺する手法が挙げられる。光送信装置内の帯域特性に起因するシンボル間干渉の補償であれば、光送信装置内の低下要因とは逆の特性を補償特性としてDSP内の予等化回路で信号特性に適用する手法がある。なお、信号特性に伝送路周波数特性とは逆の特性を乗算する手法は知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光送信装置内のDSPの後段には、DAC(Digital Analogue Converter)とCDM(Coherent Driver Modulator)が順に配置されることがある。CDMによっては、光送信装置の帯域特性における高周波数側の帯域幅を拡張するために、この帯域特性に低周波数帯や中周波数帯の振幅レベルを増幅させる特性(以下、ピーキング特性という)を付与することもある。このように、光送信装置の帯域特性にピーキング特性を付与することにより、高周波数側の帯域幅の不足に起因する信号特性の低下は緩和される。
【0006】
しかしながら、主信号のボーレートが低い場合に、光送信装置の帯域特性にピーキング特性が過剰に付与されると、主信号の信号特性に対して光送信装置の帯域特性が過剰に広くなる。光送信装置の帯域特性は、主信号の信号特性の形状に近く、かつ、その形状を歪ませない形状であることが、伝送性能向上(例えばノイズ低減など)の観点から望ましい。このため、過剰に広い光送信装置の帯域特性は主信号の信号特性に対して回避することが望ましい。
【0007】
そこで、上述した過剰なピーキング特性は、DACの前段に配置されるDSPにおいて発生するディエンファシスにより相殺されることが想定される。ディエンファシスは、例えばピーキング特性を相殺するために振幅レベルを下げる特性(又は手法)である。ところが、ディエンファシスは振幅レベルを下げる特性であるため、ディエンファシスの発生はDACに入力される信号の品質低下を誘発するおそれがある。信号の品質低下が発生した場合、結果的に、光信号の伝送特性が低下するおそれがある。
【0008】
そこで、1つの側面では、光信号の伝送特性を向上させる光送受信システム、光送信装置、及び光受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの実施態様では、光送受信システムは、電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置とを有し、前記光送信装置が、前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づき、前記光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、前記光受信装置が、前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する第3係数と、前記第2係数とは逆の特性を有する第4係数とに基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する。
【0010】
1つの実施態様では、光送受信システムは、電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記電気的なデータ信号に変換する光受信装置とを有し、前記光送信装置が、前記電気的なデータ信号に対して前記光送信装置内で生ずる損失を第1補償係数に基づき補償する第1補償部と、前記第1補償部に対して前記第1補償係数を設定する第1設定部とを有し、前記第1設定部が、前記光送信装置内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号の周波数帯域のうち、高周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づいて前記第1補償係数を生成し、前記光受信装置が、前記電気的なデータ信号に対して前記光伝送路内で生ずる損失を第2補償係数に基づき補償する第2補償部と、前記第2補償部に対して前記第2補償係数を設定する第2設定部とを有し、前記第2設定部が、前記光伝送路内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号を増幅するための第3係数と、前記第2係数とは逆の増幅特性に基づき前記電気的なデータ信号を増幅するための第4係数とに基づいて前記第2補償係数を生成する、ことを特徴とする。
【0011】
1つの実施態様では、光送受信システムは、電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置とを有し、前記光送信装置が、前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある送信側係数から、前記送信側係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数をn倍(n<1)に逓倍することにより、前記光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、前記光受信装置が、前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する受信側係数に基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する。
【発明の効果】
【0012】
光信号の伝送特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図2(a)は送信側DSPの一例を示すブロック図である。
図2(b)は受信側DSPの一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は第1実施形態に係る送信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は第1実施形態に係る第1テーブルの一例である。
【
図5】
図5は第1実施形態に係る光送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は第1係数の正規化例を説明する図である。
【
図7】
図7は増幅目標値の正規化例を説明する図である。
【
図8】
図8は第2係数の生成例を説明する図である。
【
図9】
図9は第1実施形態に係る第1係数と第2係数の重畳例を説明する図である。
【
図10】
図10は光送信装置からの出力信号の一例を説明する図である。
【
図11】
図11(a)はDACの上限値の一例を説明する図である。
図11(b)はクリッピングの一例を説明する図である。
図11(c)はスケーリングの一例を説明する図である。
【
図12】
図12は第1実施形態に係る受信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図13】
図13第1実施形態に係る第2テーブルの一例である。
【
図14】
図14は第1実施形態に係る光受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は第3係数と第4係数の重畳例を説明する図である。
【
図16】
図16は光受信装置からの出力信号の一例を説明する図である。
【
図17】
図17は第2実施形態に係る送信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図19】
図19は第2実施形態に係る光送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は第2実施形態に係る受信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図21】
図21は第2実施形態に係る光受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は第3実施形態に係る送信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図23】
図23は第3実施形態に係る第1テーブルの一例である。
【
図24】
図24は第3実施形態に係る光送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は第3実施形態に係る受信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図26】
図26は第3実施形態に係る第2テーブルの一例である。
【
図27】
図27は第3実施形態に係る光受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図29】
図29は第4実施形態に係る送信側制御部の一例を示すブロック図である。
【
図30】
図30は第4実施形態に係る光送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図31】
図31はディエンファシス領域の一例を説明する図である。
【
図32】
図32はフィルタとしての第2係数の一例を説明する図である。
【
図33】
図33は第4実施形態に係る第1係数と第2係数の重畳例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本件を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1に示すように、光送受信システムSTは、光送信装置100と光受信装置200とを有する。光送信装置100と光受信装置200は光伝送路300を介して互いに接続されている。
【0016】
まず、光送信装置100の詳細について説明する。光送信装置100は、送信側DSP(以下、TxDSPと記載)110と、DAC120と、CDM(Coherent Driver Modulator)130と、ITLA(Integrable Tunable Laser Assembly)140と、送信側制御部150とを有する。DAC120は変換部の一例である。ITLA140は光源の一例である。送信側制御部150は第1設定部の一例である。
図2(a)に示すように、TxDSP110は、フレーマ111と、FEC(Forward Error Correction)符号化回路112と、予等化回路113とを有する。予等化回路113は第1補償部の一例である。第1補償部に送信側制御部150を含めてもよい。
【0017】
フレーマ111はデジタル形式である電気的なクライアント信号をクライアントネットワークから受信する。クライアント信号は、例えばイーサネット(登録商標)信号である。クライアント信号は主信号であってもよいし、伝送特性等を調整するパラメータのみを含む制御信号であってもよい。フレーマ111はクライアント信号をクライアントネットワークから受信し、OTU(Optical channel Transport Unit)フレームに変換してFEC符号化回路112に出力する。したがって、FEC符号化回路112にはフレーマ111からOTUフレームが入力される。
【0018】
FEC符号化回路112は、OTUフレームの誤り訂正符号の一例としてFECを生成して、OTUフレームに挿入する。FEC符号化回路112は、OTUフレームを電気的なデータ信号として予等化回路113に出力する。なお、FEC符号化回路112と予等化回路113との間にマッピング回路を設けてもよい。マッピング回路は送信側制御部150から設定されたボーレート(Baud Rate)と変調方式(具体的には多値変調方式)に従ってデジタル変調処理を行うことにより、OTUフレームのビットデータをシンボルにマッピングする。マッピング回路は、デジタル変調処理で得た電気的なデータ信号を予等化回路113に出力する。
【0019】
予等化回路113は、データ信号に対し、光送信装置100内で生ずる各種の損失を後述する第1補償係数に基づき予め補償する。例えば、予等化回路113は、スキュー補償や帯域特性補償などを行う。予等化回路113は、補償後のデータ信号をDAC120に出力する。
【0020】
なお、詳細は後述するが、予等化回路113はデータ信号に対してスケーリングを行う。スケーリングはDAC120の上限値以下にデータ信号の振幅レベルを抑制する処理である。振幅レベルはデータ信号の信号強度(即ち信号パワー)。具体的には、スケーリングはDAC120の上限値以下にデータ信号の振幅レベルを全体的に下げる処理である。これにより、データ信号の振幅レベルがDAC120の上限値を超える場合に、DAC120の上限値にデータ信号の振幅レベルが部分的に張り付くクリッピングを回避することができる。
【0021】
図1に戻り、DAC120はデータ信号をデジタル形式からアナログ形式に変換してCDM130に出力する。CDM130は、ドライバ回路、光変調器、偏波ビームスプリッタ、及び偏波ビームコンバイナなどを有する。CDM130は、ITLA140から入力された送信光をH偏波及びV偏波に分離して、データ信号により光変調する。CDM130は、H偏波及びV偏波の変調光を合波することにより光信号を生成して光伝送路300に出力する。このように、光送信装置100はデータ信号を光信号に変換して光受信装置200に向けて送信する。
【0022】
送信側制御部150は、プロセッサとメモリとを含み、
図1に示すように、TxDSP110、CDM130、及びITLA140の各動作を制御する。プロセッサは例えばCPU(Central Processing Unit)を含んでいる。TxDSP110の動作を制御する際には、送信側制御部150は、
図2(a)に示すように、フレーマ111、FEC符号化回路112、及び予等化回路113の動作を制御する。送信側制御部150は、操作端末10(
図1参照)からの制御に従い、フレーマ111、FEC符号化回路112、及び予等化回路113に各種の設定を行う。操作端末10はPC(Personal Computer)であってもよいし、スマート端末(例えばタブレット端末等)であってもよい。送信側制御部150は、フレーマ111にラインレートを設定し、FEC符号化回路112にFECの冗長度を設定する。
【0023】
また、送信側制御部150は上述した第1補償係数を生成し、予等化回路113に対して第1補償係数を設定する。送信側制御部150はこの第1補償係数を第1係数と第2係数とに基づいて生成する。具体的には、送信側制御部150は第1補償係数を第1係数と第2係数とを互いに重畳することにより生成する。第1係数はデータ信号の周波数帯域のうち、高周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための係数である。第1係数により光送信装置100内で生ずる損失(例えば帯域特性に起因するシンボル間干渉)を補償することができる。一方、第2係数はデータ信号の周波数帯域のうち、低周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための係数である。第2係数によりデータ信号の信号品質(具体的にはSNR)を光信号の伝送性能の劣化を回避する所定値以上にすることができる。
【0024】
次に、光受信装置200の詳細について説明する。
図1に示すように、光受信装置200は、受信側DSP(以下、RxDSPと記載)210と、ADC(Analogue Digital Converter)220と、ICR(Integrated Coherent Receiver)230と、ITLA240と、受信側制御部250とを有する。ITLA240は光源の一例である。受信側制御部250は第2設定部の一例である。
【0025】
ICR230には、光送信装置100から送信され、光伝送路300を経由した光信号が入力される。ICR230は、偏波ビームスプリッタ及び光-電気変換器などを有する。ICR230は、光信号をH偏波及びV偏波の各成分に分離して、ITLA240から入力された局発光により光信号を受信し、電気的なデータ信号に変換してADC220に出力する。すなわち、光受信装置200は光送信装置100から光伝送路300を介して入力される光信号を受信してデータ信号に変換する。ADC220は、データ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換してRxDSP210に出力する。
【0026】
図2(b)に示すように、RxDSP210は、固定等化回路211と、適応等化回路212と、FEC復号化回路213と、デフレーマ214とを有する。固定等化回路211は第2補償部の一例である。第2補償部に受信側制御部250を含めてもよい。
【0027】
固定等化回路211は、データ信号に対し、光送信装置100や光受信装置200、光伝送路300で生じた損失を後述する第2補償係数に基づき固定的に補償する。例えば、固定等化回路211は、波長分散補償、スキュー補償、及び帯域特性補償を行う。固定等化回路211は、補償後のデータ信号を適応等化回路212に出力する。
【0028】
適応等化回路212は、データ信号に対し、光伝送路300上で発生する偏波モード分散や偏波依存性損失により生じた光信号の波形歪みを動的なパラメータに基づいて適応的に補償する。適応等化回路212は補償後のデータ信号をOTUフレームとしてFEC復号化回路213に出力する。なお、適応等化回路212とFEC復号化回路213との間にデマッピング回路を設けてもよい。デマッピング回路はデマッピング処理することによりシンボルを検出してビットデータに変換し、データ信号からOTUフレームを復調する回路である。
【0029】
FEC復号化回路213は、OTUフレームからFECを取り出してデータ誤り訂正を行う。FEC復号化回路213は、OTUフレームをデフレーマ214に出力する。デフレーマ214はFEC復号化回路213からOTUフレームを受信し、クライアント信号に変換してクライアントネットワークに送信する。
【0030】
受信側制御部250は、プロセッサとメモリとを含み、
図1に示すように、RxDSP210、ICR230、及びITLA240の各動作を制御する。RxDSP210の動作を制御する際には、受信側制御部250は、
図2(b)に示すように、固定等化回路211、適応等化回路212、FEC復号化回路213、及びデフレーマ214の動作を制御する。受信側制御部250は、操作端末10(
図1参照)からの制御に従い、固定等化回路211、適応等化回路212、FEC復号化回路213、及びデフレーマ214に各種の設定を行う。
【0031】
また、受信側制御部250は上述した第2補償係数を生成し、固定等化回路211に対して第2補償係数を設定する。受信側制御部250はこの第2補償係数を第3係数と第4係数とに基づいて生成する。具体的には、受信側制御部250は第2補償係数を第3係数と第4係数とを互いに重畳することにより生成する。第3係数はデータ信号を増幅するための係数である。第3係数により光受信装置200内や光伝送路300内で生ずる損失を補償することができる。第4係数は第2係数とは逆の増幅特性に基づきデータ信号を増幅(即ち減衰)するための係数である。第4係数により信号品質を一時的に改善することを目的に採用した第2係数を相殺させることができる。
【0032】
このように、第2係数に基づき光送信装置100側で低周波数側の帯域の振幅レベルを増幅して、データ信号の信号品質を所定値以上とし、光受信装置200側で第2係数とは逆の増幅特性を有する第4特性に基づきデータ信号の信号品質を元に戻すため、信号全体の特性改善を図ることができる。
【0033】
次に、
図3から
図11を参照して、第1実施形態に係る送信側制御部150の詳細について説明する。
【0034】
まず、
図3に示すように、送信側制御部150は、第1テーブル151、モード設定部152、及び目標設定部153を含んでいる。また、送信側制御部150は、第1選択部154、第1生成部155、及び第1重畳部156を含んでいる。第1テーブル151は、
図4に示すように、動作モード番号、ボーレート、変調方式、及び第1係数を互いに関連付けて含んでいる。第1テーブル151における動作モード番号は光送信装置100の動作モードを識別する識別子である。動作モード番号が指定されると、指定された動作モード番号に関連付けられたボーレート、変調方式、及び第1係数を決定することができる。これにより、指定された動作モード番号に応じたボーレート、変調方式、及び第1係数で光送信装置100を動作させることができる。なお、動作モード番号を設けずに、ボーレート及び変調方式の少なくとも一方を指定し、指定したボーレート及び変調方式の少なくとも一方に応じて第1係数を決定してもよい。
【0035】
図5に示すように、モード設定部152は操作端末10からの制御に従い動作モード番号を自身に設定する(ステップS1)。動作モード番号が設定されると、目標設定部153は操作端末10からの制御に従い増幅目標値を自身に設定する(ステップS2)。増幅目標値は増幅させる低周波数側の帯域の振幅レベルの目標値である。ステップS1とS2の処理は同じタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。
【0036】
増幅目標値が設定されると、第1選択部154はモード設定部152に設定された動作モード番号に応じた第1係数をボーレート及び変調方式と共に第1テーブル151から選択する(ステップS3)。第1選択部154は選択したボーレート、変調方式、及び第1係数を第1重畳部156に出力する。第1係数については、第1選択部154は第1生成部155にも出力する。第1選択部154から第1係数が出力されると、第1生成部155は目標設定部153に設定された増幅目標値と第1係数とに基づいて第2係数を生成する(ステップS4)。
【0037】
具体的には、
図6に示すように、まず、第1生成部155は第1係数の特性を正規化する。正規化は第1係数における最大振幅レベルを「0(ゼロ)」とするように第1係数の特性を全体的に下げる処理である。DAC120の上限値とするように正規化するようにしてもよい。第1係数の特性を正規化すると、第1生成部155は周波数成分ごとに振幅レベル「0」を基準とした相対的な減衰量を算出する。
【0038】
次に、
図7に示すように、第1生成部155は第1係数に対する正規化と同様に増幅目標値の特性を正規化する。具体的には、第1生成部155は第1係数の特性の減衰量と同じ減衰量で増幅目標値の特性を周波数成分毎に全体的に減衰する。これにより、振幅レベル「0」より低い正規化後の増幅目標値の特性を得る。正規化後の増幅目標値の特性を得ると、第1生成部155は正規化後の増幅目標値と正規化後の第1係数との差分(正規化後の増幅目標値-正規化後の第1係数)を周波数成分毎に算出する。ここで、正規化後の増幅目標値が正規化後の第1係数以下となった場合(即ち差分≦0)には、第1生成部155は正規化後の増幅目標値として正規化後の第1係数を採用する。これにより、第1生成部155は高周波側に正規化後の第1係数を部分的に含む正規化後の増幅目標値の特性を得る。なお、正規化後の増幅目標値が正規化後の第1係数を上回っている周波数帯域(即ち差分>0)を、本明細書では低周波数帯域と記載する。
【0039】
次に、
図8に示すように、第1生成部155は差分から第1係数を差し引いて(即ち差分-正規化前の第1係数)、第2係数を生成する。言い換えれば、第1生成部155は差分から第1係数を差し引いた特性を第2係数の特性として生成する。
【0040】
なお、第2係数の特性が振幅レベル「0」を下回る場合、第1生成部155は第2係数の特性を振幅レベル「0」に固定する。仮に第2係数の特性が振幅レベル「0」を下回ると、第2係数によるデータ信号の信号品質が所定値未満となる可能性がある。第2係数の特性を振幅レベル「0」に固定することで、この可能性を回避することができる。第1生成部155は生成した第2係数を第1重畳部156に出力する。なお、操作端末10は第1生成部155にアクセスして第2係数を参照したり、第1生成部155から第2係数を取得したりすることができる。
【0041】
図5に戻り、第1重畳部156は、第1選択部154から出力された第1係数と、第1生成部155から出力された第2係数を重畳する(ステップS5)。第1重畳部156は第1係数と第2係数を互いに重畳することにより上述した第1補償係数を生成する。第1補償係数を生成すると、第1重畳部156は第1補償係数をTxDSP110の予等化回路113に設定し(ステップS6)、処理を終了する。
【0042】
これにより、
図9に示すように、例えばデータ信号が主信号であって、光送信装置100の帯域幅が主信号に対して不足している場合に、主信号に対し、第1係数と第2係数を重畳することにより生成した第1補償係数を適用することができる。ここで、第1係数は帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にあり、光送信装置100内で生ずる帯域特性に起因するシンボル間干渉等の損失を補償する。一方、第2係数は第1係数のピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って帯域の振幅レベルが増加し、スケーリングに起因する低周波帯域側での信号品質の低下を補償する。したがって、第2係数の特性は光送信装置100の帯域幅で相殺されずに残存し、
図10に示すように、残存した第2係数が主信号に適用された出力信号が光信号として光送信装置100から出力される。なお、第1重畳部156は第1選択部154から出力されたボーレート及び変調方式をTxDSP110のマッピング回路(不図示)に設定する。設定されたボーレート及び変調方式は主信号の送信に用いられる。
【0043】
ここで、
図11(a)乃至(c)を参照して、上述したクリッピング及びスケーリングについて説明する。
【0044】
まず、
図11(a)に示すように、DAC120には出力できる電気的なデータ信号の振幅レベルに上限値がある。例えば第1係数補償後の主信号の特性がこの上限値以上になる場合、
図11(b)に示すように、上限値以上の主信号部分はその本来の特性に関わらずに、その上限値に張り付くクリッピングが発生する。クリッピングによって主信号の特性が元の特性と比べて変化するため、主信号の信号品質が劣化する。
【0045】
クリッピングを回避するために、
図11(c)に示すように、予等化回路113内で主信号の特性をクリッピングが発生しない水準にまで振幅レベルを低減するスケーリングを行ってからDAC120に入力することも想定される。しかしながら、スケーリング後の主信号はDAC120の雑音との関係で主信号の伝送性能が劣化する場合がある。具体的には、低周波帯域において、スケーリング前の主信号であれば、主信号とDAC120の雑音とのSNRは主信号の伝送性能の劣化を無視できる程度に十分に高い値を確保することができる。ところが、スケーリング後の主信号の場合、主信号とDAC120の雑音とのSNRは低下して主信号の伝送性能が劣化する。このため、本実施形態では、主信号といったデータ信号の低周波帯域の特性を第2係数により改善している。
【0046】
次に、
図12から
図16を参照して、第1実施形態に係る受信側制御部250の詳細について説明する。
【0047】
まず、
図12に示すように、受信側制御部250は、第2テーブル251、モード設定部252、及び係数設定部253を含んでいる。また、受信側制御部250は、第2選択部254、第2生成部255、及び第2重畳部256を含んでいる。第2テーブル251は、
図13に示すように、動作モード番号、ボーレート、変調方式、及び第3係数を互いに関連付けて含んでいる。第2テーブル251における動作モード番号は光受信装置200の動作モードを識別する識別子である。動作モード番号が指定されると、指定された動作モード番号に関連付けられたボーレート、変調方式、及び第3係数を決定することができる。これにより、指定された動作モード番号に応じたボーレート、変調方式、及び第3係数で光受信装置200を動作させることができる。なお、動作モード番号を設けずに、ボーレート及び変調方式の少なくとも一方を指定し、指定したボーレート及び変調方式の少なくとも一方に応じて第3係数を決定してもよい。
【0048】
図14に示すように、モード設定部252は操作端末10からの制御に従い動作モード番号を自身に設定する(ステップS11)。動作モード番号が設定されると、係数設定部253は操作端末10からの制御に従い第2係数を自身に設定する(ステップS12)。なお、第2係数の設定については、操作端末10が送信側制御部150に対する設定を終えた後に、操作端末10が送信側制御部150(具体的には第1生成部155)から第2係数を取得すればよい。操作端末10を光送信装置100から光受信装置200に接続し直すことにより、操作端末10は第2係数を係数設定部253に設定することができる。ステップS11とS12の処理は同じタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。
【0049】
モード設定部252に動作モード番号が設定されると、第2選択部254は設定された動作モード番号に応じた第3係数をボーレート及び変調方式と共に第2テーブル251から選択する(ステップS13)。
図15に示すように、第3係数は第1係数のピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って帯域の振幅レベルが減少する。第2選択部254は選択したボーレート、変調方式、及び第3係数を第2重畳部256に出力する。
【0050】
係数設定部253に第2係数が設定されると、第2生成部255は第2係数に基づいて第4係数を生成する(ステップS14)。具体的には、
図15に示すように、第2生成部255は第2係数の特性とは逆の増幅特性に基づいて第4係数を生成する。言い換えれば、第2生成部255は第2係数の特性とは逆の増幅特性を第4係数の特性として生成する。第2生成部255は生成した第4係数を第2重畳部256に出力する。なお、ステップS13とS14の処理は同じタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。
【0051】
図14に戻り、第2重畳部256は、第2選択部254から出力された第3係数と、第2生成部255から出力された第4係数を重畳する(ステップS15)。第2重畳部256は第3係数と第4係数を互いに重畳することにより上述した第2補償係数を生成する。第2補償係数を生成すると、第2重畳部256は第2補償係数をRxDSP210の固定等化回路211に設定し(ステップS16)、処理を終了する。
【0052】
これにより、
図15に示すように、例えばデータ信号が主信号であって、光受信装置200の帯域幅が主信号に対して不足している場合に、主信号に対し、第3係数と第4係数を重畳することにより生成した第2補償係数を適用することができる。第3係数により光受信装置200内や光伝送路300内で生ずる帯域特性に起因するシンボル間干渉等の損失を補償することができる。第4係数により信号品質を一時的に改善することを目的に採用した第2係数を相殺させることができる。したがって、
図16に示すように、第2補償係数が主信号に適用された出力信号がクライアント信号として光受信装置200から出力される。なお、第2重畳部256は第2選択部254から出力されたボーレート及び変調方式をRxDSP210のデマッピング回路(不図示)に設定する。
【0053】
以上、第1実施形態によれば、DAC120が出力できる電気的な信号の振幅レベルの特性に上限値がある場合に、スケーリングといった正規化を実施しても、低周波帯域において信号品質低下が抑制され、光信号の伝送特性を向上することができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、
図17乃至
図21を参照して、本件の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、送信側制御部150で第2係数を生成し、操作端末10を介してその第2係数を受信側制御部250で利用して第4係数を生成することを説明した。第2実施形態では、送信側制御部150で生成した第2係数を光送信装置100から光受信装置200に送信し、受信した第2係数を受信側制御部250で利用して第4係数を生成する。
【0055】
まず、
図17乃至
図19を参照して、第2実施形態に係る送信側制御部150の構成及び動作について説明する。なお、
図17において、第1実施形態に係る送信側制御部150と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
図17に示すように、第2実施形態に係る送信側制御部150は、情報生成部157をさらに含む点で第1実施形態と相違する。情報生成部157は、
図18に示すように、周波数変調設定部161、多値度設定部162、ボーレート設定部163、及び統合部164を含んでいる。
【0057】
第1生成部155は生成した第2係数を統合部164に出力する。周波数変調設定部161は、操作端末10からの制御に従い、送信周波数の周波数変調の使用の有無を自身に設定する。多値度設定部162は、操作端末10からの制御に従い、主信号に用いる多値度より低い多値度を自身に設定する。ボーレート設定部163は、操作端末10からの制御に従い、主信号に用いるボーレートより低いボーレートを自身に設定する。なお、これらの各種設定は、動作モード番号の設定や増幅目標値の設定と同じタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。
【0058】
統合部164は、周波数変調設定部161に周波数変調を使用する旨が設定されている場合、周波数変調を使用する旨とボーレート設定部163に設定されたボーレートのいずれか一方又は両方の情報と第2係数の情報とを統合した送信情報を生成する。統合部164は、周波数変調設定部161に周波数変調を使用しない旨が設定されている場合、多値度設定部162に設定された多値度とボーレート設定部163に設定されたボーレートのいずれか一方又は両方の情報と第2係数の情報とを統合した送信情報を生成する。
【0059】
統合部164は生成した送信情報をTxDSP150の予等化回路113に出力する。予等化回路113は、送信情報に基づき、送信情報を含む電気的な制御信号を生成し、DAC120に出力する。これにより、主信号とは異なる設定の制御信号が光送信装置100から送信される。このため、光受信装置200は制御信号と主信号とを識別することができる。なお、周波数変調を使用する場合、周波数変調がQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)といった位相変調と両立しないため、多値度の利用を回避している。
【0060】
図19に示すように、第1重畳部156がステップS6の処理を実行すると、情報生成部157は上述したように送信情報を生成し(ステップS21)、予等化回路113に出力する。予等化回路113は送信情報を含む制御信号を生成し(ステップS22)、DAC120に出力する。CDM130はDAC120に出力された制御信号に基づいて制御信号に応じた光信号に変換し、光受信装置200に向けて送信する(ステップS23)。このように、光送信装置100は制御信号を光受信装置200に送信する。
【0061】
次に、
図20及び
図21を参照して、第2実施形態に係る受信側制御部250の構成及び動作について説明する。なお、
図20において、第1実施形態に係る受信側制御部250と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
第2実施形態に係る受信側制御部250は、情報抽出部257をさらに含む点で第1実施形態と相違する。情報抽出部257は、光受信装置200(具体的にはICR230)が受信した光信号に応じた制御信号に基づいて固定等化回路211でデジタル復調した後の送信情報を抽出する。情報抽出部257は抽出した送信情報から第2係数を第2生成部255に出力する。これにより、第1実施形態と同様に、第2生成部255は第2係数に基づいて第4係数を生成することができる。
【0063】
図21に示すように、第2選択部254がステップS13の処理を実行すると、ICR230は制御信号に応じた光信号を受信する(ステップS31)。ICR230が光信号を受信すると、情報抽出部257は光信号に応じた制御信号から送信情報を抽出し(ステップS32)、第2係数を第2生成部255に出力する(ステップS33)。これにより、第2生成部255はステップS14の処理を実行することができる。
【0064】
以上、第2実施形態によれば、光送信装置100で生成した第2係数を光受信装置200に改めて設定し直さなくても、光受信装置200は光送信装置100から送信された第2係数に基づいて第4係数を生成することができる。このため、操作端末10を操作する設定担当者の設定負担を抑えることができる。また、光受信装置200による第2係数の設定処理を省略することで処理負荷を抑えることができる。
【0065】
(第3実施形態)
次に、
図22乃至
図27を参照して、本件の第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、送信側制御部150で第2係数を生成し、操作端末10を介してその第2係数を受信側制御部250で利用して第4係数を生成することを説明した。第3実施形態では、送信側制御部150で第2係数を生成せずに、第1係数に初期設定で事前(例えば装置製造時等)に関連付けた第2係数を利用する。また、受信側制御部250では第2係数に基づいて第4係数を生成せずに、第3係数に初期設定で事前に関連付けた第4係数を利用する。
【0066】
まず、
図22乃至
図24を参照して、第3実施形態に係る送信側制御部150の構成及び動作について説明する。なお、
図22において、第1実施形態に係る送信側制御部150と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
図22に示すように、第3実施形態に係る送信側制御部150は、目標設定部153と第1生成部155を含まずに、第3選択部158をさらに含む点で第1実施形態と相違する。また、
図23に示すように、第3実施形態に係る第1テーブル151は第1係数に第2係数を関連付けている点で第1実施形態と相違する。第3選択部158はモード設定部152に設定された動作モード番号に応じた第2係数を第1テーブル151から選択する。第3選択部158は選択した第2係数を第1重畳部156に出力する。これにより、第1重畳部156は、第1選択部154から出力された第1係数と、第3選択部158から出力された第2係数を重畳することができる。すなわち、第1重畳部156は第1補償係数を生成することができる。
【0068】
図24に示すように、第1選択部154がステップS3の処理を実行すると、第3選択部158は上述したように第2係数を選択し(ステップS41)、第1重畳部156に出力する。これにより、第1重畳部156はステップS5の処理を実行することができる。
【0069】
次に、
図25乃至
図27を参照して、第3実施形態に係る受信側制御部250の構成及び動作について説明する。なお、
図25において、第1実施形態に係る受信側制御部250と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
図25に示すように、第3実施形態に係る受信側制御部250は、係数設定部253と第2生成部255を含まずに、第4選択部258をさらに含む点で第1実施形態と相違する。また、
図26に示すように、第3実施形態に係る第2テーブル251は第3係数に第4係数を関連付けている点で第1実施形態と相違する。第4選択部258はモード設定部252に設定された動作モード番号に応じた第4係数を第2テーブル251から選択する。第4選択部258は選択した第4係数を第2重畳部256に出力する。これにより、第2重畳部256は、第2選択部254から出力された第3係数と、第4選択部258から出力された第4係数を重畳することができる。すなわち、第2重畳部256は第2補償係数を生成することができる。
【0071】
図27に示すように、第2選択部254がステップS13の処理を実行すると、第4選択部258は上述したように第4係数を選択し(ステップS51)、第2重畳部256に出力する。これにより、第2重畳部256はステップS15の処理を実行することができる。
【0072】
以上、第3実施形態によれば、光送信装置100に対する増幅目標値の設定を実施しなくても、動作モード番号に応じて第2係数を特定して第1係数との重畳利用することができる。また、光受信装置200に対する第2係数の設定を実施しなくても、動作モード番号に応じて第4係数を特定して第3係数との重畳利用することができる。このため、操作端末10を操作する設定担当者の設定負担を抑えることができる。また、光送信装置100による増幅目標値の設定処理を省略し、光受信装置200による第2係数の設定処理を省略することで処理負荷を抑えることができる。
【0073】
(第4実施形態)
次に、
図28乃至
図33を参照して、第4実施形態に係る送信側制御部150の構成及び動作について説明する。第4実施形態では、上述したCDM130(具体的にはドライバ回路)が光送信装置100の帯域特性における高周波数側の帯域幅を拡張するために、この帯域特性にピーキング特性を付与する。
【0074】
例えば、CDM130(
図1参照)は、
図28に示すように、低周波数帯や中周波数帯の振幅レベルを増幅させることにより、高周波数側の帯域幅を拡張する。低周波数帯や中周波数帯の振幅レベルが増幅すると、この増幅に起因して高周波数側の帯域幅が拡張する。このように、第4実施形態では、CDM130が帯域特性にピーキング特性を付与する点で、第1実施形態乃至第3実施形態と相違する。
【0075】
一方、過剰なピーキング特性は、CDM130の前段に配置されるTxDSP110において発生するディエンファシスにより相殺されることが望ましい。ディエンファシスは、例えばピーキング特性を相殺するために振幅レベルを下げる特性(又は手法)である。ところが、ディエンファシスは振幅レベルを下げる特性であるため、ディエンファシスの発生は光信号の信号品質の低下を誘発するおそれがある。このため、第4実施形態では、ディエンファシスが出現する領域を相殺するフィルタ(具体的にはデジタルフィルタ)を第2係数として生成し、光信号の信号品質の低下を抑制する。
【0076】
まず、
図29に示すように、第4実施形態に係る送信側制御部150は、
図22を参照して説明した第3実施形態に係る送信側制御部150が備える第3選択部158に代えて、第3生成部159を備えている。なお、第4実施形態に係る第1テーブル151は、
図4を参照して説明した動作モード番号、ボーレート、変調方式、及び第1係数を互いに関連付けて含んでいる。
【0077】
第3生成部159はモード設定部152に設定された動作モード番号に応じたボーレートを第1テーブル151から取得する。詳細は後述するが、第3生成部159は取得したボーレートに基づいて第1実施形態から第3実施形態で説明した第2係数と異なる別の第2係数を生成し、第1重畳部156に出力する。これにより、第1重畳部156は、第1選択部154から出力された第1係数と、第3生成部159から出力された第2係数とを重畳することができる。すなわち、第1重畳部156は第1補償係数を生成することができる。
【0078】
図30に示すように、第1選択部154がステップS3の処理を実行すると、第3生成部159は上述したように第1テーブル151からボーレートを取得する(ステップS61)。ボーレートを取得すると、第3生成部159はディエンファシス領域を取得する(ステップS62)。
【0079】
より詳しくは、まず、第3生成部159は第1係数における所定の周波数範囲を決定する。例えば、第3生成部159は取得したボーレートをNヘルツ(Nは正の自然数)で割った周波数を算出し、算出した周波数を、
図31に示すように、所定の周波数範囲として決定する。所定の周波数範囲を決定すると、第3生成部159は所定の周波数範囲内において、振幅レベルが負になる第1係数の部分を部分係数として含む領域をディエンファシス領域として取得する。
【0080】
ディエンファシス領域を取得すると、第3生成部159は第2係数を生成する(ステップS63)。より詳しくは、
図32に示すように、ディエンファシス領域が含む部分係数を符号反転し、部分係数を相殺するフィルタとして第2係数を生成する。この際、第3生成部159は、所定の周波数範囲内において、振幅レベルがゼロ以上になる第1係数の残部分に関し、振幅レベルを一律にゼロにした第2係数を生成してもよい。
【0081】
第2係数を生成すると、ステップS5の処理により、第1重畳部156は第1係数と第2係数を重畳する。これにより、第1重畳部156は上述した第1補償係数を生成する。すなわち、
図33に示すように、第1係数と第2係数が重畳することにより、ディエンファシス領域に属する部分係数の振幅レベルが上昇した第1補償係数が生成される。第1補償係数を生成すると、第1重畳部156は第1補償係数をTxDSP110の予等化回路113に設定するステップS6の処理を実行して、第4実施形態に係る処理を終了する。
【0082】
このように、第4実施形態によれば、CDM130がピーキング特性を付与することにより、ディエンファシス領域が発生する場合であっても、DAC120(
図1参照)に入力される前にデータ信号の信号品質の低下が抑えられる。これにより、光信号の伝送特性を向上させることができる。
【0083】
なお、光受信装置200では、第3生成部159が生成した第2係数とは逆の特性を有する第4係数と第1実施形態乃至第3実施形態で説明した第3係数とが重畳された第2補償係数が固定等化回路211に設定されればよい。第4係数は、第1実施形態乃至第3実施形態と同様に、操作端末10によって受信側制御部250に第2係数が設定されてから生成されてもよいし、送信側制御部150から受信側制御部250に第2係数が送信されてから生成されてもよい。第4係数を事前に生成して第3係数と関連付けておいてもよい。
【0084】
また、第3生成部159は部分係数の全部を抑制する第2係数を生成したが、第3生成部159は部分係数の一部を抑制する第2係数を生成してもよい。すなわち、第3生成部159は部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成すればよい。
【0085】
さらに、第3生成部159は、第2係数を生成せずに、部分係数をn倍(n<1)に逓倍することにより、第1補償係数を生成してもよい。このように第1補償係数を生成しても、DAC120に入力されるデータ信号の信号品質低下が抑制され、光信号の伝送特性を向上させることができる。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0087】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置とを有し、前記光送信装置は、前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づき、前記光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、前記光受信装置は、前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する第3係数と、前記第2係数とは逆の特性を有する第4係数とに基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する、ことを特徴とする光送受信システム。
(付記2)電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記電気的なデータ信号に変換する光受信装置とを有し、前記光送信装置は、前記電気的なデータ信号に対して前記光送信装置内で生ずる損失を第1補償係数に基づき補償する第1補償部と、前記第1補償部に対して前記第1補償係数を設定する第1設定部とを有し、前記第1設定部は、前記光送信装置内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号の周波数帯域のうち、高周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づいて前記第1補償係数を生成し、前記光受信装置は、前記電気的なデータ信号に対して前記光伝送路内で生ずる損失を第2補償係数に基づき補償する第2補償部と、前記第2補償部に対して前記第2補償係数を設定する第2設定部とを有し、前記第2設定部は、前記光伝送路内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号を増幅するための第3係数と、前記第2係数とは逆の増幅特性に基づき前記電気的なデータ信号を増幅するための第4係数とに基づいて前記第2補償係数を生成する、ことを特徴とする光送受信システム。
(付記3)前記第1補償部は、デジタル形式の前記電気的なデータ信号をアナログ形式の前記電気的なデータ信号に変換する変換部の上限値以下に前記電気的なデータ信号の振幅レベルを抑制する、ことを特徴とする付記2に記載の光送受信システム。
(付記4)前記光送信装置は、前記第2係数を前記光受信装置に送信し、前記第2設定部は、前記光受信装置が受信した前記第2係数に基づいて前記第4係数を生成する、ことを特徴とする付記2に記載の光送受信システム。
(付記5)前記光送信装置は、前記電気的なデータ信号より低いボーレートの第1信号を用いて前記第2係数を前記光受信装置に送信する、ことを特徴とする付記2に記載の光送受信システム。
(付記6)前記光送信装置は、前記電気的なデータ信号より低い多値度の第2信号を用いて前記第2係数を前記光受信装置に送信する、ことを特徴とする付記2に記載の光送受信システム。
(付記7)前記光送信装置は、送信周波数が変調された第3信号を用いて前記第2係数を前記光受信装置に送信する、ことを特徴とする付記2に記載の光送受信システム。
(付記8)前記第1設定部は、前記電気的なデータ信号のボーレート及び変調方式の少なくとも一方に応じて前記第1係数を決定し、前記第2設定部は、前記電気的なデータ信号のボーレート及び変調方式の少なくとも一方に応じて前記第3係数を決定する、ことを特徴とする付記2に記載の光送受信システム。
(付記9)前記第1設定部は、前記電気的なデータ信号のボーレート及び変調方式の少なくとも一方に応じて前記第1係数と前記第2係数の両方を決定し、前記第2設定部は、前記電気的なデータ信号のボーレート及び変調方式の少なくとも一方に応じて前記第3係数と前記第4係数の両方を決定する、ことを特徴とする付記8に記載の光送受信システム。
(付記10)電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置とを有し、前記光送信装置は、前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある送信側係数から、前記送信側係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数をn倍(n<1)に逓倍することにより、前記光送信装置内で生ずる損失を補償する第1補償部を有し、前記光受信装置は、前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する受信側係数に基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する第2補償部を有する、ことを特徴とする光送受信システム。
(付記11)電気的なデータ信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、前記光送信装置から光伝送路を介して入力される前記光信号を受信して前記データ信号に変換する光受信装置と、を有する光送受信システムにおける光送受信方法であって、前記光送信装置が、前記データ信号の周波数帯域のうち、帯域の振幅レベルの上向きのピークが高周波数側にある第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づき、前記光送信装置内で生ずる損失を補償し、前記光受信装置が、前記ピークより低周波数側の一部の帯域で周波数が低くなるに従って前記振幅レベルが減少する第3係数と、前記第2係数とは逆の特性を有する第4係数とに基づき、前記光伝送路内で生ずる損失を補償する、ことを特徴とする光送受信方法。
(付記12)光伝送路を介して入力される光信号を受信して電気的なデータ信号に変換する光受信装置に、前記電気的なデータ信号を前記光信号に変換して送信する光送信装置であって、前記電気的なデータ信号に対して前記光送信装置内で生ずる損失を第1補償係数に基づき補償する第1補償部と、前記第1補償部に対して前記第1補償係数を設定する第1設定部とを有し、前記第1設定部は、前記光送信装置内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号の周波数帯域のうち、高周波数側の帯域の振幅レベルを増幅するための第1係数から、前記第1係数における前記振幅レベルの負の部分を表す部分係数を取得し、前記部分係数の少なくとも一部を抑制する第2係数を生成し、前記第1係数と前記第2係数とに基づいて前記第1補償係数を生成し、前記光受信装置は、前記電気的なデータ信号に対して前記光伝送路内で生ずる損失を第2補償係数に基づき補償する第2補償部と、前記第2補償部に対して前記第2補償係数を設定する第2設定部とを有し、前記第2設定部は、前記光伝送路内で生ずる損失が補償されるように、前記電気的なデータ信号を増幅するための第3係数と、前記第2係数とは逆の増幅特性に基づき前記電気的なデータ信号を増幅するための第4係数とに基づいて前記第2補償係数を生成する、ことを特徴とする光送信装置。
【符号の説明】
【0088】
ST 光送受信システム
100 光送信装置
113 予等化回路(第1補償部)
150 送信側制御部(第1設定部)
200 光受信装置
211 固定等化回路(第2補償部)
250 受信側制御部(第2設定部)