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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017987
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】吐出具及び吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20240201BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B05B11/00 101A
B05B11/00 101B
B05B11/00 101E
B05B11/00 101N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121003
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】小賀坂 優太
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC04
3E084DC05
3E084EA04
3E084EC04
3E084EC05
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA04
3E084KB01
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD23
3E084LD25
(57)【要約】
【課題】ノズルを容易に開閉することが可能な吐出具及びこれを用いた吐出容器を提供することである。
【解決手段】装着キャップ10と、ヘッド部20と、ノズル40と、ヘッド部20に設けられた流出口35に配置された第1逆止弁50と、装着キャップ10に設けられた流入口10dに配置された第2逆止弁60と、ヘッド部20に設けられた弾性変形部32cと、を有し、ノズル40が、ヘッド部20に回動軸RAを中心として回動自在に装着され、吐出孔41の流入側開口端41aが回動軸RAに対して偏心して配置された回動体42と、回動軸RAに対して偏心してヘッド部20に設けられ、回動体42が開位置にあるときに流入側開口端41aに対して周方向にずれて配置され、回動体42が閉位置にあるときに流入側開口端41aに全周に亘って当接して吐出孔41を閉塞する凸部43と、を有することを特徴とする、吐出具1及びこれを備えた吐出容器2。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に装着される装着キャップと、
頂壁部と筒状の周壁とを備え、前記装着キャップに支持されたヘッド部と、
前記ヘッド部に設けられた流出口に連通する吐出孔を備えたノズルと、
前記流出口に配置され、前記吐出孔から前記ヘッド部の内部に向けた内容物の流れを阻止し、前記ヘッド部の内部から前記吐出孔に向けた内容物の流れを許容する第1逆止弁と、
前記装着キャップに設けられた流入口に配置され、前記ヘッド部の内部から前記容器本体の内部に向けた内容物の流れを阻止し、前記容器本体の内部から前記ヘッド部の内部に向けた内容物の流れを許容する第2逆止弁と、
前記ヘッド部に設けられ、前記頂壁部が押し下げられたときに前記ヘッド部を減容させるように弾性変形して前記ヘッド部をポンプとして機能させる弾性変形部と、を有し、
前記ノズルが、
前記ヘッド部に回動軸を中心として回動自在に装着され、前記吐出孔が設けられるとともに前記吐出孔の前記流出口の側を向く流入側開口端が前記回動軸に対して偏心して配置された回動体と、
前記流出口の側から前記吐出孔の側に向けて突出するとともに前記回動軸に対して偏心して前記ヘッド部に設けられ、前記回動体が開位置にあるときに前記流入側開口端に対して周方向にずれて配置され、前記回動体が前記回動軸を中心として前記開位置から所定角度回動した閉位置にあるときに前記流入側開口端に全周に亘って当接して前記吐出孔を閉塞する凸部と、を有することを特徴とする、吐出具。
【請求項2】
前記回動体と前記第1逆止弁との間に、前記第1逆止弁を保持する弁押さえが配置され、
前記凸部が前記弁押さえに設けられている、請求項1に記載の吐出具。
【請求項3】
前記弁押さえに、前記回動軸を挟んで対称に配置された一対の前記凸部が設けられ、
前記回動体に、前記回動軸を中心として前記流入側開口端に対して周方向に等間隔に並べて配置された3つの凹み部が設けられ、
前記回動体が前記開位置にあるときに、一対の前記凸部の先端が前記凹み部に配置され、
前記回動体が前記閉位置にあるときに、一方の前記凸部が前記流入側開口端に全周に亘って当接し、他方の前記凸部が前記凹み部に配置されるように構成されている、請求項2に記載の吐出具。
【請求項4】
前記凸部が屈曲自在の柱状に形成され、
前記回動体が、前記流入側開口端と前記弁押さえとの間に傾斜壁を備え、
前記回動体が前記開位置にあるときに、前記凸部が前記傾斜壁に沿って屈曲して前記流入側開口端から離間し、
前記回動体が前記閉位置にあるときに、前記凸部が前記傾斜壁に当接せずに真っ直ぐに延びて前記流入側開口端に全周に亘って当接するように構成されている、請求項2に記載の吐出具。
【請求項5】
前記容器本体と、請求項1~4の何れか1項に記載の前記吐出具と、を備えていることを特徴とする、吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の口部に取り付けられて容器本体に収納されている内容物を吐出する吐出具及び吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体の口部に取り付けられて容器本体に収納されている内容物を吐出する吐出具として、容器本体の口部に装着される装着キャップと、装着キャップに保持されたシリンダとシリンダの内部に配置されたピストンとを備えたポンプと、ピストンに連結されたヘッド部と、傘状の弾性弁を介してシリンダの内部に連通するノズルとを備え、ヘッド部が押し下げ操作されるとポンプが作動して容器本体に収納されている内容物がノズルから吐出されるように構成されたポンプ式のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003-534900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のポンプ式の吐出具のように、ノズルが傘状の弾性弁あるいは3点弁やボール弁で閉塞される構成のものでは、流通時などの不使用時において、振動、衝撃などによって弁が開いて内容物がノズルから外部に漏れ出す虞がある、という問題点があった。
【0005】
これに対し、ノズルの先端にキャップを取り付けたりフィルム等のシールを貼り付けたりすることでノズルを閉塞することが考えられる。しかし、この方法では、ノズルにキャップやシールなどを取り付ける必要があるとともに使用時にこれらを取り外す必要があり、その作業が煩雑であるという問題が生じることになる。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために開発されたものであり、その目的は、ノズルを容易に開閉することが可能な吐出具及びこれを用いた吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吐出具は、容器本体の口部に装着される装着キャップと、頂壁部と筒状の周壁とを備え、前記装着キャップに支持されたヘッド部と、前記ヘッド部に設けられた流出口に連通する吐出孔を備えたノズルと、前記流出口に配置され、前記吐出孔から前記ヘッド部の内部に向けた内容物の流れを阻止し、前記ヘッド部の内部から前記吐出孔に向けた内容物の流れを許容する第1逆止弁と、前記装着キャップに設けられた流入口に配置され、前記ヘッド部の内部から前記容器本体の内部に向けた内容物の流れを阻止し、前記容器本体の内部から前記ヘッド部の内部に向けた内容物の流れを許容する第2逆止弁と、前記ヘッド部に設けられ、前記頂壁部が押し下げられたときに前記ヘッド部を減容させるように弾性変形して前記ヘッド部をポンプとして機能させる弾性変形部と、を有し、前記ノズルが、前記ヘッド部に回動軸を中心として回動自在に装着され、前記吐出孔が設けられるとともに前記吐出孔の前記流出口の側を向く流入側開口端が前記回動軸に対して偏心して配置された回動体と、前記流出口の側から前記吐出孔の側に向けて突出するとともに前記回動軸に対して偏心して前記ヘッド部に設けられ、前記回動体が開位置にあるときに前記流入側開口端に対して周方向にずれて配置され、前記回動体が前記回動軸を中心として前記開位置から所定角度回動した閉位置にあるときに前記流入側開口端に全周に亘って当接して前記吐出孔を閉塞する凸部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の吐出具は、上記構成において、前記回動体と前記第1逆止弁との間に、前記第1逆止弁を保持する弁押さえが配置され、前記凸部が前記弁押さえに設けられているのが好ましい。
【0009】
本発明の吐出具は、上記構成において、前記弁押さえに、前記回動軸を挟んで対称に配置された一対の前記凸部が設けられ、前記回動体に、前記回動軸を中心として前記流入側開口端に対して周方向に等間隔に並べて配置された3つの凹み部が設けられ、前記回動体が前記開位置にあるときに、一対の前記凸部の先端が前記凹み部に配置され、前記回動体が前記閉位置にあるときに、一方の前記凸部が前記流入側開口端に全周に亘って当接し、他方の前記凸部が前記凹み部に配置されるように構成されているのが好ましい。
【0010】
本発明の吐出具は、上記構成において、前記凸部が屈曲自在の柱状に形成され、前記回動体が、前記流入側開口端と前記弁押さえとの間に傾斜壁を備え、前記回動体が前記開位置にあるときに、前記凸部が前記傾斜壁に沿って屈曲して前記流入側開口端から離間し、前記回動体が前記閉位置にあるときに、前記凸部が前記傾斜壁に当接せずに真っ直ぐに延びて前記流入側開口端に全周に亘って当接するように構成されているのが好ましい。
【0011】
本発明の吐出容器は、前記容器本体と、上記何れかの前記吐出具と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ノズルを容易に開閉することが可能な吐出具及びこれを用いた吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る吐出具を備えた吐出容器の側面視での断面図である。
図2図1に示す吐出容器の、頂壁部を押し下げて内容物を吐出させている状態における側面視での断面図である。
図3図1に示す吐出容器の、頂壁部を押し下げて内容物を吐出させた後、頂壁部の押し下げを解除した状態における側面視での断面図である。
図4図1に示すノズルの、開位置とされた状態における斜視図である。
図5図4に示すノズルの正面図である。
図6図1に示す吐出容器の、ノズルが開位置とされた状態におけるノズルの部分の拡大断面図である。
図7図1に示すノズルの、閉位置とされた状態における斜視図である。
図8図7に示すノズルの正面図である。
図9図1に示す吐出容器の、ノズルが閉位置とされた状態におけるノズルの部分の拡大断面図である。
図10図9におけるA-A線に沿う断面図である。
図11】変形例に係るノズルの、開位置とされた状態における正面図である。
図12図11に示す変形例に係るノズルを備えた吐出容器の、ノズルが開位置とされた状態におけるノズルの部分の拡大断面図である。
図13図11に示す変形例に係るノズルの、閉位置とされた状態における正面図である。
図14図11に示す変形例に係るノズルを備えた吐出容器の、ノズルが閉位置とされた状態におけるノズルの部分の拡大断面図である。
図15】他の実施形態に係る吐出具を備えた吐出容器の側面視での断面図である。
図16図15に示す他の実施形態に係る吐出容器の、頂壁部を押し下げて内容物を吐出させている状態における側面視での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態に係る吐出具1及び吐出容器2について詳細に例示説明する。
【0015】
なお、本実施の形態、特許請求の範囲においては、上下方向は、図1に示すように吐出容器2を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとする。
【0016】
図1に示すように、吐出具1は容器本体3に組み付けられている。吐出容器2は、吐出具1と容器本体3とを備えて構成されている。
【0017】
容器本体3としては、例えば、円筒状の口部3aと口部3aに連なる有底筒状の胴部3bとを備えた合成樹脂材料製のブロー成形ボトルを用いることができる。口部3aの外周面には雄ねじ3cが一体に設けられている。
【0018】
なお、容器本体3は、口部3aを備えるとともに内部に内容物を収納可能な構成であれば、その形状や材質、製造方法等が相違する種々の構成のものであってよい。例えば、容器本体3は、外層体の内側に内層体が剥離可能に積層され、内容液の吐出に伴って内層体が外層体から剥離して減容変形するように構成された積層剥離容器、射出成形により形成された円筒状の容器本体部の内部に中皿(ピストン)が移動可能に組み込まれ、内容液の吐出に伴って容器本体部の内部が負圧になるとピストンが上昇するように構成された中皿上昇式容器など、内容液を収納する内部空間(収納部)に外気を取り込まない構成のものとすることができる。
【0019】
吐出具1は、容器本体3の口部3aに装着される装着キャップ10を備えている。より具体的には、装着キャップ10は、軸線Oを中心とした円筒状の周壁部分10aと天壁部分10bとを有する有頂円筒状となっており、周壁部分10aの内周面には雌ねじ10cが一体に設けられている。また、天壁部分10bの軸心には天壁部分10bを上下方向に貫通する流入口10dが設けられている。
【0020】
装着キャップ10は、雌ねじ10cが容器本体3の口部3aに設けられた雄ねじ3cにねじ結合することで、容器本体3の口部3aに着脱可能に装着される。装着キャップ10が容器本体3の口部3aに装着されることで、吐出具1は容器本体3に組み付けられた状態となる。
【0021】
なお、装着キャップ10は、雄ねじ3cと雌ねじ10cとのねじ結合により容器本体3の口部3aに装着される構成に限らず、例えば、アンダーカット係合を用いた打栓など、他の構成により容器本体3の口部3aに装着される構成とすることもできる。また、装着キャップ10は、容器本体3の口部3aに装着することができるものであれば、その形状も種々変更可能である。
【0022】
装着キャップ10は、天壁部分10bの下面にチューブホルダ10eを一体に備えた構成とすることもできる。チューブホルダ10eは円筒状となっており、上端において流入口10dに連通している。チューブホルダ10eには吸引管20が嵌合固定される。吸引管20は流入口10dに連通するとともにチューブホルダ10eから下方に向けて延び、その下端(不図示)は容器本体3の内部の底部分に近接している。
【0023】
装着キャップ10の天壁部分10bの上面には、支持体部10fが一体に設けられている。支持体部10fは、周壁部分10aと同軸で周壁部分10aよりも小径の円筒状となっており、天壁部分10bから上方に延びている。
【0024】
吐出具1はヘッド部30を備えている。ヘッド部30は、頂壁部31と筒状の周壁32とを備え、装着キャップ10に支持されている。本実施形態では、周壁32は、上側部分32aと下側部分32bとが周壁部分10a及び支持体部10fと同軸の円筒状であるとともに、上側部分32aと下側部分32bとの間に軸線Oの方向に伸縮するように弾性変形可能な蛇腹状の弾性変形部32cを備えた構成となっている。
【0025】
周壁32の下側部分32bは装着キャップ10の支持体部10fの内側に全周に亘って嵌合しており、これによりヘッド部30は、装着キャップ10の支持体部10fに支持されている。ヘッド部30は、その下方側部分が天壁部分10bにより閉塞されており、天壁部分10bに設けられた流入口10dから流入する内容物をその内部空間Sに収納可能なタンクとしての機能を有している。ヘッド部30の頂壁部31及び周壁32は、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂で一体に形成することができる。
【0026】
ヘッド部30は、筒状部33が設けられた構成とすることもできる。筒状部33は周壁32によりも大径の円筒状となっており、フランジ状部分34を介して周壁32の下側部分32bの外側に周壁32に一体に連ねて設けられている。筒状部33は、支持体部10fの外周面に嵌合するとともにアンダーカット係合して支持体部10fを保持する機能も有している。
【0027】
ヘッド部30には流出口35が設けられている。ヘッド部30の内部空間Sに収納された内容物は流出口35からヘッド部30の外部に流出することができる。
【0028】
ヘッド部30には、流出口35に連通する円筒状の取付け部36が設けられており、取付け部36にはノズル40が取り付けられている。ノズル40は、流出口35に連通する吐出孔41を備えており、ヘッド部30の内部空間Sから流出口35を通って供給される内容物を吐出孔41から外部に吐出することができる。
【0029】
本実施形態の吐出具1ないし吐出容器2では、ノズル40は回動操作により吐出孔41を容易に開閉可能な構成とされている。ノズル40の上記構成の詳細については後述する。
【0030】
流出口35には第1逆止弁50が配置されている。本実施形態では、第1逆止弁50は、取付け部36に装着された弁押さえ37と流出口35が設けられた取付け部36の隔壁部分との間に挟持固定された環状の保持部51と、流出口35を閉塞する弁体52と、保持部51と弁体52とを連結する弾性変形自在の複数本(3本)の脚部53とを有している。第1逆止弁50は、ヘッド部30の内部の内部空間Sから吐出孔41に向けた内容物の流れを許容するが、吐出孔41からヘッド部30の内部の内部空間Sに向けた内容物の流れを阻止するように作動する。
【0031】
また、流入口10dには第2逆止弁60が配置されている。本実施形態では、第2逆止弁60は、天壁部分10bに設けられた凹部に嵌合固定された環状の保持部61と、流入口10dを閉塞する弁体62と、保持部61と弁体62とを連結する弾性変形自在の複数本(3本)の脚部63とを有している。第2逆止弁60は、容器本体3の内部からヘッド部30の内部の内部空間Sに向けた内容物の流れを許容するが、ヘッド部30の内部の内部空間Sから容器本体3の内部に向けた内容物の流れを阻止するように作動する。
【0032】
なお、第1逆止弁50及び第2逆止弁60としては、上記の機能を有するように作動するものであれば、他の構成のものを用いてもよい。
【0033】
上述の通り、ヘッド部30には、軸線Oの方向に伸縮するように弾性変形可能な弾性変形部32cが設けられている。ヘッド部30は、弾性変形部32cが設けられることで、頂壁部31が操作部として機能することになる。すなわち、図1に示す状態から、図2に示すように、頂壁部31が下方に向けて押し下げられると、弾性変形部32cが軸線Oに沿う方向(上下方向)に収縮するように弾性変形し、これによりヘッド部30の内部空間Sが減容して加圧される。
【0034】
内部空間Sが加圧されると、第2逆止弁60が閉じた状態に維持されつつ第1逆止弁50が開かれて、内部空間Sに収納されている内容物が流出口35から吐出孔41を通ってノズル40から外部に吐出される。このように、弾性変形部32cが設けられることで、ヘッド部30はポンプとして機能する。
【0035】
内容物が吐出された後、頂壁部31の押し下げが解除されると、図3に示すように、頂壁部31及び弾性変形部32cは、当該頂壁部31ないし弾性変形部32cの弾性力によって元の形状にまで復元する。このとき、内部空間Sは負圧になるので、第1逆止弁50が閉じた状態に維持されつつ第2逆止弁60が開かれて、容器本体3の内部に収納されている内容物が吸引管20及び流入口10dを通して内部空間Sに充填される。
【0036】
以下、頂壁部31の下方に向けた押下げ操作とその解除を繰り返すことで、内容物を適宜ノズル40の吐出孔41から外部に吐出させることができる。
【0037】
なお、ヘッド部30に設ける弾性変形部32cとしては、上記した蛇腹状のものに限らず、頂壁部31を下方に向けて押し下げたときにヘッド部30を減容させるように弾性変形する構成であれば種々の構成を採用することができる。
【0038】
次に、ノズル40の詳細について説明する。
【0039】
図4図5及び図6に示すように、ノズル40は、回動体42と凸部43とを有している。
【0040】
回動体42は円筒状部分42aを有している。図6に示すように、円筒状部分42aは取付け部36の内側に嵌合し、円筒状部分42aの外周面に設けられた環状突起42bが取付け部36の内周面に設けられた環状溝36aに係合している。これにより、回動体42は、ヘッド部30に回動軸RAを中心として回動自在に装着されている。
【0041】
図4図5及び図6に示すように、吐出孔41は、回動体42の円筒状部分42aの前端(流出口35とは反対側を向く端)に一体に連なるノズル本体42cに設けられている。図6に示すように、吐出孔41は、ノズル本体42cの前端から後端にまで延びており、その流出口35の側を向く流入側開口端41aは、回動軸RAに対して偏心して配置されている。
【0042】
本実施形態では、吐出孔41は、外方を向く流出側開口端41bから流入側開口端41aまで回動軸RAに平行に真っ直ぐに延び、回動軸RAに対してその全体が径方向外側にずれるように偏心して配置されている。また、回動体42のノズル本体42cの後端面には、回動軸RAを中心として流入側開口端41aに対して周方向に等間隔に並べて配置された3つの凹み部42dが設けられている。すなわち、回動体42のノズル本体42cの後端面には、1つの流入側開口端41aと3つの凹み部42dが、回動軸RAを中心として周方向に90度ずつずれて等間隔に並べて配置されている。
【0043】
回動体42は、回転操作のための摘まみ部44をノズル本体42cに一体に備えた構成とすることができる。
【0044】
弁押さえ37は、回動体42と第1逆止弁50との間に配置されている。弁押さえ37は略円板状となっており、流出口35から流出した内容物を吐出孔41に流通させるための複数(4つ)の貫通孔37aが回動軸RAを中心として周方向に並べて設けられている。
【0045】
凸部43は、流出口35の側から吐出孔41の側に向けて突出するとともに回動軸RAに対して偏心してヘッド部30に設けられている。本実施形態では、弁押さえ37のノズル40の側を向く前端面に、一対の凸部43が回動軸RAを挟んで対称に配置されて設けられている。それぞれの凸部43は、回動軸RAに平行に延びる円柱状となっており、その回動軸RAに沿う方向の長さは円筒状部分42aよりも長くなっている。また、それぞれの凸部43の前端部分は面取りされている。一対の凸部43の当該面取りされた部分は、吐出孔41の流入側開口端41aに全周に亘って当接することができる径となっている。また、一対の凸部43の回動軸RAに対する偏心量(偏心する距離)は、吐出孔41の流入側開口端41a及び凹み部42dの回動軸RAに対する偏心量と同一となっている。
【0046】
一対の凸部43は、回動体42が図4図5及び図6に示す開位置にあるときに、それぞれ吐出孔41の流入側開口端41aに対して周方向に90度ずれて配置されて対応する凹み部42dに係合ないし配置されている。したがって、回動体42が開位置にあるときには、吐出孔41は凸部43に閉塞されることなく開放されて流出口35に連通した状態となる。よって、頂壁部31を下方に向けて押下げ操作することで、内部空間Sに収納されている内容物を流出口35から吐出孔41を通して外部に吐出させることができる。また、一対の凸部43の先端が対応する凹み部42dに係合ないし配置されているので、回動体42は不意に回動することなく開位置に保持される。
【0047】
一方、図7図8図9及び図10に示すように、摘まみ部44を操作して回動体42を、回動軸RAを中心とした周方向の一方側に90度回動させると、回動体42は閉位置となる。回動体42が閉位置となると、一方の凸部43は吐出孔41の流入側開口端41aに対向し、その先端が流入側開口端41aに全周に亘って当接して吐出孔41を閉塞する。他方の凸部43は対応する凹み部42dに係合ないし配置される。また、一対の凸部43の先端が流入側開口端41aないし対応する凹み部42dに係合ないし配置されているので、回動体42は不意に回動することなく閉位置に保持される。
【0048】
なお、本実施形態では、回動軸RAを挟んで対称に一対の凸部43を設けるようにしているので、摘まみ部44を操作して回動体42を開位置から回動軸RAを中心とした周方向の他方側に90度回動させたときも、回動体42は閉位置となり、一方の凸部43は凹み部42dに係合ないし配置され、他方の凸部43は吐出孔41の流入側開口端41aに対向して流入側開口端41aに全周に亘って当接して吐出孔41を閉塞する。
【0049】
さらに、摘まみ部44を操作して閉位置にある回動体42を、回動軸RAを中心とした周方向に90度回動させることで、回動体42を再度開位置として、吐出具1ないし吐出容器2を、内容物を吐出可能な状態とすることができる。
【0050】
このように、本実施形態の吐出具1ないし吐出容器2によれば、ノズル40の回動体42を回動させるだけの簡単な操作で吐出孔41を開閉することができる。
【0051】
また、回動体42が閉位置となって吐出孔41が凸部43により閉塞されると、吐出孔41と流出口35との連通が遮断されるので、流通時などの不使用時において、振動、衝撃などによって第1逆止弁50が不意に開いた場合であっても、ヘッド部30の内部空間Sに収納されている内容物が吐出孔41から外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0052】
さらに、本実施形態の吐出具1ないし吐出容器2では、回動体42と第1逆止弁50との間に配置した弁押さえ37に凸部43を設けるようにしたので、凸部43を設ける構成を簡素化して、吐出具1ないし吐出容器2のコストを低減することができる。
【0053】
さらに、本実施形態の吐出具1ないし吐出容器2では、弁押さえ37に、回動軸RAを挟んで対称に配置された一対の凸部43を設け、回動体42に、回動軸RAを中心として流入側開口端41aに対して周方向に等間隔に並べて配置された3つの凹み部42dを設けるようにしたので、回動体42を開位置から回動軸RAを中心とした周方向の一方側及び他方側の何れの方向に回動させても吐出孔41を開閉することができる。これにより、吐出孔41の開閉をより容易に行うことができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2では、頂壁部31を押し下げ操作して弾性変形部32cを弾性変形させることで内容物を吐出することができるので、シリンダとピストンとを用いたポンプや金属製のスプリングを用いることなく、ヘッド部30をポンプとして機能させて内容物を吐出させることができる。したがって、本実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2によれば、吐出具1ないし吐出容器2のリサイクル性を高めることができるとともに、例えば研磨剤などの固形物を含む内容物を吐出する用途にも用いることができる。
【0055】
図11は、変形例に係るノズルの、開位置とされた状態における正面図であり、図12は、図11に示す変形例に係るノズルを備えた吐出容器の、ノズルが開位置とされた状態におけるノズルの部分の拡大断面図である。また、図13は、図11に示す変形例に係るノズルの、閉位置とされた状態における正面図であり、図14は、図11に示す変形例に係るノズルを備えた吐出容器の、ノズルが閉位置とされた状態におけるノズルの部分の拡大断面図である。なお、図11図14には、前述した部材に対応する部材に同一の符号を付してある。
【0056】
図11図14に示すように、ノズル40は、凸部43が屈曲自在の柱状に形成されるとともに、回動体42が、吐出孔41の流入側開口端41aと弁押さえ37との間に傾斜壁42eを備えた構成とすることができる。この場合、弁押さえ37には、回動軸RAに対して偏心する1つの凸部43のみが設けられ、ノズル本体42cの一部が傾斜壁42eで構成される。傾斜壁42eは、流入側開口端41aから回動軸RAを超えて回動軸RAを挟んだ流入側開口端41aの反対側の円筒状部分42aにまで、回動軸RAに対して傾斜して延びている。傾斜壁42eは略一定の厚みであり、傾斜壁42eの内面42fは傾斜壁42eと同様に傾斜した傾斜面となっている。また、吐出孔41は、流入側開口端41aが回動軸RAに対してその全体がずれるように偏心しており、流入側開口端41aから流出側開口端41bに向けて斜めに延びている。
【0057】
図12に示すように、回動体42が開位置にあるとき、凸部43は、傾斜壁42eの内面42fに当接することで、傾斜壁42eに沿って回動軸RAの側に向けて屈曲して流入側開口端41aから離間した状態となる。したがって、回動体42が開位置にあるときには、吐出孔41は凸部43に閉塞されることなく開放されて流出口35に連通した状態となる。よって、頂壁部31を下方に向けて押下げ操作することで、内部空間Sに収納されている内容物を流出口35から吐出孔41を通して外部に吐出させることができる。
【0058】
一方、図14に示すように、摘まみ部44を操作して回動体42を、回動軸RAを中心とした周方向に180度回動させると、回動体42は閉位置となる。回動体42が閉位置となると、凸部43は傾斜壁42eから離脱し、傾斜壁42eの内面42fに当接することなく真っ直ぐに延びた状態となって流入側開口端41aに全周に亘って当接して吐出孔41を閉塞する。
【0059】
このように、変形例の吐出具1ないし吐出容器2においても、ノズル40の回動体42を回動させるだけの簡単な操作で吐出孔41を開閉することができる。
【0060】
図15は、他の実施形態に係る吐出具を備えた吐出容器の側面視での断面図であり、図16は、図15に示す他の実施形態に係る吐出容器の、頂壁部を押し下げて内容物を吐出させている状態における側面視での断面図である。なお、図15図16おいては、前述した部材に対応する部材に同一の符号を付してある。
【0061】
図1に示す実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2では、ヘッド部30に設ける弾性変形部32cが蛇腹状となるものとされている。これに対し、図15図16に示すように、他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2では、ノズル40構成は図1に示す実施形態のものと同一であるが、ヘッド部30の周壁32に設けられる弾性変形部32cが、ヘッド部30の軸線Oを挟んでノズル40とは反対側を向く背面側から両側面側に向けて延びる領域を、周壁32の他の領域よりも薄肉に形成することで、周壁32の他の領域よりも容易に弾性変形する構成とされている。より具体的には、弾性変形部32cは、周壁32の背面側の領域から、周壁32の両側面側の領域に向けて延びる部分が、両側面側の領域おいて背面側からノズル40の側に向けて斜め上方に延びる形状とされている。
【0062】
他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2においては、ヘッド部30に上記構成の弾性変形部32cが設けられることで、頂壁部31が操作部として機能することになる。すなわち、図15に示す状態から、頂壁部31が下方に向けて押し下げられると、図16に示すように、弾性変形部32cが周壁32の内方に向けて弾性変形し、これによりヘッド部30の内部空間Sが減容して加圧される。このとき、頂壁部31は、弾性変形部32cの上側の部分が弾性変形部32cの弾性変形によって下方に向けて押し下げられ、弾性変形部32cが設けられない部分に対して折れ曲がった状態となる。
【0063】
内部空間Sが加圧されると、第2逆止弁60が閉じた状態に維持されつつ第1逆止弁50が開かれて、内部空間Sに収納されている内容物が流出口35から吐出孔41を通ってノズル40から外部に吐出される。このように、他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2においても、上記形状の弾性変形部32cが設けられることで、ヘッド部30をポンプとして機能させて内容物を吐出することができる。
【0064】
内容物が吐出された後、頂壁部31の押し下げが解除されると、頂壁部31及び弾性変形部32cは、当該頂壁部31ないし弾性変形部32cの弾性力によって元の形状にまで復元する。このとき、内部空間Sは負圧になるので、第1逆止弁50が閉じた状態に維持されつつ第2逆止弁60が開かれて、容器本体3の内部に収納されている内容物が吸引管20及び流入口10dを通して内部空間Sに充填される。
【0065】
以下、頂壁部31の下方に向けた押下げ操作とその解除を繰り返すことで、内容物を適宜ノズル40の吐出孔41から外部に吐出させることができる。
【0066】
このように、他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2においても、頂壁部31を押し下げ操作して弾性変形部32cを弾性変形させることで内容物を吐出することができるので、シリンダとピストンとを用いたポンプや金属製のスプリングを用いることなく、ヘッド部30をポンプとして機能させて内容物を吐出させることができる。したがって、他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2によれば、吐出具1ないし吐出容器2のリサイクル性を高めることができるとともに、例えば研磨剤などの固形物を含む内容物を吐出する用途にも用いることができる。
【0067】
また、他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2は、頂壁部31を押し下げ操作したときにノズル40が上下に移動しない構成であるので、ノズル40から狙った位置に内容物を吐出し易くすることができる。
【0068】
他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2では、図15に示すように、装着キャップ10の天壁部分10bには皿状部70が一体に連ねて設けられている。皿状部70は、中央が円形に開口した皿状に形成されており、その内周縁において天壁部分10bの上面に一体に連なっている。また、皿状部70は、その外周縁が内周縁よりも上方に位置するように傾斜しており、当該傾斜姿勢から内周縁を起点として外周縁が天壁部分10bに接近、離反するように上下方向に弾性変形自在となっている。皿状部70の外周縁は支持体部10fの下端に一体に連なっている。これにより、支持体部10fは、図15に示す自然状態の位置から、皿状部70の弾性変形によって下方に移動することができる。
【0069】
天壁部分10bと皿状部70との間には、筒状部33に外周を覆われて円環状の通気空間71が区画形成されている。また、天壁部分10bには、天壁部分10bを上下に貫通して通気空間71を容器本体3の内部に連通させる通気孔72が設けられている。さらに、筒状部33の内周面には連通溝73が設けられている。連通溝73は、天壁部分10bの外周縁に全周に亘って延びて設けられた環状の外周突起74を上下方向に跨ぐことができる程度の長さで上下方向に延びる溝状となっている。図15に示す自然状態においては、連通溝73は外周突起74に対して上方に位置している。一方、皿状部70が弾性変形して支持体部10fが図15に示す位置から装着キャップ10に接近する方向に移動すると、連通溝73は外周突起74を跨ぐように外周突起74に対向して通気空間71を筒状部33の外部に連通させる。連通溝73は、少なくとも1つ設けられていればよいが、周方向に間隔を空けて複数設けるようにしてもよい。
【0070】
筒状部33の下端面は周壁部分10aの上端面に対向しており、周壁部分10aの上端面には、皿状部70が弾性変形して支持体部10fが装着キャップ10に接近する方向に移動したときに筒状部33の下端面に当接して筒状部33と装着キャップ10との間に連通溝73と外部との連通路を確保するための複数の突起75が設けられている。
【0071】
図16に示すように、頂壁部31が下方に向けて押し下げられると、その押し下げ力により皿状部70が弾性変形し、筒状部33が下方に向けて移動して突起75に当接する。これにより、連通溝73が外周突起74に対向して通気孔72に連通する通気空間71が連通溝73及び隣り合う突起75の間の隙間を介して外部に連通するので、内容物が吐出された後、頂壁部31の押し下げが解除されて容器本体3の内部に収納されている内容物が吸引管20及び流入口10dを通して内部空間Sに充填される際に、容器本体3の内部に通気孔72から外気を導入して容器本体3の内部に負圧が生じることを抑制することができる。
【0072】
本実施形態では、図1に示すように、頂壁部31を、ノズル40からヘッド部30の背面に向けた径方向に垂直な断面において、上方に向けて凸となる湾曲形状とするのが好ましい。本実施形態では、当該断面において頂壁部31は円弧状の形状である。このような構成とすることで、頂壁部31が下方に向けて押し下げられて弾性変形部32cを弾性変形させて折れ曲がった状態となったときに、頂壁部31により大きな弾性復元力が生じるようにして、頂壁部31の押し下げを解除したときに頂壁部31及び弾性変形部32cをより迅速かつ確実に元の形状に復元させることができる。
【0073】
また、弾性変形部32cの両側部側における上方に延びた先端部分の形状は、半径が1.5mm以上の半円形状とするのが好ましく、半径が2.0mm以上の半円形状とするのがより好ましい。このような構成とすることで、頂壁部31が下方に向けて押し下げられて弾性変形部32cが弾性変形したときに、弾性変形部32cにより大きな弾性復元力が生じるようにして、頂壁部31の押し下げを解除したときに頂壁部31及び弾性変形部32cをより迅速かつ確実に元の形状に復元させることができる。
【0074】
なお、他の実施形態に係る吐出具1ないし吐出容器2においては、弾性変形部32cは、周壁32の他の領域を形成する材料よりも軟質の軟質材料で形成されたものを、2色成形や2次成形などのインサート成形によって周壁32と一体化することで、周壁32の他の領域よりも軟質に形成されて周壁32の他の領域よりも容易に弾性変形することができる構成とすることもできる。
【0075】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0076】
例えば、前記実施形態においては、ヘッド部30の周壁32を円筒状のものとしているが、これに限らず、楕円筒状や角筒状であってもよい。
【0077】
また、前記実施形態においては、弾性変形部32cを蛇腹状としたが、頂壁部31が押し下げられたときに弾性変形してヘッド部30をポンプとして機能させることができれば、その形状ないし構成は種々変更可能である。
【0078】
さらに、前記実施形態においては、ヘッド部30に一対の凸部43を設けるようにしているが、少なくとも1つの凸部43が設けられていればよい。
【0079】
さらに、凸部43は、弁押さえ37に限らず、ヘッド部30やヘッド部30に取り付けられる他の部材などの他の部分に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 吐出具
2 吐出容器
3 容器本体
3a 口部
3b 胴部
3c 雄ねじ
10 装着キャップ
10a 周壁部分
10b 天壁部分
10c 雌ねじ
10d 流入口
10e チューブホルダ
10f 支持体部
20 吸引管
30 ヘッド部
31 頂壁部
32 周壁
32a 上側部分
32b 下側部分
32c 弾性変形部
33 筒状部
34 フランジ状部分
35 流出口
36 取付け部
36a 環状溝
37 弁押さえ
37a 貫通孔
40 ノズル
41 吐出孔
41a 流入側開口端
41b 流出側開口端
42 回動体
42a 円筒状部分
42b 環状突起
42c ノズル本体
42d 凹み部
42e 傾斜壁
42f 内面
43 凸部
44 摘まみ部
50 第1逆止弁
51 保持部
52 弁体
53 脚部
60 第2逆止弁
61 保持部
62 弁体
63 脚部
70 皿状部
71 通気空間
72 通気孔
73 連通溝
74 外周突起
75 突起
O 軸線
S 内部空間
RA 回動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16