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特開2024-179879ラミネートシステム、ラミネート方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179879
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ラミネートシステム、ラミネート方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/66 20060101AFI20241219BHJP
   G03G 15/22 20060101ALI20241219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241219BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241219BHJP
   B65H 29/54 20060101ALI20241219BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20241219BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241219BHJP
   B26D 1/56 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65H29/66
G03G15/22 103C
G03G15/22 103Z
B41J29/38 206
B41J29/00 H
B65H29/54
B65H37/04 A
G03G15/00 460
B26D1/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099166
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺井 雄亮
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H078
3F053
3F108
【Fターム(参考)】
2C061AP04
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CK02
2C061HH05
2C061HJ03
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2H072AA22
2H072AB10
2H072AB11
2H072DA07
2H072EA14
2H072GA00
2H072HA08
2H078AA25
2H078BB01
2H078DD47
2H078DD57
3F053AA17
3F053AA31
3F053AA33
3F053GA03
3F053GB02
3F053GB11
3F053LA01
3F053LB01
3F053LB08
3F108GA01
3F108GB01
3F108GB06
3F108HA03
3F108HA12
(57)【要約】
【課題】画像形成に起因してシート間隔が開く場合に、ラミネート処理における生産性の低下を防ぐ。
【解決手段】ラミネートシステム1は、接着層を有するフィルムFで用紙(第1の種類のシート)をラミネートするラミネート部23と、連続して搬送される用紙同士の先端及び後端を重ね合わせてラミネート部23に搬送する重ね合わせ部22と、用紙と異なる挿入用紙(第2の種類のシート)を積載する積載部30と、を備える。ラミネートシステム1は、重ね合わせ部22に向けて搬送される用紙の間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が所定間隔より広い用紙の間に、積載部30から挿入用紙を挿入して重ね合わせ部22に供給する。重ね合わせ部22及びラミネート部23は、挿入された挿入用紙も処理対象とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着層を有するフィルムで第1の種類のシートをラミネートするラミネート部と、
連続して搬送される前記第1の種類のシート同士の先端及び後端を重ね合わせて前記ラミネート部に搬送する重ね合わせ部と、
前記第1の種類のシートと異なる第2の種類のシートを積載する積載部と、
前記重ね合わせ部に向けて搬送される前記第1の種類のシートの間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が前記所定間隔より広い前記第1の種類のシートの間に、前記積載部から前記第2の種類のシートを挿入して前記重ね合わせ部に供給する挿入制御部と、
を備え、
前記重ね合わせ部及び前記ラミネート部は、前記挿入された前記第2の種類のシートも処理対象とするラミネートシステム。
【請求項2】
前記第1の種類のシートに画像形成する画像形成部を備え、
前記ラミネート部は、前記画像形成された前記第1の種類のシートをラミネートする請求項1に記載のラミネートシステム。
【請求項3】
前記第1の種類のシートの搬送経路において前記積載部から前記第2の種類のシートが挿入される位置は、前記画像形成部と前記重ね合わせ部との間である請求項2に記載のラミネートシステム。
【請求項4】
前記フィルムがラミネートされた状態で連続して搬送されるシート間の前記フィルムを切断してシート同士を分離する分離部を備える請求項1又は2に記載のラミネートシステム。
【請求項5】
前記分離された各シートに対して、正常に画像形成されたシートであるか否かを判別し、正常に画像形成されていないシートを、正常に画像形成されたシートとは異なる排出部に排出させる排出制御部を備える請求項4に記載のラミネートシステム。
【請求項6】
前記第2の種類のシートは、正常に画像形成されたシートであり、
前記排出制御部は、前記第2の種類のシートが前記重ね合わせ部に供給された場合に、当該第2の種類のシートを、前記第1の種類のシートと同様、処理対象とする請求項5に記載のラミネートシステム。
【請求項7】
前記第2の種類のシートは、再生紙、画像形成中にパージされたシート、画像形成途中のシート、正常に画像形成されたシートの少なくとも一つを含む請求項1又は2に記載のラミネートシステム。
【請求項8】
前記積載部は、ユーザーにより前記第2の種類のシートをセット可能となっている請求項1又は2に記載のラミネートシステム。
【請求項9】
前記第1の種類のシートの搬送経路において前記画像形成部の上流に配置された収納部から供給されたシートを、前記第2の種類のシートとして前記積載部に蓄積する蓄積制御部を備える請求項2又は3に記載のラミネートシステム。
【請求項10】
前記蓄積制御部は、前記画像形成部より下流の搬送経路においてジャムが発生した場合に、画像形成済み又は画像形成途中の前記第1の種類のシートを、前記第2の種類のシートとして前記積載部に蓄積する請求項9に記載のラミネートシステム。
【請求項11】
接着層を有するフィルムで第1の種類のシートをラミネートするラミネート部と、連続して搬送される前記第1の種類のシート同士の先端及び後端を重ね合わせて前記ラミネート部に搬送する重ね合わせ部と、前記第1の種類のシートと異なる第2の種類のシートを積載する積載部と、を備えるラミネートシステムにおけるラミネート方法であって、
前記重ね合わせ部に向けて搬送される前記第1の種類のシートの間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が前記所定間隔より広い前記第1の種類のシートの間に、前記積載部から前記第2の種類のシートを挿入して前記重ね合わせ部に供給し、
前記挿入された前記第2の種類のシートも前記重ね合わせ部及び前記ラミネート部の処理対象とするラミネート方法。
【請求項12】
接着層を有するフィルムで第1の種類のシートをラミネートするラミネート部と、連続して搬送される前記第1の種類のシート同士の先端及び後端を重ね合わせて前記ラミネート部に搬送する重ね合わせ部と、前記第1の種類のシートと異なる第2の種類のシートを積載する積載部と、を備えるラミネートシステムのコンピューターに、
前記重ね合わせ部に向けて搬送される前記第1の種類のシートの間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が前記所定間隔より広い前記第1の種類のシートの間に、前記積載部から前記第2の種類のシートを挿入して前記重ね合わせ部に供給するステップと、
前記挿入された前記第2の種類のシートも前記重ね合わせ部及び前記ラミネート部の処理対象とするステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネートシステム、ラミネート方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物に対して透明樹脂フィルムを被覆するラミネート装置が利用されている。例えば、上流側から順次搬送される用紙等のシートに対し、接着層を有するフィルム(ラミネート部材)を重ね、連続的にラミネートする装置が知られている。
【0003】
また、画像形成装置に接続されるラミネート装置において、連続して搬送されるシート(枚葉紙)について、先行シートの後端と後続シートの先端とを重ね合わせる技術が提案されている(特許文献1参照)。このような構成により、フィルムに塗布されている接着剤が搬送系部材に直接接触することを防いでいる。
【0004】
先行シートの後端と後続シートの先端とを確実に重ねるためには、画像形成装置からシートが途切れることなく搬送されてくる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-73668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像形成装置において画像形成に遅延が発生した場合、ラミネート装置に送り込まれるシートの間隔が開いてしまうことがある。この場合、フィルムをシートに貼り合わせる部分(圧着部)にフィルムが滞留することによって、フィルムの接着面が直接搬送系部材に触れ、装置内が汚損する。
【0007】
これを防ぐためには、ラミネート装置における立下げ処理が必要となる。立下げ処理は、フィルムの供給を停止させるか、又は、フィルムの搬送速度を落とす処理である。また、立下げ処理の後、再度ラミネート装置を使用する場合には、画像形成装置からシートが送り込まれるタイミングで、立上げ処理が必要となる。立上げ処理は、フィルムの供給を再開するか、又は、フィルムの搬送速度を上げる処理である。
【0008】
このように、画像形成に起因してシート間隔が開く場合、ラミネート装置では、立下げ処理と立上げ処理を行う必要があり、ラミネート処理における生産性が低下するといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、画像形成に起因してシート間隔が開く場合に、ラミネート処理における生産性の低下を防ぐことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、接着層を有するフィルムで第1の種類のシートをラミネートするラミネート部と、連続して搬送される前記第1の種類のシート同士の先端及び後端を重ね合わせて前記ラミネート部に搬送する重ね合わせ部と、前記第1の種類のシートと異なる第2の種類のシートを積載する積載部と、前記重ね合わせ部に向けて搬送される前記第1の種類のシートの間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が前記所定間隔より広い前記第1の種類のシートの間に、前記積載部から前記第2の種類のシートを挿入して前記重ね合わせ部に供給する挿入制御部と、を備え、前記重ね合わせ部及び前記ラミネート部は、前記挿入された前記第2の種類のシートも処理対象とするラミネートシステムである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のラミネートシステムにおいて、前記第1の種類のシートに画像形成する画像形成部を備え、前記ラミネート部は、前記画像形成された前記第1の種類のシートをラミネートする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のラミネートシステムにおいて、前記第1の種類のシートの搬送経路において前記積載部から前記第2の種類のシートが挿入される位置は、前記画像形成部と前記重ね合わせ部との間である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のラミネートシステムにおいて、前記フィルムがラミネートされた状態で連続して搬送されるシート間の前記フィルムを切断してシート同士を分離する分離部を備える。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のラミネートシステムにおいて、前記分離された各シートに対して、正常に画像形成されたシートであるか否かを判別し、正常に画像形成されていないシートを、正常に画像形成されたシートとは異なる排出部に排出させる排出制御部を備える。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のラミネートシステムにおいて、前記第2の種類のシートは、正常に画像形成されたシートであり、前記排出制御部は、前記第2の種類のシートが前記重ね合わせ部に供給された場合に、当該第2の種類のシートを、前記第1の種類のシートと同様、処理対象とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載のラミネートシステムにおいて、前記第2の種類のシートは、再生紙、画像形成中にパージされたシート、画像形成途中のシート、正常に画像形成されたシートの少なくとも一つを含む。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1又は2に記載のラミネートシステムにおいて、前記積載部は、ユーザーにより前記第2の種類のシートをセット可能となっている。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項2又は3に記載のラミネートシステムにおいて、前記第1の種類のシートの搬送経路において前記画像形成部の上流に配置された収納部から供給されたシートを、前記第2の種類のシートとして前記積載部に蓄積する蓄積制御部を備える。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のラミネートシステムにおいて、前記蓄積制御部は、前記画像形成部より下流の搬送経路においてジャムが発生した場合に、画像形成済み又は画像形成途中の前記第1の種類のシートを、前記第2の種類のシートとして前記積載部に蓄積する。
【0020】
請求項11に記載の発明は、接着層を有するフィルムで第1の種類のシートをラミネートするラミネート部と、連続して搬送される前記第1の種類のシート同士の先端及び後端を重ね合わせて前記ラミネート部に搬送する重ね合わせ部と、前記第1の種類のシートと異なる第2の種類のシートを積載する積載部と、を備えるラミネートシステムにおけるラミネート方法であって、前記重ね合わせ部に向けて搬送される前記第1の種類のシートの間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が前記所定間隔より広い前記第1の種類のシートの間に、前記積載部から前記第2の種類のシートを挿入して前記重ね合わせ部に供給し、前記挿入された前記第2の種類のシートも前記重ね合わせ部及び前記ラミネート部の処理対象とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、接着層を有するフィルムで第1の種類のシートをラミネートするラミネート部と、連続して搬送される前記第1の種類のシート同士の先端及び後端を重ね合わせて前記ラミネート部に搬送する重ね合わせ部と、前記第1の種類のシートと異なる第2の種類のシートを積載する積載部と、を備えるラミネートシステムのコンピューターに、前記重ね合わせ部に向けて搬送される前記第1の種類のシートの間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が前記所定間隔より広い前記第1の種類のシートの間に、前記積載部から前記第2の種類のシートを挿入して前記重ね合わせ部に供給するステップと、前記挿入された前記第2の種類のシートも前記重ね合わせ部及び前記ラミネート部の処理対象とするステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成に起因してシート間隔が開く場合に、ラミネート処理における生産性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態におけるラミネートシステムの概略構成図である。
図2】ラミネートシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】重ね合わせ部における用紙を重ね合わせる処理を説明するための図である。
図4】分離部の概略構成を示す図である。
図5】画像形成装置において実行される用紙間隔調整処理を示すフローチャートである。
図6】ラミネート装置において実行される後処理を示すフローチャートである。
図7】画像形成装置において実行されるジャム発生時処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に係るラミネートシステム、ラミネート方法及びプログラムの実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0025】
〔ラミネートシステムの構成〕
図1は、本実施の形態におけるラミネートシステム1の概略構成図である。図2は、ラミネートシステム1の機能的構成を示すブロック図である。ラミネートシステム1は、画像形成装置10と、ラミネート装置20と、を備える。
【0026】
画像形成装置10は、シートとしての用紙に画像を形成する。画像形成装置10は、ラミネート装置20と接続されている。画像形成装置10は、複数の用紙を連続してラミネート装置20に受け渡す。
ラミネート装置20は、画像形成装置10から搬送された用紙にラミネート処理を行う。
【0027】
図2に示すように、画像形成装置10は、制御部11、原稿読取部12、画像形成部13、記憶部14、操作パネル15、搬送部16、給紙部17、通信部18、IF(InterFace)部19等を備える。操作パネル15は、表示部151、操作部152を含む。また、画像形成装置10は、積載部30、ジャム検知センサー40を備える。
【0028】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、操作部152から入力される操作信号、通信部18又はIF部19により受信される指示信号に応じて、記憶部14に記憶されている各種プログラムを読み出す。CPUは、読み出した各種プログラムをRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置10の動作を統括的に制御する。
【0029】
原稿読取部12は、原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を読み取って得られた画像データを制御部11に出力する。
【0030】
画像形成部13は、電子写真方式により、給紙部17から供給された用紙(第1の種類のシート)に対して画像を形成する。画像形成部13は、原稿読取部12により読み取られた画像データ、又は、外部装置から受信した画像データに基づいて、画像を形成する。
【0031】
画像形成部13は、図1に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色に対応する感光体ドラム131Y,131M,131C,131K、中間転写ベルト132、2次転写ローラー133、定着部134等を備える。
【0032】
感光体ドラム131Yは、一様に帯電された後、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光され、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム131Y上の静電潜像にイエロー色のトナーが付着され、現像が行われる。
感光体ドラム131M,131C,131Kについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム131Yと同様であるため、説明を省略する。
【0033】
感光体ドラム131Y,131M,131C,131K上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト132上に順次転写される(1次転写)。すなわち、中間転写ベルト132上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー画像が形成される。
中間転写ベルト132上のカラートナー画像は、2次転写ローラー133により、用紙上に一括して転写される(2次転写)。
定着部134は、カラートナー画像が転写された用紙を加熱及び加圧して、カラートナー画像を用紙に定着させる。
【0034】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成される不揮発性の記憶装置である。記憶部14は、各種プログラムや各種データ等を記憶する。
【0035】
操作パネル15は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部151と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部152と、を備える。
表示部151は、カラー液晶ディスプレイなどで構成される。表示部151は、制御部11から入力される表示制御信号に従って、各種画面を表示する。
操作部152は、表示部151の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部151の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備える。操作部152は、ユーザーの操作に基づく操作信号を制御部11に出力する。
【0036】
搬送部16は、複数のローラー対を有する。搬送部16は、給紙部17から供給された用紙を画像形成部13に搬送する。搬送部16は、画像形成部13により画像形成が行われた用紙をラミネート装置20に搬送する。搬送部16は、積載部30に積載されている第2の種類のシートとしての挿入用紙を搬送する。
【0037】
給紙部17は、給紙トレイT1,T2,T3を備える。給紙部17は、給紙トレイT1,T2,T3から画像形成部13に用紙(第1の種類のシート)を供給する。各給紙トレイT1,T2,T3には、給紙トレイT1,T2,T3ごとに、予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
【0038】
通信部18は、画像形成装置10を通信ネットワークに接続するインターフェースである。通信部18は、通信ネットワークに接続されている外部装置と各種データの送受信を行う。
【0039】
IF部19は、画像形成装置10とラミネート装置20との間で、データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0040】
積載部30は、給紙部17から供給される用紙(第1の種類のシート)と異なる第2の種類のシートとしての挿入用紙を積載する。積載部30は、外部から引き出し可能な用紙収納トレイを有する。ユーザーは、手動で積載部30に挿入用紙をセット可能となっている。具体的には、ユーザーは、用紙収納トレイを引き出し、用紙収納トレイに挿入用紙を収納する。その後、ユーザーは、用紙収納トレイを、引き出される前の位置に戻す。
【0041】
挿入用紙は、再生紙、画像形成中にパージされた用紙、画像形成途中の用紙、正常に画像形成された用紙の少なくとも一つを含む。
再生紙は、一度使用された紙を再利用して作られた紙である。
画像形成中にパージされた用紙は、用紙に対する画像形成中に処理が中断され、通常の用紙搬送経路から外された用紙である。
画像形成途中の用紙は、用紙に対する画像形成の途中で画像形成が中断された用紙である。
正常に画像形成された用紙は、画像形成された結果に異常がない用紙である。異常がないことには、例えば、形成された画像に異常がないこと、傷や汚れがないこと等が含まれる。
【0042】
ジャム検知センサー40は、ラミネートシステム1内の用紙搬送経路上の複数の位置に設けられている。ジャム検知センサー40は、用紙搬送経路上を搬送される用紙のジャム(紙詰まり)を検知し、検知結果を制御部11に出力する。ジャム検知センサー40として、例えば、フォトセンサー等を用いる。ジャム検知センサー40は、画像形成装置10内の用紙搬送経路上、及び、ラミネート装置20の用紙搬送経路上に設けられている。
【0043】
図2に示すように、ラミネート装置20は、制御部21、重ね合わせ部22、ラミネート部23、分離部24、記憶部25、搬送部26、画像読取部27、IF部28等を備える。
【0044】
制御部21は、CPU、RAM等を備える。CPUは、IF部28により画像形成装置10から受信される指示信号に応じて、記憶部25に記憶されている各種プログラムを読み出す。CPUは、読み出した各種プログラムをRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、ラミネート装置20の動作を統括的に制御する。
【0045】
重ね合わせ部22は、用紙搬送経路においてラミネート部23の上流に設けられている。
重ね合わせ部22は、画像形成装置10から連続して搬送される用紙(枚葉紙)同士の先端及び後端を重ね合わせる。具体的には、重ね合わせ部22は、先行する用紙の後端を後続する用紙の先端の上部に所定量分、重畳させて、帯状に連続する用紙を搬送する。
重ね合わせ部22は、用紙同士の先端及び後端を重ね合わせた状態で、複数の用紙をラミネート部23に搬送する。
【0046】
例えば、重ね合わせ部22は、図3に示すように、用紙搬送方向Yに沿って搬送される用紙P1の後端が用紙P2の先端の上部にわずかに(所定量分)重なるように、用紙P1,P2を搬送する。同様に、重ね合わせ部22は、用紙P2の後端が用紙P3の先端の上部にわずかに重なるように、用紙P2,P3を搬送する。重ね合わせ部22は、各用紙P1~P3をラミネート部23に向けて搬送する。
【0047】
重ね合わせ部22は、給紙部17から供給され、画像形成部13により画像形成された用紙(第1の種類のシート)と、積載部30から挿入された用紙(第2の種類のシート)の両方を、重ね合わせの処理対象とする。つまり、挿入用紙が挿入された場合、重ね合わせ部22は、挿入用紙の直前(下流)を搬送される用紙の後端と、挿入用紙の先端とを重ね合わせる。また、重ね合わせ部22は、挿入用紙の後端と、挿入用紙の直後(上流)を搬送される用紙の先端とを重ね合わせる。
【0048】
ラミネート部23は、搬送される複数の用紙に、接着層を有するフィルムF(ラミネートフィルム)を重ねる。ラミネート部23は、フィルムFで各用紙をラミネートする。ラミネート部23は、重ね合わせ部22により重ね合わされた用紙の表面に、連続的にフィルムFを貼り付ける。
【0049】
ラミネート部23は、フィルムロール231、貼り合わせ部232、ラミネート定着部233等を備えて構成されている。
【0050】
フィルムロール231は、フィルムFがロール状に巻かれたものである。フィルムFは、透明樹脂フィルム層と接着層から構成される。フィルムFの片面には、熱溶融する接着剤が塗布され、接着層が形成されている。
フィルムFは、フィルムロール231から貼り合わせ部232のニップ部に搬送される。
【0051】
貼り合わせ部232は、ローラー対を備える。貼り合わせ部232は、ローラー対が形成するニップ部において用紙とフィルムFを挟持することで、フィルムFの接着層を用紙の表面に接着する。これにより、用紙とフィルムFとが貼り合わされる。重ね合わせ部22により用紙同士の先端及び後端を重ねることで、貼り合わせ部232以降の経路において、フィルムFに塗布されている接着剤が用紙以外に接触することを防いでいる。
【0052】
ラミネート定着部233は、貼り合わせ部232により貼り合わされた用紙とフィルムFに加熱・加圧を施すことで、フィルムFを用紙に定着させる。ラミネート定着部233は、フィルムFの接着層を融解させ、融解した接着層を用紙の表面に接着して、熱圧着する。
【0053】
ラミネート部23は、給紙部17から供給され、画像形成部13により画像形成された用紙(第1の種類のシート)と、積載部30から挿入された用紙(第2の種類のシート)の両方を、ラミネートの処理対象とする。
【0054】
分離部24は、用紙搬送経路においてラミネート部23の下流に設けられている。分離部24は、フィルムFがラミネートされた状態で連続して搬送される用紙間のフィルムFを切断して用紙同士を分離する。
【0055】
図4に、分離部24の概略構成を示す。図4に示すように、用紙搬送方向Yにおいて、先行用紙P11の後端が後続用紙P12の先端に重ね合わされた状態で、先行用紙P11及び後続用紙P12が搬送されている。
【0056】
分離部24は、ガイド部材241と、カッター242と、移動機構(図示せず)と、を備える。ガイド部材241は、用紙搬送方向Yと直交する幅方向Xに延在する部材である。移動機構は、ガイド部材241に沿ってカッター242を移動させる。実際は、ガイド部材241は、用紙の幅方向Xと所定の角度θをなす方向Aに沿って設けられている。
【0057】
分離部24は、先行用紙P11と後続用紙P12との間にカッター242を差し込む。分離部24は、カッター242を用紙の幅方向X(実際は方向A)に移動させ、先行用紙P11の後端のエッジに沿ってフィルムFを切断する。つまり、分離部24は、フィルムFに接着することで繋がっている各用紙に対し、用紙間のフィルムFを切断することで、枚葉紙に戻す。
【0058】
記憶部25は、HDD、SSD等により構成される不揮発性の記憶装置である。記憶部25は、各種プログラムや各種データ等を記憶する。
【0059】
搬送部26は、複数のローラー対を有する。搬送部26は、ラミネート装置20内において、画像形成装置10から搬送された用紙を搬送する。
【0060】
画像読取部27は、搬送される用紙の画像面を読み取り、読取画像データを生成する。
【0061】
IF部28は、ラミネート装置20と画像形成装置10との間で、データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0062】
図1に示すように、ラミネート装置20は、排出部としての排出トレイT11,T12を備える。排出トレイT11,T12には、ラミネート装置20を通過した用紙が排出される。
【0063】
画像形成装置10の制御部11は、重ね合わせ部22に向けて搬送される画像形成済み用紙(第1の種類のシート)の間隔が所定間隔より広いか否かを判断する。画像形成済み用紙の間隔が所定間隔より広い場合に、制御部11は、当該間隔が所定間隔より広い画像形成済み用紙の間に、積載部30から挿入用紙(第2の種類のシート)を挿入する。制御部11は、画像形成済み用紙の間に挿入用紙が挿入された状態で、これらの用紙を重ね合わせ部22に供給する。すなわち、制御部11は、挿入制御部として機能する。
【0064】
図1に示すように、画像形成済み用紙(第1の種類のシート)の用紙搬送経路R1において、積載部30から挿入用紙が挿入される位置(合流位置Q1)は、画像形成部13と重ね合わせ部22との間である。挿入用紙は、積載部30から用紙搬送経路R2を搬送され、合流位置Q1で、画像形成済み用紙の用紙搬送経路R1に合流する。
【0065】
制御部11は、画像形成装置10における画像形成に係る各種処理のタイミングに基づいて、連続して搬送される画像形成済み用紙同士の間隔が所定間隔より広くなるか否かを判断する。
例えば、制御部11は、給紙部17において、使用する給紙トレイT1,T2,T3を、或る給紙トレイから別の給紙トレイに切り替える。この場合、制御部11は、切り替える直前の給紙トレイから送り出される用紙と、切り替えた直後の給紙トレイから送り出される用紙との間隔が、通常の用紙間隔より広くなると判断する。
【0066】
画像形成済み用紙同士の間隔が広くなる他の処理として、トナー強制排出処理、トナー濃度の調整処理等が挙げられる。
【0067】
トナー強制排出処理は、画像形成部13の各色の現像装置内のトナーを排出してトナーの劣化を防止する処理である。制御部11は、中間転写ベルト132上に所定のパッチ画像を形成させることで、現像装置内のトナーを強制的に排出させる。トナー強制排出処理は、例えば、印字率が低い画像の形成が連続した場合等に実行される。
【0068】
トナー濃度の調整処理は、画像濃度の安定化を図る処理である。トナー濃度の調整処理では、まず、制御部11は、画像形成部13の各色の現像条件を変えて、中間転写ベルト132上に、トナー濃度が異なる複数のパッチを形成させる。制御部11は、中間転写ベルト132上の各パッチに対する濃度センサー(図示せず)による検知結果を取得する。制御部11は、取得した検知結果に応じて、各色の現像条件にフィードバックすることにより、安定したトナー濃度が得られるよう制御する。トナー濃度の調整処理は、例えば、所定の間隔(用紙枚数、時間等)で実行される。
【0069】
挿入用紙が挿入された場合に、重ね合わせ部22は、挿入された挿入用紙とその前後に搬送される用紙の先端及び後端を重ね合わせてラミネート部23に搬送する。
挿入用紙が挿入された場合に、ラミネート部23は、挿入された挿入用紙もラミネートする。
【0070】
ラミネート装置20の制御部21は、分離部24により分離された各用紙に対して、正常に画像形成された用紙であるか否かを判別する。制御部21は、正常に画像形成されていない用紙(不良紙)を、正常に画像形成された用紙(正常紙)とは異なる排出トレイ(排出部)に排出させる。すなわち、制御部21は、排出制御部として機能する。例えば、制御部21は、搬送部26を制御して、正常紙を排出トレイT11に排出させる。また、制御部21は、搬送部26を制御して、不良紙を排出トレイT12に排出させる。
【0071】
積載部30に、挿入用紙として、正常に画像形成された用紙が積載され得る。この挿入用紙が重ね合わせ部22に供給された場合に、制御部21は、当該挿入用紙を、給紙部17から供給された用紙(第1の種類のシート)と同様、正常に画像形成された用紙であるか否かの判別、及び、排出トレイ(排出部)の切り替えの処理対象とする。
【0072】
まず、給紙部17から供給された用紙(第1の種類のシート)を、正常/異常の判別対象とする場合について説明する。
制御部21は、画像形成部13が画像形成した際に用いた画像データを、IF部28を介して画像形成装置10から取得する。
制御部21は、画像読取部27が画像形成済み用紙を読み取ることで得られた読取画像データと、画像形成部13がこの用紙に対して画像形成した際に用いた画像データと、を比較する。制御部21は、両画像データを比較し、両画像データの一致度が所定値以上の場合に、判別対象の用紙が正常紙であると判別する。制御部21は、両画像データの一致度が所定値未満の場合に、判別対象の用紙が不良紙であると判別する。制御部21は、読取画像データから傷又は汚れを検出した場合に、判別対象の用紙が不良紙であると判別する。
【0073】
次に、積載部30から挿入された挿入用紙(第2の種類のシート)を、正常/異常の判別対象とする場合について説明する。
画像形成装置10の記憶部14に、積載部30に積載されている各挿入用紙の区分情報が記憶されている。区分情報は、各挿入用紙がどのような用紙であるかを示す情報である。区分情報として、例えば、正常に画像形成された用紙、画像形成中にパージされた用紙、画像形成途中の用紙等が挙げられる。
画像形成装置10の制御部11は、積載部30から挿入用紙を搬送する際に、当該挿入用紙の区分情報と、当該挿入用紙を挿入するタイミングと、を対応付けて、IF部19を介してラミネート装置20に送信する。
【0074】
ラミネート装置20の制御部21は、IF部28を介して画像形成装置10から、搬送されてくる挿入用紙の区分情報と、挿入タイミングと、を取得する。制御部21は、挿入タイミングに基づいて、対象とされている挿入用紙を特定する。制御部21は、挿入用紙の区分情報に基づいて、特定した挿入用紙がどのような用紙であるかを判断する。制御部21は、挿入用紙の区分情報が「正常に画像形成された用紙」である場合に、挿入用紙が正常紙であると判別する。制御部21は、挿入用紙の区分情報が「画像形成中にパージされた用紙」である場合に、挿入用紙が不良紙であると判別する。制御部21は、挿入用紙の区分情報が「画像形成途中の用紙」である場合に、挿入用紙が不良紙であると判別する。
制御部21は、このようにして、分離部24により分離された各用紙のうち挿入用紙について、正常紙であるか否かを判別する。
【0075】
なお、積載部30に積載されている挿入用紙が「正常に画像形成された用紙」である場合に、画像形成装置10の記憶部14に、挿入用紙に画像形成した際に用いた画像データが記憶されていてもよい。この場合、画像形成装置10の制御部11は、この画像データを、挿入用紙を挿入するタイミングと対応付けて、IF部19を介してラミネート装置20に送信する。
ラミネート装置20の制御部21は、IF部28を介して画像形成装置10から、挿入用紙に画像形成した際に用いた画像データと、挿入タイミングと、を取得する。制御部21は、挿入タイミングに基づいて、対象とされている挿入用紙を特定する。制御部21は、画像読取部27が挿入用紙を読み取ることで得られた読取画像データと、挿入用紙に画像形成した際に用いた画像データと、を比較する。制御部21は、両画像データを比較し、両画像データの一致度が所定値以上の場合に、判別対象の挿入用紙が正常紙であると判別する。制御部21は、両画像データの一致度が所定値未満の場合に、判別対象の挿入用紙が不良紙であると判別する。制御部21は、読取画像データから傷又は汚れを検出した場合に、判別対象の挿入用紙が不良紙であると判別する。
【0076】
画像形成装置10の制御部11は、用紙搬送経路において画像形成部13の上流に配置された収納部としての給紙部17(給紙トレイT1~T3)から供給された用紙を、挿入用紙(第2の種類のシート)として積載部30に蓄積してもよい。すなわち、制御部11は、蓄積制御部として機能する。例えば、ユーザーによる操作部152からの所定の操作に応じて、制御部11は、搬送部16を制御して、給紙部17から積載部30に用紙を搬送させる。
この場合、給紙部17から供給された用紙は、画像形成部13を通過した後、用紙搬送経路R3を経由して積載部30に搬送される。ここで、積載部30に搬送される用紙は、画像形成部13により画像形成されない。
【0077】
制御部11は、ジャム検知センサー40の検知結果に基づいて、ラミネートシステム1内のジャムを検知する。制御部11は、画像形成部13より下流の用紙搬送経路においてジャムが発生した場合に、画像形成済み又は画像形成途中の用紙(第1の種類のシート)を、挿入用紙(第2の種類のシート)として積載部30に蓄積する。
この場合、画像形成済みの用紙、画像形成途中の用紙は、用紙搬送経路R3を経由して積載部30に搬送される。
ラミネートシステム1内の「画像形成部13より下流」には、重ね合わせ部22、ラミネート部23、分離部24等が含まれる。
【0078】
〔ラミネートシステムの動作〕
次に、ラミネートシステム1の動作について説明する。
図5は、画像形成装置10において実行される用紙間隔調整処理を示すフローチャートである。用紙間隔調整処理は、制御部11のCPUと、記憶部14に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0079】
まず、画像形成装置10の制御部11は、ジョブを開始する(ステップS1)。ジョブのデータは、通信部18を介して外部装置から受信したものでもよいし、操作部152からの操作指示に基づいて生成されたものでもよい。ジョブには、ラミネート処理が含まれている。
【0080】
次に、制御部11は、ジョブのデータに基づいて、画像形成部13に画像形成を行わせる(ステップS2)。具体的には、制御部11は、搬送部16を制御して、給紙部17から供給された用紙を画像形成部13に搬送させる。制御部11は、画像形成部13を制御して、用紙(第1の種類のシート)に画像形成を行わせる。
【0081】
次に、制御部21は、画像形成部13により画像形成された先行用紙と後続用紙との間隔(用紙間隔)が所定間隔より広いか否かを判断する(ステップS3)。例えば、制御部11は、画像形成に係る各種処理のタイミングに基づいて、連続して搬送される画像形成済み用紙同士の間隔が所定間隔より広くなるか否かを判断する。
【0082】
画像形成された先行用紙と後続用紙との間隔が所定間隔より広い場合には(ステップS3;YES)、処理はステップS4に進む。ステップS4では、制御部21は、間隔が所定間隔より広い用紙間に、積載部30から挿入用紙(第2の種類のシート)を挿入する。
なお、制御部21は、画像形成された先行用紙と後続用紙との間隔に応じて、用紙間に、複数の挿入用紙を連続して挿入してもよい。
【0083】
次に、制御部11は、画像形成済み用紙の間に挿入用紙が挿入された状態で、これらの用紙を重ね合わせ部22(ラミネート装置20)に供給する(ステップS5)。つまり、制御部11は、画像形成済み用紙、挿入用紙、画像形成済み用紙の順に、用紙を重ね合わせ部22に供給する。
【0084】
ステップS3において、画像形成された先行用紙と後続用紙との間隔が所定間隔以下の場合には(ステップS3;NO)、制御部11は、画像形成された先行用紙と後続用紙とを重ね合わせ部22(ラミネート装置20)に供給する(ステップS6)。
【0085】
ステップS5又はステップS6の後、制御部11は、画像形成部13において、全用紙に対する画像形成が完了したか否かを判断する(ステップS7)。
【0086】
画像形成が完了していない用紙がある場合には(ステップS7;NO)、処理はステップS2に戻る。
ステップS7において、全用紙に対する画像形成が完了した場合には(ステップS7;YES)、用紙間隔調整処理が終了する。
【0087】
図5の用紙間隔調整処理では、説明を簡単にするため、画像形成、挿入用紙の挿入、重ね合わせ部22への供給等の処理を順に行うように説明した。しかし、実際は、連続して搬送される複数の用紙に対する処理であるため、各処理は併行して行われている。
【0088】
図6は、ラミネート装置20において実行される後処理を示すフローチャートである。後処理は、制御部21のCPUと、記憶部25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0089】
まず、ラミネート装置20の制御部21は、重ね合わせ部22が、連続して搬送される用紙同士の先端及び後端を重ね合わせるよう制御する。制御部21は、重ね合わせ部22を制御して、用紙の先端及び後端が重ね合わされた状態で、用紙をラミネート部23に搬送させる(ステップS11)。重ね合わせ部22は、画像形成装置10から搬送されてくる用紙を処理対象とする。画像形成装置10から搬送されてくる用紙には、給紙部17から供給された用紙(第1の種類のシート)、及び、積載部30から挿入された挿入用紙(第2の種類のシート)が含まれる。
【0090】
次に、制御部21は、ラミネート部23を制御して、搬送される用紙にフィルムFを重ねてラミネート処理を行わせる(ステップS12)。ラミネート部23は、重ね合わせ部22から搬送されてくる用紙を処理対象とする。重ね合わせ部22から搬送されてくる用紙には、給紙部17から供給された用紙(第1の種類のシート)、及び、積載部30から挿入された挿入用紙(第2の種類のシート)が含まれる。
【0091】
次に、制御部21は、分離部24を制御して、フィルムFがラミネートされた状態で連続して搬送される用紙間のフィルムFを切断させ、用紙同士を分離させる(ステップS13)。
【0092】
次に、制御部21は、画像読取部27を制御して、分離後の用紙を読み取らせる(ステップS14)。画像読取部27は、用紙を読み取り、読取画像データを生成する。
【0093】
制御部21は、分離後の用紙が、正常に画像形成された用紙であるか否かを判別する(ステップS15)。
例えば、制御部21は、ステップS14で得られた読取画像データと、画像形成した際に用いた画像データと、を比較する。制御部21は、両画像データを比較し、両画像データの一致度が所定値以上の場合に、判別対象の用紙が正常に画像形成された用紙であると判別する。判別対象の用紙は、画像形成済み用紙でもよいし、挿入用紙でもよい。
また、制御部21は、挿入用紙の区分情報に基づいて、挿入用紙が正常に画像形成された用紙であるか否かを判別してもよい。
【0094】
分離後の用紙が正常に画像形成された用紙である場合には(ステップS15;YES)、制御部21は、搬送部26を制御して、当該用紙を正常紙用の排出トレイに排出させる(ステップS16)。例えば、正常紙用の排出トレイとして、排出トレイT11を用いる。
【0095】
ステップS15において、分離後の用紙が正常に画像形成された用紙でない場合には(ステップS15;NO)、制御部21は、搬送部26を制御して、当該用紙を不良紙用の排出トレイに排出させる(ステップS17)。例えば、不良紙用の排出トレイとして、排出トレイT12を用いる。
ステップS16又はステップS17の後、後処理が終了する。
【0096】
図6の後処理では、説明を簡単にするため、用紙の重ね合わせ、ラミネート処理、用紙の分離、排出トレイの切り替え等の処理を順に行うように説明した。しかし、実際は、連続して搬送される複数の用紙に対する処理であるため、各処理は併行して行われている。
【0097】
図7は、画像形成装置10において実行されるジャム発生時処理を示すフローチャートである。ジャム発生時処理は、制御部11のCPUと、記憶部14に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0098】
まず、画像形成装置10の制御部11は、ジャム検知センサー40の検知結果に基づいて、画像形成部13より下流の用紙搬送経路においてジャムが発生したか否かを判断する(ステップS21)。
画像形成部13より下流の用紙搬送経路においてジャムが発生しない場合には(ステップS21;NO)、処理はステップS21に戻る。
【0099】
画像形成部13より下流の用紙搬送経路においてジャムが発生した場合に(ステップS21;YES)、制御部11は、搬送部16を制御して、画像形成済み用紙及び画像形成途中の用紙を、挿入用紙として積載部30に蓄積させる(ステップS22)。制御部11は、給紙部17から既に送り出されている用紙(第1の種類のシート)のうち、用紙搬送経路R3に行先を変更可能な全ての用紙を、積載部30に蓄積させる。
以上で、ジャム発生時処理が終了する。
【0100】
以上説明したように、本実施の形態によれば、画像形成装置10の制御部11は、重ね合わせ部22に向けて搬送される用紙(第1の種類のシート)の間隔が所定間隔より広いか否かを判断する。用紙の間隔が所定間隔より広い場合に、制御部11は、当該間隔が所定間隔より広い用紙の間に、積載部30から挿入用紙(第2の種類のシート)を挿入する。このため、ラミネート装置20において、立下げ処理及び立上げ処理が不要となり、ダウンタイムの発生を回避できる。したがって、制御部11は、画像形成に起因して用紙間隔(シート間隔)が開く場合に、ラミネート処理における生産性の低下を防ぐことができる。
【0101】
また、ラミネート部23は、画像形成部13により画像形成された用紙をラミネートできる。
【0102】
また、画像形成済み用紙(第1の種類のシート)の用紙搬送経路R1において、画像形成部13と重ね合わせ部22との間の位置(合流位置Q1)に、積載部30から挿入用紙が挿入される。このため、画像形成装置10の制御部11は、画像形成済み用紙の間に、挿入用紙を挿入できる。
【0103】
また、ラミネート装置20の分離部24は、用紙間のフィルムFを切断し、用紙同士を分離する。よって、分離部24は、フィルムFによって繋がっていた複数の用紙を、1枚ごとの用紙(枚葉紙)に戻すことができる。
【0104】
また、ラミネート装置20の制御部21は、正常に画像形成されていない用紙(不良紙)を、正常に画像形成された用紙(正常紙)とは異なる排出トレイに排出させる。これにより、制御部21は、後に使用する成果物と、それ以外とを分けることができる。
【0105】
また、制御部21は、積載部30から挿入される挿入用紙に対しても、正常に画像形成された用紙であるか否かの判別、及び、排出トレイ(排出部)の切り替えを行うことができる。
【0106】
また、ラミネートシステム1は、挿入用紙(第2の種類のシート)として、任意のシートを利用可能である。
例えば、挿入用紙は、単に、画像形成済み用紙の間に挿入できればよいため、挿入用紙として、再生紙を利用できる。
また、ラミネートシステム1は、挿入用紙として、画像形成中にパージされた用紙又は画像形成途中の用紙を用いることで、処分される用紙を有効に活用できる。
また、ラミネートシステム1は、挿入用紙として、正常に画像形成された用紙を用いることで、挿入用紙についても、ラミネートされた最終的な成果物として、出力できる。
【0107】
仮に、積載部30内に挿入用紙が蓄積されていない場合、ラミネートシステム1を使用する際に、給紙部17から用紙を搬送して補充する必要がある。
本実施の形態では、ユーザーが、積載部30に挿入用紙を手動でセット可能となっている。このため、ユーザーは、ラミネートシステム1を使用する前に、事前に挿入用紙を準備できる。したがって、ラミネートシステム1において、画像形成及びラミネートを開始する際の待ち時間が不要となる。
【0108】
また、画像形成装置10の制御部11は、給紙部17(収納部)から供給された用紙を、挿入用紙(第2の種類のシート)として積載部30に蓄積することで、容易に挿入用紙を準備できる。
【0109】
また、制御部11は、画像形成部13より下流の用紙搬送経路においてジャムが発生した場合に、画像形成済み又は画像形成途中の用紙(第1の種類のシート)を、挿入用紙(第2の種類のシート)として積載部30に蓄積する。これにより、ラミネートシステム1は、処分される用紙を有効に活用できる。
【0110】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るラミネートシステム、ラミネート方法及びプログラムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0111】
上記実施の形態では、ラミネートシステム1内で、画像形成装置10を制御する制御部11と、ラミネート装置20を制御する制御部21と、が別々に設けられている構成とした。これに代えて、ラミネートシステム1全体を制御する制御部が、重ね合わせ部22に向けて搬送される用紙の間隔が所定間隔より広い場合に、当該間隔が所定間隔より広い用紙の間に、積載部30から挿入用紙を挿入してもよい。
【0112】
上記実施の形態では、画像形成装置10内に積載部30が含まれる場合について説明した。積載部30は、画像形成部13と重ね合わせ部22との間の用紙搬送経路に挿入用紙を挿入できれば、ラミネートシステム1内のどこに設けられていてもよい。
【0113】
上記実施の形態では、画像形成装置10の制御部11が、ジャム検知センサー40の検知結果に基づいて、ラミネートシステム1内のジャムの発生及び発生位置を判断することとした。ジャムの発生及び発生位置を判断する制御部は、ラミネートシステム1内のどこに設けられていてもよい。
【0114】
上記実施の形態では、ラミネート装置20内に画像読取部27が含まれる場合について説明した。画像読取部27は、分離部24により分離された後の用紙を読み取ることができれば、ラミネートシステム1内のどこに設けられていてもよい。
【0115】
上記実施の形態では、給紙部17から供給され、画像形成部13により画像形成された用紙を第1の種類のシートとしたが、第1の種類のシートは、画像形成されていない用紙でもよい。
【0116】
また、挿入用紙を積載する積載部30が、ポストインサーターを兼ねていてもよい。
【0117】
各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体は、上記の例に限定されない。プログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用してもよい。また、通信回線を介してプログラムのデータを提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用してもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 ラミネートシステム
10 画像形成装置
11 制御部
13 画像形成部
14 記憶部
16 搬送部
17 給紙部
18 通信部
19 IF部
20 ラミネート装置
21 制御部
22 重ね合わせ部
23 ラミネート部
24 分離部
25 記憶部
26 搬送部
27 画像読取部
28 IF部
30 積載部
40 ジャム検知センサー
231 フィルムロール
232 貼り合わせ部
233 ラミネート定着部
F フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7