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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179887
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241219BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G15/01 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099180
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡 拓也
(72)【発明者】
【氏名】北 洋
(72)【発明者】
【氏名】谷口 仁
【テーマコード(参考)】
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270LA18
2H270LA60
2H270LA81
2H270LD03
2H270LD14
2H270MA07
2H270MB09
2H270MB14
2H270MB17
2H270MB27
2H270MB55
2H270NB02
2H270NB06
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H300EA05
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC05
2H300EG02
2H300EH15
2H300EJ47
2H300GG14
2H300GG37
2H300RR31
2H300RR37
2H300RR43
2H300RR50
2H300SS14
2H300TT03
2H300TT04
2H300TT06
(57)【要約】
【課題】寿命が異なる複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置において、画像濃度制御を適切なタイミングで実行するための技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、静電潜像から現像剤像を形成する現像剤担持体をそれぞれが有する複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置であって、カートリッジにはそれぞれ寿命が設定され、複数のカートリッジの現像剤像が転写される中間転写体と、中間転写体上の現像剤像からの反射光に関する情報を出力する検知手段と、制御部を備え、制御部は、画像データ値と反射光に関する情報に基づいて画像濃度制御を行い、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジが同時に装着されている場合は画像濃度制御の頻度を高くする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像剤担持体と、
前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と、前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第2のカートリッジのみが装着されている場合よりも、前記画像濃度制御を行う頻度を高くする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度が設定されており、
前記第2のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度が設定されており、
前記第1の頻度の方が前記第2の頻度よりも周期が短い場合、前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1の頻度において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像濃度制御を行う頻度は、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記現像剤像を形成するときの階調特性の、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数の増加に応じた変化が所定の許容範囲を超える場合に、前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
前記第1の頻度は前記第1のカートリッジの前記第1の寿命に基づいて決定され、前記第2の頻度は前記第2のカートリッジの前記第2の寿命に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像とする現像剤担持体と、前記現像剤を収容する
収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記収容室に収容された現像剤の量が異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の層構造が異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記像担持体の表層の材料、表層の膜厚、表層の光劣化しやすさ、の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記現像剤担持体の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記カートリッジの寿命は、印字枚数である
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記カートリッジの寿命は、前記カートリッジを使用した時間に基づく単位で表されることを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記カートリッジには、前記画像濃度制御を行う頻度の決定に関連する情報を保存するメモリが設けられている
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記反射光の強度情報に基づいて前記現像剤像の画像濃度を取得し、前記画像データの値と前記画像濃度に基づいて、前記現像剤像を形成するときの階調特性を取得し、前記階調特性が目標階調特性となるように前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項1または6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザビームプリンタ等の画像形成装置として、中間転写体の回転方向に像担持体としての感光ドラムを複数並べた構成を有するインラインカラー方式の画像形成装置が知られている。かかる画像形成装置において一般に、像担持体、現像手段やトナー収容部を一体化してプロセスカートリッジとして、画像形成装置本体に対して着脱可能とする、プロセスカートリッジ方式が採用されている。さらにこのような画像形成装置には、複数の寿命設定のプロセスカートリッジが用意されている場合がある。ユーザは、価格等を基準として、それぞれの寿命設定のプロセスカートリッジから任意のものを選択して購入し、画像形成装置に装着する。さらにその際、色によって異なる寿命のプロセスカートリッジを装着することも可能な場合もある。
【0003】
このような画像形成装置において、プロセスカートリッジの使用の程度に応じて画像濃度制御(キャリブレーション)を実施することで、色味調整を実施することが可能である。特許文献1(特開2003-270901号公報)は、カラー印刷可能なプロセスカートリッジ方式の画像形成装置において、濃度検知の結果に基づいて画像濃度制御を行うことで、プリント枚数の増加に伴う画像濃度変化を抑制することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-270901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来例の構成において、寿命設定が異なるプロセスカートリッジが同一画像形成装置内に装着されている場合に、カートリッジ間で色味が合わなくなることがあった。これは、プロセスカートリッジの画像濃度制御のタイミングは寿命設定に応じて異なるために、異なる寿命のプロセスカートリッジが同時に装着されていると、画像濃度制御のタイミングがずれてしまうことが原因であった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、寿命が異なる複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置において、画像濃度制御を適切なタイミングで実行するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像剤担持体と、
前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と、前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第2のカートリッジのみが装着されている場合よりも、前記画像濃度制御を行う頻度を高くする
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像とする現像剤担持体と、前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、寿命が異なる複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置において、画像濃度制御を適切なタイミングで実行するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1における画像形成装置の概略構成断面図
図2】実施例1における現像装置及びプロセスカートリッジの概略構成断面図
図3】実施例1における画像形成装置の制御ブロックを示す図
図4】濃度センサの構成図
図5】濃度センサ特性の説明図
図6】濃度センサ出力の正規化補正説明図
図7】画像濃度制御方法のフローチャート
図8】中間転写ベルト上のパッチパターン説明図
図9】画像階調制御の説明図
図10】曲線γ推移の説明図
図11】画像濃度制御の一例を示すタイミングチャート
図12】画像濃度制御の別の例を示すタイミングチャート
図13】実施例2の画像濃度制御の例を示すタイミングチャート
図14】実施例3の画像濃度制御の例を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り、後の説明においても初めの説明と同様のものである。特に図示あるいは記述をしない構成や工程には、当該技術分野の周知技術または公知技術を適用することが可能である。また、重複する説明は省略する場合がある。
【0012】
[実施例1]
まず、図1の概略断面図を参照して、電子写真方式の画像形成装置100の全体構成について説明する。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、かつ中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材12(例えば記録用紙)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体110に通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ(PC120)や、画像形成装置本体110に接続された画像読み取り装置等のホスト機器から、画像形成装置本体110に入力される。
【0013】
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1~第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、中間転写ベルト31に沿って一列に配置されている。なお、画像形成部Sは、1次転写ローラ32とプロセスカートリッジ7と含むものとする。
【0014】
なお、本実施例では、第1~第4の画像形成部の構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
【0015】
本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、中間転写ベルト31に沿って配置された4個の感光ドラム1を有する。図2は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)におけるプロセスカートリッジ7の概略断面図である。4つの感光ドラム1は同様の構成を有する。また図3は、画像形成装置100の制御ブロックを示すブロック図である。
【0016】
感光ドラム1は、矢印A方向(図では時計周り方向)に、駆動手段としての駆動源140により回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2(帯電部材)が配置されている。また、感光ドラム1の周囲には、現像ローラ17、クリーニングブレード6が配置されている。現像ローラ17は静電潜像をトナー像として現像する現像手段であり、現像装置としての現像ユニット4を構成する。クリーニングブレード6は、転写後の感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段である。クリーニングブレード6は、感光ドラム1の表面に当接しており、この当接している部分を接触部とする。プロセスカートリッジ7については後ほど更に詳しく説明する。記録材12は、記録材保持部44に積載されており、ピックアップローラによって搬送路Rを搬送され、2次転写ローラ33と2次転写対向ローラ38の間に到達する。
【0017】
本実施例では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ロ
ーラ2、現像ユニット4及びクリーニングブレード6とは、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置100に着脱可能となっている。本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7は、主要な構成要素において同一形状を有している。各色用のプロセスカートリッジ7は、それぞれの内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブランク(K)の各色のトナーが収容されている点において異なっている。
【0018】
[プロセスカートリッジ]
引き続き、本実施例の画像形成装置100に装着可能なプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。なお、本実施例では、収容している現像剤の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の基本的な構成及び動作は同一である。プロセスカートリッジ7は、感光ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを有する。
【0019】
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、図示しない軸受を介して感光ドラム1が回転可能に取り付けられている。駆動源140としての駆動モータの駆動力が、感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて感光ドラム1が矢印A方向(時計周り方向)に回転駆動される。本実施例では、画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1として、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光体を用いている。
【0020】
また、感光体ユニット13には、感光ドラム1の周面上に接触するように、クリーニングブレード6と帯電ローラ2が配置されている。クリーニングブレード6によって感光ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、重力により落下し、クリーニング枠体14内に収容される。
【0021】
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光ドラム1に加圧接触することで従動回転する。ここで帯電ローラ2の芯金には、帯電工程において、帯電電源142dから所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面に一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット30からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)となる静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
【0022】
一方、現像ユニット4は、現像ローラ17(現像剤担持体)、現像ブレード19、トナー供給ローラ18(供給手段)、トナー15、及び、トナー15の収容室であるトナー収容室16を含む。本実施例のトナー15は、正規の極性として負極性に帯電し、粒径が7μmである非磁性一成分球形トナーを用いた。またトナー15の表面には、トナー外添剤(外添粒子)として粒径20nmのシリカ粒子が添加されている。
【0023】
現像ブレード19は、現像ローラ17にカウンタで当接しており、トナー供給ローラ18によって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。現像ブレード19は薄い板状部材からなり、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成し、その表面がトナー15及び現像ローラ17に接触当接される。トナー15は、現像ブレード19と現像ローラ17との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。また、本実施例においては、現像ブレード19にブレードバイアス電源から所定電圧を印加し、トナーコートの安定化を図っている。
【0024】
現像ローラ17と感光ドラム1とは、対向部N1(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する(感光ドラム1は矢印A、現像ローラ17は矢印G)。本実施例においては、現像電源142fから現像ローラ17に印加された所定の直流電圧に対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナー15が、感光ドラム1に接触する対向部N1において、その電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。
【0025】
トナー供給ローラ18は、現像ローラ17の周面上に所定のニップ部N2を形成して配設されている。トナー供給ローラ18は、矢印E方向(図では反時計周り方向)に回転する。本実施例のトナー供給ローラ18は、導電性芯金の外周に発泡体を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ18と現像ローラ17は所定の侵入量を持って接触しており、ニップ部N2において互いに逆方向に移動するよう回転している。この回転動作により、トナー供給ローラ18による現像ローラ17へのトナー供給と、現像ローラ17上に残った現像残トナーの剥ぎ取りを行っている。
【0026】
トナー収容室16内にはトナー撹拌部材20が設けられている。トナー撹拌部材20は、矢印H方向に回転するシート状の部材を備え、トナー収容室16内に収納されたトナー15を攪拌するとともに、トナー15をトナー供給ローラ18の上部に向けて搬送する。なお、本実施例においては、現像ローラ17、トナー供給ローラ18は、共に外径φ20であり、トナー供給ローラ18の現像ローラ17への侵入量を1.5mmに設定した。本実施例においては、現像電源142fから、現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスを印加し、感光ドラム1に当接する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみトナーを転移させることで静電潜像を顕像化する。
【0027】
プロセスカートリッジ7には、不揮発性メモリ等により構成されるメモリmが設けられている。メモリmには、コントローラ72が画像濃度制御を行う頻度の決定に関連する情報が保存されている。ここで、画像濃度制御を行う頻度の決定に関連する情報として例えば、公称寿命、トナー充填量、帯電ローラ2の粗さと硬度の少なくともいずれか、帯電ローラ2の層構造に関する情報、現像ローラ17の粗さと硬度の少なくともいずれか、感光ドラム1の表層の材料、膜厚、および光劣化のしやすさの少なくともいずれか、などがある。また、当該カートリッジについて予め設定されたキャリブレーションの頻度それ自体を保存していてもよい。なお、メモリmは、図1で示した画像形成装置100の制御部としてのコントローラ72と非接触、または電気接点を介した接触によって通信可能に構成されている。すなわちコントローラ72は、メモリmからの情報の読み取り、および、メモリmへの情報の書き込みが可能である。なお、図2ではメモリmを感光体ユニット13に取り付けているが、現像ユニット4に取り付けてもよい。また、感光体ユニット13と現像ユニット4の両方にメモリmを取り付けてもよく、その場合は感光体ユニット13側のメモリmには感光ドラム1や帯電ローラ2の情報を保存し、現像ユニット4側のメモリmには現像ローラ17やトナー15の情報を保存する。
【0028】
ここで、本実施例では、各色のプロセスカートリッジ7に対し、複数の異なる寿命設定のカートリッジが存在する。ここでプロセスカートリッジ7の寿命とは、カートリッジの使用可能な区間を表す数値であり、典型的にはトナーの容量に応じて設定される。プリント枚数で寿命を設定する場合、プロセスカートリッジ7に収容されているトナーを用いて典型的な画像をプリントした場合に印刷可能な通紙枚数を寿命としてもよいし、多少余裕を持たせた数値を寿命として設定してもよい。また寿命は、典型的には印刷可能な記録材の枚数で表されるが、使用した日数や時間数など、プロセスカートリッジ7を使用した時間に基づく他の単位で表してもよい。プロセスカートリッジ7には、メーカーにより公称寿命が設定されている。ここでは、公称寿命がそれぞれ10000枚である比較的短命なプロセスカートリッジ7と、公称寿命が50000枚である比較的長命なプロセスカート
リッジ7と、の2種類があるものとする。
【0029】
また、図1に示すように、画像形成装置100は、画像情報に基づき感光ドラム1上にレーザーを照射して静電潜像を形成する露光手段(露光装置)としてのスキャナユニット30を備えている。さらに画像形成装置100は、4個の感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト31を備えている。
【0030】
図1に示すように、無端状のベルトで形成された中間転写ベルト31は、全ての感光ドラム1に当接し、矢印B方向(図では反時計周り方向)に回転(移動)する。中間転写ベルト31は、複数の支持部材として、駆動ローラ37、2次転写対向ローラ38、従動ローラ(不図示)に掛け渡されている。中間転写ベルト31の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、1次転写手段(転写部材)としての、4個の1次転写ローラ32が並設されている。そして、1次転写ローラ32に、1次転写バイアス電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト上に転写される。
【0031】
また、中間転写ベルト31の外周面側において2次転写対向ローラ38に対向する位置には、2次転写手段としての2次転写ローラ33が配置されている。そして、2次転写ローラ33に、2次転写バイアス電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト31上のトナー像が記録材12に転写される。
【0032】
なお、図3に示すように、画像形成装置100は電源142を備えている。電源142は、コントローラ72の指示に従い、上述の1次転写バイアス電源および2次転写バイアス電源や、後述するブレードバイアス電源として機能する。図3の例では、1つの電源142が、1次転写バイアス電源142a、2次転写バイアス電源142b、ブレードバイアス電源142c、帯電ローラ2に電圧を印加する帯電電源142d、トナー供給ローラ18に電圧を印加する供給電源142e、現像ローラ17に電圧を印加する現像電源142fを兼ねるように機能する。しかし電源構成はこれには限られず、各部材ごとに別々の電源装置を設けてもよい。
【0033】
画像形成時には、まず、感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット30から発された画像情報に応じたレーザー光によって、感光ドラム1上に画像情報に従った静電潜像が形成される。次いで静電潜像は、現像ユニット4によって現像剤を供給され、トナー像(現像剤像)として感光ドラム上に現像される。次いで現像されたトナー像は、1次転写ローラ32の作用によって中間転写ベルト31上に転写(1次転写)される。
【0034】
例えば、フルカラーの画像形成時には、上述のプロセスが、第1~第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト31上に各色のトナー像が重ね合わされることで、4色トナー像が形成される。その後、中間転写ベルト31上の4色トナー像は、一括して記録材12上に2次転写される。さらに定着装置34が記録材12に熱および圧力を加えることで、記録材12上にトナー像が定着する。
【0035】
なお、1次転写工程後に感光ドラム1上に残留した1次転写残トナーは、クリーニングブレード6によって除去、回収される。また、2次転写工程後に中間転写ベルト31上に残留した2次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置(不図示)によって清掃される。
【0036】
図3に示すように、画像形成装置100はコントローラ72を備える。コントローラ72は、CPU73、ROM74、RAM75などの演算資源を備えた情報処理装置であり、プログラムや、PC120や画像形成装置本体110のタッチパネルを介した指示に従って動作する制御部として機能する。コントローラ72は例えば、モータ等の駆動源140、電源142、スキャナユニット30、濃度センサ41など、画像形成装置内のそれぞれの構成要素を制御する。
【0037】
本実施例の画像形成装置100は、検知手段として濃度センサ41を備える。濃度センサ41は、トナー量を検出するための光学センサであり、キャリブレーションとしての画像濃度制御に用いられる。濃度センサ41は、図1に示すように中間転写ベルト31に対向するように配置されている。濃度センサ41は、中間転写ベルト31の表面上に形成されたトナーパッチの濃度に対応する、反射光の強度情報を測定する。この濃度センサ41の構成の一例を図4に示す。濃度センサ41は、発光素子51と、受光素子52(第1の受光素子52a、第2の受光素子52b)、受光データを処理するIC等の処理回路(不図示)を有し、これらがホルダーに収容されて構成される。濃度センサ41は、コントローラ72と情報を送受信可能に構成される。発光素子51には、例えばLEDなどの赤外発光素子を利用できる。受光素子52には、例えばフォトダイオードやCdsセル等を利用できる。
【0038】
発光素子51は、光を中間転写ベルト31に向けて照射する。第1の受光素子52aはトナーパッチ64からの正反射光強度を検知し、第2の受光素子52bはトナーパッチ64からの乱反射光強度を検知する。正反射光強度と乱反射光強度の両方を検知することにより、高濃度から低濃度までのトナーパッチ64の濃度を検知することができる。なお、発光素子51と受光素子52の結合のために図示しないレンズなどの光学素子が用いられることもある。
【0039】
また、本実施例において、中間転写ベルト31は周長880mmのポリイミド製の単層樹脂ベルトである。また、ベルトの抵抗調整のために適量のカーボン微粒子が樹脂内に分散されており、表面色は黒色である。更に、中間転写ベルト31の表面は、平滑性が高く光沢性を有しており、光沢度は約100%(堀場製作所製光沢計IG-320で測定)である。
【0040】
濃度センサ41は、中間転写ベルト31の表面が露出している状態(トナー量が0)のときには、主に第1の受光素子52aが反射光を検出する。理由は、前述のように中間転写ベルト31の表面が光沢性を有するからである。一方、中間転写ベルト31にトナー像が形成された場合、トナー像の濃度(トナー量)が増加するに従って、正反射出力は次第に減少していく。これは、トナーが中間転写ベルト31の表面を覆い隠すことにより、ベルト表面からの正反射光が減少するからである。
【0041】
図5は、濃度センサ41の検出値とトナー量との関係を示す図である。ここでは正反射出力に対応する検出値が示される。図中、縦軸は、濃度センサ41の出力値電圧を表し、横軸は画像濃度(トナー量に相当する)を表している。なお、本実施例に使用した濃度センサ41は、最大出力値電圧が5Vである。本実施例の画像形成装置100では、トナーが無い状態の中間転写ベルト31の出力値(下地出力値)を用いて、濃度センサ41の出力補正を行っている。具体的には、トナーパッチの出力値を中間転写体の下地出力値(図5中、画像濃度0のときの出力値)で正規化している。(トナーパッチ出力/下地出力)。正規化後のセンサ出力特性は、図6に示す。正規化を行うことにより、中間転写ベルト31の光沢が、汚れや傷等の原因により低下した場合も、同様の補正が可能である。
【0042】
以上説明したトナーパッチ出力を下地出力で正規化補正する方法は、公知の手法であり
、上市されている多くのカラー画像形成装置で用いられている。なお、濃度センサ41としては濃度検知のための任意の既存の構成を利用できる。また光の波長は赤外光に限定されない。
【0043】
<各実施例共通の画像濃度制御動作について>
次に、各実施例における画像濃度制御について、図7のフローチャートを用いて説明する。
なお、本発明の画像形成装置100における画像濃度制御は、画像の濃度階調特性を調整する画像階調制御である。フローの各ステップは、コントローラ72が、濃度センサ41の出力値などを参照して実行する。
【0044】
[画像濃度制御]
画像濃度制御は、任意のタイミングにおいて実行可能であり、定期的に行ってもよいし、画像濃度の変動が予想される場合に実施してもよい。本実施例では、この画像濃度制御のタイミングを、寿命が互いに異なる複数のプロセスカートリッジ装着時にも適切に制御する。まず、ステップS101において、中間転写ベルト31の下地測定、すなわちトナーが載っていない状態での濃度測定が実行される。このときコントローラ72は、駆動源140によって中間転写ベルト31を回転移動させ、中間転写ベルト31において濃度測定の対象となる所定の測定位置が順次、濃度センサ41の測定範囲内に来るようにする。測定位置及びポイント数は、画像濃度制御に使用されるトナーパッチと同じにする。
【0045】
ここで、図8は、中間転写ベルト31上に形成されるパッチパターンを示す。中間転写ベルト31の移動方向(矢印F)に沿って、濃度センサ41の配置されている部分に対応するような位置に、複数の8mm角のパッチ88が、2mm間隔で配置されている。パッチ88は、イエローのパッチ88Y、マゼンタのパッチ88M、シアンのパッチ88C、黒のパッチ88Kを含む。各色のパッチ88Y~88Kはそれぞれ、画像印字率(濃度階調度)を8段階に変化させた、8個のパッチを含んでいる(以下、単にY1~Y8、M1~M8、C1~C8、K1~K8、と記載する)。その結果、中間転写ベルト31上には、合計32個のパッチ88が形成されている。
【0046】
各パッチ88と印字率(階調度)との対応は以下の通りに設定されている。
Y1,M1,C1,K1=12.5%、
Y2,M2,C2,K2=25%、
Y3,M3,C3,K3=37.5%、
Y4,M4,C4,K4=50%、
Y5,M5,C5,K5=62.5%、
Y6,M6,C6,K6=75%、
Y7,M7,C7,K7=87.5%、
Y8,M8,C8,K8=100%。
【0047】
中間転写ベルト31の下地測定は、上述の32個のパッチ88が形成される場所に対して、パッチ88が形成される以前に行われる。例えば、パッチ88が形成される1周前に下地測定を行ってもよい。
また、後述するが、各パッチ88は単色のみで印字して単色の画像濃度制御を実行してもよい。
【0048】
図7に戻り、ステップS102において、コントローラ72は、画像形成装置100の駆動源140によって中間転写ベルト31を回転させて、それぞれのパッチ形成位置を順次、画像形成部に対向する位置に移動させる。そして画像形成部を制御して、中間転写ベルト31上に、図8で説明した通りのトナーパッチ88を形成する。
【0049】
そして、ステップS103において、コントローラ72は、中間転写ベルト31上にパッチが形成された位置が順次、濃度センサ41の測定範囲内に来るようにして、濃度センサ41を用いてトナーパッチ88からの反射光量を検出する。そしてステップS104において、コントローラ72は、トナーパッチ88の濃度を算出する。このときまず、トナーパッチ88の濃度の出力値を中間転写ベルト31の下地出力値で正規化する(トナー出力/下地出力)。かかるパッチ出力の正規化は、全てのパッチ88について、当該パッチに対応する位置にて取得された下地出力値を用いて行われる。次にコントローラ72は、正規化後の値を濃度変換テーブルにより濃度値に変換する。濃度変換テーブルは、ROM74に予め記憶されている。
【0050】
続いて、ステップS105において、コントローラ72は、画像階調制御(階調補正)を実施する。この画像階調制御について、図9を用いて説明をする。なお、ここでは、シアン色の階調補正についてのみ説明するが、マゼンタ、イエロー、ブラックに関しても同様の方法で補正が行われる。
【0051】
図9において、横軸は画像データ(例えば画素値%)を表し、縦軸は、濃度センサ41の濃度検出値(出力値電圧の正規化補正後の値)を表している。また、図中○印は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8の各パッチに対する濃度センサ41の検出濃度値を表している。そして、C1~C8の各点を通る曲線γは、濃度制御(階調補正制御)を実施していない状態での濃度階調特性を表している。なお、コントローラ72は、パッチを形成していない階調での画像濃度については、原点及びC1~C8の各点を通るようにスプライン補間を行うことで、画像データの値を算出する。
【0052】
次に、直線Tは、画像濃度制御の目標濃度階調特性をあらわしている。本実施例においては、画像データと濃度の関係が比例関係になるように目標階調特性Tが定められている。なお、階調特性は直線に限定されない。曲線γと直線Tを比較すると分かるように、図示例において階調補正を行わない場合、画像データ値が低い範囲においては、画像データ値に対して画像濃度が低くなるようにプリントされ、画像データ値が高い範囲においては、画像データ値に対して画像濃度が高くなるようにプリントされる。すなわち、ユーザが所望の色味とは異なるプリントが行われる。
【0053】
そして、曲線Dは、本実施例の制御で算出される階調補正テーブルを表している。コントローラ72は、補正前の階調特性γの目標階調特性Tに対する対称点を求めることにより、階調補正テーブルDを算出する。算出された階調補正テーブルDは、RAM75に記憶される。
【0054】
プリント画像の形成時は、コントローラ72は、階調補正テーブルDを参照して画像データの値を補正することにより、目標階調特性を得ることができる。例えば画像データ値が低い範囲においては、階調補正テーブルDを用いることで画像データ値が高くなるよう補正される。この補正後の画像データ値を用いて画像形成装置100の制御値を決定することにより、プリントされる画像濃度を高くして階調特性を直線Tまで持ち上げることができる。また、ここで実施される画像濃度制御の手法は、画像形成条件を制御するための公知の方式でよい。画像形成条件として例えば、現像バイアス等の現像条件、帯電バイアス等の帯電条件などがある。コントローラ72は、これらの画像形成条件を複数段階に変化させた、複数個の所定パターン(ハーフトーンパターンなど)パッチを中間転写ベルト31上に形成し、そのパッチパターンの濃度を検出し、所望の濃度が得られる画像形成条件を算出する。
【0055】
次に、プリントした際の曲線γが変化する推移について、図10を用いて説明する。上
記のフローに従い画像濃度制御を実施した直後は、上記した階調補正テーブルDで補正することにより、画像データ値と画像濃度の関係が直線Tのラインになる。しかし、そこからプリント枚数を増やしていくことで、濃度階調のズレが大きくなっていき、曲線γは、γ1→γ2→γ3のように変化していく。ここで、曲線γ2までは濃度階調のズレが許容範囲であるが、曲線γ3まで変化してしまうと所定の許容範囲を超えてしまう、とする。曲線γ2を許容範囲内とした場合、ズレが曲線γ2となったタイミングで画像濃度制御を実施し、曲線γ2をTに戻すことで色味再現性が維持することが可能になる。以上が、本実施例における画像濃度制御(画像階調補正)についての説明である。
【0056】
[画像濃度制御実行頻度]
本実施例では、寿命の異なるプロセスカートリッジ7として、公称寿命10000枚のプロセスカートリッジ(以下、Type1と呼び、第1のプロセスカートリッジ7aとも呼ぶ。第1のプロセスカートリッジ7aには、第1の寿命が設定されている)と、公称寿命50000枚のプロセスカートリッジ(以下、Type2と呼び、第2のプロセスカートリッジ7bとも呼ぶ。第2のプロセスカートリッジ7bには、第1の寿命よりも長い第2の寿命が設定されている)が存在する。
【0057】
本実施例でのType1とType2それぞれは、トナー15の充填量が異なる。具体的にはType1よりもType2のカートリッジの方がトナー15の充填量が多い。まず、比較的、寿命が短いType1のカートリッジを用い、あるタイミングで画像濃度制御実行した後からの曲線γの推移は、表1のようになる。
【表1】
【0058】
すなわちType1のプロセスカートリッジの場合は、画像濃度制御直後のγは目標である曲線Tとなり、1000枚プリントしたときに曲線γがγ2となるため、長くても1000枚プリント毎に(すなわち1000枚周期で)画像濃度制御を実行することで、色味再現性を維持することが可能になる。ここで、画像濃度制御を実行するタイミングは、遅くとも曲線γが許容範囲外となる直前とする必要があり、本実施例のType1では1000枚プリント時となる。
【0059】
次に、比較的、寿命が長いType2を用い、あるタイミングで画像濃度制御実行した後からの曲線γの推移は、表2のようになる。
【表2】
【0060】
すなわちType2のカートリッジの場合は、画像濃度制御直後のγは目標である曲線Tとなり、2000枚プリントしたときに曲線γがγ2となるため、長くても2000枚
プリント毎に(すなわち2000枚周期で)画像濃度制御を実行することで、色味再現性を維持することが可能になる。ここで、例えばType1を第1のカートリッジとし、画像濃度制御を行う頻度(1000枚)を第1の頻度と呼ぶことができる。また、Type2を第2のカートリッジとし、画像濃度制御を行う頻度(2000枚)を第2の頻度と呼ぶことができる。
【0061】
これは、Type2はトナー充填量が多いことから、トナー粒径の変化推移やトナー劣化、DローラフィルミングのレベルがType1と異なり、曲線γの変化量が少なくなることに起因する。
【0062】
そこで本実施例のように、Type1とType2が混在するようなケース、すなわち寿命設定が異なるカートリッジが同一画像形成装置内にある場合においては、Type1のために1000枚毎、Type2のために2000枚毎、どちらのタイミングにおいても画像濃度制御を実行する。Type1、Type2のそれぞれのタイミングで、Type1のみ、Type2のみの単色の画像濃度制御を実行することを想定すると、以下の図11のような推移となる。これにより、Type1とType2が混在するケースにおいて、どちらか一方のTypeが選択されているケースに比べて、Type1とType2を合わせたトータルの画像濃度制御の頻度を高くすることができるので、より正確な色味を再現することが可能になる。
【0063】
図11を参照して、本実施例の制御の一例を記載する。図中、Type1とType2それぞれにおいて枠で囲った数字は、前回のキャリブレーション後(または装着後)の印字枚数を示し、Type1の場合は1000枚ごと、Type2の場合は2000枚ごとに0枚にリセットされる。スタート後、400枚印字されたタイミングP1で、Type2の新品が装着されたものとする。この場合、Type2の装着から600枚印字後のタイミングP2において、Type1の印字枚数が1000枚となることにより、1回目の画像濃度制御が行われる。続いて、タイミングP2から1000枚印字後のタイミングP3において、Type1のリセット後の印字枚数が1000枚となることにより、2回目の画像濃度制御が行われる。続いて、タイミングP3から400枚印字後のタイミングP3において、Type2の印字枚数が2000枚となることにより、3回目の画像濃度制御が行われる。このように本実施例の制御では、キャリブレーション回数を増加させることが可能である。
【0064】
なお、本実施例の場合はType2の所定枚数(2000枚)がType1の所定枚数(1000枚)の2倍であるため、周期が重なって結果的に同じタイミング(1000枚毎)に画像濃度制御が実行されるような場合がある。しかしその場合でも、Type1とType2両方のカートリッジに必要なタイミングで画像濃度制御が行われることに変わりはない。
【0065】
図12を参照して、この場合の制御の例を説明する。この例では、Type1とType2が同時に装着された時点をスタートとする。スタートの後、1000枚が印字されたタイミングP21において、Type1の印字枚数が1000枚となることにより、1回目の画像濃度制御が行われる。続いて、タイミングP21から1000枚印字後のタイミングP22において、Type1のリセット後の印字枚数が1000枚となるとともに、Type2の印字枚数が2000枚となることにより、2回目の画像濃度制御が行われる。このようにType1とType2の周期が重なる場合、キャリブレーションの回数は、Type1について通常行われている1000枚ごとである。しかしこの場合でも、Type1に必要なタイミングと、Type2に必要なタイミングの両方でキャリブレーションを行うことができる。
【0066】
なお、本実施例では定期的に画像濃度制御を実施したが、これに限らずγ2に到達するタイミングに応じて不定期に実施しても良い。また、ユーザ指示を受けたタイミングでも画像濃度制御を実行してもよい。また、実行タイミングはプロセスカートリッジ7のメモリmにあるタグ情報を用いて決定してもよい。また、本実施例においては、該当する色のプロセスカートリッジのみのキャリブレーションだけを実施したが、Type1とType2のどちらかのトリガで、Type1とType2の両方のキャリブレーションを実施してもよい。
【0067】
また、本願発明においては、Type1とType2ともに、γ2に到達するタイミング、すなわち濃度階調のズレが許容範囲であるタイミングでキャリブレーション実施要求を立てる制御を行った。ただし本願発明の制御は、上記タイミングに限られず、曲線γの推移がTからγ2に到達するまでの間、すなわち濃度階調のズレが許容範囲内である間に実行すればよい。
【0068】
また、Type1とType2の間では、γの状態に基づいたタイミングを変更してもよい。なお、キャリブレーション実施要求は、曲線γがγ1になってから、γ2に到達するまでの間で実施することが好ましい。例えば、Type1とType2を比較して、Type1の場合のトナー劣化がType2のトナー劣化よりも早く、Type1のγのズレ幅がより大きく濃度変化が顕著となる場合を考える。この場合、Type1は曲線γがγ1となるタイミングで画像濃度制御を実施し、Type2はγ2となるタイミングでキャリブレーションを実施する、というように、Type1の方がType2よりもγの変化が少ないタイミングで実施するように制御してもよい。なお、Type2の方がトナー劣化の早い場合などでは、Type2の方がType1よりもγの変化が少ないタイミングで実施するように制御してももちろんよい。また、画像濃度制御のタイミングは、印刷条件や、温度や湿度といった環境の変化に応じてタイミングを変化させてもよい。画像濃度制御を実行するタイミングはプロセスカートリッジの寿命、すなわち、トナーの劣化具合に応じて適宜設定してもよい。
【0069】
また、本願発明においては、画像濃度制御実行後の、Type1、Type2それぞれのプリント枚数に基づいて次の画像濃度制御を実行するように制御している。しかし、画像濃度制御の実行タイミングはこれに限られず、トナーに関するパラメータの情報に基づいていればよい。例えば、現像ローラの回転時間、回転数、表面移動距離といったトナーの劣化に関連するパラメータなどを用いてもよい。また、所定の印刷枚数にて実行するように制御しているが、割合で実施を制御してもよい。例えば、公称寿命(100%が新品、0%が寿命到達)に対して、99%で1回目の画像濃度制御を実行し、95%で2回目の画像濃度制御を実行するといった制御を実行してもよい。寿命到達に近づくにつれて、キャリブレーション頻度が変更されるようにパラメータを適宜設定してもよい。
また、新品カートリッジに交換したタイミングで、無条件に全てのカートリッジに対してキャリブレーションを実行してもよい。
【0070】
[実施例2]
次に、本発明における実施例2について説明する。なお、実施例1と説明が重複する部分については説明を省略する。本実施例では寿命の異なるプロセスカートリッジとして、公称寿命10000枚のプロセスカートリッジ(以下、実施例1と同様のType1と呼ぶ)と、公称寿命50000枚のプロセスカートリッジ(以下、Type3と呼ぶ)が存在する。よってType3の公称寿命は、実施例1の公称寿命と同じである。Type1とType3それぞれは、トナー充填量の違いに加えて、帯電ローラ2が異なる。Type3には長寿命対応した帯電ローラ2が採用され、Type1よりもType3の粗さの方が高い。
【0071】
実施例1と同様に、Type1のプロセスカートリッジの画像濃度制御実行後の曲線γの推移は、表1のようになる。次に、Type3のプロセスカートリッジにおいて、あるタイミングで画像濃度制御実行した後からの曲線γの推移は、表3のようになる。
【表3】
【0072】
すなわちType3の場合は、画像濃度制御直後のγは目標である曲線Tとなり、2400枚プリントしたときに曲線γがγ2となるため、2400枚プリント毎に画像濃度制御を実行することで、色味再現性を維持することが可能になる。これは、Type3の場合は、トナー充填量が多いことに加えて、帯電ローラ2の粗さが高いことから、帯電ローラ2の汚れの影響が低減され、帯電後のドラム電位の低下がType1に比べて遅くなることに起因する。
【0073】
そこで本実施例のように、Type1とType3が混在するようなケースにおいては、Type1のために1000枚毎、Type3のために2400枚毎、どちらのタイミングにおいても画像濃度制御を実行する。これにより、Type1とType3が混在するケースにおいて、どちらか一方のTypeが選択されているケースに比べて、画像濃度制御の頻度を高くすることができるので、より正確な色味を再現することが可能になる。
【0074】
図13を参照して、本実施例の制御の一例を記載する。図中、Type1とType3それぞれにおいて枠で囲った数字は、前回のキャリブレーション後(または装着後)の印字枚数を示し、Type1の場合は1000枚ごと、Type3の場合は2400枚ごとに0枚にリセットされる。スタート後、400枚印字されたタイミングP31で、Type3の新品が装着されたものとする。この場合、Type3の装着から600枚印字後のタイミングP32において、Type1の印字枚数が1000枚となることにより、1回目の画像濃度制御が行われる。続いて、タイミングP32から1000枚印字後のタイミングP33において、Type1のリセット後の印字枚数が1000枚となることにより、2回目の画像濃度制御が行われる。続いて、タイミングP33から800枚印字後のタイミングP34において、Type3の印字枚数が2400枚となることにより、3回目の画像濃度制御が行われる。このように本実施例の制御によりキャリブレーション回数を増加させることが可能である。
【0075】
なお、本実施例では定期的に画像濃度制御を実施したが、これに限らずγ2に到達するタイミングに応じて不定期に実施しても良い。また、実行タイミングはプロセスカートリッジ7のメモリmにあるタグ情報を用いて決定してもよい。
【0076】
(変形例1)
次に、実施例2の変形例1について説明する。変形例1においても、実施例2と同様に、Type1のカートリッジと、公称寿命が50000枚であるType3のカートリッジを用いる。曲線γの推移についても、表3と同様に、Type3では2400枚ごとに画像濃度制御が行われる。
【0077】
本変形例では、Type1とType3のカートリッジは、トナー充填量の違いに加えて、帯電ローラ2の層構造が異なる。すなわちType1には単層構造(表層なしで基層のみ)の帯電ローラ2,Type3には長寿命対応した2層構造(表層+基層)の帯電ロ
ーラ2が装着されている。
【0078】
本変形例のType3のカートリッジは、トナー充填量が多いことに加えて、帯電ローラ2は、Type1の単層構造の帯電ローラ2に比べて、表層をコートしていることで帯電ローラの汚れが抑制される。この効果により、帯電後のドラム電位の低下がType1に比べて遅くなることで、曲線γの変化も遅くなる。そこでType1とType3が混在するとき、Type1のために1000枚毎、Type3のために2400枚毎、どちらのタイミングにおいても画像濃度制御を実行することにより、画像濃度制御の頻度を高くすることができるので、より正確な色味を再現することが可能になる。
【0079】
また、本実施例では定期的に画像濃度制御を実施したが、これに限らずγ2に到達するタイミングに応じて不定期に実施しても良い。また、実行タイミングはプロセスカートリッジにあるタグ情報を用いて決定してもよい。
【0080】
(変形例2)
変形例2においても、Type1のカートリッジと、公称寿命が50000枚であるType3のカートリッジを用いる。曲線γの推移についても、表3と同様に、Type3では2400枚ごとに画像濃度制御が行われる。本変形例では、Type1とType3それぞれは、トナー充填量の違いに加えて、感光ドラム1の表層材質が異なる。すなわちType1には表層に摩耗しやすい材料を用いた感光ドラム1、Type3には表層に摩耗しにくい材料を用いた感光ドラム1が装着されている。このようなType3のカートリッジは、トナー充填量が多いことに加えて、感光ドラム1が摩耗しにくいため、帯電後のドラム電位の低下がType1に比べて遅くなることで曲線γの変化も遅くなる。そこでType1とType3が混在するとき、Type1のために1000枚毎、Type3のために2400枚毎、どちらのタイミングにおいても画像濃度制御を実行することにより、画像濃度制御の頻度を高くすることができるので、より正確な色味を再現することが可能になる。
【0081】
なお、感光ドラム1の違いが、表層の材料の違いではなく、表層の膜厚の違いや、光劣化のしやすさの違いでも良い。何であれ、曲線γの変化速度に違いが生じるのであれば、本実施例を適用できる。また、本実施例では定期的に画像濃度制御を実施したが、これに限らずγ2に到達するタイミングに応じて不定期に実施しても良い。また、実行タイミングはプロセスカートリッジにあるタグ情報を用いて決定してもよい。
【0082】
(変形例3)
変形例2においても、Type1のカートリッジと、公称寿命が50000枚であるType3のカートリッジを用いる。曲線γの推移についても、表3と同様に、Type3では2400枚ごとに画像濃度制御が行われる。本変形例では、Type1とType3それぞれは、トナー充填量の違いに加えて、現像ローラ17が異なる。すなわち、Type1の現像ローラ17よりも、Type6の現像ローラ17の方が、硬度が低い。このようなType6のカートリッジは、トナー充填量が多いことに加えて、現像ローラ17の硬度が低いことから、現像ローラフィルミングの悪化が抑制されるため、Type1に比べて曲線γの変化が遅くなる。
【0083】
そこで本実施例のように、Type1とType3が混在するとき、Type1のために1000枚毎、Type3のために2400枚毎、どちらのタイミングにおいても画像濃度制御を実行することにより、画像濃度制御の頻度を高くすることができるので、より正確な色味を再現することが可能になる。
【0084】
なお、本実施例では定期的に画像濃度制御を実施したが、これに限らずγ2に到達する
タイミングに応じて不定期に実施しても良い。また、実行タイミングはプロセスカートリッジにあるタグ情報を用いて決定してもよい。以上の変形例で示したように、カートリッジの公称寿命は、トナー充填量以外にも各部材の材質や構造などの要素によっても決定される。しかしどの場合であっても、互いに異なる寿命のカートリッジそれぞれに適したタイミングで画像濃度制御を行うことによって、色味を正確に再現することが可能になる。
【0085】
[実施例3]
実施例3では、画像濃度制御を行うトリガとして、複数のプロセスカートリッジのうち公称寿命が最も短いカートリッジにおける画像濃度制御タイミングのみを用いる場合について説明する。
【0086】
図14を参照して、本実施例の制御の一例を記載する。符号は図11と同じものを用いる。図中、Type1とType2それぞれにおいて枠で囲った数字は、前回のキャリブレーション後(または装着後)の印字枚数を示し、Type1の場合は1000枚ごと、Type2の場合は2000枚ごとに0枚にリセットされる。スタート後、400枚印字されたタイミングP1で、Type2の新品が装着されたものとする。この場合、Type2の装着から600枚印字後のタイミングP2において、Type1の印字枚数が1000枚となることにより、1回目の画像濃度制御が行われる。本実施例においては、Type2についても印字枚数がリセットされる。
【0087】
続いて、タイミングP2から1000枚印字後のタイミングP3において、Type1のリセット後の印字枚数が1000枚となることにより、2回目の画像濃度制御が行われる。本実施例においては、Type2についても印字枚数がリセットされる。続いて、タイミングP3から1000枚印字後のタイミングP4において、3回目の画像濃度制御が行われる。
【0088】
本実施例では、画像形成装置100に装着されているプロセスカートリッジのうち、リセットまでの印字枚数が最も少ないType1に関する画像濃度制御タイミングのみがトリガとなる。つまり本実施例では、Type2の枚数カウントが2000枚まで到達することはない。このような制御によれば、最も短い周期に従ってキャリブレーションが実行されるので、充分なキャリブレーション回数が得られる。さらに本実施例においては、キャリブレーション回数が過剰になることがない。
【0089】
[実施例4]
次に、本発明における実施例6について説明する。なお、上記各実施例と説明が重複する部分については説明を省略する。本実施例では、画像濃度制御手法が上記実施例と異なる。
【0090】
上記実施例では、中間転写ベルト上にトナーパッチを形成し、これを濃度センサ41で測定した結果を用いて、画像濃度や階調の調整を行っている。これに対し、本実施例でのコントローラ72は、画像形成装置100のROM74内にあらかじめ記憶された画像濃度制御用の演算パラメータを取得し、この演算パラメータを用いて、画像濃度や階調の調整を行う。この演算パラメータは例えば、製品開発段階において、温湿度情報、プリント枚数、カートリッジの寿命情報、カートリッジ内のトナー量・部材情報(帯電ローラ、現像ローラの種類)等を用いて、機械学習を行うことで、求められる。
【0091】
この演算パラメータを使い画像濃度制御を実行することで、中間転写ベルトへのパッチ形成や濃度センサによる測定といった一連の動作時間がなく、演算処理時間のみで画像濃度制御が完了する。
【0092】
この手法により、寿命が異なるプロセスカートリッジが同一画像形成装置内で混在したときに、画像濃度制御の頻度が高くなっても、ユーザへのダウンタイムを増加させることなく、高い色味再現性を維持することが可能となる。
【0093】
以上述べたように、各実施例の方法によれば、寿命設定の異なるプロセスカートリッジが同一画像形成装置内に装着された場合においても、正しい色味調整可能な画像形成装置を提供することができる。すなわち、寿命の異なる各カートリッジが同一の画像形成装置に装着された場合、それぞれの寿命に応じた画像濃度制御を行うことで、キャリブレーション頻度を高くすることができるので、色味再現性を維持することができる。なお、各実施例では寿命設定が2種類の場合について説明したが、寿命設定の数はこれに限定されない。3つ以上の寿命設定のカートリッジが混在する場合であっても、それぞれの寿命に応じたキャリブレーションを行うことにより、色味再現性を維持することが可能となる。なお、各実施例においてカートリッジ寿命が異なる要因となる構成が相違するが、実際のカートリッジにおいてはこれらの構成を任意に組み合わせることが可能である。
【0094】
[構成1]
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像剤担持体と、
前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と、前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第2のカートリッジのみが装着されている場合よりも、前記画像濃度制御を行う頻度を高くする
ことを特徴とする画像形成装置。
[構成2]
前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
[構成3]
前記第1のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度が設定されており、
前記第2のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度が設定されており、
前記第1の頻度の方が前記第2の頻度よりも周期が短い場合、前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1の頻度において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
[構成4]
前記画像濃度制御を行う頻度は、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
[構成5]
前記制御部は、前記現像剤像を形成するときの階調特性の、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数の増加に応じた変化が所定の許容範囲を超える場合に、前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
前記第1の頻度は前記第1のカートリッジの前記第1の寿命に基づいて決定され、前記第2の頻度は前記第2のカートリッジの前記第2の寿命に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
[構成6]
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像とする現像剤担持体と、前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
[構成7]
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記収容室に収容された現像剤の量が異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成8]
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成9]
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の層構造が異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成10]
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記像担持体の表層の材料、表層の膜厚、表層の光劣化しやすさ、の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成11]
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記現像剤担持体の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成12]
前記カートリッジの寿命は、印字枚数である
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成13]
前記カートリッジの寿命は、前記カートリッジを使用した時間に基づく単位で表されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成14]
前記カートリッジには、前記画像濃度制御を行う頻度の決定に関連する情報を保存するメモリが設けられている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成15]
前記制御部は、前記反射光の強度情報に基づいて前記現像剤像の画像濃度を取得し、前記画像データの値と前記画像濃度に基づいて、前記現像剤像を形成するときの階調特性を取得し、前記階調特性が目標階調特性となるように前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0095】
1:感光ドラム、4:現像ローラ、7:プロセスカートリッジ、10:トナー、41:濃度センサ、72:コントローラ、100:画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像剤担持体と、
前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と、前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第2のカートリッジのみが装着されている場合よりも、前記画像濃度制御を行う頻度を高くする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度が設定されており、
前記第2のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度が設定されており、
前記第1の頻度の方が前記第2の頻度よりも周期が短い場合、前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている
場合は、前記第1の頻度において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像濃度制御を行う頻度は、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記現像剤像を形成するときの階調特性の、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数の増加に応じた変化が所定の許容範囲を超える場合に、前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の頻度は前記第1のカートリッジの前記第1の寿命に基づいて決定され、前記第2の頻度は前記第2のカートリッジの前記第2の寿命に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像とする現像剤担持体と、前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記収容室に収容された現像剤の量が異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の層構造が異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記像担持体の表層の材料、表
層の膜厚、表層の光劣化しやすさ、の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記現像剤担持体の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記カートリッジの寿命は、印字枚数である
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記カートリッジの寿命は、前記カートリッジを使用した時間に基づく単位で表されることを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記カートリッジには、前記画像濃度制御を行う頻度の決定に関連する情報を保存するメモリが設けられている
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記反射光の強度情報に基づいて前記現像剤像の画像濃度を取得し、前記画像データの値と前記画像濃度に基づいて、前記現像剤像を形成するときの階調特性を取得し、前記階調特性が目標階調特性となるように前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする請求項1またはに記載の画像形成装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
[構成1]
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像剤担持体と、
前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを同時に装着可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と、前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第2のカートリッジのみが装着されている場合よりも、前記画像濃度制御を行う頻度を高くする
ことを特徴とする画像形成装置。
[構成2]
前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行うことを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
[構成3]
前記第1のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度が設定されており、
前記第2のカートリッジには前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度が設定されており、
前記第1の頻度の方が前記第2の頻度よりも周期が短い場合、前記制御部は、前記画像形成装置に前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジとが同時に装着されている場合は、前記第1の頻度において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする構成1または2に記載の画像形成装置。
[構成4]
前記画像濃度制御を行う頻度は、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数に基づいて決定される
ことを特徴とする構成2または3に記載の画像形成装置。
[構成5]
前記制御部は、前記現像剤像を形成するときの階調特性の、前記画像形成装置における記録材のプリント枚数の増加に応じた変化が所定の許容範囲を超える場合に、前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする構成2に記載の画像形成装置。
[構成6]
前記第1の頻度は前記第1のカートリッジの前記第1の寿命に基づいて決定され、前記第2の頻度は前記第2のカートリッジの前記第2の寿命に基づいて決定される
ことを特徴とする構成2または3に記載の画像形成装置。
[構成7]
画像データに基づいて露光されることで表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤により現像して現像剤像とする現像剤担持体と、前記現像剤を収容する収容室と、をそれぞれが有する複数のカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、前記複数のカートリッジにはそれぞれ、使用可能な寿命が設定されており、
前記複数のカートリッジにより形成された前記現像剤像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写された前記現像剤像に光を照射して反射光を検知し、前記反射光に関する情報を出力する検知手段と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データの値と前記反射光に関する情報に基づいて、前記現像剤像を形成するときの画像濃度を制御する画像濃度制御を行うものであり、
前記画像形成装置に、第1の寿命が設定された第1のカートリッジと、前記第1の寿命とは異なる第2の寿命が設定された第2のカートリッジと、が同時に装着されている場合は、前記第1のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第1の頻度と、前記第2のカートリッジについて前記画像濃度制御を行うものとして決定された第2の頻度と、の両方において前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
[構成8]
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記収容室に収容された現像剤の量が異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成9]
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成10]
前記カートリッジは前記像担持体を帯電させる帯電手段を有しており、前記帯電手段の層構造が異なることに基づいて、前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジに異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成11]
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記像担持体の表層の材料、表層の膜厚、表層の光劣化しやすさ、の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成12]
前記第1のカートリッジと前記第2のカートリッジは、前記現像剤担持体の粗さと硬度の少なくともいずれかが異なることに基づいて、異なる寿命が設定されている
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成13]
前記カートリッジの寿命は、印字枚数である
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成14]
前記カートリッジの寿命は、前記カートリッジを使用した時間に基づく単位で表されることを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成15]
前記カートリッジには、前記画像濃度制御を行う頻度の決定に関連する情報を保存するメモリが設けられている
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成16]
前記制御部は、前記反射光の強度情報に基づいて前記現像剤像の画像濃度を取得し、前記画像データの値と前記画像濃度に基づいて、前記現像剤像を形成するときの階調特性を取得し、前記階調特性が目標階調特性となるように前記画像濃度制御を行う
ことを特徴とする構成1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。