(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179896
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】被支持物の支持装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/26 20060101AFI20241219BHJP
B26D 1/10 20060101ALI20241219BHJP
B23Q 1/25 20060101ALI20241219BHJP
B26D 7/24 20060101ALI20241219BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20241219BHJP
B65B 59/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D1/10
B23Q1/25
B26D7/24
B23Q17/00 A
B65B59/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099197
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】逸見 真己
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
3C029
3C048
3E056
【Fターム(参考)】
3C021HA08
3C021JA04
3C021JA09
3C021JA10
3C027KK02
3C027KK06
3C027KK08
3C027KK09
3C027KK13
3C029EE04
3C048BB14
3C048BB20
3C048DD01
3E056EA07
3E056FH20
3E056HA05
(57)【要約】
【課題】被支持物を容易に着脱できる被支持物の支持装置を提供する。
【解決手段】支持装置41は、支持部48と、支持体49と、を備える。支持部48は、被支持物39を支持する。支持体49は、支持部48を、被支持物39を使用する使用位置H1と、使用位置H1とは異なる位置であって被支持物39の少なくとも一部に対してメンテナンス作業が行われるメンテナンス位置H2と、の間で移動可能に支持する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被支持物を支持する支持部と、
前記支持部を、前記被支持物を使用する使用位置と、この使用位置とは異なる位置であって前記被支持物の少なくとも一部に対してメンテナンス作業が行われるメンテナンス位置と、の間で移動可能に支持する支持体と、
を備えることを特徴とする被支持物の支持装置。
【請求項2】
前記支持体は、前記使用位置と前記メンテナンス位置との間に、前記支持部の移動を案内する移動案内部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の被支持物の支持装置。
【請求項3】
前記移動案内部は、第1の移動案内部と第2の移動案内部とを有し、
前記支持部は、前記第1の移動案内部を移動する第1の移動体と、前記第2の移動案内部を移動する第2の移動体とを有し、
前記第2の移動案内部は、前記第1の移動案内部の端部を中心とした円弧状に延びる円弧案内部を有し、
前記第1の移動体が前記第1の移動案内部の端部に位置した状態で前記第2の移動体が前記円弧案内部を移動することにより、前記支持部とともに前記被支持物が回転する
ことを特徴とする請求項2に記載の被支持物の支持装置。
【請求項4】
前記第1の移動案内部は、第1の線状案内部を有し、
前記第2の移動案内部は、前記円弧案内部と連続し、前記第1の線状案内部と平行な第2の線状案内部を有し、
前記第1の移動体と前記第2の移動体とが、前記第1の線状案内部と前記第2の線状案内部とを同時に移動することにより、前記支持体に対する前記被支持物の位置が変化し、前記第1の移動体が前記第1の線状案内部の端部に位置した状態で、前記第2の移動体が前記円弧案内部を移動することにより、前記支持体に対する前記被支持物の姿勢が変化する
ことを特徴とする請求項3に記載の被支持物の支持装置。
【請求項5】
前記被支持物は、保守部品と、この保守部品を装着する装着部を有し、前記支持部に支持される被支持物本体と、を備え、
前記メンテナンス位置において、前記支持部が配置される前記支持体の領域よりも外側に前記保守部品が突出する
ことを特徴とする請求項1に記載の被支持物の支持装置。
【請求項6】
前記支持部が前記使用位置に配置されているか否かを検知する検知部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一に記載の被支持物の支持装置。
【請求項7】
前記検知部は、前記支持部が前記使用位置に配置されていないことを検知して、前記被支持物と関連して動作する他の機器へ動作停止情報を提供する
ことを特徴とする請求項6に記載の被支持物の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被支持物を支持する支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被支持物を支持する支持装置として、例えば下記の特許文献1に記載されている箱体を切断するためのカッターを支持する支持装置が知られている。この支持装置において、被支持物であるカッター(刃)は使用によって劣化するため、カッターを交換するメンテンナンス作業が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の支持装置では、被支持物の例であるカッターを交換する際には、使用位置において着脱作業を行うことになるため、使用位置の近傍に位置する他の部品などが被支持物の着脱作業の障害となったり、または、作業者の作業位置と使用位置との位置関係が良好ではない(例えば、距離が離れていたり、高低差がある)と、被支持物の着脱作業の作業性が低下することがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、着脱作業のようなメンテナンス作業性を向上できる被支持物の支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の被支持物の支持装置は、被支持物を支持する支持部と、前記支持部を、前記被支持物を使用する使用位置と、この使用位置とは異なる位置であって前記被支持物の少なくとも一部に対してメンテナンス作業が行われるメンテナンス位置と、の間で移動可能に支持する支持体と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の被支持物の支持装置によれば、着脱作業のようなメンテナンス作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態の被支持物の支持装置を用いた開梱装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図8】同上支持装置の支持体およびねじを示し、(a)はねじが支持体を挿通した状態の斜視図、(b)はねじを支持体に着脱する状態の斜視図である。
【
図9】同上支持装置の支持部が使用位置にある状態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図10】同上支持装置の支持部を着脱位置へ向けて移動させた状態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図11】同上支持装置の支持部を着脱位置へ回動させた状態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1および
図2に被支持物の支持装置を用いた一例として開梱装置10を示す。この開梱装置10は、物品11である例えば梱包された容器としての段ボール箱内から収納物を取り出すために段ボール箱を開梱する。開梱装置10は、物品11を搬送する搬送装置12と、この搬送装置12による物品11の搬送方向Aに対して交差する幅方向Bの一側へ向けた幅寄せ方向B1に物品11を幅寄せする幅寄せ装置13と、この幅寄せ装置13で幅寄せされた物品11の底面部と側面部との間の1辺を切断する切断装置14と、を備えている。
【0011】
搬送装置12は、物品11の搬送方向Aの上流側から順に配設される転換コンベヤ17、投入コンベヤ18、処理コンベヤ19、搬出コンベヤ20を備えている。転換コンベヤ17は、上流側より開梱装置10の幅方向Bの他側から搬入される物品11を、転換コンベヤ17の幅方向Bの一側(幅寄せ方向B1側)の所定位置に幅寄せするように搬送した後、搬送方向を投入コンベヤ18に向けた搬送方向Aに転換して搬送する。投入コンベヤ18は、例えばアキュームコンベヤが用いられ、幅方向Bの一側に幅寄せされた物品11を転換コンベヤ17から受け入れて幅方向Bの一側に幅寄せした状態で搬送方向Aに搬送し、処理コンベヤ19上での開梱処理の完了毎に物品11を処理コンベヤ19に順次投入する。処理コンベヤ19は、例えばベルトコンベヤが用いられ、投入コンベヤ18から投入される物品11をベルト上に搭載して搬送方向Aに搬送する。搬出コンベヤ20は、処理コンベヤ19から搬送される物品11を受け入れて搬送方向Aに搬出する。
【0012】
また、幅寄せ装置13は、処理コンベヤ19の位置に配設され、処理コンベヤ19で搬送方向Aに搬送する物品11を搬送方向Aに交差する幅方向Bの一側へ向けた幅寄せ方向B1に幅寄せする。幅寄せ装置13は、搬送方向Aの上流側で物品11の幅方向Bの幅寸法を測定する物品測定部22と、処理コンベヤ19上の幅寄せ方向B1側である幅方向Bの一側に配設される固定ガイド23と、処理コンベヤ19に対して幅方向Bに移動可能とする移動体24と、この移動体24上に支持され、物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せする可動ガイド25と、移動体24を幅方向Bに移動させる駆動ユニット26と、を備えている。可動ガイド25は、移動体24に支持されて処理コンベヤ19の上方を幅方向Bに移動可能とするとともに、物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せして固定ガイド23との間に挟み込みながら搬送方向Aに搬送する。可動ガイド25は、例えばサイドベルトコンベヤによって構成されており、ベルト29と、このベルト29を回行可能に掛け回す複数のプーリ30と、プーリ30を回転駆動してベルト29を回行させるモータ31と、を備えている。幅寄せ装置13では、物品測定部22で測定された物品11の幅方向Bの幅寸法に対応して、駆動ユニット26により移動体24とともに可動ガイド25を幅寄せ方向B1の所定位置に移動させ、可動ガイド25と固定ガイド23との間に物品11を挟み込む。
【0013】
また、
図3および
図4に切断装置14が処理コンベヤ19の幅方向Bの一側(幅寄せ方向B1側)のコンベヤフレーム19aに取り付けられた状態を示し、
図5および
図6に切断装置14のみの斜視図を示す。なお、
図3、
図5および
図6には、ボルトおよびナットなどの締結部品の図示を省略している。
【0014】
切断装置14は、被支持物39である切断ユニット40と、この切断ユニット40を処理コンベヤ19の幅方向Bの一側(幅寄せ方向B1側)のコンベヤフレーム19aに対して支持する支持装置41と、を備えている。
【0015】
切断ユニット40には、例えば超音波カッターが用いられる。切断ユニット40は、被支持物39の一部であって保守部品(交換部品)である刃43と、この刃43に超音波振動を付与する被支持物本体である振動子44と、この振動子44を制御する図示しない発振器と、を備えている。振動子44は、円柱状または角柱状で、軸方向の一端側に刃43を着脱可能に装着する装着部45が設けられ、装着部45に装着された刃43に超音波振動を付与する。刃43は、装着部45に設けられた溝に差し込まれ、ねじで締め付けて装着される。支持装置41によって処理コンベヤ19に支持された切断ユニット40は、振動子44によって刃43に超音波振動を与え、処理コンベヤ19上を幅寄せされた状態で搬送方向Aに搬送される物品11の底面部と側面部との間の1辺に刃43を押し当てて切断する。
【0016】
支持装置41は、固定ガイド23の一部が開放された開放部23aに対応する位置に切断装置14を配置するように、処理コンベヤ19のコンベヤフレーム19aに取り付けられる。コンベヤフレーム19aは、外側に向く外側面の中央域が開口された断面略Cの字形に形成されている。なお、固定ガイド23の開放部23aは、搬送方向に連続しており、刃43が通過する一部のみが開放されるように構成しても良い。
【0017】
支持装置41は、切断ユニット40を支持する支持部48と、この支持部48を支持する支持体(支持台)49と、この支持体49をコンベヤフレーム19aに取り付ける取付機構50と、を備えている。
【0018】
図4、
図5および
図7に示すように、支持部48は、それぞれ直方体状の第1支持部材53および第2支持部材54を有している。これら第1支持部材53および第2支持部材54の互いの対向面には、振動子44の周面が嵌り込む円弧状の窪み部55が設けられている。窪み部55の両側域であって振動子44から側方に突出する第1支持部材53および第2支持部材54の両端部において、ボルト56が上側の第2支持部材54を挿通して下側の第1支持部材53に螺着される。ボルト56を締め付けることで、第1支持部材53と第2支持部材54との間に振動子44を挟み込んで支持する。ボルト56が緩められた状態において、支持部48に対して、振動子44を動かし、振動子44の軸方向に沿った方向の刃43の位置や、振動子44の軸を中心とした刃43の向き(角度)の調整が可能となっている。第1支持部材53の両端部において、支持体49に対向する下面側には、支持体49に取り付けるためのねじ孔で構成される取付孔57が設けられている。なお、刃43の向きの調整に関しては、振動子44の周面と第2支持部材54の窪み部55の上縁部とにそれぞれ位置決め用のマークを付しておくことにより、これらマークの位置から刃43の向きの調整を容易にすることが可能となる。
【0019】
図6および
図7に示すように、第1支持部材53の各取付孔57には支持体49の裏面側から挿通する第1の移動体である第1のねじ58aおよび第2移動体である第2のねじ58bがそれぞれ螺着され、これらねじ58a,58bによる締め付けで第1支持部材53が支持体49に固定される。ねじ58a,58bは、軸部59と、この軸部59の一端側に設けられ、軸部59よりも大径で取付孔57に螺着されるねじ部60と、軸部59の他端側に設けられ、手で回転操作可能とするノブ部61と、を備えている。
【0020】
図5に示すように、第1支持部材53の一端側の端面には、支持部48に支持される振動子44の装着部45側の端面を位置決めして支える支え部材62が取り付けられている。支え部材62は、長尺に設けられ、その先端側には、略Lの字形に折曲されて、振動子44の装着部45側の端面を支える支え部63が設けられている。支え部材62には長手方向に沿って長孔64が設けられ、長孔64を通じて第1支持部材53に螺着される図示しない例えばノブ付のねじなどにより、第1支持部材53の一端側の端面に取り付けられる。支え部材62は、緩めたねじに対して長孔64を介して移動可能で、振動子44の軸方向の位置決め位置を調整可能とする。
【0021】
また、
図4ないし
図6に示すように、支持体49は、平板状の台部67を有し、この台部67の一面である表面側に支持部48が配置される平面状の配置面(台面)68が設けられている。台部67の表面側の配置面68とは反対の他面側を裏面側という。
【0022】
台部67は、長方形に形成され、その長手方向が上下方向で、配置面68が上方に向き、配置面68の下部側が処理コンベヤ19の搬送領域に近付き、上部側が処理コンベヤ19の搬送領域から外側に離れるように所定の傾斜角度で傾斜する傾斜姿勢とされ、かつ、長手方向に交差する短手方向である左右方向が処理コンベヤ19の搬送方向Aに沿うように、取付機構50によって処理コンベヤ19に取り付けられている。台部67の傾斜角度は、刃43で物品11の底面部と側面部との間の角部を切断するのに適した角度とされ、例えば45°に設定されている。
【0023】
台部67の上下方向の両側から裏面側に縁部69が折曲され、左右方向の両側から裏面側に側面部70が折曲されている。これら縁部69および側面部70には、複数の孔部71が設けられている。孔部71を利用して例えば結束バンドを通し、この結束バンドにより支持体49に配置される振動子44や後述する検知部79(
図6参照)などに接続される配線を支持体49に支持することができる。
【0024】
両側の側面部70には、取付機構50に取り付けるための取付孔72が上下方向に並んで2つ設けられ、これら取付孔72の位置よりも台部67の下端側から離れる外側位置に側面部70から折曲された連結部73が設けられている。
【0025】
支持体49の台部67は、支持部48を、切断ユニット40を使用する使用位置H1と、この使用位置H1とは異なる切断ユニット40を使用しない不使用位置であって、切断ユニット40の少なくとも一部である刃43を着脱(交換)するメンテナンス位置の例である着脱位置(交換位置)H2と、の間で移動可能に支持する。使用位置H1は、処理コンベヤ19の搬送領域に近い支持体49の下部側にあり、着脱位置H2は、処理コンベヤ19の搬送領域から外側に離れる支持体49の上部側にある。着脱位置H2は、例えば切断ユニット40などのメンテナンスを行うメンテナンス位置と兼用されてもよい。
【0026】
支持体49の台部67には、使用位置H1と着脱位置H2との間に、支持部48の移動を案内する移動案内部75が設けられている。移動案内部75は、台部67を貫通する一対の第1の移動案内部である第1の案内溝76および第2の移動案内部である第2の案内溝77を有している。これら案内溝76,77には、ねじ58a,58bの軸部59が案内溝76,77に沿って移動可能に挿通されている。これら案内溝76,77に挿通されたねじ58a,58bのねじ部60が第1支持部材53の取付孔57に螺着される。
【0027】
第1の案内溝76および第2の案内溝77は、使用位置H1と着脱位置H2との間に直線状に設けられる第1の線状案内部である直線溝部76aおよび第2の線状案内部である直線溝部77aを有している。これら直線溝部76a,77aは、平行に設けられるとともに、台部67の左右方向の両測辺とも平行に設けられている。
【0028】
使用位置H1において、切断ユニット40は、搬送方向Aの下流方向に向けて刃43が傾斜するように配置される。そのため、切断ユニット40を支持する支持部48も支持体49の台部67の下辺などに対して斜めに配置される。搬送方向Aの下流方向に向けた切断ユニット40および支持部48の傾斜角度は、搬送方向Aに搬送される物品11の底面部と側面部との間の角部に押し当てられる刃43により抵抗が少なく切断可能とする角度であり、例えば45°に設定されている。
【0029】
使用位置H1での支持部48の傾斜に対応して、傾斜する支持部48の下部側に螺着する第1のねじ58aが挿通する第1の案内溝76の直線溝部76aは、第2の案内溝77の直線溝部77aよりも下方に長く延設されている。なお、第2の案内溝77の直線溝部77aも第1の案内溝76の直線溝部76aと同じ位置まで下方に延設されていてもよい。
【0030】
使用位置H1から着脱位置H2へ向けて支持部48の平行移動を可能とするために、傾斜する支持部48の上部側に螺着する第2のねじ58bが挿通する第2の案内溝77の直線溝部77aは、第1の案内溝76の直線溝部76aよりも上方に長く延設されている。さらに、第2の案内溝77の直線溝部77aの上部側からは、第1の案内溝76の上側の端部側を中心とした円弧状に延びた円弧案内部である円弧溝部77bが連続して設けられている。円弧溝部77bの先端側(直線溝部77aと反対側)の端部は、第1の案内溝76の上方への延長線上に位置される。
【0031】
図7および
図8に示すように、案内溝76,77の直線溝部76a,77aおよび円弧溝部77bの溝幅はねじ58a,58bの軸部59の直径よりも大きくかつねじ部60およびノブ部61の直径よりも小さい関係にあり、第1支持部材53の取付孔57からねじ部60が外れている状態でも、ねじ58a,58bが支持体49から脱落しないように構成されている。
図8に示すように(
図8では第1の案内溝76のみを示す)、案内溝76,77の直線溝部76a,77aの中間位置には、連通溝部76c,77cを介して、支持体49の裏面側からねじ部60が挿通可能とする着脱孔部76d,77dが設けられている。
【0032】
連通溝部76c,77cの溝幅は直線溝部76a,77aと同じく軸部59の直径よりも大きくかつねじ部60およびノブ部61の直径よりも小さい関係にある。着脱孔部76d,77dの孔径は、軸部59およびねじ部60の直径よりも大きくかつノブ部61の直径よりも小さい関係にある。これにより、ねじ58a,58bは、支持部48と分離されている状態で、着脱孔部76d,77dを通じて案内溝76,77に対して着脱可能とする。
【0033】
連通溝部76c,77cおよび着脱孔部76d,77dの位置は、直線溝部76a,77aに対して、直線溝部76a,77aの上下の端部の位置関係と同様に、支持部48の傾斜に対応した位置関係にある。連通溝部76c,77cおよび着脱孔部76d,77dは、直線溝部76a,77aの互いに反対側となる外側の側部にそれぞれ設けられている。仮に、直線溝部76a,77aのそれぞれ同じ一側の側部に設けられていると、支持部48を使用位置H1と着脱位置H2との間で移動させる際に、2つのねじ58a,58bとも直線溝部76a,77aの一側の連通溝部76c,77cに移動して引っ掛かる虞がある。連通溝部76c,77cおよび着脱孔部76d,77dを、直線溝部76a,77aの互いに反対側となる外側の側部にそれぞれ設けることにより、2つのねじ58a,58bが共に直線溝部76a,77aの連通溝部76c,77cに移動して引っ掛かることなく、支持部48の移動をスムーズにできる。なお、連通溝部76c,77cおよび着脱孔部76d,77dは、直線溝部76a,77aの互いに対向する内側の側部にそれぞれ設けても同様の効果がある。また、連通溝部76c,77cおよび着脱孔部76d,77dが直線溝部76a,77aのそれぞれ同じ一側に設ける場合でも、例えば、連通溝部76c,77cが上下方向の同じ高さ位置に設けられたり、支持部48の傾斜とは対応しない位置関係の位置に設けられていれば同様の効果がある。
【0034】
なお、支持部48の移動を案内する移動案内部75は、案内溝76,77に限らず、支持体49の配置面68に設けるガイドレールや、支持体49の側縁部などで構成してもよく、また、スライド機構と回転機構を組み合わせて構成してもよい。
【0035】
また、
図6に示すように、支持体49の裏面側には、支持部48(切断ユニット40)が使用位置H1に配置されているか否かを検知する検知部79が配置されている。検知部79は、検知光80を投光する投光部81と、検知光80を受光する受光部82と、を有する光電センサが用いられている。検知部79は、使用位置H1に配置された支持部48に螺着されている2つのねじ58a,58bのうち、第1の案内溝76に挿通されている第1のねじ58aのノブ部61の位置に対応して検知光80を投受光する。投光部81および受光部82は、支持体49の配置面68側から挿通される複数のボルト83で、支持体49の裏面側に取り付けられている。
【0036】
検知部79は、支持部48が使用位置H1に配置されているときに、検知光80が遮光状態となって、検知光80を受光部82が受光せず、また、支持部48が使用位置H1に配置されていないときに、検知光80が入光状態となって、検知光80を受光部82が受光する。検知部79は、検知光80の遮光状態、入光状態に応じた検知信号を開梱装置10の制御部に出力する。開梱装置10の制御部では、検知部79から入光状態に応じた検知信号を入力することで、物品11の開梱動作を可能とし、また、検知部79から遮光状態に応じた検知信号を入力することで、物品11の開梱動作を不可とする。したがって、検知部79は、支持部48が使用位置H1に配置されていないことを検知することで、切断ユニット40と関連して動作する他の機器である開梱装置10へ動作停止情報を提供することになる。
【0037】
また、
図5、並びに
図9(a)、
図10(a)、
図11(a)に示すように、支持体49の台部67には、使用位置H1に支持部48を位置決めする位置決め部材85が取り付けられている。位置決め部材85は、平板で構成され、台部67の配置面68に複数の取付孔86を挿通して支持体49に螺着される図示しないボルトで支持体49に固定されている。
【0038】
位置決め部材85には、第1位置決め辺部87aと、この第1位置決め辺部87aに対して直交する第2位置決め辺部87bと、を有し、これら2つの位置決め辺部87a,87bに支持部48の直交する2つの側面が当接することで支持部48を位置決めする。第1位置決め辺部87aと第2位置決め辺部87bとが交わる角部の領域には切欠部88が設けられ、この切欠部88に支持部48の角部が配置されることにより、第1位置決め辺部87aおよび第2位置決め辺部87bの2辺に支持部48の直交する2つの側面が当接されて確実に位置決めされる。
【0039】
位置決め部材85には、台部67の裏面側に検知部79を取り付けるボルト83の頭部との干渉を防止するための逃し孔89が設けられている。
【0040】
また、
図3および
図4に示すように、取付機構50は、コンベヤフレーム19aに固定される固定部材91と、この固定部材91に対して上下方向に位置調整可能に取り付けられる上下方向調整部材92と、を備え、上下方向調整部材92に支持体49が幅方向Bに位置調整可能に取り付けられている。
【0041】
固定部材91は、挟持板93および2本のボルト94によってコンベヤフレーム19aに固定されている。挟持板93は、コンベヤフレーム19aの外側面の開口から内側に配置され、上下端部がコンベヤフレーム19aの外側面の開口を形成する上下縁部の内側に係合される。固定部材91は、コンベヤフレーム19aの外側面に配置され、ボルト94が固定部材91を通じて挟持板93に螺着されることで、固定部材91と挟持板93との間でコンベヤフレーム19aの上下縁部を挟み込んで固定される。固定部材91の上端には、断面略Lの字形に折曲された折曲部95が設けられている。
【0042】
固定部材91の外側面には、スライドガイド96が配置され、ボルト94により固定部材91に取り付けられている。スライドガイド96は、上下方向調整部材92の上下方向へのスライドをガイドするとともに、上下方向調整部材92の下限位置を規制する。
【0043】
図4および
図6に示すように、上下方向調整部材92は、取付板部97と支持板部98とを有する横断面略Lの字形に形成されている。取付板部97の下部側には上下方向に長い2つの長孔99が上下方向に並んで設けられ、これら長孔99および固定部材91を挿通するボルト100と、挿通したボルト100の先端側に螺着されるナット101とにより、上下方向調整部材92が固定部材91に対して上下方向に位置調整可能に取り付けられている。
【0044】
図3ないし
図5に示すように、取付板部97には、固定部材91の折曲部95の上方域に折曲される折曲部102が設けられている。固定部材91の折曲部95および上下方向調整部材92の折曲部102にねじ軸103が挿通され、このねじ軸103に対して各折曲部95,102の上下面側において上下のナット104がそれぞれ螺合配置されている。各折曲部95,102に対して各上下のナット104を締め付けることで、ねじ軸103が各折曲部95,102に固定され、ねじ軸103を介して固定部材91に上下方向調整部材92が支持されている。例えば、上方の折曲部102の上側のナット104の締め付けを緩めた状態で、折曲部102の下側のナット104を一方に回動させることで上下方向調整部材92を固定部材91に対して上昇させ、他方に回動させることで上下方向調整部材92を固定部材91に対して下降させ、上下方向調整部材92の上下方向の位置を調整可能とする。
【0045】
支持板部98の上部側には幅方向Bに長い2つの長孔105が上下方向に並んで設けられ、これら長孔105および支持体49の側面部70に設けられた取付孔72を挿通するボルト106と、このボルト106の先端側に螺着される複数のナット107とにより、支持体49が幅方向Bに位置調整可能に取り付けられている。
【0046】
支持板部98には台部49の側面部70の下側位置にスライドガイド108が配置され、このスライドガイド108および支持板部98を挿通するボルト109と、このボルト109の先端に螺着されるナット110とにより、スライドガイド108が支持板部98に固定されている。スライドガイド108は、支持体49の側面部70を幅方向Bにスライド可能に支える。
【0047】
支持板部98および支持体49の連結部73にねじ軸111が挿通され、このねじ軸111に対して支持板部98および支持体49の連結部73の両側面においてナット112がそれぞれ螺合配置されている。支持板部98および支持体49の連結部73に対して各両側面のナット112を締め付けることで、ねじ軸111が支持板部98および支持体49の連結部73に固定され、ねじ軸111を介して上下方向調整部材92に支持体49が支持されている。例えば、ボルト106およびナット107の締め付けを緩めるとともに、支持体49の連結部73の外側のナット112の締め付けを緩めた状態で、支持体49の連結部73の内側のナット112を一方または他方に回動させることで支持体49を幅方向Bに移動させて位置を調整可能とする。
【0048】
この取付機構50により、切断ユニット40の刃43の上下方向の位置および幅方向Bの位置を任意に調整可能とし、物品11の底面部と側面部との間の1辺を適切に切断できる位置に刃43を容易に配置できる。
【0049】
そして、このような構成の開梱装置10を上流から連続するように3台設置し、上流側の開梱装置10の搬出コンベヤ20の搬送方向Aの下流側に、開梱装置10の転換コンベヤ17の幅方向Bの他側が接続されるようにする。さらに、上流側の開梱装置10に下流側の開梱装置10が直交するように順次配設されることにより、つまり3つの開梱装置10が平面視で略コの字形に配設されることにより、各開梱装置10により物品11の底面部と側面部との間の3辺が順次切断され、残りの1辺を介して底面部を開いて収容物を取出可能に開梱するように構成される。なお、3つの開梱装置10が直線状に配設され、上流側の開梱装置10と下流側の開梱装置10との間の転換コンベヤ17により物品11の搬送方向Aの向きを90°変換するようにしてもよい。
【0050】
次に、開梱装置10の動作を説明する。
【0051】
図1および
図2において、転換コンベヤ17に上流側より幅方向Bの他側から搬入される物品11を、転換コンベヤ17の幅方向Bの一側の所定位置に幅寄せするように搬送した後、搬送方向を投入コンベヤ18に向けた搬送方向Aに転換して搬送する。
【0052】
投入コンベヤ18は、幅方向Bの一側に幅寄せされた物品11を転換コンベヤ17から受け入れて幅方向Bの一側に幅寄せした状態で搬送方向Aに搬送し、処理コンベヤ19上での開梱処理の完了毎に物品11を処理コンベヤ19に順次投入する。
【0053】
投入コンベヤ18の箇所においては、物品測定部22により、転換コンベヤ17から一側面が幅方向Bの一側に幅寄せされて投入コンベヤ18上に搬送された物品11に対して、幅方向Bの一側に幅寄せされた一側面とは反対側の他側面との間の距離を測定し、測定した距離から物品11の幅方向Bの幅寸法を測定(算出)する。
【0054】
処理コンベヤ19の位置に配置される幅寄せ装置13では、物品測定部22の測定結果に基づいて、処理コンベヤ19上に投入コンベヤ18から次に投入さる物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せする幅寄せ動作を実行する。この幅寄せ動作により、可動ガイド25が物品11を固定ガイド23に幅寄せして挟み込む。モータ31の駆動により可動ガイド25のベルト29が回行し、このベルト29の回行と処理コンベヤ19のベルトの回行により、幅寄せ方向B1に幅寄せした状態の物品11を固定ガイド23に沿って搬送方向Aに搬送する。
【0055】
処理コンベヤ19上を幅寄せ方向B1に幅寄せされながら搬送される物品11の一側面の底面部と側面部との間の1辺を切断ユニット40の刃43により切断する。
【0056】
この切断された物品11は、処理コンベヤ19から搬出コンベヤ20に搬送し、この搬出コンベヤ20から次工程に搬出する。
【0057】
また、切断ユニット40の刃43が、摩耗したり、破損した場合には、刃43の交換を行う。
図9ないし
図11に刃43の交換時の動作を示す。
図9ないし
図11の各(a)は支持体49の表面側の配置面68に対して垂直方向から見た正面図、各(b)は支持体49の裏面に対して垂直方向から見た背面図である。
【0058】
図9(a)および(b)に示す状態で、作業者は、支持体49の裏面側から各ねじ58a,58bを回動操作して締め付けを緩め、支持体49に対する支持部48の固定を解除する。このとき、ねじ58a,58bは、締め付けを緩めるだけで、支持部48から外さないでおく。この状態では、支持部48は、支持体49に対して締結された固着状態ではないが、移動可能に接続された状態であるため、支持部48が移動しても支持体49から支持部48が脱落することが防止されている。
【0059】
図10(a)および(b)に示すように、作業者は、支持体49に対して可動状態になった切断ユニット40および支持部48を支持体49の使用位置H1から上側の着脱位置H2に向けてスライド移動させる。切断ユニット40および支持部48は、各ねじ58a,58bの軸部59が案内溝76,77の直線溝部76a,77a内を移動することにより、上側の着脱位置H2に向けて平行にスライド移動する。
【0060】
上側に移動した切断ユニット40および支持部48は、第1のねじ58aの軸部59が第1の案内溝76の直線溝部76aの上側の端部に当接し、第1のねじ58aの上側への移動が止まる。
【0061】
その後、
図11(a)および(b)に示すように、第1のねじ58aを中心として(直線溝部76aの上側の端部側を中心として)、切断ユニット40の先端側(刃43側)が上側に移動するように切断ユニット40および支持部48を回動する。切断ユニット40および支持部48が回動する際には、第2のねじ58bの軸部59が第2の案内溝77の直線溝部77aから円弧溝部77bに進入してその円弧溝部77bに沿って移動する。つまり、第1のねじ58aを中心とした第2のねじ58bのピボット回転により、切断ユニット40の先端側が斜め下を向いた姿勢から水平を向く姿勢まで持ち上げることになる。
【0062】
第2のねじ58bの軸部59が円弧溝部77bの先端部に当接して止まると、切断ユニット40の軸方向の向きが水平方向に向き、切断ユニット40および支持部48が着脱位置H2に位置決め配置される。その後、着脱位置H2において、各ねじ58a,58bを締め付け、支持部48を支持体49に固定する。これにより、切断ユニット40および支持部48の支持体49に対する位置および姿勢が使用位置H1とメンテナンス位置としての着脱位置H2との間で変化することになる。
【0063】
着脱位置H2に配置された切断ユニット40の装着部45から使用済みの刃43を外し、新しい刃43を装着部45に装着する交換作業を行う。
【0064】
この交換作業の際、着脱位置H2の切断ユニット40の軸方向が略水平方向に向き、切断ユニット40の先端側の装着部45が支持体49の側部から突出する。そのため、切断ユニット40の装着部45が視認しやすく、装着部45に対する刃43の交換作業を行いやすい。さらに、着脱位置H2は、使用位置H1よりも、他の部品である処理コンベヤ19の側方の位置(好ましくは、処理コンベヤ19の側方域に突出する位置)にあるため、処理コンベヤ19の側方から離れて作業者に近付くことで刃43の交換作業を行う空間を確保することができ、刃43の交換作業を行いやすい。
【0065】
なお、着脱位置H2において、切断ユニット40の軸方向の向きは、略水平方向に限らず、装着部45が上向きとなる位置まで回動してもよい。これにより、刃43の交換作業中に、装着部45に固着されていない状態の刃43が装着部45から脱落することが防止される。
【0066】
また、支持部48が使用位置H1から移動すると、使用位置H1において検知部79の検知光を遮光していた第1のねじ58aが移動するため、検知部79の検知光80が入光状態となって、支持部48が使用位置H1に配置されていないことを検知する。この検知部79から検知信号が開梱装置10の制御部に送られ、開梱装置10の制御部は開梱装置10による開梱動作を不可とする。
【0067】
刃43の交換後は、先述のとは反対の方向に切断ユニット40を移動させることで切断ユニット40を使用位置H1に戻すことになる。先ず、各ねじ58a,58bの締め付けを緩め、第1のねじ58aを中心として(直線溝部76aの上側の端部側を中心として)、切断ユニット40の先端側(刃43側)が下降するように、切断ユニット40および支持部48を回動させる。切断ユニット40および支持部48が回動する際には、第2のねじ58bの軸部59が第2の案内溝77の円弧溝部77bに沿って移動する。
【0068】
第2のねじ58bの軸部59が第2の案内溝77の円弧溝部77bから直線溝部77aに進入すると、切断ユニット40および支持部48を下側の使用位置H1へ向けてスライド移動させる。切断ユニット40および支持部48は、各ねじ58a,58bの軸部59が案内溝76,77の直線溝部76a,77a内を移動することにより、下側の使用位置H1に向けて平行にスライド移動する。
【0069】
使用位置H1に移動した支持部48は、位置決め部材85の直交する第1位置決め辺部87aと第2位置決め辺部87bに当接して位置決めされる。各ねじ58a,58bを締め付け、支持部48を支持体49に固定する。
【0070】
支持部48が使用位置H1に移動すると、検知部79の検知光80が第1のねじ58aで遮光され、支持部48が使用位置H1に配置されたことを検知する。この検知部79からの検知信号が開梱装置10の制御部に送られ、開梱装置10の制御部は開梱装置10による開梱動作を可能とする。
【0071】
また、振動子44の故障などによる切断ユニット40の全体の交換の際にも、切断ユニット40および支持部48を着脱位置H2に移動させることにより、支持部48に対する切断ユニット40の交換作業を容易に行うことができ、交換作業の作業効率が向上する。
【0072】
そして、本実施の形態の支持装置41においては、切断ユニット40を支持する支持部48を、切断ユニット40を使用する使用位置H1と、この使用位置H1とは異なる位置であって切断ユニット40の刃43を着脱する着脱位置H2と、の間で移動可能に支持するため、着脱位置H2において、刃43を容易に着脱でき、刃43の装着も確実にできる。
【0073】
支持体49は、使用位置H1と着脱位置H2の間に、支持部48の移動を案内する移動案内部75を有するため、移動中の支持部48が支持体49から脱落することがなく、使用位置H1と着脱位置H2の間での支持部48の移動を円滑にできる。
【0074】
移動案内部75は一対であり、着脱位置H2側において、一方の移動案内部75の端部を中心に支持部48が回転して着脱位置H2に移動するように案内するため、切断ユニット40の向きを、刃43の着脱がしやすい向きに変換することができ、刃43を容易に交換にできる。
【0075】
着脱位置H2において、切断ユニット40の刃43が支持体49よりも外側に突出するため、刃43を容易に視認でき、さらに、刃43に周囲からアクセス可能となるから、刃43の交換が容易になる。
【0076】
また、検知部79により支持部48が使用位置H1に配置されているか否かを検知するため、交換後の使用位置H1への支持部48の戻し忘れや、位置ずれなどに対応できる。
【0077】
検知部79により支持部48が使用位置H1に配置されていないことを検知すると、開梱装置10の制御部に動作停止情報を提供するため、切断ユニット40が使用できない状態で、開梱動作が行われしまうのを防止できる。
【0078】
ここで、メンテナンス作業とは、部品交換などの着脱作業のみではなく、保守、点検、清掃、調整、整備などを含む作業であり、また、保守部品とは、使用による変化に応じて交換・点検・清掃・調整・整備などを要する物体を含むものである。
【0079】
なお、支持装置で支持する被支持物としては、切断ユニット40に限らず、例えば、加工物を加工する工具などでもよく、あるいは、印を付けるためのマーカーなどでもよく、所定の使用位置にて使用し、交換のために着脱するものを含む。
【0080】
また、被支持物39が支持部48に取り付けられる別体を例に記載したが、被支持部39が支持部48と一体となっている場合も含むものであり、いずれも同様の取り扱いとすることができる。
【0081】
なお、本実施例では、使用位置H1を下側、メンテナンス位置H2を上側とし、また、使用位置H1で被支持物39が傾き姿勢とし、メンテナンス位置H2で水平姿勢としたが、支持体49に対する使用位置H1とメンテナンス位置H2および各位置での被支持物39の姿勢は、被支持物39の使用方法、設置方法、メンテナンス方法などによって設定される他の態様を排除するものではない。
【0082】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0083】
39 被支持物
41 支持装置
43 保守部品である刃
44 被支持物本体である振動子
48 支持部
49 支持体
58a 第1の移動体である第1のねじ
58b 第2の移動体である第2のねじ
75 移動案内部
76 第1の移動案内部である第1の案内溝
76a 第1の線状案内部である直線溝部
77 第2の移動案内部である第2の案内溝
77a 第2の線状案内部である直線溝部
77b 円弧案内部である円弧溝部
79 検知部
H1 使用位置
H2 メンテナンス位置である着脱位置